JP2012099951A - 画像読取装置 - Google Patents

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翼 堀江
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Abstract

【課題】読取部が読み取った画像に外光の影響が反映されている場合でも、プリスキャンを行うことなく原稿の領域の画像を正確に特定することのできる画像読取装置の提供。
【解決手段】FB読取時にADF読取用のADF窓を介して読み取られた読取値を平均した原稿外読取値ARVを中心に幅Rの領域を所定範囲として設定すると、読取部が原稿と対向していない場合は、(a)に例示するように全ての画素(受光素子1〜nに対応)の読取値が全て上記所定範囲にある。これに対して、例えば読取部の中心近傍が原稿と対向すると、(b)に例示するように、その原稿と対向している画素の読取値の多くが上記所定範囲に含まれなくなる。そこで、ADF窓を介して読み取られた読取値に基づき、原稿と対向していない非有効領域と原稿と対向している有効領域とを特定する。
【選択図】図7

Description

本発明は、原稿の画像を読み取る画像読取装置に関し、詳しくは、表面に原稿が載置される透明な原稿台と、その原稿台の裏面側を移動しながら原稿台表面に載置された原稿の画像を読み取る読取部と、を備えた画像読取装置に関する。
従来、表面に原稿が載置される透明な原稿台と、該原稿台の裏面側を移動可能に設けられ、上記原稿台の表面に載置された原稿の画像を読み取る読取部と、を備えた画像読取装置が知られている。この種の画像読取装置では、上記読取部に、原稿台の裏面側を移動しながら画像を読み取る動作を実行させることで、原稿の画像を読み取ることができる。また、この種の画像読取装置では、上記読取動作の前にプリスキャンを行って原稿台上の原稿の領域を特定し、その原稿の領域の画像のみをデータとして出力したり用紙等の被記録媒体に記録したりすることが提案されている。
ところが、プリスキャンを行うと、1枚の原稿の画像を読み取るのに要する時間が増大する。そこで、プリスキャンを行うことなく原稿の領域を特定可能な画像読取装置として、上記読取動作で読み取られた画像の黒レベルを予め設定された閾値と比較して、黒レベルが閾値未満の画素が連続した領域を原稿の領域外と推定する装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開平7−111579号公報
ところが、上記特許文献1の装置では、予め設定された固定の閾値と画像の黒レベルとを比較しているので、外光の影響がある場合には原稿の領域を正確に特定することができなかった。例えば、多くの画像読取装置には、上記原稿台を覆って外光を遮断する原稿カバーが設けられているが、分厚い本などの画像を読み取る場合には原稿カバーを確実に閉めることができず、読取部が読み取った画像には原稿カバーの隙間を通って入射した外光の影響が反映される。すると、特許文献1のように固定の閾値を使用している場合、原稿の領域を正確に特定することができない。
そこで、本発明は、読取部が読み取った画像に外光の影響が反映されている場合でも、プリスキャンを行うことなく原稿の領域の画像を正確に特定することのできる画像読取装置の提供を目的としてなされた。
上記目的を達するためになされた本発明の画像読取装置は、表面に原稿が載置される透明な原稿台と、該原稿台の裏面側を移動可能に設けられ、上記原稿台の表面に載置された原稿の画像を読み取る読取部と、上記原稿台における原稿載置範囲外に、上記原稿台と一体または別体に設けられ、裏面側に上記読取部が移動可能に構成された透明部と、上記読取部を制御して、上記透明部の裏面側で読み取る動作と、上記原稿台の裏面側を移動しながら読み取る動作とを実行する読取制御部と、該読取制御部の制御によって上記読取部が上記透明部の裏面側で読み取った画像を基準として、上記読取制御部の制御によって上記読取部が上記原稿台の裏面側を移動しながら読み取った画像から原稿の領域の画像を特定する原稿領域特定部と、を備えたことを特徴としている。
