JP2012105005A - 入力バッファ、及び信号入力方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】半導体集積回路に対する高周波数帯のノイズの混入を防止する。
【解決手段】本発明による入力バッファは、半導体集積回路の外部からの入力信号を反転して半導体集積回路の内部に出力する出力インバータ回路2と、出力インバータ回路2の反転動作よりも早く入力信号の電圧V1の固定動作を開始する固定回路とを具備する。
【選択図】図3

Description

本発明は、半導体集積回路のインタフェースに関し、特に入力バッファ及び半導体集積回路への信号入力方法に関する。
高速転送を行うDDR(Double Data Rate)等の、インタフェースの技術(分野)において、高集積化、高速化、低消費電力化に伴い、信号伝送における波形品質改善の要求(必要性)が高まってきた。
LSI外部と内部とを接続するインタフェースとして、入力バッファ回路が設けられる。波形品質を改善するため、入力端子に重畳されたノイズによる誤動作を防止した入力バッファが、例えば特開平11−127073に記載されている(特許文献1参照)。図1は、特許文献1に記載の入力バッファの構成図である。
図1を参照して、入力バッファは、入力回路として機能するインバータ回路101、出力回路として機能するインバータ回路102、インバータ回路103、遅延回路31、Pチャネル型MOSトランジスタ41、43、46、Nチャネル型MOSトランジスタ42、44、46を備える。LSI外部からの信号は入力端子INから入力バッファに入力され、インバータ回路101、102を介して出力端子OUTからLSI内部へ出力される。
Pチャネル型MOSトランジスタ41とNチャネル型MOSトランジスタ42は、インバータ回路102(出力回路)への入力をインバータ回路101(入力回路)の出力信号と同じ信号レベルに固定する固定回路として機能する。一方、インバータ回路103、遅延回路31、Pチャネル型MOSトランジスタ43、46、Nチャネル型MOSトランジスタ44、45は、固定回路の信号動作を解除する解除回路として機能する。
図2を参照して、特許文献1に記載の入力バッファの動作について説明する。入力端子INへの入力電圧Vinがローレベル(以下、“L”と称す)のとき、インバータ回路101の出力電圧V101はハイレベル(以下、“H”と称す)、インバータ回路103の出力電圧V103は“L”となる。遅延回路31の入力電圧は“L”であり、所定の時間経過後の遅延回路31の出力電圧V31は“L”となる。
遅延回路31の出力電圧V31が“L”のとき、Pチャネル型MOSトランジスタ43、46、Nチャネル型MOSトランジスタ44、45のゲート電圧は“L”となるため、Pチャネル型MOSトランジスタ43、46はオン、Nチャネル型MOSトランジスタ44、45はオフとなる。Pチャネル型MOSトランジスタ43がオン、Nチャネル型MOSトランジスタ45がオフとなることにより、Pチャネル型MOSトランジスタ41のゲートには、Pチャネル型MOSトランジスタ43を介して電源電位が供給される。これによりPチャネル型MOSトランジスタ41のゲート電圧V41は“H”となる。又、Nチャネル型MOSトランジスタ44がオフ、Pチャネル型MOSトランジスタ46がオンとなることにより、Nチャネル型MOSトランジスタ42のゲートには、Pチャネル型MOSトランジスタ46を介してインバータ回路103の出力電圧V103が供給される。これにより、Nチャネル型MOSトランジスタ42のゲート電圧V42は“L”となる。これにより、Pチャネル型MOSトランジスタ41及びNチャネル型MOSトランジスタ42はともにオフとなる。
次に、入力端子INへの入力電圧Vinが“L”から“H”に変化するときの動作を説明する。入力電圧Vinが“L”から“H”に変化すると、インバータ回路101の出力電圧V101は“H”から“L”に変化し、インバータ回路102の出力電圧Voutは“L”から“H”に変化する。又、インバータ回路101の出力変化によりインバータ回路103の出力電圧103も“L”から“H”に変化する。このとき、Pチャネル型MOSトランジスタ46はオン、Nチャネル型MOSトランジスタ44がオフであるため、“H”の出力電圧V103は、Nチャネル型MOSトランジスタ42のゲートまで伝播し、Nチャネル型MOSトランジスタ42がオフからオンに変化する。Nチャネル型MOSトランジスタ42がオンになることにより、インバータ回路102の入力(出力電圧V101)は“L”に保持固定される。
