JP2012103025A - 振幅変調信号の同期検波方法及び回転信号処理器 - Google Patents

振幅変調信号の同期検波方法及び回転信号処理器 Download PDF

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Abstract

【課題】従来の振幅変調信号の同期検波方法及び回転信号処理器は、励磁信号sinωtを用いて振幅変調信号f(θ)・sin(ωt−α)の同期検波を行うので、位相差αが無視できない値として存在し、正確な同期検波を行う際の支障となっている。
【解決手段】本発明による振幅変調信号の同期検波方法及び回転信号処理器は、第1及び第2振幅変調信号sinθ・sin(ωt−α),cosθ・sin(ωt−α)から搬送波位相成分ωt−α又は反転搬送波位相成分−(ωt−α)を抽出するとともに、励磁信号sinωtに対して位相が90°進んだ信号sin(ωt+90°)の極性を示す位相調節極性信号ωt+90°を搬送波位相成分ωt−α又は反転搬送波位相成分−(ωt−α)の信号レベルの切り替りタイミングに同期して取り込んで励磁位相基準116として同期検波に用いる構成である。
【選択図】図1

Description

本発明は、回転検出器から出力された第1及び第2振幅変調信号からデジタル角度出力を得る信号処理過程で、振幅変調信号の同期検波を行う振幅変調信号の同期検波方法及び回転信号処理器であって、特に、搬送波位相成分又は反転搬送波位相成分の信号レベルの切り替りタイミングに同期して位相調節極性信号を取り込んで励磁位相基準として用いるように構成することで、同期検波への位相差の影響を小さく抑えることができ、同期検波の精度を向上できるようにするための新規な改良に関するものである。
従来用いられていたこの種の振幅変調信号の同期検波方法及び回転信号処理器としては、例えば非特許文献1等に示されている構成を挙げることができる。図14は、従来のトラッキング方式の回転信号処理器100を示すブロック図である。図において、例えばレゾルバ等の回転検出器1には、励磁用増幅器2を介して励磁信号源3が接続されている。励磁信号源3からの励磁信号sinωt(電圧信号)は、前記励磁用増幅器2によって増幅されて、前記回転検出器1に印加されている。なお、説明の便宜上、励磁信号sinωtの振幅を1とするが、実際には任意の係数が乗算される。回転検出器1の励磁コイル(図示せず)は前記励磁信号sinωtによって励磁される。励磁信号sinωtは入力角度θによって振幅変調され、回転検出器1の出力コイル(図示せず)からは、第1振幅変調信号sinθ・sin(ωt−α)と第2振幅変調信号cosθ・sin(ωt−α)とが回転信号として出力される。なお、αは、回転検出器1自体及びセンサケーブル等によって生じる位相差(位相ずれ/位相誤差)を示している。
回転検出器1の出力端子には、回転信号処理器100(R/D変換器)が接続されている。この回転信号処理器100は、第1及び第2乗算器101,102と、減算器103と、同期検波手段104と、ループ内増幅器107と、電圧制御発振器109と、カウンタ110と、P−ROM111とから構成されている。また、回転信号処理器100は、全体として制御偏差εを零とする負帰還制御系(トラッキング・ループ)を形成している。
前記第1及び第2振幅変調信号sinθ・sin(ωt−α),cosθ・sin(ωt−α)は、前記第1及び第2乗算器101,102と前記減算器103との信号処理を経て振幅変調信号f(θ)・sin(ωt−α)に変換される。なお、この例では、振幅変調信号f(θ)・sin(ωt−α)はsin(θ−φ)・sin(ωt−α)となるが、周知のように、信号処理の方法によりf(θ)は任意に変形される。
同期検波手段104は、励磁信号sinωtを用いて振幅変調信号f(θ)・sin(ωt−α)の同期検波を行い、同期検波信号f(θ)・|sin(ωt−α)|を得る。この同期検波信号f(θ)・|sin(ωt−α)|は、前述したトラッキング・ループの制御偏差εとなる。
前記電圧制御発振器109は、制御偏差εの大きさに応じた周波数のパルス信号dφ/dtを出力する。前記カウンタ110は、前記パルス信号dφ/dtのパルスをカウントすることでデジタル角度出力φを出力する。このデジタル角度出力φは、回転検出器1の入力角度θに相当するデジタル信号である。デジタル角度出力φは、前記P−ROM111に入力され、前記P−ROM111でsinφ,cosφに変換される。このsinφ,cosφは、前記第1及び第2乗算器101,102にフィードバックされて、前記第1及び第2乗算器101,102での信号処理に用いられる。
日本電機工業会技術資料JEM−187(平成5年12月20日 社団法人 日本電機工業会 発行)の10頁の解説図1
上記のような従来構成では、励磁信号sinωtを用いて振幅変調信号f(θ)・sin(ωt−α)の同期検波を行うので、位相差αが無視できない値として存在し、正確な同期検波を行う際の支障となっている。
