JP2012103460A - 投写型表示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】装置の組立性と光学素子の交換容易性を両立させた小型の投写型表示装置を提供する。
【解決手段】投写型表示装置は、光源と、光源からの光が入射する照明光学系と、照明光学系からの光によって照明される液晶表示素子を備えた色分解合成光学系と、色分解合成光学系からの光を被投写面に投写する投写光学系と、照明光学系及び色分解合成光学系を収納する筐体とを有し、照明光学系は、交換可能な光学素子を備えており、筐体は、装置組立時における光学素子の組付方向と、光学素子の交換時における光学素子の着脱方向とが互いに異なるように構成されている。
【選択図】図3

Description

本発明は、光学素子の交換を容易にした投写型表示装置に関する。
投写型表示装置に設けられる有機フィルムを備えた光学素子は、光源から出射される紫外線や熱等により経年劣化が生じ、この劣化によりスクリーンに投写される画像品質が劣化する。このとき、劣化した光学素子を交換すれば、再び、投写型表示装置の本来の良好な画像を得ることができる。しかしながら、投写型表示装置の通常の組立工程では、初期工程に光学素子が組み込まれるため、組立完成後に光学素子を交換するには、制御基板や冷却ユニット等の様々な部品を取り外す必要があり、多くの工数と時間が掛かる。
特許文献1には、回路基板の取り外し工程を削減するため、回路基板に光学素子着脱用の開口を設けた投写型表示装置が開示されている。この投写型表示装置では、その開口近傍の筐体に設けられた光学素子交換用の蓋を取り外すことにより、光学素子に直接アクセスすることができ、光学素子を容易に交換可能であることが開示されている。
特開2008−58674号公報
しかしながら、回路基板に開口を設けると、開口による電気素子実装面積の減少分を補うため、開口面積分だけ回路基板の外形を大きくする必要があり、投射型表示装置自体の大型化や重量増加が懸念される。また、回路基板に開口を設けることにより、パターン設計に無理が生じ、EMI性能の確保が困難となり好ましくない。
そこで本発明は、装置の組立性と光学素子の交換容易性を両立させた小型の投写型表示装置を提供する。
本発明の一側面としての投写型表示装置は、光源と、前記光源からの光が入射する照明光学系と、前記照明光学系からの光によって照明される液晶表示素子を備えた色分解合成光学系と、前記色分解合成光学系からの光を被投写面に投写する投写光学系と、前記照明光学系及び前記色分解合成光学系を収納する筐体とを有し、前記照明光学系は、交換可能な光学素子を備えており、前記筐体は、装置組立時における前記光学素子の組付方向と、該光学素子の交換時における該光学素子の着脱方向とが互いに異なるように構成されている。
本発明の他の目的及び特徴は、以下の実施例において説明される。
本発明によれば、装置の組立性と光学素子の交換容易性を両立させた小型の投写型表示装置を提供することができる。
実施例1における投写型表示装置の分解斜視図である。 実施例1における投写型表示装置の光学構成図であり、(a)は上面図、(b)は側面図である。 実施例1における投写型表示装置の要部構成図であり、(a)は偏光変換素子の保持構造概略図、(b)は光軸に対する偏光変換素子の前後左右方向の保持方法、(c)は光軸に対する偏光変換素子の上下方向の保持方法、(d)は偏光変換素子着脱開口部と片寄せバネガイド形状である。 実施例2における投写型表示装置の要部構成図である。
以下、本発明の実施例について、図面を参照しながら詳細に説明する。各図において、同一の部材については同一の参照番号を付し、重複する説明は省略する。
