JP7324711B2 - 一標的細胞の染色体複数異常を同時検出する方法 - Google Patents

一標的細胞の染色体複数異常を同時検出する方法 Download PDF

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Description

本発明は、蛍光in situ ハイブリダイゼーション(Fluorescence in situ hybridization:FISH)を用いて標的細胞における染色体異常を検出する方法に関する。特に、新しいFISH法である一標的細胞の染色体複数異常を同時検出する方法(Simultaneous Chromosomal Abnormalities in a Target cell Fluorescence in situ hybridization:SCAT FISH)に関する。
がんは正常な細胞にいくつかの遺伝子変異が生じることに起因する疾患である。遺伝子変異は、遺伝子配列の一塩基置換や一塩基欠失のように、遺伝子に一つ、あるいは数塩基の変異が生じている場合もあれば、染色体の転座や欠失などのように、染色体に大きな変異が生じている場合もある。多発性骨髄腫、白血病などの血液腫瘍では、疾患に特異的な染色体異常が知られている。また、固形腫瘍においても、染色体異常を含む遺伝子変異を検出し、これを標的として治療が行われる場合がある。したがって、がんなど遺伝子変異によって生じる疾患において、どのような遺伝子変異が生じているかを検出することは、診断や治療方針を定めるうえで非常に重要である。
遺伝子の変異を検査する方法として、いくつかの方法が開発されている。染色体異常を検出する方法としてはFISH法が開発され、がんや染色体異常症候群の診断に用いられている。FISHは、特定の遺伝子座の配列を有するプローブを酵素反応などによって標識し、検査対象の染色体や間期核中のDNAを一本鎖DNAとしておき、ハイブリダイゼーションさせることにより、特定の遺伝子座を顕微鏡下で観察する方法である。
血液腫瘍は、クローナルエボリューションと呼ばれる変異の蓄積によって進展すると考えられている。血液腫瘍では複数の染色体異常が、1つの細胞で多段階に渡り引き起こされ、疾患の進展と相関することが知られている。例えば、多発性骨髄腫では、染色体所見によって、高リスク群、中間リスク群、標準リスク群の病型分類が行われており、染色体変異と予後とに相関があることが知られている。そのため、腫瘍細胞に生じている複数の染色体異常を検出することは予後予測のうえでも重要である。
多発性骨髄腫の場合には、17p欠失(p53の欠失)、t(14;16)(IgH/MAF転座)が検出される場合には高リスク群として、13q欠失(RB1の欠失)、t(4;14)(FGFR3/IgH転座)が検出される場合には中間リスク群として、t(11;14)(BCL1/IgH転座)が検出される場合には標準リスク群として病型分類される。すなわち、多発性骨髄腫の予後予測を行う場合には5種類の染色体異常を検出する検査を行う必要がある。しかし、染色体異常を検出するFISHでは、2種類の蛍光色素を用いて検出を行うことから、1種類から2種類の染色体異常を同時に検出することができるに過ぎない。すなわち、一つの細胞に生じている複数の染色体異常を同時に検出するのではなく、一つの染色体異常を検出する検査を複数種行うことによって、どのような染色体異常が生じているかを推測しているのが現状である。そのため、各染色体異常の頻度はわかるものの、重複して存在している染色体異常の頻度についての情報を得ることはできない。
一方で、多数の蛍光色素を用いたFISHが知られている(特許文献1、非特許文献1~3)。特許文献1には、異なる蛍光色素を組み合わせることによって、識別し得るバーコードとすることにより、細胞における多種の標的遺伝子の転写を定性的、定量的に検出することが開示されている。理論的には5種類の蛍光色素を用いることによって、31の標的を区別し得ることが記載されている。また、非特許文献1には、ショウジョウバエの胚で4種の異なる遺伝子の発現をFISHにより解析した結果が開示されている。
特許文献1や非特許文献1に記載の発明は、多数の遺伝子発現を解析する方法である。遺伝子発現を解析する場合には、特許文献1のように、数種の蛍光色素を組合せてバーコード化し、多くの遺伝子を識別することが可能である。また、非特許文献1に記載の方法のように、蛍光スペクトルの異なる複数種の蛍光を用いて解析することも可能である。いずれの方法も、胚や組織のようにプローブと結合するmRNAが一細胞中に多コピー存在し、比較的短いプローブであっても強いシグナルを得ることが期待できる場合に適用できる方法である。
