JP2012100152A - 電波伝搬特性推定システム、電波伝搬特性推定方法、およびコンピュータプログラム - Google Patents

電波伝搬特性推定システム、電波伝搬特性推定方法、およびコンピュータプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】 実測補正の精度を向上させる。
【解決手段】 電波伝搬特性推定システムは、電波伝搬特性を推定する評価エリア内の任意の評価点において、送信局のある送信点から送出された電波の受信レベル推定値を、測定点で測定した受信レベル実測値を用いて実測補正するシステムであって、所定の伝搬推定式を用いて前記評価点における受信レベル推定値を算出する伝搬推定部と、前記送信点から送出された電波の、前記評価点における伝搬損失と前記測定点における伝搬損失の関係を示す信頼度に基づいて、前記受信レベル推定値を実測補正する実測補正部と、前記評価点と前記送信点と前記測定点の位置関係およびエリア属性情報に基づき、前記信頼度を算出するエリア属性別信頼度算出部と、を備える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、電波伝搬特性推定システム、電波伝搬特性推定方法、およびコンピュータプログラムに関する。
電波伝搬特性の推定は、無線通信システムのエリア設計や干渉推定を行う際に重要である。
例えば、移動通信システムでは、移動局の移動時にも通信サービスを維持できるように無線基地局が配置され、無線サービスエリアが連続して形成されるようにする。この際に、電波伝搬特性を推定することで、地形や地物等の影響による電波の受信できないエリアを特定し、そのようなエリアが存在しないよう、無線基地局の無線パラメータ(送信電力、アンテナ指向性、アンテナチルト角等)のチューニングが行われる。
また、電波伝搬特性の推定を行う別な例としては、既存無線システムが空間的、時間的に自身の割り当て周波数を使用していない場合に、その周波数を共用して通信を行う無線システムであるコグニティブ無線システムがある。コグニティブ無線システムでは、自身の送信による既存無線システムへの干渉が既存サービスに影響を与えない範囲で、周波数を共用して通信を行う。この際、コグニティブ無線システムの送信によって既存無線システムにどの程度の干渉を与えるか推定するために、電波伝搬特性が推定される。
電波伝搬特性は、一般には伝搬推定式を用いることで推定される。この伝搬推定式としては、奥村・秦式やITU−R(International Telecommunication Union Radiocommunications Sector) P.1546モデル(非特許文献1参照)等の様々な伝搬推定式が知られている。しかし、どのような伝搬推定式を用いたとしても、実際に電波伝搬特性を推定するエリアにおける地形や地物等の影響、伝搬推定式のモデル化誤差等によって、少なからず誤差が生じる。
このような伝搬推定式の推定誤差(伝搬推定誤差)を軽減する方法として、実測補正が知られている。例えば、特許文献1に記載されている技術では、まず電波伝搬特性を推定するエリアにて走行試験を行い、電波の受信レベルを測定し、実測値を得る。次に、走行試験で得た受信レベルの実測値と伝搬推定式を用いて算出する受信レベルとの誤差が小さくなるように、伝搬推定式のパラメータ(周囲地物高、距離減衰係数、定数項等)を補正する。この際に使用する実測値は、送信点(無線基地局)から所定距離以内である測定データに限定する。これにより、送信点からの距離があまりに離れてしまい、伝搬損失を推定(評価)する位置(以下では、評価点とする)とは伝搬環境の異なる測定点で取得した実測値の影響を排除して、伝搬推定式を実測補正している。
別な実測補正方法として、特許文献2は、伝搬損失の評価点と測定点との距離に応じて、実測値を重み付けして、伝搬推定式のパラメータの補正に反映させる方法について記載する。
特開2005−229453号公報 特開2005−223732号公報
ITU−R,Method for Point to area prediction for terrestrial services in the frequency range 30MHz to 3000MHz,ITU−R P.1546−3,2007.
しかしながら、特許文献1に記載の実測補正技術の場合、以下のような問題が懸念される。測定点が送信点から所定距離内にあった場合であっても、必ずしも測定点と評価点との距離が近いとは限らない(例えば、極端には、測定点が送信点を挟んで評価点の反対側に位置する場合等)。評価点と測定点とが離れている場合には、伝搬環境(伝搬損失)の類似性が減少するので、実測補正の精度が低下する虞がある。
これに対し、特許文献2では、伝搬損失の評価点と測定点との距離に応じて、実測値を重み付けして実測補正を行うため、特許文献1と異なり、評価点から離れた測定点で取得した測定データの影響を抑制することができる。これは、評価点と測定点における伝搬環境の類似性が、評価点と測定点との距離に伴って変化するという性質に基づく。しかしながら、一方で、伝搬環境の類似性は、距離が同一であっても周辺環境(例えば、都市部や山間部等を指す)に応じて変化する。特許文献2に記載の実測補正技術の場合、周辺環境によっては、適切でない重みを用いた実測補正が行われる可能性があり、補正の精度を劣化させる要因となる。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、実測補正の精度を向上させることが可能な電波伝搬特性推定システム、電波伝搬特性推定方法、およびコンピュータプログラムを提供することを目的とする。
本発明の電波伝搬特性推定システムは、電波伝搬特性を推定する評価エリア内の任意の評価点において、送信局のある送信点から送出された電波の受信レベル推定値を、測定点で測定した受信レベル実測値を用いて実測補正するシステムであって、所定の伝搬推定式を用いて前記評価点における受信レベル推定値を算出する伝搬推定部と、前記送信点から送出された電波の、前記評価点における伝搬損失と前記測定点における伝搬損失の関係を示す信頼度に基づいて、前記受信レベル推定値を実測補正する実測補正部と、前記評価点と前記送信点と前記測定点の位置関係およびエリア属性情報に基づき、前記信頼度を算出するエリア属性別信頼度算出部と、を備える。
また、本発明の電波伝搬特性推定システムは、電波伝搬特性を推定する評価エリア内の任意の評価点において、送信局のある送信点から送出された電波の受信レベル推定値を、測定点で測定した受信レベル実測値を用いて実測補正するシステムであって、所定の伝搬推定式を用いて前記評価点における受信レベル推定値を算出する伝搬推定部と、前記送信点から送出された電波の、前記評価点における伝搬損失と前記測定点における伝搬損失の関係を示す信頼度に基づいて、前記受信レベル推定値を実測補正する実測補正部と、前記評価点と前記測定点との間の距離と、前記評価点におけるパスロス誤差と前記測定点におけるパスロス誤差の間の相関距離と、の関係に基づき、前記信頼度を算出する信頼度算出部と、を備える。
本発明の電波伝搬特性推定方法は、電波伝搬特性を推定する評価エリア内の任意の評価点において、送信局のある送信点から送出された電波の受信レベル推定値を、測定点で測定した受信レベル実測値を用いて実測補正する方法であって、所定の伝搬推定式を用いて前記評価点における受信レベル推定値を算出し、前記送信点から送出された電波の、前記評価点における伝搬損失と前記測定点における伝搬損失の関係を示す信頼度に基づいて、前記受信レベル推定値を実測補正し、前記信頼度を、前記評価点と前記送信点と前記測定点の位置関係およびエリア属性情報に基づき算出する。
本発明のコンピュータプログラムは、電波伝搬特性を推定する評価エリア内の任意の評価点において、送信局のある送信点から送出された電波の受信レベル推定値を、測定点で測定した受信レベル実測値を用いて実測補正するコンピュータプログラムであって、所定の伝搬推定式を用いて前記評価点における受信レベル推定値を算出する処理と、前記送信点から送出された電波の、前記評価点における伝搬損失と前記測定点における伝搬損失の関係を示す信頼度に基づいて、前記受信レベル推定値を実測補正する処理と、前記信頼度を、前記評価点と前記送信点と前記測定点の位置関係およびエリア属性情報に基づき算出する処理とを、コンピュータに実行させる。
