JP2012096493A - 反射材 - Google Patents

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孝之 渡辺
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大希 野澤
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Abstract

【課題】本発明の課題は、優れた反射性を有し、かつ耐熱性、剛性および加工性に優れた反射フィルムを提供する。
【解決手段】少なくともスチレン系樹脂以外の他の樹脂および微粉状充填材を含有する樹脂層Aの少なくとも片面に、スチレン系樹脂を含有する樹脂層Bを設けた積層構成を有することを特徴とする反射材であって、好ましくは、前記樹脂層Bが、スチレン系樹脂のほかに、オレフィン系樹脂および/または熱可塑性エラストマーを含有する反射材を提案する。
【選択図】なし

Description

本発明は、液晶ディスプレイ、照明器具、或いは照明看板などの構成部材として好適に使用することができる反射材に関する。
液晶ディスプレイをはじめ、照明器具或いは照明看板など多くの分野で反射材が使用されている。最近では、液晶ディスプレイの分野において、装置の大型化および表示性能の高度化が進み、少しでも多くの光を液晶に供給してバックライトユニットの性能を向上させることが求められるようになり、反射材に対しても、より一層優れた光反射性(単に「反射性」ともいう)が求められるようになってきている。
反射材として、例えば、芳香族ポリエステル系樹脂を主原料とする白色ポリエステルフィルムを用いた液晶ディスプレイ用の反射フィルムが知られている(特許文献1参照)。
しかし、反射材の材料として芳香族ポリエステル系樹脂を用いた場合、芳香族ポリエステル系樹脂の分子鎖中に含まれる芳香環が紫外線を吸収するため、液晶表示装置等の光源から発せられる紫外線によって、フィルムが劣化、黄変して、反射フィルムの光反射性が低下するという問題があった。
また、ポリプロピレン樹脂に充填剤を添加して形成されたフィルムを延伸することによって、フィルム内に微細な空隙を形成させ、光散乱反射を生じさせた反射材(特許文献2参照)や、オレフィン系樹脂とフィラーを含有する基材層と、オレフィン系樹脂を含む層より構成された積層構成のオレフィン系樹脂光反射体も知られている(特許文献3参照)。
このようなオレフィン系樹脂を用いた反射フィルムは、紫外線によるフィルムの劣化や黄変の問題が少ないという特徴を有する。
さらに、無機粉末を多量には含まない樹脂組成物からなる反射シートとして、ポリプロピレン樹脂と、該ポリプロピレン樹脂と非相溶性の樹脂の少なくとも1種以上を含む、熱収縮率が低減された二軸延伸反射シートが知られている(特許文献4参照)。
この反射シートは、無機粉末を多量に含まなくとも、坪量、密度が同程度の従来の反射シートに比べてより高い反射率を示すという特徴を備える。
さらにまた、シンジオタクチック構造を有するスチレン系重合体を含有する樹脂組成物を射出成形してなる、耐熱性、成形性、外観などに優れた反射板なども知られている(特許文献5参照)。
特開平04−239540号公報 特開平11−174213号公報 特開2005−031653号公報 特開2008−158134号公報 特開2003−020373号公報
オレフィン系樹脂を用いた反射材は、上述のように、紫外線によるフィルムの劣化や黄変の問題が少なく、その有用性は高い。しかし、耐熱性が十分ではないので、耐熱性が要求される液晶ディスプレイの構成部材として使用した場合に、熱によってフィルムが収縮したり、波打ちが発生したりする等の問題があった。
また液晶ディスプレイや照明器具或いは照明看板などの分野では近年、LEDなどの高温発熱を伴う光源が使用されており、反射材により一層の耐熱性が求められている。
一方で、特許文献5に記載の反射板においては、射出成形体として使用する上では、耐熱性に優れ、有用ではあるが、例えば、液晶ディスプレイや照明器具或いは照明看板などの分野において、シート状の反射シートに押出成形、さらには延伸成形するに際しては、結晶性を有しかつ結晶化速度が大きいため、溶融押出や延伸操作の条件により結晶化が迅速に進むことがあり、工程中に大きく屈曲させられた場合には、シートにクラックが生じる恐れがある。また、シンジオタクチックポリスチレンは、剛直なため、上記延伸操作で複数のロールを通過して行く間に、シートが破断することがある。
そこで本発明の課題は、優れた反射性を有し、耐熱性、剛性および加工性にも優れた、新たな反射材を提供することにある。
本発明は、少なくともスチレン系樹脂以外の他の樹脂および微粉状充填材を含有する樹脂層Aの少なくとも片面に、スチレン系樹脂を含有する樹脂層Bを設けた積層構成を有することを特徴とする反射材を提案する。
本発明の反射材は、少なくともスチレン系樹脂以外の他の樹脂および微粉状充填材を含有する樹脂層Aの少なくとも片面に、スチレン系樹脂を含有する樹脂層Bを設けたことにより、耐熱性、剛性および加工性を確保することができるようになる。よって、本発明の反射材は、液晶ディスプレイ、照明器具、或いは照明看板などの反射材として好適に用いることができる。
実施例で行った、耐熱性の評価方法を説明するための図である。
以下、本発明の実施形態の一例としての反射材(「本反射材」と称する)について説明する。但し、本発明が、この本反射材に限定されるものではない。
(本反射材)
本反射材は、少なくともスチレン系樹脂以外の他の樹脂および微粉状充填材を含有する樹脂層Aの少なくとも片面に、スチレン系樹脂を含有する樹脂層Bを設けた積層構成を有する。
(樹脂層A)