このように構成された本発明の画像読取装置では、透明な原稿台が設けられ、その原稿台における原稿載置範囲外に、透明部が、上記原稿台と一体または別体に設けられている。また、この透明部の裏面側には、上記原稿台の表面に載置された原稿の画像を読み取る読取部が移動可能である。
そこで、読取制御部は、上記読取部を制御して、上記透明部の裏面側で読み取る動作と、上記原稿台の裏面側を移動しながら読み取る動作とを実行する。そして、原稿領域特定部は、その読取制御部の制御によって上記読取部が上記透明部の裏面側で読み取った画像を基準として、上記読取制御部の制御によって上記読取部が上記原稿台の裏面側を移動しながら読み取った画像から原稿の領域の画像を特定する。すなわち、透明部は原稿台と同様に例えば装置筐体の上面に設けられているので、その透明部の裏面側で上記読取部が読み取った画像には、原稿台に入射する外光と同様の外光の影響が反映されている。また、上記透明部の表面には原稿が載置されないので、その裏面側で上記読取部が読み取った画像には、原稿の画像が含まれず、純粋な上記外光の影響が反映される。
原稿領域特定部は、そのような上記透明部の裏面側で読み取られた画像を基準として上記原稿の領域の画像を特定するので、プリスキャンを行うことなく当該原稿の領域の画像を極めて正確に特定することができる。
なお、上記原稿領域特定部は、上記読取部が上記透明部の裏面側で読み取った画像の明るさを含む所定の明るさの範囲を設定し、上記読取部が上記原稿台の裏面側を移動しながら読み取った画像のうち、上記範囲に含まれる明るさの上記画像の画素が所定数以上連続する領域を上記原稿の領域外と推定することによって、上記原稿の領域の画像を特定してもよい。
また、上記装置筐体に開閉可能に設けられ、閉じられることによって上記原稿台を覆う原稿カバーを、更に備え、上記透明部は、上記原稿カバーに覆われる範囲に設けられてもよい。この場合、透明部が原稿カバーに覆われると、外光の影響は大幅に減少するが、原稿カバーが半開きであると外光の影響が無視できない場合が多い。更に、その場合、半開きの程度によっても外光の影響が変化する。上記のように、透明部が原稿カバーに覆われる範囲に設けられている場合、原稿カバーの半開きの程度等に起因する上記外光の影響が、上記透明部の裏面側から読み取られた画像にも上記原稿台の裏面側から読み取られた画像にも同様に反映される。従って、この場合、原稿の領域の画像を一層正確に特定することができる。
そして、その場合、上記原稿カバーは、上記透明部の表面を通って原稿を搬送する搬送部を、備えてもよい。原稿カバーに設けられた搬送部によって透明部の表面を通って原稿を自動搬送する読取動作(いわゆるADF読取)は、従来の画像読取装置でも実施されている。このように、ADF読取で使用される透明部を本発明の上記透明部として利用すれば、新たな構成を追加する必要がなく、装置の構成を簡略化することができる。
また、本発明において、上記原稿カバーの開閉状態を判断する開閉判断部を、更に備え、上記原稿領域特定部は、上記原稿カバーが開いていると上記開閉判断部が判断したときに、上記原稿の領域の画像を特定してもよい。原稿カバーが開いていると(半開きも含む)、読み取られた画像は外光の影響を受け易く、前述のように透明部の裏面側で読み取られた画像を基準として原稿の領域の画像を特定する効果が顕著になる。このため、原稿カバーが開いていると上記開閉判断部が判断したときに、原稿領域特定部が前述のように原稿の領域を特定する場合、本発明の効果が一層顕著に表れる。
そして、その場合、上記開閉判断部は、上記読取部が上記透明部の裏面側で読み取った画像の明るさが、予め設定された所定の閾値を超えている場合に、上記原稿カバーが開いていると判断してもよい。すなわち、原稿カバーが開いていると、上記読取部が上記透明部の裏面側で読み取った画像が明るくなるので、その明るさが閾値を超えている場合に、上記原稿カバーが開いていると判断するのである。この場合、原稿カバーの開閉状態を検出するための特別なセンサを設ける必要がなく、装置の構成を簡略化することができる。