本発明によれば、実測補正の精度を向上させることが可能となる。
本発明の第1の実施形態に係る電波伝搬特性推定システムの構成例を示すブロック図である。 第1の実施形態における、総合エリア属性情報と測定信頼度関数との関係の一例を示す表である。 本発明の第2の実施形態における評価エリアを説明する図であり、特に、評価エリアにおける測定−評価間距離を説明する図である。 第2の実施形態に係る電波伝搬特性推定システムの構成例を示すブロック図である。 第2の実施形態における、総合エリア属性情報と相関距離との関係の一例を示す表である。 図4に示す電波伝搬特性推定システムの動作例を説明するためのフローチャートである。 本発明の第3の実施形態における評価エリアを説明する図であり、特に、評価エリアにおける測定−評価間角度を説明する図である。 第3の実施形態における、総合エリア属性情報とパスロス誤差角度相関の各関数との関係の一例を示す表である。 図8における各パスロス誤差角度相関の関数をグラフ化したものである。 本発明の第4の実施形態の概念図であり、詳細には、道路上における各測定点と評価点との関係の一例を示す図である。 第4の実施形態における総合エリア属性別パラメータ記憶部で保持される、総合エリア属性情報別のパスロス誤差相関での相関距離の一例を示す表である。 本発明の第5の実施形態における評価エリアを説明する図であり、詳細には、評価エリア内に複数の測定点が存在する状態を示す図である。 本発明の第6の実施形態の無線通信システムの構成図である。 図13に示すセカンダリシステムの構成例を示すブロック図である。 図14に示すスペクトルマネージャの動作例(主に、与干渉レベル算出に関する動作例)を説明するためのフローチャートである。
[第1の実施形態]
図1は、本発明の第1の実施形態に係る電波伝搬特性推定システム100の構成例を示すブロック図である。電波伝搬特性推定システム100は、伝搬推定部101と、総合エリア属性別信頼度算出部102と、実測補正部103と、を備える。
伝搬推定部101は、電波伝搬特性推定の対象である電波を送出する送信局(送信点)の情報(以下、「送信点情報」)と、電波伝搬特性を推定する評価エリア内にある任意の評価点の情報(以下、「評価点情報」)を入力する。
ここで、評価点情報は、評価点の位置情報(例えば、緯度・経度からなる座標情報)、想定する受信アンテナ高、想定する受信アンテナ利得、あるいは、評価点のエリア属性情報等を含む。エリア属性情報は、あらかじめ評価点毎に手動で決定しておくことも可能であるし、地図データ(例えば、緯度・経度毎の地物高を保持するデータとする)を用いて決定することも可能である。なお、評価点情報は、上記全ての情報を常に含んでいる必要はない。
また、送信点情報は、送信局(送信点)の位置情報、送信電力、送信アンテナ利得、送信アンテナ高、あるいは、送信点のエリア属性情報等を含む。エリア属性情報は、あらかじめ送信点毎に手動で決定しておくことも可能であるし、地図データ(例えば、緯度・経度毎の地物高を保持するデータとする)を用いて決定することも可能である。なお、送信点情報は、上記全ての情報を常に含んでいる必要はない。
伝搬推定部101は、評価点における受信レベル推定値を、所定の伝搬推定式(例えば、奥村・秦式やITU−R P.1546モデル等の伝搬推定式)を用いて算出する。具体的には、伝搬推定部101は、送信局における送信電力および送信アンテナの指向性を含めた利得と、伝搬推定式で算出した伝搬損失の推定値と、評価点での電波の受信に想定する受信アンテナ利得と、を用いて、評価点における受信レベル推定値を算出する。伝搬推定部101で算出された、評価点における受信レベル推定値は、実測補正部103へと出力される。
総合エリア属性別信頼度算出部102は、上述した評価点情報および送信点情報に加え、測定データを入力する。
ここで、測定データは、受信レベル実測値、測定点情報(測定位置、測定アンテナ高、測定アンテナ利得等)、あるいは、測定点のエリア属性情報等を含む。測定位置は、例えば、緯度・経度で表される座標情報とすることができる。エリア属性情報は、あらかじめ測定点毎に手動で決定しておくことも可能であるし、地図データ(例えば、緯度・経度毎の地物高を保持するデータとする)を用いて決定することも可能である。なお、測定データは、上記全ての情報を常に含んでいる必要はない。
なお、通常は、電波の測定によって電波固有の識別符号(例えば、送信局(基地局)毎に割り当てられたスクランブリングコード等)の情報を得ることができるが、実測補正を行うためには、さらにその識別符号がどの送信局から送信されたかを把握する必要がある。例えば、送信局の情報として、使用する識別符号を表す送信局データを保持していれば、測定データがどの送信局の信号の受信レベルを表すかを特定できるようになる。従って、本実施形態では、説明を明りょうにするために、以上のように、識別符号と送信局データとを用いて、電波伝搬特性推定の対象である送信局と測定データとが既に関連付けられているものとし、実測補正には当該測定データを用いることとする。
総合エリア属性別信頼度算出部102は、伝搬推定部101で算出された、評価点における受信レベル推定値を、走行試験等により取得した受信レベル実測値を用いて実測補正する際に用いる、受信レベル実測値の信頼度(以下、「測定信頼度」)を算出する。測定信頼度は、本質的には、送信点からの送信波の、評価点における伝搬損失と測定点における伝搬損失の関係(例えば、第2の実施形態以降で説明するパスロス誤差の相関等)を表すものである。そして、この測定信頼度は、受信レベル実測値の評価点に対する有効性を示す重み情報となる。測定点と評価点と送信点との位置関係(例えば、各点の座標情報等)を入力とし、この位置関係に応じて測定信頼度を出力する関数を、以下、測定信頼度関数と呼ぶ。
総合エリア属性別信頼度算出部102は、測定信頼度関数を決定する。総合エリア属性別信頼度算出部102は、各点(評価点と送信点と測定点)の位置関係、およびエリア属性情報に基づいて総合的に判断した「総合エリア属性情報」に基づいて関数の所定の計算パラメータを決定する(換言すれば、測定信頼度関数を決定する)。総合エリア属性別信頼度算出部102は、総合エリア属性情報に応じて決定した測定信頼度関数から出力された測定信頼度を、実測補正部103へ出力する。
図2は、第1の実施形態における、総合エリア属性情報と測定信頼度関数との関係の一例を示す表である。ここでは、総合エリア属性情報として、エリア環境を示す都市部、郊外部、山間部を用いており、それぞれに対して測定信頼度関数f1、f2、f3が割り当てられている場合を例に挙げる。ここで、測定信頼度関数f1、f2、f3は、いずれも、各点の位置関係に応じた測定信頼度(評価点における伝搬損失と測定点における伝搬損失の関係)を算出する関数であるが、上述したとおり、計算パラメータが異なるため、同一の位置関係が入力された場合であっても、異なる計算結果(すなわち、測定信頼度)が出力される。例えば、総合エリア属性情報が郊外部である場合、総合エリア属性別信頼度算出部102は、測定信頼度関数f2を選択する。
ここで、総合エリア属性情報の決定方法について、以下に幾つか例を挙げる。
例えば、総合エリア属性別信頼度算出部102は、複数点(例えば、測定点と評価点)の各エリア属性情報を総合的に判断した結果を、「総合エリア属性情報」とすることができる。
あるいは、総合エリア属性別信頼度算出部102は、各点のうちのいずれか1つの点におけるエリア属性を、「総合エリア属性情報」とすることができる。例えば、仮に、測定点のエリア属性情報以外は考慮する必要が無いと判断した場合、測定点のエリア属性情報のみを使用する(すなわち、測定点のエリア属性情報を総合エリア属性情報とする)こともできる。この場合、評価点および送信点の各エリア属性情報は不要であるから、評価点情報および送信点情報において、各点のエリア属性情報を含ませる必要はない。もちろん、評価点のエリア属性情報のみ、あるいは、送信点のエリア属性情報のみを、総合エリア属性情報とすることもできる。