樹脂層Aは、少なくともスチレン系樹脂以外の他の樹脂と微粉状充填材とを含有する層であり、この層は、本反射材に反射性能を付与すると共に、延伸性などの加工性を付与できる層であり、好ましくは耐折強度を高めることのできる層である。
(樹脂)
樹脂層Aの主成分をなす樹脂(ベース樹脂)としては、例えばオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、フッ素系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ジエン系樹脂等を挙げることができる。中でも、反射性能を高める観点から、オレフィン系樹脂が好ましい。
オレフィン系樹脂としては、例えば、ポリプロピレン、プロピレン−エチレン共重合体等のポリプロピレン系樹脂や、ポリエチレン、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン等のポリエチレン系樹脂や、エチレン−環状オレフィン共重合体等のシクロオレフィン系樹脂や、エチレン−プロピレンゴム(EPR)、エチレン−プロピレン−ジエンターポリマー(EPDM)等のオレフィン系エラストマーから選ばれた少なくとも一種のポリオレフィン系樹脂を挙げることができる。これらの中でも、機械的性質、柔軟性などから、ポリプロピレン系樹脂やポリエチレン系樹脂が好ましく、その中でも特に、融点が高く耐熱性に優れており、また、弾性率等の機械特性が高いという観点から、ポリプロピレン系樹脂が好ましい。
また、押出成形性の観点から、ポリプロピレン系樹脂の中でも、メルトフローレート(「MFR」と称する、JISK−7210、230℃、荷重21.18N)が0.1g/10min以上、20g/10min以下、特に0.2g/10min以上、10g/10min以下、中でも特に0.5g/10min以上、5g/10min以下であるポリプロピレン系樹脂が特に好ましい。
(微粉状充填剤)
樹脂層Aは、優れた光反射性を得るために、微粉状充填剤を含有することが重要である。微粉状充填剤を含有することで、屈折率差による屈折散乱のほか、微粉状充填剤の周囲に形成される空隙との屈折率差による屈折散乱、さらに微粉状充填剤の周囲に形成される空隙と微粉状充填剤との屈折率差による屈折散乱などからも光反射性を得ることができる。
微粉状充填剤としては、無機質微粉体、有機質微粉体等を例示することができる。
無機質微粉体としては、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、硫酸マグネシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化チタン、酸化亜鉛、アルミナ、水酸化アルミニウム、ヒドロキシアパタイト、シリカ、マイカ、タルク、カオリン、クレー、ガラス粉、アスベスト粉、ゼオライト、珪酸白土等を挙げることができる。これらは、いずれか1種または2種以上を混合して用いることができる。これらの中でも、シートを構成する樹脂との屈折率差を考慮すると、屈折率の大きいものが好ましく、屈折率が1.6以上である、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化チタンまたは酸化亜鉛を用いることが特に好ましい。
また、酸化チタンは、他の無機充填剤に比べて屈折率が顕著に高く、ベース樹脂との屈折率差を顕著に大きくすることができるため、他の充填剤を使用した場合よりも少ない配合量で優れた反射性を得ることができる。さらに、酸化チタンを用いることにより、反射材の厚みを薄くしても高い光反射性を得ることができる。
従って、少なくとも酸化チタンを含む充填剤を用いるのがより好ましく、この場合、酸化チタンの量は、無機充填剤の合計質量の30%以上、または有機充填剤と無機充填剤とを組み合わせて使用する場合はその合計質量の30%以上とするのが好ましい。
本発明に用いる酸化チタンとしては、アナターゼ型やルチル型のような結晶型の酸化チタンが好ましく、その中でもベース樹脂との屈折率差が大きいという観点から、屈折率が2.7以上の酸化チタンが好ましい。この点で、ルチル型酸化チタンが好ましい。
また、酸化チタンの中でも純度の高い高純度酸化チタンを用いるのが特に好ましい。ここで、高純度酸化チタンとは、可視光に対する光吸収能が小さい酸化チタン、すなわち、バナジウム、鉄、ニオブ、銅、マンガン等の着色元素の含有量が少ない酸化チタンの意である。
高純度酸化チタンとしては、例えば塩素法プロセスにより製造されるものを挙げることができる。塩素法プロセスでは、酸化チタンを主成分とするルチル鉱を1000℃程度の高温炉で塩素ガスと反応させて、先ず四塩化チタンを生成させ、次いでこの四塩化チタンを酸素で燃焼させることにより、高純度酸化チタンを得ることができる。酸化チタンの工業的な製造方法としては硫酸法プロセスもあるが、この方法によって得られる酸化チタンには、バナジウム、鉄、銅、マンガン、ニオブ等の着色元素が多く含まれるので、可視光に対する光吸収能が大きくなる。従って、硫酸法プロセスでは高純度酸化チタンは得られ難い。
また、無機質微粉体のベース樹脂への分散性を向上させるために、微粉状充填剤の表面に、シリコン系化合物、多価アルコール系化合物、アミン系化合物、脂肪酸、脂肪酸エステル等で表面処理を施したものを使用してもよい。
他方、有機質微粉体としては、ポリマービーズ、ポリマー中空粒子等が挙げられ、これらは、いずれか1種または2種以上を混合して用いることができる。また、無機質微粉体と有機質微粉体とを組み合わせて用いてもよい。
