JP2012090740A - 放射線撮影装置及び放射線撮影システム - Google Patents

放射線撮影装置及び放射線撮影システム Download PDF

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Abstract

【課題】装置が大型化することなく、撮影部の構成要素の位置ズレを十分に抑制可能な放射線撮影装置及び放射線撮影システムの提供。
【解決手段】放射線撮影システム10は、放射線が照射される被写体Hを支持するガイド筐体16と、第1の格子31と、第1の格子31を通過した放射線によって形成される放射線像のパターン周期と実質的に一致する周期を有する第2の格子32と、第2の格子32によってマスキングされた放射線像を検出する放射線画像検出器30と、を備え、ガイド筐体16内には、第1の格子31、第2の格子32、及び放射線画像検出器30が収容され、第1の格子31、第2の格子32、及び放射線画像検出器30のうち少なくとも、第1の格子31及び第2の格子32は、ガイド筐体16内壁との間に緩衝材36を介在させた状態でガイド筐体16に支持されることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、X線等の放射線を用いた被写体の位相イメージングを可能とする放射線撮影装置及び放射線撮影システムに関する。
X線は、物質を構成する元素の原子番号と、物質の密度及び厚さとに依存して減衰するといった特性を有することから、被検体の内部を透視するためのプローブとして用いられている。X線を用いた撮影は、医療診断や非破壊検査等の分野において広く普及している。
一般的なX線撮影システムでは、X線を放射するX線源とX線を検出するX線画像検出器との間に被検体を配置して、被検体の透過像を撮影する。この場合、X線源からX線画像検出器に向けて放射された各X線は、X線画像検出器までの経路上に存在する物質の特性(原子番号、密度、厚さ)の差異に応じた量の減衰(吸収)を受けた後、X線画像検出器の各画素に入射する。この結果、被検体のX線吸収像がX線画像検出器により検出され画像化される。X線画像検出器としては、X線増感紙とフイルムとの組み合わせや輝尽性蛍光体のほか、半導体回路を用いたフラットパネル検出器(FPD:Flat Panel Detector)が広く用いられている。
しかし、X線吸収能は、原子番号が小さい元素からなる物質ほど低くなるため、生体軟部組織やソフトマテリアルなどでは、X線吸収像としての十分な画像の濃淡(コントラスト)が得られないといった問題がある。例えば、人体の関節を構成する軟骨部とその周辺の関節液は、いずれも殆どの成分が水であり、両者のX線の吸収量の差が少ないため、濃淡差が得られにくい。
このような問題を背景に、近年、被検体によるX線の強度変化に代えて、被検体によるX線の位相変化(角度変化)に基づいた画像(以下、位相コントラスト画像と称する)を得るX線位相イメージングの研究が盛んに行われている。一般に、X線が物体に入射したとき、X線の強度よりも位相のほうが高い相互作用を示すことが知られている。このため、位相差を利用したX線位相イメージングでは、X線吸収能が低い弱吸収物体であっても高コントラストの画像を得ることができる。このようなX線位相イメージングの一種として、近年、2枚の透過回折格子(位相型格子及び吸収型格子)とX線画像検出器とからなるX線タルボ干渉計を用いたX線撮影システムが考案されている(例えば、特許文献1参照)。
X線タルボ干渉計は、被検体の背後に第1の回折格子(位相型格子あるいは吸収型格子)を配置し、第1の回折格子の格子ピッチとX線波長で決まる特定距離(タルボ干渉距離)だけ下流に第2の回折格子(吸収型格子)を配置し、その背後にX線画像検出器を配置することにより構成される。上記タルボ干渉距離とは、第1の回折格子を通過したX線が、タルボ干渉効果によって自己像を形成する距離であり、この自己像は、X線源と第1の回折格子との間に配置された被検体とX線との相互作用(位相変化)により変調を受ける。
