JP2012090757A - 椅子の座回動機構 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡易な構成でありながらも使用や樹脂のへたりに大きな影響を受けずに回転規制の効果を保つことができるようにする。
【解決手段】座23が取り付けられる座フレーム1と当該座フレーム1を回動可能に支持する座回動支持桿6とを有する椅子の座回動機構であり、座回動支持桿6に間隔をあけて設けられた第一の受け部材7及び回転止め部8と、座フレーム1に設けられて第一の受け部材7と回転止め部8との間に配置される第二の受け部材2と、第一の受け部材7と第二の受け部材2とを貫通してこれら第一の受け部材7と第二の受け部材2とを挟むように締め付けるものであって一端に頭部3aを有する回動軸3及び当該回動軸3の頭部3aと反対側に嵌められる回動軸止め5と、回転止め部8に設けられて回動軸3の頭部3aの側面に当たって回動軸3の座回動支持桿6に対する相対回転を阻止する当たり面11とを備え、回転止め部8は回動軸3の頭部3aを軸方向に通り抜け可能とするようにした。
【選択図】図1
【解決手段】座23が取り付けられる座フレーム1と当該座フレーム1を回動可能に支持する座回動支持桿6とを有する椅子の座回動機構であり、座回動支持桿6に間隔をあけて設けられた第一の受け部材7及び回転止め部8と、座フレーム1に設けられて第一の受け部材7と回転止め部8との間に配置される第二の受け部材2と、第一の受け部材7と第二の受け部材2とを貫通してこれら第一の受け部材7と第二の受け部材2とを挟むように締め付けるものであって一端に頭部3aを有する回動軸3及び当該回動軸3の頭部3aと反対側に嵌められる回動軸止め5と、回転止め部8に設けられて回動軸3の頭部3aの側面に当たって回動軸3の座回動支持桿6に対する相対回転を阻止する当たり面11とを備え、回転止め部8は回動軸3の頭部3aを軸方向に通り抜け可能とするようにした。
【選択図】図1
Description
本発明は、椅子の座回動機構に関する。さらに詳述すると、本発明は、例えば、座が水平位置と垂直位置とに回動することが可能であって座を垂直位置にして同一の椅子と前後方向にスタッキングすることが可能である椅子に適用して好適な座回動機構に関する。
椅子の座を跳ね上げて回動させる構造とするためには当該座の回動動作に抵抗を与える必要がある。抵抗がないと座が倒れてしまい指などを挟む危険がある。座が回動可能な従来の椅子としては例えば、図8及び図9に示すように、対向配置された左右一対の座支持フレーム101,101と、これら座支持フレーム101それぞれの後端と接合する左右一対の背凭れ支持フレーム102,102と、左右一対の座支持フレーム101,101の間の後端寄り位置に取り付けられた左右方向の座回動支持桿105を介して回動可能に取り付けられる座103と、背凭れ支持フレーム102の上端部に取り付けられる背凭れ104とを有し、弾性を有する硬質合成樹脂で形成されて座103の下面に取り付けられた左右一対の支持部材106,106を座回動支持桿105に回動可能に装着し、また、座回動支持桿105の外周にピン107を設け、座103の上方への回動時にピン107に摺接しつつ当該ピン107を乗り越えて座103の起立位置(概ね垂直位置)でピン107に係合して起立位置で座103を保持する弾性リブ108を支持部材106の側壁に形成するようにしたものがある(特許文献1)。
しかしながら、特許文献1の椅子では、樹脂の弾性変形を利用して回転の規制をかけることによって座103を起立位置に保持するようにしており、使用によって或いは経時変化によって弾性リブ108部分の樹脂にへたりが生じた場合には回転規制(そのための抵抗力)が弱まってしまい、座103を起立位置で保持することができずに例えば振動等の外力によって使用位置(概ね水平位置)に向かって不意に前向き(下向き)回動してしまう。このため、快適・良好な使用状態が十分に持続されるとは言い難いという問題がある。さらに、弾性リブ108は支持部材106の側壁と一体の凸部として形成されているので、弾性リブ108部分の樹脂にへたりが生じ座103の回転規制が弱まってしまう不具合を解消するためには支持部材106全体を交換する必要があり、メンテナンスにかかる手間の増加及びコストアップに繋がってしまうという問題がある。