一方、遅延回路31の出力電圧31は、遅延回路31が持つ遅延時間の後に“L”から“H”に変化する。これにより、Pチャネル型MOSトランジスタ43、46及びNチャネル型MOSトランジスタ44、45のゲート電圧は“L”から“H”に変化する。この結果、Pチャネル型MOSトランジスタ43、46はオンからオフに変化し、Nチャネル型MOSトランジスタ44、45はオフからオンに変化する。
これにより、ゲート電圧V42は“H”から“L”となり、Nチャネル型MOSトランジスタ42はオフとなる。又、ゲート電圧V41は“H”を維持するため、Nチャネル型MOSトランジスタ41は、オフを維持する。このような動作により、インバータ回路102の入力(出力信号V101)は遅延回路31の持つ遅延時間のあいだ“L”に固定される。
以上のような動作により、遅延回路31による遅延時間の間に大きなノイズが入力端子INに加わっても、インバータ回路102(出力回路)への入力(出力信号V101)は変化せず、出力端子OUTも変化しない。
特開平11−127073
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、高い周波数帯のノイズを除去できないという問題がある。詳細には、入力信号の信号レベルが“H”又“L”に遷移し始めてから、インバータ回路101の出力電圧V101が固定されるまでの間において、Pチャネル型MOSトランジスタ41とNチャネル型MOSトランジスタ42が両者ともオフとなる期間が存在する。この期間中、インバータ回路101の出力電圧V101は固定されていないため、入力電圧Vinに混入したノイズは、出力端子OUTに伝播してしまう。例えば、入力回路であるインバータ回路101の出力電圧V101の信号レベルが“L”から“H”へ遷移し始める時刻T100から、信号レベルが反転する時刻T101までの間、あるいは、出力電圧V101の信号レベルが“H”から“L”へ遷移し始める時刻T200から信号レベルが反転する時刻T201までの間は、Pチャネル型MOSトランジスタ41とNチャネル型MOSトランジスタ42はオフであるため、固定不能期間となる。
ノイズの周波数が高い場合、このような出力電圧V101が固定不能期間にノイズが混入することがあるが、特許文献1に記載の技術では、このようなノイズを除去することができない。このため、半導体集積回路への高周波ノイズの混入を防ぐ技術が強く要求されている。
上記の課題を解決するために、本発明は、以下に述べられる手段を採用する。その手段を構成する技術的事項の記述には、[特許請求の範囲]の記載と[発明を実施するための形態]の記載との対応関係を明らかにするために、[発明を実施するための形態]で使用される番号・符号が付加されている。ただし、付加された番号・符号は、[特許請求の範囲]に記載されている発明の技術的範囲を限定的に解釈するために用いてはならない。
本発明による入力バッファは、半導体集積回路の外部からの入力信号を半導体集積回路の内部へ反転出力する出力インバータ回路(2)と、出力インバータ回路(2)の反転動作よりも早く入力信号の電圧(V1)の固定動作を開始する固定回路とを具備する。
又、本発明による信号入力方法は、半導体集積回路の外部からの入力信号を半導体集積回路の内部に入力する方法において、出力インバータ回路(2)が入力信号を半導体集積回路の内部へ反転出力するステップと、固定回路が、出力インバータ回路(2)の反転動作よりも早く入力信号の電圧(V1)の固定動作を開始するステップとを具備する。
本発明では、出力インバータ回路(2)の反転動作よりも前に入力信号の電圧(V1)の固定動作が開始される。これにより、入力信号の信号レベルが遷移してから信号レベルが固定されるまでの時間(固定不能期間)が従来よりも短縮され、従来よりも高周波数帯のノイズを除去ことが可能となる。
従って、本発明によれば、半導体集積回路に対する高周波数帯のノイズの混入を防止することができる。