まず、本発明の実施例1における投写型画像表示装置(投写型表示装置)について説明する。図1は、投写型表示装置100の分解斜視図である。図1において、1は光源としてのランプ、2はランプ1を保持するランプホルダー、3は防爆ガラス、4はガラス押さえである。αは、ランプ1からの光が入射する照明光学系であり、後述の交換可能な偏光変換素子45(光学素子)を備える。βは、照明光学系αによって照明されるRGBの3色用の液晶パネル(液晶表示素子)を備えた色分解合成光学系である。5は、色分解合成光学系βからの出射光を、図示しないスクリーン(被投写面)に投写する投写レンズ(投写光学系)である。6は、ランプ1、照明光学系α、及び、色分解合成光学系βを収納するとともに投写レンズ5を固定する光学ボックス(筐体)である。光学ボックス6には、ランプ1の周囲を囲むランプ周辺部材としてのランプケース部材6aが形成されている。後述のように、光学ボックス6は、装置組立時における偏光変換素子45の組付方向と、偏光変換素子45の交換時における偏光変換素子45の着脱方向とが互いに異なるように構成されている。
7は、光学ボックス6内に照明光学系α及び色分解合成光学系βを収納した状態で蓋をする光学ボックス蓋である。8は電源、10は電源8と合体しランプ1を点灯するためのバラスト電源である。11は、電源8からの電力により液晶パネル(液晶表示素子)の駆動信号を出力し、また、ランプ1の点灯を指令する回路基板である。12A、12Bは、それぞれ、後述する外装キャビネット19の吸気口から空気を吸い込むことで色分解合成光学系β内の液晶パネル等の光学素子を冷却する光学系用の冷却ファンである。13は、冷却ファン12A、12Bによる風を色分解合成光学系β内の液晶パネル等の光学素子に送る第1のRGBダクトである。
14は、ランプ1に対して吹き付け風を送り、ランプ1を冷却する光源ランプ用の冷却ファンである。15は、冷却ファン14を保持しつつ冷却風をランプ1に送る第1のランプダクトである。16は、冷却ファン14を押さえて第1のランプダクト15と合わせてダクトを構築する第2のランプダクトである。17は、後述する外装キャビネット19に設けた吸気口から空気を吸い込むことで電源8とバラスト電源10内に風を流通させることで電源8及びバラスト電源10を同時に冷却する電源用の冷却ファンである。18は排気ファンであり、排気ファン18は冷却ファン14によるランプ1を通過した後の熱風を排出する。
19は、光学ボックス6等を収納する外装キャビネット(外装ケース下部)である。20は、外装キャビネット19に光学ボックス6等を収納した状態で蓋をする外装キャビネット蓋(外装ケース上部)である。21は第1の側板、22は第2の側板である。外装キャビネット19には、後述の偏光変換素子交換用の開口19aが形成されている。
23は各種信号を取り込むコネクタが搭載されるインターフェース基板、24は第1の側板21の内側に取付けられたインターフェース補強板である。25はランプ蓋であり、ランプ蓋25は外装キャビネット19の底面に着脱自在に設けられ、不図示のビスにより固定されている。 27は外装キャビネット19の吸気口の外側に取り付けられた不図示のフィルタを押えるRGB吸気プレートである。28は、色分解合成光学系βを保持するプリズムベースである。29は、色分解合成光学系βの光学素子(偏光変換素子)と反射型液晶表示素子を冷却するために冷却ファン12A、12Bからの冷却風を導くダクト形状部を有するボックスサイドカバーである。30は、ボックスサイドカバー29と合わせることでダクトを形成する第2のRGBダクトである。
31は、色分解合成光学系β内に配置され、反射型液晶表示素子から出ているFPCが接続されて回路基板11に接続されるRGB基板である。32は、RGB基板31に電気ノイズが入り込まないようにするRGB基板カバーである。33は、外装キャビネット19の偏光変換素子交換用の開口19aの外側に取付けられる偏光変換素子交換用の蓋である。偏光変換素子交換用の蓋33は、外装キャビネット19に対して脱着自在に設けられており、不図示のビスにより外装キャビネット19に固定されている。
次に、図2を参照して、ランプ1、照明光学系α、色分解合成光学系β、及び、投写レンズ5にて構成される反射型液晶表示素子(反射型液晶パネル等の画像形成素子)を搭載した投写型表示装置の光学構成について説明する。図2は、本実施例における投写型表示装置の光学構成図であり、図2(a)は上面図を示し、図2(b)は側面図を示す。
