JP2012095486A - 回転電機の固定子及び回転電機 - Google Patents

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宗宏 神谷
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加奈子 松山
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Abstract

【課題】回転電機の固定子において、スロット内の占積率とコイルエンドの絶縁性能とを両立させることである。
【解決手段】回転電機の固定子のコイルエンド部において重なりあう2つのコイル巻線50,52は、導体部44と、その上に形成された絶縁性皮膜部62を有する。絶縁性皮膜部62は、凹凸形状部64を有し、2つのコイル巻線50,52が重なり合うときに、一方の凹部と他方の凸部が互いに嵌合しない寸法関係または向きを有する。隣接するコイル巻線50,52の導体部44の間の距離であるコイルエンド導体部間距離LEは、スロット内において隣接するコイル巻線の導体部の間の距離であるスロット内導体部間距離LSよりも長い。
【選択図】図5

Description

本発明は、回転電機の固定子及び回転電機に係り、特に、ステータコアのスロットに順次積み重ねられて挿入され、スロットから引き出されてコイルエンドに重ねられて配置されるコイル巻線を備える回転電機の固定子及びそれを用いる回転電機に関する。
回転電機の固定子には、固定子巻線あるいは電機子巻線と呼ばれるコイル巻線が配置される。固定子は、周方向に沿って複数のティースと呼ばれる突出部が配置されるステータコアと、巻線部とを含んで構成される。巻線部は、ステータコアの隣接するティースの間のスロットと呼ばれる空間にコイル巻線を挿入し、ティースに所定の方式でこのコイル巻線を巻回するスロット巻線と、巻回が終るとそのスロットからステータコアの外に引き出されるコイルエンド部とを含む。
コイル巻線は、スロット内でも、コイルエンド部でも、互いに重なって配置されるので、その絶縁性能の確保と、積み重ねの体積的効率の向上が求められる。
特許文献1には、絶縁電線として、導体上に直接または間接に、熱可塑性樹脂被覆層が形成され、その熱可塑性樹脂被覆層の最外層に突起が設けられる平角線が回転電機のステータスロットに挿入されることが開示されている。
特許文献2には、回転電機の固定子巻線として、断面が略方形の導体部の外周に絶縁性樹脂の皮膜部を有し、その皮膜部が、導体部の1つの表面側では薄膜部と厚膜部を有する凹凸形状の突状部となり、その1つの表面側に背向した表面側でも薄膜部と厚膜部を有する凹凸形状の突状部となり、その互いに背向した表面の凹凸は軸に対し対称な形状となっている構成が開示されている。このような断面形状を有する固定子巻線をスロットに順次挿入すると、隣接する巻線同士で凹部と凸部が嵌合し、導体間の距離が、厚膜部の厚さと薄膜部の厚さの合計となり、スロット中の体積的効率を示すコイル占積率が高くなると述べられている。
特開2008−288106号公報 特開2009−232607号公報
回転電機の高出力と小型化のためには、例えば固定子コアのスロットの断面に占めるコイル導体断面積の割合を大きくすると共に、絶縁性能を確保することが必要である。導体の上に絶縁性皮膜を設けるコイル巻線として、その表面に突起を設けて導体間の距離を大きくする方法は絶縁性能を向上させるが、スロットにおいては空隙が生じるので、同じスロット断面積で比較すると、突起を設けない場合に比べ、導体面積が制限されることになる。
表面に厚膜部と薄膜部とからなる凹凸を設けるが、隣接する巻線の間でそれぞれの凹凸が互いに嵌合するようにする方法は、スロットにおいてコイル占積率を向上させ、絶縁性能も確保できるが、スロットの外のコイルエンドにおいては問題が残る。すなわち、コイルエンドにおいて、この凹凸でない側面で互いに巻線が接触する場合には、絶縁性能を確保するためにその側面で一定以上の皮膜厚が必要となり、その分、スロットにおいて、導体面積が制限を受けることになる。
本発明は、スロット内の占積率とコイルエンドの絶縁性能とを両立させることを可能とする回転電機の固定子及びそれを用いる回転電機を提供することである。