そこで、本発明は、椅子の座の回動機構において、簡易な構成でありながらも回転規制の効果を長期間保つことができると共に、樹脂のへたりや摩耗等によって回転規制がたとえ弱まってしまったとしても部品の交換を伴うことなく回転規制効果の回復の調整を簡便に行うことができる椅子の座回動機構を提供することを目的とする。
かかる目的を達成するため、請求項1記載の椅子の座回動機構は、座が取り付けられる座フレームと当該座フレームを回動可能に支持する座回動支持桿とを有する椅子の座回動機構であり、座回動支持桿に間隔をあけて設けられた第一の受け部材及び回転止め部と、座フレームに設けられて第一の受け部材と回転止め部との間に配置される第二の受け部材と、第一の受け部材と第二の受け部材とを貫通してこれら第一の受け部材と第二の受け部材とを挟むように締め付けるものであって一端に頭部を有する回動軸及び当該回動軸の頭部と反対側に嵌められる回動軸止めと、回転止め部に設けられて回動軸の頭部の側面又は回動軸止めの側面に当たって回動軸又は回動軸止めの座回動支持桿に対する相対回転を阻止する当たり面とを備え、回転止め部は回動軸の頭部又は回動軸止めを軸方向に通り抜け可能としている。
したがって、この椅子の座回動機構によると、第一の受け部材と第二の受け部材とが回動軸を中心に相対回転することで座回動支持桿に対して座フレームが回動する。そして、第一の受け部材と第二の受け部材とは回動軸と回動軸止めとによって締め付けられているので、これらを強く締め付けると第一の受け部材と第二の受け部材との相対回転に対して適度な大きさの抵抗力が発生する。さらに、回動軸の頭部の側面又は回動軸止めの側面が回転止め部の当たり面に当たることによって回動軸の座回動支持桿に対する相対回転が阻止されると共に回動軸止め又は回動軸の頭部がこれらを締め付けることによって第一の受け部材に摩擦係合しているので、回動軸及び回動軸止めは第一の受け部材及び回転止め部に対して回転することなく固定されるため、座を使用位置と起立位置との間で回動させても回動軸と回動軸止めとによる締め付けが緩むことがない。したがって、座がゆっくりと安定して回動するようになると共に、座が例えば振動等の外力によって起立位置から勢いよく倒れたり使用位置の状態でばたついたりすることが防止され、且つ、このような快適・良好な使用状態が維持される。
なお、本発明の説明においては、使用位置とは水平若しくは概ね水平位置のことをいい、起立位置とは垂直若しくは概ね垂直位置のことをいうものとする。
また、この椅子の座回動機構によると、回動機構に用いられる部品としての樹脂にへたりや摩耗が生じてこれによって第一の受け部材と第二の受け部材との間の回転規制(そのための抵抗力)がたとえ弱まってしまったとしても、回動軸と回動軸止めとを増し締めして第一の受け部材と第二の受け部材とを挟んで締め付ける力を調整することにより、第一の受け部材と第二の受け部材との間の回転抵抗力を調整する(言い換えると、回復させる)ことができる。
また、請求項2記載の発明は、請求項1記載の椅子の座回動機構において、第一の受け部材及び回転止め部とが、座回動支持桿の左右両端と接合して当該座回動支持桿を介して座を支持するように対向配置された左右一対の座支持フレームの内側に配置されるようにしている。この場合には、椅子全体の外枠を形成する左右の座支持フレームの内側に第一の受け部材及び回転止め部並びに第二の受け部材が配置されることになるので、座の回動操作をする人と前記の部品から構成される回転動作部分との間に一定の距離が確保される。また、座が使用位置にある椅子の使用状態において特に前記回転動作部分が隠れるために外観がすっきりしたものになる。