図1は、従来技術による入力バッファの構成を示す図である。 図2は、従来技術による入力バッファの動作を示すタイミングチャートである。 図3は、本発明による入力バッファの構成の一例を示す図である。 図4は、本発明による入力バッファの動作の一例を示すタイミングチャートである。 図5は、遅延時間が変更可能な遅延回路の構成の一例を示す図である。
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施の形態を説明する。図面において同一、又は類似の参照符号は、同一、類似、又は等価な構成要素を示している。
(構成)
図3を参照して、本発明による入力バッファの構成を説明する。図3は、本発明による入力バッファの構成の一例を示す図である。
本発明による入力バッファは、入力抵抗1、インバータ回路2、3、4、14、遅延回路5、OR回路6、AND回路7、プルアップトランジスタ8、プルダウントランジスタ9を具備する。LSI外部からの信号は入力端子INから入力され、入力抵抗1、インバータ回路2、14を介して出力端子OUTからLSI内部へ出力される。
インバータ回路2(出力インバータ回路)は出力回路として機能し、LSIの外部から入力抵抗1を介して入力された入力信号の反転信号(出力電圧V2)を、遅延回路5及びインバータ回路14に出力する。詳細には、インバータ回路2は、閾値電圧VT2より高い入力信号を反転し、信号レベルが“L”の出力信号として遅延回路5及びインバータ回路14に出力する。又、インバータ回路2は、閾値電圧VT2より低い入力信号を反転し、信号レベルが“H”の出力信号として遅延回路5及びインバータ回路14に出力する。更に、インバータ回路2の閾値電圧VT2はインバータ回路3の閾値電圧VT3より高く、インバータ回路4の閾値電圧VT4より低い。
インバータ回路14(出力インバータ回路)は、インバータ回路2から出力された信号の反転信号(出力電圧Vout)を、出力端子OUT(LSI内部)に出力する。詳細には、インバータ回路14は、閾値電圧VT2より高い入力信号を反転し、信号レベルが“L”(論理値“0”)の出力信号として出力端子OUTに出力する。又、インバータ回路14は、閾値電圧VT2より低い入力信号を反転し、信号レベルが“H”(論理値“1”)の出力信号として出力端子OUTに出力する。
遅延回路5は、インバータ回路2からの出力信号の反転信号を遅延して、OR回路6及びAND回路7に出力する。遅延回路5は、例えば、直列接続された複数のインバータ回路やバッファを備える。インバータ回路等の段数を変更することで、遅延回路5の遅延時間を所望の遅延時間に設定できることが好ましい。図5は、遅延時間が変更可能な遅延回路5の構成の一例を示す図である。図5に示す遅延回路5は、それぞれが異なる数の遅延素子(例えばインバータ)を有し、インバータ回路2からの出力信号が入力される複数の遅延回路51、52、53と、制御信号54に応じて遅延回路51、52、53のいずれかの出力を選択出力するセレクタ50を備える。このような遅延回路5を搭載することで、所望の固定期間T12に変更することが可能となる。
インバータ回路3は、入力抵抗1を介して入力された入力信号の反転信号(出力電圧V3)をOR回路6に出力する。詳細には、インバータ回路3は、閾値電圧VT3より高い入力信号を反転し、信号レベルが“L”(論理値“0”)の出力信号としてOR回路6に出力する。又、インバータ回路3は、閾値電圧VT3より低い入力信号を反転し、信号レベルが“H”(論理値“1”)の出力信号としてOR回路6に出力する。インバータ回路3は、ソースが第1電源(VDD)に接続されたPチャネル型MOSトランジスタ10と、ソースが第2電源(例えばGND)に接続されたNチャネル型MOSトランジスタ11を備える。ここで、Pチャネル型MOSトランジスタ10より大きな電流駆動能力のNチャネル型MOSトランジスタ11を搭載することで、インバータ回路3の閾値電圧VT3をインバータ回路2の閾値電圧VT2より低く設定することができる。
インバータ回路4は、入力抵抗1を介して入力された入力信号の反転信号(出力電圧V4)をAND回路7に出力する。詳細には、インバータ回路4は、閾値電圧VT4より高い入力信号を反転し、信号レベルが“L”(論理値“0”)の出力信号としてAND回路7に出力する。又、インバータ回路4は、閾値電圧VT4より低い入力信号を反転し、信号レベルが“H”(論理値“1”)の出力信号としてAND回路7に出力する。インバータ回路4は、ソースが第1電源(VDD)に接続されたPチャネル型MOSトランジスタ12と、ソースが第2電源(例えばGND)に接続されたNチャネル型MOSトランジスタ13を備える。ここで、Nチャネル型MOSトランジスタ13より大きな電流駆動能力のPチャネル型MOSトランジスタ12を搭載することで、インバータ回路4の閾値電圧VT4をインバータ回路2の閾値電圧VT2より高く設定することができる。