本発明に係る回転電機の固定子は、導体部の上に絶縁性皮膜部を有するコイル巻線と、コイル巻線が順次積み重ねられて挿入されるスロットを有するステータコアと、スロットから引き出されるコイル巻線が重ねられて配置されるコイルエンド部と、を備え、コイル巻線は、スロットに順次積み重ねられるときの隣接するコイル巻線の導体部の間の距離をスロット内導体部間距離とし、コイルエンド部に重ねられるときの隣接するコイル巻線の導体部の間の距離をコイルエンド導体部間距離として、コイルエンド導体間距離がスロット内導体部間距離よりも長くなるように、コイルエンド部に配置される部分がスロットに挿入される部分の断面と異なる断面を有することを特徴とする。
また、本発明に係る回転電機の固定子において、コイル巻線は、スロットに挿入される部分であって、絶縁性能から予め定められる所定皮膜厚の絶縁性皮膜部で覆われるスロット挿入部と、コイルエンドに配置される部分であって、所定皮膜厚よりも厚い部分を含む凹凸形状の皮膜部を有するコイルエンド配置部と、を備えることが好ましい。
また、本発明に係る回転電機の固定子において、コイルエンド配置部の凹凸形状は、2つの巻線がそれぞれの凹凸形状で向かい合ったときに、一方の凹部と他方の凸部が互いに嵌合しない寸法関係または向きを有することが好ましい。
また、本発明に係る回転電機の固定子において、コイルエンド配置部の凹凸形状は、巻線の軸方向に沿って凹凸が交互に繰り返されて配置されることが好ましい。
また、本発明に係る回転電機は、ロータ軸に取り付けられる回転子であるロータと、ロータの外周側に設けられる固定子であるステータと、を備え、ステータは、導体部の上に絶縁性皮膜部を有するコイル巻線と、コイル巻線が順次積み重ねられて挿入されるスロットを有するステータコアと、スロットから引き出されるコイル巻線が重ねられて配置されるコイルエンド部とを含み、コイル巻線は、スロットに順次積み重ねられるときの隣接するコイル巻線の導体部の間の距離をスロット内導体部間距離とし、コイルエンド部に重ねられるときの隣接するコイル巻線の導体部の間の距離をコイルエンド導体部間距離として、コイルエンド導体間距離がスロット内導体部間距離よりも長くなるように、コイルエンド部に配置される部分がスロットに挿入される部分の断面と異なる断面を有することを特徴とする。
上記構成により、回転電機の固定子のコイル巻線は、コイルエンド導体間距離がスロット内導体部間距離よりも長くなるように、コイルエンド部に配置される部分がスロットに挿入される部分の断面と異なる断面を有する。これにより、スロット内の占積率を向上させながらコイルエンドの絶縁性能を確保することができる。
また、回転電機の固定子において、コイル巻線のコイルエンド配置部は、スロット挿入部における所定皮膜厚よりも厚い部分を含む凹凸形状の皮膜部を有する。これによって、コイルエンド導体間距離をスロット内導体部間距離よりも長くすることができる。
また、回転電機の固定子において、コイルエンド配置部の凹凸形状は、2つの巻線がそれぞれの凹凸形状で向かい合ったときに、一方の凹部と他方の凸部が互いに嵌合しない寸法関係または向きを有するので、凹凸部を設けた効果を維持できる。
また、回転電機の固定子において、コイルエンド配置部の凹凸形状は、巻線の軸方向に沿って凹凸が交互に繰り返されて配置される。このような凹凸の向きとすることで、コイルエンド配置部で、2つのコイル巻線が向かい合ったときに一方の凹部と他方の凸部が互いに嵌合しないようにできる。
本発明に係る実施の形態の固定子が適用される回転電機の様子を示す図である。 図1における固定子を抜き出して示す図である。 図2におけるA部を内径側から見た様子を示す図である。 図3のS−S線に沿った断面の様子を示す図である。 図2のB部のコイルエンド部における2つのコイル巻線の重なり合いを説明する図である。 図2のC部のコイルエンド部における2つのコイル巻線の重なり合いを説明する図である。 本発明に係る実施の形態において、スロット内で隣接するコイル巻線の間の電圧差と、コイルエンド部で隣接するコイル巻線の間の電圧差を説明する図である。
以下に図面を用いて本発明に係る実施の形態につき詳細に説明する。以下では、回転電機として、永久磁石型ロータとステータ巻線を有するステータとの組み合わせを説明するが、ロータは永久磁石型以外の形式でもよく、例えば、リラクタンス型ロータであってもよい。また、以下では、ロータコアもステータコアも電磁鋼板を積層して形成されたものを説明するが、電磁鋼板以外の材料であってもよく、例えば、粉末成形等で形成されるものであってもよい。