染色体の欠失や転座などの異常を検出する場合には、切断領域が広範囲にわたっていることから、数種の蛍光プローブをバーコード化して使用しても、遺伝子の構造変化に対応することができない。そのため、結果を解析することができない場合があるから、特許文献1に記載の方法のように、蛍光色素を組合せてバーコード化してFISHに使用することはできない。
非特許文献2、3には、M-FISH(Multicolour Fluorescence in situ hybridization)法によって、染色体を異なる蛍光色素で染色し、染色体異常を検出することが開示されている。非特許文献2、及び3に記載されているM-FISHは、染色体全体をペインティングプローブによって染色し、蛍光色素の組合せによって各染色体を識別する方法である。この方法を用いることにより、各染色体の由来を短時間で同定し染色体の構造異常を検出することはできるが、分裂期の細胞を使用する必要があるため、髄液細胞など分裂期の細胞の割合が少ない場合には染色体異常を検出するのは困難である。
特表2002-542793号公報
Bier, E. & De Robertis, E. M. 2015, Science, Vol.348(6242),aaa5838, DOI:10.1126/science.aaa5838 Li, J., et al., 2013, BMC Systems Biology, Vol.7 (Suppl. 4):55 Brown, J. et al., 2002, Blood, Vol.99, No.7, p. 2526-2531
上記示したように複数の蛍光色素を用いて検出するFISH法が開発されているものの血液腫瘍など一細胞に複数種存在する染色体異常を検出する方法は未だに開発されていない。本発明は、一細胞中に存在する複数の染色体異常を一度に検出する方法、及びプローブを提供することを課題とする。
また、血液腫瘍が疑われる患者は、骨髄液を採取し、その中に含まれる細胞にどのような染色体異常が含まれるか検査を行う。しかし、患者の病期等によっては、腫瘍細胞の割合が少ない場合もあり、腫瘍細胞の染色体異常を検出できない可能性がある。そのため、高感度に腫瘍細胞を検出したうえで、一細胞中に存在する複数の遺伝子変異を検出する必要がある。腫瘍細胞を選択したうえで、染色体異常を検出することができれば、腫瘍の早期発見、早期診断を行い治療につなげることができる。本発明は、腫瘍細胞と正常細胞とを区別したうえで、一つの標的細胞に存在する複数の染色体異常を同時に検出することを課題とする。
本発明は以下の検査方法、及びキットに関する。
(1)識別可能な3以上の標識を用いて、一標的細胞中の2以上の染色体異常を同時検出するFISH(fluorescense in situ hybridization)解析法。
(2)画像解析ソフトによって蛍光を分離して解析する(1)記載のFISH解析法。
(3)ホルムアルデヒド固定、メタノール/酢酸後固定、酢酸処理を行い細胞を固定する(1)又は(2)記載のFISH解析法。
(4)細胞表面抗原を染色することにより腫瘍細胞を識別し、染色体異常を検出する(1)~(3)いずれか1つ記載のFISH解析法。
(5)PF-405、PF-380-LSS、PF-395-LSS、SpectrumGreen、PF-510-LSS、SpectrumOrange、ATTO Rho12、Red5-ROX、ATTO 620、PB495、AF594から選択される複数の蛍光色素によってFISHプローブを標識する(1)~(4)いずれか1つ記載のFISH解析法。
(6)表8のいずれか1つの疾患を検出するために用いる(1)~(5)いずれか1つ記載のFISH解析法。
(7)多発性骨髄腫を原因とする染色体異常を検出する(6)記載のFISH解析法。
(8)表8に記載のプローブを用いて、del13q34、del17p13、t(11;14)(q13;q32)、t(4;14)(p16;q32)、t(14;16)(q32;q23)、t(6;14)(p25;q32)、t(6;14)(p21;q32)、t(8;14)(q24;q32)、t(14;20)(q32;q11)、1q21増幅、del1p32.3、CEP7、CEP9のうちのいずれか2つ以上の染色体異常を同時に検出する(7)記載のFISH解析法。
(9)さらに、CD138、及び/又は核を染色する(7)、又は(8)記載のFISH解析法。
