JP2012101454A - タイヤの製造装置及び製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】口金10を通してゴムを押し出すゴム押出機2と、互いの外周面が対向して配置され押し出されたゴムを所定の断面形状に成型する一対のローラ12A,12Bと、一対のローラ12A,12Bにより成型されたリボン状ゴム15を前記一方のローラ12Bで保持して回転支持体3に貼り付けるタイヤの製造装置であって、前記口金10はリボン状ゴム15の前記他方のローラ12Aとの接触面に、密着防止用の複数のリッジを形成するためのリッジ加工部を備える。
【選択図】図1
Description
このタイヤの製造装置及び製造方法では、口金を通して押し出されたリボン状ゴムを対向して配置された一対のローラ間でその断面形状を成型し、成型したリボン状ゴムを回転支持体の外面に貼り付けることが行われている。
口金24の開口24cが六角形の場合、上辺24aの長さaと下辺24bの長さbは、a=bの関係がある。この上下の辺24a、24bの長さaとは、リボン状ゴム27のローラとの幅方向における接触長さを規制する。したがって、吐出ゴムと上・下ローラ25,26との前記接触長さが同じでa=bであると、押し出されたリボン状ゴム27の幅方向における接着力は同じになる。そのため、従来の口金24を用いた場合には、リボン状ゴム27の圧延中にリボン状ゴム27がしばしば上ローラである圧延ローラ25に密着して、下ローラである貼付ローラ26から離れ、リボン状ゴム27を回転支持体28上のグリーンタイヤへ誘導することができないということが起こる。
この問題に対処するため、例えば特許文献2に示すように、一対のローラの外周面の温度、或いは周速度に差をつけたり、一方のローラを鏡面に加工すると共に、他方のローラをリッジ面に仕上げる等の処理を行って、それぞれの外周面の表面状態を異ならせたりする対策がとられているが、いずれの対策も十分な効果を上げているとは云えない。
(2)本発明は、口金を通してゴムを押し出す工程と、互いの外周面が対向して配置された一対のローラで押し出されたゴムを所定の断面形状に成型する工程と、前記一対のローラにより成型されたリボン状ゴムを前記一方のローラで保持して前記回転支持体に貼り付ける工程を有するタイヤの製造方法であって、前記口金のリッジ加工部により、リボン状ゴムの前記一対のローラとの接触面のうち、前記他方のローラとの接触面に複数のリッジを形成する工程を有するタイヤの製造方法である。
したがって、従来のようにマシンを停止することがなく、不活動時間やグリーンタイヤのスクラップの発生が抑制できる。
図1は、本発明の実施形態に係るタイヤの製造装置の概略構成を示す側断面図である。
本タイヤの製造装置1は、ゴムを押し出す押出機2と押出機2の口金10を通して押し出されたリボン状ゴム15を圧延成型及び貼り付けする上下一対のローラ(上ローラ:圧延ローラ12A、下ローラ:貼付ローラ12B)から成るローラヘッド12と、圧延成型したリボン状ゴム15を貼り付ける回転支持体3とからなっており、下ローラ12Bは、圧延したリボン状ゴム15を回転支持体3上に巻き付け所望のコンターを備えたグリーンタイヤを製造する。なお、リボン状ゴム15の貼付装置の他の構成は、例えば図4に関連して説明した従来のものと同じでよい。
この口金10の開口10dの全体の形状は従来と同様に六角形であるが、その上辺10aは図示のように平坦ではなく、例えば断面略三角形の凹条10cが形成されている点で従来のものと相異し、その他の点では同じである。つまり、本口金10は上辺10aのリッジ加工部である断面略三角形の凹条10cにより、この口金10で押し出されたリボン状ゴム15の上面には前記凹条10cに対応したリッジ15a(図3)が形成される。他方、口金10の開口部の下辺10bは平坦に形成されている。