位相差αが大きくなると、回転信号処理器100において等価的にトラッキング・ループのループゲインが低下することになり、結果的にダイナミック特性が劣化してしまう。このため、従来処理器では、位相差αの許容範囲を例えば±10°以下等と設定して、この許容範囲内で使用するように規定している。また、位相差αを検出し、励磁信号sinωtの位相を、搬送波sin(ωt−α)の位相と一致させるか、又は前記許容範囲内に入るように、外部回路で調整している。しかしながら、位相差αの許容範囲は、実用に支障をきたすほど狭いため、位相差αの調整が非常に煩雑である。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、その目的は、同期検波への位相差の影響を小さく抑えることができ、同期検波の精度を向上できる振幅変調信号の同期検波方法及び回転信号処理器を提供することである。
本発明に係る振幅変調信号の同期検波方法は、励磁信号源からの励磁信号sinωtにより励磁された回転検出器から出力される第1及び第2振幅変調信号sinθ・sin(ωt−α),cosθ・sin(ωt−α)からデジタル角度出力φを得る信号処理過程で生じる振幅変調信号f(θ)・sin(ωt−α)を励磁位相基準により同期検波を行う振幅変調信号の同期検波方法であって、第1及び第2振幅変調信号sinθ・sin(ωt−α),cosθ・sin(ωt−α)から搬送波位相成分ωt−α又は反転搬送波位相成分−(ωt−α)を抽出するとともに、励磁信号sinωtに対して位相が90°進んだ信号sin(ωt+90°)の極性を示す位相調節極性信号ωt+90°を搬送波位相成分ωt−α又は反転搬送波位相成分−(ωt−α)の信号レベルの切り替りタイミングに同期して取り込んで励磁位相基準として用いる。
また、本発明に係る振幅変調信号の同期検波方法は、励磁信号源からの励磁信号sinωtが電流アンプに入力され、電流アンプからの励磁電流sinωtにより励磁された回転検出器から出力される第1及び第2振幅変調信号sinθ・sin(ωt+90°−α),cosθ・sin(ωt+90°−α)からデジタル角度出力φを得る信号処理過程で生じる振幅変調信号f(θ)・sin(ωt+90°−α)を励磁位相基準により同期検波を行う振幅変調信号の同期検波方法であって、第1及び第2振幅変調信号sinθ・sin(ωt+90°−α),cosθ・sin(ωt+90°−α)から搬送波位相成分ωt+90°−α又は反転搬送波位相成分−(ωt+90°−α)を抽出するとともに、励磁信号sinωtに対して位相が180°進んだ信号sin(ωt+180°)の極性を示す位相調節極性信号ωt+180°を搬送波位相成分ωt+90°−α又は反転搬送波位相成分−(ωt+90°−α)の信号レベルの切り替りタイミングに同期して取り込んで励磁位相基準として用いる。
本発明に係る回転信号処理器は、励磁信号源からの励磁信号sinωtにより励磁された回転検出器から出力される第1及び第2振幅変調信号sinθ・sin(ωt−α),cosθ・sin(ωt−α)からデジタル角度出力φを得る信号処理過程で生じる振幅変調信号f(θ)・sin(ωt−α)を励磁位相基準により同期検波する回転信号処理器であって、第1及び第2振幅変調信号sinθ・sin(ωt−α),cosθ・sin(ωt−α)から搬送波位相成分ωt−α又は反転搬送波位相成分−(ωt−α)を抽出するとともに、励磁信号sinωtに対して位相が90°進んだ信号sin(ωt+90°)の極性を示す位相調節極性信号ωt+90°を搬送波位相成分ωt−α又は反転搬送波位相成分−(ωt−α)の信号レベルの切り替りタイミングに同期して取り込んで励磁位相基準として出力する励磁位相基準抽出手段と、励磁位相基準抽出手段に接続され、励磁位相基準抽出手段から入力された励磁位相基準を用いて振幅変調信号f(θ)・sin(ωt−α)の同期検波を行う同期検波手段とを備える。
また、励磁位相基準抽出手段には、抽出信号選択部が設けられており、抽出信号選択部には、デジタル角度出力φに基づく信号であって、90°,45°の重み付けがされた角度信号φ2,φ3と、第1振幅変調信号sinθ・sin(ωt−α)が変換された信号であって、0°≦θ<180°の場合に同相となり、180°≦θ<360°の場合に逆相となる周波数ωt−αのパルス列であるデジタル信号SINと、第2振幅変調信号cosθ・sin(ωt−α)が変換された信号であって、0°≦θ<90°,270°≦θ<360°の場合に同相となり、90°≦θ<270°の場合に逆相となる周波数ωt−αのパルス列であるデジタル信号COSとが入力され、抽出信号選択部は、角度信号φ2,φ3を用いて入力角度θの象限を判定し、判定した入力角度θの象限に応じて、デジタル信号SIN,COSのいずれか一方を抽出信号として出力することで、振幅が大きい第1振幅変調信号sinθ・sin(ωt−α)又は第2振幅変調信号cosθ・sin(ωt−α)から、搬送波位相成分ωt−αを角周波数ω、位相遅れαのパルス列として抽出する。
また、励磁位相基準抽出手段には、位相同期化部が設けられており、位相同期化部には、抽出信号選択部からの抽出信号とクロックとを入力とし、抽出信号の立ち上がり及び立ち下がりのタイミングを検出して、クロックの1周期分のパルスを同期タイミング信号として出力する同期タイミング信号生成部と、同期タイミング信号生成部からの同期タイミング信号と位相調節極性信号ωt+90°とを入力とし、同期タイミング信号の立ち上がるタイミングで位相調節極性信号ωt+90°を取り込んで、取り込んだ位相調節極性信号ωt+90°を励磁位相基準として出力する位相調節極性信号取込部とが含まれている。
また、同期検波手段は、励磁位相基準を用いて復調用スイッチの極性切替を行うことで、振幅変調信号f(θ)・sin(ωt−α)の同期検波を行い、同期検波信号f(θ)・|sin(ωt−α)|を出力する。