微粉状充填剤は、粒径が0.05μm以上15μm以下であることが好ましく、より好ましくは粒径が0.1μm以上10μm以下である。充填剤の粒径が0.05μm以上であれば、ベース樹脂への分散性が低下することがないので、均質なシートが得られる。また粒径が15μm以下であれば、ベース樹脂と微粉状充填剤との界面が緻密に形成されて、高反射性の反射材が得られる。
また、微粉状充填剤量としては、反射材の光反射性、機械的強度、生産性等を考慮すると、樹脂層A全体の質量に対して、10〜80質量%であるのが好ましく、20〜70質量%であるのがさらに好ましい。微粉状充填剤の含有量が10質量%以上であれば、ベース樹脂と微粉状充填剤との界面の面積を充分に確保することができ、反射材に高反射性を付与することができる。微粉状充填剤の含有量が80質量%以下であれば、反射材に必要な機械的強度を確保することができる。
樹脂層Aにおいて、ベース樹脂と微粉状充填剤の含有割合としては、光反射性、機械的強度および生産性等の観点から、ベース樹脂:微粉状充填剤=80:20〜30:70、特に80:20〜40:60とするのが好ましい。
(他の成分)
樹脂層Aは、上述した以外の他の樹脂(スチレン系樹脂も含む)を含有してもよい。また、酸化防止剤、光安定剤、熱安定剤、分散剤、紫外線吸収剤、蛍光増白剤、相溶化剤、滑剤およびその他の添加剤を含有しても良い。
(樹脂層Aの形態)
樹脂層Aは、シート体からなる層であってもよいし、また、溶融樹脂組成物を押出或いは塗布などによって(シートを形成することなく)薄膜形成してなる層であってもよい。
シート体からなる場合、そのシート体は未延伸フィルムであっても、一軸或いは二軸延伸フィルムであってもよいが、少なくとも一軸方向に1.1倍以上延伸して得られる延伸フィルム、特に二軸延伸フィルムであるのが好ましい。
(樹脂層Aの空隙率)
樹脂層Aは、反射性能を確保する観点から、内部に20%以上80%以下の範囲で微細な空隙を有することが好ましい。言い換えれば、樹脂層Aの空隙率、すなわち樹脂層Aに占める空隙の体積割合は、20%以上80%以下であるのが好ましく、特に25%以上、75%以下、中でも特に30%以上、70%以下であるのが好ましい。
(樹脂層B)
樹脂層Bは、スチレン系樹脂を含有する層であり、本反射材に耐熱性と剛性を付与することができる層である。
樹脂層Bが、スチレン系樹脂を含有する層であれば、液晶ディスプレイ等の構成部材として使用した場合でも耐熱性が充分であり、好ましい。
かかる観点から、樹脂層Bに含まれるスチレン系樹脂のガラス転移温度(Tg)は、85℃以上、150℃以下であるのが好ましく、さらに90℃以上、150℃以下であるのが好ましく、中でも100℃以上、150℃以下であるのがより一層好ましい。
本反射材に用いられるスチレン系樹脂は、スチレン系単量体を熱重合するかまたは有機過酸化物群を重合開始剤として重合することによって得ることができる。スチレン系樹脂に使用される単量体としてはスチレン、α−メチルスチレン、パラメチルスチレン、エチルスチレン、プロピルスチレン、ブチルスチレン、クロロスチレン、ブロモスチレン等を用いることができ、中でもスチレンが好ましい。また、本発明に使用されるスチレン系樹脂の目的を損なわない範囲において、スチレンと共重合可能なコモノマーをスチレンと共重合させてもかまわない。スチレンと共重合可能なコモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル等の(メタ)アクリル酸エステル類、α−メチルスチレン、o−、m−、p−メチルスチレン、ブロモスチレン、ジブロモスチレン、クロロスチレン、ジクロロスチレン等のスチレン以外の芳香族ビニル単量体類、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、フマル酸等の不飽和脂肪酸類、無水マレイン酸、無水イタコン酸等の不飽和ジ脂肪酸無水物類、N−フェニルマレイミド等の不飽和ジ脂肪酸イミド類等が挙げられる。これらの単量体は1種類または2種類以上併用してもかまわない。
上記コモノマーとスチレンとの共重合体のうち、中でも、スチレン−α−メチルスチレン共重合体(SAMS)、スチレン−アクリル酸共重合体(SAA)、スチレンーメタクリル酸共重合体(SMAA)、スチレン−無水マレイン酸共重合体(SMA)などのスチレン系共重合体が、透明性、剛性を保持し、耐熱性を向上させたスチレン系樹脂として、本発明に好ましく用いることができる。
樹脂層Bにおいて、スチレン系樹脂(2成分以上のスチレン系樹脂を含む場合には、これらの合計量)は、樹脂層B全体の質量に対して、50質量%以上であることが好ましく、より好ましくは60質量%以上、特に好ましくは70質量%以上(100%含む)である。
(他の樹脂成分)
樹脂層Bは、上記のスチレン系樹脂以外にも、これ以外の樹脂を含有することもできる。例えば、耐折強度を高める観点から、オレフィン系樹脂および/または熱可塑性エラストマーなどを含有するのが好ましい。
スチレン系樹脂に、オレフィン系樹脂および/または熱可塑性エラストマーを配合して樹脂層Bを形成することで、スチレン系樹脂層単独では得られなかった耐折強度と、オレフィン系樹脂層単独で得られなかった耐熱性と剛性を確保することができる。
この際、オレフィン系樹脂および/または熱可塑性エラストマーのメルトフローレート(「MFR」と称する、JISK−7210、230℃、荷重21.18N)は、0.1g/10min以上、40g/10min以下であるのが好ましく、特に0.5g/10min以上、20g/10min以下であるのがより一層好ましい。
また、スチレン系樹脂のMFRも前記の範囲に調整することが好ましい。このように両者のMFRを調整すると、オレフィン系樹脂および/または熱可塑性エラストマーが、スチレン系樹脂中に配向して、反射材としての機械特性を極端に悪化させてしまう虞がないので、特に好ましい。