また、本発明において、上記読取部は、上記原稿台の裏面側を移動しながら画像を読み取る際に、その移動方向に直交する主走査方向に沿った画像を1ラインずつ順次読み取り、上記原稿領域特定部により原稿の領域の画像と特定される画像が上記読取部によって読み取られた後に、主走査方向全体の画像が上記原稿領域特定部により原稿の領域の画像と特定されないラインが所定ライン連続したとき、そのときの上記読取部の位置を原稿の末端部と判断する末端判断部を、更に備え、上記読取制御部は、上記末端判断部が上記原稿の末端部を判断したとき、上記読取部による読み取り動作を終了してもよい。
読取部が原稿台の裏面側を移動しながら画像を読み取る際に、その移動方向に直交する主走査方向に沿った画像を1ラインずつ順次読み取る場合、原稿の末端部を通過すると主走査方向全体の画像が上記原稿領域特定部により原稿の領域の画像と特定されなくなる。このような状況は、読取部が原稿の先端部に達する前にも起こり得るが、上記原稿領域特定部により原稿の領域の画像と特定される画像が上記読取部によって読み取られた後にそのような状況が起こった場合、原稿の末端と判断することができる。
そこで、末端判断部は、上記原稿領域特定部により原稿の領域の画像と特定される画像が上記読取部によって読み取られた後に、主走査方向全体の画像が上記原稿領域特定部により原稿の領域の画像と特定されないラインが所定ライン連続したとき、そのときの上記読取部の位置を原稿の末端部と判断する。このように、主走査方向全体の画像が上記原稿領域特定部により原稿の領域の画像と特定されないラインが所定ライン連続したときに上記末端部と判断することにより、そのようなラインが原稿の一部にたまたま存在した場合でも、原稿の末端部を誤検出するのが抑制される。
更に、上記読取制御部は、上記末端判断部が上記原稿の末端部を判断したとき、上記読取部による読取動作を終了する。このため、原稿台の一端から他端まで上記読取部を移動させる場合に比べて、読取動作を迅速に終了させることができる。
本発明が適用された画像読取装置の構成を表す外観図である。 その画像読取装置の長手方向に沿う断面の構成を表す概略断面図である。 その画像読取装置の制御系の構成を表すブロック図である。 その制御系で実行される画像読取処理を表すフローチャートである。 その画像読取処理における読取デバイスの動作を表す概略平面図である。 その画像読取処理における有効画素判定処理を表すフローチャートである。 その有効画素判定処理の原理を表す説明図である。 上記画像読取処理における末端検出処理を表すフローチャートである。 上記画像読取装置における透明部の変形例を表す概略平面図である。
[画像読取装置の全体構成]
以下に本発明の実施の形態について、図面と共に説明する。なお、図1は、本発明が適用された画像読取装置1の構成を表す外観図である。本実施の形態の画像読取装置1は、いわゆるフラットベッド型のスキャナ装置として構成されており、FB窓11(原稿台の一例)とADF窓12(透明部の一例)とを上部に備える装置本体3と、装置本体3の上方に開閉可能に設けられた原稿カバー5とからなる。
装置本体3の上面は、図1(a)に示すように、原稿カバー5が閉じられた状態で、原稿カバー5により被覆される。なお、図1(a)は、原稿カバー5が閉じられた状態での画像読取装置1の構成を表す外観図であり、図1(b)は、原稿カバー5が開かれた状態での画像読取装置1の構成を表す外観図である。図1(a),(b)に示すように、原稿カバー5は左右方向(図1における左右方向)の軸を中心に開閉可能に設けられている。
