JP2012103463A - 光学フィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の目的は、高い透明性を維持しながらも高温高湿条件での保存性に優れた光学フィルムを提供することにある。
【解決手段】(1)表面に炭素数2以上15以下のアルキル基を有する二酸化ケイ素粒子、(2)ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、(3)フタル酸、アジピン酸、少なくとも一種のベンゼンモノカルボン酸および少なくとも一種の炭素数2〜12のアルキレングリコールとを反応させた構造を有するエステル化合物、並びに(4)セルロースエステル、を含有することを特徴とする光学フィルム。
【選択図】なし

Description

本発明は、光学フィルム及びそれを用いた偏光板に関する。
昨今、自動車搭載用の液晶ディスプレイ、大型液晶テレビのディスプレイ、携帯電話、ノートパソコン等の普及から液晶表示装置(以下、LCDとも言う)の需要が旺盛である。このようなLCDには、偏光フィルムや位相差フィルムなどの種々な光学フィルムが使用されている。
LCDの需要が増加し、これに合わせ使用される偏光板についても薄膜化、軽量化、高生産化が要望されている。さらに、LCDの大画面化に伴い、部材としての偏光板保護フィルム、位相差フィルム等の光学フィルムも薄膜化、広面積化が求められており、それに対応しセルロースエステルフィルムの耐透湿性を向上するため、セルロースエステル樹脂用添加剤の検討がされている(特許文献1〜4)。
しかしながら、耐湿性を向上するために高アセチル基置換度のセルロースエステル樹脂からなる光学フィルムに多量の添加剤を含有させると、高湿で添加剤のブリードアウト(フィルム表面への浸みだし)が発生するという問題が発生し、その使用量は制限されていた。
このような調整にもかかわらず、マット剤として2次分散粒子を使用しているフィルムでは、高温高湿条件下でのブリードアウトは生じないものの、フィルムの後方散乱が大きく見た目に白く見える、更に高温耐久やヒートショックのサイクル試験後のフィルムのヘイズが異常に上昇するという問題が発生した。この問題は、特に短時間での大きな温度変化に対して顕著であった。
特開2008−69225号公報 特開2008−88292号公報 特開2008−115221号公報 特開2008−197424号公報
本発明の目的は、後方散乱による見た目の白さを低減し、高い透明性を維持しながらも高温条件や激しく温度が変動する条件での保存性に優れた光学フィルムを提供することにある。
本発明が課題とするフィルムの後方散乱が大きくなったり、高温耐久やヒートショックサイクル試験後にヘイズが異常に上昇する現象は、添加剤とマット剤2次分散粒子が凝集することに起因しており、特に高温下では添加剤がフィルム内を移動して凝集体に吸収され、2次分散粒子が異常に膨張することによって発生することがわかった。
この現象は、添加剤としてベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤とフタル酸、アジピン酸、少なくとも一種のベンゼンモノカルボン酸および少なくとも一種の炭素数2〜12のアルキレングリコールとを反応させた構造を有するエステル化合物を、セルローストエステルと混合したときに顕著であった。
本発明の上記課題は以下の構成により達成される。
1.(1)表面に炭素数2以上15以下のアルキル基を有する二酸化ケイ素粒子、(2)ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、(3)フタル酸、アジピン酸、少なくとも一種のベンゼンモノカルボン酸および少なくとも一種の炭素数2〜12のアルキレングリコールとを反応させた構造を有するエステル化合物、並びに(4)セルロースエステル、を含有することを特徴とする光学フィルム。
本発明によれば、高い透明性を維持しながらも高温高湿条件での保存性に優れた光学フィルムを提供することができる。
本発明の光学フィルムの製造方法を示すフローシートである。
以下本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。
<本発明の光学フィルム>
本発明の光学フィルムは、(1)表面に炭素数2以上15以下のアルキル基を有する二酸化ケイ素粒子、(2)ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、(3)フタル酸、アジピン酸、少なくとも一種のベンゼンモノカルボン酸および少なくとも一種の炭素数2〜12のアルキレングリコールとを反応させた構造を有するエステル化合物、並びに(4)セルロースエステル、を含有することを特徴とする。
この特徴により、ヘイズの上昇を抑えることが可能となり、その程度は、C光源での450〜550nmの散乱反射積分値が、9.0以下である。
<(1)表面に炭素数2以上15以下のアルキル基を有する二酸化ケイ素粒子>
本発明の二酸化ケイ素粒子は、その粒子表面に炭素数2以上15以下のアルキル基を有することを特徴とする。このような粒子は、合成原料であるアルキルハロゲン化シランのアルキル基を炭素数2以上15以下のアルキル基とする方法、プレーンの二酸化ケイ素粒子の表面に存在する水酸基を、炭素数2以上15以下のアルキル基を有するアルコキシシラン、いわゆるシランカップリング剤で処理することによって常法(例えば、特開平8−170029号に記載の方法)により得ることができる。
具体的には、市販品としてはアエロジルR805(オクチルシランで疎水化、日本アエロジル(株)製)等がある。またシランカップリング剤としてn−プロピルトリメトキシシラン(KBE−3033)、ヘキシルトリメトキシシラン(KBM−3063)、デシルトリメトキシシラン(KBM−3103)(信越シリコーン(株)製)と、表面修飾されていないプレーンの二酸化ケイ素粒子(例えば、アエロジル200、日本アエロジル(株)製)とを反応させることで作製することができる。
シランカップリング剤は、あらかじめシランカップリングとプレーンの二酸化ケイ素粒子を反応させて使用してもよいし、2次粒子作製の分散時にシランカップリング剤を存在させながら反応・分散して、そのまま分散液として使用してもよい。
本発明では、本発明の1次粒子の平均粒径1〜50nmの二酸化ケイ素粒子を、溶液に分散し平均粒径50〜1000nmの2次粒子を作製し、その分散液を使用することが好ましい。
本発明の二酸化ケイ素粒子は、光学フィルムに対して0.001〜0.3質量%の範囲で摩擦係数とヘイズの関係から適宜選択され使用される。
<(2)ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤>
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては下記一般式(U)で示される化合物が好ましく用いられる。
Figure 2012103463
式中、R、R、R、R及びRは同一でも異なってもよく、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、ヒドロキシル基、アルキル基、アルケニル基、アリール基、アルコキシ基、アシルオキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、モノ若しくはジアルキルアミノ基、アシルアミノ基または5〜6員の複素環基を表し、RとRは閉環して5〜6員の炭素環を形成してもよい。
以下に本発明に有用な紫外線吸収剤の具体例を挙げるが、本発明はこれらに限定されない。
UV−1:2−(2′−ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール
UV−2:2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール
UV−3:2−(2′−ヒドロキシ−3′−tert−ブチル−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール
UV−4:2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−tert−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール
UV−5:2−(2′−ヒドロキシ−3′−(3″,4″,5″,6″−テトラヒドロフタルイミドメチル)−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール
UV−6:2,2−メチレンビス(4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール)
UV−7:2−(2′−ヒドロキシ−3′−tert−ブチル−5′−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール
UV−8:2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1−ジメチル−3,3−ジメチルブチル−6−(1−メチル−1−フェニルエチル)フェノール
紫外線吸収剤の使用量は、紫外線吸収剤の種類、使用条件等により一様ではないが、光学フィルムの乾燥膜厚が30〜200μmの場合は、光学フィルムに対して0.5〜10質量%が好ましく、0.6〜4質量%がさらに好ましい。