オレフィン系樹脂としては、例えば、ポリプロピレン、プロピレン−エチレン共重合体等のポリプロピレン系樹脂や、ポリエチレン、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン等のポリエチレン系樹脂等を挙げることができ、これらのうちの一種または二種以上を組み合わせて用いることができる。中でも、ポリエチレン系樹脂やポリプロピレン系樹脂が好ましく、その中でも特に、融点が高く耐熱性に優れており、また、弾性率等の機械特性が高いという観点から、ポリプロピレン系樹脂が好ましい。
また、押出成形性の観点から、ポリプロピレン系樹脂の中でも、メルトフローレート(「MFR」と称する、JISK−7210、230℃、21.18N)が0.1g/10min〜20g/10min、特に0.2g/10min〜10g/10min、中でも特に0.5g/10min〜5g/10minであるポリプロピレン系樹脂が特に好ましい。
なお、樹脂層Bがオレフィン系樹脂を含有する場合、樹脂層Bのオレフィン系樹脂は、樹脂層A、B間の密着性を高める観点から、樹脂層Aのオレフィン系樹脂と同一のモノマー単位を含むオレフィン系樹脂を含有するのが好ましい。
よって、樹脂層Aのベース樹脂がポリプロピレン系樹脂である場合、樹脂層Bは、オレフィン系樹脂として、ポリプロピレン系樹脂を含有するのが好ましい。
他方、熱可塑性エラストマーとしては、オレフィン系エラストマー、スチレン系エラストマー、ウレタン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー等を挙げることができ、これらのうちの一種または二種以上を組み合わせて用いることができる。中でも、スチレン系エラストマーは、スチレン系樹脂はもとよりオレフィン系樹脂、特にポリプロピレン系樹脂と相溶するため、樹脂層Aと樹脂層Bとの接着性を向上させる観点から好ましい。
スチレン系エラストマーとしては、例えば、スチレンとブタジエン若しくはイソプレン等の共役ジエンの共重合体、および/または、その水素添加物等を挙げることができる。スチレン系エラストマーは、スチレンをハードセグメント、共役ジエンをソフトセグメントとしたブロック共重合体であり、加硫工程が不用であり、好ましい。また、水素添加をしたものは熱安定性が高く、さらに好ましい。
スチレン系エラストマーの好ましい例としては、例えば、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−ブタジエン−ブチレン−スチレン共重合体、スチレン−エチレン−プロピレン−スチレンブロック共重合体を挙げることができる。
中でも特に、水素添加により共役ジエン成分の二重結合をなくした、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−ブタジエン−ブチレン−スチレン共重合体、スチレン−エチレン−プロピレン−スチレンブロック共重合体(水素添加されたスチレン系エラストマーともいう。)が好ましい。
樹脂層B中に含有されるスチレン系樹脂以外のオレフィン系樹脂および/または熱可塑性エラストマーの含有量は、樹脂層B全体の質量に対して5〜45質量%であるのが好ましく、10〜30質量%であるのがさらに好ましい。
(微粉状充填剤)
樹脂層Bは、反射性能を高める観点からすると、微粉状充填剤を含有してもよい。微粉状充填剤の種類、粒径および表面処理方法に関しては、樹脂層Aで説明した内容と同様であり、好ましい例も同様である。
(他の成分)
樹脂層Bは、スチレン系樹脂、オレフィン系樹脂および/または熱可塑性エラストマーの効果を損なわない範囲内で、これら以外の樹脂(シンジオタクチックポリスチレンなどを含む)を含有してもよい。また、前記効果を損なわない範囲内で、酸化防止剤、光安定剤、熱安定剤、分散剤、紫外線吸収剤、蛍光増白剤、相溶化剤およびその他の添加剤を含有してもよい。
(樹脂層Bの形態)
樹脂層Bは、シート体からなる層であってもよいし、また、溶融樹脂組成物を押出或いは塗布などによって(シートを形成することなく)薄膜形成してなる層であってもよい。シート体からなる場合、そのシート体は未延伸フィルムであっても、一軸或いは二軸延伸フィルムであってもよいが、少なくとも一軸方向に1.1倍以上延伸して得られる延伸フィルム、特に二軸延伸フィルムであるのが好ましい。なお樹脂層Bは、反射性能を高める観点から、内部に微細な空隙を有してもよい。
(積層構成)
本反射材は、樹脂層Aと樹脂層Bを設けた積層構成を有することを要する。このような構成とすることで、樹脂層Aに反射性を付与しつつ、延伸性や耐折強度などの加工性を保持し、樹脂層Bに耐熱性と剛性を付与させるなどの機能分離が可能になり、優れた反射性能を発揮しながら、耐熱性、剛性および加工性を付与させることができるなどの利点がある。よって、このような積層構成においては、光が照射される側(反射使用面側)の最外層に樹脂層Bが位置することが好ましい。このような構成とすることで、反射材に剛性と耐熱性を付与することができる。
また、その他の積層構成としては、例えば、樹脂層Aの両面に樹脂層Bを設けた3層の積層構成を挙げることができる。さらに、樹脂層Aおよび樹脂層B以外に他の層を備えてもよいし、樹脂層Aおよび樹脂層Bの各層間に他の層が介在してもよい。例えば、樹脂層A、樹脂層B間に接着層が介在してもよい。
(厚み)
本反射材の厚みは、特に限定するものではなく、例えば30μm〜1500μmであるのが好ましく、特に、実用面における取り扱い性を考慮すると50μm〜1000μm程度であるのが好ましい。
例えば、液晶ディスプレイ用途の反射材としては、厚みが50μm〜700μmであるのが好ましく、例えば、照明器具、照明看板用途の反射材としては、厚みが100μm〜1000μmであるのが好ましい。