また、請求項3記載の発明は、請求項1記載の椅子の座回動機構において、第一の受け部材及び回転止め部が座回動支持桿から上方に突出して設けられて回動軸が座回動支持桿よりも上に位置し、座が使用位置にある時の座フレームと、座回動支持桿の左右両端と接合して当該座回動支持桿を介して座を支持するように対向配置された左右一対の座支持フレームとの間に間隙があるようにしている。この場合には、座を起立位置から使用位置へと回動させた場合に座が使用位置になった時の座フレームと座支持フレームとの間に例えば指が挟まれることが防止される。
請求項1記載の椅子の座回動機構によれば、回動軸と回動軸止めとによる締め付けによって第一の受け部材と第二の受け部材との相対回転に対して適度な大きさの抵抗力を発生させることができるので、座が例えば振動等の外力によって起立位置から勢いよく倒れたり使用位置の状態でばたついたりすることを防止することができ、安全性及び快適性の向上を図ることが可能になる。
請求項1記載の椅子の座回動機構によれば、また、回動軸と回動軸止めとによる締め付けによって第一の受け部材と第二の受け部材との相対回転に対して適度な大きさの抵抗力を発生させることができるので、座の回動操作に対して一定の抵抗力を生じさせて座をゆっくりと安定させて回動させることができ、座の回動動作の安定性を発揮させて使い心地の向上及び高級感の創出を図ることが可能になる。
請求項1記載の椅子の座回動機構によれば、さらに、座を使用位置と起立位置との間で回動させても回動軸と回動軸止めとによる締め付けが緩むことがないので、上述の効果を十分に長期間に亘って持続させることができ、メンテナンスの手間を軽減することが可能になる。
また、請求項1記載の椅子の座回動機構によれば、第一の受け部材と第二の受け部材との間の回転抵抗力の調整(言い換えると、回復)を、部品の交換を伴うことなく簡便に行うことができるので、たとえメンテナンスが必要になったとしてもその手間の軽減とコストの低減とが可能になる。
また、請求項2記載の椅子の座回動機構によれば、座の回動操作をする人と回動機構の回転動作部分との間に一定の距離が確保されるので、前記回転動作部分に例えば着衣が巻き込まれたり指が挟まれたりすることを防止することができ、安全性の向上を図ることが可能になる。また、座が使用位置にある椅子の使用状態において特に前記回転動作部分を隠して外観をすっきりさせることができるので、見栄えの向上を図ることが可能になる。
また、請求項3記載の椅子の座回動機構によれば、座を起立位置から使用位置へと回動させた場合に座が使用位置になった時の座フレームと座支持フレームとの間に例えば指が挟まれることを防止することができるので、安全性のより一層の向上を図ることが可能になる。
以下、本発明の構成を図面に示す実施の形態の一例に基づいて詳細に説明する。
図1から図7に、本発明の椅子の座回動機構の実施形態の一例を示す。なお、本実施形態では、本発明の椅子の座回動機構を図4に全体構造を示す椅子20に適用した場合を例に挙げて説明する。また、本明細書においては、椅子20の座23に座った着座者を基準にして上下、前後、左右を定義する。
本実施形態の椅子20は、下端(言い換えると、前端)にキャスター25が取り付けられると共に前端から後端に向かうにつれて上方に傾斜する急傾斜部21aと当該急傾斜部21aの後端から連接すると共に急傾斜部21aよりも上方への傾斜が緩やかな緩傾斜部21bとからなり対向配置される左右一対の座支持フレーム21,21と、当該座支持フレーム21の後端と中間部が接合すると共に下端にキャスター25が取り付けられる左右一対の背凭れ支持フレーム22,22と、当該背凭れ支持フレーム22の上端にこれら左右の背凭れ支持フレーム22,22の間に亘って取り付けられる帯状の背凭れ24と、さらに、本発明の椅子の座回動機構によって左右一対の座支持フレーム21,21に回動可能に支持される座23とを有する。なお、座支持フレーム21の後端と背凭れ支持フレーム22の中間部の周面とは溶接によって接合される。また、背凭れ24後面の左右両端部には略上下方向の孔が形成されており、これら孔のそれぞれに背凭れ支持フレーム22,22の上端部分を摺接挿入させた状態でねじ止めされて背凭れ支持フレーム22,22に背凭れ24が固定される。