<(3)フタル酸、アジピン酸、少なくとも一種のベンゼンモノカルボン酸および少なくとも一種の炭素数2〜12のアルキレングリコールとを反応させた構造を有するエステル化合物>
本発明のエステル化合物はエステル系可塑剤であり、より詳しくは芳香族末端エステル系可塑剤である。
本発明のエステル化合物におけるベンゼンモノカルボン酸成分としては、例えば、安息香酸、パラターシャリブチル安息香酸、オルソトルイル酸、メタトルイル酸、パラトルイル酸、ジメチル安息香酸、エチル安息香酸、ノルマルプロピル安息香酸、アミノ安息香酸、アセトキシ安息香酸等があり、これらはそれぞれ1種または2種以上の混合物として使用することができる。安息香酸であることが最も好ましい。
本発明の炭素数2〜12のアルキレングリコール成分としては、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,2−プロパンジオール、2−メチル1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール(ネオペンチルグリコール)、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール(3,3−ジメチロールペンタン)、2−n−ブチル−2−エチル−1,3プロパンジオール(3,3−ジメチロールヘプタン)、3−メチル−1,5−ペンタンジオール1,6−ヘキサンジオール、2,2,4−トリメチル1,3−ペンタンジオール、2−エチル1,3−ヘキサンジオール、2−メチル1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,12−オクタデカンジオール等があり、これらのグリコールは、1種または2種以上の混合物として使用される。特に1,2−プロピレングリコールが好ましい。
本発明のエステル化合物は、最終的な化合物の構造としてアジピン酸残基およびフタル酸残基を有していればよく、エステル化合物を製造する際には、ジカルボン酸の酸無水物またはエステル化物として反応させてもよい。
本発明で使用されるエステル系可塑剤は、数平均分子量が、好ましくは300〜1500、より好ましくは400〜1000である。また、その酸価は、1.5mgKOH/g以下、水酸基価は25mgKOH/g以下、より好ましくは酸価0.5mgKOH/g以下、水酸基価は15mgKOH/g以下のものである。
本発明のエステル化合物は、前記特許文献1〜3を参考にして合成することができる。本発明では、アジピン酸残基およびフタル酸残基のいずれも有するエステル化合物であることが好ましく、ジカルボン酸成分としてアジピン酸、フタル酸を同時に存在させて合成することで得ることができる。
本発明のエステル化合物は、その合成時点では分子量および分子構造に分布を有する混合物であるが、そのなかに本発明に好ましい成分である、フタル酸残基およびアジピン酸残基を構造として有するエステル化合物を少なくとも1種類有していればよい。
本発明のエステル化合物を使用した光学フィルムは、ジカルボン酸成分としてアジピン酸単独、フタル酸単独で合成したエステル化合物の混合物よりも本発明の効果が大きい。
上記化合物は、光学フィルム中に1〜35質量%、特に5〜30質量%含むことが好ましい。この範囲内であれば、ブリードアウトなどもなく好ましい。
<(4)セルロースエステル>
本発明の光学フィルムに用いるセルロースエステルは、アシル基置換度が、2.0〜2.99のセルロースエステルであって、アシル基としてはアセチル基(ac)、プロピオニル基(pr)、ブチル基(bt)があげられる。
その中でも、アセチル基置換度が2.80〜2.95であって数平均分子量125000以上155000未満のセルローストリアセテートAである場合に効果が顕著である。
そして、光学フィルムが、アセチル基置換度が2.80〜2.95であって数平均分子量125000以上155000未満のセルローストリアセテートA、アセチル基置換度が2.75〜2.90であって数平均分子量155000以上180000未満のセルローストリアセテートBを含有することがさらに好ましい。
なお、アセチル基の置換度の測定方法はASTM−D817−96に準じて測定することができる。
本発明のセルローストリアセテートAは、アセチル基置換度が2.80〜2.95であり、2.84〜2.94が好ましい。数平均分子量(Mn)は、125000以上155000未満であり、129000以上152000未満が好ましい。さらに、重量平均分子量(Mw)は、265000以上310000未満であることが好ましい。Mw/Mnは、1.9〜2.1であることが好ましい。
本発明のセルローストリアセテートBは、アセチル基置換度が2.75〜2.90であり、2.79〜2.89が好ましい。Mnは、155000以上180000未満であり、156000以上175000未満が好ましい。さらに、Mwは、290000以上360000未満であることが好ましい。Mw/Mnは、1.8〜2.0であることが好ましい。
本発明のセルローストリアセテートAとセルローストリアセテートBは、質量比で100:0〜20:80までの範囲であることが好ましい。
本発明のセルローストリアセテートの平均分子量(Mn、Mw)及び分子量分布は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定することができる。測定条件は以下の通りである。
溶媒: メチレンクロライド
カラム: Shodex K806、K805、K803G(昭和電工(株)製を3本接続して使用した)
カラム温度:25℃
試料濃度: 0.1質量%
検出器: RI Model 504(GLサイエンス社製)
ポンプ: L6000(日立製作所(株)製)
流量: 1.0ml/min
校正曲線: 標準ポリスチレンSTK standard ポリスチレン(東ソー(株)製)Mw=2,800,000〜500迄の13サンプルによる校正曲線を使用した。13サンプルは、ほぼ等間隔に用いることが好ましい。
本発明に係わるセルロースエステルは、特開平10−45804号、特開2005−281645号に記載の方法を参考にして合成することができる。
また、セルロースエステルは、セルロースエステル中の微量金属成分は、鉄(Fe)成分については、1ppm以下であることが好ましい。カルシウム(Ca)成分は60ppm以下、好ましくは0〜30ppmである。マグネシウム(Mg)成分については、0〜70ppmであることが好ましく、特に0〜20ppmであることが好ましい。鉄(Fe)分の含量、カルシウム(Ca)分含量、マグネシウム(Mg)分含量等の金属成分は、絶乾したセルロースエステルをマイクロダイジェスト湿式分解装置(硫硝酸分解)、アルカリ溶融で前処理を行った後、ICP−AES(誘導結合プラズマ発光分光分析装置)を用いて分析することができる。
本発明のセルローストリアセテートには、本発明の性能を妨げない範囲(10質量%以下)で、第3のセルロースエステル、例えばセルロースアセテートプロピオネート等のセルロースエステルを混合してもよい。
更に、置換基をグラフト重合させたセルロースを全セルロースエステル中に2%〜20%混合、もしくは、全酢綿の平均置換度が2.75〜2.85となるようにセルロースジアセテートを混合する事は、高リターデーション化および、延伸後のフィルムの脆性劣化を防ぐ上で、好ましい。
置換基をグラフト重合させたセルロースとしては、下記一般式(1)または(2)で表される繰り返し単位を有するセルロースエステルであることが好ましい。
Figure 2012103463
以下にAの具体例を挙げる。
A−1 −CHCH
A−2 −CHCHCH
A−3 −CH=CH−
A−4
Figure 2012103463
A−5
Figure 2012103463
A−6 −CHC(CH
以下Bの具体例を挙げる。
B−1 −CHCH
B−2 −CHCHCHCH
B−3
Figure 2012103463
B−4
Figure 2012103463
本発明における前記一般式(1)または(2)で表される繰り返し単位を有するセルロースエステルは、未置換の水酸基を有するセルロース、またはアセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、フタリル基等のアシル基によってすでに一部の水酸基が置換されているセルロースエステルの存在下で、多塩基酸またはその無水物と多価アルコールとのエステル化反応、またはL−ラクチド、D−ラクチドの開環重合、L−乳酸、D−乳酸の自己縮合を行わせることによって得ることができる。
エステル化反応に用いる多塩基酸無水物として、無水マレイン酸、無水フタル酸、無水フマル酸が挙げられるが特に限定されない。
エステル化反応に用いることができる多価アルコールとして、グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコールなどが挙げられるが特に限定されない。
エステル化反応は、無触媒で反応をすることもできるが、公知のルイス酸触媒などを用いることができる。使用できる触媒としてはスズ、亜鉛、チタン、ビスマス、ジルコニウム、ゲルマニウム、アンチモン、ナトリウム、カリウム、アルミニウムなどの金属およびその誘導体が挙げられ、特に誘導体については金属有機化合物、炭酸塩、酸化物、ハロゲン化物が好ましい。具体的にはオクチルスズ、塩化スズ、塩化亜鉛、塩化チタン、アルコキシチタン、酸化ゲルマニウム、酸化ジルコニウム、三酸化アンチモン、アルキルアルミニウムなどを例示することができる。また、触媒としてパラトルエンスルホン酸に代表される酸触媒を用いることもできる。また、カルボン酸とアルコールとの脱水反応を促進するためにカルボジイミド、ジメチルアミノピリジンなど公知の化合物を添加してもよい。