実測補正部103は、伝搬推定部101から入力された、評価点における受信レベル推定値と、総合エリア属性別信頼度算出部102から入力された測定信頼度と、受信レベル実測値とを用いて、受信レベル推定値を実測補正する。この際の実測補正方法は、測定信頼度が高い場合には、受信レベル推定値に対して受信レベル実測値を大きく反映させる補正を行い、測定信頼度が低い場合には、受信レベル実測値を小さく反映させる補正を行う。こうして得られた実測補正後の受信レベルは外部へ出力される。
以上説明した第1の実施形態によれば、評価点における受信レベル推定値を実測補正する際に、実測補正に用いる受信レベル実測値の有効性を、測定点と評価点と送信点の位置関係に応じた測定信頼度として決定するため、効果的な実測補正が可能になる。
しかも、測定信頼度は、評価点と送信点と測定点のうちの少なくとも1つ以上の点のエリア属性情報を考慮して決定されるため、周囲環境に応じた適切な信頼度の設定が可能となり、高精度な実測補正が可能になる。
なお、以上説明した第1の実施形態では、エリア属性情報としてエリア環境(都市部、郊外部、山間部)を用いたが、エリア属性情報はこれに限定されるものではない。その他のエリア属性情報を用いることも可能である。
[第2の実施形態]
図3は、本発明の第2の実施形態における評価エリア10を説明する図であり、特に、評価エリア10における測定−評価間距離を説明する図である。評価エリア10内には、電波伝搬特性の推定対象である電波を送出する送信局11の位置である送信点12と、受信レベルを推定する対象点である評価点13と、実測補正で用いる受信レベル実測値を測定した点である測定点14とが存在する。ここで、測定点14から評価点13までの距離を測定−評価間距離dとする。
本実施形態では、評価点13における受信レベルの推定を目的とし、その手段として、伝搬推定式を用いて算出した評価点13の受信レベル推定値を、測定点14において測定した受信レベル実測値を用いて実測補正する電波伝搬特性推定システムについて説明する。
図4は、本実施形態に係る電波伝搬特性推定システム200の構成例を示すブロック図である。電波伝搬特性推定システム200は、伝搬推定部202と、測定データ決定部203と、測定データ記憶部204と、信頼度算出部205と、総合エリア属性別パラメータ記憶部206と、実測補正部207と、を備える。
電波伝搬特性推定システム200には、評価エリア10における任意の点であって受信レベルを推定する対象点である評価点に関する評価点情報(位置情報、想定するアンテナ高、想定するアンテナ利得等)が入力される。この評価点情報は、伝搬推定部202と、測定データ決定部203と、信頼度算出部205へと入力される。なお、本実施形態では、評価点は、例えば、図3における評価点13であるとする。
測定データ決定部203は、入力された評価点情報を基に、実測補正で用いる測定データを決定する。この測定データは、受信レベルの実測値と、測定点情報(測定位置、測定アンテナ高、測定アンテナ利得等)と、測定点のエリア属性情報とで構成される。また、測定データは、測定データ記憶部204に保持されている。測定データ決定部203は、測定データ記憶部204から測定データを取得する。例えば、複数の測定データがある場合には、入力された評価点からの距離が最も近い測定点を選ぶこと等ができる。なお、本実施形態では、測定データは、測定点14の測定データが用いられるものとする。測定データ決定部203は、取得した測定データを、伝搬推定部202と、信頼度算出部205と、実測補正部207とに出力する。
伝搬推定部202は、評価点13に関する評価点情報と、測定データ決定部203から出力された、測定点14での測定データとを入力する。伝搬推定部202は、評価点13および測定点14のそれぞれにおける受信レベル推定値を、所定の伝搬推定式を用いて算出する。
具体的には、伝搬推定部202は、評価点13と送信点12との距離を算出し、この距離における伝搬損失を、所定の伝搬推定式(例えば、奥村・秦式やITU−R P.1546モデル等の伝搬推定式)を用いて算出する。伝搬推定部202は、この伝搬損失と、送信局11の送信電力と、送信アンテナの指向性を含めたアンテナ利得と、評価点13で電波の受信に想定する受信アンテナ利得とを用いて、評価点13における受信レベル推定値を算出する。また、伝搬推定部202は、測定点14と送信点12との距離を算出し、この距離における伝搬損失を、上記伝搬推定式を用いて算出する。伝搬推定部202は、この伝搬損失と、送信局11の送信電力と、送信アンテナの指向性を含めたアンテナ利得と、測定点14での実測時における受信アンテナ利得とを用いて、測定点14における受信レベル推定値を算出する。
こうして得られた評価点13および測定点14における各受信レベル推定値は、実測補正部207へと入力される。
信頼度算出部205は、伝搬推定部202で算出された、評価点13における受信レベル推定値を、走行試験等により取得した受信レベル実測値を用いて実測補正する際に用いる、受信レベル実測値の測定信頼度を算出する。この測定信頼度の算出に関し、信頼度算出部205は、評価点13に関する評価点情報と、測定データ決定部203から出力された、測定点14での測定データとを入力する。信頼度算出部205は、評価点情報の位置情報と測定データの位置情報とに基づいて算出される、測定点14から評価点13までの測定−評価間距離(図3ではdと記載)と、総合エリア属性情報とに基づいて、測定データの評価点13に対する測定信頼度を算出する。
本実施形態で用いる測定信頼度は、評価点13における実際の受信レベルと伝搬推定式を用いて算出した受信レベル推定値との差であるパスロス誤差と、測定点14における実際の受信レベル(測定点14の場合には実測値に相当)と伝搬推定式を用いて算出した受信レベル推定値との差であるパスロス誤差との相関値であるパスロス誤差相関を用いる。このパスロス誤差相関の性質としては、例えば、パスロス誤差相関が高いとき(1に近いとき)、測定点14におけるパスロス誤差が例えば+2dBであれば、評価点13におけるパスロス誤差も+2dB程度である可能性が高くなる。反対に、パスロス誤差相関が低いとき(0に近いとき)、測定点14におけるパスロス誤差が+2dBであったからといって、評価点13におけるパスロス誤差が+2dBであるとは限らない。
このパスロス誤差相関は、測定−評価間距離dに依存する値であり、dが小さい場合には測定点14の周囲環境と評価点13の周囲環境との類似度(すなわち、伝搬損失の類似度)が高くなるため、パスロス誤差相関が高くなり、反対にdが大きい場合にはパスロス誤差相関が低くなる。本実施形態では、このパスロス誤差相関ρ(d)を式(1)の指数相関を用いて算出する。

Figure 2012100152
(式1)において、dcorrは相関距離であり、パスロス誤差相関が0.5となる場合の測定−評価間距離である。相関距離dcorrは、周囲の環境(エリア属性)に応じて決まる値である。
図5は、第2の実施形態における、総合エリア属性情報と相関距離dcorrとの関係の一例を示す表である。ここで、本実施形態では、総合エリア属性情報を、測定点14のエリア属性情報とする場合を例に挙げる。また、本実施形態では、一例として、エリア属性情報が、エリア環境(都市部、郊外部、山間部の三通り)である場合を示している。また、図5において、各エリア環境における相関距離dcorrは、都市部、郊外部、山間部でそれぞれd1、d2、d3となっている。相関距離の具体例としては、d1=150m、d2=200m、d3=300mといった値が使用される。例えば、山間部では、伝搬損失が山や土地の起伏の影響を受けるために、伝搬損失が距離に対して緩やかに変動し、結果としてパスロス誤差も距離に対して緩やかに変動する。これに対して都市部では、伝搬損失が建物の影響によって決まることが多いため、短い距離でも伝搬損失が変動しやすく、結果として、パスロス誤差も短い距離で変動しやすい。