また、本実施形態の椅子20は、左右一対の座支持フレーム21,21それぞれの緩傾斜部21b,21bの間の後端寄り位置に取り付けられた左右方向の座回動支持桿6を備えると共に、緩傾斜部21b,21bの間の前端位置(したがって、座回動支持桿6の斜め前下方位置)に取り付けられた左右方向の座支持桿9を備える。なお、座回動支持桿6及び座支持桿9は溶接によって座支持フレーム21に接合される。
また、本実施形態の椅子20は、水平前後方向にスタッキングすることが可能であるように構成されている。具体的には、左右一対の座支持フレーム21,21間の距離が前端から後端に向かうに従って徐々に拡がるように構成されていると共に、左右一対の座支持フレーム21,21が前述の通り前側の急傾斜部21aと後ろ側の緩傾斜部21bとからなり前端から後端に向かうにつれて上方に傾斜するように構成されている。これにより、本実施形態の椅子20では、左右の座支持フレーム21,21及び背凭れ支持フレーム22,22並びに座回動支持桿6及び座支持桿9によって区画される座23の下方空間に、座23を起立位置にした他の椅子20の座支持フレーム21,21(緩傾斜部21bは前側部分のみ)並びに座支持桿9を入り込ませて水平前後方向にスタッキングすることが可能である。
そして、本実施形態の椅子の座回動機構は、座23が取り付けられる座フレーム1と当該座フレーム1を回動可能に支持する座回動支持桿6とを有する椅子の座回動機構であり、座回動支持桿6に間隔をあけて設けられた第一の受け部材7及び回転止め部8と、座フレーム1に設けられて第一の受け部材7と回転止め部8との間に配置される第二の受け部材2と、第一の受け部材7と第二の受け部材2とを貫通してこれら第一の受け部材7と第二の受け部材2とを挟むように締め付けるものであって一端に頭部3aを有する回動軸3及び当該回動軸3の頭部3aと反対側に嵌められる回動軸止め5と、回転止め部8に設けられて回動軸3の頭部3aの側面に当たって回動軸3の座回動支持桿6に対する相対回転を阻止する当たり面11とを備え、回転止め部8は回動軸3の頭部3aを軸方向に通り抜け可能としている。
本実施形態では、多角形枠状の座フレーム1の上面に板状の座23がねじによって取り付けられる。そして、座フレーム1の後端に円筒形状の第二の受け部材2が固定され取り付けられる。なお、本実施形態では両者は溶接によって接合される。
また、本実施形態では、回動軸3は頭部3aと長身の軸部3bとからなる六角ボルト(全ねじ若しくは半ねじ)であり、回動軸止め5は袋ナットのように軸部に雌ねじが形成されていると共に頭部に六角孔が形成されているナットである。
第一の受け部材7及び回転止め部8は座回動支持桿6に接合してブラケットとして構成されている。本実施形態では、第一の受け部材7及び回転止め部8は、座回動支持桿6の両端部よりも中央寄りの位置、言い換えると、左右の座支持フレーム21,21の内側に設けられている。
第一の受け部材7には回動軸止め5の軸部が貫通する丸孔7aが形成され、回転止め部8には回動軸3の頭部3aとほぼ同じ大きさの六角孔8aが形成される。この六角孔8aは回動軸3の回転を阻止するものであり、六角孔8aの周囲の面が頭部3aとの当たり面11になる。
回動軸3は、軸部3bが回転止め部8の六角孔8aから第一の受け部材7に向けて挿入され、頭部3aが六角孔8aに嵌った状態で軸部3bの先端部に第一の受け部材7の丸孔7aから差し込まれた回動軸止め5の軸部が嵌められて回転止め部8から第一の受け部材7に亘って取り付けられる。
第一の受け部材7と第二の受け部材2との間には、第一の受け部材7側から順に、例えばポリアセタール等の樹脂によって成形されたワッシャ4Bと、例えばスチール製のワッシャ4Aとが挟み込まれる。また、回転止め部8と第二の受け部材2との間には、回転止め部8側から順に、例えばスチール製のワッシャ4Aと、例えばポリアセタール等の樹脂によって成形されたワッシャ4Bとが挟み込まれる。
これらスチールワッシャ4Aと樹脂ワッシャ4Bとを挟み込むことで、回動軸3と回動軸止め5とによって両受け部材7,2を強く締め付けながらも、適度な抵抗力を発生させつつ、両受け部材7,2の間、並びに、第二の受け部材2と回動軸3の頭部3aとの間の相対回転を可能にしている。