係る反応は、セルロースエステルおよびその他の反応させる化合物を溶解させることが可能な有機溶媒中における反応によってもよいし、剪断力を付加しながら加熱攪拌が可能なバッチ式ニーダーを用いた反応によるものであってもよいし、一軸或いは二軸のエクストルーダーを用いた反応によるものであってもよい。
本発明の繰り返し単位は当該部分のセルロースに対して0.5〜190質量%の範囲で適宜含有させることができる。
セルロースエステルの置換度は、適宜選択することができるが、2.2〜3であることが熱可塑性、熱加工性の点から好ましい。
本発明のセルロースエステルにおいて、セルロースの水酸基部分の水素原子が脂肪族アシル基との脂肪酸エステルであるとき、脂肪族アシル基は炭素原子数が2〜20で具体的にはアセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル、バレリル、ピバロイル、ヘキサノイル、オクタノイル、ラウロイル、ステアロイル等が挙げられる。
本発明の繰り返し単位は、当該部分のセルロースに対しての数平均分子量として300〜10000であり、500〜8000であることが熱加工性の点から好ましい。なお、当該セルロースエステルが有する繰り返し単位のみの数平均分子量は、エステル化反応する前のセルロースエステルと反応後のセルロースエステルをポリスチレン換算したGPCデータまたは、H−NMR(日本電子製JNM−EX−270:溶媒:重塩化メチレン)により比較して求めた。
本発明の繰り返し単位をセルロースに導入する際に副反応として、一般式(1)または(2)で表される繰り返し単位を有するオリゴマー、ポリエステルが生成することあるが、これらの化合物は可塑剤として作用することから精製により必ずしも完全に除去する必要はなくセルロースエステルに含んでもよい。含有量としてはセルロースエステルに対して30質量%以下であればセルロースエステルの性質を大きく変化させることは少ない。可塑性の点から、好ましくは0.5〜20質量%である。
これらのオリゴマー、ポリエステルの数平均分子量は、300〜10000であり、可塑性の点から好ましくは500〜8000である。
<その他の添加剤>
(アクリル系共重合体)
本発明の光学フィルムには、重量平均分子量が500以上30000以下であるアクリルポリマーを含有することができる。中でも分子内に芳香環と親水性基を有しないエチレン性不飽和モノマーXaと分子内に芳香環を有さず親水性基を有するエチレン性不飽和モノマーXbとを共重合して得られた重量平均分子量5000以上30000以下のポリマーX、より好ましくは、分子内に芳香環と親水性基を有しないエチレン性不飽和モノマーXaと分子内に芳香環を有さず親水性基を有するエチレン性不飽和モノマーXbとを共重合して得られた重量平均分子量5000以上30000以下のポリマーXと、芳香環を有さないエチレン性不飽和モノマーYaを重合して得られた重量平均分子量500以上3000以下のポリマーYとを含有することが好ましい。
セルロースエステルに対して1〜30質量%の範囲で添加することができる。
(フラノース構造もしくはピラノース構造を有する化合物)
本発明の光学フィルムは、フラノース構造もしくはピラノース構造を少なくとも1個有し、該フラノース構造もしくはピラノース構造が1〜12個結合した化合物中のOH基のすべてもしくは一部をエステル化した化合物(糖エステル化合物ということがある。)を含むことができる。
好ましい「フラノース構造もしくはピラノース構造を少なくとも1個有し、該フラノース構造もしくはピラノース構造が1〜12個結合した化合物」の例としては、特開昭62−42996号公報及び特開平10−237084号公報に記載されている。市販品としてはモノペットSB(第一工業製薬(株)製)が挙げられる。
本発明の光学フィルムは、含有させる場合はセルロースエステルに対して0〜35質量%、特に5〜30質量%含むことが好ましい。
(その他の可塑剤)
本発明の光学フィルムは、本発明のエステル化合物以外に、本発明の効果を得る上で必要に応じて他の可塑剤を含有することができる。好ましくは、1)多価アルコールエステル系可塑剤、2)多価カルボン酸エステル系可塑剤、3)グリコレート系可塑剤、4)フタル酸エステル系可塑剤、5)脂肪酸エステル系可塑剤、6)リン酸エステル系可塑剤等から選択される。これらの可塑剤は、セルロースエステルに対して1〜30質量%の範囲で使用されることが好ましい。
1)多価アルコールエステル系可塑剤は下記一般式(3)で表される多価アルコールのエステル化合物である。
一般式(3) R−(OH)n
(式中、Rはn価の有機基、nは2以上の正の整数を表す)
好ましい多価アルコールの例としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールが好ましい。
多価アルコールエステルに用いられるモノカルボン酸としては、公知の脂肪族モノカルボン酸、脂環族モノカルボン酸、芳香族モノカルボン酸などを用いることができる。
脂肪族モノカルボン酸としては、炭素数1〜32の直鎖または側鎖を持った脂肪酸を好ましく用いることができる。炭素数1〜20であることがさらに好ましく、炭素数1〜10であることが特に好ましい。
好ましい脂環族モノカルボン酸の例としては、シクロペンタンカルボン酸、シクロヘキサンカルボン酸、シクロオクタンカルボン酸、またはそれらの誘導体を挙げることができる。
好ましい芳香族モノカルボン酸の例としては、安息香酸、トルイル酸などの安息香酸のベンゼン環にアルキル基を導入したもの、ビフェニルカルボン酸、ナフタレンカルボン酸、テトラリンカルボン酸などのベンゼン環を2個以上持つ芳香族モノカルボン酸、またはそれらの誘導体を挙げることができる。特に、安息香酸が好ましい。
多価アルコールエステルの分子量300〜1500の範囲であることが好ましく、350〜750の範囲であることが更に好ましい。多価アルコールエステルに用いられるカルボン酸は一種類でもよいし、二種以上の混合であってもよい。また、多価アルコール中のOH基は全てエステル化してもよいし、一部をOH基のままで残してもよい。
この他、トリメチロールプロパントリアセテート、ペンタエリスリトールテトラアセテートなども好ましく用いられる。特開2008−88292号に記載の一般式(I)で表されるエステル化合物(A)を使用することも好ましい。
2)多価カルボン酸エステル化合物としては、2価以上、好ましくは2価〜20価の多価カルボン酸とアルコールのエステルよりなる。また、脂肪族多価カルボン酸は2〜20価であることが好ましく、芳香族多価カルボン酸、脂環式多価カルボン酸の場合は2価〜20価であることが好ましい。
多価カルボン酸は次の一般式(4)で表される。
一般式(4) R(COOH)m(OH)n
(但し、Rは(m+n)価の有機基、mは2以上の正の整数、nは0以上の整数、COOH基はカルボキシル基、OH基はアルコール性またはフェノール性水酸基を表す)
好ましい多価カルボン酸の例としては、例えば以下のようなものを挙げることができる。フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、トリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸のような2価以上の芳香族多価カルボン酸またはその誘導体、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、シュウ酸、フマール酸、マレイン酸、テトラヒドロフタル酸のような脂肪族多価カルボン酸、酒石酸、タルトロン酸、リンゴ酸、クエン酸のようなオキシ多価カルボン酸などを好ましく用いることができる。
本発明に用いることのできる多価カルボン酸エステル化合物に用いられるアルコールとしては公知のアルコール、フェノール類を用いることができる。例えば炭素数1〜32の直鎖または側鎖を持った脂肪族飽和アルコールを好ましく用いることができる。
炭素数1〜20であることがさらに好ましく、炭素数1〜10であることが特に好ましい。また、シクロペンタノール、シクロヘキサノールなどの脂環式アルコールまたはその誘導体、ベンジルアルコール、シンナミルアルコールなどの芳香族アルコールまたはその誘導体なども好ましく用いることができ、フェノールとしては、フェノール、パラクレゾール、ジメチルフェノール等を単独または2種以上を併用して使用することができる。
特開2008−88292号に記載の一般式(II)で表されるエステル化合物(B)を使用することも好ましい。
多価カルボン酸エステル化合物の分子量は特に制限はないが、分子量300〜1000の範囲であることが好ましく、350〜750の範囲であることがさらに好ましい。
多価カルボン酸エステルに用いられるアルコール類は一種類でも良いし、二種以上の混合であっても良い。
多価カルボン酸エステル化合物の酸価は1mgKOH/g以下であることが好ましく、0.2mgKOH/g以下であることがさらに好ましい。
酸価とは、試料1g中に含まれる酸(試料中に存在するカルボキシル基)を中和するために必要な水酸化カリウムのミリグラム数をいう。酸価はJIS K0070に準拠して測定したものである。