また、図1に示すように、装置本体3は、その前方に各種スイッチを備える操作部15を備えており、使用者が操作部15を操作することにより、操作部15から入力される指令に応じた処理を実行する。なお、操作部15の中央には、液晶ディスプレイ等からなる表示部15aが設けられている。更に、図1(b)に示すように、FB窓11の、原稿カバー5の蝶番に近い側の端縁11a(後述の筐体20との境界)、及び、ADF窓12に近い側の端縁11b(後述の位置決め材17との境界)は、それぞれ、原稿P(図5参照)を載置する際にその載置位置の基準となる原稿基準位置を構成している。
図2は、画像読取装置1の長手方向に沿う断面の構成を表す概略断面図である。図2に示すように、本実施の形態の画像読取装置1を構成する装置本体3は、上記FB窓11とADF窓12とを構成するプラテンガラス13と、そのプラテンガラス13を支持する筐体20(装置筐体の一例)と、FB窓11に載置される原稿Pの位置決めを行うための位置決め材17と、白基準板19と、読取デバイス21(読取部の一例)と、読取デバイス21を後述のように移動させるモータ23及びベルト機構部25と、を備えている。
また、図2に示すように、プラテンガラス13は、筐体20の上端面に筐体20の内側から固定されている。なお、プラテンガラス13の表面は、筐体20に対して着脱自在に設けられた位置決め材17によって、FB窓11とADF窓12とに分割されている。FB窓11は、使用者によって表面に載置された原稿Pを読み取るための領域であり、当該画像読取装置1の右側領域に設けられている。一方、ADF窓12は、原稿カバー5に設けられた原稿搬送装置40(搬送部の一例)により搬送されてきた原稿Pを読み取るための領域であり、当該画像読取装置1の左側領域に設けられている。上記原稿カバー5が閉じられたとき、このFB窓11とADF窓12との双方が、その原稿カバー5によって覆われる。
また、読取デバイス21は、筐体20内部のFB窓11,ADF窓12の裏面(すなわちプラテンガラス13の裏面)において、左右方向(副走査方向)に移動可能に収容されている。この読取デバイス21は、ベルト機構部25が備える一対のプーリ25aに巻回されたベルト25bに固定されており、モータ23によって回転駆動されるベルト25bと共に、画像読取装置1の左右方向に移動する。
なお、図2(a)は、原稿カバー5に設けられた原稿搬送装置40を用いて、読取対象の原稿PをADF窓12上に搬送しながら、その原稿Pを読み取る際の読取デバイス21の固定位置を表した説明図であり、図2(b)は、FB窓11上に載置された原稿Pを読み取る際の読取デバイス21の走査態様を示した説明図である。
原稿カバー5に設けられた原稿搬送装置40の動作によって、ADF窓12上に搬送されてきた原稿Pを読み取る際、読取デバイス21は、ADF窓12の直下に移動されて、固定される。また、FB窓11上の原稿Pを読み取る際、読取デバイス21は、モータ23及びベルト機構部25の動作により、FB窓11の裏面側を左右方向に移動される。
原稿カバー5は、前述のように原稿搬送装置40を具備しており、次のように、給紙トレイ41に載置された原稿Pを、ADF窓12上に搬送し、そのADF窓12上で読取デバイス21により読み取られた原稿Pを排紙トレイ42に排出する。
原稿搬送装置40は、搬送路の始点に、給紙ローラ44,45を備えており、給紙トレイ41に載置された原稿Pはこの給紙ローラ44,45によって、搬送路下流に搬送される。給紙ローラ44,45により搬送されてきた原稿Pは、搬送ローラ47,48により更に搬送路下流に搬送される。
搬送ローラ47,48よる搬送路下流側には、ADF窓12と所定の空隙を有した状態で、そのADF窓12に対向する上板49が設けられている。搬送ローラ47,48より搬送されてきた原稿Pは、この上板49とADF窓12との間を通過して、それより更に搬送路下流に設けられた一対の搬送ローラ51,52によって搬送され、続いて、一対の排紙ローラ53,54によって、排紙トレイ42に排紙される。また、読取デバイス21は、上記移動方向に直交する主走査方向に沿って光源と複数の受光素子とを備え、当該主走査方向に沿ったプラテンガラス13上の画像を1ラインずつ順次読み取る周知のモノクロCISである。