(10)多発性骨髄腫の治療薬を選択するために用いる(7)~(9)いずれか1つ記載のFISH解析法。
(11)(1)~(10)いずれか1つ記載の血液腫瘍の解析法に用いる検査キットであって、表8に記載のプローブとFISHに必要な試薬を含むことを特徴とする検査キット。
(12)前記プローブが蛍光標識されたものである(11)記載の検査キット。
(13)(1)~(10)いずれか1つ記載のFISH解析法で得られた患者の染色体異常パターンと、患者の治療成績を蓄積し、AIを用いて解析することによって染色体異常パターンごとの最適な治療法を選択する方法。
(14)一標的細胞の染色体複数異常を同時検出する方法(Simultaneous Chromosomal Abnormalities in a Target cell Fluorescence in situ hybridization:SCAT FISH)によって、識別可能な3以上の標識を用いて、画像解析ソフトによって蛍光を分離して検出し、1細胞中の2以上の染色体異常を同時に検出し、染色体異常パターンによって疾患の病型を分類することを特徴とする診断方法。
(15)SCAT FISH解析法によって、識別可能な3以上の標識を用いて、画像解析ソフトによって蛍光を分離して検出し、1細胞中の2以上の染色体異常を同時に検出し、染色体異常パターンによって治療薬を選択することを特徴とする治療方法。
SCAT FISH法の概略を示す図。 実施例1においてSCAT FISH法で染色を行った顕微鏡像。
以下に述べる染色体異常の解析方法は、どのような疾患に由来する染色体異常であっても検査することが可能である。特に、複数種の染色体異常が一つの細胞に生じる血液腫瘍の検査に用いることによって、病型、予後予測を判定し、治療方法の選択に活かすことができる。
血液腫瘍には、多発性骨髄腫、慢性骨髄性白血病、急性リンパ性白血病、急性骨髄性白血病、急性前骨髄性白血病、骨髄異形成症候群、骨髄増殖性腫瘍、濾胞性リンパ腫、びまん性大細胞形B細胞リンパ腫、マントル細胞性リンパ腫、MALTリンパ腫、バーキットリンパ腫、慢性リンパ性白血病などがある。
これら血液腫瘍において、一つの腫瘍細胞中に検出される複数の染色体異常をより詳細に解析し、情報を蓄積することによって、新たな治療法や予後予測方法を確立できる可能性がある。例えば、多発性骨髄腫の治療には、ボルテゾミブ、レナリドミド、サリドマイドなどいくつかの治療薬が用いられている。各医薬は、腫瘍に対する作用機序や効果が異なることから、単独であるいは組み合わせて使用されている。現在のところ治療薬の選択は、症状と照らし合わせて最適と考えられるものが選択されているが、客観的な指標があればより効果的な治療を医師の経験によらず選択することが可能となる。
本発明の方法を用いて腫瘍細胞に生じている複数の染色体異常の組合せや比率、さらに、治療方法による効果や検出される染色体異常の推移などのデータを蓄積することにより、染色体異常と治療法による予後との相関を明らかにできる可能性がある。その結果、現在医師の経験によって選択している治療法も、患者の腫瘍の染色体異常のパターンを客観的な指標として用い、選択することができる可能性がある。
まず、SCAT FISH法の概要について説明する。図1に方法の概略を示す。
(1)方法
試料としては、染色体異常が存在する可能性のある細胞であれば、どのような試料を用いてもよい。血液腫瘍であれば、骨髄穿刺によって得られた骨髄液、あるいは末梢血を試料として用いることができる。試料は患者から採取後すぐに、あるいは凍結保存したものを37℃で速やかに解凍して使用する。骨髄液には、骨髄芽球などの白血球系の細胞、赤芽球系の細胞、骨髄巨核球、形質細胞が含まれる。そこで、腫瘍細胞において発現している表面抗原に対する抗体を用いて陽性細胞を分離し、さらに、腫瘍細胞の表面抗原を染色することによって腫瘍細胞を選択的に検出することができる。
具体的には、多発性骨髄腫などの形質細胞に由来する腫瘍の場合は抗CD138抗体、骨髄性白血病の場合には抗CD33抗体、B細胞リンパ腫の場合には抗CD19抗体、抗CD20抗体、T細胞リンパ腫の場合には抗CD3抗体、NK細胞リンパ腫の場合には抗CD56抗体など、各腫瘍細胞の由来に応じた抗体を使用すればよい。例えば、骨髄液に抗CD138抗体を結合させた磁気ビーズと混合し反応させた後、磁力により表面抗原が発現している陽性細胞を分離する。多発性骨髄腫などの形質細胞由来の腫瘍では、多くの場合CD138が発現しているので、形質細胞とともに腫瘍細胞を分離することができる。