図5に示す表は、テーブルデータとして、総合エリア属性別パラメータ記憶部206で保持されている。なお、この相関距離dcorrは、伝搬推定式によっては異なる場合があるので、複数の伝搬推定式を使用する場合には、それぞれに対応した相関距離dcorrを総合エリア属性別パラメータ記憶部206で保持すると好ましい。
信頼度算出部205は、総合エリア属性別パラメータ記憶部206から、総合エリア属性情報(本実施形態では、測定点14のエリア属性情報)に応じた適切な相関距離dcorrを取得する。この相関距離dcorrと測定−評価間距離dを用いることで、式(1)によりパスロス誤差相関ρ(d)を算出し、これを測定信頼度とする。こうして得られた測定信頼度は、実測補正部207へと出力される。
実測補正部207は、伝搬推定部202から、評価点13における受信レベル推定値(以下、Eとする)と測定点14における受信レベル推定値(以下、Eとする)を入力する。また、実測補正部207は、測定データ決定部203から測定データ(以下、このうちの受信レベル実測値をRとする)を入力し、信頼度算出部205から測定データの評価点13に対する測定信頼度(以下、wとする)を入力する。実測補正部207は、これらを用いて、伝搬推定式により求めた評価点13の受信レベル推定値Eを、(式2)によって実測補正する。

Figure 2012100152
(式2)において、Cは、評価点13における実測補正後の受信レベルを表す。(式2)は、測定点14におけるパスロス誤差(R−E)に測定信頼度wを重みとして乗じ、受信レベル推定値Eを補正するものである。こうして得られた評価点13における実測補正後の受信レベルCは、出力される。
なお、上述の説明では、(式2)における測定信頼度wを、パスロス誤差相関ρ(d)とした(すなわちw=ρ(d)とした)。この測定信頼度wに対して、さらに、測定点14における受信レベルの実測時の測定誤差を考慮に入れることも可能である。ここで、測定誤差は、測定時に含まれる熱雑音等の影響によって発生する統計誤差である。測定誤差の大きさに応じて、受信レベル実測値と受信レベル真値とのずれが大きくなるため、実測補正の精度が劣化する。測定誤差の影響を考慮に入れるためには、測定点14における受信レベル実測値の測定誤差の分散をσ とし、また、伝搬推定式のパスロス誤差の分散をσ とすれば、測定信頼度を(式3)で与えることができる。

Figure 2012100152
この(式3)では、受信レベル実測値の測定誤差とパスロス誤差との兼ね合いで測定信頼度を決定する。(式3)で定義された測定信頼度は、測定誤差がパスロス誤差に比べて十分低い場合は、パスロス誤差相関に近づき、一方、測定誤差がパスロス誤差に比べて十分高い場合は、パスロス誤差相関と比べて小さくなる。
図6は、図4に示す電波伝搬特性推定システム200の動作例を説明するためのフローチャートである。なお、以下の説明では、必要に応じて図3〜図5を参照する。
まず、電波伝搬特性を推定する評価エリア10内で受信レベルを推定する対象である評価点13の位置を入力する(ステップS10)。次に、この評価点13における受信レベルの実測補正で用いる測定点14を決定する(ステップS11)。伝搬推定部202は、評価点13および測定点14のそれぞれにおける受信レベル推定値を、所定の伝搬推定式を用いて算出する(ステップS12)。具体的には、評価点13における受信レベル推定値は、評価点13と送信点12との距離に応じた伝搬損失と、送信局11の送信電力と、送信アンテナの指向性を含めたアンテナ利得と、評価点13で電波の受信に想定する受信アンテナ利得とを用いて算出される。一方、測定点14における受信レベル推定値は、測定点14と送信点12との距離に応じた伝搬損失と、送信局11の送信電力と、送信アンテナの指向性を含めたアンテナ利得と、測定点14での実測時における受信アンテナ利得とを用いて算出される。
信頼度算出部205は、評価点13に対する測定データの測定信頼度を算出する(ステップS13)。具体的には、信頼度算出部205は、総合エリア属性情報(例えば、測定点14のエリア属性情報)に応じた相関距離dcorrと測定点14から評価点13までの測定−評価間距離dとを用いて上記(式1)により求めたパスロス誤差相関ρ(d)を、測定信頼度とする。
実測補正部207は、上述の(式2)に示すように、測定点14におけるパスロス誤差(受信レベル実測値Rと受信レベル推定値Eとの誤差)に測定信頼度w(例えば、w=パスロス誤差相関ρ(d))を乗じた値を補正値として、評価点13における受信レベル推定値Eを補正する(ステップS14)。
以上説明した第2の実施形態では、測定点から評価点までの距離に基づいて、測定点におけるパスロス誤差と評価点におけるパスロス誤差の相関であるパスロス誤差相関を算出し、これを測定信頼度とする。そして、この測定信頼度を用いて、評価点における受信レベル推定値を実測補正する。従って、測定点と評価点の位置関係に応じた効果的な実測補正が可能になる。
ここで、前述したとおり、伝搬環境(伝搬損失)の類似性は、距離が同一であっても周辺環境(例えば、都市部や山間部等を指す)に応じて変化する。これに対応して、以上説明した第2の実施形態において、測定信頼度としたパスロス誤差相関(直接的には、相関距離dcorr)は、総合エリア属性情報に応じて決定される。総合エリア属性情報は、都市部、郊外部、山間部といった周辺環境を示すものである。従って、本実施形態の場合、周辺環境に応じた適切な測定信頼度(本実施形態の場合、パスロス誤差相関)を設定することができ、結果として、実測補正の精度を向上させることが可能となる。
さらに、測定信頼度に、パスロス誤差相関だけでなく、受信レベル実測時の測定誤差の分散とパスロス誤差の分散とを考慮することで、測定誤差の影響を軽減させた実測補正が可能となる。
なお、以上説明した第2の実施形態では、総合エリア属性情報が測定点のエリア属性情報である場合を例に挙げたが、これに限定されることはない。例えば、複数点(例えば、測定点と評価点)の各エリア属性情報を総合的に判断した結果を、「総合エリア属性情報」とすることができる。もちろん、評価点のエリア属性情報のみ、あるいは、送信点のエリア属性情報のみを、総合エリア属性情報とすることもできる。
また、以上説明した第2の実施形態では、エリア属性情報としてエリア環境(都市部、郊外部、山間部)を用いたが、エリア属性情報はこれに限定されるものではない。その他のエリア属性情報を用いることも可能である。
[第3の実施形態]
測定信頼度として、第2の実施形態ではパスロス誤差相関を用いるのに対して、第3の実施形態では以下で説明するパスロス誤差角度相関を用いる。
図7は、本発明の第3の実施形態における評価エリア10を説明する図であり、特に、評価エリア10における測定−評価間角度θを説明する図である。図7において、図3と同様に、評価エリア10には、送信局11(送信点12)と、評価点13と、測定点14とが存在する。図7において、測定−評価間角度θは、送信点12と評価点13を結ぶ線分と、送信点12と測定点14を結ぶ線分との間の角度である。
また、第3の実施形態では、この測定−評価間角度θをパラメータとした測定信頼度を使用する点のみが第2の実施形態と異なる。従って、第3の実施形態の電波伝搬特性推定システムにおいて、上記違いに関連する構成(具体的には、図4に示す、信頼度算出部205および総合エリア属性別パラメータ記憶部206)以外の構成については、第2の実施形態の電波伝搬特性推定システム200と同一である。従って、以下では、説明を明りょうにするため、基本的には、信頼度算出部205と総合エリア属性別パラメータ記憶部206についてのみ説明する。
信頼度算出部205では、測定−評価間角度θをパラメータとしたパスロス誤差角度相関ρ(θ)を測定信頼度として算出する。このパスロス誤差角度相関ρ(θ)は、評価点13におけるパスロス誤差と、測定−評価間角度θである測定点14におけるパスロス誤差との相関を表す。パスロス誤差角度相関は、測定−評価間角度θが小さい場合には、測定点14の周囲環境と評価点13の周囲環境との類似度が高くなるため高くなり、反対に、測定−評価間角度θが大きい場合には、低くなるという性質を持つ。