そして、座回動支持桿6に座フレーム1を回動可能に取り付けるには、まず、座回動支持桿6の第一の受け部材7と回転止め部8との間に座フレーム1後端の第二の受け部材2を配置すると共に、第一の受け部材7と第二の受け部材2との間に第一の受け部材7側から順に樹脂ワッシャ4Bとスチールワッシャ4Aとを、さらに、回転止め部8と第二の受け部材2との間に回転止め部8側から順にスチールワッシャ4Aと樹脂ワッシャ4Bとをそれぞれ挟み込む。
上述のように各部品を配置してこれら部品の孔を揃えた状態で回転止め部8の六角孔8aから回動軸3の軸部3bを挿入し、前記各部品の孔を貫通させて軸部3bの先端を第一の受け部材7まで若しくはその直近まで到達させる。このとき、回動軸3の頭部3aが回転止め部8の六角孔8a内に位置する(言い換えると、回動軸3の取り付け状態で頭部3aが六角孔8a内に位置するように軸部3bの長さが調整される)。そして、第一の受け部材7の丸孔7aから回動軸止め5の軸部を差し込んで回動軸3の軸部3bの先端部分に嵌め合わせて締め付ける。
このとき、回動軸3の頭部3aは回転止め部8の六角孔8a内において軸部3bの軸心方向に移動可能であるので、ワッシャ4A,4Bを介して第二の受け部材2に締め付け力を及ぼすことになる。すなわち、第一の受け部材7と第二の受け部材2とを回動軸3と回動軸止め5とによって挟んで締め付けて締結することになり、強く締め付けることで両受け部材2,7の相対回転に対して大きな摩擦力(言い換えると、抵抗力)を発生させることができる。
また、本実施形態では、第一の受け部材7と回転止め部8とは座回動支持桿6から斜め後ろ上方に向けて延出して設けられ、これらに形成される丸孔7aと六角孔8aとが座回動支持桿6の斜め後ろ上方に位置している。これにより、回動軸3は座回動支持桿6よりも上に位置している。
また、本実施形態の椅子20は、左右一対の座支持フレーム21,21の緩傾斜部21b,21bの間の前端位置に座支持桿9を備えると共に、多角形枠状の座フレーム1の内側に架けられた左右方向の横架材1aが取り付けられている。横架材1aは、左右両端部が座フレーム1に接合していると共に、中間部分が(座フレーム1が使用位置において)下方に向かって突出(屈曲)している。そして、当該中間部分の下方突出部分の下面に、座23が使用位置になった時に座支持桿9の上面に当接する当接部材10が取り付けられる。
そして、本実施形態の椅子20では、第一の受け部材7と回転止め部8とによる回動軸3の座回動支持桿6に対する上方へのオフセット量と当接部材10の高さとを調整することによって座23が使用位置にある時の座フレーム1と座支持フレーム21,21との間の間隙の大きさが調整されると共に、当接部材10の高さを調整することによって座23の使用位置における快適な座面角度(例えば水平若しくは概ね水平)の調整がなされる。
上述の通り、本発明の椅子の座回動機構によれば、第一の受け部材7と第二の受け部材2とが回動軸3を中心に相対回転することで座回動支持桿6に対して座フレーム1が回動する。そして、第一の受け部材7と第二の受け部材2とは回動軸3と回動軸止め5とによって締め付けられているので、これらを強く締め付けると第一の受け部材7と第二の受け部材2との相対回転に対して適度な大きさの抵抗力が発生する。さらに、回動軸3の頭部3aの側面が回転止め部8の当たり面11に当たることによって回動軸3の座回動支持桿6に対する相対回転が阻止されると共に回動軸止め5が当該回動軸止め5と回動軸3とを締め付けることによって第一の受け部材7に摩擦係合しているので、回動軸3及び回動軸止め5は第一の受け部材7及び回転止め部8に対して回転することなく固定されるため、座23を使用位置と起立位置との間で回動させても回動軸3と回動軸止め5とによる締め付けが緩むことがない。したがって、座23がゆっくりと安定して回動するようになると共に、座23が例えば振動等の外力によって起立位置から勢いよく倒れたり使用位置の状態でばたついたりすることを防止することができ、且つ、このような快適・良好な使用状態を維持することができる。