OR回路6(第1論理演算回路)は、インバータ回路3からの出力信号の論理値と、遅延回路5からの出力信号の論理値の論理和(出力電圧V6)をプルアップトランジスタ8のゲートに入力する。又、AND回路7(第2論理演算回路)は、インバータ回路4からの出力信号の論理値と、遅延回路5からの出力信号の論理値の論理積(出力電圧V7)をプルダウントランジスタ9のゲートに入力する。OR回路6、AND回路7は、後述するインバータ2、3、4への入力電圧の固定動作及び固定解除動作が実現できれば、他の論理演算を行う演算回路に替えても構わない。
プルアップトランジスタ8は、ゲートに供給される出力電圧V6に応じて第1電源(VDD)とインバータ回路2、3、4の各入力との接続を制御する。詳細には、プルアップトランジスタ8は、“H”の出力電圧V6に応じてオフとなり第1電源とインバータ回路2、3、4の入力及び入力抵抗1の一端との接続を切断し、“L”の出力電圧V6に応じてオンとなり第1電源とインバータ回路2、3、4の入力及び入力抵抗1の一端とを接続する。すなわち、プルアップトランジスタ8は、“H”の出力電圧V6が供給されている間、インバータ回路2、3、4への入力信号の信号レベルを“H”に固定する。尚、プルアップトランジスタ8を制御する論理演算回路(ここではOR回路6)を変更した場合、プルアップトランジスタ8の導電型はこれに限らない。又、OR回路6や他の論理演算結果に応じてインバータ回路2、3、4の入力電圧を第1電圧に固定できれば、プルアップトランジスタ8は、MOSトランジスタに限らず他の構成によるスイッチ回路に変更しても構わない。
プルダウントランジスタ9は、ゲートに供給される出力電圧V7に応じて第2電源(例えばGND又はVSS)とインバータ回路2、3、4の各入力との接続を制御する。詳細には、プルダウントランジスタ9は、“L”の出力電圧V7に応じてオフとなり第2電源とインバータ回路2、3、4の入力及び入力抵抗1の一端との接続を切断し、“H”の出力電圧V7に応じてオンとなり第2電源とインバータ回路2、3、4の入力及び入力抵抗1の一端とを接続する。すなわち、プルダウントランジスタ9は、“L”の出力電圧V7が供給されている間、インバータ回路2、3、4への入力信号の信号レベルを“L”に固定する。プルダウントランジスタ9は、例えば、ゲートがAND回路7の出力に接続され、ソースが第2電源に接続され、ドレインがインバータ回路2、3、4の入力に接続されたNMOSトランジスタである。尚、プルダウントランジスタ9を制御する論理演算回路(ここではAND回路7)を変更した場合、プルダウントランジスタ9の導電型はこれに限らない。又、AND回路7や他の論理演算結果に応じてインバータ回路2、3、4の入力電圧を第2電圧に固定できれば、プルダウントランジスタ9は、MOSトランジスタに限らず他の構成によるスイッチ回路に変更しても構わない。
以上のような構成により、本発明による入力バッファでは、インバータ回路2(出力回路)における反転動作よりも早いタイミングで、インバータ回路2への入力信号(V1)を固定する固定回路(インバータ回路3、4)が動作を開始する。この結果、短い周期のノイズが入力端子INに入力しても、当該ノイズが出力端子OUTに伝播することを防止することが可能となる。尚、図3に示す一例では、入力抵抗1を介してインピーダンス回路2に入力される入力信号の電圧を固定する構成としたが、これに限らず、インピーダンス回路2への入力信号を固定できるインピーダンスを備えれば、抵抗素子に替えて他の素子(例えばインバータ回路)としても構わない。
(動作)
次に、図4を参照して、本発明による入力バッファの信号入力動作の詳細を説明する。図4は、本発明による入力バッファの信号入力動作の一例を示すタイミングチャートである。図4に示す一例では、ノイズが重畳されたハイレベルを示す信号が入力端子INに入力される。
