JP2012103077A - 遺伝子異常細胞の解析方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】FISHを用いて遺伝子異常が起こっている細胞を高精度かつ簡便に検出し解析する方法の提供。
【解決手段】a)真核細胞を含む細胞試料を準備する工程と、b)工程a後、真核細胞の細胞表面に存在する分子に対する1種類又は2種類以上の抗体を用いて、前記細胞試料中の細胞に対して抗原抗体反応を行う工程と、c)工程b後、前記細胞試料中の細胞に対して浸透化処理を行う工程と、d)工程b後、前記細胞試料中の細胞に対して固定化処理を行う工程と、e)工程d後、前記細胞試料中の細胞に対して、1種類又は2種類以上の核酸プローブを用いてFISHを行う工程と、f)工程e後、前記細胞試料に含まれている細胞中の前記核酸プローブからの蛍光シグナルを、三次元画像解析法を用いて解析する工程と、g)工程bの結果と工程fの結果から、前記細胞試料中の細胞が遺伝子異常細胞であるか否かを判別する工程とを有する遺伝子異常細胞の解析方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、蛍光in situハイブリダイゼーション(fluorescence in situ hybridization;FISH)を用いて、遺伝子異常が起こっている細胞を検出し解析する方法に関する。
近年、分子標的薬の開発が盛んである。特に、癌治療において、癌の発生や増殖に関係しているある特定の分子に対して作用する分子標的薬を用いることにより、従来の抗癌剤よりも副作用が低減されることが期待できる。但し、分子標的薬は生体内の特定の分子に対して作用するため、患者の遺伝子型によっては、投薬により充分な治療効果が期待できない場合もある。このため、遺伝子変異の解析は、分子標的薬の治療効果予測のために、ますます重要になっている。
例えば、乳癌や卵巣癌、胃癌等の多くの癌において、Her−2遺伝子が増幅されており、HER−2タンパク質が過剰に発現している。中でも、乳癌では、HER−2タンパク質が過剰発現している場合に、予後が不良である場合が多いと言われている。また、HER−2を標的とする抗体医薬(HER−2に対するヒト化モノクローナル抗体)は、このようなHER−2陽性乳癌に対して有効であるが、HER−2タンパク質の過剰発現がみられないHER−2陰性乳癌に対しては治療効果が期待できない。このため、HER−2を標的とする抗体医薬の適応の有無や、臨床経過の予測等のために、Her−2遺伝子の増幅の有無を解析することが重要である。
Her−2遺伝子の増幅は、一般的に、FISHにより解析されている。具体的には、Her−2遺伝子のDNAと結合する核酸プローブ(Her−2プローブ)と17番染色体のセントロメアDNA(CEP17)と結合する核酸プローブ(CEP17プローブ)とをそれぞれ異なる蛍光物質により標識し、これらの2種類の蛍光標識された核酸プローブを用いてFISHを行う。Her−2シグナル総数/CEP17シグナル総数比(Her−2/CEP17比)が所定の値(例えば2.0)以上である場合に、Her−2遺伝子増幅陽性(Her−2遺伝子が増幅されている)であり、当該所定の値未満の場合に、Her−2遺伝子増幅陰性と判断される。
また、腫瘍細胞は、血液やリンパ球の流れにのって全身に循環し、転移する。よって、血液中に存在する腫瘍細胞(末梢循環腫瘍細胞;CTC)を検出し、解析することにより、腫瘍の進行度や転移性を検査したり、予後を予測することができる。しかしながら、血液中には大量の白血球が存在しており、CTCの存在比率は小さい。さらに、組織切片等とは異なり、組織構造が保存されていないため、形態からCTCか否かを判別することは困難である。そこで、通常、上皮系細胞や腫瘍細胞の細胞表面に特異的に存在している分子に対する抗体を利用して、血球細胞から上皮系細胞や腫瘍細胞を分離して回収した後に、遺伝子解析や発現解析等を行い、遺伝子異常の有無を検出することにより、腫瘍細胞を解析している。
例えば、乳癌のCTC解析では、血液中の単核球から、上皮系細胞の細胞表面抗原であるEpCAMに対する抗体を用いてEpCAM陽性細胞を回収し、この回収されたEpCAM陽性細胞に対して、Her−2プローブとCEP17プローブを用いてFISHを行い、Her−2/CEP17比を測定することにより、Her−2遺伝子増幅陽性細胞か否かを解析する方法が行われている(例えば、非特許文献1参照。)。
CTCを解析する方法としては、その他、細胞表面抗原が蛍光染色された浮遊細胞を、蛍光インサイチューハイブリダイゼーション法に供し、次いで細胞の核にピントを合わせて核を蛍光顕微鏡で観察する方法(例えば、特許文献1参照。)がある。また、細胞に、細胞表面抗原等の染色体以外の生体成分に対して特異的に結合し、かつ蛍光顕微鏡では検出不能な反応複合体を有している抗体を結合させた後、当該細胞に対してFISHを行い、その後、前記反応複合体と反応する蛍光標識物質を当該細胞に結合させる方法もある(例えば、特許文献2参照。)。一の細胞に対して、蛍光免疫染色及びFISHを行うことにより、両者を別個に行う場合よりも、一の検体の必要量を少なくすることができる。
特開2007−178193号公報 特表2009−530621号公報
フローレス(Flores)、他8名、ブリティッシュ・ジャーナル・オブ・キャンサー(British Journal of Cancer)、2010年、第102巻、第10号、第1495〜1502ページ。
従来のCTCの解析において行われているような、上皮系細胞や腫瘍細胞の細胞表面に特異的に存在している分子をマーカーとして回収された細胞を解析する方法では、マーカーとした分子が発現していないCTCは検出対象外となってしまう、という問題がある。例えば上記の乳癌のCTC解析方法では、EpCAM陰性であるCTCは検出することができない。
当該問題を解決するために、逆に血球細胞表面に特異的に存在している分子をマーカーとし、当該マーカーが発現している細胞を検体から除去した後、残りの細胞群に対して解析を行う方法が考えられる。これにより、特定のマーカーが陰性であるCTCを検出対象から除外してしまうリスクを抑えることができる。しかしながら、通常は血球細胞を完全に取り除くことはできず、回収された細胞群中には、未だ多くの血球細胞が混入することになり、このような方法によっては、極微量にしか存在していないCTCを検出することは非常に困難である。
一方で、特許文献1に記載されている方法のように、検体中の全ての細胞に対して、細胞表面抗原に対する蛍光免疫染色及びFISHを行う方法では、検体中から細胞を分別することなく、検体中に含まれている全てのCTCを解析対象にすることができる。さらに、蛍光免疫染色によって特定の細胞表面抗原が存在していることが確認された細胞の遺伝子をFISHにより解析することができるため、解析精度の向上が期待できる。特に、特許文献1に記載の方法では、蛍光免疫染色とFISHを行った後の細胞を蛍光顕微鏡下で観察する際に、細胞の核にピントを合わせることにより、蛍光免疫染色に用いた蛍光色素による妨害を受けることなく、FISHの蛍光シグナルを検出することができる。