図8は、第3の実施形態における、総合エリア属性情報と各パスロス誤差角度相関の関数との関係の一例を示す表である。本実施形態では、総合エリア属性情報を、測定点14のエリア属性情報とする場合を例に挙げる。また、本実施形態では、エリア属性情報として、エリア環境(都市部、郊外部、山間部の三通り)を仮定している。そして、それぞれのパスロス誤差角度相関の関数がρ1(θ)、ρ2(θ)、ρ3(θ)として示されている。
図9は、図8における各パスロス誤差角度相関の関数ρ1(θ)、ρ2(θ)、ρ3(θ)をグラフ化したものである(換言すれば、図9に示す各特性を関数化したものが、関数ρ1(θ)、ρ2(θ)、ρ3(θ)であるとも言える)。パスロス誤差角度相関は、基本的には、測定−評価間角度θ=0°のときに最大値1をとり、測定−評価間角度θが大きくなるにつれて減少する。なお、山間部(関数ρ3(θ)の場合)におけるパスロス誤差角度相関は、パスロス誤差が山や地形の起伏の影響を受け且つパスロス誤差角度相関がこのパスロス誤差に依存するために、測定−評価間角度θに対して緩やかに変動する。これに対し、都市部(関数ρ1(θ)の場合)では、パスロス誤差が建物に起因した影響であることが多いため、測定−評価間角度θが山間部と同一であっても、パスロス誤差角度相関が下がりやすい。郊外部(関数ρ2(θ)の場合)におけるパスロス誤差角度相関は、概略的には、両者の中間の変動を見せる。
総合エリア属性別パラメータ記憶部206は、上記の総合エリア属性情報に応じたパスロス誤差角度相関関数を格納している。信頼度算出部205は、総合エリア属性情報(本実施形態の場合は、一例として、測定点14のエリア属性情報とする)に応じたパスロス誤差角度相関関数(例えば、図8および図9に示す、ρ1(θ)、ρ2(θ)、ρ3(θ)のいずれか)を総合エリア属性別パラメータ記憶部206から取得する。信頼度算出部205は、測定点14の位置情報と評価点13の位置情報と送信点12の位置情報から、測定−評価間角度θを算出し、取得したパスロス誤差角度相関関数を用いて、パスロス誤差角度相関を算出する。実測補正部207は、こうして算出されたパスロス誤差角度相関を測定信頼度として、実測補正を行う。
以上説明した第3の実施形態では、送信点と評価点を結ぶ線分と、送信点と測定点を結ぶ線分と間の角度である測定−評価間角度をパラメータとしたパスロス誤差角度相関を、評価点における受信レベル推定値を実測補正する際の測定信頼度とする。従って、測定点と評価点との位置関係に応じた効果的な実測補正が可能になる。
また、以上説明した第3の実施形態において、測定信頼度としたパスロス誤差角度相関は、総合エリア属性情報(例えば、測定点のエリア属性情報)に応じて決定される。従って、周囲環境に応じた適切な信頼度の設定が可能となり、実測補正の精度を向上させることが可能になる。
なお、以上説明した第3の実施形態では、測定信頼度にパスロス誤差角度相関を単独で用いたが、さらに、第2の実施形態における測定−評価間距離に応じたパスロス誤差相関を考慮することも可能である。
また、第2の実施形態と同様に、測定信頼度に、パスロス誤差角度相関だけでなく、受信レベル実測時の測定誤差の分散とパスロス誤差の分散とを考慮することも可能である。
[第4の実施形態]
第4の実施形態の特徴は、第2および第3の実施形態と異なり、総合エリア属性情報としてエリア環境(都市部、郊外部、山間部等)に加え、さらに、以下で説明する道路番号(あるいは、該道路番号から導き出される道路判定情報)を用いる点にある。
図10は、本発明の第4の実施形態の概念図であり、詳細には、道路上における各測定点と評価点との関係の一例を示す図である。図10において、測定点20は評価点13と異なる道路上にあり、一方、測定点21は評価点13と同一道路上にあると判断する。第4の実施形態では、測定点21および評価点13は、各点の位置における道路を特定する道路番号をエリア属性情報として保持し、この道路番号を比較することで、同一道路上であるか否かについての情報(道路判定情報)を求め、総合エリア属性情報として用いる。ここで、「同一道路上」とは、測定点の道路と評価点の道路との角度差が十分に小さく、すなわち、直線状または緩やかなカーブと見なせる場合を指すとする。加えて、「同一道路上」には、測定点の道路と評価点の道路とが十分に距離の近い2本の平行な道路である場合も含むことにする。反対に、以上のような条件を満たさない2本の道路については、異なる道路上という表現を用いることにする。
上述したように、本実施形態と第2の実施形態の違いは、エリア属性情報に道路番号(あるいは、該道路番号から導き出される道路判定情報)を含む点、および、これに対応した総合エリア属性情報の内容が異なる点にある。従って、第4の実施形態の電波伝搬特性推定システムにおいて、上記違いに関連する構成(具体的には、図4に示す、信頼度算出部205と総合エリア属性別パラメータ記憶部206)以外の構成については、第2の実施形態の電波伝搬特性推定システム200と同一である。従って、以下では、説明を明りょうにする目的で、基本的には、信頼度算出部205と総合エリア属性別パラメータ記憶部206についてのみ説明する。
図11は、第4の実施形態における総合エリア属性別パラメータ記憶部206で保持される、総合エリア属性情報別のパスロス誤差相関での相関距離の一例を示す表である。図11に示すように、総合エリア属性情報として、エリア環境(都市部、郊外部、山間部等)と、測定点と評価点が同一道路上か否かを示す道路判定情報が示されている。すなわち、図11において、各総合エリア属性情報の全ての場合(エリア環境と道路判定情報の全ての組み合わせ毎に)に、異なる相関距離(d1_1、d1_2、d2_1、d2_2、d3_1、d3_2)が割り当てられている。ここで、同一道路上の2点は、異なる道路上の2点と比べて、伝搬環境が類似するために、パスロス誤差相関の相関距離は長くなる場合が多い(例えば、d1_1>d1_2、d2_1>d2_2、d3_1>d3_2となる)。なお、本実施形態において、図11におけるエリア環境は、複数点(例えば、図10に示す、測定点21と評価点13)の各エリア環境を総合的に判断した結果であるものとする。もちろん、図11におけるエリア環境は、測定点21のみのエリア環境であってもよく、あるいは、評価点13のみのエリア環境であってもよい。
信頼度算出部205は、例えば、地図データを用いる等して測定点と評価点が同一道路上か否かを判断(すなわち、道路判定情報を求める)するとともに、測定点21と評価点13の各エリア環境を総合的に判断する(すなわち、エリア環境を求める)。ここで、道路判定情報を求める方法としては、例えば、地図データ上の各道路に特定の番号を割り当て、さらに測定点21や評価点13に最も近い道路を求めて、それらの道路番号を各点におけるエリア属性情報として保持する。次に、測定点21および評価点13の道路番号を比較し、「同一道路上」であるか否かを判断することで、道路判定情報を求めることができる。信頼度算出部205は、求めた総合エリア属性情報に合致する相関距離dcorrを、総合エリア属性別パラメータ記憶部206に保持されるテーブルデータ(図11の表データ)から取得する。
以上説明した第4の実施形態では、パスロス誤差相関を測定信頼度として実測補正を行う際に、周囲のエリア環境だけでなく、測定点と評価点が同一道路上である場合と異なる道路上である場合のそれぞれに応じた相関距離を用意する。従って、測定点と評価点が同一道路上にある場合に、相関距離を大きくすることで、同一道路上では伝搬環境が類似するという現実の環境により即したパスロス誤差相関の算出が可能になる。反対に、測定点と評価点が異なる道路上にある場合に、同一道路上の場合と比べて相関距離を小さくすることで、同一道路上と比べて伝搬環境の類似性が下がるという現実の環境により即したパスロス誤差相関の算出が可能になる。すなわち、第4の実施形態の場合、より現実環境に適した測定信頼度を用いることができるため、効果的な実測補正が可能になる。