先ず、入力電圧Vinが“L”で固定された定常状態の場合(時刻T1)、インバータ回路2、3、4のそれぞれには、入力抵抗1を介して“L”の信号(入力電圧V1)が入力され、それぞれの出力電圧V2、V3、V4は“H”となる。ここでは、入力電圧Vinが、遅延回路5の遅延時間T11を越える十分長い時間“L”となっている。このため、遅延回路5は、入力される“H”の出力電圧V2に応じて“L”の出力電圧V5をOR回路6及びAND回路7に出力する。
このとき、OR回路6への入力信号の信号レベルが“H”と“L”となるため、OR回路6は、プルアップトランジスタ8のゲートに対し“H”の出力電圧V6を出力する。又、AND回路7への入力信号の信号レベルも“H”と“L”となるため、AND回路7は、プルダウントランジスタ9のゲートに対し“L”の出力電圧V7を出力する。この結果、プルアップトランジスタ8とプルダウントランジスタ9はともにオフとなる。一方、インバータ回路14は、“H”の出力電圧V2に応じて、“L”のVoutを出力端子OUTに出力する。
次に、入力端子INからの信号の入力電圧Vinがノイズを含み“L”から“H”に変化する間の場合の動作を説明する。
時刻T2において、インバータ回路2、3、4への入力電圧V1が閾値電圧VT3より高くなると、インバータ回路3の出力電圧V3は“L”に遷移する。又、遅延回路5の出力電圧V5は遅延により“L”を維持するため、OR回路6への入力信号の信号レベルは“L”と“L”に変化し、プルアップトランジスタ8のゲートに“L”の出力電圧V6が供給される。これにより、プルアップトランジスタ8はオンとなり、入力電圧V1は“H”側に引き上げられ、“H”側への固定動作が開始される。一方、入力電圧V1は閾値電圧VT2、VT4より低いため、インバータ回路2、4の出力電圧V2、V4は“H”を維持し、インバータ回路14の出力電圧Voutも“L”を維持する。このため、AND回路7への入力信号の信号レベルは“H”と“L”を維持し、プルダウントランジスタ9はオフ状態を維持する。このとき、入力端子INにノイズが混入しても、入力電圧V1は“H”側へ引き上げられているため、ノイズによる変動は抑制される。このため、出力電圧Voutはノイズの影響を受けずに“L”を維持することができる。
時刻T3において、インバータ回路2、3、4への入力電圧V1が閾値電圧VT2より高くなると、インバータ回路2の出力電圧V2が“L”に遷移するとともに、インバータ回路14の出力電圧Voutは“H”に遷移する。又、遅延回路5の出力電圧V5は遅延により“L”を維持するため、OR回路6への入力信号の信号レベルは“L”と“L”を維持し、プルアップトランジスタ8はオン状態を維持する。このため、入力電圧V1は、引き続き“H”側に引き上げられる(固定状態)。一方、入力電圧V1は閾値電圧VT4より低いため、インバータ回路4の出力電圧V4は“H”を維持する。このため、AND回路7への入力信号の信号レベルは“H”と“L”を維持し、プルダウントランジスタ9はオフ状態を維持する。このとき、入力端子INにノイズが混入しても入力電圧V1は“H”側へ引き上げられているため、ノイズによる変動は抑制される。このため、出力電圧Voutはノイズの影響を受けずに“H”を維持する。
時刻T4において、インバータ回路2、3、4への入力電圧V1が閾値電圧VT4より高くなると、インバータ回路4の出力電圧V4が“L”に遷移する。又、遅延回路5の出力電圧V5は遅延により“L”を維持するため、AND回路7への入力信号の信号レベルは“L”と“L”に変化するが、出力電圧V7は“L”を維持するためプルダウントランジスタ9はオフ状態を維持する。又、OR回路6への入力信号の信号レベルは“L”と“L”を維持し、プルアップトランジスタ8はオン状態を維持する。このため、入力電圧V1は、引き続き“H”側に引き上げられる(固定状態)。このとき、入力端子INにノイズが混入しても入力電圧V1は“H”側へ引き上げられているため、ノイズによる変動は抑制される。このため、出力電圧Voutはノイズの影響を受けずに“H”を維持する。
インバータ回路2の出力電圧V2が反転した時刻T3から遅延時間T11が経過した時刻T5において、遅延回路5の出力電圧V5は反転し、“H”に遷移する。これにより、OR回路6への入力信号の信号レベルは“L”と“H”に変化し、出力電圧V6は“H”に変化する。この結果、プルアップトランジスタ8はオフとなり、入力電圧V1の固定状態が解除される。一方、時刻T5において、AND回路7への入力信号の信号レベルは“L”と“H”に変化するが、出力電圧V7は“L”を維持するためプルダウントランジスタ9はオフ状態を維持する。