また、本発明に係る回転信号処理器は、励磁信号源からの励磁信号sinωtが電流アンプに入力され、電流アンプからの励磁電流sinωtにより励磁された回転検出器から出力された第1及び第2振幅変調信号sinθ・sin(ωt+90°−α),cosθ・sin(ωt+90°−α)からデジタル角度出力φを得る信号処理過程で生じる振幅変調信号f(θ)・sin(ωt+90°−α)を励磁位相基準により同期検波する回転信号処理器であって、第1及び第2振幅変調信号sinθ・sin(ωt+90°−α),cosθ・sin(ωt+90°−α)から搬送波位相成分ωt+90°−α又は反転搬送波位相成分−(ωt+90°−α)を抽出するとともに、励磁信号sinωtに対して位相が180°進んだ信号sin(ωt+180°)の極性を示す位相調節極性信号ωt+180°を搬送波位相成分ωt+90°−α又は反転搬送波位相成分−(ωt+90°−α)の信号レベルの切り替りタイミングに同期して取り込んで励磁位相基準として出力する励磁位相基準抽出手段と、励磁位相基準抽出手段に接続され、励磁位相基準抽出手段から入力された励磁位相基準を用いて振幅変調信号f(θ)・sin(ωt+90°−α)の同期検波を行う同期検波手段とを備える。
本発明の振幅変調信号の同期検波方法及び回転信号処理器によれば、励磁信号sinωtに対して位相が90°進んだ信号sin(ωt+90°)の極性を示す位相調節極性信号ωt+90°を搬送波位相成分ωt−α又は反転搬送波位相成分−(ωt−α)の信号レベルの切り替りタイミングに同期して取り込んで励磁位相基準として用いるので、搬送波位相成分ωt−αと励磁信号sinωtの位相ωtとの位相差αが90°未満である場合に搬送波位相成分ωt−αを励磁位相基準として用い、位相差αが90°以上である場合に反転搬送波位相成分−(ωt−α)を励磁位相基準として用いることができ、常に励磁位相基準と振幅変調信号f(θ)・sin(ωt−α)との間の位相差を零とすることができる。これにより、同期検波への位相差αの影響を小さく抑えることができ、同期検波の精度を向上できる。
また、本発明の振幅変調信号の同期検波方法及び回転信号処理器によれば、励磁信号sinωtに対して位相が180°進んだ信号sin(ωt+180°)の極性を示す位相調節極性信号ωt+180°を搬送波位相成分ωt+90°−α又は反転搬送波位相成分−(ωt+90°−α)の信号レベルの切り替りタイミングに同期して取り込んで励磁位相基準として用いるので、励磁信号sinωtに対する搬送波位相成分ωt+90°−αの位相の進みが180°未満である場合に搬送波位相成分ωt+90°−αを励磁位相基準として用い、励磁信号sinωtに対する搬送波位相成分ωt+90°−αの位相の進みが180°以上である場合に反転搬送波位相成分−(ωt+90°−α)を励磁位相基準として用いることができ、常に励磁位相基準と振幅変調信号f(θ)・sin(ωt+90°−α)との間の位相差を零とすることができる。これにより、同期検波への位相差90°−αの影響を小さく抑えることができ、同期検波の精度を向上できる。
これらの同期検波方法及び回転信号処理器では、同期検波における位相差αの影響を小さく抑えることで、トラッキング・ループのループゲインの低下をより確実に防止でき、ダイナミック特性の劣化をより確実に防止できる。また、位相差αを用いての励磁信号sinωtの位相調整も不要にできる。
また、より簡潔な回路で信号処理を実現でき、回路規模を小さく押さえることができる。また、モノリシックIC化に際してチップ面積を小さく抑えることが可能となり、信頼性が高く、小型かつ低価格な商品化(量産)を実現できる。
本発明の実施の形態1による振幅変調信号の同期検波方法を実施するための回転信号処理器の要部を示すブロック図である。 図1の励磁位相基準抽出手段を詳細に示すブロック図である。 図2のデジタル信号SIN,COSを示す説明図である。 図2の抽出信号選択部の論理回路を示す回路図である。 図4の角度信号φ2,φ3と抽出信号との関係を示す説明図である。 図2の位相同期化部の論理回路を示す回路図である。 位相差αが90°未満である場合の図6の論理回路における各信号を示すタイムチャートである。 位相差αが90°以上である場合の図6の論理回路における各信号を示すタイムチャートである。 図1の同期検波手段を具体的に示す回路図である。 本発明の実施の形態2による振幅変調信号の同期検波方法を実施するための回転信号処理器の要部を示すブロック図である。 図10の回転検出器の励磁方法を示す説明図である。 励磁信号sinωtに対する搬送波位相成分ωt+90°−αの位相の進みが180°未満である場合の図10の励磁位相基準を示すタイムチャートである。 励磁信号sinωtに対する搬送波位相成分ωt+90°−αの位相の進みが180°以上である場合の図10の励磁位相基準を示すタイムチャートである。 従来のトラッキング方式の回転信号処理器を示すブロック図である。
以下、本発明を実施するための形態について、図面を参照して説明する。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1による振幅変調信号の同期検波方法を実施するための回転信号処理器の要部を示すブロック図である。なお、図1の回転信号処理器の全体としての構成は、従来の回転信号処理器(図14参照)と同様であるので、実施の形態の構成の説明に図14を援用する。また、従来処理器と同一又は同等部分については同一の符号を用いて説明する。