また、本発明の椅子の座回動機構によると、回動機構に用いられる部品としての樹脂ワッシャ4Bにへたりや摩耗が生じてこれによって第一の受け部材7と第二の受け部材2との間の回転規制(そのための抵抗力)がたとえ弱まってしまったとしても、回動軸3と回動軸止め5とを増し締めして第一の受け部材7と第二の受け部材2とを挟んで締め付ける力を調整することにより、第一の受け部材7と第二の受け部材2との間の回転抵抗力を調整する(言い換えると、回復させる)ことができる。そして、この調整は、本実施形態であれば、回動軸止め5を六角レンチによって増し締めするだけで済むので、回転抵抗力の回復の調整を非常に簡便に行うことができる。
また、本発明の椅子の座回動機構によれば、椅子全体の外枠を形成する左右の座支持フレーム21,21の内側に第一の受け部材7及び回転止め部8並びに第二の受け部材2が配置されることになるので、座23の回動操作をする人と回動機構の回転動作部分(前記の部品7,8,2等)との間に一定の距離が確保されるので、前記回転動作部分に例えば着衣が巻き込まれたり指が挟まれたりすることを防止することができる。
また、本発明の椅子の座回動機構によれば、座23が使用位置にある時に座フレーム1と座支持フレーム21,21との間に間隙が生ずるので、座23を起立位置から使用位置へと回動させた場合に座23が使用位置になった時の座フレーム1と座支持フレーム21,21との間に例えば指が挟まれることを防止することができる。
なお、上述の形態は本発明の好適な形態の一例ではあるがこれに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能である。例えば、上述の実施形態では、本発明の椅子の座回動機構を図4に全体構造を示す椅子20に適用した場合を例に挙げて説明したが、本発明が適用され得る椅子は上述の実施形態の椅子20に限られるものではない。例えば、上述の実施形態では座回動支持桿6と回動軸3との位置関係を調整すること並びに当接部材10を用いることによって座23が使用位置にある時に座フレーム1と座支持フレーム21,21との間に間隙が生ずるようにしているが、これらの構成は本発明にとって必須の構成ではない。
また、上述の実施形態では第一の受け部材7及び回転止め部8は座回動支持桿6の両端部よりも中央寄りの位置に設けられるようにしているが、この構成は本発明にとって必須の構成ではなく、第一の受け部材7及び回転止め部8は例えば左右の座支持フレーム21,21の緩傾斜部21b,21bのそれぞれに設けられるようにしても良い。
また、上述の実施形態では回動軸3は、軸部3bが回転止め部8の六角孔8aから第一の受け部材7に向けて挿入され、頭部3aが六角孔8aに嵌った状態で軸部3bの先端部に第一の受け部材7の丸孔7aから差し込まれた回動軸止め5の軸部が嵌められて回転止め部8から第一の受け部材7に亘って取り付けられるようにしているが、これに限られず、回動軸3は、軸部3bが第一の受け部材7の丸孔7aから回転止め部8に向けて挿入され、軸部3bの先端部に回転止め部8の六角孔8aから差し込まれ当該六角孔8aに嵌って周囲の面に当接する頭部が六角形の回転軸止め5(例えば六角ナット)の軸部が嵌められて回転止め部8から第一の受け部材7に亘って取り付けられるようにしても良い。この場合も、回動軸3の頭部3aが第一の受け部材7に摩擦係合すると共に回動軸止め5の頭部の側面と回転止め部8の六角孔8aの当たり面11に当たることによって回動軸3の座回動支持桿6に対する相対回転が阻止されるので、回動軸3及び回動軸止め5は第一の受け部材7及び回転止め部8に対して回転することなく固定される。なお、このとき、回動軸止め5は回転止め部8の六角孔8a内において回動軸3の軸部3bの軸心方向に移動可能であるので、ワッシャ4A,4Bを介して第二の受け部材2に締め付け力を及ぼすことになる。
また、上述の実施形態や他の実施形態では座回動支持桿6に対する回動軸3の相対回転を規制するために回動軸3として六角ボルトを用いたり回動軸止め5として六角ナットを用いたりするようにしているが、回動軸3や回動軸止め5は回転止め部8の孔8aの当たり面11と当接して回転を規制し得る構造であればこれに限られるわけではなく、例えば四角ボルトや四角ナット等を用いるようにしても良い。