しかしながら、特許文献1に記載されている方法では、蛍光顕微鏡下で、1つ1つの細胞に対して、観察者が焦点を核に合わせて観察している。つまり、観察者が手動で蛍光顕微鏡を操作しなければならず、観察対象の細胞数が多くなるほど、多大な労力を要する。また、細胞中の特定の位置に焦点を合わせて得られた二次元画像に基づいて解析する場合には、例えば、顕微鏡の焦点方向の高さは異なるが、焦点面(二次元画像の平面)では同じ位置に存在する複数のシグナル(すなわち、三次元的に重なる位置に存在する複数のシグナル)は、互いに重なって1の輝点として検出されてしまい、精度が不十分となる場合がある。特に、落射観察では、細胞表面抗原に対する蛍光免疫染色とFISHの蛍光シグナルとが重なった画像になり、さらに核染色を併用した場合には、これらに加えてさらに核染色のシグナルも重なった画像になるため、2D画像から正確に解析することは非常に難しい。一方で、共焦点光学系を用いた場合には共焦点面で観察するため、画像の重なりがなく、落射観察の場合よりも非常に明瞭な画像が得られる。しかしながら、特許文献1に記載の方法では、焦点を核が最も明瞭に観察される位置に定め、当該焦点面で核内に明瞭に観察される輝点がFISHのシグナルであり、ピンボケしている輝点は蛍光免疫染色によるシグナルである、と判別している。つまり、焦点位置の設定からシグナルの判別までが観察者に委ねられているため、観察者ごとのばらつきがでるおそれがある。
本発明は、FISHを用いて、遺伝子異常が起こっている細胞を、高精度かつ簡便に検出し解析するための方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、細胞表面抗原に対する免疫染色とFISHとを同一の細胞群に対して行い、当該細胞群からの蛍光シグナルの解析を、3画像解析法を用いて行うことによって、検体試料中に極微量にしか存在していない場合であっても、遺伝子異常を起こしている細胞を高精度かつ簡便に検出し得ることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、
(1) (a)真核細胞を含む細胞試料を準備する工程と、
(b)前記工程(a)の後、真核細胞の細胞表面に存在する分子と特異的に結合する1種類又は2種類以上の抗体を用いて、前記細胞試料に含まれている細胞に対して抗原抗体反応を行う工程と、
(c)前記工程(b)の後、前記細胞試料に含まれている細胞に対して、浸透化処理を行う工程と、
(d)前記工程(b)の後、前記細胞試料に含まれている細胞に対して、固定化処理を行う工程と、
(e)前記工程(d)の後、前記細胞試料に含まれている細胞に対して、1種類又は2種類以上の核酸プローブを用いて、FISH(蛍光 in situ ハイブリダイゼーション)を行う工程と、
(f)前記工程(e)の後、前記細胞試料に含まれている細胞中の前記核酸プローブからの蛍光シグナルを、三次元画像解析法を用いて解析する工程と、
(g)前記工程(b)の結果と前記工程(f)の結果から、前記細胞試料に含まれている細胞が、遺伝子異常細胞であるか否かを判別する工程と、
を有することを特徴とする遺伝子異常細胞の解析方法、
(2) 前記浸透化処理が、界面活性剤溶液への浸漬処理後、タンパク質分解酵素による酵素反応処理を行うことを特徴とする前記(1)に記載の遺伝子異常細胞の解析方法、
(3) さらに、前記工程(b)の前に、
(h)解析対象である遺伝子異常細胞以外の細胞の細胞表面に存在する分子と特異的に結合する抗体を用いて、前記工程(a)において準備された細胞試料から、当該抗体と結合する細胞を除去する工程と、
を有し、前記工程(b)を、前記工程(h)によって一部の細胞が除去された残りの細胞に対して抗原抗体反応を行う工程であることを特徴とする前記(1)又は(2)に記載の遺伝子異常細胞の解析方法、
(4) 前記工程(g)の前に、さらに、
(i)前記工程(c)の後、前記細胞試料に含まれている細胞に対して、真核細胞の細胞内部に存在する分子と特異的に結合する1種類又は2種類以上の抗体を用いて抗原抗体反応を行う工程と、
を有することを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれか一つに記載の遺伝子異常細胞の解析方法、
(5) 前記核酸プローブが、癌遺伝子のDNAと特異的に結合する核酸プローブであることを特徴とする前記(1)〜(4)のいずれか一つに記載の遺伝子異常細胞の解析方法、
(6) 前記細胞試料が、体液、体液から分離された細胞を含む試料、又は、生体から採取された組織片から分離された細胞を含む試料であることを特徴とする前記(1)〜(5)のいずれか一つに記載の遺伝子異常細胞の解析方法、
(7) 前記細胞試料が、血液、又は血液から分離された細胞を含む試料であることを特徴とする前記(1)〜(5)のいずれか一つに記載の遺伝子異常細胞の解析方法、
(8) 前記細胞試料が、血液、又は血液から分離された細胞を含む試料であり、かつ
前記核酸プローブが、Her−2遺伝子のDNAと特異的に結合する核酸プローブ、及びCEP17遺伝子のDNAと特異的に結合する核酸プローブであることを特徴とする前記(1)〜(5)のいずれか一つに記載の遺伝子異常細胞の解析方法、
(9) 前記細胞試料が、血液、又は血液から分離された細胞を含む試料であり、
前記工程(h)において用いられる抗体が、白血球細胞の細胞表面に特異的に存在している分子と特異的に結合する抗体であり、かつ
前記核酸プローブが、Her−2遺伝子のDNAと特異的に結合する核酸プローブ、及びCEP17遺伝子のDNAと特異的に結合する核酸プローブであることを特徴とする前記(3)〜(5)のいずれか一項に記載の遺伝子異常細胞の解析方法、
(10) 前記細胞試料が、血液、又は血液から分離された細胞を含む試料であり、
前記工程(b)において用いられる抗体が、白血球細胞の細胞表面に特異的に存在している分子と特異的に結合する抗体であり、
前記工程(h)において用いられる抗体が、白血球細胞の細胞表面に特異的に存在している分子と特異的に結合する抗体であり、
前記工程(i)において用いられる抗体が、Cytokeratin、CD45、HER−2、及びEpCAMからなる群より選択される1種以上のタンパク質と特異的に結合する抗体であり、かつ
前記核酸プローブが、Her−2遺伝子のDNAと特異的に結合する核酸プローブ、及びCEP17遺伝子のDNAと特異的に結合する核酸プローブであることを特徴とする前記(4)又は(5)に記載の遺伝子異常細胞の解析方法、
(11) 前記界面活性剤溶液がtriton X−100であり、前記タンパク質分解酵素がペプシンであることを特徴とする前記(2)〜(10)のいずれか一つに記載の遺伝子異常細胞の解析方法、
を提供するものである。
本発明の遺伝子異常細胞の解析方法により、遺伝子異常を起こしている細胞を高精度かつ簡便に検出し、解析することができる。本発明の遺伝子異常細胞の解析方法は、特に、CTC等の検体試料中に極微量にしか存在していない遺伝子異常細胞の解析に好適である。
実施例1において、Cytokeratin陽性細胞を含む一視野について再構築された三次元画像より作成した二次元画像を示す。 実施例1において、Cytokeratin陽性細胞を含む一視野について再構築された三次元画像より作成した二次元画像を示す。 実施例1において、ある一視野について再構築された三次元画像より作成した二次元画像を示す。 実施例2において、Cytokeratin陽性細胞を含む一視野について再構築された三次元画像より作成した二次元画像を示す。 実施例3において、Cytokeratin陽性細胞を含む一視野について再構築された三次元画像より作成した二次元画像を示す。 参考例1において、Cytokeratin陽性細胞を含む一視野のより作成した二次元画像を示す。