3)グリコレート系可塑剤は特に限定されないが、アルキルフタリルアルキルグリコレート類が好ましく用いることができる。アルキルフタリルアルキルグリコレート類としては、例えばメチルフタリルメチルグリコレート、エチルフタリルエチルグリコレート、プロピルフタリルプロピルグリコレート、ブチルフタリルブチルグリコレート、オクチルフタリルオクチルグリコレート等が挙げられる。
4)フタル酸エステル系可塑剤としては、ジエチルフタレート、ジメトキシエチルフタレート、ジメチルフタレート、ジオクチルフタレート、ジブチルフタレート、ジ−2−エチルヘキシルフタレート、ジオクチルフタレート、ジシクロヘキシルフタレート、ジシクロヘキシルテレフタレート等が挙げられる。
クエン酸エステル系可塑剤としては、クエン酸アセチルトリメチル、クエン酸アセチルトリエチル、クエン酸アセチルトリブチル等が挙げられる。
5)脂肪酸エステル系可塑剤として、オレイン酸ブチル、リシノール酸メチルアセチル、セバシン酸ジブチル等が挙げられる。
6)リン酸エステル系可塑剤としては、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、オクチルジフェニルホスフェート、ジフェニルビフェニルホスフェート、トリオクチルホスフェート、トリブチルホスフェート等が挙げられる。
(その他の紫外線吸収剤)
本発明に係る光学フィルムは、ベンゾトリアゾール系以外の紫外線吸収剤を含有することができる。紫外線吸収剤は400nm以下の紫外線を吸収することで、耐久性を向上させることを目的としており、特に波長370nmでの透過率が10%以下であることが好ましく、よりさらに好ましくは5%以下である。
本発明に用いられる紫外線吸収剤としては、例えばオキシベンゾフェノン系化合物、サリチル酸エステル系化合物、ベンゾフェノン系化合物、シアノアクリレート系化合物、トリアジン系化合物、ニッケル錯塩系化合物、無機粉体等が挙げられる。
その他の紫外線吸収剤の使用量は、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤の量の80質量%以下、50質量%以下であることが好ましい。
(その他の微粒子)
本発明の光学フィルムは、(1)の二酸化ケイ素粒子以外の微粒子を含有することもできる。その他の微粒子としては、無機化合物の例として、二酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、炭酸カルシウム、炭酸カルシウム、タルク、クレイ、焼成カオリン、焼成ケイ酸カルシウム、水和ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム及びリン酸カルシウム等を挙げることができる。
二酸化ケイ素については疎水化処理をされたものが滑り性とヘイズを両立する上で好ましい。4個のシラノール基のうち、2個以上が疎水性の置換基で置換わったものが好ましく、3個以上が置換わったものがより好ましい。疎水性の置換基はメチル基である事が好ましい。
二酸化ケイ素の一次粒径は20nm以下が好ましく、10nm以下がより好ましい。
二酸化ケイ素の微粒子は、例えば、アエロジルR972、R972V、R974、R812、200、200V、300、R202、OX50、TT600(以上日本アエロジル(株)製)の商品名で市販されており、使用することができる。
酸化ジルコニウムの微粒子は、例えば、アエロジルR976及びR811(以上日本アエロジル(株)製)の商品名で市販されており、使用することができる。
ポリマーの例として、シリコーン樹脂、フッ素樹脂及びアクリル樹脂を挙げることができる。シリコーン樹脂が好ましく、特に三次元の網状構造を有するものが好ましく、例えば、トスパール103、同105、同108、同120、同145、同3120及び同240(以上東芝シリコーン(株)製)の商品名で市販されており、使用することができる。
これらの中でもアエロジル200V、アエロジルR972V、アエロジルR812が光学フィルムのヘイズを低く保ちながら、摩擦係数を下げる効果が大きいため特に好ましく、本発明に於いてはアエロジルR812が最も好ましく用いられる。
その他の微粒子は、本発明の二酸化ケイ素粒子の80質量%以下、好ましくは50質量%以下の量で使用してもよい。
(染料)
本発明の光学フィルムには、色味調整のため染料を添加することもできる。例えば、フィルムの黄色味を抑えるために青色染料を添加してもよい。好ましい染料としてはアンスラキノン系染料が挙げられる。
<光学フィルムの製造方法>
次に、本発明の光学フィルムの製造方法について説明する。
本発明の光学フィルムは通常の溶液流延法、溶融流延法のいずれの方法でも製造することができる。
本発明の光学フィルムの溶液流延法による製造は、セルロースエステル及び前記添加剤を溶剤に溶解させてドープを調製する工程、ドープを無限に移行する無端の金属支持体上に流延する工程、流延したドープをウェブとして乾燥する工程、金属支持体から剥離する工程、延伸または幅保持する工程、さらに乾燥する工程、仕上がったフィルムを巻取る工程により行われる。
ドープを調製する工程について述べる。ドープ中のセルロースエステルの濃度は、濃い方が金属支持体に流延した後の乾燥負荷が低減できて好ましいが、セルロースエステルの濃度が濃過ぎると濾過時の負荷が増えて、濾過精度が悪くなる。これらを両立する濃度としては、10〜35質量%が好ましく、さらに好ましくは、15〜25質量%である。
ドープで用いられる溶剤は、単独で用いても2種以上を併用してもよい。セルロースエステルの良溶剤と貧溶剤を混合して使用することが生産効率の点で好ましく、良溶剤として特に好ましくはメチレンクロライドまたは酢酸メチルが挙げられ、貧溶剤として、例えば、メタノール、エタノール、n−ブタノール、シクロヘキサン、シクロヘキサノン等が好ましく用いられる。
また、ドープ中には水が0.01〜2質量%含有していることが好ましい。また、セルロースエステルの溶解に用いられる溶媒は、フィルム製膜工程で乾燥によりフィルムから除去された溶媒を回収し、これを再利用して用いられる。
上記記載のドープを調製する時の、セルロースエステルの溶解方法としては、一般的な方法を用いることができる。加熱と加圧を組み合わせると常圧における沸点以上に加熱できる。
次に、このセルロースエステル溶液を濾紙等の適当な濾過材を用いて濾過する。濾過材としては、絶対濾過精度0.008mm以下の濾材が好ましく、0.001〜0.008mmの濾材がより好ましく、0.003〜0.006mmの濾材がさらに好ましい。
濾材さらには特に制限はなく、通常の濾材を使用することができるが、ポリプロピレン、テフロン(登録商標)等のプラスチック製の濾材や、ステンレススティール等の金属製の濾材が繊維の脱落等がなく好ましい。
ドープの濾過は通常の方法で行うことができるが、溶剤の常圧での沸点以上で、且つ加圧下で溶剤が沸騰しない範囲の温度で加熱しながら濾過する方法が、濾過前後の濾圧の差(差圧という)の上昇が小さく、好ましい温度は45〜120℃であり、45〜70℃がより好ましく、45〜55℃であることがさらに好ましい。
濾圧は小さい方が好ましい。濾圧は1.6MPa以下であることが好ましく、1.2MPa以下であることがより好ましく、1.0MPa以下であることがさらに好ましい。
ついで、ドープの流延について説明する。
流延(キャスト)工程における金属支持体は、表面を鏡面仕上げしたものが好ましく、金属支持体としては、ステンレススティールベルトもしくは鋳物で表面をメッキ仕上げしたドラムが好ましく用いられる。キャストの幅は1〜4mとすることができる。
流延工程の金属支持体の表面温度は−50℃〜溶剤の沸点未満の温度で、好ましい支持体温度は0〜40℃であり、5〜30℃がさらに好ましい。
光学フィルムが良好な平面性を示すためには、金属支持体からウェブを剥離する際の残留溶媒量は10〜150質量%が好ましく、さらに好ましくは20〜40質量%または60〜130質量%であり、特に好ましくは、20〜30質量%または70〜120質量%である。
本発明においては、残留溶媒量は下記式で定義される。
残留溶媒量(質量%)={(M−N)/N}×100
尚、Mはウェブまたはフィルムを製造中または製造後の任意の時点で採取した試料の質量で、NはMを115℃で1時間の加熱後の質量である。
また、光学フィルムの乾燥工程においては、ウェブを金属支持体より剥離し、さらに乾燥し、残留溶媒量を1質量%以下にすることが好ましく、さらに好ましくは0.1質量%以下であり、特に好ましくは0〜0.01質量%以下である。
フィルム乾燥工程では一般にロール乾燥方式(上下に配置した多数のロールをウェブを交互に通し乾燥させる方式)やテンター方式でウェブを搬送させながら乾燥する方式が採られる。
本発明の光学フィルムを作製するためには、金属支持体より剥離した直後のウェブの残留溶剤量の多いところで多いところで長手方向(MD方向)に延伸し、さらにウェブの両端をクリップ等で把持するテンター方式で幅手方向(TD方向)に延伸を行うことが好ましい。
ウェブを乾燥させる手段は特に制限なく、一般的に熱風、赤外線、加熱ロール、マイクロ波等で行うことができるが、簡便さの点で熱風で行うことが好ましい。
ウェブの乾燥工程における乾燥温度は90℃〜200℃が好ましく、より好ましくは110℃〜190℃である。乾燥温度は段階的に高くしていくことが好ましい。
好ましい乾燥時間は、乾燥温度にもよるが、5分〜60分が好ましく、10分〜30分がより好ましい。