通常、時刻T5から所定の期間中(例えば時刻T6)、入力電圧Vinの信号レベルは安定して“H”を維持するため、入力電圧V1が固定されていなくても、出力電圧Voutは“H”を維持する。
詳細には、入力電圧Vinが“H”で固定された定常状態の場合(時刻T6)、インバータ回路2、3、4のそれぞれには、入力抵抗1を介して“H”の入力電圧V1が入力され、それぞれの出力電圧V2、V3、V4は“L”となる。ここでは、入力電圧Vinが、遅延回路5の遅延時間T11を越える十分長い時間“H”となっている。このため、遅延回路5は、入力される“L”の出力電圧V2に応じて“H”の出力電圧V5をOR回路6及びAND回路7に出力する。
このとき、OR回路6への入力信号の信号レベルが“L”と“H”となるため、OR回路6は、プルアップトランジスタ8のゲートに対し“H”の出力電圧V6を出力する。又、AND回路7への入力信号の信号レベルも“L”と“H”となるため、AND回路7は、プルダウントランジスタ9のゲートに対し“L”の出力電圧V7を出力する。この結果、プルアップトランジスタ8とプルダウントランジスタ9はともにオフ状態を維持し、固定状態は解除されたままとなる。一方、インバータ回路14は、“L”の出力電圧V2に応じて、“H”のVoutを出力端子OUTに出力する。
以上のような動作により、インバータ回路2の反転よりも早い時刻T2から、時刻T5までの入力固定期間T12、入力電圧V1は“H”側に引き上げられることでノイズによる変動が抑制される。このため、この期間中にノイズが入力端子INに加わっても、出力端子OUTにノイズが伝播せず“H”で安定した出力電圧Voutとなる。すなわち、本発明によれば、半導体集積回路への高周波のノイズの混入を防止することが可能となる。又、遅延回路5によって遅延された信号によって、入力電圧V1の固定状態は解除される。この際、遅延回路5の遅延時間T11を調整することで、固定解除の時期(時刻T5)を変更できる。すなわち、遅延時間T11を変更することで入力電圧V1の固定期間T12を変更することが可能となる。このため、本発明では遅延回路5の遅延時間T11を外部から調整可能であることが好ましい。又、半導体集積回路の動作周波数に応じて遅延時間を変更できる可変遅延回路を遅延回路5として搭載しても構わない。
次に、入力端子INからの信号の入力電圧Vinがノイズを含み“H”から“L”に変化する間の場合の動作を説明する。
時刻T7において、インバータ回路2、3、4への入力電圧V1が閾値電圧VT4より低くなると、インバータ回路4の出力電圧V4は“H”に遷移する。又、遅延回路5の出力電圧V5は遅延により“H”を維持するため、AND回路7への入力信号の信号レベルは“H”と“H”に変化し、プルダウントランジスタ9のゲートに“H”の出力電圧V7が供給される。これにより、プルダウントランジスタ9はオンとなり、入力電圧V1は“L”側に引き下げられ、“L”側への固定動作が開始される。一方、入力電圧V1は閾値電圧VT2、VT3より高いため、インバータ回路2、3の出力電圧V2、V3は“L”を維持し、インバータ回路14の出力電圧Voutも“H”を維持する。このため、OR回路6への入力信号の信号レベルは“L”と“H”を維持し、プルアップトランジスタ8はオフ状態を維持する。このとき、入力端子INにノイズが混入しても入力電圧V1は“L”側へ引き下げられているため、ノイズによる変動は抑制される。このため、出力電圧Voutはノイズの影響を受けずに“H”を維持することができる。
時刻T8において、インバータ回路2、3、4への入力電圧V1が閾値電圧VT2より低くなると、インバータ回路2の出力電圧V2が“H”に遷移するとともに、インバータ回路14の出力電圧Voutは“L”に遷移する。又、遅延回路5の出力電圧V5は遅延により“H”を維持するため、AND回路7への入力信号の信号レベルは“H”と“H”を維持し、プルダウントランジスタ9はオン状態を維持する。このため、入力電圧V1は、引き続き“L”側に引き下げられる(固定状態)。一方、入力電圧V1は閾値電圧VT3より高いため、インバータ回路3の出力電圧V3は“L”を維持する。このため、OR回路6への入力信号の信号レベルは“L”と“H”を維持し、プルアップトランジスタ8はオフ状態を維持する。このとき、入力端子INにノイズが混入しても入力電圧V1は“L”側へ引き下げられているため、ノイズによる変動は抑制される。このため、出力電圧Voutはノイズの影響を受けずに“L”を維持する。