後述する実施例の結果からも分かるように、樹脂層Bは薄くても反射材全体の耐熱性を高めることができる一方、樹脂層Bが厚過ぎると耐折強度が低下してしまう。このような観点から、樹脂層Aと樹脂層Bの各層合計厚み比(例えば樹脂層Aが2層ある場合には2層の合計厚みの比率)は、2:1〜15:1であることが好ましく、特に2:1〜10:1であるのがさらに好ましい。
(反射率)
本反射材は、少なくとも片面の平均反射率が、波長420nm〜700nmの光に対して97%以上とすることができる。このような反射性能を有するものであれば、反射材として良好な反射特性を示し、この反射材を組み込んだ液晶ディスプレイ等はその画面が十分な明るさを実現することができる。
(空隙率)
本反射材は、反射性能を高めるために空隙を有する層を備えているのが好ましく、その層の空隙率、すなわち、空隙が当該層に占める体積割合は、10%以上90%以下、特に20%以上80%以下であることが好ましい。このような範囲の空隙を設けることで、反射材の白化が十分に進行するので高い光反射性を達成することができ、また、反射材の機械的強度が低下して、破断することがない。
上記のような空隙を有する層は、樹脂層A、Bの何れかであっても、両方であっても、その他の層であってもよい。
但し、樹脂層A、Bからなる2層または3層構成においては、樹脂層Aにのみ上記の空隙を設けるのが好ましい。空隙を樹脂層Aのみに設けることで、樹脂層Bに空隙が存在する反射材に比べて、反射材の機械的強度を低下させることなく、反射率を高めることができる。
なお、本反射材の空隙率は、延伸によって空隙を形成する場合の空隙率は、次の式によって求めることができる。
空隙率(%)={(延伸前のフィルムの密度−延伸後のフィルムの密度)/延伸前のフィルムの密度}×100
(製造方法)
本反射材の製造方法としては、特に制限されるものではなく、公知の方法を採用することができる。以下に、積層構成を備えた反射材の製造方法について、一例を挙げて説明するが、下記製造方法に何ら限定されるものではない。
先ず、オレフィン系樹脂などに、微粉状充填剤、その他の添加剤等を必要に応じて配合した樹脂組成物Aを作製する。具体的には、主成分とするオレフィン系樹脂に微粉状充填剤等を必要に応じて加えてリボンブレンダー、タンブラー、ヘンシェルミキサー等で混合した後、バンバリーミキサー、一軸または二軸押出機等を用いて、樹脂の融点以上の温度(例えば、190℃〜270℃)で混練することにより樹脂組成物Aを得ることができる。または、オレフィン系樹脂、微粉状充填剤等を別々のフィーダー等により所定量を添加することにより樹脂組成物Aを得ることができる。また、微粉状充填剤、その他の添加剤等を予めオレフィン系樹脂に高濃度に配合した、いわゆるマスターバッチを作っておきこのマスターバッチとオレフィン系樹脂とを混合して所望の濃度の樹脂組成物Aとすることもできる。
他方、スチレン系樹脂に、オレフィン系樹脂および/または熱可塑性エラストマー、その他添加剤を必要に応じて配合した樹脂組成物Bを作製する。具体的には、スチレン系樹脂に、オレフィン系樹脂および/または熱可塑性エラストマー、その他酸化防止剤等を必要に応じて加えて、リボンブレンダー、タンブラー、ヘンシェルミキサー等で混合した後、バンバリーミキサー、一軸または二軸押出機等を用いて、樹脂の融点以上の温度(例えば、200℃〜280℃)で混練することにより、樹脂組成物Bを得ることができる。または、スチレン系樹脂、オレフィン系樹脂および/または熱可塑性エラストマー等を別々のフィーダー等により所定量を添加することにより樹脂組成物Aを得ることができる。また、オレフィン系樹脂および/または熱可塑性エラストマーとその他の酸化防止剤等を予めに高濃度に配合したいわゆるマスターバッチを作っておき、このマスターバッチとスチレン系樹脂、オレフィン系樹脂および/または熱可塑性エラストマーとを混合して所望の濃度の樹脂組成物Bとすることもできる。
次に、このようにして得られた樹脂組成物AおよびBを乾燥させた後、それぞれ別の押出機に供給し、それぞれ所定の温度以上に加熱して溶融させる。
押出温度等の条件は、分解によって分子量が低下すること等を考慮して設定されることが必要であるが、例えば、樹脂組成物Aの押出温度は190〜270℃、樹脂組成物Bの押出温度は200℃〜280℃であることが好ましい。
その後、溶融した樹脂組成物Aおよび樹脂組成物Bを2種3層用のTダイに合流させ、Tダイのスリット状の吐出口から積層状に押出し、冷却ロールに密着固化させてキャストシートを形成する。
得られたキャストシートは、少なくとも一軸方向に延伸されていることが好ましい。延伸することにより、樹脂層A内部のオレフィン系樹脂と微粉状充填剤の界面が剥離して空隙が形成され、シートの白化が進行して、フィルムの光反射性を高めることができる。更に、キャストシートは二軸方向に延伸されていることが特に好ましい。一軸延伸をしたのみでは形成される空隙は一方向に伸びた繊維状形態にしかならないが、二軸延伸することによって、その空隙は縦横両方向に伸ばされたものとなり円盤状形態になる。
すなわち、二軸延伸することによって、樹脂層A内部のオレフィン系樹脂と微粉状充填剤との界面の剥離面積が増大し、シートの白化がさらに進行し、その結果、フィルムの光反射性をさらに高めることができる。また、二軸延伸するとフィルムの収縮方向の異方性が少なくなるので、フィルムに耐熱性を向上させることができ、またフィルムの機械的強度を増加させることもできる。
キャストシートを延伸する際の延伸温度は、樹脂層Bのスチレン系樹脂のガラス転移温度(Tg)以上、(Tg+50℃)以下の範囲内の温度であることが好ましい。