図3は、画像読取装置1の制御系の構成を表すブロック図である。図3に示すように、この制御系は、バス70を介して互いに接続されたCPU71(読取制御部,原稿領域特定部,開閉判断部,末端判断部の一例),ROM72,RAM73からなるマイクロコンピュータを中心に構成されている。前述の読取デバイス21は、AFE76を介して、バス70に接続されたインタフェース(I/F)77に接続されている。更に、バス70には、前述の操作部15,表示部15aの他、読取デバイス21を制御するデバイス制御部75と、読取データに各種画像処理を施す画像処理部78と、モータ23を駆動する駆動部79とが接続されている。
[画像読取装置における処理]
次に、上記制御系における処理について説明する。図4は、操作部15を介して原稿画像の読取が指示された場合に、CPU71がROM72に記憶されたプログラムに基づいて実行する画像読取処理を表すフローチャートである。なお、図4に示す処理は、FB窓11に載置された原稿Pの画像を読み取るいわゆるFB読取処理である。原稿搬送装置40を介して原稿Pを搬送しながらその画像を読み取るいわゆるADF読取処理は、本実施の形態の場合、一般の画像読取装置と同様であるので、ここでは説明を省略する。
図4に示すように、この画像読取処理では、先ず、S1(Sはステップを表す:以下同様)にて、CPU71は、駆動部79を介してモータ23の駆動を開始する。続くS2では、読取デバイス21がADF窓12に到達したか否かが次のように判断され、ADF窓12に到達したと判断されるまで処理はS2にて待機する(S2:N)。
すなわち、この処理の開始前には、読取デバイス21は図5(a)に示すホームポジションに配置されている。そして、S1にてモータ23の駆動が開始されると、読取デバイス21は図5(b),(c),(d)と示すように副走査方向下流側(右側)へ順次移動する。S2で、CPU71は、ステッピングモータからなるモータ23の駆動開始(S1)からの駆動ステップ数に基づき、図5(b)に示すようにADF窓12の直下まで読取デバイス21が到達したか否かを判断するのである。
そして、読取デバイス21がADF窓12に到達すると(S2:Y)、S3にて、CPU71はデバイス制御部75を介して読取デバイス21の光源及び受光素子を制御することにより、ADF窓12側の画像を1ライン分読み取る。続くS4にて、CPU71は、予め設定された所定ライン(例えば5〜10ラインの範囲の所定ライン)の読取が終了したか否かを判断し、まだ終了していない場合は(S4:N)、処理は再びS3へ移行する。こうして、ADF窓12の下で読取デバイス21が移動しながら上記所定ラインの画像を読み取ると(S4:Y)、処理は続くS6へ移行する。
S6では、CPU71は、S3の処理によりADF窓12を介して上記所定ライン分読み取った読取値(画像の明るさが強くなるに従い0から255まで変化)を平均し、原稿外読取値ARVとして算出する。続くS7(開閉判断部の一例としての処理)では、CPU71は、S6にて算出された原稿外読取値ARVが第1閾値よりも大きいか否かを判断する。なお、この第1閾値は、原稿カバー5が確実に閉じられているときの上記読取値の平均値に誤差を加味した値に予め設定して、ROM72に記憶されている値である。原稿外読取値ARVが第1閾値以上のときは(S7:N)、S9にて、CPU71は、操作部15等によって設定された原稿サイズの領域を有効画素の領域として読み込む通常読取動作を実行する。
一方、原稿外読取値ARVが第1閾値より小さい場合は(S7:Y)、処理はS11へ移行する。S11にてCPU71は、モータ23の上記駆動ステップ数に基づき、読取デバイス21がFB窓11に到達するまで待機する(S11:N)。そして、読取デバイス21がFB窓11に到達すると(S11:Y)、CPU71は、S13にて、RAM73に設定されたカウンタを0にリセットすると共に先端検出フラグをOFFにセットし、S15にて、読取デバイス21を前述のように制御して読み取りを開始する。続くS17では、CPU71は、読取デバイス21を介してFB窓11側の画像を1ライン分読み取り、S20にて、次のような有効画素判定処理を実行する。