また、特定の表面抗原を発現している細胞を選択的に濃縮するだけではなく、陰性の細胞を選択するネガティブセレクションの手法を用いることもできる。特に、T細胞、B細胞に由来する腫瘍の場合には、ネガティブセレクションによって腫瘍細胞を濃縮してもよい。濃縮する手法は、磁気ビーズ以外にも、FACSによって腫瘍細胞を分離するなど、腫瘍細胞を分離できればどのような方法を用いてもよい。
次に、腫瘍細胞に特異的に発現している細胞表面抗原を染色する。例えば、細胞表面抗原に対するビオチン標識化抗体を結合させ、蛍光標識ストレプトアビジンを用いて細胞表面抗原を染色する。ビオチン標識化抗体は、上記で分離に用いたものと同一の抗原に対するものを用いても、異なる抗原に対するものを用いてもよい。また、蛍光標識された細胞表面抗原に対する抗体を使用して直接細胞染色を行ってもよい。細胞表面を染色した後、定法によりホルムアルデヒド固定、メタノール/酢酸による後固定を行う。遠心により上清を除いた後、10%酢酸を加え、室温で10分間静置する。
また、検体中に腫瘍細胞の比率が高いことが予測される場合には、細胞表面抗原の染色を行わなくてもよい。表面抗原の染色を行う必要がなければ、FISHにその色素を割り当てることが可能となり、より多数の染色体異常を検出することができる。
FISHは、固定法として通常カルノア固定が用いられている。しかし、カルノア固定を行ってSCAT FISHを行うと、表面抗原が失われてしまうため、腫瘍細胞を判別することができなかった。そこで、固定方法を検討した結果、ホルムアルデヒド固定、メタノール/酢酸により後固定を行うことにより、表面抗原の染色が可能となり、バックグラウンドが低減することが明らかとなった。さらに、固定後に10%酢酸処理を行うことにより、バックグラウンドがより低減し、各蛍光を明瞭に区別することが可能となった。多色で染色を行うことから、個々のシグナルを明確に区別するためにも、バックグラウンドを低減させることは重要である。
酢酸を洗浄により除去した後、スライドガラスにスポットする。風乾したスライドはすぐにDNAプローブとハイブリダイズさせてもよいし、-20℃で使用時まで保存することもできる。準備されたスライドガラスは、所望のプローブとハイブリダイゼーションを行い、画像を取得し解析を行う。
具体的には、まず、スライドガラス上の細胞がスポットされている箇所に、プローブを含まないハイブリダイゼーション溶液を滴下し、80℃で1時間静置することにより、抗原賦活化(熱変性)を行う。通常、FISHプローブは、標本と一緒、あるいは別々に熱変性させて用いる。一般的に、プローブと標本を一緒に熱変性させる場合には、75℃~80℃で、1~5分間処理して変性させる。また、プローブと標本を別々に熱処理する場合には、プローブは70℃~75℃で5分間加熱した後、氷上で急冷し、標本スライドは変性液に浸漬し、70℃~75℃で2~5分間変性させて用いる。しかし、通常用いられている上記熱変性の条件では、プローブの種類によって蛍光が検出できないものがあった。SCAT FISHでは、一度に多種類のプローブとハイブリダイズさせ解析するため、すべてのプローブについて感度良く蛍光を検出できる条件が必要である。そこで、標本スライドの熱変性条件について、温度条件、及び時間条件を変えて検討を行った。プローブによって異なるものの、温度が高いほど、また、処理時間が長いほど蛍光シグナルが強くなることが明らかとなった。そこで、SCAT FISHでは、80℃で60分間、標本の熱変性処理を行うこととしている。また、抗原賦活化処理の後、室温で70%エタノール1分、85%エタノール1分、100%エタノール1分浸漬し、エタノール置換後に風乾する。
標識された所望の組合せのプローブは、ハイブリダイゼーション溶液中で混合して75℃で10分間熱変性させ、使用するまで45℃に保温しておく。風乾したスライドガラスを45℃で保持した状態でプローブを載せ、40℃で16~20時間ハイブリダイゼーションを行う。ハイブリダイゼーション後のスライドガラスは洗浄後風乾し封入し観察を行う。
(2)SCAT FISHに用いる色素、及び画像解析方法
本方法では、複数の蛍光色素で標識されたプローブを用いてFISHを行うので、各スペクトルに重複する波長領域が生じる。そこで、ラムダスキャン(Lambda scan、Leica Microsystems社)によって画像を取得し、蛍光スペクトルを分離し解析を行う。種々の蛍光色素を検討した結果、現在ラムダスキャンによって画像取得後に蛍光スペクトルを分離し、最も明瞭に解析を行うことができるのは、以下の10の蛍光色素であった(表1)。なお、DRAQ5はDNAに結合する試薬であり、核染色に用いている。