延伸温度がガラス転移温度(Tg)以上であれば、延伸時にフィルムが破断することなく安定して行うことができる。また、延伸温度が(Tg+50)℃以下の温度であれば、延伸配向が高くなり、その結果、空隙率が大きくなるので、高い反射率のフィルムが得られやすい。
二軸延伸の延伸順序は特に制限されることはなく、例えば、同時二軸延伸でも逐次延伸でも構わない。延伸設備を用いて、溶融製膜した後、ロール延伸によってMDに延伸した後、テンター延伸によってTDに延伸しても良いし、チューブラー延伸等によって二軸延伸を行ってもよい。二軸延伸の場合の延伸倍率は、面積倍率として6倍以上延伸することが好ましい。面積倍率を6倍以上延伸することによって、樹脂層Aおよび樹脂層Bで構成される反射フィルム全体の空隙率が40%以上を実現することができる場合がある。
延伸後は、反射フィルムに寸法安定性(空隙の形態安定性)を付与するため、熱固定を行うことが好ましい。フィルムを熱固定するための処理温度は110〜170℃であることが好ましい。熱固定に要する処理時間は、好ましく1秒〜3分である。また、延伸設備等については特に限定はないが、延伸後に熱固定処理を行うことができるテンター延伸を行うことが好ましい。
(用途)
本反射材は、そのまま反射材として使用することも可能であるが、本反射材を金属板または樹脂板に積層してなる構成として使用することも可能であり、例えば、液晶ディスプレイ等の液晶表示装置、照明器具、照明看板等に用いられる反射板として有用である。
この際、本反射材を積層する金属板としては、例えば、アルミ板やステンレス板、亜鉛メッキ鋼板などを挙げることができる。
金属板または樹脂板に本反射材を積層する方法としては、例えば接着剤を使用する方法、接着剤を使用せずに、熱融着する方法、接着性シートを介して接着する方法、押出しコーティングする方法等を挙げることができる。但し、これらの方法に限定するものではない。
より具体的には、金属板または樹脂板(まとめて「金属板等」という)の反射材を貼り合わせる側の面に、ポリエステル系、ポリウレタン系、エポキシ系等の接着剤を塗布し、反射材を貼り合わせることができる。
かかる方法においては、リバースロールコーター、キスロールコーター等の一般的に使用されるコーティング設備を使用し、反射材を貼り合わせる金属板等の表面に、乾燥後の接着剤膜厚が2μm〜4μm程度となるように接着剤を塗布する。
次いで、赤外線ヒーターおよび熱風加熱炉により塗布面の乾燥および加熱を行い、金属板等の表面を所定の温度に保持しつつ、直ちにロールラミネーターを用いて、反射材を被覆、冷却することにより、反射板を得ることできる。
本反射材の用途としては、液晶ディスプレイ等の液晶表示装置、照明器具、照明看板等に用いられる反射部材として有用である。
一般に液晶ディスプレイは、液晶パネル、偏光反射シート、拡散シート、導光板、反射シート、光源、光源リフレクタ等から構成されている。
本反射材は、光源からの光を効率よく液晶パネルや導光板へ入射させる役割をする反射材として使用することもできるし、エッジ部に配置された光源からの照射光を集光し導光板に入射させる役割を有する光源リフレクタとして使用することもできる。
(用語の説明)
一般的に「フィルム」とは、長さおよび幅に比べて厚みが極めて小さく、最大厚みが任意に限定されている薄い平らな製品で、通常、ロールの形で供給されるものをいい(日本工業規格JISK6900)、一般的に「シート」とは、JISにおける定義上、薄く、一般にその厚みが長さと幅のわりには小さく平らな製品をいう。しかし、シートとフィルムの境界は定かでなく、本発明において文言上両者を区別する必要がないので、本発明においては、「フィルム」と称する場合でも「シート」を含むものとし、「シート」と称する場合でも「フィルム」を含むものとする。
また、本明細書において「主成分」と表現した場合、特に記載しない限り、当該主成分の機能を妨げない範囲で他の成分を含有することを許容する意を包含する。この際、当該主成分の含有割合を特定するものではないが、主成分(2成分以上が主成分である場合には、これらの合計量)は組成物中の50質量%以上、好ましくは70質量%以上、特に好ましくは90質量%以上(100%含む)を占めるものである。
本発明において、「X〜Y」(X,Yは任意の数字)と表現した場合、特にことわらない限り「X以上Y以下」の意と共に、「好ましくはXより大きい」および「好ましくはYより小さい」の意を包含する。
また、本発明において、「X以上」(Xは任意の数字)と表現した場合、特にことわらない限り「好ましくはXより大きい」の意を包含し、「Y以下」(Yは任意の数字)と表現した場合、特にことわらない限り「好ましくはYより小さい」の意を包含する。
(実施例)
以下に実施例を示し、本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲内で種々の応用が可能である。
(測定および評価方法)
先ずは、実施例・比較例で得たサンプルの各種物性値の測定方法および評価方法について説明する。以下、フィルムの引取り(流れ)方向をMD、その直交方向をTDと表示する。
(空隙率)
延伸前のフィルムの密度(「未延伸フィルム密度」と表記する)と、延伸後のフィルムの密度(「延伸フィルム密度」と表記する)を測定し、下記式に代入してフィルムの空隙率(%)を求めた。
空隙率(%)={(未延伸フィルム密度−延伸フィルム密度)/未延伸フィルム密度}×100
(平均反射率)
分光光度計(「U―3900H」、(株)日立製作所製)に積分球を取付け、アルミナ白板を100%とした時の反射率を、波長420nm〜700nmにわたって0.5nm間隔で測定した。得られた測定値の平均値を計算し、この値を平均反射率(%)とした。
(耐熱性)