本発明の遺伝子異常細胞の解析方法は、同一の細胞に対して、細胞表面抗原に対する免疫染色と、FISHとを行うことを特徴とする。FISHの蛍光シグナルは、一般的な免疫染色よりも小さいため、多数の細胞の中からFISHの蛍光シグナルのみに基づいて遺伝子異常細胞を検出することは困難である場合が多い。本発明においては、細胞表面抗原に対する免疫染色を行い、細胞試料中に含まれている多数の細胞のうち、遺伝子異常細胞である可能性の高い細胞と、解析対象である特定の遺伝子異常が起こっていない細胞とを識別し、遺伝子異常細胞が含まれている可能性のある細胞群の細胞のFISHの蛍光シグナルを優先的に解析することによって、効率よく遺伝子異常細胞を検出することができる。さらに、細胞群の識別のために、細胞表面抗原に対して免疫染色を行うが、蛍光免疫染色及びFISH後の細胞からのFISHのシグナルを、三次元画像解析法を用いて解析することにより、細胞表面の免疫染色像と、細胞核内のFISHの蛍光シグナルとを明確にかつ簡便に区別することができる。
本発明の遺伝子異常細胞の解析方法において解析対象とされる遺伝子異常は、先天的なものであってもよく、体細胞変異等の後天的なものであってもよい。
また、本発明の遺伝子異常細胞の解析方法において解析対象とされる遺伝子異常細胞は、遺伝子異常が起こっている細胞であれば特に限定されるものではないが、腫瘍細胞において多く観察される遺伝子異常が起こっている細胞であることが好ましい。このような遺伝子異常細胞としては、例えば、Her−2遺伝子の遺伝子増幅が起こっている細胞や、フィラデルフィア染色体を有する細胞等が挙げられる。なお、フィラデルフィア染色体とは、慢性骨髄性白血病等において観察される遺伝子異常である。
本発明の遺伝子異常細胞の解析方法は、下記工程(a)〜(g)を有することを特徴とする。
(a)真核細胞を含む細胞試料を準備する工程と、
(b)前記工程(a)の後、真核細胞の細胞表面に存在する分子と特異的に結合する1種類又は2種類以上の抗体を用いて、前記細胞試料に含まれている細胞に対して抗原抗体反応を行う工程と、
(c)前記工程(b)の後、前記細胞試料に含まれている細胞に対して、浸透化処理を行う工程と、
(d)前記工程(b)の後、前記細胞試料に含まれている細胞に対して、固定化処理を行う工程と、
(e)前記工程(d)の後、前記細胞試料に含まれている細胞に対して、1種類又は2種類以上の核酸プローブを用いて、FISHを行う工程と、
(f)前記工程(e)の後、前記細胞試料に含まれている細胞中の前記核酸プローブからの蛍光シグナルを、三次元画像解析法を用いて解析する工程と、
(g)前記工程(b)の結果と前記工程(f)の結果から、前記細胞試料に含まれている細胞が、遺伝子異常細胞であるか否かを判別する工程。
以下、工程ごとに説明する。
まず、工程(a)として、真核細胞を含む細胞試料を準備する。細胞試料としては、真核細胞が含まれているものであれば特に限定されるものではない。細胞試料としては、例えば、生体試料や、生体試料から分離された細胞、生体試料から分離された細胞の培養物、及び養細胞の培養物等が挙げられる。生体試料としては、血液、リンパ液、骨髄液、腹水、滲出液、羊膜液、喀痰、唾液、精液、胆汁、膵液、尿等の体液、生体から採取された組織片、糞便、腸管洗浄液、肺洗浄液、気管支洗浄液、又は膀胱洗浄液等が挙げられる。また、生体試料から分離された細胞としては、例えば、血液から分離回収された単核球成分(バッフィーコート)、リンパ液等から分離回収された細胞成分、組織片の結合組織を分解して細胞をばらばらにした溶液、組織片をばらばらにした後に分離回収された細胞成分等が挙げられる。なお、組織片の生体からの採取方法は特に限定されず、バイオプシー検体、手術サンプル等が挙げられる。
本発明に供される細胞試料としては、体液、体液から分離された細胞を含む試料、又は、生体から採取された組織片から分離された細胞を含む試料であることが好ましく、体液又は体液から分離された細胞を含む試料であることがより好ましく、血液、リンパ液、又はこれらから分離された細胞であることがさらに好ましく、単核球成分であることが特に好ましい。なお、単核球成分の調製は、遠心分離法等の常法により行うことができる。
細胞試料は、そのまま次の工程(b)に供されてもよく、当該細胞試料中に含まれる正常細胞等のような、解析対象である特定の遺伝子異常が起こっていない細胞(非遺伝子異常細胞)の少なくとも一部を除去した後に工程(b)に用いてもよい。細胞試料から非遺伝子異常細胞を除去することにより、その後の工程に供する細胞試料中の遺伝子異常細胞の存在比率をより高めることができ、遺伝子異常細胞の検出感度を高めることができる。
非遺伝子異常細胞の除去は、具体的には、解析対象である非遺伝子異常細胞の細胞表面に存在する分子と特異的に結合する抗体を用いて行うことができる。抗体を結合させた担体と細胞試料を接触させた後、細胞試料と担体とを分離することにより、当該抗体と結合する非遺伝子異常細胞の少なくとも一部を細胞試料から除去することができる。
細胞試料が血液や単核球成分であり、解析対象の遺伝子異常細胞がCTCである場合、細胞試料から白血球等の血球成分の一部又は全部を除去しておくことが好ましい。具体的には、血液や単核球成分に、白血球、血小板、赤血球、内皮細胞の細胞表面に存在する分子を抗原とする抗体を磁性ビーズやアガロースゲル等の担体に結合させた抗体付き担体を添加して混合する。その後、当該担体を除去した後の液体成分を以下の工程(b)に用いる。細胞表面に存在する抗原としては、例えば、白血球表面に存在するCD45、血小板表面に存在するCD61、赤血球表面に存在するCD235a、及び内皮細胞表面に存在するCD31等が挙げられる。
細胞試料中の遺伝子異常細胞の存在比率を高める手法としては、その他に、遺伝子異常細胞の表面抗原に対する抗体を用いて、細胞試料から遺伝子異常細胞を分離回収する方法もある。しかしながら、細胞表面抗原に対する抗体を用いて、特定の細胞群を分離回収する場合には、用いた抗体と結合する表面抗原を備えていない遺伝子異常細胞は、回収することができず、解析することができない。そこで、本発明では、遺伝子異常細胞の存在比率高めるために、細胞試料から非遺伝子異常細胞を分離除去することが好ましい。
次いで、工程(b)として、真核細胞の細胞表面に存在する分子と特異的に結合する1種類又は2種類以上の抗体を用いて、前記細胞試料に含まれている細胞に対して抗原抗体反応を行う。抗原抗体反応の有無により、遺伝子異常細胞が含まれる細胞群か、遺伝子異常細胞が含まれない細胞群かを区別することができる。例えば、遺伝子異常細胞の細胞表面抗原に対する標識された抗体を用いて抗原抗体反応を行い、以後のFISHにおいて、標識された抗体が結合すること(免疫染色)により染色された細胞の細胞核の蛍光シグナルを優先的に解析することによって、効率よく遺伝子異常細胞を検出し、解析することができる。逆に、非遺伝子異常細胞の細胞表面抗原に対する抗体を用いて抗原抗体反応を行うことにより、以後のFISHにおいて、標識された抗体が結合せず、このために染色されなかった細胞の細胞核の蛍光シグナルを優先的に解析することにより、効率よく遺伝子異常細胞を検出し、解析することができる。
工程(b)における抗原抗体反応は、細胞表面抗原と特異的に結合する抗体と細胞表面抗原とを結合させる反応である。すなわち、免疫染色法のうち、細胞表面抗原と特異的に結合する抗体に直接標識する直接法の場合には、免疫染色の全工程が工程(b)に含まれる。一方で、細胞表面抗原と特異的に結合する抗体を一次抗体とし、この一次抗体を抗原とする二次抗体やストレプトアビジンを標識する間接法の場合には、一次抗体と細胞表面抗原とを結合させる反応工程のみが、工程(b)に含まれる。間接法により細胞表面抗原を免疫染色する場合、細胞表面抗原に結合した一次抗体と標識された二次抗体やストレプトアビジンとの抗原抗体反応は、工程(f)の前の任意の時点で行ってもよい。例えば、工程(b)に連続して行ってもよく、工程(c)と同時に行ってもよく、工程(d)の後に行ってもよい。また、以降に細胞内の分子に対して免疫染色を行う場合には、それと同時に行ってもよい。