図2において、41は連続スペクトルで白色光を発光する発光管である。42は発光管41からの光を所定の方向に集光するリフレクタであり、発光管41とリフレクタ42によりランプ1が構成される。43aは、水平方向(ランプ1からの光の進行方向における水平方向(紙面垂直方向))において屈折力を有するレンズアレイで構成された第1のシリンダアレイである。43bは、第1のシリンダアレイ43aの個々のレンズに対応したレンズアレイを有する第2のシリンダアレイである。44は、紫外線吸収フィルタである。45は、無偏光光を所定の偏光光に揃えるように構成され、有機フィルタを備えた偏光変換素子(光学素子)である。
46は、垂直方向において屈折力を有するシリンドリカルレンズで構成されたフロントコンプレッサである。47は、光軸を88度変換する全反射ミラーである。43cは、垂直方向(ランプ1からの光の進行方向における垂直方向(紙面垂直方向))において屈折力を有するレンズアレイで構成された第3のシリンダアレイである。43dは、第3のシリンダアレイ43cの個々のレンズに対応したレンズアレイを有する第4のシリンダアレイである。50は、色座標をある値に調整するために特定波長域の色をランプ1に戻すカラーフィルタである。48はコンデンサーレンズ、49は垂直方向において屈折力を有するシリンドリカルレンズで構成されたリアコンプレッサである。以上により、照明光学系αが構成される。
58は、青(B)と赤(R)の波長領域の光を反射し、緑(G)の波長領域の光を透過するダイクロイックミラーである。59は、透明基板に偏光素子を貼着したG用の入射側偏光板であり、P偏光光のみを透過する。60は、P偏光光を透過してS偏光光を反射する第1の偏光ビームスプリッタであり、偏光分離面を有する。
61R、61G、61Bはそれぞれ、入射光を反射するとともに画像変調する赤用、緑用、青用の反射型液晶表示素子である。62R、62G、62Bはそれぞれ、赤用、緑用、青用の1/4波長板である。64aはRの色純度を高めるためにオレンジ光をランプ1に戻すトリミングフィルタ、64bは透明基板に偏光素子を貼着したRB用の入射側偏光板であり、P偏光のみを透過する。65は、Rの光の偏光方向を90度変換し、Bの光の偏光方向は変換しない色選択性位相差板である。66は、P偏光を透過してS偏光を反射する第2の偏光ビームスプリッタであり、偏光分離面を有する。68BはB用出射側偏光板(偏光素子)であり、BのS偏光のみを整流し、68GはS偏光のみを透過させるG用出側偏光板(偏光素子)である。69は、RB光を透過してG光を反射するダイクロイックプリズムである。以上のダイクロイックミラー58からダイクロイックプリズム69までの各要素により、色分解合成光学系βが構成される。
ここで、P偏光とS偏光の定義を明確にする。偏光変換素子45は、P偏光をS偏光に変換するが、ここで言うP偏光とS偏光は偏光変換素子45を基準として説明している。一方、ダイクロイックミラー58へ入射する光は、偏光ビームスプリッタ60、66を基準しているため、P偏光光が入射することになる。偏光変換素子45から射出された光はS偏光であるが、本実施例では、同じS偏光光をダイクロイックミラー58に入射する光をP偏光光として定義する。
次に、光学的な作用を説明する。発光管41から発した光は、リフレクタ42により所定の方向に集光される。リフレクタ42は放物面形状を有し、放物面の焦点位置からの光は放物面の対称軸に平行な光束となる。ただし、発光管41からの光源は理想的な点光源ではなく有限の大きさを有している。このため、集光する光束には、放物面の対称軸に平行でない光の成分も多く含まれている。これらの光束は、第1のシリンダアレイ43aに入射する。第1のシリンダアレイ43aに入射した光束は、それぞれのシリンダレンズに応じた複数の光束(垂直方向に帯状の複数の光束)に分割され、集光される。そして、紫外線吸収フィルタ44を介して第2のシリンダアレイ43bを経て、複数の光束(垂直方向に帯状の複数の光束)を偏光変換素子45の近傍に形成する。