なお、第4の実施形態では、道路判定情報(道路番号でも可)に併せたパスロス誤差相関の相関距離を用意したが、第3の実施形態と同様に、道路判定情報(道路番号でも可)に併せたパスロス誤差角度相関関数を用意することも可能である。
[第5の実施形態]
第5の実施形態では、第2〜4の実施形態と異なり、複数の測定点での測定データを用いて評価点における受信レベル推定値を実測補正する。
図12は、第5の実施形態における評価エリア10を説明する図であり、詳細には、評価エリア10内に複数の測定点が存在する状態を示す図である。図12から諒解されるように、評価エリア10内には、送信局11(送信点12)と評価点13に加え、複数の測定点(測定点#1(測定点31)、測定点#2(測定点32))が図示されている。第5の実施形態では、第2の実施形態のように、評価点と測定点間の距離に応じたパスロス誤差相関に応じて測定信頼度を算出するが、さらに、図12に図示された複数の測定点の間のパスロス誤差相関も考慮した実測補正を行う。
複数の測定点を用いた実測補正を行うことに基因して、本実施形態の電波伝搬特性推定システムは、第2の実施形態における電波伝搬特性推定システム200に対して以下の点で異なる。本実施形態の電波伝搬特性推定システムを構成する測定データ決定部203が「複数の測定点」を出力する点が、第2の実施形態と異なる。さらに、本実施形態の電波伝搬特性推定システムを構成する伝搬推定部202が「複数の測定点」に対し伝搬推定を用いて受信レベルを推定する点が、第2の実施形態と異なる。ただし、測定データ決定部203および伝搬推定部202の動作については、単一の測定点に対する処理を複数の測定点に対して行えばよく、基本的な動作は第2の実施形態と同じである。従って、これらの説明については省略する。一方、複数の測定点に対して設定する測定信頼度および実測補正の方法は、第2の実施形態と異なるので、基本的には、これらの点についてのみ以下で説明する。
まず、信頼度算出部204は、評価点13に対する複数の各測定点の測定信頼度を算出する。測定点数をKとした場合の実測補正を考え、各測定点#k(kは1以上K以下の整数)における測定信頼度wとし、全測定点の測定信頼度を(式4)のwとして表す。

Figure 2012100152
信頼度算出部204では、第2の実施形態と同様に、エリア属性情報(例えば、エリア環境(例えば、都市部、郊外部、山間部の三通り))に対応したパスロス誤差相関の相関距離を基に、パスロス誤差相関を算出する。このパスロス誤差相関は、総合エリア属性別パラメータ記憶部206に保持されている。(式4)の測定信頼度は、評価点と測定点とのパスロス誤差相関に加え、各測定点間のパスロス誤差相関も考慮して決定される。
ここで、測定点間のパスロス誤差相関が実測補正に対して与える影響を考えると、測定点間のパスロス誤差相関が十分に低い場合には、複数の測定点における受信レベル実測値は独立して変動するため、ダイバーシチ効果が得られる。従って、測定点間のパスロス誤差相関が低い場合に、高い値をとる測定信頼度を設定することで、ダイバーシチ効果を向上させることで実測補正の精度を向上できる。
このような測定信頼度は、評価点(便宜的にインデックスを#0とする)と測定点#kとのパスロス誤差相関をρ0、kとし、測定点#kと測定点#iとのパスロス誤差相関をρk、iとして、次の(式5)で算出できる。

Figure 2012100152
(式5)において、ρは評価点と測定点#kとのパスロス誤差相関ρ0、kを要素としたベクトルであり、次の(式6)で表される。

Figure 2012100152
また、(式5)において、Pは対角成分が1で、非対角成分は測定点間のパスロス誤差相関を要素とする行列であり、次の式(7)で表される。

Figure 2012100152
なお、(式7)の非対角成分である第(k,i)要素ρk、iは、第(i,k)要素ρi、kと同一である。また、(式6)、(式7)の各パスロス誤差相関は、総合エリア属性別パラメータ記憶部206から取得した総合エリア属性に応じた相関距離dcorrと、2点間の距離(評価点−測定点間の距離、または、測定点−測定点間の距離)dを用いて、(式1)により算出する。ただし、測定点間のパスロス誤差相関を算出する際に、2つの測定点のエリア属性情報が異なる場合には、どちらか一方の測定点でのエリア属性情報に応じた相関距離を用いるか、異なるエリア属性情報に対応した相関距離の平均値を用いる。
(式5)の測定信頼度wは、測定点間のパスロス誤差相関が低い場合には、測定信頼度を大きくし、反対に、測定点間のパスロス誤差相関が高い場合には測定信頼度を小さくする。このようにして算出された測定信頼度wは、実測補正部へ入力される。
次に、実測補正部では、測定データ決定部からK個の測定データ(測定点#kの受信レベル実測値をRM、kとする)が、信頼度算出部から各測定データの測定信頼度(測定点#kの測定信頼度はwkである)が、伝搬推定部からは伝搬推定式を用いて算出された各測定点における受信レベル推定値(測定点#kの受信レベル推定値をEM、kとする)と、伝搬推定式を用いて算出された評価点の受信レベル推定値(Eとする)とが入力される。これらの入力値を用いて、実測補正部では、(式8)で実測補正を行う。

Figure 2012100152
(式8)において、Cは実測補正後の受信レベルを表す。
(式8)は、測定点#kにおけるパスロス誤差(RM、k−EM、k)に、各測定点の測定信頼度wを重みとして乗じ、受信レベル推定値Eを補正したものである。こうして得られた評価点における実測補正後の受信レベルCは、出力される。
以上説明した第5の実施形態では、複数の測定データを使用し、評価点と各測定点との間のパスロス誤差相関と、各測定点間のパスロス誤差相関を用いて、各測定点の評価点に対する測定信頼度を算出し、実測補正を行う。この際に、評価点と各測定点との間のパスロス誤差相関が高い場合に測定信頼度を高くするだけでなく、測定点間のパスロス誤差相関が低い場合にも測定信頼度が高くなるよう、測定信頼度を決定している。
第5の実施形態によれば、測定点間のパスロス誤差相関が低い場合には、受信レベル実測値の相関が低くなるために、ダイバーシチ効果を活用できるため、実測補正の精度を向上できる。
なお、第5の実施形態では、2点間の距離に応じたパスロス誤差相関を用いたが、第3の実施形態と同様に、パスロス誤差角度相関を用いることも可能である。
また、第5の実施形態で用いるエリア属性情報は、エリア環境だけでなく、第4の実施形態と同様に道路判定情報(あるいは、道路番号)を併せて使用することも可能である。
さらに、第5の実施形態における測定信頼度においても、第2の実施形態と同様に測定点における受信レベル実測値の測定誤差を考慮することができる。受信レベル実測値の測定誤差を考慮した測定信頼度は、測定点#kにおける測定誤差の分散をσM、k とすれば、(式7)の代わりに、以下に示す(式9)を用いて、(式5)の測定信頼度を算出する。

Figure 2012100152
ここで、σ は、伝搬推定式のパスロス誤差の分散とする。(式7)の代わりに、(式9)を用いることで、測定誤差の大きい測定点に対応した測定信頼度の値を小さくし、反対に、測定誤差の小さい測定点に対応した測定信頼度を大きくするようにできるため、測定誤差に応じた測定信頼度を設定可能になる。
[第6の実施形態]
上述の第1〜第5の実施形態では、実測補正を用いるシステムを電波伝搬特性推定システムとした。一方で、このような実測補正方法は、既存無線システムの周波数を共用して通信を行うコグニティブ無線システムにおいても有用である。コグニティブ無線システムでは、自身の送信による既存無線システムへの干渉が既存サービスに影響を与えないよう、既存無線システムにどの程度の干渉を与えるか推定する必要がある。本実施の形態は、干渉を把握するために、第1〜第5の実施形態として説明した実測補正方法を使用するコグニティブ無線システムについて説明するものである。
図13は、本発明の第6の実施形態の無線通信システムの構成図である。本無線通信システムは、コグニティブ無線システム(以降では、セカンダリシステムとする)と既存無線システム(以降では、プライマリシステムとする)を備える。プライマリシステムは、カバレッジ52を有するプライマリ送信局50と、プライマリ受信局51と、を備える。セカンダリシステムは、セカンダリ送信局55と、モニタリング局56と、を備える。