X線タルボ干渉計では、第1の回折格子の自己像と第2の回折格子との重ね合わせ(強度変調)により生じるモアレ縞を検出し、被検体によるモアレ縞の変化を解析することによって被検体の位相情報を取得する。モアレ縞の解析方法としては、例えば、縞走査法が知られている。この縞走査法によると、第1の回折格子に対して第2の回折格子を、第1の回折格子の面にほぼ平行で、かつ第1の回折格子の格子方向(条帯方向)にほぼ垂直な方向に、格子ピッチを等分割した走査ピッチで並進移動させながら複数回の撮影を行い、X線画像検出器で得られる各画素値の変化から、被検体で屈折したX線の角度分布(位相シフトの微分像)を取得する方法であり、この角度分布に基づいて被検体の位相コントラスト画像を得ることができる。
特開2008−200359号公報
被写体を透過した際のX線の屈折角度は、数μradとごく僅かであって、この屈折角度に応じた放射線像の位相シフト量、すなわち画素毎の信号変化量もまた、ごく僅かである。しかも、画素毎の信号変化量は、第1、第2の格子の相対位置を格子のスリット間隔の1周期ずらす間に複数回撮影することで得られるが、複数回の撮影時における第1、第2の格子の相対移動量は微小である。このような事情から、例えば被写体を支持する台に力や振動等が加わることによって第1、第2の格子の相対位置が僅かでもズレてしまうと、第1、第2の格子及び放射線画像検出器からなる撮影部による位相情報の検出精度に深刻な影響を与えかねない。すなわち、第1の格子と第2の格子との相対位置や、放射線の焦点と第1、第2の格子とのそれぞれの相対位置などが極めて重要である。
振動等に対する方策として、特許文献1では、第1、第2の格子を保持する保持構造体と被写体台とが別体構造にされるとともに、撮影装置全体を支持する支持部材に保持構造体が緩衝材を介して支持されている。
ここで、特許文献1のように第1、第2の格子の保持構造体と被写体台とを別体構造にしたことにより、被写体と第1の格子との間隔、そして被写体と放射線画像検出器との間隔が大きくなるために、被写体像は拡大される。このため、被写体台と第1、第2の格子及び放射線画像検出器とを一体構造とした場合に比べて、被写体の撮影対象範囲が小さく制限される。この問題に対応するために、格子や放射線画像検出器を大面積化することは容易に想到可能であるが、製造技術、コスト面の困難さに加え、装置の大型化に伴ってX線撮影装置の取扱性を損なうという問題がある。更に、特許文献1のように第1、第2の格子の保持構造体と被写体台とが別体構造とされていると、第1、第2の格子に直接的に加わる外力によって第1、第2の格子が振動することにより、位相コントラスト画像の画質に悪影響を及ぼす虞がある。
たとえば、第1、第2の格子のそれぞれの格子周期(ピッチ)及びスリット間隔の相対関係は、X線焦点と第1、第2の格子との間のそれぞれの距離(Z方向での距離)に対して幾何学的に決められている。したがって、振動等によってX線焦点と第1、第2の格子との間のそれぞれの距離が相対的にズレると、拡大率が変化することにより、第2の格子に入射する放射線像のピッチに対する第2の格子のピッチが相対的にズレ、そのズレに応じた空間周波数のモアレが発生する。画像上のモアレは通常、撮影の直前又は直後等、別途取得した画像を用いたり、好適なフィルタ処理を施すことによって画像上問題とならない程度に補正処理を設計することが可能であるが、このようなX線焦点と各格子の相対的なズレ量に応じて空間周波数が変動するモアレを補正することは非常に困難であり、結果として位相コントラスト画像の画質が低下してしまう。
また、特許文献1のように保持構造体が緩衝材を介して重力の作用方向に対して、垂直な面内方向に片持ち支持されていると、第1、第2の格子が設計上決められた格子面に対して傾き易く、X線の焦点に対する第1の格子及び第2の格子のそれぞれの相対位置のズレが生じ易い。特に自由端側でのズレが顕著であり、位相コントラスト画像の画質低下につながる。
また、焦点に対して第1の格子が格子スリットの配列方向(x方向という)にズレると、第一の格子を通過した放射線によって形成される放射線像が第2の格子に入射する位置でx方向にボケる。このため、放射線画像検出器で検出される強度変化のコントラストが低下し、位相コントラスト画像の画質低下につながる。