表1に示す核染色に用いたDRAQ5以外の9種類の色素を用いて、所望のFISHプローブを標識し、染色体異常を検出すれば、9種類の染色体異常の解析が可能である。また、抗CD138抗体などの細胞表面抗原により、細胞表面を染色する場合には、FISHプローブを標識するために使用できる色素は8種類となり、一つの細胞内に複数存在する染色体異常を8種類まで同時に検出することが可能となる。今後さらに新しい色素が開発されれば、より多くの波長を分離可能となり、より多くのプローブを使用してFISH解析を行うことが可能となる。また、ここではラムダスキャンを用いて解析を行っているが、同様に画像を処理し、各蛍光を分離して解析を行うソフトであれば、どのようなソフトを用いてもよい。
また、SpectrumGreenの代わりにPB495(使用レーザー488nm、極大励起波長495nm、極大放射波長517nm、Lica Biosystems社製)を、Red 5-ROXの代わりにAF594(使用レーザー561nm、極大励起波長590nm、極大放射波長617nm、Thermo Fisher Scientific社製)を使用することもできる。各レーザーによって励起され、表1に記載の色素と同様のスペクトルパターンを示す蛍光色素であれば、どのような色素でも使用することができる。
以下の実施例では、血液腫瘍の中でも、比較的患者数が多く、治療法についてもある程度確立されている多発性骨髄腫を中心に説明するが、これに限らずどのような疾患における染色体異常であっても検出できることは言うまでもない。
[実施例1]
<表面抗原染色>
多発性骨髄腫患者の骨髄液を採取し、2mM EDTAを含むPBSを加え1500rpm5分間の遠心処理を行った後、沈殿を最初の試料の量と同じ量になるようにMACS(登録商標)バッファー(Miltenyi Biotec社製)で懸濁した。次に、抗CD138抗体が結合した磁気ビーズ(Miltenyi Biotec社製)を試料の1/20量加え、4℃で15分間反応させた後、AutoMACS(Miltenyi Biotec社製)によりCD138陽性細胞を分離した。2000rpm3分間の遠心により上清を除き、10μlの細胞懸濁液とした。ビオチン標識抗CD138抗体(Acris社製)を10μl添加し、4℃で10分インキュベートした。次に、1.2ml MACSバッファーを加え、2000rpm3分間の遠心後、上清を除き、10μlの細胞懸濁液とした。10倍希釈したATTO 620-ストレプトアビジン(ATTOTECH社製)を1μl加え、4℃で15分間反応させた。次に、1.2ml MACSバッファーを加え、2000rpm3分の遠心を2回繰り返し洗浄後、MACSバッファーで50μlの細胞懸濁液とした。
上記細胞懸濁液に、50μlの1%ホルムアルデヒドを添加し、室温で10分間固定した後、2000rpm3分間遠心し、上清を除き沈殿を100μlの2mM EDTAを含むPBSで懸濁した。細胞懸濁液をボルテックスミキサーで撹拌しながら、氷冷した6.25%酢酸/93.75%メタノール溶液を終濃度が5%酢酸/75%メタノール溶液になるように添加し、氷上で10分間、後固定を行った。2000rpm3分間遠心し、上清を除き沈殿に500μlの10%酢酸を添加し、室温で10分間静置した。2000rpm3分間遠心後、上清を除き沈殿に1.2ml MACSバッファーを加え、2000rpm3分間の遠心を2回繰り返して洗浄を行った。洗浄後、上清を除き、細胞懸濁液をスライドガラスにスポットして風乾した。スライトガラスはFISHを行うまで-20℃で保管した。
<ハイブリダイゼーション>
スライドガラス上の細胞をスポットした箇所に、ハイブリバッファー(Lica Biotechnology社製)3μlを載置し、カバーガラスを載せ、ペーパーボンド(KOKUYO社製)によって封入した。80℃のホットプレート(StatSpin ThermoBrite、ABBOTT社製)上で60分間、抗原賦活化処理を行った。スライドガラスは、室温の2×SSC中でカバーガラスをはずし、70%、85%、100%エタノールに各1分ずつ浸漬し、風乾後45℃に保温した。
ハイブリバッファーに標識プローブを混合し、75℃10分加熱することによって、プローブを熱変性させた。各染色体の変異を検出するために用いたプローブ、及び蛍光標識は表2のとおりである。なお、MAF、FGFR3、BCL1、DLEU1、13q34のプローブはBACクローンによる。また、Empire Genomics IGHは、Empire Genomics社より、Vysis p53、及びVysis CEP17は、Vysis社より購入した。また、プローブの蛍光標識はニックトランスレーションキット(ABBOTT社製)によって行った。