光学フィルムの膜厚は、特に限定はされないが10〜200μmが用いられる。特に膜厚は10〜100μmであることが特に好ましい。さらに好ましくは20〜60μmである。
本発明の光学フィルムは、幅1〜4mのものが用いられる。生産性の観点から幅1.6〜4mのものが好ましく用いられ、特に好ましくは1.8〜3.6mである。4mを超えると搬送が困難となる。
(延伸操作)
延伸操作は、フィルムの長手方向(MD方向)、及び幅手方向(TD方向)に対して、逐次または同時に延伸することができる。互いに直交する2軸方向の延伸倍率は、それぞれ最終的にはMD方向に1.0〜2.0倍、TD方向に1.07〜2.0倍の範囲とすることが好ましく、MD方向に1.0〜1.5倍、TD方向に1.07〜2.0倍の範囲で行うことが好ましい。
例えば、複数のロールに周速差をつけ、その間でロール周速差を利用してMD方向に延伸する方法、ウェブの両端をクリップやピンで固定し、クリップやピンの間隔を進行方向に広げてMD方向に延伸する方法、同様に横方向に広げてTD方向に延伸する方法、或いはMD/TD方向同時に広げてMD/TD両方向に延伸する方法などが挙げられる。
製膜工程のこれらの幅保持或いは幅手方向の延伸はテンターによって行うことが好ましく、ピンテンターでもクリップテンターでもよい。
テンター内などの製膜工程でのフィルム搬送張力は温度にもよるが、120N/m〜200N/mが好ましく、140N/m〜200N/mがさらに好ましい。140N/m〜160N/mが最も好ましい。
延伸する際は、本発明のフィルムのガラス転移温度をTgとすると(Tg−30)〜(Tg+100)℃、より好ましくは(Tg−20)〜(Tg+80)℃、さらに好ましく(Tg−5)〜(Tg+20)℃である。
光学フィルムのTgは、フィルムを構成する材料種及び構成する材料の比率によって制御することができる。本発明の用途においてはフィルムの乾燥時のTgは110℃以上が好ましく、さらに120℃以上が好ましい。
従ってガラス転移温度は190℃以下、より好ましくは170℃以下であることが好ましい。このとき、フィルムのTgはJIS K7121に記載の方法などによって求めることができる。
本発明では、延伸する際の温度は150℃以上、延伸倍率は1.15倍以上にすると、表面が適度に粗れる為好ましい。フィルム表面を粗らす事は、滑り性を向上させるのみでなく、表面加工性、特にクリアーハードコートの密着性が向上するため好ましい。平均表面粗さRaは、好ましくは2.0nm〜4.0nm、より好ましくは2.5nm〜3.5nmである。その際、フィルム中には先に述べた疎水化処理された二酸化ケイ素微粒子を含有している事が好ましく、特にR972VおよびR812がヘイズ安定性向上のために好ましい。
光学フィルムの平均表面粗さRa(nm)と光学フィルム自体の溶媒に対する極性は以下の関係があることが好ましい。
Ra≧3.5×logP−25.4
光学フィルムは延伸後、熱固定されることが好ましいが、熱固定はその最終TD方向延伸温度より高温で、Tg−20℃以下の温度範囲内で通常0.5〜300秒間熱固定することが好ましい。この際、2つ以上に分割された領域で温度差が1〜100℃となる範囲で順次昇温しながら熱固定することが好ましい。
熱固定されたフィルムは通常Tg以下まで冷却され、フィルム両端のクリップ把持部分をカットし巻き取られる。この際、最終熱固定温度以下、Tg以上の温度範囲内で、TD方向及び/またはMD方向に0.1〜10%弛緩処理することが好ましい。
また冷却は、最終熱固定温度からTgまでを、毎秒100℃以下の冷却速度で徐冷することが好ましい。冷却、弛緩処理する手段は特に限定はなく、従来公知の手段で行えるが、特に複数の温度領域で順次冷却しながらこれらの処理を行うことがフィルムの寸法安定性向上の点で好ましい。
尚、冷却速度は、最終熱固定温度をT1、フィルムが最終熱固定温度からTgに達するまでの時間をtとした時、(T1−Tg)/tで求めた値である。
これら熱固定条件、冷却、弛緩処理条件のより最適な条件は、フィルムを構成するセルロースエステルや可塑剤等の添加剤種により異なるので、得られた二軸延伸フィルムの物性を測定し、好ましい特性を有するように適宜調整することにより決定すればよい。
本発明の光学フィルムの遅相軸または進相軸がフィルム面内に存在し、製膜方向とのなす角をθ1とするとθ1は−1°以上+1°以下であることが好ましく、−0.5°以上+0.5°以下であることがより好ましい。
このθ1は配向角として定義でき、θ1の測定は、自動複屈折計KOBRA−21ADH(王子計測機器)を用いて行うことができる。θ1が各々上記関係を満たすことは、表示画像において高い輝度を得ること、光漏れを抑制または防止することに寄与し、カラー液晶表示装置においては忠実な色再現を得ることに寄与できる。
<物性、光学特性>
本発明の光学フィルムは、C光源での450〜550nmの散乱反射積分値が、9.0以下であり、このレベルであれば実用上問題ではない。好ましくは7.0以下である。ここでいう散乱反射積分値とは、下記の方法で求めた白度(本発明のヘイズを性格的に表したもの)をいう。なお、以下特別に断りのない限り測定試料は23℃55%RHの雰囲気下で24時間調湿したものを使用し、測定も同雰囲気下で行っている。
〈白度測定方法〉
本発明の光学フィルムを基材レステープで黒のアクリル板に貼りつける。アクリル板に貼られていない方の面を、コニカミノルタセンシング(株)製分光測色計CM−2500dを用いて、測定径φ8mm、観察視野2°の条件でSCE(散乱反射率)を測定し、その散乱反射率測定値の450nm〜550nmの領域(暗視野視感度の高い領域)での積分値(1nm毎)を求めた。
本発明の光学フィルムは、下記式で表されるリターデーション値Roが0〜150nm、Rtが−100〜300nmであることが好ましく、特に好ましくはRoが0〜10nm、Rtが0〜100nmである。
式(i) Ro=(nx−ny)×d
式(ii) Rt=((nx+ny)/2−nz)×d
(式中、Roはフィルム面内リターデーション値、Rtはフィルム厚み方向リターデーション値、nxはフィルム面内の遅相軸方向の屈折率、nyはフィルム面内の進相軸方向の屈折率、nzはフィルムの厚み方向の屈折率、dはフィルムの厚さ(nm)を表す。)
上記リターデーションは、例えばKOBRA−21ADH(王子計測機器(株))を用いて、23℃、55%RHの環境下で、波長が590nmで求めることができる。
本発明においては、Rt≧0.85nm/膜厚1μmであることが好ましい。コントラストと視野角を確保する為には薄膜で且つ、一定以上のRtであることが好ましく、例えば30〜50μmであればRtは26〜200nm、50〜70μmであればRtは43〜200nmである事が好ましい。単位膜厚に対するRtは、0.9〜5.0nm/膜厚1μmであることがより好ましく、1.0〜5.0nm/膜厚1μmであることが更に好ましい。
(クリアーハードコート層)
本発明では、高硬度を発揮する点から、ハードコート層の膜厚(ドライ膜厚)は3μm以上、30μm以下であり、好ましくは5μm以上、15μm以下である。
高硬度は、LCD等の表示装置の表面における使用や偏光板化工程において傷が付きにくいことから望まれおり、本発明でいう高硬度とは、硬度の指標で有る鉛筆硬度が3H以上であり、より好ましくは4H以上である。
鉛筆硬度は、作製したハードコートフィルムを温度23℃、相対湿度55%の条件で2時間以上調湿した後、JIS S 6006が規定する試験用鉛筆を用いて、JIS K 5400が規定する鉛筆硬度評価方法に従い測定した値である。
また、ハードコートのマルテンス硬さ(HMs)が、400N/mm以上、800N/mm以下であることが好ましい。
マルテンス硬さ(ビッカース硬さ)とは、ビッカース圧子及び稜線同士の角度が115度の三角錐圧子を用いた微小硬度計で、フィルムのハードコート表面を、ハードコート層の膜厚の略1/10の厚みまで圧子を押し込んだ時の負荷試験力−押し込み深さ曲線において、該負荷試験力−押し込み深さ曲線から求められる最大負荷試験力(Fmax)の50%値から90%値までの押し込み深さが負荷試験力の平方根に比例する傾き(m)より、下記式で定義される値をいう。
1HMs=1/(26.4m
本発明のクリアーハードコート層は、公知のものがそのまま使用することができる。ハードコート層を形成する樹脂バインダーについて説明する。樹脂バインダーとしては、活性エネルギー線硬化樹脂が好ましい。活性エネルギー線硬化樹脂とは、紫外線や電子線のような活性線照射により架橋反応等を経て硬化する樹脂をいう。活性エネルギー線硬化樹脂としては、エチレン性不飽和二重結合を有するモノマーを含む成分が好ましく用いられ、紫外線や電子線のような活性線を照射することによって硬化させて活性エネルギー線硬化樹脂層が形成される。
活性エネルギー線硬化樹脂としては紫外線硬化性樹脂や電子線硬化性樹脂等が代表的なものとして挙げられるが、特に、紫外線硬化樹脂が機械的膜強度(耐擦性、鉛筆硬度)に優れる点から好ましい。
紫外線硬化樹脂としては、多官能アクリレートが好ましい。該多官能アクリレートとしては、ペンタエリスリトール多官能アクリレート、ジペンタエリスリトール多官能アクリレート、ペンタエリスリトール多官能メタクリレート、及びジペンタエリスリトール多官能メタクリレートよりなる群から選ばれることが好ましい。
ここで、多官能アクリレートとは、分子中に2個以上のアクリロイルオキシ基及び/またはメタクロイルオキシ基を有する化合物である。これらの化合物は、それぞれ単独または2種以上を混合して用いられる。