細胞表面抗原に結合させた抗体の検出は、蛍光物質や蛍光性半導体量子ドットにより抗体を標識する蛍光標識法により行ってもよく、ペルオキシダーゼ標識抗体やアルカリホスファターゼ標識抗体を使用するような酵素標識法により行ってもよい。本発明においては、検出感度が高く、かつFISHの解析と同時に行うことも可能であるため、蛍光標識法を用いて行うことが好ましい。
本発明においては、細胞表面抗原と特異的に結合する抗体と細胞表面抗原との抗原抗体反応は、浸透化処理前の細胞に対して行う。すなわち、直接法の場合には免疫反応終了後に浸透化処理を行う。また、間接法の場合には、一次抗体と細胞との抗原抗体反応終了前には浸透化処理は行わない。細胞膜にダメージを与えない状態で細胞表面抗原と抗体との抗原抗体反応を行うことにより、浸透化処理をした後に行う場合とは異なり、細胞膜表面のみを染色することができる。つまり、細胞表面のみを染色することにより、FISHの蛍光シグナルと被らず、FISHのS/Nが改善される。
次いで、工程(c)として、細胞試料に含まれている細胞に対して、浸透化処理を行う。浸透化処理により、細胞膜や核膜に穴を開け、FISHの核酸プローブが核内に浸透できるようにする。浸透化処理としては、界面活性剤溶液に細胞を浸漬させる処理や、タンパク質分解酵素による酵素反応処理等が挙げられる。界面活性剤としては、TritonX−100やTween 20、NP−40、サポニン、digitonin等を用いることができる。タンパク質分解酵素としては、ペプシン、Proteinase K等の汎用されている酵素を用いることができる。
発明においては、浸透化処理として、界面活性剤溶液への浸漬処理後、タンパク質分解酵素による酵素反応処理を行うことが好ましい。例えば、解析対象がCTCである場合、細胞を、0.1〜0.5% TritonX−100溶液で1〜30分間、好ましくは0.1〜0.3% TritonX−100溶液で10〜20分間、より好ましくは0.2% TritonX−100溶液で室温15分間浸漬させた後、ペプシン処理を室温で0.5〜10分間、好ましくは0.5〜5分間、より好ましくは1〜2分間行うことにより、浸透化処理を行うことができる。その他、界面活性剤溶液への浸漬処理を行うことなく、細胞を、ペプシン処理等のタンパク質分解酵素による酵素反応処理を行うことによっても、浸透化処理を行うことができる。
なお、浸透化処理として界面活性剤溶液への浸漬処理とタンパク質分解酵素による酵素反応処理を行う場合、両処理は、細胞表面抗原と抗体との抗原抗体反応後、FISH前に完了していればよく、両処理を連続して行ってもよく、不連続に行ってもよい。本発明においては、先に界面活性剤溶液への浸漬処理を行い、その後に後述の固定化処理を行った後に、タンパク質分解酵素による酵素反応処理を行うことが好ましい。
また、工程(b)の後、工程(d)として、抗原抗体反応後の細胞試料に含まれている細胞の固定化処理を行う。固定化処理により、細胞や結合した抗体の変性を抑制することができる。固定化処理液としては、例えば、ホルマリン、パラホルムアルデヒド、グルタールアルデヒド、メタノール、エタノール、アセトン等が挙げられる。固定化処理に用いる固定化処理液の種類や濃度、処理時間等の処理条件は、以降の工程において細胞や抗体を安定的に固定化することができ、かつ細胞の形態をあまり変化させないよう、細胞の種類や免疫染色の方法等を考慮して、適宜決定することができる。本発明においては、ホルマリンを固定化処理液として用いることが好ましい。
工程(b)の後、工程(e)の前に、細胞試料に含まれている細胞に対して、クロスリンク処理を行ってもよい。クロスリンク処理を行うことにより、細胞表面抗原と抗体とを安定して結合させておくことができる。なお、クロスリンク処理は、工程(c)における浸透化処理や、工程(d)における固定化処理の前に行ってもよく、浸透化処理や固定化処理の後に行ってもよい。
クロスリンク処理に用いるクロスリンカーとしては、DSS(Disuccinimidyl suberate)やBS3(Bis−sulfosuccinimidyl suberate)等が挙げられる。用いるクロスリンカーの種類や濃度、処理時間等の処理条件は、細胞と免疫反応に用いた抗体とをクロスリンク可能であり、かつ以降のFISHの蛍光シグナルを大幅に低減させないよう、細胞の種類や免疫染色の方法等を考慮して、適宜決定することができる。発明においては、解析対象がCTCである場合、クロスリンク処理を行わないか、BS3処理を行うことが好ましく、クロスリンク処理を行わないことがより好ましい。
浸透化処理後、工程(e)として、細胞試料に含まれている細胞に対して、1種類又は2種類以上の核酸プローブを用いて、FISHを行う。具体的には、細胞を、解析対象の染色体中のDNAと結合可能な蛍光標識された核酸プローブを含む溶液に浸漬させる。「DNAと結合可能な核酸プローブ」は、DNAフラグメントとハイブリダイズ可能な核酸プローブを意味する。
本発明において用いられる核酸プローブとしては、遺伝子異常が起こっている細胞と正常細胞との識別に資する核酸プローブであればよく、例えば、解析対象である遺伝子異常が起こっている領域のDNAと結合可能な核酸プローブであってもよく、当該遺伝子異常が起こっていない領域のDNAと結合可能な核酸プローブであってもよい。本発明おいては、遺伝子異常が起こっている腫瘍細胞を解析することができるため、核酸プローブとして、癌遺伝子のDNAと特異的に結合する核酸プローブを用いることが好ましい。
例えば、Her−2遺伝子の遺伝子増幅の有無を解析するためには、Her−2遺伝子と特異的に結合する核酸プローブとCEP17のDNAと特異的に結合する核酸プローブとを併用することが好ましい。この際、ある細胞のHer−2/CEP17比が所定の値、例えば2.0以上、好ましくは2.2以上であった場合に、当該細胞は、Her−2遺伝子が異常に増幅している遺伝子異常細胞である、と判断することができる。
また、フィラデルフィア染色体を解析するためには、c−abl遺伝子のDNAと特異的に結合する核酸プローブとbcr遺伝子のDNAと特異的に結合する核酸プローブとを併用することが好ましい。
次いで、工程(f)として、前記細胞試料に含まれている細胞中の前記核酸プローブからの蛍光シグナルを、三次元画像解析法を用いて解析する。すなわち、本発明においては、FISHにおける蛍光シグナルは、三次元画像解析法を用いて解析する。三次元画像解析法とは、具体的には、焦点距離をずらして連続的に、細胞の各断面の二次元画像(断層画像)を撮影して取得し、これらを合成して三次元画像を再構築する。画像解析法を用いることにより、細胞を抽出・回収することなく、細胞試料中の多数の細胞の中から標識した細胞を簡便に検出することができる。また、二次元画像解析法では、焦点方向に重なりあう複数の蛍光シグナルを1の蛍光シグナルや免疫染色法による蛍光シグナルと誤認してしまうおそれがある。さらに、蛍光顕微鏡で観察した場合、このような誤認をさけるために、焦点距離をずらして細胞を観察する必要があり、多くの細胞を解析することは困難である。これに対して、三次元画像解析装置を用いて解析することにより、一度に多くの細胞を迅速かつ簡便に、精度よく解析することができる。