20インチ型TVのバックライトユニットの構造(図1参照)を模したSUS板に対して、SUS板と反射材間に隙間がないように反射材(サンプル)を貼付け、80℃の熱風オーブンに投入した。3時間後に取り出し、室温まで冷却した。その後、SUS板と反射材間の距離(SUS板に対して反射材が何mm波打っているか)を測定した。
上記SUS板と反射材間の距離を下記評価基準に照らして、耐熱性の評価を行った。ただし、記号「○」、および「△」は実用レベル以上である。
評価基準:
「○」:距離が1mm未満
「△」:距離が2mm未満
「×」:距離が2mm以上
(剛性)
JIS P−8125に準じて、以下の条件により曲げこわさ(g・cm)を測定した後、下記式に代入してシートの曲げ剛性率(kgf/cm)を求めた。
・測定装置:テーバーV−5曲げ剛性度試験機 150−B型(テーバー社製)
・曲げ角度:15度
・曲げ剛性率=2×0.01/(試料厚み)×曲げこわさ
上記曲げ剛性率を下記評価基準に照らして、剛性の評価を行った。ただし、記号「○」、および「△」は実用レベル以上である。
評価基準:
「○」:曲げ剛性率が15,000(kgf/cm)以上
「△」:曲げ剛性率が12,000(kgf/cm)以上
「×」:曲げ剛性率が12,000(kgf/cm)未満
(樹脂組成物A−1の作製)
ポリプロピレン系樹脂(日本ポリプロ社製、商品名「ノバテックPP FY6HA」、密度(JISK−7112):0.9g/cm、MFR(230℃、21.18N、JISK−7210):2.4g/10min)のペレットと、酸化チタン(KRONOS社製、商品名「KRONOS2230」、密度4.2g/cm、ルチル型酸化チタン、Al,Si表面処理、TiO含有量96.0%、製造法:塩素法)とを、50:50の質量割合で混合した後、270℃で加熱された二軸押出機を用いてペレット化し、樹脂組成物A−1を作製した。
(樹脂組成物B−1の作製)
スチレン系樹脂(PSジャパン社製、商品名「G9001」、密度(ISO1183):1.06cm、ガラス転移温度Tg(JISK−7121):125℃)、MFR(230℃、21.18N、JISK−7210):3.9g/10min)のペレットと、ポリプロピレン系樹脂(日本ポリプロ社製、商品名「ノバテックPP EA9」、密度(JISK−7112):0.9cm、MFR(230℃、21.18N、JISK−7210):0.5g/10min)のペレットを、75:25の質量割合で混合した後、220℃に加熱された二軸押出機を用いてペレット化して、樹脂組成物B−1を作製した。
(反射材の作製)
上記樹脂組成物A−1、B−1をそれぞれ、200℃、210℃に加熱された押出機AおよびBに供給し、各押出機において、200℃および210℃で溶融混練した後、2種3層用のTダイに合流させ、樹脂層B−1/樹脂層A−1/樹脂層B−1の3層構成になるようにシート状に押出し、冷却固化して積層シートを形成した。
得られた積層シートを、温度145℃でMDに2倍ロール延伸した後、さらに135℃でTDに3倍テンター延伸することで二軸延伸を行い、厚さ350μm(樹脂層A−1:250μm、樹脂層B−1:50μm 積層比A−1:B−1=2.5:1)の反射材を得た。延伸性(加工性)は良好で破断等は起きなかった。
得られた反射材について空隙率、平均反射率、耐熱性の評価を行った。なお、空隙率に関しては、樹脂層A−1について評価を行った。すなわち、樹脂組成物A−1を押出機Aに供給して、上記操作にしたがって、樹脂層A−1のみの単層フィルム(厚さ250μm)を得て、評価を行った。
(樹脂組成物A−2の作製)
ポリプロピレン系樹脂(日本ポリプロ社製、商品名「ノバテックPP FY6HA」)のペレットと、酸化チタン(KRONOS社製、商品名「KRONOS2230」)とを、60:40の質量割合で混合した後、270℃で加熱された二軸押出機を用いてペレット化し、樹脂組成物A−2を作製した。
(樹脂組成物B−2の作製)
スチレン系樹脂(PSジャパン社製、商品名「G9001」)のペレットと、ポリプロピレン系樹脂(日本ポリプロ社製、商品名「ノバテックPP EA9」)のペレットと、スチレン系エラストマー(旭化成社製、商品名「タフテック P2000」、スチレン−ブタジエン−ブチレン−スチレン共重合体、MFR(230℃、21.18N、JISK−7210):35g/10min)のペレットを、81:9:10の質量割合で混合した後、220℃に加熱された二軸押出機を用いてペレット化して、樹脂組成物B−2を作製した。
(反射材の作製)
上記樹脂組成物A−2、B−2をそれぞれ、200℃、210℃に加熱された押出機AおよびBに供給し、各押出機において、200℃および210℃で溶融混練した後、2種3層用のTダイに合流させ、樹脂層B−2/樹脂層A−2/樹脂層B−2の3層構成になるようにシート状に押出し、冷却固化して積層シートを形成した。
得られた積層シートを、温度145℃でMDに2.8倍ロール延伸した後、さらに140℃でTDに4倍テンター延伸することで二軸延伸を行い、厚さ250μm(樹脂層A−2:180μm、樹脂層B−2:35μm 積層比A−2:B−2=2.5:1)の反射材を得た。延伸性(加工性)は良好で破断等は起きなかった。得られた反射材について、実施例1と同様の評価を行った。
実施例2の樹脂組成物B−2の作製において、スチレン系エラストマー(旭化成社製、商品名「タフテック P2000」)のペレットを用いる代わりに、軟質ポリプロピレン系樹脂(ダウ・ケミカル社製、商品名「VERSIFY 2400−05」、MFR(230℃、21.18N、JISK−7210):1.9g/10min)のペレットを用いた点と、得られた積層シートを、温度145℃でMDに2.8倍ロール延伸した後、さらに140℃でTDに3倍テンター延伸することで二軸延伸を行った点を除いて、実施例2と同様の反射材を得た。延伸性(加工性)は良好で破断等は起きなかった。得られた反射材について実施例1と同様の評価を行った。