偏光変換素子45は、偏光分離面と反射面と1/2波長板とからなり、複数の光束は、その列に対応した偏光分離面に入射し、透過するP偏光成分の光と反射するS偏光成分の光に分割される。反射されたS偏光成分の光は、反射面で反射し、P偏光成分と同じ方向に出射する。一方、透過したP偏光成分の光は、1/2波長板を透過してS偏光成分と同じ偏光成分に変換され、偏光方向が揃った光として出射する。偏光変換された複数の光束(垂直方向に帯状の複数の光束)は、偏光変換素子45を出射した後、フロントコンプレッサ46を介して、反射ミラー47にて88度で反射し、第3のシリンダアレイ43cに入射する。第3のシリンダアレイ43cに入射した光束は、それぞれのシリンダレンズに応じた複数の光束(水平方向に帯状の複数の光束)に分割、集光される。そして第4のシリンダアレイ43dを経て、複数の光束(水平方向に帯状の複数の光束)となり、コンデンサーレンズ48、リアコンプレッサ49に至る。
ここで、フロントコンプレッサ46、コンデンサーレンズ48、及び、リアコンプレッサ49の光学的作用の関係で、複数の光束は矩形形状の像が重なった形で矩形の均一な照明エリアが形成される。この照明エリアに反射型液晶表示素子61R、61G、61Bが配置される。次に、偏光変換素子45によりS偏光とされた光は、ダイクロイックミラー58に入射する。なお、ダイクロイックミラー58は、B(430〜495nm)とR(590〜650nm)の光は反射し、G(505〜580nm)の光は透過する。
次に、Gの光路について説明する。ダイクロイックミラー58を透過したGの光は、入射側偏光板59に入射する。なお、Gの光はダイクロイックミラー58によって分解された後もP偏光(偏光変換素子45を基準とした場合はS偏光)となっている。そして、Gの光は、入射側偏光板59から出射した後、第1の偏光ビームスプリッタ60に対してP偏光として入射して偏光分離面で透過して、G用の反射型液晶表示素子61Gへと至る。G用の反射型液晶表示素子61Gにおいては、Gの光が画像変調されて反射される。画像変調されたGの反射光のうちP偏光成分は、再び第1の偏光ビームスプリッタ60の偏光分離面で透過して光源側に戻され、投射光から除去される。一方、画像変調されたGの反射光のうちS偏光成分は、第1の偏光ビームスプリッタ60の偏光分離面で反射され、投射光としてダイクロイックプリズム69に向かう。このとき、全ての偏光成分をP偏光に変換した状態(黒を表示した状態)において、第1の偏光ビームスプリッタ60とG用の反射型液晶表示素子61Gとの間に設けられた1/4波長板62Gの遅相軸を所定の方向に調整する。これにより、第1の偏光ビームスプリッタ60とG用の反射型液晶表示素子61Gで発生する偏光状態の乱れの影響を小さく抑えることができる。第1の偏光ビームスプリッタ60から出射したGの光は、第3の偏光ビームスプリッタとしてのダイクロイックプリズム69に対してS偏光として入射し、ダイクロイックプリズム69のダイクロイック膜面でG光を反射して投写レンズ70へと至る。
一方、ダイクロイックミラー58を反射したRとBの光は、入射側偏光板64aに入射する。尚、RとBの光はダイクロイックミラー58によって分解された後もP偏光となっている。そしてRとBの光は、トリミングフィルタ64aでオレンジ光をカットされた後、64bの入射側偏光板から出射し、色選択性位相差板65に入射する。色選択性位相差板65は、Rの光のみ偏光方向を90度回転する作用を持っており、これによりRの光はS偏光として、Bの光はP偏光として第2の偏光ビームスプリッタ66に入射する。S偏光として第2の偏光ビームスプリッタ66に入射したRの光は、第2の偏光ビームスプリッタ66の偏光分離面で反射され、R用の反射型液晶表示素子61Rへと至る。また、P偏光として第2の偏光ビームスプリッタ66に入射したBの光は、第2の偏光ビームスプリッタ66の偏光分離面を透過してB用の反射型液晶表示素子61Bへと至る。