以下では、絶縁性皮膜部は、導体部の上に熱可塑性樹脂で形成されるものとして説明するが、熱可塑性樹脂を複数層で構成されるものとしてもよく、また、導体部と熱可塑性樹脂との間にエナメル層等の中間層を設けるものとしてもよく、熱可塑性樹脂の表面に接着層を設けるものとしてもよい。
以下では、全ての図面において同様の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、本文中の説明においては、必要に応じそれ以前に述べた符号を用いるものとする。
図1は、回転電機10の構成を示す図である。回転電機10は三相同期型であって、モータケース12に出力軸であるロータ軸14が支持され、ロータ軸14に回転子であるロータ20が固定され、ロータ20の外周側に固定子であるステータ30が配置される。
ロータ20は、上記のようにロータ軸14に固定された回転子で、電磁鋼板を積層して形成されるロータコア22と、ロータコア22に埋め込み型で配置される複数の永久磁石24を含んで構成される。なお、永久磁石24は、ロータコア22に埋め込まずに、ステータ30に直接向かい合うように配置されてもよい。
ステータ30は、ロータ20に対し回転磁界を与える機能を有し、この回転磁界とロータ20の永久磁石24との電磁的協働作用によって、ロータ20に回転エネルギを与える固定子である。ステータ30は、電磁鋼板を積層して形成されるステータコア32と、ステータコアに巻回される巻線部とで構成される。
ステータコア32は、円環状の部材で、内周側に、周方向に沿って複数のティースと呼ばれる突出部が配置される。巻線部は、ステータコア32の隣接するティースの間のスロットと呼ばれる空間にコイル巻線を挿入し、ティースに所定の方式でこのコイル巻線を巻回するスロット巻線と、巻回が終るとそのスロットからステータコア32の外に引き出されるコイルエンド部とを含んで構成される。図1では、ステータコア32の内部にスロット巻線が隠れているので、コイルエンド部34のみが図示されている。
図2は、図1のステータ30の部分を抜き出して斜視図で示す図である。ここでは、ステータコア32の内周側に複数のティース36が示され、隣接するティース36の間の隙間空間であるスロット38が僅かに示され、スロット38からステータコア32の軸方向の両側に引き出されたコイル巻線がコイルエンド部34を形成する様子が示される。
図3は、図2のA部を内径側から見た様子を示す図、図4は、図3のS−S線に沿った断面の様子を示す図である。図3では、ステータコア32がティース36として示され、スロット38がその中に配置される絶縁シート40が見える様子が示される。図4に示されるように、この絶縁シートの中のコイル巻線42の部分が、スロット巻線33に相当するである。図3では、ステータコア32の上部側および下部側のコイルエンド部34のそれぞれにおいて、2つのコイル巻線50,52が重なりあう様子、2つのコイル巻線54,56が重なりあう様子が示されている。
ステータコア32のスロット38内では、図4に示されるように、1本のコイル巻線42が順次積み重ねられて挿入される。つまり、回転電機10の三相の同じ相のコイル巻線42が隣接して積み重ねられて配置される。1本のコイル巻線42は、銅線等で構成される導体部44と、その上に、ポリアミド(PA)等の熱可塑性樹脂から構成される絶縁性皮膜部46を有する。図4では導体部44が矩形断面で、絶縁性皮膜部46はその外側を一様な膜厚で被覆する構造が示されるが、導体部44の断面は矩形でなくても構わない。
導体部44の材質は、銅以外の良導体金属であってもよい。絶縁性皮膜部46の材質は、ポリアミド以外のものを用いることができる。例えば、ポリプロピレン(PP)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリエステル(PE)、ポリイミド(PI)、ポリアセタール(POM)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエチレン(PE)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリスチレン(PS)等を用いることができる。導体部44の上に絶縁性皮膜部46を形成する方法としては、樹脂と溶剤の混合物であるワニスを導体部44の上に塗布し、適当な焼付炉で焼付する方法等を用いることができる。