図6は、その有効画素判定処理を詳細に表すフローチャートである。図6に示すように、この処理では、先ずS21にて、CPU71は、所定数以上連続して原稿外読取値ARVの所定範囲にある画素を、非有効領域の画素としてRAM73に記憶する。すなわち、この処理では、図7(a),(b)に例示するように、原稿外読取値ARVを中心とした幅Rの領域を所定範囲として設定する。すると、読取デバイス21が原稿Pと対向していない場合は、読取デバイス21に入射する光はADF窓12の直下にあったときとほぼ同様であるので、図7(a)に例示するように全ての画素(受光素子1〜nに対応)の読取値が上記所定範囲にある。
これに対して、例えば読取デバイス21の中心近傍が原稿Pと対向すると、図7(b)に例示するように、その原稿Pと対向している画素の読取値は、少なくとも所定数以上連続して上記所定範囲に含まれなくなる。そこで、S21では、所定数以上連続して原稿外読取値ARVの所定範囲にある画素を、原稿Pと対向していない非有効領域の画素とみなすのである。なお、上記所定数は、受光素子が原稿Pと対向しているか否かが適切に判断できるように、実測値に基づいて予め設定してROM72に記憶された値である。
S21に続くS23では、CPU71は、S21にて非有効領域の画素として記憶されていない画素を有効領域の画素としてRAM73に記憶し、続くS25にて、その有効領域の画素が当該ラインにあったか否かを判断する。有効領域の画素があった場合は(S25:Y)、S27にてCPU71が先端検出フラグをONにセットした後、有効領域の画素がなかった場合はそのまま(S25:N)、処理は図4のS30(末端判断部の一例としての処理)へ移行する。
S30では、図8に示すような末端検出処理が実行される。図8に示すように、この処理では、先ず、CPU71は先端検出フラグがONであるか否かを判断し、ONでない場合は(S31:N)、処理はそのまま図4のS41(後述)へ移行する。すなわち、読取デバイス21が原稿Pの先端に未だ達しておらず、先端検出フラグがOFFの場合は(S31:N)、この末端検出処理(S30)はそのまま通過される。
一方、先端検出フラグがONの場合は(S31:Y)、S33にて、CPU71は、S17にて読み取られたラインの全画素の読取値が幅Rの上記所定範囲に含まれるか否かを判断する。そして、全画素の読取値が上記所定範囲に含まれる場合は(S33:Y)、S35にてCPU71が上記カウンタを1つインクリメントした後、少なくとも一部の画素の読取値が上記所定範囲に含まれない場合は(S33:N)、S37にてCPU71が上記カウンタを0にリセットした後、処理は図4のS41へ移行する。S41では、上記カウンタの値が所定値に達しているか否かが判断され、所定値に達していない場合は処理は前述のS17へ移行して次の1ライン分が読み取られる。
従って、読取デバイス21が原稿Pの先端に未だ達していないときや(S31:N)、原稿Pの画像読取中は(S33:N)、上記カウンタの値は0に維持される(S13参照)。また、原稿Pの一部に、たまたま全画素の読取値が上記所定範囲に含まれるラインが存在したとしても(S33:Y)、上記カウンタの値が上記所定値に達するまでは末端と誤検出しないように、上記所定値(例えば10)は、実測値に基づいて予め設定してROM72に記憶されている。読取デバイス21が原稿Pの末端に達すると、上記カウンタの値は連続してインクリメントされるので上記所定値に達する(S41:Y)。
すると、CPU71は、S43にて読取デバイス21を上記ホームポジションに戻してモータ23の駆動を停止すると共に、読取デバイス21による読み取りを停止して、処理を一旦終了する。また、前述のS9による通常読取動作が終了したときも、同様に、S43にて駆動停止して、CPU71は処理を一旦終了する。なお、上記処理において、S1,S15,S17.S43の処理が読取制御部としての処理である。