なお、FISHにおける蛍光シグナルは、例えば、共焦点光学系を備え、蛍光検出が可能な細胞画像解析装置を用いることによって検出し解析することができる。具体的には、CCDカメラ等の撮像手段を備えた共焦点蛍光顕微鏡等を用いることができる。また、特許文献1等に記載されているように二次元画像解析法により解析する場合には、観察者が焦点距離を徐々にずらしながら細胞を観察することにより、FISHのシグナルを検出しなくてはならず、観察者は長時間顕微鏡による観察を行う必要がある。これに対して、本発明では、一の細胞について三次元画像を自動的に構築した後、得られた三次元画像を後日別の場所で画像解析することが可能である。また、三次元画像を保存しておくことにより、再検査も容易である。
最後に、工程(g)として、工程(b)の抗原抗体反応の結果と、工程(f)のFISHの結果から、前記細胞試料に含まれている細胞が、遺伝子異常細胞であるか否かを判別する。すなわち、抗原抗体反応の結果、遺伝子異常細胞である可能性があると判断された細胞に対して、優先的にFISHの結果を解析することにより、当該細胞が遺伝子異常細胞であるか否かを判別する。
例えば、細胞試料が血液や単核球成分であり、解析対象の遺伝子異常細胞がCTCである場合、CD45等の白血球細胞の細胞表面に特異的に存在している分子(細胞表面抗原)と特異的に結合する抗体を用いて工程(b)における抗原抗体反応を行い、Her−2遺伝子の遺伝子増幅において観察される増幅部位と特異的に結合する核酸プローブとCEP17遺伝子のDNAと特異的に結合する核酸プローブとを併用して工程(f)におけるFISHを行った場合、工程(b)における抗原抗体反応において、抗体が結合されなかった細胞のうち、Her−2/CEP17比が所定の値以上であった細胞が、遺伝子異常細胞であると判断することができる。
工程(d)の浸透化処理後、工程(g)の前に、真核細胞の細胞内部に存在する分子と特異的に結合する1種類又は2種類以上の抗体を用いて免疫染色を行うこともできる。例えば、本発明においてクロスリンク処理を行う場合には、浸透化処理後に細胞内の分子に対する免疫染色を行い、その後にクロスリンク処理を行うこともできる。免疫染色は、工程(b)における抗原抗体反応と同様、常法により行うことができる。抗原となる細胞内分子としては、遺伝子異常細胞内に存在する分子であってもよく、非遺伝子異常細胞内に存在する分子であってもよい。また、この際に用いられる抗体としては、遺伝子異常が起こっている細胞と正常細胞との識別に資する抗体であってもよく、遺伝子異常細胞であると判明した細胞に対してさらに解析するために用いられる抗体であってもよい。
本発明においては、工程(d)の浸透化処理後、工程(g)の前に、さらに、細胞核を染色してもよい。細胞核を染色することにより、画像解析法において個々の細胞の認識をより容易に行うことができる。なお、細胞核の染色は、DAPI(4’,6−diamino−2−phenylindole)、PI(propidium iodide)、Hoechst等の汎用されている核染色剤を適宜用いて、常法により行うことができる。
例えば、細胞試料が血液や単核球成分あり、解析対象の遺伝子異常細胞がCTCである場合、CD45等の白血球に主に存在している分子に対する抗体や、EpCAM等の上皮系細胞の細胞表面に主に存在している分子に対する抗体や、Cytokeratin等の上皮系細胞の細胞内部主に存在している分子に対する抗体等を用いることにより、工程(b)における細胞膜表面の抗原抗体反応とともに、血球細胞と、CTCを含む上皮系細胞とをより明確に識別することができる。また、HER−2と特異的に結合する抗体を用いて抗原抗体反応を行うことにより、HER−2タンパク質が過剰発現している遺伝子異常細胞をより明確に検出することができる。本発明においては、Cytokeratin、CD45、HER−2、EpCAM、及びFGFR(線維芽細胞成長因子受容体)からなる群より選択される1種以上のタンパク質と特異的に結合する抗体を用いて抗原抗体反応を行うことが好ましい。
本発明の遺伝子異常細胞の解析方法により、遺伝子異常細胞を高感度かつ効率よく検出し解析することができる。ここで、遺伝子異常細胞の解析は、遺伝子異常細胞か否かの判断や、遺伝子異常の程度の判断のみには限定されず、免疫染色法やFISHを用いた様々な解析を行うことができる。例えば、近年の蛍光画像解析技術の進歩に伴い、抗体の標識に蛍光特性の異なる蛍光物質等をそれぞれ用いることにより、複数の抗原に対する免疫染色を同一の細胞に対して行うことができる。そこで、本発明の遺伝子異常細胞の解析方法において、遺伝子異常細胞が含まれる細胞群か、遺伝子異常細胞が含まれない細胞群かを区別する免疫染色に加えて、特定の分子標的治療薬の標的抗原に対する免疫染色を行うことにより、遺伝子異常細胞における当該標的抗原の発現解析等を行うこともできる。
次に実施例を示して本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
血液中の細胞に対して、CD45に対する免疫染色と、Her−2 FISHプローブ(Her−2遺伝子と特異的に結合する核酸プローブ)及びCEP17 FISHプローブ(CEP17と特異的に結合する核酸プローブ)を用いたFISHを行った。
<細胞試料の調製>
胃癌患者由来の血液(BD Vacutainer CPT単核球分離採血管、製品コード:♯362753、ベクトン・ディッキンソン社製)8mLに対して、2500rpmで30分間、比重遠心分離処理を行い、血漿画分と単核球層と赤血球層とに分離した後、血漿画分を除去して単核球層を回収した。回収された単核球層にEDTA含有PBSを加えて15mLとした後、2000rpmで10分間の遠心分離処理を行った後、沈殿した細胞をドルフィンチューブに移し、さらに2500rpmで3分間の遠心分離処理(swing arm、Eppendorf社製)を行った。上清を除去した後、沈殿した細胞にMACS(登録商標) buffer(ミルテニーバイオテク社製)を添加して60μLの細胞懸濁液とした。
調製された細胞懸濁液に、20μLのCD45 マイクロビーズ(CD45−MB、ミルテニーバイオテク社製)と20μLのCD61 マイクロビーズ(CD61−MB、ミルテニーバイオテク社製)とを添加し、4℃で15分間インキュベートした。当該細胞懸濁液中の非結合性のマイクロビーズを1mLのMACS(登録商標) bufferを用いて洗浄した後、マイクロビーズで標識された細胞を500μLのMACS(登録商標) bufferに懸濁させた。その後、当該懸濁液の入っているドルフィンチューブをAutoMACS(登録商標、ミルテニーバイオテク社製)に装着し、“Depletes”プログラムを実施し、N1フラクション(CD45−MBとCD61−MBのいずれとも結合していない細胞群)をドルフィンチューブ2本に回収した。この2本のドルフィンチューブに対して2000rpmで10分間の遠心分離処理を行った後、沈殿の細胞を1本のチューブにまとめ、再度2000rpmで10分間の遠心分離処理を行い、上清を除去したものを細胞試料とした。
<細胞表面抗原に対する免疫染色及び界面活性剤処理>
調製された細胞試料に、50μLのCD45−biotin希釈液を添加し、室温で10分間インキュベートした。CD45−biotin希釈液は、CD45−biotin(ベクトン・ディッキンソン社製)をMACS(登録商標) bufferを用いて10分の1に希釈した溶液である。その後、1.5mLのMACS(登録商標) bufferで細胞を洗浄した後、当該細胞に50μLのStreptavidin−Qdot(登録商標)605(SA−Q605)希釈液を添加して室温で15分間インキュベートした。その後、1.5mLのMACS(登録商標) bufferで細胞を洗浄した。