また、上記モノマーの2量体、3量体等のオリゴマーであってもよい。エネルギー活性線硬化性樹脂の添加量は、ハードコート層形成組成物中(以下、ハードコート層塗布液とも言う。)では、固形分中の15質量%以上70質量%未満であることが好ましい。
また、ハードコート層にはエネルギー活性線硬化性樹脂の硬化促進のため、光重合開始剤を含有することが好ましい。光重合開始剤量としては、質量比で、光重合開始剤;エネルギー活性線硬化性樹脂=20:100〜0.01:100で含有することが好ましい。
光重合開始剤としては、具体的には、アセトフェノン、ベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、ミヒラーケトン、α−アミロキシムエステル、チオキサントン等及びこれらの誘導体を挙げることができるが、特にこれらに限定されるものではない。
ハードコート層には、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂またはゼラチン等の親水性樹脂等のバインダーを用いることもできる。また、ハードコート層には滑り性や屈折率を調整するために無機化合物または有機化合物の粒子を含んでもよい。
これらの微粒子粉末の平均粒径としては、0.01〜5μmが好ましく0.1〜5.0μm、さらに、0.1〜4.0μmであることが特に好ましい。また、粒径の異なる2種以上の微粒子を含有することが好ましい。硬化性樹脂組成物と微粒子の割合は、硬化性樹脂組成物100質量部に対して、0.1〜30質量部となるように配合することが望ましい。
本発明においては、ハードコート層に重合性不飽和基を有する有機化合物によって表面処理された反応性シリカ粒子(Xa)を含有させることが好ましい。以下、重合性不飽和基を有する有機化合物によって表面処理された反応性シリカ粒子(Xa)について説明する。
〈シリカ粒子〉
シリカ粒子としては、公知のものを使用することができる。また、その形状は、球状でも不定形のものでもよく、通常のコロイダルシリカに限らず中空粒子、多孔質粒子、コア/シェル型粒子等であっても構わない。
また、動的光散乱法で求めたシリカ粒子の数平均粒径は30nm以上が好ましく、さらに好ましくは30〜200nmであり、特に好ましくは、40〜80nmである。
市販品としては、例えば、コロイダルシリカとして、日産化学工業(株)製MEK−ST−L、IPA−ST−L、IPA−ST−ZL等を挙げることができる。
〈重合性不飽和基を有する有機化合物〉
反応性シリカ粒子(Xa)は、重合性不飽和基を有する有機化合物(以下、「有機化合物(X)」という)で表面処理することによって得られる。反応性シリカ粒子(Xa)の製造に用いられる有機化合物(X)は、重合性不飽和基、好ましくはエチレン性不飽和基を有する化合物であり、さらに、下記一般式(a)に示す基を含む有機化合物であることが好ましい。
また、[−O−C(=O)−NH−]基を含み、さらに、[−O−C(=S)−NH−]基及び[−S−C(=O)−NH−]基の少なくとも1つを含むものであることが好ましい。また、この有機化合物は、分子内にシラノール基を有する化合物又は加水分解によってシラノール基を生成する化合物であることが好ましい。
Figure 2012103463
[一般式(a)中、Uは、NH、O(酸素原子)又はS(イオウ原子)を示し、Vは、O又はSを示す。]
[1]エチレン性不飽和基
有機化合物(X)に含まれるエチレン性不飽和基としては特に制限はないが、例えば、アクリロイル基、メタクリロイル基、ビニル基を好適例として挙げることができる。
このエチレン性不飽和基は、活性ラジカル種により付加重合をする構成単位である。
[2]前記一般式(a)に示す基
有機化合物に含まれる前記式(a)に示す基[−U−C(=V)−NH−]は、具体的には、[−O−C(=O)−NH−]、[−O−C(=S)−NH−]、[−S−C(=O)−NH−]、[−NH−C(=O)−NH−]、[−NH−C(=S)−NH−]、及び[−S−C(=S)−NH−]の6種である。これらの基は、1種単独で又は2種以上を組合わせて用いることができる。
中でも、熱安定性の観点から、[−O−C(=O)−NH−]基と、[−O−C(=S)−NH−]基及び[−S−C(=O)−NH−]基の少なくとも1つとを併用することが好ましい。
前記式(a)に示す基[−U−C(=V)−NH−]は、分子間において水素結合による適度の凝集力を発生させ、硬化物にした場合、優れた機械的強度、基材や隣接層との密着性に優れる。
[3]シラノール基又は加水分解によってシラノール基を生成する化合物
シラノール基を生成する化合物としては、ケイ素原子にアルコキシ基、アリールオキシ基、アセトキシ基、アミノ基、ハロゲン原子等が結合した化合物を挙げることができるが、ケイ素原子にアルコキシ基又はアリールオキシ基が結合した化合物、即ち、アルコキシシリル基含有化合物又はアリールオキシシリル基含有化合物が好ましい。
[4]好ましい態様
好ましい具体例としては、例えば、下記一般式(b)に示す化合物を挙げることができる。
Figure 2012103463
一般式(b)中、R21、R22は、同一でも異なっていてもよく、水素原子又は炭素数1〜8のアルキル基若しくはアリール基であり、例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、オクチル、フェニル、キシリル基等を挙げることができる。ここで、jは、1〜3の整数である。
[(R21O)22 3−jSi−]で示される基としては、例えば、トリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基、トリフェノキシシリル基、メチルジメトキシシリル基、ジメチルメトキシシリル基等を挙げることができる。このような基のうち、トリメトキシシリル基又はトリエトキシシリル基等が好ましい。
23は、炭素数1〜12の脂肪族又は芳香族構造を有する2価の有機基であり、鎖状、分岐状又は環状の構造を含んでいてもよい。具体例として、メチレン、エチレン、プロピレン、ブチレン、ヘキサメチレン、シクロヘキシレン、フェニレン、キシリレン、ドデカメチレン等を挙げることができる。
24は、2価の有機基であり、通常、分子量14から1万、好ましくは、分子量76から500の2価の有機基の中から選ばれる。具体例として、ヘキサメチレン、オクタメチレン、ドデカメチレン等の鎖状ポリアルキレン基;シクロヘキシレン、ノルボルニレン等の脂環式又は多環式の2価の有機基;フェニレン、ナフチレン、ビフェニレン、ポリフェニレン等の2価の芳香族基;及びこれらのアルキル基置換体、アリール基置換体を挙げることができる。
また、これら2価の有機基は炭素及び水素原子以外の元素を含む原子団を含んでいてもよく、ポリエーテル結合、ポリエステル結合、ポリアミド結合、ポリカーボネート結合を含むこともできる。
25は、(k+1)価の有機基であり、好ましくは、鎖状、分岐状又は環状の飽和炭化水素基、不飽和炭化水素基の中から選ばれる。
Zは、活性ラジカル種の存在下、分子間架橋反応をする重合性不飽和基を分子中に有する1価の有機基を示す。また、kは、好ましくは、1〜20の整数であり、さらに好ましくは、1〜10の整数、特に好ましくは、1〜5の整数である。
一般式(b)で示される化合物の具体例として、下記(b−1)又は下記(b−2)で示される化合物が挙げられる。
Figure 2012103463
[(b−1)及び(b−2)中、「Acryl」は、アクリロイル基を示す。「Me」は、メチル基を示す。]
有機化合物(X)の合成は、例えば、特開平9−100111号公報に記載された方法を用いることができる。好ましくは、メルカプトプロピルトリメトキシシランとイソホロンジイソシアネートをジブチルスズジラウレート存在下で混合し、60〜70℃で数時間程度反応させた後に、ペンタエリスリトールトリアクリレートを添加して、さらに60〜70℃で数時間程度反応させることにより製造される。
〈(Xa)反応性シリカ粒子〉
有機化合物(X)をシリカ粒子と混合し、加水分解させ、両者を結合させる。
シリカ粒子への有機化合物(X)の結合量は、反応性シリカ粒子(Xa)を100質量%として、好ましくは、0.01質量%以上であり、さらに好ましくは、0.1質量%以上、特に好ましくは、1質量%以上である。上記範囲において分散性に優れ、得られる硬化物の機械強度にも優れる。
また、反応性シリカ粒子(Xa)製造時の原料中のシリカ粒子の配合割合は、好ましくは、5〜99質量%であり、さらに好ましくは、10〜98質量%である。反応性シリカ粒子(Xa)を構成するシリカ粒子の含有量は、65〜95質量%であることが好ましい。
ハードコート層用塗布組成物中の、反応性シリカ粒子(Xa)の含有量は、組成物中の固形分全量を100質量%としたときに、5〜80質量%が好ましく、10〜80質量%がより好ましい。該範囲の割合で用いる事で、組成物中で安定に存在し、本発明の目的効果も発揮しやすい。
ハードコート層の耐熱性を高めるために、光硬化反応を抑制しないような酸化防止剤を選んで用いることができる。例えば、ヒンダードフェノール誘導体、チオプロピオン酸誘導体、ホスファイト誘導体等を挙げることができる。
ハードコート層形成組成物には、溶媒が含まれていてもよく、必要に応じて適宜含有し、希釈されたものであってもよい。
ハードコート層は、JIS B 0601で規定される中心線平均粗さ(Ra)が0.001〜0.1μmのクリアーハードコート層、または微粒子等を添加しRaが0.1〜1μmに調整された防眩性ハードコート層であってもよい。