図1において、励磁位相基準抽出手段115には、第1及び第2振幅変調信号sinθ・sin(ωt−α),cosθ・sin(ωt−α)と、デジタル角度出力φと、励磁極性信号ωtと、位相調節極性信号ωt+90°とが入力されている。
第1及び第2振幅変調信号sinθ・sin(ωt−α)は、回転検出器1(レゾルバぞ)からの回転信号であり、励磁信号源3から回転検出器1に入力された励磁信号sinωtが回転検出器1により入力角度θで振幅変調された信号である。αは、回転検出器1自体及びセンサケーブル等により生じる位相差(位相ずれ/位相誤差)を示している。
デジタル角度出力φは、周知のように、第1及び第2振幅変調信号sinθ・sin(ωt−α),cosθ・sin(ωt−α)を信号処理することにより得られたデジタル信号であり、回転検出器1の入力角度θに相当する。
励磁極性信号ωtは、回転検出器1に入力される励磁信号sinωtの極性を示す信号であり、0°≦ωt<180°の場合にHレベルとなり、180°≦ωt<360°の場合にLレベルとなるデジタル信号である。この励磁極性信号ωtは、コンパレータに励磁信号sinωtが導入されることで得られるものであり、角周波数ωのパルス列である。
位相調節極性信号ωt+90°は、励磁信号sinωtに対して位相が90°進んだ信号sin(ωt+90°)の極性を示す信号であり、0°≦ωt<90°及び270°≦ωt<360°の場合にHレベルとなり、90°≦ωt<270°の場合にLレベルとなるデジタル信号である。この位相調節極性信号ωt+90°を得る方法としては、例えば、sinωtをアナログ回路又は微分回路(OPアンプ回路等)で90°シフトさせてコンパレートする方法、CRフィルタを角周波数ωでカットオフになるようにして2段つなげた回路を通してから極性を反転させる方法等を挙げることができる。また、ωt及びωt+90°をデジタル的に生成し、ωtよりsinωtを作成しても、位相調節極性信号ωt+90°を容易に得ることができる。なお、90°は位相ずれ許容の境界であるため、厳密に90°ずらす必要はなく、おおよその値でよい。
励磁位相基準抽出手段115は、これら第1及び第2振幅変調信号sinθ・sin(ωt−α),cosθ・sin(ωt−α)と、デジタル角度出力φと、励磁極性信号ωtと、位相調節極性信号ωt+90°とに基づいて、励磁位相基準116を生成する。励磁位相基準116に関しては、後に詳細に説明する。
励磁位相基準抽出手段115には、同期検波手段104が接続されている。同期検波手段104には、例えば減算器103(図14参照)からの振幅変調信号f(θ)・sin(ωt−α)が入力されている。図14の例では、振幅変調信号f(θ)・sin(ωt−α)は、sin(θ−φ)・sin(ωt−α)となるが、周知のように、採用される信号処理の方式によりf(θ)は任意に変形される。
後に詳しく説明するが、同期検波手段104は、励磁位相基準抽出手段115から入力された励磁位相基準116を用いて、振幅変調信号f(θ)・sin(ωt−α)の同期検波を行うことで、同期検波信号f(θ)・|sin(ωt−α)|を出力する。この同期検波信号f(θ)・|sin(ωt−α)|は、回転信号処理器のトラッキング・ループの制御偏差εであり(図14参照)、回転信号処理器は制御偏差εを零とする処理を行うことで、デジタル角度出力φを得る。
次に、図2は図1の励磁位相基準抽出手段115を詳細に示すブロック図であり、図3は図2のデジタル信号SIN,COSを示す説明図である。図2において、励磁位相基準抽出手段115には、角度信号生成部120と、抽出信号選択部121と、位相同期化部122とが設けられている。
角度信号生成部120は、例えばFPGA等により構成されており、デジタル角度出力φに基づいて角度信号φ2,φ3を生成する。この角度信号φ2,φ3は、後に図を用いて説明するが、各々90°,45°の重み付けがされた2値のデジタル信号である。なお、一般的にはデジタル角度出力φは、絶対値として扱われており、その分解能に基づくビット数で構成された2進パラレル・デジタル信号であるため、特別に角度信号生成部120を設けなくとも、上位から2ビット目及び3ビット目がφ2及びφ3に相当する。
第1及び第2振幅変調信号sinθ・sin(ωt−α),cosθ・sin(ωt−α)は、第1及び第2コンパレータ125,126を通されることでデジタル信号SIN,COSに変換される。図3に示すように、デジタル信号SINは、全体として0°≦θ<180°の場合に同相となり、180°≦θ<360°の場合に逆相となる信号である。同様に、デジタル信号COSは、全体として0°≦θ<90°,270°≦θ<360°の場合に同相となり、90°≦θ<270°の場合に逆相となる信号である。周知のように、振幅変調信号の搬送波成分の角周波数ωは、変調成分の角周波数θよりも十分に大きい。図3に示すように、デジタル信号SIN,COSは、周波数ωt−αのパルス列がHレベル,Lレベルと変化される信号である。つまり、デジタル信号SIN,COSには、搬送波位相成分ωt−αが保持されている。
抽出信号選択部121には、デジタル信号SIN,COSに変換された状態の第1及び第2振幅変調信号sinθ・sin(ωt−α),cosθ・sin(ωt−α)と、角度信号φ2,φ3に変換された状態のデジタル角度出力φとが入力されている。