<クロスリンク処理>
次いで、細胞懸濁液に5μLの50mM BS3溶液を添加してただちにピペッティングした後、室温で15分間インキュベートした。その後さらに1μLの1M トリスバッファーを添加して、室温で10分間インキュベートした。その後、1.5mLのEDTA含有PBSで2回細胞を洗浄した
<固定化処理>
洗浄後の細胞を、50μLのIS−A(Dako Instruction ReagentA(ホルマリン含有固定液)、Dako社製)に懸濁させて室温で15分間インキュベートした。その後、当該細胞を、1.5mLのMACS(登録商標) bufferで洗浄した。
<細胞内抗原に対する免疫染色及び界面活性剤処理>
洗浄後の細胞懸濁液に、Cytokeratin−AF647希釈液を添加して室温で15分間インキュベートした。Cytokeratin−AF647希釈液は、Cytokeratin−Alexa647(Abcam社製、クローンAE1/AE3にAlexa fluor 647を共有結合させた抗体、280μg/mL)をIS−Bを用いて25分の1に希釈した溶液である。染色後の細胞を、1.5mLのMACS(登録商標) bufferで洗浄した後、さらに1mLのPBSで洗浄した。その後、当該細胞を50μLの塩化カリウム溶液(0.075M)に懸濁させ、室温で15分間インキュベートした後、遠心分離処理により、20μLの塩化カリウム溶液を残して上清を除去した。得られた細胞懸濁液を、5枚のMASコートスライド(松浪硝子社製)に、1スライド当たり1スポット滴下し、風乾させた。
<タンパク質分解酵素処理>
細胞を載せたMASスライドに、ペプシン溶液を添加した後、室温で2分間インキュベートした。当該スライドからペプシン溶液を除去し、PBSを添加して室温で3分間インキュベートした後、風乾させた。なお、ペプシン溶液は、ペプシン(SIGMA社製)を10mM塩酸溶液で希釈して100μg/mLに調整したものである。
<エタノール処理>
タンパク質分解酵素処理後のMASスライドを、70%エタノール溶液に1分間浸漬させた後、85%エタノール溶液に1分間浸漬させ、さらに100%エタノール溶液に1分間浸漬させた後、風乾させた。その後さらに、45℃のブロックヒータ上で、ドライヤーに5分間当てて乾燥させた。
<FISH>
乾燥後のMASスライドに、1スポット当たり2μLのHer−2 FISHプローブ(Her−2−SpecrtrumOrange、Vysis社製)及びCEP17 FISHプローブ(CEP17−SpectrumGreen、Vysis社製)の原液を添加し、さらにカバーガラスを載せ、ペーパーボンドでシールした。このMASスライドを85℃で3分間、その後37℃で18時間インキュベートした。終了後、ボンドをはがして、MASスライドをハイブリダイゼーション後洗浄液(2×SSC、0.3% NP40)に浸漬させて75℃で5分間インキュベーションした。当該MASスライドを、2×SSCでリンスした後、余分な水分を取り除いた。
<核染色>
MASスライドに、1スポット当たり2μLのDAPI溶液を添加した後、トップコートでシールした。
<蛍光シグナルの測定>
シール後のMASスライドのスポット中の蛍光シグナルを、共焦点レーザ走査型顕微鏡FV−1000(オリンパス社製)を使用して測定し、三次元画像を構築した。図1及び2に、Cytokeratin陽性細胞を含む一視野について再構築された三次元画像より作成した二次元画像を、それぞれ示す。図1及び2中、(A)は核(DAPI)染色画像であり、(B)はCEP17 FISHプローブのシグナル画像であり、(C)はHer−2 FISHプローブのシグナル画像であり、(D)はCytokeratin−Alexa647の染色画像であり、(E)は(A)〜(D)を重ね合わせた画像である。
この結果、図1中のCytokeratin陽性細胞(図1(E)中の点線で囲まれた細胞)では、CEP17のシグナル数と、Her−2のシグナル数とは等しく、当該Cytokeratin陽性細胞のHer−2遺伝子は正常であることが判定できた。一方で、図2中のCytokeratin陽性細胞(Cytokeratin−Alexa647により染色された細胞)のうち、右上の細胞(図2(E)中の点線で囲まれた細胞)では、CEP17シグナル(図2(E)中の白抜きの矢頭で示されたシグナル)の総数が4であるのに対して、Her−2シグナル(図2(E)中の塗り潰された矢頭で示されたシグナル)の総数は8であり、Her−2/CEP17比が2であった。つまり、図2(E)中の点線で囲まれた細胞は、Her−2遺伝子が増幅されている遺伝子異常細胞であることが確認できた。これらの結果から、本発明の遺伝子異常細胞の解析方法により、癌患者由来の血液中に含まれているCytokeratin陽性細胞のうちの一部では、Her−2遺伝子が増幅されていることが解析できること、すなわち、本発明の遺伝子異常細胞の解析方法により、癌患者由来の血液中のCTCを解析し得ることが明らかである。
図3には、本実施例により蛍光シグナルが観察されたある細胞について再構築された三次元画像より作成した二次元画像を示す。図3(A)及び(B)は、視点のわずかに異なる二次元画像である。また、図3(A)及び(B)は、核(DAPI)染色画像、Her−2 FISHプローブのシグナル画像を重ね合わせた画像であり、Her−2 FISHプローブのシグナルを矢印で示す。図3(A)及び(B)中の点線で囲まれた細胞のHer−2 FISHプローブのシグナルは、図3(A)の二次元画像では1つのシグナルとして検出されたが、図3(B)の二次元画像では2つの別個のシグナルとして検出された。このように、本発明の遺伝子異常細胞の解析方法では、特定の二次元画像においては、Z軸方向に重なっているために1のシグナルとして検出されてしまう複数のシグナルを、再構築された三次元画像を少し回転させることにより、容易に個別に分離して検出することができる。
[実施例2]
本発明の遺伝子異常細胞の解析方法により、内視鏡生検細胞に対して、CD45に対する免疫染色と、Her−2 FISHプローブ及びCEP17 FISHプローブを用いたFISHを行った。
<細胞試料の調製>
胃癌患者から採取された内視鏡生検(約1mg)を、0.25mLのDMEM培地に懸濁させた後、コラゲナーゼ及びディスパーゼを添加し、37℃60分間酵素処理を行った。その後、当該懸濁液に対して、2000rpmで10分間の遠心分離処理を行った後、沈殿した細胞(単核球)をドルフィンチューブに移し、さらに2500rpmで3分間の遠心分離処理(swing arm、Eppendorf社製)を行った。上清を除去した後、沈殿した細胞にMACS(登録商標) buffer(ミルテニーバイオテク社製)を添加して60μLの細胞懸濁液とした。
実施例1と同様にして、調製された細胞懸濁液から、CD45 マイクロビーズ及びCD235a マイクロビーズを用いて血球成分を磁気分離により除去することにより、細胞試料を調製した。