スライドガラスは45℃に保ったまま、プローブ混合液を3μl載せ、カバーガラスを載せて、ペーパーボンドで封入した後、40℃で一晩ハイブリダイゼーションを行った。ペーパーボンドを剥がし、2×SSC中で、カバーガラスをはずし、洗浄機器(ALOKA HYBRIMASTER HS-300、ALOKA社製)を用い、以下のプログラム(1)から(4)の順序で洗浄を行った。ここでは、洗浄機器を用いて自動で洗浄を行っているが、同じ条件で洗浄すればよく、手動で行うことも可能である。
洗浄プログラム;
(1)50% ホルムアミド/2×SSC、45℃、10分、3回
(2)2×SSC 45℃、10分
(3)0.1%NP40/2×SSC、45℃、5分
(4)2×SSC すすぎ
洗浄後スライドガラスは風乾し、1/5000希釈したDRAQ5ストック液(BioStatus社製)を含むProLong Diamond(Molecular Probes社製)で封入し、観察を行った。
図2に、表2に示した8つのプローブ、細胞表面抗原としてCD138、及び核染色を行った結果を示している。左上の染色像は、染色体異常を検出するためのプローブ(表2参照)の染色像を重ね合わせた像、左下の像は細胞表面抗原(CD138)及び核染色の像、右上の像は、染色体異常が検出されたP53、13q34、DLEU1の像とCEP17を重ね合わせた像を示している。腫瘍細胞に特異的に発現している抗CD138抗体で染色することにより(図2、左下)、腫瘍細胞と正常細胞の区別を容易に行うことができる。その結果、腫瘍細胞を検出したうえで、染色体異常を解析するので、精度の高い検査を行うことができる。病期によっては腫瘍細胞が骨髄液に含まれる比率が低い場合もあることから、精度の高い検査を行うためには、細胞表面抗原を染色する方法は非常に有効である。
また、各プローブによる染色は、異なる色によって識別することができるので(図2左上)、一細胞中にどのような染色体異常が重複して生じているかを簡単に区別することができる。実施例1に示す細胞では、P53、13q34、DLEU1のシグナルが夫々1つずつしか検出できないことから、これら遺伝子の欠失が生じているものと考えられる(図2右上)。このように、一細胞で多数の遺伝子異常を同時に検出できることから、より詳細に遺伝子異常の解析を行うことができるようになった。
[実施例2]
次に、従来法である1つの染色体の異常をそれぞれ検出するFISHと、SCAT FISHによる結果比較を示す(表3)。検査会社に、10名の多発性骨髄腫患者(検体P1~P10)の骨髄液の検査を依頼し、FACSによるCD138陽性細胞の全細胞に対する割合(検査会社のFACS結果)、DLEU1(RB1)欠損、P53欠損、BCL1転座、FGFR3転座、MAF転座のFISHによる検査を依頼した。同じ試料をSCAT FISHによって、実施例1と同様の方法を用いてFISHを行い、染色体異常が検出された割合をまとめた。
表3に示すのは、各検体で検出された染色体異常の割合をパーセントで示したものである。健常人であっても偽陽性が観察されることから、5名の健常人の末梢血試料をSCAT FISHによって解析した。健常人の欄には、健常人において検出される偽陽性の平均(AVE)、及び標準偏差(SD)を示している。表中網掛けをした欄は、SCAT FISHで有意に(P<0.05)健常人よりも高い頻度で染色体異常が検出されたことを示している。なお、検査会社の分析でも偽陽性が生じるため、DLEU1(RB1)欠損は5%以下、P53欠損は2%以下、BCL1、FGFR3及びMAFの転座は1%以下を偽陽性として判定している。なお、「なし」は検査会社にFISH検査を依頼していないことを示す。
DLEU1(RB1)欠損は、健常人で18.6%と比較的高い擬陽性が認められるが、いずれの患者の試料も健常人の平均値よりも有意に高い値を示し、DLEU1欠損があることが明らかとなった。検査会社の分析結果では、DLEU1欠損が認められない患者が半数あり、SCAT FISHは非常に感度の良い方法であることが示された。