この抽出信号選択部121は、後述する論理回路により、デジタル角度出力φに基づいて、第1振幅変調信号sinθ・sin(ωt−α)及び第2振幅変調信号cosθ・sin(ωt−α)から、振幅が大きいいずれか一方を選択する。また、抽出信号選択部121は、選択した第1振幅変調信号sinθ・sin(ωt−α)又は第2振幅変調信号cosθ・sin(ωt−α)から搬送波位相成分ωt−α又は反転搬送波位相成分−(ωt−α)を抽出する。反転搬送波位相成分−(ωt−α)は、搬送波位相成分ωt−αに対して極性が反転された(逆相の)信号である。
位相同期化部122には、抽出信号選択部121からの抽出信号127と、励磁極性信号ωtと、位相調節極性信号ωt+90°と、クロック129とが入力されている。この位相同期化部122は、後述する論理回路により、搬送波位相成分ωt−α又は反転搬送波位相成分−(ωt−α)の信号レベルの切り替りタイミングに同期して位相調節極性信号ωt+90°を取り込む。また、位相同期化部122は、取り込んだ位相調節極性信号ωt+90°を励磁位相基準116として出力する。
次に、図4は図2の抽出信号選択部121の論理回路を示す回路図であり、図5は図4の角度信号φ2,φ3と抽出信号127との関係を示す説明図である。図4に示すように、抽出信号選択部121の論理回路は、象限判定回路部130と抽出選択回路部131とから構成されている。象限判定回路部130は、角度信号φ2,φ3を入力とするXOR回路により構成されている。角度信号φ2,φ3は、前述したように90°,45°の重み付けがされた信号であり、図5に示すように入力角度θに応じてHレベル又はLレベルとなる。図4及び図5に示すように、象限判定回路部130は、入力角度θが90°変化する毎に出力レベルが変化する象限判定信号130aを出力する。
抽出選択回路部131は、2つのAND回路と1つのOR回路とから構成されている。各AND回路は、デジタル信号SIN,COSと象限判定信号130aとを入力としている。この抽出選択回路部131は、入力角度θが90°変化する毎に、デジタル信号SIN,COSのいずれか一方を抽出信号127として出力する回路である。
換言すると、象限判定回路部130からの象限判定信号130aに応じて抽出選択回路部131が出力選択することで、振幅が大きいと判定された第1振幅変調信号sinθ・sin(ωt−α)又は第2振幅変調信号cosθ・sin(ωt−α)から、周波数ωt−αのパルス列として搬送波位相成分ωt−α又は反転搬送波位相成分−(ωt−α)を抽出している。すなわち、抽出信号選択部121は、入力角度θの象限に拘わらず、確実に抽出信号127を出力できるように構成されている。なお、この抽出信号選択部121の論理回路は、第1及び第2振幅変調信号sinθ・sin(ωt−α),cosθ・sin(ωt−α)の搬送波成分の位相にずれが生じていないことを前提に構成されている。
次に、図6は、図2の位相同期化部122の論理回路を示す回路図である。
また、図7は、位相差αが90°未満である場合の図6の論理回路における各信号を示すタイムチャートであり、(a)はωtに対してωt−αが進んでいる状態を示し、(b)はωtに対してωt−αが遅れている状態を示している。
さらに、図8は、位相差αが90°以上である場合の図6の論理回路における各信号を示すタイムチャートであり、(a)はωtに対してωt−αが進んでいる状態を示し、(b)はωtに対してωt−αが遅れている状態を示している。
図6に示すように、位相同期化部122の論理回路は、同期タイミング信号生成部140、位相調節極性信号取込部141、及び機能切替スイッチ部142によって構成されている。
同期タイミング信号生成部140は、2つのDタイプ・フリップフロップと1つのXOR回路から構成されており、図2の抽出信号選択部121からの抽出信号127と、クロック129とを入力としている。2つのDタイプ・フリップフロップは、直列に接続され、ともにクロック129を動作クロックとして使用している。このため、1段目のDタイプ・フリップフロップの出力と2段目のDタイプ・フリップフロップの出力とは、クロック129の1周期分だけ発生タイミングがずれている。XOR回路は、上述の2つのDタイプ・フリップフロップの出力を入力としている。すなわち、同期タイミング信号生成部140は、図7及び図8に示すように抽出信号127の立ち上がり及び立ち下がりのタイミング(搬送波位相成分ωt−α又は反転搬送波位相成分−(ωt−α)の信号レベルの切り替りタイミング)を検出して、同期タイミング信号140aとしてクロック129の1周期分のパルスを出力する回路である。
位相調節極性信号取込部141は、1つのDタイプ・フリップフロップにより構成されており、同期タイミング信号生成部140からの同期タイミング信号140aと位相調節極性信号ωt+90°とを入力としている。位相調節極性信号取込部141は、同期タイミング信号140aの立ち上がるタイミングで位相調節極性信号ωt+90°を取り込んで、取り込んだ位相調節極性信号ωt+90°を励磁位相基準116として出力する。すなわち、位相調節極性信号取込部141は、搬送波位相成分ωt−α又は反転搬送波位相成分−(ωt−α)の信号レベルの切り替りタイミングに同期して位相調節極性信号ωt+90°を取り込んだものを励磁位相基準116として出力する。