ステータコア32のスロット38内に挿入される巻線部の部分をスロット挿入部と呼ぶことにすると、スロット挿入部では、積み重ねられるコイル巻線42は、絶縁性皮膜部46同士で接触している。実際には巻線工程の不均一等で、積み重ねの間に若干の隙間が生じるが、実質的には絶縁性皮膜部46同士で、隣接するコイル巻線42が接触していると考えてよい。隣接するコイル巻線42の導体部44の間の距離をスロット内導体部間距離LSとすると、LSは、絶縁性皮膜部46の厚さの2倍に相当する。このLSで隣接するコイル巻線42の間の絶縁性能が決まるので、スロット内導体部間距離LSは、絶縁性能を考慮して定められ、その半分の厚さが、絶縁性皮膜部46の所定皮膜厚として設定される。
このように、スロット挿入部では、絶縁性皮膜部46の厚さは、絶縁性能から予め定められる所定皮膜厚で一様に導体部44の周囲を被覆するが、コイルエンド部34では、これと異なる断面構造を有する。図5は、図3のB部の詳細な様子を示す図で、図6は、図3のC部の詳細な様子を示す図である。
図5では、2つのコイル巻線50,52が交差する様子が断面図で示されている。ここに示されるように、2つのコイル巻線50,52は、導体部44の周囲を被覆する絶縁性皮膜部62が凹凸形状部64を有している。凹凸形状部64は、コイル巻線50,52の軸方向に沿って、凹部66と凸部68が繰り返される凹凸形状の部分である。凹凸形状部64は、隣接する凸部68が不連続の帯状形状であってもよく、軸方向にらせん状に進むらせん凹凸部であってもよい。
図3に示されるように、2つのコイル巻線50,52は、互いに異なるスロット38から引き出されるので、その交差は、互いの軸方向がある角度を有するように行なわれる。図5では、交差が直交して行なわれる様子が示されているが、勿論、直交以外で交差してもよい。このように、互いの軸方向が平行でないある角度で交差が行なわれるので、その交差角度と異なる角度で、凹凸形状部64の軸方向に対する凹凸の傾斜角度を設定することで、2つのコイル巻線がそれぞれの凹凸形状で向かい合ったときに、一方の凹部と他方の凸部が互いに嵌合しない向きとすることができる。
図5の例では、凹凸形状部64の軸方向に対する凹凸の傾斜角度が90度に設定されているので、2つのコイル巻線50,52が平行とならない限り、2つのコイル巻線50,52がそれぞれの凹凸形状で向かい合ったときでも、一方の凹部と他方の凸部が互いに嵌合することはない。一方の凹部と他方の凸部が互いに嵌合しないようにするには、上記で述べたように、凹凸形状部64の軸方向に対する凹凸の傾斜角度、すなわち、向きの設定を適切に行なうことで実現できるほかに、凹凸形状部64の凹部66と凸部68の寸法を適切に設定することでもよい。例えば、凹部66の溝幅の寸法よりも凸部68の山幅の寸法を大きく設定することで、一方の凹部に他方の凸部が嵌合することを防げる。
ステータコア32のコイルエンド部34に配置される巻線部の部分をコイルエンド配置部と呼ぶことにすると、コイルエンド配置部では、重なり合うコイル巻線50,52は、絶縁性皮膜部62の凸部68同士で接触している。ここで、隣接するコイル巻線50,52の導体部44の間の距離をコイルエンド導体部間距離LEとすると、LEは、スロット内導体部間距離LEよりも大きく設定される。すなわち、コイルエンド部34における隣接するコイル巻線50,52の間の絶縁性能は、スロット挿入部における隣接するコイル巻線42の間の絶縁性能よりも高く設定される。
このような凹凸形状部64は、例えば、スロット挿入部における絶縁性皮膜部46が一様なコイル巻線42を、適当な凹凸形状を有するダイス等の加工具を用いて、型押し加工することで得ることができる。この方法によれば、コイルエンド部34におけるコイル巻線50,52の絶縁性皮膜部62の断面積は、スロット挿入部におけるコイル巻線42の絶縁性皮膜部46の断面積と同じであるので、型押しによって、コイル巻線42から凹部66の部分がくぼみ、その分、凸部68が張り出す形状となる。これによって、コイルエンド導体部間距離LEをスロット内導体部間距離LEよりも大きくすることができる。勿論、成形技術を用いて、凹凸形状部がない部分と凹凸形状部がある部分とを作り分ける方法を用いることもできる。
図6は、図3のC部において2つのコイル巻線50,52が交差する様子を断面図で示したもので、その内容は、図5で説明したものと同様であるので、詳細な説明を省略する。ここでも、コイルエンド導体部間距離LEは、スロット内導体部間距離LEよりも大きくなっている。
このように、コイルエンド配置部におけるコイル巻線50,52,54,56の断面形状と、スロット挿入部におけるコイル巻線42の断面形状を異ならせ、スロット内導体部間距離LSよりも、コイルエンド導体部間距離LEを大きく設定することで、スロット38における占積率を向上させながら、コイルエンド部34における絶縁性能を向上させることができる。