調製された細胞試料に対して、実施例1と同様にして、順次、細胞表面抗原に対する免疫染色及び界面活性剤処理、クロスリンク処理、固定化処理、Cytokeratin−AF647を用いた免疫染色及び界面活性剤処理、タンパク質分解酵素処理、エタノール処理、FISH、及び核染色を行った後、染色された細胞の蛍光シグナルを測定し、三次元画像を構築した。図4に、Cytokeratin陽性細胞を含む一視野について再構築された三次元画像より作成した二次元画像を示す。図4中、(A)は核(DAPI)染色画像であり、(B)はCEP17 FISHプローブのシグナル画像であり、(C)はHer−2 FISHプローブのシグナル画像であり、(D)はCytokeratin−Alexa647の染色画像であり、(E)は(A)〜(D)を重ね合わせた画像である。この結果、図4中のCytokeratin陽性細胞では、CEP17のシグナル数と、Her−2のシグナル数とはほぼ等しく、当該Cytokeratin陽性細胞のHer−2遺伝子は正常であることが判定できた。
[実施例3]
本発明の遺伝子異常細胞の解析方法により、末梢血に腫瘍細胞株を添加したものを細胞試料とし、当該細胞試料中のHer−2遺伝子増幅細胞を解析した。腫瘍細胞株として、乳癌由来の培養細胞株であるSKBr3細胞を用いた。なお、SKBr3細胞は、常法により培養されたものを用いた。
<細胞試料の調製>
まず、健常者から採取された7.5mLの末梢血に、5,000個のSKBr3細胞を添加した。実施例1と同様にして、この末梢血から単核球層を回収し、さらに洗浄した後、MACS(登録商標) bufferを添加して60μLの細胞懸濁液を調製した。
調製された細胞懸濁液に、20μLのCD45 マイクロビーズ(CD45−MB、ミルテニーバイオテク社製)と20μLのCD235a マイクロビーズ(CD235a−MB、ミルテニーバイオテク社製)とを添加し、4℃で15分間インキュベートした。当該細胞懸濁液中の非結合性のマイクロビーズを1mLのMACS(登録商標) bufferを用いて洗浄した後、マイクロビーズで標識された細胞を500μLのMACS(登録商標) bufferに懸濁させた。その後、当該懸濁液が入っているドルフィンチューブをAutoMACS(登録商標、ミルテニーバイオテク社製)“Depletes”に装着し、“Depletes”プログラムを実施し、N1フラクション(CD45−MBとCD235a−MBのいずれとも結合していない細胞群)をドルフィンチューブ2本に回収した。この2本のドルフィンチューブに対して2000rpmで10分間の遠心分離処理を行った後、沈殿の細胞を1本のチューブにまとめ、再度2000rpmで10分間の遠心分離処理を行い、上清を除去したものを細胞試料とした。
<細胞表面抗原に対する免疫染色>
調製された細胞試料に、50μLの実施例1で用いたCD45−biotin希釈液を添加し、室温で10分間インキュベートした。1.5mLのMACS(登録商標) bufferで細胞を洗浄した後、当該細胞に50μLのStreptavidin−Qdot(登録商標)605(SA−Q605)希釈液を添加して室温で15分間インキュベートした。なお、SA−Q605希釈液は、SA−Q605(Invitrogen社製)をMACS(登録商標) bufferを用いて100分の1に希釈した溶液である。その後、1.5mLのEDTA含有PBSで2回細胞を洗浄した。
<固定化処理>
浸透化処理後の細胞を、50μLのIS−A(Dako Instruction ReagentA(ホルマリン含有固定液)、Dako社製)に懸濁させて室温で15分間インキュベートした。その後、当該細胞を、1.5mLのMACS(登録商標) bufferで洗浄した。
<細胞内抗原に対する免疫染色>
洗浄後の細胞懸濁液に、実施例1で用いたCytokeratin−AF647希釈液を添加して室温で15分間インキュベートした。染色後の細胞を1.5mLのMACS(登録商標) bufferで洗浄した後、さらに1mLのPBSで洗浄した。その後、当該細胞を50μLの塩化カリウム溶液(0.075M)に懸濁させ、室温で15分間インキュベートした後、遠心分離処理により、20μLの塩化カリウム溶液を残して上清を除去した。得られた細胞懸濁液を、5枚のMASコートスライド(松浪硝子社製)に、1スライド当たり1スポット滴下し、風乾させた。
<タンパク質分解酵素処理>
細胞を載せたMASスライドに、実施例1で用いたペプシン溶液を添加した後、室温で2分間インキュベートした。当該スライドからペプシン溶液を除去し、PBSを添加して室温で3分間インキュベートした後、風乾させた。
<エタノール処理>
タンパク質分解酵素処理後のMASスライドを、70%エタノール溶液に1分間浸漬させた後、85%エタノール溶液に1分間浸漬させ、さらに100%エタノール溶液に1分間浸漬させた後、風乾させた。その後さらに、45℃のブロックヒータ上で、ドライヤーに5分間当てて乾燥させた。
<FISH及び核染色>
乾燥後のMASスライドに対して、実施例1と同様にしてFISHを行った後、DAPI溶液を添加し、トップコートでシールした。
<蛍光シグナルの測定>
シール後のMASスライドのスポット中の蛍光シグナルを、共焦点レーザ走査型顕微鏡FV−1000(オリンパス社製)を使用して測定し、三次元画像を構築した。図5に、Cytokeratin陽性細胞を含む一視野について再構築された三次元画像より作成した二次元画像を示す。図5中、(A)は核(DAPI)染色画像であり、(B)はCD45−biotin/Streptavidin−Qdotの染色画像であり、(C)はCytokeratin−Alexa647の染色画像であり、(D)はCEP17 FISHプローブのシグナル画像であり、(E)はHer−2 FISHプローブのシグナル画像であり、(F)は(A)〜(E)を重ね合わせた画像である。
この結果、図5(B)及び(C)からも明らかであるように、細胞試料に含まれている細胞全体に占めるCytokeratin陽性細胞の割合が非常に高く、CD45 マイクロビーズ及びCD235a マイクロビーズを用いた磁気分離処理により、Cytokeratin陽性細胞が効率よく濃縮されていた。また、図5中のCytokeratin陽性/CD45陰性細胞では、CEP17のシグナル数と、Her−2のシグナル数の比が平均で3.5であり、当該Cytokeratin陽性細胞のHer−2遺伝子は増幅していることが判定できた。
[参考例1]
実施例1と同様にして、血液中のCTCを解析するための細胞試料を調製し、免疫染色により、当該細胞試料中に含まれている上皮系細胞を検出した。
まず、実施例1と同様にして、胃癌患者由来の血液(BD Vacutainer CPT単核球分離採血管、製品コード:♯362753、ベクトン・ディッキンソン社製)8mLから単核球層を回収し、さらに洗浄した後、MACS(登録商標) bufferを添加して60μLの細胞懸濁液を調製した。
実施例1と同様にして、調製された細胞懸濁液から、CD45 マイクロビーズ及びCD61 マイクロビーズを用いて白血球成分を磁気分離により除去することにより、細胞試料を調製した。
次いで、調製された細胞試料に、25μLのEpCAM−Alexa Fluor488希釈液と25μLのCD45−biotin希釈液を添加し、室温で10分間インキュベートした。EpCAM−Alexa Fluor488希釈液は、EpCAM−Alexa Fluor488(BioLegend社製)をMACS(登録商標) bufferを用いて20分の1に希釈した溶液である。CD45−biotin希釈液は、CD45−biotin(ベクトン・ディッキンソン社製)をMACS(登録商標) bufferを用いて5分の1に希釈した溶液である。その後、1.5mLのMACS(登録商標) bufferで細胞を洗浄した後、当該細胞に50μLのStreptavidin−Qdot(登録商標)605(SA−Q605)希釈液を添加して室温で15分間インキュベートした。その後、1.5mLのMACS(登録商標) bufferで細胞を洗浄した。