時刻T9において、インバータ回路2、3、4への入力電圧V1が閾値電圧VT3より低くなると、インバータ回路3の出力電圧V3が“H”に遷移する。又、遅延回路5の出力電圧V5は遅延により“H”を維持するため、OR回路6への入力信号の信号レベルは“H”と“H”に変化するが、出力電圧V6は“H”を維持するため、プルアップトランジスタ8はオフ状態を維持する。一方、AND回路7への入力信号の信号レベルは“H”と“H”を維持するため、プルダウントランジスタ9はオン状態を維持する。このため、入力電圧V1は、引き続き“L”側に引き下げられる(固定状態)。このとき、入力端子INにノイズが混入しても入力電圧V1は“L”側へ引き下げられているため、ノイズによる変動は抑制される。このため、出力電圧Voutはノイズの影響を受けずに“L”を維持する。
インバータ回路2の出力電圧V2が反転した時刻T8から遅延時間T11が経過した時刻T10において、遅延回路5の出力電圧V5は反転し、“L”に遷移する。これにより、AND回路7への入力信号の信号レベルは“L”と“L”に変化し、出力電圧V7は“L”に変化する。この結果、プルダウントランジスタ9はオフとなり、入力電圧V1の固定状態が解除される。一方、時刻T10において、OR回路6への入力信号の信号レベルは“H”と“L”に変化するが、出力電圧V7は“H”を維持するためプルアップトランジスタ8はオフ状態を維持する。
以上のような動作により、インバータ回路2の反転よりも早い時刻T7から、時刻T10までの入力固定期間T12、入力電圧V1は“L”側に引き下げられることでノイズによる変動が抑制される。このため、この期間中にノイズが入力端子INに加わっても、出力端子OUTにノイズが伝播せず“L”で安定した出力電圧Voutとなる。すなわち、本発明によれば、半導体集積回路への高周波のノイズの混入を防止することが可能となる。又、遅延回路5によって遅延された信号によって、入力電圧V1の固定状態は解除される。この際、遅延回路5の遅延時間T11を調整することで、固定解除の時期を変更できる。すなわち、遅延時間T11を変更することで入力電圧V1の固定期間T12を変更することが可能となる。このため、本発明では遅延回路5の遅延時間T11を外部から調整可能であることが好ましい。
従来技術では、インバータ回路103における反転動作が開始され、固定回路により固定されるまでの間、出力電圧V101が固定されない。このため、この期間中に混入するノイズを除去できなかった。一方、本発明による入力バッファでは、インバータ回路2よりも早く反転動作を行うインバータ回路3、4によって、入力電圧V1は固定される(固定状態となる)。すなわち、本発明では、インバータ回路2の反転動作よりも前に、入力電圧V1を入力信号INの信号レベルの遷移方向に固定し始める。このため、入力信号の信号レベルが遷移し始めてから入力電圧V1を固定するまでの時間は、従来よりも短縮される。この結果、本発明の入力バッファによれば、従来よりも高い周波数帯のノイズを除去することが可能となる。
以上、本発明の実施の形態を詳述してきたが、具体的な構成は上記実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の変更があっても本発明に含まれる。本実施の形態では、入力電圧V1を固定するプルアップトランジスタ8、プルダウントランジスタ9としてMOSトランジスタを一例としたが、これに限らず、バイポーラトランジスタ等を利用したスイッチ回路やトランスファゲートを利用して構成しても構わない。
1 :入力抵抗
2、3、4、14 :インバータ回路
5 :遅延回路
6 :OR回路
7 :AND回路
8 :プルアップトランジスタ
9 :プルダウントランジスタ
10、12:Pチャネル型MOSトランジスタ
11、13:Nチャネル型MOSトランジスタ

Claims (9)

  1. 半導体集積回路の外部からの入力信号を半導体集積回路の内部に反転出力する出力インバータ回路と、