図7は、コイルエンド部34における絶縁性能をスロット38における絶縁性能よりも向上させることがよい理由を説明する図である。図7は、三相同期型の回転電機10の各相巻線の接続の様子を示す図で、ここでは、U相巻線、V相巻線、W相巻線のそれぞれの一方端が中性点で接続されるY結線が示されている。上記のように、スロット38内における互いに隣接するコイル巻線42は、1つの相巻線の内部の構成要素であるので、例えば、U相巻線とすると、隣接するコイル巻線42の間の電圧差は、U相の相内電圧差70よりも小さい。これに対し、コイルエンド部34における2つのコイル巻線50,52は、それぞれ異なるスロット38から引き出されているので、その2つのコイル巻線50,52の間の電圧差は、2つの相間電圧差72となる。
図7から理解されるように、相間電圧差72は、相内電圧差70の2倍である。したがって、コイルエンド部34における絶縁性能は、スロット38における絶縁性能よりも向上させることが必要である。
本発明に係る回転電機の固定子は、例えば、三相回転電機に利用できる。
10 回転電機、12 モータケース、14 ロータ軸、20 ロータ、22 ロータコア、24 永久磁石、30 ステータ、32 ステータコア、33 スロット巻線、34 コイルエンド部、36 ティース、38 スロット、40 絶縁シート、42,50,52,54,56 コイル巻線、44 導体部、46,62 絶縁性皮膜部、64 凹凸形状部、66 凹部、68 凸部、70 相内電圧差、72 相間電圧差。

Claims (5)

  1. 導体部の上に絶縁性皮膜部を有するコイル巻線と、
    コイル巻線が順次積み重ねられて挿入されるスロットを有するステータコアと、
    スロットから引き出されるコイル巻線が重ねられて配置されるコイルエンド部と
    を備え、
    コイル巻線は、
    スロットに順次積み重ねられるときの隣接するコイル巻線の導体部の間の距離をスロット内導体部間距離とし、コイルエンド部に重ねられるときの隣接するコイル巻線の導体部の間の距離をコイルエンド導体部間距離として、コイルエンド導体間距離がスロット内導体部間距離よりも長くなるように、コイルエンド部に配置される部分がスロットに挿入される部分の断面と異なる断面を有することを特徴とする回転電機の固定子。
  2. 請求項1に記載の回転電機の固定子において、
    コイル巻線は、
    スロットに挿入される部分であって、絶縁性能から予め定められる所定皮膜厚の絶縁性皮膜部で覆われるスロット挿入部と、
    コイルエンドに配置される部分であって、所定皮膜厚よりも厚い部分を含む凹凸形状の皮膜部を有するコイルエンド配置部と、
    を備えることを特徴とする回転電機の固定子。
  3. 請求項2に記載の回転電機の固定子において、
    コイルエンド配置部の凹凸形状は、
    2つのコイル巻線がそれぞれの凹凸形状で向かい合ったときに、一方の凹部と他方の凸部が互いに嵌合しない寸法関係または向きを有することを特徴とする回転電機の固定子。
  4. 請求項3に記載の回転電機の固定子において、
    コイルエンド配置部の凹凸形状は、
    コイル巻線の軸方向に沿って凹凸が交互に繰り返されて配置されることを特徴とする回転電機の固定子。
  5. ロータ軸に取り付けられる回転子であるロータと、
    ロータの外周側に設けられる固定子であるステータと、
    を備え、
    ステータは、
    導体部の上に絶縁性皮膜部を有するコイル巻線と、
    コイル巻線が順次積み重ねられて挿入されるスロットを有するステータコアと、
    スロットから引き出されるコイル巻線が重ねられて配置されるコイルエンド部と
    を含み、
    コイル巻線は、
    スロットに順次積み重ねられるときの隣接するコイル巻線の導体部の間の距離をスロット内導体部間距離とし、コイルエンド部に重ねられるときの隣接するコイル巻線の導体部の間の距離をコイルエンド導体部間距離として、コイルエンド導体間距離がスロット内導体部間距離よりも長くなるように、コイルエンド部に配置される部分がスロットに挿入される部分の断面と異なる断面を有することを特徴とする回転電機。
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