感度の高さはCD138陽性細胞の割合が低い患者では特に顕著に認められる。例えば、検体P10では、全細胞に占めるCD138の割合が1.3%と非常に低いことから、検査会社で行ったFISH検査では、染色体異常は認められなかった。これに対し、SCAT FISHでは、DLEU1(RB1)欠損が24.6%と健常人と比較して有意に高い値で認められた。さらに、検体P1、P7、P9、P10のDLEU1(RB1)、P5~P7のBCL1転座、P1のFGFR3転座、P2~P6のMAF転座は、SCAT FISHによってのみ検出されている。SCAT FISHでは、形質細胞で発現しているCD138陽性細胞を集めて染色することから、非常に感度良く染色体異常を検出することができる。したがって、腫瘍を早期に発見し、予後のタイピングを行うことができる。
[実施例3]
SCAT FISHにより一細胞中の染色体異常を複数検出し、解析した例を次に示す。2例の多発性骨髄腫再発例において、実施例1と同様にSCAT FISHを行い、一細胞中でどのような染色体異常が複合して生じているか、解析を行った(表4~表7)。
表4は再発例の患者P8における各染色体異常の割合を解析し、パーセントで示したものである。P8-1からP8-2までは3年5ヶ月、P8-2からP8-3までは1年8ヶ月、P8-3からP8-4までは2年がそれぞれ経過している。治療欄のMPはメルファラン、プレドニゾロンを、Rdはレナリドミド、デキサメタゾンを、BDはボルテゾミブ、デキサメタゾンを多発性骨髄腫の化学療法レジメンに從って投与したことを示す。また、効果欄のPDはProgressive Disease、NCはNo Changeを示す。
表4に示すように、上位2つの染色体異常がいずれも50%を超えていることから、1つの細胞に重複した染色体異常が生じていることは明らかである。しかし、どのように重複した変異が生じているかはこの評価から推測することはできない。同じ試料について一細胞中で生じている重複する染色体異常についてSCAT FISHで解析した結果を表5に示す。表5は各時期において、患者P8で一細胞中に検出された染色体異常を上位から示したものである。
表4に示したように、BCL1転座、BCL1 foci 3つは単独でも検出される割合が多いが、いずれの時期においても重複して検出される染色体異常として最も割合が高かった。また、一細胞中に存在する染色体異常は、時期による変動が見られる。
他の症例において、解析した結果を次に示す(表6、表7)。再発患者P11における各染色体異常の割合を解析し、上記と同様にしてパーセントで示したものである。P11-1からP11-2までは5年9ヶ月、P11-2からP11-3までは1年8ヶ月がそれぞれ経過している。個々の染色体異常が占める割合(表6)と一細胞中に検出される染色体異常の割合(表7)を示す。なお、表中、治療欄のPanVDは、パノビノスタット、ボルテゾミブ、デキタメサゾンを、IRdはイキサゾミブ、レナリドミド、デキサメタゾン投与による治療を行ったことを示す。また、SDは、Stable Diseaseを示す。
この症例では、個々の染色体異常の頻度が経過とともに増加していることは従来法による解析からも明らかである。しかし、SCAT FISHを行うことによって、重複している染色体異常のパターンが変化していることが初めて明らかとなった。
以上示したように、単独の染色体異常についての結果(表4、表6)からは、一細胞中に生じている染色体異常が単独であるのか、あるいは重複しているのかは判定することができない。これに対し、SCAT FISHでは、どのような染色体異常が重複して生じているかを明らかにすることができる。これまでどのような染色体異常が見られるかによって、高リスク群、中間リスク群、標準リスク群に病型分類されていたが、染色体異常の組み合わせによって、より詳細、かつ正確に治療予後を予測する方法が確立できる可能性がある。
また、上記結果は、再発毎に染色体異常のパターンが異なることを示している。治療によって染色体異常のパターンが変化することは、特定の染色体異常に対して、有効な治療法が存在する可能性を示唆している。したがって、今後、SCAT FISHにより、治療、及びその効果に対する染色体異常の推移などのデータを蓄積し、クローンの種類と治療予後の関連付けを行うことによって、染色体異常のパターンに対してより効果的な治療薬の情報を蓄積することができる。それにより、SCAT FISHを行い、患者毎にどのような染色体異常が生じているかを確認し、最適な治療方法を選択することも可能となる。