1 座フレーム
2 第二の受け部材
3 回動軸
3a 頭部
3b 軸部
5 回転軸止め
6 座回動支持桿
7 第一の受け部材
8 回転止め部
11 当たり面
20 椅子
23 座
2 第二の受け部材
3 回動軸
3a 頭部
3b 軸部
5 回転軸止め
6 座回動支持桿
7 第一の受け部材
8 回転止め部
11 当たり面
20 椅子
23 座
Claims (3)
- 座が取り付けられる座フレームと当該座フレームを回動可能に支持する座回動支持桿とを有する椅子の座回動機構であり、前記座回動支持桿に間隔をあけて設けられた第一の受け部材及び回転止め部と、前記座フレームに設けられて前記第一の受け部材と前記回転止め部との間に配置される第二の受け部材と、前記第一の受け部材と前記第二の受け部材とを貫通してこれら第一の受け部材と第二の受け部材とを挟むように締め付けるものであって一端に頭部を有する回動軸及び当該回動軸の前記頭部と反対側に嵌められる回動軸止めと、前記回転止め部に設けられて前記回動軸の頭部の側面又は前記回動軸止めの側面に当たって前記回動軸又は前記回動軸止めの前記座回動支持桿に対する相対回転を阻止する当たり面とを備え、前記回転止め部は前記回動軸の頭部又は前記回動軸止めを軸方向に通り抜け可能としていることを特徴とする椅子の座回動機構。
- 前記第一の受け部材及び前記回転止め部とが、前記座回動支持桿の左右両端と接合して当該座回動支持桿を介して前記座を支持するように対向配置された左右一対の座支持フレームの内側に配置されることを特徴とする請求項1記載の椅子の座回動機構。
- 前記第一の受け部材及び前記回転止め部が前記座回動支持桿から上方に突出して設けられて前記回動軸が前記座回動支持桿よりも上に位置し、前記座が使用位置にある時の前記座フレームと、前記座回動支持桿の左右両端と接合して当該座回動支持桿を介して前記座を支持するように対向配置された左右一対の座支持フレームとの間に間隙があることを特徴とする請求項1記載の椅子の座回動機構。
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---|---|---|---|
JP2010240420A JP2012090757A (ja) | 2010-10-27 | 2010-10-27 | 椅子の座回動機構 |
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JP2010240420A JP2012090757A (ja) | 2010-10-27 | 2010-10-27 | 椅子の座回動機構 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016120124A (ja) * | 2014-12-25 | 2016-07-07 | タカノ株式会社 | 椅子の回動機構および椅子 |
JP2021065603A (ja) * | 2019-10-28 | 2021-04-30 | 株式会社オカムラ | 椅子 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2000152848A (ja) * | 1998-11-20 | 2000-06-06 | Takano Co Ltd | 椅子のメモ台取付構造 |
JP2004057572A (ja) * | 2002-07-30 | 2004-02-26 | Itoki Crebio Corp | 連結可能な椅子 |
JP2005218533A (ja) * | 2004-02-04 | 2005-08-18 | Okamura Corp | 椅子 |
-
2010
- 2010-10-27 JP JP2010240420A patent/JP2012090757A/ja active Pending
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