R用の反射型液晶表示素子61Rに入射したRの光は画像変調されて反射される。画像変調されたRの反射光のうちS偏光成分は、再び第2の偏光ビームスプリッタ66の偏光分離面で反射されて光源側に戻され、投射光から除去される。一方、画像変調されたRの反射光のうちP偏光成分は第2の偏光ビームスプリッタ66の偏光分離面を透過して投射光としてダイクロイックプリズム69に向かう。
また、B用の反射型液晶表示素子61Bに入射したBの光は、画像変調されて反射される。画像変調されたBの反射光のうちP偏光成分は、再び第2の偏光ビームスプリッタ66の偏光分離面を透過して光源側に戻され、投射光から除去される。一方、画像変調されたBの反射光のうちS偏光成分は第2の偏光ビームスプリッタ66の偏光分離面で反射して投射光としてダイクロイックプリズム69に向かう。このとき、第2の偏光ビームスプリッタ66とR用、B用の反射型液晶表示素子61R、61Bの間に設けられた1/4波長板62R、62Bの遅相軸を調整することにより、Gの場合と同じように、R、Bそれぞれの黒の表示の調整を行うことができる。
上述のとおり1つの光束に合成され、第2の偏光ビームスプリッタ66から出射したRとBの投射光のうちBの光は、出射側偏光板68Bで検光されてダイクロイックプリズム69に入射する。また、Rの光はP偏光のまま68Bの偏光板をそのまま透過し、ダイクロイックプリズム69に入射する。なお、出射側偏光板68Bで検光されることにより、Bの投射光は、第2の偏光ビームスプリッタ66とB用の反射型液晶表示素子61B、1/4波長板62Bを通ることによって生じた無効な成分がカットされた光となる。
ダイクロイックプリズム69に入射したRとBの投射光は、ダイクロイックプリズム69のダイクロイック膜面を透過し、ダイクロイック膜面にて反射したGの光と合成されて投写レンズ5に至る。そして、合成されたR、G、Bの投射光は、投写レンズ5によってスクリーンなどの被投射面に拡大投影される。
以上は、反射型液晶表示素子が白表示の場合における光路についての説明である。続いて、反射型液晶表示素子が黒表示の場合における光路について説明する。
まず、Gの光路について説明する。ダイクロイックミラー58を透過したGの光のP偏光光は入射側偏光板59に入射し、その後、第1の偏光ビームスプリッタ60に入射して偏光分離面で透過され、G用の反射型液晶表示素子61Gへと至る。しかし、反射型液晶表示素子61Gが黒表示であるため、Gの光は画像変調されないまま反射される。従って、反射型液晶表示素子61Gで反射された後もGの光はP偏光光のままであるため、再び第1の偏光ビームスプリッタ60の偏光分離面で透過し、入射側偏光板59を透過して光源側に戻され、投射光から除去される。
次に、RとBの光路について説明する。ダイクロイックミラー58を反射したRとBの光のP偏光光は、入射側偏光板64bに入射する。そして、RとBの光は入射側偏光板64bから出射した後、色選択性位相差板65に入射する。色選択性位相差板65は、Rの光のみ偏光方向を90度回転する作用を有し、これによりRの光はS偏光として、Bの光はP偏光として第2の偏光ビームスプリッタ66に入射する。S偏光として第2の偏光ビームスプリッタ66に入射したRの光は、第2の偏光ビームスプリッタ66の偏光分離面で反射され、R用の反射型液晶表示素子61Rへと至る。また、P偏光として第2の偏光ビームスプリッタ66に入射したBの光は、第2の偏光ビームスプリッタ66の偏光分離面を透過して、B用の反射型液晶表示素子61Bへと至る。ここで、R用の反射型液晶表示素子61Rは黒表示であるため、R用の反射型液晶表示素子61Rに入射したRの光は画像変調されないまま反射される。従って、R用の反射型液晶表示素子61Rで反射された後も、Rの光はS偏光光のままである。このため、再び第1の偏光ビームスプリッタ60の偏光分離面で反射し、入射側偏光板64bを通過して光源側に戻され、投射光から除去されるため、黒表示となる。