具体的には、SCAT FISHによって詳細に解析された染色体異常のパターンと、特定の治療に対する反応や、再発までの期間など、患者データを機械学習やディープラーニングなどAIを用いて解析することにより、特定の染色体異常のパターンにおける最適な治療法や予後予測を行うことができる。したがって、SCAT FISHによって染色体異常を検査し、特定の染色体異常のパターンの際の最良の治療法を選択することが可能となる。
[実施例4]
SCAT FISHは、多発性骨髄腫だけではなく、種々の血液腫瘍において重複する複数の染色体異常を検出するのに有効である。SCAT FISHを用いて得られる詳細な染色体異常の情報を治療方法の選択、予後予測に活用することができる。主な血液腫瘍において、染色体異常、及びそれを検出するためのプローブを表8(表8-1及び表8-2)にまとめた。
表8に示す血液腫瘍でも、複数種の染色体異常が重複して検出されることが知られている。これら腫瘍においても、SCAT FISHを用いて検査を行うことによって、より詳細な情報が蓄積され、予後予測、治療方法の選択に役立てることができる。表8のプローブを用いて、染色体異常のパターン、治療に対する反応、予後について情報を蓄積することにより、患者に最適な治療法を確立することができる。

Claims (10)

  1. 細胞をホルムアルデヒド固定し、
    次にメタノール/酢酸後固定を行い、
    次に酢酸処理を行い、
    識別可能な3以上の標識を用いて、
    一標的細胞中の2以上の染色体異常を同時検出するFISH(fluorescense in situ hybridization)解析法。
  2. 画像解析ソフトによって蛍光を分離して解析する請求項1記載のFISH解析法。
  3. 細胞表面抗原を染色することにより腫瘍細胞を識別し、
    染色体異常を検出する請求項1又は2記載のFISH解析法。
  4. PF-405、PF-380-LSS、PF-395-LSS、SpectrumGreen、PF-510-LSS、SpectrumOrange、ATTO Rho12、Red5-ROX、ATTO 620、PB495、AF594から選択される複数の蛍光色素によってFISHプローブを標識する請求項1~3いずれか1項記載のFISH解析法。
  5. 濾胞性リンパ腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、マントル細胞性リンパ腫、MALTリンパ腫、バーキットリンパ腫、ALK-positive large B-cell Llymphoma、ALK-positive Anaplastic large cell lymphoma、慢性リンパ性白血病、多発性骨髄腫、慢性骨髄性白血病、急性リンパ性白血病、急性骨髄性白血病、急性前骨髄性白血病、MDS、MPN/MDS、MPNのいずれか1つの疾患の検出を支援するために用いる請求項1~4いずれか1項記載のFISH解析法。
  6. 多発性骨髄腫を原因とする染色体異常を検出する請求項5記載のFISH解析法。
  7. 13q14 RB1及び13q34、17p13 TP53及びCEP17、14q32 IgH及び11q13 CCND/BCL1、14q32 IgH及び4p16 FGFR3、14q32 IgH及び16q23 MAF、14q32 IgH及び6p25 IRF4、14q32 IgH及び6p21 CCND3、14q32 IgH及び8q24 MYC、14q32 IgH及び20q11 MAFB、1q21 CKS1B及び1pter、1p32 CDKN2C及び1qter、CEP7、CEP9のうちのいずれか2組以上のプローブを用いて、
    del13q34、del17p13、t(11;14)(q13;q32)、t(4;14)(p16;q32)、t(14;16)(q32;q23)、t(6;14)(p25;q32)、t(6;14)(p21;q32)、t(8;14)(q24;q32)、t(14;20)(q32;q11)、1q21増幅、del1p32.3、CEP7、CEP9のうちのいずれか2つ以上の染色体異常を同時に検出する請求項6記載のFISH解析法。
  8. さらに、CD138、及び/又は核を染色する請求項6、又は7記載のFISH解析法。
  9. 多発性骨髄腫の治療薬の選択を支援するために用いる請求項6~8いずれか1項記載のFISH解析法。
  10. 請求項1~9いずれか1項記載のFISH解析法で得られた患者の染色体異常パターンと、患者の治療成績を蓄積し、
    AIを用いて解析することによって染色体異常パターンごとの最適な治療法の選択を支援する方法。
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