図13において、プライマリシステムと同一の周波数帯域で送出したセカンダリ送信局55の電波が、プライマリ受信局51への干渉となっている。ここで、プライマリ受信局51は、カバレッジ52のエリア端に位置し、カバレッジ52内のプライマリ受信局の中で、セカンダリ送信局55からの干渉レベルが最も高いプライマリ受信局とする。セカンダリシステムでは、このプライマリ受信局51への与干渉量を把握することで、プライマリシステムの既存サービスに影響を与えないよう、与干渉レベルを許容値以下にする等の制御を行う。
モニタリング局56は、プライマリ受信局51の周辺に位置するセカンダリシステムの受信局の一つであり、セカンダリ送信局55から送出されプライマリ受信局51へ干渉となる電波を測定する。この測定データを用いることで、プライマリ受信局51への与干渉レベルを精度良く実測補正する。
すなわち、本実施形態において、受信レベルの推定対象である評価点はプライマリ受信局51の位置、測定点はモニタリング局56の位置であり、実測補正に使用する受信レベル実測値は、モニタリング局56が測定した与干渉レベルとなる。
図14は、図13に示すセカンダリシステムの構成例を示すブロック図である。セカンダリシステムは、セカンダリ送信局55と、モニタリング局56と、コアネットワーク57と、地理データベース58と、スペクトルマネージャ59と、を含む。
コアネットワーク57は、セカンダリ送信局55、モニタリング局56、地理データベース58、スペクトルマネージャ59との間で通信をするためのネットワークである。
地理データベース58は、プライマリシステムに関する情報(送信電力や送信アンテナ利得、カバレッジ、受信アンテナ高や受信アンテナ利得)を保持する。地理データベース58に保持されたプライマリシステムに関する情報は、コアネットワーク57を経由して、セカンダリ送信局55やスペクトルマネージャ59で利用される。
スペクトルマネージャ59は、プライマリシステムの既存サービスに影響を与えないように、セカンダリ送信局55からの与干渉レベルの制御や、使用する周波数帯域の制御を行う。また、スペクトルマネージャ59は、与干渉レベル制御を行うために、セカンダリ送信局55からプライマリ受信局51への与干渉レベルを算出する。まず、スペクトルマネージャ59は、地理データベース58からプライマリシステムに関する情報を取得して、セカンダリ送信局55からの干渉が最大となる位置(すなわち、プライマリ受信局51の位置)を特定する。次いで、スペクトルマネージャ59は、所定の伝搬推定式により、プライマリ受信局51の位置における受信レベル推定値を算出する。さらに、スペクトルマネージャ59は、各点の位置関係およびエリア属性情報に応じて測定信頼度を決定する。そして、スペクトルマネージャ59は、モニタリング局56における与干渉レベル実測値と上記測定信頼度を用いて上記受信レベル推定値を実測補正し、与干渉レベルを算出する。ここで算出された与干渉レベルは、セカンダリ送信局55へ送られる。セカンダリ送信局55は、例えば、与干渉レベルが許容値以下となるような送信制御を行う。これにより、セカンダリシステムのサービスがプライマリシステムの既存サービスに影響を与えることを回避することができる。
図15は、図14に示すスペクトルマネージャ59の動作例(主に、与干渉レベル算出に関する動作例)を説明するためのフローチャートである。
まず、スペクトルマネージャ59は、カバレッジ52内で与干渉レベルが最大となるプライマリ受信局51の位置(すなわち、「評価点」)を特定する(ステップS20)。
次に、実測補正に使用する測定データを取得するために、スペクトルマネージャ59は、モニタリング局56(プライマリ受信局51の周辺に位置するセカンダリシステムの受信局であり、その位置を「測定点」とする)に対して、セカンダリ送信局55の送出した電波を測定するモニタリング指示を送信する(ステップS21)。ここで、測定データは、与干渉レベル実測値(モニタリング局56におけるモニタリング結果)と、測定点情報(モニタリング局56の位置、測定アンテナ高、測定アンテナ利得等)と、測定点のエリア属性とが関連付けられた情報である。
続いて、スペクトルマネージャ59は、モニタリング局56が与干渉レベルを測定した後に、モニタリング局56から測定データを受信する(ステップS22)。
スペクトルマネージャ59は、所定の伝搬推定式を用いて、セカンダリ送信局55からプライマリ受信局51への伝搬損失を算出する。そして、スペクトルマネージャ59は、この伝搬損失と、セカンダリ送信局55の送信電力および送信アンテナ利得と、プライマリ受信局51の受信アンテナ利得とを用いて、プライマリ受信局51への与干渉レベル推定値(すなわち、第1〜第5の実施形態における「評価点の受信レベル推定値」に相当)を算出する(ステップS23)。
そして、スペクトルマネージャ59は、プライマリ受信局51とセカンダリ送信局55とモニタリング局56の位置関係およびエリア属性情報に基づいて測定信頼度を算出し、測定信頼度に応じて、与干渉レベル実測値を用いた与干渉レベル推定値の実測補正を行う(ステップS24)。
すなわち、スペクトルマネージャ59は、第1〜第5の実施形態における電波伝搬特性推定システムの実測補正に関する機能を備え、実測補正を用いてプライマリ受信局51への与干渉レベルの推定値を補正する。
以上説明した第6の実施形態によれば、既存無線システムと周波数帯域を共用して通信を行うコグニティブ無線システムにおいて、各点の位置関係や周囲環境に依ることなく、与干渉制御を高精度に行うことができる。なぜならば、与干渉制御の基礎となる与干渉レベルは、測定点(モニタリング局56の位置)と評価点(プライマリ受信局51の位置)と送信点(セカンダリ送信局55)の位置関係およびエリア属性情報に応じた測定信頼度を考慮した実測補正により算出されるからである。
なお、上述のエリア属性情報は、少なくとも2つ以上の点のエリア属性情報を総合的に判断した結果、あるいは、各点いずれかのエリア属性情報とすることができる。
また、以上説明した第6の実施形態では、スペクトルマネージャ59において、伝搬推定式を用いた与干渉レベル推定と、与干渉レベルの実測値を用いた実測補正を行ったが、これらはスペクトルマネージャ以外の装置においても行うことが可能である。例えば、セカンダリ送信局が与干渉レベル推定と実測補正を行ってもよい。
また、以上説明した第6の実施形態では、与干渉レベルの実測値を用いた実測補正を対象としたが、モニタリング局56においてプライマリ送信局50から送出されプライマリ受信局51で受信される信号(以降では、プライマリ信号とする)の電波を測定することも可能である。この場合には、スペクトルマネージャ59において、伝搬推定式を用いてプライマリ受信局51で受信されるプライマリ信号の受信レベルを推定し、モニタリング局56の測定で得たプライマリ信号の実測値を用いて実測補正することで、プライマリシステムのカバレッジ52を正確に推定することが可能になる。また、スペクトルマネージャ59が、与干渉レベルに関する実測補正と、プライマリ信号に関する実測補正との両方を行うことで、プライマリ受信局51における搬送波対干渉電力比を算出し、与干渉レベルの制御に用いてもよい。
また、以上説明した第6の実施形態において、第2〜第5の実施形態を適用することができる。
以上を纏めると、説明した第1〜6の実施形態を用いれば、評価点における受信レベルの推定値を実測補正する際に、実測補正に用いる測定データの有効性を、測定点と評価点と送信点との位置関係に応じた測定信頼度として決定するため、実測補正の精度を高めることが可能になる。
しかも、第1〜第6の実施形態において、測定信頼度は、エリア属性情報(少なくとも2つ以上の点のエリア属性情報を総合的に判断した結果、あるいは、各点のエリア属性情報)に応じて決定されるため、周囲環境に応じた適切な信頼度の設定が可能となり、精度を劣化させない実測補正が可能になる。