一方、B用の反射型液晶表示素子61Bに入射したBの光は、B用の反射型液晶表示素子61Bが黒表示であるため、画像変調されないまま反射される。従って、B用の反射型液晶表示素子61Bで反射された後も、Bの光はP偏光光のままである。このため、再び第1の偏光ビームスプリッタ60の偏光分離面を透過し、色選択性位相差板65によりP偏光に変換され、入射側偏光板64bを透過して光源側に戻され、投射光から除去される。
次に、図3を参照して、本実施例における投写型表示装置の要部について説明する。図3は、投写型表示装置100の要部構成図である。図3(a)は偏光変換素子の保持構造の概略図である。図3(b)は光軸に対する偏光変換素子の前後左右方向の保持方法を示す図であり、図3(a)中のK方向から見た図である。図3(c)は光軸に対する偏光変換素子の上下方向の保持方法を示す図であり、図3(a)中のW−W断面図である。図3(d)は偏光変換素子の着脱開口部と片寄せバネガイドの形状を示し、図1の方向とは反対側(装置の裏側)から見た構成図である。
図3において、80は偏光変換素子45を保持する片寄バネである。6bは、片寄ばね80を保持するために光学ボックス6に設けられたバネ引掛部である。6cは、光学ボックス6に設けられた偏光変換素子45の突当部である。6dは、偏光変換素子を交換するために光学ボックス6に設けられた着脱穴である。7aは、光学ボックス蓋7に設けられた、偏光変換素子45の突当部である。33aは、偏光変換素子交換用の蓋33に設けられた、偏光変換素子45の突当部である。
まず、投写型表示装置100の組立工程について説明する。偏光変換素子45と偏光変換素子45を保持する片寄せバネ80は、光学ボックス6に対して、他の光学素子と同じ向き、すなわち光学ボックス蓋7側(図3(a)中の上側(矢印K方向))から組み込まれる。このとき、片寄せバネ80の片側端に設けられたフック形状部が、光学ボックス6に設けられたバネ引掛け部6bに組み付けられる。また、片寄せバネ80の他方端部を定位置にするためのガイド形状部6eが光学ボックス6に設けられている。片寄せバネ80は、光学ボックス6に対して所定の位置に配置され、光学ボックス6に設けられた突当部6cによって、光軸OAに対する前後方向(光軸OA方向)及び左右方向(光軸OA方向とK方向に直交する方向)において偏光変換素子45を保持する。その後、光学ボックス蓋7及び偏光変換素子交換用の蓋33に設けられた突当部33aにより、偏光変換素子45は、光軸OAに対する上下方向(K方向)の移動量が制限された状態で保持される。このとき、偏光変換素子45は、光軸OAに対する前後方向及び左右方向の敏感度が高く、バネ等による片寄せ保持が必要となる。しかしながら、光軸OAの上下方向に対する敏感度は低いため、光軸OAに対する位置ずれ量を許容範囲内に抑制することができれば、前述のような片寄せ構造は不要である。従って、前述のような保持構造を採用することができる。本実施例において、この後の組立工程にて取付けられる回路基板11は、光学ボックス6の全体を覆うように光学ボックス蓋7側に配置される。
続いて、メンテナンス時における偏光変換素子45の交換工程について説明する。まず、偏光変換素子交換用の蓋33を取り外す。偏光変換素子交換用の蓋33を取り外すと、偏光変換素子45の光軸OAに対する上下方向の抑制が解かれ、光学ボックス6に設けられた着脱穴6dを介して偏光変換素子45を交換することができる。すなわち、本実施例では、装置組立時における偏向変換素子45の組込方向とは反対側(180度異なる方向)から偏向変変換素子45を交換するように構成されている。
古い偏光変換素子を取り外して新規の偏光変換素子を組み込む際、片寄せバネ80は光学ボックス6から外れる方向に荷重を受けるが、光学ボックス蓋7に設けられたバネ押さえ部7bにより光学ボックス6から外れることはない。従って、偏光変換素子45の片寄せ機能を果たすことができる。また、前述のように、新規の偏光変換素子を組み込んだ後に偏光変換素子交換用の蓋33を取り付けることにより、偏光変換素子45は光学ボックス6内の定位置に配置される。