(比較例1)
(樹脂組成物A−3の作製)
ポリプロピレン系樹脂(日本ポリプロ社製、商品名「ノバテックPP FY6HA」)のペレットと、酸化チタン(KRONOS社製、商品名「KRONOS2230」)とを、50:50の質量割合で混合した後、270℃で加熱された二軸押出機を用いてペレット化し、樹脂組成物A−3を作製した。
(反射材の作製)
上記樹脂組成物A−3を200℃に加熱された押出機に供給し、押出機において200℃で溶融混練した後、Tダイよりシート状に押出し、冷却固化してシートを形成した。得られたシートを、温度130℃でMDに2倍ロール延伸した後、さらに130℃でTDに3倍テンター延伸することで二軸延伸を行い、厚さ200μmの反射材を得た。得られた反射材について実施例1と同様の評価を行った。
(比較例2)
(樹脂組成物A−4の作製)
ポリプロピレン系樹脂(日本ポリプロ社製、商品名「ノバテックPP FY6HA」)のペレットと、酸化チタン(KRONOS社製、商品名「KRONOS2230」)とを、60:40の質量割合で混合した後、270℃で加熱された二軸押出機を用いてペレット化し、樹脂組成物A−4を作製した。
(樹脂組成物B−4の作製)
非晶性シクロオレフィン系樹脂(ポリプラスチックス株式会社製、商品名「TOPAS8007」、エチレンとノルボルネンの付加共重合体、密度(ISO1183):1.02g/cm、MFR(230℃、21.18N、JISK−7210):10g/10min)のペレットと、ポリプロピレン系樹脂(日本ポリプロ社製、商品名「ノバテックPP EA9」)のペレットを、75:25の質量割合で混合した後、230℃に加熱された二軸押出機を用いてペレット化して、樹脂組成物B−4を作製した。
(反射材の作製)
上記樹脂組成物A−4、B−4をそれぞれ、200℃、230℃に加熱された押出機AおよびBに供給し、各押出機において、200℃および230℃で溶融混練した後、2種3層用のTダイに合流させ、樹脂層B−4/樹脂層A−4/樹脂層B−4の3層構成になるようにシート状に押出し、冷却固化して積層シートを形成した。
得られた積層シートを、温度℃でMDに2.8倍ロール延伸した後、さらに140℃でTDに4倍テンター延伸することで二軸延伸を行い、厚さ250μm(樹脂層A−4:180μm、樹脂層B−4:35μm 積層比A−4:B−4=2.5:1)の反射材を得た。得られた反射材について、実施例1と同様の評価を行った。
Figure 2012096493
表1から明らかなように、実施例1〜3および比較例1、2の反射材は、波長420nm〜700nmの光に対する反射率が97%以上で、高い光反射性を有していることが分かった。また、実施例1〜3および比較2の反射材は、剛性が12,000(kgf/cm)以上で実用レベルを満たして良好であるのに対して、比較例1の反射材は、剛性がそれに及ばず劣ることがわかった。
さらに、実施例1〜3の反射材は、波打ち試験後においても波打ちが起きず、実施例1,2の反射材はSUS面に対してシートの浮きが1mm未満、実施例3の反射材では1.5mm未満とほぼフラットで、良好な耐熱性を有していることがわかった。
これに対して、比較例1、2の反射材は、波打ち試験後、2mm以上の大きな波打ちが発生し、耐熱性の点で実施例1〜3の反射材に劣ることが分かった。
以上より、実施例1〜3の反射材は、高い光反射性、良好な剛性、延伸性等の加工性、さらに良好な耐熱性を備えていることがわかった。
このような点からすると、微粉状充填材を含有する樹脂層Aとともに、スチレン系樹脂を含有する樹脂層Bを設けることにより、耐熱性および剛性を確保することができるようになり、高温環境下でも波打ちを生じないようにすることができるものと考えることができる。

Claims (9)

  1. 少なくともスチレン系樹脂以外の他の樹脂および微粉状充填材を含有する樹脂層Aの少なくとも片面に、スチレン系樹脂を含有する樹脂層Bを設けた積層構成を有することを特徴とする反射材。
  2. 前記樹脂層Bが、スチレン系樹脂のほかに、オレフィン系樹脂および/または熱可塑性エラストマーを含有することを特徴とする請求項1に記載の反射材。
  3. 前記樹脂層Aが、オレフィン系樹脂を含有することを特徴とする請求項1または2に記載の反射材。
  4. 前記樹脂層Bが、スチレン系樹脂のほかに、オレフィン系樹脂を含有し、かつ前記樹脂層Aは、樹脂層Bの前記オレフィン系樹脂と同一のモノマー単位を含むオレフィン系樹脂を含有することを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の反射材。
  5. 樹脂層Aの空隙率が20%以上80%以下であることを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の反射材。
  6. 樹脂層Bが、反射材の反射使用面である最外層に位置することを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載の反射材。
  7. 樹脂層Aと樹脂層Bとの各層合計の厚み比が、樹脂層A:樹脂層B=2:1〜15:1であることを特徴とする請求項1〜6の何れか一項に記載の反射材。
  8. 請求項1〜7の何れか一項に記載の反射材を、金属板または樹脂板に積層してなる構成を有する反射板。
  9. 液晶ディスプレイ、照明器具、或いは照明看板の構成部材として使用することを特徴とする請求項1〜7の何れかに記載の反射材。
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