以上の課題から、本発明の目的は、装置が大型化することなく、第1、第2の格子の相対位置ズレを十分に抑制し、好適な位相コントラスト画像の撮影を可能とする放射線撮影装置及び放射線撮影システムを提供することにある。
放射線が照射される被写体を支持するガイド筐体と、
第1の格子と、
前記第1の格子を通過した放射線によって形成される放射線像のパターン周期と実質的に一致する周期を有する格子パターンと、
前記格子パターンによってマスキングされた前記放射線像を検出する放射線画像検出器と、を備え、
前記ガイド筐体内には、前記第1の格子、前記格子パターン、及び前記放射線画像検出器が収容され、
前記第1の格子、前記格子パターン、及び前記放射線画像検出器のうち少なくとも、前記第1の格子及び前記格子パターンは、前記ガイド筐体内壁との間に緩衝材を介在させた状態で前記ガイド筐体に支持されることを特徴とする放射線撮影装置。
上記の放射線撮影装置と、
前記放射線撮影装置の前記放射線画像検出器により検出された画像から、前記放射線画像検出器に入射する放射線の屈折角の分布を演算し、この屈折角の分布に基づいて、被写体の位相コントラスト画像を生成する演算処理部と、を備えることを特徴とする放射線撮影システム。
本発明の放射線撮影装置及び放射線撮影システムによれば、被写体のガイド筐体に撮影部(第1、第2の格子、及び放射線画像検出器を含む)を一体に収容するとともに、緩衝材を用いてガイド筐体に第1の格子及び格子パターンを支持したことにより、被写体と撮影部との間隔を短縮できるため、放射線撮影装置をコンパクトに構成することができる。
更に、撮影部がガイド筐体内に収容されかつ、第1、第2の格子又はそれを保持する保持構造体が緩衝材を介してガイド筐体に支持されたことにより、ガイド筐体から第1、第2の格子への力及び振動の伝達を遮断でき、かつ、第1、第2の格子に直接外力が作用することを防ぐことが出来るため、X線焦点と第1、第2の格子とのそれぞれの相対位置ズレが抑制されるので、振動等による位相コントラスト画像の画質低下を抑制し、好適な位相コントラスト画像を撮影することができる。更に、撮影部がガイド筐体内に収容されかつ、第1、第2の格子又はそれを保持する保持構造体が緩衝材を介してガイド筐体に支持されたことにより、片持ちによって第1、第2の格子又はそれを保持する保持構造体が傾くことによる放射線焦点と第1、第2の格子とのそれぞれの相対位置ズレが抑制されるので、位相コントラスト画像の画質低下を抑制し、好適な位相コントラスト画像を撮影することができる。
本発明の実施形態を説明するための放射線撮影システムの一例の構成を模式的に示す側面図である。 図1の放射線撮影システムの制御ブロック図である。 ブロックを用いて放射線画像検出器の構成を示す模式図である。 格子ユニット筐体に緩衝材が設けられた状態を示す斜視図である。 第1、第2の格子及び放射線画像検出器の斜視図である。 第1、第2の格子及び放射線画像検出器の側面図である。 第1及び第2の格子の相互作用による干渉縞(モアレ)の周期を変更するための機構を示す模式図である。 被写体による放射線の屈折を説明するための模式図である。 縞走査法を説明するための模式図である。 縞走査に伴う放射線画像検出器の画素の信号を示すグラフである。 本発明の実施形態を説明するための放射線撮影システムの他の例の構成を示す模式図である。 格子ユニット筐体に緩衝材が設けられた状態を示す斜視図である。 本発明の実施形態を説明するための放射線撮影システムの他の例の構成を模式的に示す側面図である。 本発明の実施形態を説明するための放射線撮影システムの他の例の構成を模式的に示す側面図である。 本発明の実施形態を説明するための放射線撮影システムの他の例の構成を模式的に示す側面図である。 本発明の実施形態を説明するための放射線撮影システムの他の例の構成を模式的に示す側面図である。 本発明の実施形態を説明するための放射線撮影システムの他の例の構成を模式的に示す側面図である。 本発明の実施形態を説明するための放射線撮影システムの他の例に関し、放射線画像を生成する演算部の構成を示すブロック図である。 図18の放射線撮影システムの演算部における処理を説明するための放射線画像検出器の画素の信号を示すグラフである。