このように、光学ボックス6は、装置組立時における偏光変換素子45の組付方向と、偏光変換素子45の交換時における偏光変換素子45の着脱方向とが互いに異なるように構成されている。このため、例えば回路基板11は、偏光変換素子45の交換時における着脱方向とは異なる方向に設けられている。また、装置内部に設けられている各冷却ファンも、偏光変換素子45の交換時における着脱方向とは異なる方向の位置に設けられている。本実施例の投写型表示装置によれば、回路基板等に開口を設けることなく、偏光変換素子の組立性と交換容易性を両立させて、投写型表示装置の小型化及び軽量化を実現することができる。
次に、図4を参照して、本発明の実施例2について説明する。図4は、本実施例における投写型表示装置の要部構成図である。本実施例の投写型表示装置は、片寄せバネを備えた偏光変換素子ホルダー81に偏光変換素子45を組み付け、偏光変換素子ホルダー81を光学ボックス6、光学ボックス蓋7(図1参照)、及び、偏光変換素子交換用の蓋33(図1参照)で保持して構成される。実施例1と同様に、偏光変換素子45は、光学ボックス6に設けられた着脱穴6dを介して交換することができる。本実施例では、偏光変換素子ホルダー81につまみ部81aが設けられているため、光学ボックス6からの着脱容易性を更に向上させることが可能である。
上記各実施例によれば、有機フィルムを有して経年劣化する光学素子(偏光変換素子)に関し、製品組立時の取付方向と、製品組立後の着脱方向が異なるように構成されている。このため、製品の組立性と光学素子の交換容易性を両立させた小型の投写型表示装置を提供することができる。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。上記各実施例において、光学素子としての偏光変換素子は、製品組立時の取付方向と製品組立後の着脱方向は、それぞれ互いに反対方向(180度異なる方向)である。ただし、これに限定されるものではなく、取付方向と着脱方向は例えば互いに90度異なる方向や45度異なる方向等、いずれの方向に異なるように構成されてもよい。また、同様の構成を、偏光変換素子以外の光学素子について適用することもできる。
5 投写レンズ
6 光学ボックス
11 回路基板
45 偏光変換素子
61R、61G、61B 反射型液晶表示素子
100 投写型表示装置

Claims (4)

  1. 光源と、
    前記光源からの光が入射する照明光学系と、前記照明光学系からの光によって照明される液晶表示素子を備えた色分解合成光学系と、
    前記色分解合成光学系からの光を被投写面に投写する投写光学系と、
    前記照明光学系及び前記色分解合成光学系を収納する筐体と、を有し、
    前記照明光学系は、交換可能な光学素子を備えており、
    前記筐体は、装置組立時における前記光学素子の組付方向と、該光学素子の交換時における該光学素子の着脱方向とが互いに異なるように構成されている、ことを特徴とする投写型表示装置。
  2. 前記液晶表示素子の駆動信号を出力する回路基板を有し、該回路基板は、前記光学素子の交換時における前記着脱方向とは異なる方向に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の投写型表示装置。
  3. 冷却ファンを有し、
    前記冷却ファンは、前記光学素子の交換時における前記着脱方向とは異なる方向に設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の投写型表示装置。
  4. 前記光学素子は、有機フィルムを備えた偏光変換素子であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の投写型表示装置。
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