    前記出力インバータ回路の反転動作よりも早く前記入力信号の電圧の固定動作を開始する固定回路と
    を具備する
    入力バッファ回路。
  2. 請求項1に記載の入力バッファ回路において、
    前記入力信号は、インピーダンス素子を介して前記半導体集積回路の外部から前記出力インバータ回路に入力され、
    前記固定回路は、
    前記入力信号を反転出力する第1インバータ回路と、
    前記入力信号を反転出力する第2インバータ回路と、
    前記第1インバータ回路の出力信号の信号レベルの第1レベルから第2レベルへの反転に応じて前記入力信号の信号レベルをプルアップするプルアップ回路と、
    前記第2インバータ回路の出力信号の信号レベルの第2レベルから第1レベルへの反転に応じて前記入力信号の信号レベルをプルダウンするプルダウン回路と
    を備え、
    前記第1インバータ回路の閾値電圧は、前記出力インバータ回路の閾値電圧よりも低く、
    前記第2インバータ回路の閾値電圧は、前記出力インバータ回路の閾値電圧よりも高い
    入力バッファ回路。
  3. 請求項2に記載の入力バッファ回路において、
    前記固定回路は、前記出力インバータ回路の出力信号を遅延して反転出力する遅延回路を更に備え、
    前記固定回路は、前記遅延回路によって遅延して出力された信号の信号レベルの反転に応じて前記入力信号の信号レベルの固定を解除する
    入力バッファ回路。
  4. 請求項3に記載の入力バッファ回路において、
    前記プルアップ回路は、前記遅延回路から遅延して出力された信号の第2レベルから第1レベルへの反転に応じてプルアップ動作を終了し、
    前記プルダウン回路は、前記遅延回路から遅延して出力された信号の第1レベルから第2レベルへの反転に応じてプルダウン動作を終了する
    入力バッファ回路。
  5. 請求項3又は4に記載の入力バッファ回路において、
    前記固定回路は、第1論理演算回路と第2論理演算回路とを更に備え、
    前記第1論理演算回路は、前記第1インバータ回路の出力が示す論理値と、前記遅延回路の出力が示す論理値との第1論理演算結果を出力し、
    前記第2論理演算回路は、前記第2インバータ回路の出力が示す論理値と、前記遅延回路の出力が示す論理値との第2論理演算結果を出力し、
    前記プルアップ回路は、前記第1論理演算結果に応じて前記入力信号の信号レベルのプルアップ動作を開始又は停止し、
    前記プルダウン回路は、前記第2論理演算結果に応じて前記入力信号の信号レベルのプルダウン動作を開始又は停止する
    入力バッファ回路。
  6. 請求項5に記載の入力バッファ回路において、
    前記第1論理演算回路は、前記第1インバータ回路の出力が示す論理値と、前記遅延回路の出力が示す論理値との論理和を前記プルアップ回路に出力するOR回路であり、
    前記第2論理演算回路は、前記第2インバータ回路の出力が示す論理値と、前記遅延回路の出力が示す論理値との論理積を前記プルダウン回路に出力するAND回路である
    入力バッファ回路。
  7. 請求項6に記載の入力バッファ回路において、
    前記プルアップ回路は、ゲートが前記OR回路の出力に接続され、ソースが第1電源に接続され、ドレインが前記出力インバータ回路の入力に接続された第1トランジスタを備え、
    前記プルダウン回路は、ゲートが前記AND回路の出力に接続され、ソースが、第1電源よりも低い電源電圧を供給する第2電源に接続され、ドレインが前記出力インバータ回路の入力に接続された第2トランジスタを備える
    入力バッファ回路。
  8. 請求項3から7のいずれか1項に記載の入力バッファ回路において、
    前記遅延回路は、遅延時間が外部から変更可能な可変遅延回路である
    入力バッファ回路。
  9. 半導体集積回路の外部からの入力信号を前記半導体集積回路の内部に入力する方法において、
    出力インバータ回路が前記入力信号を前記半導体集積回路の内部に反転出力するステップと、
    固定回路が、前記出力インバータ回路の反転動作よりも早く前記入力信号の電圧の固定動作を開始するステップと
    を具備する
    信号入力方法。
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