ここで、図7に示すように、搬送波位相成分ωt−αと励磁信号sinωtの位相ωtとの位相差αが90°未満である場合には、搬送波位相成分ωt−α(抽出信号127)の極性と位相調節極性信号ωt+90°の極性とが同じときに、同期タイミング信号140aが立ち上がる。これに対して、図8に示すように、位相差αが90°以上である場合には、反転搬送波位相成分−(ωt−α)(抽出信号127)の極性と位相調節極性信号ωt+90°の極性とが同じときに、同期タイミング信号140aが立ち上がる。すなわち、位相差αが90°未満である場合に搬送波位相成分ωt−αが励磁位相基準116として用いられ、位相差αが90°以上である場合に反転搬送波位相成分−(ωt−α)が励磁位相基準116として用いられる。
ここで、位相差αが90°以上である場合に、反転搬送波位相成分−(ωt−α)を励磁位相基準116として用いるのは、sin(ωt−α)=−sin(ωt+180°−α)より、α≦−90°又は90°≦αであるならば、−90°≦180°−α≦90°の関係と見なすことができ、位相差は逆相から見れば90°未満と考えることができるからである。位相差αが90°以上の場合に反転搬送波位相成分−(ωt−α)を励磁位相基準116として用いると、角度データ(デジタル角度信号φ)が入力角度θに対して180°反転したデータであると判定され、データを180°反転させるようにループを機能させることができる。
図6に戻り、機能切替スイッチ部142は、位相同期化部122全体の機能を無効にするか否かを切り替えるためのスイッチである。すなわち、位相調節極性信号取込部141の出力を励磁位相基準116として出力するか、従来と同様に励磁極性信号ωtを励磁位相基準116として出力するかを切り替えるためのスイッチである。これは、運用システムの電源投入時(起動時)やレゾルバ断線復帰時等の過渡状態において、位相同期化部122が正常に機能しないことも想定されるためであり、その回避策として設けられたものである。すなわち、通常時は、位相調節極性信号取込部141の出力が励磁位相基準116として出力される。
次に、図9は、図1の同期検波手段104を具体的に示す回路図である。図において、同期検波手段104は、インバータ155と復調用スイッチ156とから構成された回路であり、励磁位相基準116の出力レベルに応じて復調用スイッチ156の極性切替を行うことで、振幅変調信号f(θ)・sin(ωt−α)の反転信号/非反転信号を出力するものである。すなわち、sin(ωt−α)が正の値をとる0°≦ωt−α<180°の範囲で非反転信号を出力し、sin(ωt−α)が負の値をとる180°≦ωt−α<360°の範囲で反転信号を出力することで、同期検波信号f(θ)・|sin(ωt−α)|を得る。これにより、より確実に同期検波を行うことができ、同期検波の精度を向上できる。
このような本発明の振幅変調信号の同期検波方法及び回転信号処理器によれば、励磁信号sinωtに対して位相が90°進んだ信号sin(ωt+90°)の極性を示す位相調節極性信号ωt+90°を搬送波位相成分ωt−α又は反転搬送波位相成分−(ωt−α)の信号レベルの切り替りタイミングに同期して取り込んで励磁位相基準116として用いるので、搬送波位相成分ωt−αと励磁信号sinωtの位相ωtとの位相差αが90°未満である場合に搬送波位相成分ωt−αを励磁位相基準116として用い、位相差αが90°以上である場合に反転搬送波位相成分−(ωt−α)を励磁位相基準116として用いることができ、常に励磁位相基準と振幅変調信号f(θ)・sin(ωt−α)との間の位相差を零とすることができる。これにより、同期検波への位相差αの影響を小さく抑えることができ、同期検波の精度を向上できる。
また、同期検波における位相差αの影響を小さく抑えることで、トラッキング・ループのループゲインの低下をより確実に防止でき、ダイナミック特性の劣化をより確実に防止できる。また、位相差αを用いての励磁信号sinωtの位相調整も不要にできる。
さらに、より簡潔な回路で信号処理を実現でき、回路規模を小さく押さえることができる。また、モノリシックIC化に際してチップ面積を小さく抑えることが可能となり、信頼性が高く、小型かつ低価格な商品化(量産)を実現できる。
また、抽出信号選択部121は、角度信号φ2,φ3を用いて入力角度θの象限を判定し、判定した入力角度θの象限に応じて、デジタル信号SIN,COSのいずれか一方を抽出信号127として出力することで、振幅が大きい第1振幅変調信号sinθ・sinωt−α又は第2振幅変調信号cosθ・sinωt−αから、搬送波位相成分ωt−αを周波数ωt−αのパルス列として抽出するので、より確実に搬送波位相成分ωt−αを抽出でき、より確実に同期検波の精度を向上できる。
さらに、同期タイミング信号生成部140は、抽出信号127の立ち上がり及び立ち下がりのタイミングを検出して、クロック129の1周期分のパルスを同期タイミング信号140aとして出力し、位相調節極性信号取込部141は、同期タイミング信号140aの立ち上がるタイミングで位相調節極性信号ωt+90°を取り込んで、取り込んだ位相調節極性信号ωt+90°を励磁位相基準116として出力するので、より確実に位相調節極性信号ωt+90°を搬送波位相成分ωt−α反転搬送波位相成分−(ωt−α)の信号レベルの切り替りタイミングに同期して取り込むことができ、より確実に同期検波の精度を向上できる。
さらにまた、同期検波手段104は、励磁位相基準116を用いて復調用スイッチ156の極性切替を行うことで、振幅変調信号fθ・sinωt−αの同期検波を行い、同期検波信号fθ・|sinωt−α|を出力するので、より確実に同期検波を行うことができ、より確実に同期検波の精度を向上できる。
実施の形態2.