中心線平均粗さ(Ra)は光干渉式の表面粗さ測定器で測定することが好ましく、例えばWYKO社製非接触表面微細形状計測装置WYKO NT−2000を用いて測定することができる。
ハードコート層はフッ素系化合物やシリコーン化合物を含有しても良い。また、以下に示す界面活性剤を含有してもよい。
フッ素系化合物、シリコーン化合物及び界面活性剤は、前記エネルギー活性線硬化性樹脂との含有質量比率をフッ素系化合物、シリコーン化合物及び界面活性剤:活性光線硬化樹脂=0.05:100〜5.00:100で用いることがハードコート層形成組成物中及びハードコート層で安定して存在する。
ハードコート層にはさらに、硬化助剤としてポリウレタン樹脂の側鎖にビニル基とカルボキシル基を有し、重量平均分子量が10000以上30000以下であり、且つ、二重結合当量が500以上2000以下であるポリマーやポリマーの側鎖にビニル基を有し、重量平均分子量(Mw)が10000以上100000以下であり、二重結合当量が1000以下、ポリマーTgが−50℃以上120℃以下であるアクリルポリマー、他官能チオール化合物等を含有させてもよい。市販品としては昭和電工社製、商品名カレンズMTシリーズ等が挙げられる。
また、フッ素−アクリル共重合体樹脂を含有しても良い。フッ素−アクリル共重合体樹脂の市販品としては、日本油脂株式会社の商品名、モディパーF−200、モディパーF−600、モディパーF−2020等が挙げられる。
また、ハードコート層の屈折率は23℃、波長550nm測定で、屈折率を1.4〜2.2の範囲に調整することが好ましい。屈折率を調整する手段は、金属酸化物微粒子等を添加することで達成できる。金属酸化また、用いる金属酸化物微粒子の屈折率は1.80〜2.60であるものが好ましく、1.85〜2.50であるものがさらに好ましい。
金属酸化物微粒子の種類は、酸化ジルコニウム、酸化アンチモン、酸化錫、酸化亜鉛、酸化インジウム−スズ(ITO)、アンチモンドープ酸化スズ(ATO)、及びアンチモン酸亜鉛から選ばれる少なくとも1種の金属酸化物微粒子を主成分として用いることが特に好ましい。特にアンチモン酸亜鉛粒子を含有することが好ましい。
これら金属酸化物微粒子の一次粒子の平均粒径は10nm〜200nmの範囲であり、10〜150nmであることが特に好ましい。金属酸化物微粒子の平均粒径は、走査電子顕微鏡(SEM)等による電子顕微鏡写真から計測することができる。
金属酸化物微粒子は有機化合物により表面処理してもよい。
(塗工工程)
本発明のクリアーハードコート層は公知の方法で塗設することができる。
クリアーハードコート層を塗設する際の溶媒としては、例えば、炭化水素類、アルコール類、ケトン類、エステル類、グリコールエーテル類、その他の溶媒の中から適宜選択し、或いはこれらを混合し利用できる。
好ましくは、プロピレングリコールモノ(炭素数1〜4のアルキル基)アルキルエーテルまたはプロピレングリコールモノ(炭素数1〜4のアルキル基)アルキルエーテルエステルを5質量%以上、さらに好ましくは5〜80質量%以上含有する溶媒が用いられる。
クリアーハードコート層を光硬化反応により硬化皮膜層を形成するための光源としては、紫外線を発生する光源であればいずれでも使用できる。例えば、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、カーボンアーク灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ等を用いることができる。
照射条件はそれぞれのランプによって異なるが、照射光量は20〜10000mJ/cm程度あればよく、好ましくは、50〜2000mJ/cmである。近紫外線領域〜可視光線領域にかけてはその領域に吸収極大のある増感剤を用いることによって使用できる。
紫外線硬化性樹脂組成物は塗布乾燥された後、紫外線を光源より照射するが、照射時間は0.5秒〜5分がよく、紫外線硬化性樹脂の硬化効率、作業効率などから3秒〜2分がより好ましい。
(機能性層)
本発明の光学フィルム製造に際し、延伸の前または後で帯電防止層、バックコート層、易滑性層、接着層、バリアー層、防眩層、反射防止層、光学補償層等の機能性層を塗設してもよい。
<偏光板、液晶表示装置>
本発明の偏光板、それを用いた液晶表示装置について説明する。
(偏光板)
本発明の偏光板は、本発明の光学フィルムにより、偏光子の少なくとも一方の面を挟持してなる偏光板である。
偏光板は一般的な方法で作製することができる。本発明の光学フィルムの偏光子側をアルカリ鹸化処理し、沃素溶液中に浸漬延伸して作製した偏光子の少なくとも一方の面に、完全鹸化型ポリビニルアルコール水溶液を用いて貼り合わせることが好ましい。
もう一方の面には本発明の光学フィルムを用いても、また別の光学フィルムを用いてもよい。市販のセルロースエステルフィルム(例えば、コニカミノルタタック KC8UX、KC4UX、KC5UX、KC8UY、KC4UY、KC12UR、KC8UCR−3、KC8UCR−4、KC8UCR−5、KC4FR−1、KC8UY−HA、KC8UX−RHA、以上コニカミノルタオプト(株)製)も好ましく用いられる。
(液晶表示装置)
本発明の偏光板を液晶表示装置に組み込むことによって、種々の視認性に優れた液晶表示装置を作製することができる。本発明の光学フィルムはSTN、TN、OCB、HAN、VA(MVA、PVA)、IPSなどの各種駆動方式の液晶表示装置に用いることができる。特に好ましくはVA(MVA、PVA)型、及びIPS型液晶表示装置である。
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1
<エステル化合物1>
1,2−プロピレングリコール251g、無水フタル酸278g、アジピン酸91g、安息香酸610g、エステル化触媒としてテトライソプロピルチタネート0.191gを、温度計、撹拌器、緩急冷却管を備えた2Lの四つ口フラスコに仕込み、窒素気流中230℃になるまで、撹拌しながら徐々に昇温する。15時間脱水縮合反応させ、反応終了後200℃で未反応の1,2−プロピレングリコールを減圧留去することにより、本発明のエステル化合物1を得た。酸価0.10、数平均分子量450であった。
<エステル化合物2、3>
エステル化合物1の合成において、無水フタル酸とアジピン酸の量をそれぞれ、(185g、182g)、(93g、273g)として同様の反応を行い、エステル化合物2、3を得た。それぞれ酸価0.10、数平均分子量500、酸価0.15、数平均分子量600であった。
<エステル化合物4>
2−メチル−1,3−プロパンジオール205g、無水フタル酸111g、アジピン酸37g、p−トルイル酸272g、エステル化触媒としてテトライソプロピルチタネート0.08gを、温度計、撹拌器、緩急冷却管を備えた2Lの四つ口フラスコに仕込み、窒素気流中230℃になるまで、撹拌しながら徐々に昇温する。11時間脱水縮合反応させ、反応終了後200℃で未反応の2−メチル−1,3−プロパンジオールを減圧留去することにより、本発明のエステル化合物4を得た。酸価0.15、数平均分子量600であった。
<各種二酸化ケイ素粒子の作製>
以下のようにして、本発明の表面に炭素数2以上15以下のアルキル基を有する二酸化ケイ素粒子を作製した。
(二酸化ケイ素粒子分散液)
アエロジル200(日本アエロジル(株)製) 10質量部
(一次粒子の平均粒径12nm)
エタノール 90質量部
シランカップリング剤(表1記載) 0.1質量部
以上をディゾルバーで30分間撹拌混合した後、マントンゴーリンでさらに分散を行った。二酸化ケイ素分散液に88質量部のメチレンクロライドを撹拌しながら投入し、ディゾルバーで30分間撹拌混合し、二酸化ケイ素分散希釈液を作製した。微粒子分散希釈液濾過器(アドバンテック東洋(株):ポリプロピレンワインドカートリッジフィルターTCW−PPS−1N)で濾過した。
なお、フィルム中での2次平均粒径は、マントンゴーリンでの分散時間を変える事により、表1のように調整した。
なお、粒子4は、シランカップリング剤を使用せず市販品のアエロジルR805(1次平均粒径12nm)をそのまま使用した。
<平均粒径の測定方法>
〈1次平均粒径〉
基盤上に固定した粉末の二酸化ケイ素粒子を走査型電子顕微鏡(倍率3000倍)で観察し、粒子に外接する円の直径をもって粒径とした。そして、場所を変えて粒子100個を観察し、その平均値をもって、1次平均粒径とした。
Figure 2012103463
<光学フィルムの作製>
図1に実施例に用いたセルロースエステルフィルムの製造装置のフローシートを示す。
(ドープ組成物)
セルローストリアセテートA1 90質量部
(リンター綿から合成されたセルローストリアセテート、アセチル基置換度2.88、Mn=140000)
エステル化合物 10質量部
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤
チヌビン928(BASFジャパン(株)製) 2.5質量部
二酸化ケイ素分散希釈液 3質量部
メチレンクロライド 432質量部
エタノール 38質量部
以上を密閉容器に投入し、加熱し、撹拌しながら、完全に溶解し、安積濾紙(株)製の安積濾紙No.24を使用して濾過し、ドープ液を調製した。