[本実施の形態の効果及びその変形例]
以上の処理により、本実施の形態では、原稿領域の画像としての有効領域の画素と、原稿領域外の画像としての非有効領域の画素とを区別して、RAM73に記憶することができる(S22,S23)。 そして、その結果は、例えば図示省略したパーソナルコンピュータ等に読み取った画像をデータとして送信する際や、画像形成部を有する複合機に当該画像読取装置1が搭載された場合にその画像形成部にデータを送信する際に、非有効領域の画素を削除したデータを送信するなどの用途に利用可能である。また、上記結果は、その他にも、原稿枠を赤線で囲む、カッタを備えた画像形成部を有する複合機に搭載された場合には画像形成後に原稿枠外をカッタで切り落とすなど、各種制御に応用することができる。
しかも、本実施の形態では、ADF窓12を介して読み取られた読取値に基づいて有効領域,非有効領域の判断を行っているので、プリスキャンを行うことなく読取デバイス21を1回移動させるだけで原稿Pの領域の画像を極めて正確に特定することができる。また、ADF窓12もFB窓11と同様に原稿カバー5によって覆われるので、原稿カバー5が半開きの状態等であっても、ADF窓12とFB窓11との外光の入射状態は同様になり、上記特定を一層正確に行うことができる。更に、本実施の形態は、原稿Pが矩形であることを前提としていないので、団扇等の異形の原稿に対してもその領域を正確に特定することができる。
また更に、本実施の形態では、前述のように原稿Pの末端に読取デバイス21が達すると処理を終了しているので(S41:Y)、読取動作を迅速に終了させることができる。また、原稿カバー5が閉じているときは(S7:N)、通常読取動作を実行しているので(S9)、処理を簡略化することができる。
なお、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の形態で実施することができる。例えば、上記実施の形態では、原稿外読取値ARVに基づいて原稿カバー5が開いているか否かを判断しているが(S7)、原稿カバー5の開閉を検出するセンサがある場合はそれを利用してもよい。但し、上記のように原稿外読取値ARVを利用する場合、そのようなセンサを省略することができる。
また、透明部の構成としても種々考えられる。例えば、図9(a)に示すように、FB窓11より右側(ADF窓12と反対側)の読取デバイス21が移動可能な位置に、透明部の一例としてのガラス窓112を設けてもよい。但し、上記実施の形態では、従来の画像読取装置1に既存のADF窓12を透明部として利用しているので、構成を簡略化して製造コストを低減することができる。更に、このようなガラス窓112は、原稿カバー5に覆われない位置に設けてもよい。この場合、原稿カバー5が半開きの場合は有効領域,非有効領域の特定精度が若干低下するが、原稿カバー5が完全に開いている状態では上記実施の形態と同様の作用・効果が生じる。
また更に、図9(b)に示すように、FB窓11の右端の領域11rを、上記透明部として使用してもよい。原稿Pは、端縁11a,11bに合わせて載置されるので、端縁11bとは反対側のこの領域11rには殆ど原稿Pが載置されない。例えば、画像読取装置1が想定している最大サイズとしてのA3サイズの原稿Pが載置された場合でも、領域11rには原稿Pが掛からない。従って、上記実施の形態と同様の作用・効果が生じる。また、仮にこの領域11rまで原稿Pが載置されたとしても、その場合には、新聞等の大きな原稿PによってFB窓11の全体が覆われているものと想定されるので、本発明の作用・効果が生じなくてもそれほど問題はない。また、ADF窓12等の透明部の裏面側での画像の読み取りとFB窓11等の原稿台の裏面側での画像の読み取りとは、どちらを先に実行してもよい。但し、原稿台の裏面側での読み取りを先に実行する場合は、読み取ったデータを上記有効領域,非有効領域の特定がなされるまで保持する必要が生じる。