図10は、本発明の実施の形態2による振幅変調信号の同期検波方法を実施するための回転信号処理器の要部を示すブロック図であり、図11は、図10の回転検出器1の励磁方法を示す説明図である。
実施の形態1では、励磁信号源3からの励磁信号sinωtにより回転検出器1が励磁される態様を説明したが(図14参照)、図11に示すように、励磁信号源3からの励磁信号sinωtが電流アンプ200に入力されて、電流アンプ200からの励磁電流sinωtにより回転検出器1が励磁される場合もある。このとき、回転検出器1のインピーダンスがL負荷であると、回転検出器1の励磁位相(励磁電圧の位相)が励磁信号sinωtに対して90°進むことになり、回転検出器1から出力される第1及び第2振幅変調信号もsinθ・sin(ωt+90°−α),cosθ・sin(ωt+90°−α)となる。
このように電流アンプ200からの励磁電流sinωtにより回転検出器1が励磁される場合には、図10に示すように、励磁信号sinωtに対して位相が180°進んだ信号sin(ωt+180°)の極性を示す位相調節極性信号ωt+180°を励磁位相基準抽出手段115に入力するように構成する。なお、本実施の形態では、励磁極性信号はsinωt+90°の極性を示す信号となる。また、第1及び第2振幅変調信号から抽出される抽出信号もωt+90°−αとなる。
次に、図12は、励磁信号sinωtに対する搬送波位相成分ωt+90°−αの位相の進みが180°未満である場合の図10の励磁位相基準116を示すタイムチャートであり、図13は、励磁信号sinωtに対する搬送波位相成分ωt+90°−αの位相の進みが180°以上である場合の図10の励磁位相基準116を示すタイムチャートである。
図12及び図13に示すように、位相調節極性信号ωt+180°は、励磁信号sinωtの位相ωtに対して180°位相が進んでおり、励磁信号sinωtに対して極性が反転された状態となっている。この実施の形態2においても、実施の形態1と同様に、図6に示す論理回路により、抽出信号127の立ち上がり及び立ち下がりのタイミングが検出され、同期タイミング信号140aの立ち上がるタイミングで位相調節極性信号ωt+180°が取り込まれる。
図12に示すように、励磁信号sinωtに対する搬送波位相成分ωt+90°−αの位相の進み(90°−α)が180°未満である場合には、搬送波位相成分ωt+90°−α(抽出信号127)の極性と位相調節極性信号ωt+180°の極性とが同じときに、同期タイミング信号140aが立ち上がる。すなわち、当該位相進みが180°未満の場合には、搬送波位相成分ωt+90°−αが励磁位相基準116として用いられる。
これに対して、図13に示すように、励磁信号sinωtに対する搬送波位相成分ωt+90°−αの位相の進み(90°−α)が180°以上である場合には、反転搬送波位相成分−(ωt+90°−α)(抽出信号127)の極性と位相調節極性信号ωt+180°の極性とが同じときに、同期タイミング信号140aが立ち上がる。すなわち、当該位相進みが180°以上の場合には、反転搬送波位相成分−(ωt+90°−α)が励磁位相基準116として用いられる。
なお、位相の進みが180°未満であることは、位相の遅れが180°以上であることと同義であり、位相の進みが180°以上であることは、位相の遅れが180°未満であることと同義である。その他の構成は、実施の形態1と同様である。
このような本発明の振幅変調信号の同期検波方法及び回転信号処理器によれば、励磁信号sinωtに対して位相が180°進んだ信号sin(ωt+180°)の極性を示す位相調節極性信号ωt+180°を搬送波位相成分ωt+90°−α又は反転搬送波位相成分−(ωt+90°−α)の信号レベルの切り替りタイミングに同期して取り込んで励磁位相基準116として用いるので、励磁信号sinωtに対する搬送波位相成分ωt+90°−αの位相の進みが180°未満である場合に搬送波位相成分ωt+90°−αを励磁位相基準116として用い、励磁信号sinωtに対する搬送波位相成分ωt+90°−αの位相の進みが180°以上である場合に反転搬送波位相成分−(ωt+90°−α)を励磁位相基準116として用いることができ、常に励磁位相基準116と振幅変調信号f(θ)・sin(ωt−α)との間の位相差を零とすることができる。これにより、同期検波への位相差90°−αの影響を小さく抑えることができ、同期検波の精度を向上できる。
また、実施の形態1の構成と同様に、同期検波における位相差αの影響を小さく抑えることで、トラッキング・ループのループゲインの低下をより確実に防止でき、ダイナミック特性の劣化をより確実に防止できる。また、位相差αを用いての励磁信号sinωtの位相調整も不要にできる。
さらに、実施の形態1の構成と同様に、より簡潔な回路で信号処理を実現でき、回路規模を小さく押さえることができる。また、モノリシックIC化に際してチップ面積を小さく抑えることが可能となり、信頼性が高く、小型かつ低価格な商品化(量産)を実現できる。
1 回転検出器
3 励磁信号源
100 回転信号処理器
104 同期検波手段
115 励磁位相基準抽出手段
116 励磁位相基準
121 抽出信号選択部
122 位相同期化部
127 抽出信号
129 クロック
140 同期タイミング信号生成部
140a 同期タイミング信号
141 位相調節極性信号取込部
156 復調用スイッチ

Claims (7)

  1. 励磁信号源(3)からの励磁信号sinωtにより励磁された前記回転検出器(1)から出力される第1及び第2振幅変調信号sinθ・sin(ωt−α),cosθ・sin(ωt−α)からデジタル角度出力φを得る信号処理過程で生じる振幅変調信号f(θ)・sin(ωt−α)を励磁位相基準(116)により同期検波を行う振幅変調信号の同期検波方法であって、
    前記第1及び第2振幅変調信号sinθ・sin(ωt−α),cosθ・sin(ωt−α)から搬送波位相成分ωt−α又は反転搬送波位相成分−(ωt−α)を抽出するとともに、励磁信号sinωtに対して位相が90°進んだ信号sin(ωt+90°)の極性を示す位相調節極性信号ωt+90°を前記搬送波位相成分ωt−α又は前記反転搬送波位相成分−(ωt−α)の信号レベルの切り替りタイミングに同期して取り込んで前記励磁位相基準(116)として用いることを特徴とする振幅変調信号の同期検波方法。