次に、ベルト流延装置を用い、ステンレスバンド支持体に均一に流延した。ステンレスバンド支持体で、残留溶剤量が100%になるまで溶剤を蒸発させ、ステンレスバンド支持体上から剥離した。セルロースエステルフィルムのウェブを35℃で溶剤を蒸発させ、1.7m幅にスリットした後、テンターでTD方向(フィルムの幅手方向)に1.3倍(30%の延伸倍率)に延伸しながら、160℃の乾燥温度(熱処理温度、延伸温度ともいう)で乾燥させた。このときテンターで延伸を始めたときの残留溶剤量(残溶ともいう)は20%であった。
その後、120℃の乾燥装置内を多数のロールで搬送させながら15分間乾燥させた後、フィルム両端に幅15mm、高さ10μmのナーリング加工を施し、巻芯に巻き取り、光学フィルム101を得た。光学フィルムの残留溶剤量は0.2%であり、膜厚は40μm、巻数は6000mであった。
尚、平均表面粗さRaは3.0nm、30℃における貯蔵弾性率はMD方向に4.1GPa、TD方向に5.5GPaステンレスバンド支持体の回転速度とテンターの運転速度から算出されるMD方向の延伸倍率は1.01倍(1%の延伸倍率)であった。
この作製方法と同様にして、表3に記載のその他の光学フィルム試料を作製した。これらの試料について、滑り性、散乱反射積分値(450〜550nm)、短時間での温度変化耐性(ヒートショック性)を評価した。結果を表3に示す。
なお、表中「T」はチヌビンの略である。
Figure 2012103463
<2次平均粒径と変動係数>
作製して24時間23℃55%RH雰囲気下で保存したフィルムの切断面を、透過型電子顕微鏡で観察し、粒子に外接する円の直径をもって粒径とした。そして場所を変えて粒子100個を観察し、その平均値を2次平均粒径、標準減差÷平均値を変動係数とした。
<滑り性>
23℃55%RHの雰囲気下で24時間以上保存した各試料の動摩擦係数を、同雰囲気下においてJIS−K−7125−ISO8295に記載の方法に準じて測定した。
各フィルムの表裏面が接触するように切り出し、200gの重りを載せ、フィルム試料の移動速度100mm/分、接触面積80mm×200mmの条件で重りを水平に引っ張り、重りが移動中の平均荷重(F)を測定し、下記式より動摩擦係数(μ)を求めた。
動摩擦係数(μ)=F(g)/重りの重さ(g)
<ヒートショック(サイクルサーモ)性>
先ず、JISK7105に規定される方法に従って、ヘイズ・メーター(1001DP型、日本電色工業株式会社製)を用いてフィルムのヘイズの測定を行った。
その後、エスペック株式会社の冷熱衝撃装置TSE−11にて、−35℃RHで30分保存、次いで95℃で30分保存し、これを1サイクルとして、合計100サイクル(100時間)の処理を施した。処理後のフィルムのヘイズを測定し、未処理フィルムとのヘイズ差Δヘイズ(処理後のヘイズ(%)−未処理ヘイズ(%))を求めた。
Figure 2012103463
表から明らかなように、本発明の光学フィルムは、滑り性を維持しながら、ヒートショック耐性に優れることがわかる。
実施例2
実施例1で作製した光学フィルム101に、下記のハードコート層を塗布し、これを視認側偏光板の視認側偏光板保護フィルムとする液晶表示装置を作製し、画像を評価した。
下記ハードコート層塗布組成物1を孔径0.4μmのポリプロピレン製フィルターで濾過してハードコート層塗布液を調製し、ダイコータにより塗布し、70℃で乾燥後、酸素濃度が1.0体積%以下の雰囲気になるように窒素パージしながら、紫外線ランプを用い照射部の照度が300mW/cm、照射量を0.3J/cmとして塗布層を硬化させ、さらに加熱処理ゾーンにおいて、130℃で5分間、搬送張力300N/mで加熱処理し、ドライ膜厚7μmのハードコート層を形成し、ハードコートフィルム101を作製し、巻き取った。
(ハードコート層組成物1)
下記材料を攪拌、混合しハードコート層塗布組成物1とした。
ペンタエリスリトールトリアクリレート 20.0質量部
ペンタエリスリトールテトラアクリレート 50.0質量部
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 30.0質量部
ジペンタエリスリトールペンタアクリレート 30.0質量部
イルガキュア184(BASFジャパン(株)社製) 5.0質量部
フッ素−シロキサングラフトポリマーI(35質量%) 5.0質量部
シーホスターKEP−50(粉体のシリカ粒子、平均粒径0.47〜0.61μm、日本触媒株式会社製)
24.3質量部
プロピレングリコールモノメチルエーテル 20質量部
酢酸メチル 40質量部
メチルエチルケトン 60質量部
《フッ素−シロキサングラフトポリマーIの調製》
以下、フッ素−シロキサングラフトポリマーIの調整に用いた素材の市販品名を示す。
ラジカル重合性フッ素樹脂(A):セフラルコートCF−803(水酸基価60、数平均分子量15,000;セントラル硝子(株)製)
片末端ラジカル重合性ポリシロキサン(B):サイラプレーンFM−0721(数平均分子量5,000;チッソ(株)製)
ラジカル重合開始剤:パーブチルO(t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート;日本油脂(株)製)
硬化剤:スミジュールN3200(ヘキサメチレンジイソシアネートのビウレット型プレポリマー;住化バイエルウレタン(株)製)
(ラジカル重合性フッ素樹脂(A)の合成)
機械式撹拌装置、温度計、コンデンサー及び乾燥窒素ガス導入口を備えたガラス製反応器に、セフラルコートCF−803(1554質量部)、キシレン(233質量部)、及び2−イソシアナトエチルメタクリレート(6.3質量部)を入れ、乾燥窒素雰囲気下で80℃に加熱した。80℃で2時間反応し、サンプリング物の赤外吸収スペクトルによりイソシアネートの吸収が消失したことを確認した後、反応混合物を取り出し、ウレタン結合を介して50質量%のラジカル重合性フッ素樹脂(A)を得た。
(フッ素−シロキサングラフトポリマーIの調製)
機械式撹拌装置、温度計、コンデンサー及び乾燥窒素ガス導入口を備えたガラス製反応器に、上記合成したラジカル重合性フッ素樹脂(A)(26.1質量部)、キシレン(19.5質量部)、酢酸n−ブチル(16.3質量部)、メチルメタクリレート(2.4質量部)、n−ブチルメタクリレート(1.8質量部)、ラウリルメタクリレート(1.8質量部)、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(1.8質量部)、FM−0721(5.2質量部)、及びパーブチルO(0.1質量部)を入れ、窒素雰囲気中で90℃まで加熱した後、90℃で2時間保持した。パーブチルO(0.1部)を追加し、さらに90℃で5時間保持することによって、重量平均分子量が171,000である35質量%フッ素−シロキサングラフトポリマーIの溶液を得た。
重量平均分子量はGPCにより求めた。また、フッ素−シロキサングラフトポリマーIの質量%はHPLC(液体クロマトグラフィー)により求めた。
<偏光板の作製>
上記作製したハードコートフィルム101を、40℃の2.5mol/L水酸化ナトリウム水溶液で90秒間アルカリ処理し、45秒間間水洗し、10質量%HClにて30℃45秒間中和し、次いで30℃45秒間水洗して鹸化処理し、アルカリ処理フィルムを得た。
次いで、厚さ120μmのポリビニルアルコールフィルムを、一軸延伸(温度110℃、延伸倍率6倍)した。これをヨウ素0.075g、ヨウ化カリウム5g、水100gからなる水溶液に60秒間浸漬し、次いでヨウ化カリウム6g、ホウ酸7.5g、水100gからなる68℃の水溶液に浸漬した。これを水洗、乾燥し3.0m幅の偏光子を得た。
次に、アルカリ処理フィルムを完全鹸化型ポリビニルアルコール5%水溶液を粘着剤として、偏光子の反対面には同様にアルカリ処理したコニカミノルタタックKC4UY貼合し偏光板101を作製した。
<液晶表示装置の作製>
得られた偏光板は、IPS型液晶表示装置である日立(株)製液晶表示装置Wooo W32L−H90にあらかじめ貼合されていた視認側偏光板を注意深く剥がし、もともと貼ってあった偏光板の透過軸にあわせて、粘着剤を介して作製した本発明の光学フィルムが視認側となるように偏光板を貼り付け、液晶表示装置を作製した。
〈画面劣化の評価〉
その後、10℃20%RHの環境に60分間、ついで35℃27%RHの環境に60分間を1サイクルとし、LEDバックライトを1000時間連続点灯し、全面黒表示状態を暗室にて目視で観察して、画面劣化を目視で官能評価した。結果を表4に示す。
○:黒が鮮やか
×:白っぽくて鮮やかさに欠ける
Figure 2012103463
表からあきらかなように、本発明の光学フィルムは温湿度のサイクル性に優れていることがわかる。
1 主ドープ仕込み釜
2 ドープ送液ポンプ
5 前後巻回ドラム
7 ステンレスベルト
8 剥離ロール
9 ウェブ
10A、10B ロール搬送乾燥装置
11 温風(乾燥風)
12 テンター
13 フィルム巻き取り装置
A 流延ダイ

Claims (1)

  1. (1)表面に炭素数2以上15以下のアルキル基を有する二酸化ケイ素粒子、(2)ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、(3)フタル酸、アジピン酸、少なくとも一種のベンゼンモノカルボン酸および少なくとも一種の炭素数2〜12のアルキレングリコールとを反応させた構造を有するエステル化合物、並びに(4)セルロースエステル、を含有することを特徴とする光学フィルム。
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