また、本発明は、原稿カバー5を有さない画像読取装置にも適用することができる。更に、読取部はCCDであってもよく、カラー画像を読取可能なCIS,CCD,等であってもよい。また更に、ADF窓12を介した読取値の平均値としての原稿外読取値ARVの代わりに、上記読取値の最頻値,中間値等を利用してもよく、上記読取値の最大値と最小値との間を上記所定範囲に設定してもよい。
1…画像読取装置 3…装置本体 5…原稿カバー
11…FB窓 11a,11b…端縁 11r…領域
12…ADF窓 13…プラテンガラス 20…筐体
21…読取デバイス 23…モータ 25…ベルト機構部
40…原稿搬送装置 71…CPU 72…ROM
73…RAM 112…ガラス窓 P…原稿

Claims (7)

  1. 表面に原稿が載置される透明な原稿台と、
    該原稿台の裏面側を移動可能に設けられ、上記原稿台の表面に載置された原稿の画像を読み取る読取部と、
    上記原稿台における原稿載置範囲外に、上記原稿台と一体または別体に設けられ、裏面側に上記読取部が移動可能に構成された透明部と、
    上記読取部を制御して、上記透明部の裏面側で読み取る動作と、上記原稿台の裏面側を移動しながら読み取る動作とを実行する読取制御部と、
    該読取制御部の制御によって上記読取部が上記透明部の裏面側で読み取った画像を基準として、上記読取制御部の制御によって上記読取部が上記原稿台の裏面側を移動しながら読み取った画像から原稿の領域の画像を特定する原稿領域特定部と、
    を備えたことを特徴とする画像読取装置。
  2. 上記原稿領域特定部は、上記読取部が上記透明部の裏面側で読み取った画像の明るさを含む所定の明るさの範囲を設定し、上記読取部が上記原稿台の裏面側を移動しながら読み取った画像のうち、上記範囲に含まれる明るさの上記画像の画素が所定数以上連続する領域を上記原稿の領域外と推定することによって、上記原稿の領域の画像を特定することを特徴とする請求項1に記載の画像読取装置。
  3. 開閉可能に設けられ、閉じられることによって上記原稿台を覆う原稿カバーを、
    更に備え、
    上記透明部は、上記原稿カバーに覆われる範囲に設けられたことを特徴とする請求項1または2に記載の画像読取装置。
  4. 上記原稿カバーは、上記透明部の表面を通って原稿を搬送する搬送部を、
    備えたことを特徴とする請求項3に記載の画像読取装置。
  5. 上記原稿カバーの開閉状態を判断する開閉判断部を、
    更に備え、
    上記原稿領域特定部は、上記原稿カバーが開いていると上記開閉判断部が判断したときに、上記原稿の領域の画像を特定することを特徴とする請求項3または4に記載の画像読取装置。
  6. 上記開閉判断部は、上記読取部が上記透明部の裏面側で読み取った画像の明るさが、予め設定された所定の閾値を超えている場合に、上記原稿カバーが開いていると判断することを特徴とする請求項5に記載の画像読取装置。
  7. 上記読取部は、上記原稿台の裏面側を移動しながら画像を読み取る際に、その移動方向に直交する主走査方向に沿った画像を1ラインずつ順次読み取り、
    上記原稿領域特定部により原稿の領域の画像と特定される画像が上記読取部によって読み取られた後に、主走査方向全体の画像が上記原稿領域特定部により原稿の領域の画像と特定されないラインが所定ライン連続したとき、そのときの上記読取部の位置を原稿の末端部と判断する末端判断部を、
    更に備え、
    上記読取制御部は、上記末端判断部が上記原稿の末端部を判断したとき、上記読取部による読取動作を終了することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の画像読取装置。
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