尚、以上説明した第1〜6の実施形態は、所定のハードウェア、例えば、回路として具現化することもできる。
また、以上説明した第1〜6の実施形態は、制御プログラムに基づいて図示しないコンピュータ回路(例えば、CPU(Central Processing Unit))によって制御され、動作するようにすることができる。その場合、これらの制御プログラムは、例えば、装置またはシステム内部の記憶媒体(例えば、ROM(Read Onl
y Memory)やハードディスク等)、あるいは、外部の記憶媒体(例えば、リムーバブルメディアやリムーバブルディスク等)に記憶され、上記コンピュータ回路によって読み出され実行される。
10 評価エリア
11 送信局
12 送信点
13 評価点
14、20、21、31、32 測定点
50 プライマリ送信局
51 プライマリ受信局
52 カバレッジ
55 セカンダリ送信局
56 モニタリング局
57 コアネットワーク
58 地理データベース
59 スペクトルマネージャ
100、200 電波伝搬特性推定システム
101 伝搬推定部
102 総合エリア属性別信頼度算出部
103 実測補正部
202 伝搬推定部
203 測定データ決定部
204 測定データ記憶部
205 信頼度算出部
206 総合エリア属性別パラメータ記憶部
207 実測補正部

Claims (17)

  1. 電波伝搬特性を推定する評価エリア内の任意の評価点において、送信局のある送信点から送出された電波の受信レベル推定値を、測定点で測定した受信レベル実測値を用いて実測補正するシステムであって、
    所定の伝搬推定式を用いて前記評価点における受信レベル推定値を算出する伝搬推定部と、
    前記送信点から送出された電波の、前記評価点における伝搬損失と前記測定点における伝搬損失の関係を示す信頼度に基づいて、前記受信レベル推定値を実測補正する実測補正部と、
    前記評価点と前記送信点と前記測定点の位置関係およびエリア属性情報に基づき、前記信頼度を算出するエリア属性別信頼度算出部と
    を備えることを特徴とする電波伝搬特性推定システム。
  2. 前記エリア属性情報は、前記評価点と前記送信点と測定点のうちの少なくとも1つの点の周辺のエリア環境であることを特徴とする請求項1記載の電波伝搬特性推定システム。
  3. 前記エリア属性情報は、前記測定点と前記評価点の位置する道路番号であって、前記測定点と前記評価点が同一道路上に位置するか否かに応じて前記信頼度を算出することを特徴とする請求項1または2記載の電波伝搬特性推定システム。
  4. 前記位置関係は、前記評価点と前記測定点との間の距離であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の電波伝搬特性推定システム。
  5. 前記位置関係は、前記送信点と前記評価点を結ぶ線分と、前記送信点と前記測定点を結ぶ線分とのなす角度であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の電波伝搬特性推定システム。
  6. 前記信頼度は、前記評価点におけるパスロス誤差と前記測定点におけるパスロス誤差との相関であるパスロス誤差相関を使用することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の電波伝搬特性推定システム。
  7. 前記信頼度は、前記パスロス誤差相関に加えて、受信レベル実測時の測定誤差の分散とパスロス誤差の分散とを用いて決定されることを特徴とする請求項6に記載の電波伝搬特性推定システム。
  8. 前記信頼度は、さらに、前記測定点におけるパスロス誤差と別な測定点におけるパスロス誤差とのパスロス誤差相関に応じて決定されることを特徴とする請求項6または7記載の電波伝搬特性推定システム。
  9. 前記伝搬推定部は、前記測定点の受信レベル推定値を算出し、前記実測補正部は、該受信レベル推定値と前記受信レベル実測値との差に対して前記信頼度を乗じた値を補正値として、前記評価点の受信レベル推定値を補正することを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の電波伝搬特性推定システム。
  10. 電波伝搬特性を推定する評価エリア内の任意の評価点において、送信局のある送信点から送出された電波の受信レベル推定値を、測定点で測定した受信レベル実測値を用いて実測補正するシステムであって、
    所定の伝搬推定式を用いて前記評価点における受信レベル推定値を算出する伝搬推定部と、
    前記送信点から送出された電波の、前記評価点における伝搬損失と前記測定点における伝搬損失の関係を示す信頼度に基づいて、前記受信レベル推定値を実測補正する実測補正部と、
    前記評価点と前記測定点との間の距離と、前記評価点におけるパスロス誤差と前記測定点におけるパスロス誤差の間の相関距離と、の関係に基づき、前記信頼度を算出する信頼度算出部と、
    を備えることを特徴とする電波伝搬特性推定システム。
  11. 前記評価点におけるパスロス誤差と前記測定点におけるパスロス誤差との相関であるパスロス誤差相関を、前記評価点と前記測定点との間の距離および前記相関距離を用いて算出し、該算出結果を前記信頼度に用いることを特徴とする請求項10に記載の電波伝搬特性推定システム。
  12. 前記信頼度は、前記パスロス誤差相関に加えて、受信レベル実測時の測定誤差の分散とパスロス誤差の分散とを用いて決定されることを特徴とする請求項11に記載の電波伝搬特性推定システム。
  13. 前記電波伝搬特性推定システムは、複数の測定点で測定した受信レベル実測値を用いて実測補正するシステムであって、前記信頼度は、前記評価点におけるパスロス誤差と前記各測定点におけるパスロス誤差とのパスロス誤差相関に応じて決定されることを特徴とする請求項11または12に記載の電波伝搬特性推定システム。
  14. 前記電波伝搬特性推定システムは、複数の測定点で測定した受信レベル実測値を用いて実測補正するシステムであって、前記信頼度は、さらに、前記測定点におけるパスロス誤差と別な測定点におけるパスロス誤差とのパスロス誤差相関に応じて決定されることを特徴とする請求項11〜13のいずれか1項に記載の電波伝搬特性推定システム。
  15. 前記伝搬推定部は、前記測定点の受信レベル推定値を算出し、前記実測補正部は、該受信レベル推定値と前記受信レベル実測値との差に対して前記信頼度を乗じた値を補正値として、前記評価点の受信レベル推定値を補正することを特徴とする請求項10〜14のいずれか1項に記載の電波伝搬特性推定システム。
  16. 電波伝搬特性を推定する評価エリア内の任意の評価点において、送信局のある送信点から送出された電波の受信レベル推定値を、測定点で測定した受信レベル実測値を用いて実測補正する方法であって、
    所定の伝搬推定式を用いて前記評価点における受信レベル推定値を算出し、
    前記送信点から送出された電波の、前記評価点における伝搬損失と前記測定点における伝搬損失の関係を示す信頼度に基づいて、前記受信レベル推定値を実測補正し、
    前記信頼度を、前記評価点と前記送信点と前記測定点の位置関係およびエリア属性情報に基づき算出する、
    ことを特徴とする電波伝搬特性推定方法。
  17. 電波伝搬特性を推定する評価エリア内の任意の評価点において、送信局のある送信点から送出された電波の受信レベル推定値を、測定点で測定した受信レベル実測値を用いて実測補正するコンピュータプログラムであって、
    所定の伝搬推定式を用いて前記評価点における受信レベル推定値を算出する処理と、
    前記送信点から送出された電波の、前記評価点における伝搬損失と前記測定点における伝搬損失の関係を示す信頼度に基づいて、前記受信レベル推定値を実測補正する処理と、
    前記信頼度を、前記評価点と前記送信点と前記測定点の位置関係およびエリア属性情報に基づき算出する処理と、
    を、コンピュータに実行させることを特徴とするコンピュータプログラム。
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