浸透化処理後の細胞に対して、実施例3と同様にして、順次、固定化処理、Cytokeratin−AF647を用いた免疫染色、タンパク質分解酵素処理、及びエタノール処理を行った。その後、核染色を行うために、乾燥後のMASスライドに対して、1スポット当たり2μLのDAPI溶液を添加した後、トップコートでシールした。
シール後のMASスライドのスポット中の蛍光シグナルを、共焦点レーザ走査型顕微鏡FV−1000(オリンパス社製)を使用して測定した。図6に、Cytokeratin陽性細胞を含む一視野の再構築された三次元画像より作成した二次元画像を示す。図6中、(A)は核(DAPI)染色画像であり、(B)はCD45−biotin/Streptavidin−Qdotの染色画像であり、(C)はEpCAM−Alexa Fluor488の染色画像であり、(D)はCytokeratin−Alexa647の染色画像であり、(E)は(A)〜(D)を重ね合わせた画像である。
図6(C)及び図6(D)から明らかであるように、Cytokeratin陽性細胞ごとにEpCAM抗原の発現は著しく異なっており、EpCAM陽性細胞とEpCAM陰性細胞の両方が含まれている。例えば、図6(E)中、破線で囲まれた領域中の細胞は、Cytokeratin陽性であり、かつEpCAM陽性である。一方で、実線で囲まれたCytokeratin陽性であるが、EpCAMはほとんど発現していない。このため、非特許文献1に記載されている方法のように、血液から回収された単核球層からEpCAM陽性細胞を選択的に回収した場合には、EpCAM陰性のCTCが解析対象から除かれてしまい、血液検体中のCTCを正確に検出することが困難である。よって、本発明の遺伝子異常細胞の解析方法では、血液検体中のCTCを解析する場合に細胞試料中のCTC存在比率を高めるためには、血液から回収された単核球層から、上皮系細胞の細胞表面抗原を利用して上皮系細胞を選択的に回収するのではなく、血球細胞の細胞表面抗原を利用して血球細胞を分離除去することが好ましい。
本発明の遺伝子異常細胞の解析方法により、正常な細胞群の中に極微量にしか存在していない遺伝子異常細胞を、高精度かつ簡便に検出し解析することができるため、末梢循環腫瘍細胞の解析等の臨床検査等の分野において好適に利用される。

Claims (11)

  1. (a)真核細胞を含む細胞試料を準備する工程と、
    (b)前記工程(a)の後、真核細胞の細胞表面に存在する分子と特異的に結合する1種類又は2種類以上の抗体を用いて、前記細胞試料に含まれている細胞に対して抗原抗体反応を行う工程と、
    (c)前記工程(b)の後、前記細胞試料に含まれている細胞に対して、浸透化処理を行う工程と、
    (d)前記工程(b)の後、前記細胞試料に含まれている細胞に対して、固定化処理を行う工程と、
    (e)前記工程(d)の後、前記細胞試料に含まれている細胞に対して、1種類又は2種類以上の核酸プローブを用いて、FISH(蛍光 in situ ハイブリダイゼーション)を行う工程と、
    (f)前記工程(e)の後、前記細胞試料に含まれている細胞中の前記核酸プローブからの蛍光シグナルを、三次元画像解析法を用いて解析する工程と、
    (g)前記工程(b)の結果と前記工程(f)の結果から、前記細胞試料に含まれている細胞が、遺伝子異常細胞であるか否かを判別する工程と、
    を有することを特徴とする遺伝子異常細胞の解析方法。
  2. 前記浸透化処理が、界面活性剤溶液への浸漬処理後、タンパク質分解酵素による酵素反応処理を行うことを特徴とする請求項1に記載の遺伝子異常細胞の解析方法。
  3. さらに、前記工程(b)の前に、
    (h)解析対象である遺伝子異常細胞以外の細胞の細胞表面に存在する分子と特異的に結合する抗体を用いて、前記工程(a)において準備された細胞試料から、当該抗体と結合する細胞を除去する工程と、
    を有し、前記工程(b)を、前記工程(h)によって一部の細胞が除去された残りの細胞に対して抗原抗体反応を行う工程であることを特徴とする請求項1又は2に記載の遺伝子異常細胞の解析方法。
  4. 前記工程(g)の前に、さらに、
    (i)前記工程(c)の後、前記細胞試料に含まれている細胞に対して、真核細胞の細胞内部に存在する分子と特異的に結合する1種類又は2種類以上の抗体を用いて抗原抗体反応を行う工程と、
    を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の遺伝子異常細胞の解析方法。
  5. 前記核酸プローブが、癌遺伝子のDNAと特異的に結合する核酸プローブであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の遺伝子異常細胞の解析方法。
  6. 前記細胞試料が、体液、体液から分離された細胞を含む試料、又は、生体から採取された組織片から分離された細胞を含む試料であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の遺伝子異常細胞の解析方法。
  7. 前記細胞試料が、血液、又は血液から分離された細胞を含む試料であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の遺伝子異常細胞の解析方法。
  8. 前記細胞試料が、血液、又は血液から分離された細胞を含む試料であり、かつ
    前記核酸プローブが、Her−2遺伝子のDNAと特異的に結合する核酸プローブ、及びCEP17遺伝子のDNAと特異的に結合する核酸プローブであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の遺伝子異常細胞の解析方法。
  9. 前記細胞試料が、血液、又は血液から分離された細胞を含む試料であり、
    前記工程(h)において用いられる抗体が、白血球細胞の細胞表面に特異的に存在している分子と特異的に結合する抗体であり、かつ
    前記核酸プローブが、Her−2遺伝子のDNAと特異的に結合する核酸プローブ、及びCEP17遺伝子のDNAと特異的に結合する核酸プローブであることを特徴とする請求項3〜5のいずれか一項に記載の遺伝子異常細胞の解析方法。
  10. 前記細胞試料が、血液、又は血液から分離された細胞を含む試料であり、
    前記工程(b)において用いられる抗体が、白血球細胞の細胞表面に特異的に存在している分子と特異的に結合する抗体であり、
    前記工程(h)において用いられる抗体が、白血球細胞の細胞表面に特異的に存在している分子と特異的に結合する抗体であり、
    前記工程(h)において用いられる抗体が、Cytokeratin、CD45、HER−2、及びEpCAMからなる群より選択される1種以上のタンパク質と特異的に結合する抗体であり、かつ
    前記核酸プローブが、Her−2遺伝子のDNAと特異的に結合する核酸プローブ、及びCEP17遺伝子のDNAと特異的に結合する核酸プローブであることを特徴とする請求項4又は5に記載の遺伝子異常細胞の解析方法。
  11. 前記界面活性剤溶液がtriton X−100であり、前記タンパク質分解酵素がペプシンであることを特徴とする請求項2〜10のいずれか一項に記載の遺伝子異常細胞の解析方法。
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