  2. 励磁信号源(3)からの励磁信号sinωtが電流アンプ(200)に入力され、前記電流アンプ(200)からの励磁電流sinωtにより励磁された前記回転検出器(1)から出力される第1及び第2振幅変調信号sinθ・sin(ωt+90°−α),cosθ・sin(ωt+90°−α)からデジタル角度出力φを得る信号処理過程で生じる振幅変調信号f(θ)・sin(ωt+90°−α)を励磁位相基準(116)により同期検波を行う振幅変調信号の同期検波方法であって、
    前記第1及び第2振幅変調信号sinθ・sin(ωt+90°−α),cosθ・sin(ωt+90°−α)から搬送波位相成分ωt+90°−α又は反転搬送波位相成分−(ωt+90°−α)を抽出するとともに、前記励磁信号sinωtに対して位相が180°進んだ信号sin(ωt+180°)の極性を示す位相調節極性信号ωt+180°を前記搬送波位相成分ωt+90°−α又は前記反転搬送波位相成分−(ωt+90°−α)の信号レベルの切り替りタイミングに同期して取り込んで前記励磁位相基準(116)として用いることを特徴とする振幅変調信号の同期検波方法。
  3. 励磁信号源(3)からの励磁信号sinωtにより励磁された前記回転検出器(1)から出力される第1及び第2振幅変調信号sinθ・sin(ωt−α),cosθ・sin(ωt−α)からデジタル角度出力φを得る信号処理過程で生じる振幅変調信号f(θ)・sin(ωt−α)を励磁位相基準(116)により同期検波する回転信号処理器であって、
    前記第1及び第2振幅変調信号sinθ・sin(ωt−α),cosθ・sin(ωt−α)から搬送波位相成分ωt−α及び反転搬送波位相成分−(ωt−α)を抽出するとともに、前記励磁信号sinωtに対して位相が90°進んだ信号sin(ωt+90°)の極性を示す位相調節極性信号ωt+90°を前記搬送波位相成分ωt−α又は前記反転搬送波位相成分−(ωt−α)の信号レベルの切り替りタイミングに同期して取り込んで前記励磁位相基準(116)として出力する励磁位相基準抽出手段(115)と、
    前記励磁位相基準抽出手段(115)に接続され、前記励磁位相基準抽出手段(115)から入力された前記励磁位相基準(116)を用いて前記振幅変調信号f(θ)・sin(ωt−α)の同期検波を行う同期検波手段(104)と
    を備えていることを特徴とする回転信号処理器。
  4. 前記励磁位相基準抽出手段(115)には、抽出信号選択部(121)が設けられており、
    前記抽出信号選択部(121)には、
    前記デジタル角度出力φに基づく信号であって、90°,45°の重み付けがされた角度信号φ2,φ3と、
    前記第1振幅変調信号sinθ・sin(ωt−α)が変換された信号であって、0°≦θ<180°の場合に同相となり、180°≦θ<360°の場合に逆相となる周波数ωt−αのパルス列であるデジタル信号SINと、
    前記第2振幅変調信号cosθ・sin(ωt−α)が変換された信号であって、0°≦θ<90°,270°≦θ<360°の場合に同相となり、90°≦θ<270°の場合に逆相となる周波数ωt−αのパルス列であるデジタル信号COSと
    が入力され、
    前記抽出信号選択部(121)は、
    前記角度信号φ2,φ3を用いて入力角度θの象限を判定し、
    判定した入力角度θの象限に応じて、前記デジタル信号SIN,COSのいずれか一方を抽出信号(127)として出力することで、振幅が大きい前記第1振幅変調信号sinθ・sin(ωt−α)又は前記第2振幅変調信号cosθ・sin(ωt−α)から、前記搬送波位相成分ωt−αを角周波数ω、位相遅れαのパルス列として抽出することを特徴とする請求項3記載の回転信号処理器。
  5. 前記励磁位相基準抽出手段(115)には、位相同期化部(122)が設けられており、
    前記位相同期化部(122)には、
    前記抽出信号選択部(121)からの抽出信号(127)とクロック(129)とを入力とし、前記抽出信号(127)の立ち上がり及び立ち下がりのタイミングを検出して、前記クロック(129)の1周期分のパルスを同期タイミング信号(140a)として出力する同期タイミング信号生成部(140)と、
    前記同期タイミング信号生成部(140)からの前記同期タイミング信号(140a)と前記位相調節極性信号ωt+90°とを入力とし、前記同期タイミング信号(140a)の立ち上がるタイミングで前記位相調節極性信号ωt+90°を取り込んで、取り込んだ前記位相調節極性信号ωt+90°を前記励磁位相基準(116)として出力する位相調節極性信号取込部(141)と
    が含まれていることを特徴とする請求項4記載の回転信号処理器。
  6. 前記同期検波手段(104)は、
    前記励磁位相基準(116)を用いて復調用スイッチ(156)の極性切替を行うことで、前記振幅変調信号f(θ)・sin(ωt−α)の同期検波を行い、同期検波信号f(θ)・|sin(ωt−α)|を出力することを特徴とする請求項3から請求項5までのいずれか1項に記載の回転信号処理器。
  7. 励磁信号源(3)からの励磁信号sinωtが電流アンプ(200)に入力され、前記電流アンプ(200)からの励磁電流sinωtにより励磁された前記回転検出器(1)から出力された第1及び第2振幅変調信号sinθ・sin(ωt+90°−α),cosθ・sin(ωt+90°−α)からデジタル角度出力φを得る信号処理過程で生じる振幅変調信号f(θ)・sin(ωt+90°−α)を励磁位相基準(116)により同期検波する回転信号処理器であって、
    前記第1及び第2振幅変調信号sinθ・sin(ωt+90°−α),cosθ・sin(ωt+90°−α)から搬送波位相成分ωt+90°−α又は反転搬送波位相成分−(ωt+90°−α)を抽出するとともに、前記励磁信号sinωtに対して位相が180°進んだ信号sin(ωt+180°)の極性を示す位相調節極性信号ωt+180°を前記搬送波位相成分ωt+90°−α又は前記反転搬送波位相成分−(ωt+90°−α)の信号レベルの切り替りタイミングに同期して取り込んで前記励磁位相基準(116)として出力する励磁位相基準抽出手段(115)と、
    前記励磁位相基準抽出手段(115)に接続され、前記励磁位相基準抽出手段(115)から入力された前記励磁位相基準(116)を用いて前記振幅変調信号f(θ)・sin(ωt+90°−α)の同期検波を行う同期検波手段(104)と
    を備えていることを特徴とする回転信号処理器。
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