このように、口金10の開口部の上下辺の表面をそれぞれ異なる表面形状にすることで、押し出されるリボン状ゴム15の水平な一面にはリッジ15cが形成されると共に、その反対側には平坦な水平面15bが形成される(図3)。
この口金10から押し出されたリボン状ゴム15には、前記口金10の開口部の上下の辺10a、10bに対応して、上面15aには複数のリッジ15cが形成されると共に、下面15bは平坦な面に形成されている。
したがって、次工程の圧延工程では、リボン状ゴム15の上面15aは、上ローラ(圧延ローラ)12Aに対してリッジ15cで接触するため、図3に示すその幅方向における全体の接触長さAは下ローラ(貼付ローラ)12Bと接触する下面の接触長さBよりも短くなる。そのため圧延時に作用する密着力は、上ローラ(圧延ローラ)12Aとの密着面よりも下ローラ(貼付ローラ)12B側で大きくなる。その結果、圧延時にリボン状ゴム15が圧延ローラ12Aに密着することが防止でき、押し出されたリボン状ゴム15を確実に回転支持体3に送付することができる。
また、従来と同様に下ローラ12Bの径を上ローラ12Aの径よりも大きくすることで、一層確実に圧延時におけるリボン状ゴム15の圧延ローラ12A側への密着を防止することができる。
さらに、以上の説明では、上ローラ12Aを圧延ローラとしてまた下ローラ12Bを貼付ローラとして説明したがそれに限定されずその関係は逆であってもよく、要はローラヘッド12が圧延ローラと貼付ローラで構成されていればよい。
特許文献4に記載されたリッジ付き押出装置は、スティフナーを形成するための押出装置であって、ゴム押出機の口金の開口部分に略三角形の凹部を複数形成し、それによってスティフナーにリッジを形成する。
したがって、この従来の前記口金は、本発明と対比したとき、その口金の辺部分でリボン状ゴムにリッジ加工を施すという点では共通するが、その目的もまた、その口金で成型する対象物も相異しており、単に、リボン状ゴムにリッジを形成するという点で類似するだけである。つまり、特許文献4に記載された発明は、本発明とはその対象物も目的も作用効果も相異するから、本発明とは何の関係もなく、この発明から本発明が容易に想到しえるものではない。
Claims (6)
- 口金を通してゴムを押し出すゴム押出機と、互いの外周面が対向して配置され押し出されたゴムを所定の断面形状に成型する一対のローラと、前記一対のローラにより成型されたリボン状ゴムを一方のローラで保持して回転支持体に貼り付けるタイヤの製造装置であって、
前記口金はリボン状ゴムの前記一対のローラとの接触面のうち、他方のローラとの接触面に複数のリッジを形成するためのリッジ加工部を備えたタイヤの製造装置。 - 請求項1に記載されたタイヤの製造装置において、
前記リッジ加工部は、前記口金の開口を規定する互いに平行な辺の一方に形成された複数の凹条であるタイヤの製造装置。 - 請求項1又は2に記載されたタイヤの製造装置において、
前記一方のローラは、前記他方のローラよりも大径であるタイヤの製造装置。 - 請求項3に記載されたタイヤの製造装置において、
前記口金の開口は上下に前記平行な辺を備えた六角形であるタイヤの製造装置。 - 請求項1ないし4のいずれかに記載されたタイヤの製造装置において、
リボン状ゴムに形成されるリッジの深さは、0.3〜0.5mmであるタイヤの製造装置。 - 口金を通してゴムを押し出す工程と、互いの外周面が対向して配置された一対のローラで押し出されたゴムを所定の断面形状に成型する工程と、前記一対のローラにより成型されたリボン状ゴムを前記一方のローラで保持して前記回転支持体に貼り付ける工程を有するタイヤの製造方法であって、
前記口金のリッジ加工部により、リボン状ゴムの前記一対のローラとの接触面のうち、前記他方のローラとの接触面に複数のリッジを形成する工程を有するタイヤの製造方法。
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