図1は、本発明の実施形態を説明するための放射線撮影システムの一例の構成を示し、図2は、図1の放射線撮影システムの制御ブロックを示す。
X線撮影システム10は、被写体(患者)Hを立位状態で撮影するX線診断装置であって、被写体HにX線を照射するX線源11と、被写体Hの診断対象部位との接触部材を有し、当該診断対象部位を支持するガイド筐体16と、X線源11との間に被写体を介在させた状態でX線源11に対向配置され、X線源11から被写体Hを透過したX線を検出して画像データを生成する撮影部12と、操作者の操作に基づいてX線源11の曝射動作や撮影部12の撮影動作を制御するとともに、撮影部12により取得された画像データを演算処理して位相コントラスト画像を生成するコンソール13(図2)とに大別される。
X線源11は、天井から吊り下げられたX線源保持装置14により上下方向(x方向)に移動自在に保持されている。
ガイド筐体16は、床上に設置された立位スタンド15により上下方向に移動自在に保持されている。
X線源11は、X線源制御部17の制御に基づき、高電圧発生器16から印加される高電圧に応じてX線を発生するX線管18と、X線管18から発せられたX線のうち、被写体Hの検査領域に寄与しない部分を遮蔽するように照射野を制限する可動式のコリメータ19aを備えたコリメータユニット19とから構成されている。X線管18は、陽極回転型であり、電子放出源(陰極)としてのフィラメント(図示せず)から電子線を放出して、所定の速度で回転する回転陽極18aに衝突させることによりX線を発生する。この回転陽極18aの電子線の衝突部分がX線焦点18bとなる。
X線源保持装置14は、天井に設置された天井レール(図示せず)により水平方向(z方向)に移動自在に構成された台車部14aと、上下方向に連結された複数の支柱部14bとからなる。台車部14aには、支柱部14bを伸縮させて、X線源11の上下方向に関する位置を変更するモータ(図示せず)が設けられている。
立位スタンド15は、床に設置された本体15aに、ガイド筐体16を保持する保持部15bが上下方向に移動自在に取り付けられている。保持部15bは、上下方向に離間して配置された2つのプーリ15cの間に掛架された無端ベルト15dに接続され、プーリ15cを回転させるモータ(図示せず)により駆動される。このモータの駆動は、操作者の設定操作に基づき、後述するコンソール13の制御装置20により制御される。
また、立位スタンド15には、プーリ15c又は無端ベルト15dの移動量を計測することにより、ガイド筐体16の上下方向に関する位置を検出するポテンショメータ等の位置センサ(図示せず)が設けられている。この位置センサの検出値は、ケーブル等によりX線源保持装置14に供給される。X線源保持装置14は、供給された検出値に基づいて支柱部14bを伸縮させ、ガイド筐体16の上下動に追従するようにX線源11を移動させる。
コンソール13には、CPU、ROM、RAM等からなる制御装置20が設けられている。制御装置20には、操作者が撮影指示やその指示内容を入力する入力装置21と、撮影部12により取得された画像データを演算処理してX線画像を生成する演算処理部22と、X線画像を記憶する記憶部23と、X線画像等を表示するモニタ24と、X線撮影システム10の各部と接続されるインターフェース(I/F)25とがバス26を介して接続されている。
入力装置21としては、例えば、スイッチ、タッチパネル、マウス、キーボード等を用いることが可能であり、入力装置21の操作により、X線管電圧やX線照射時間等のX線撮影条件、撮影タイミング等が入力される。モニタ24は、液晶ディスプレイ等からなり、制御装置20の制御により、X線撮影条件等の文字やX線画像を表示する。
撮影部12は、半導体回路からなる放射線画像検出器としてのフラットパネル検出器(FPD)30、被写体HによるX線の位相変化(角度変化)を検出し位相イメージングを行うための第1の吸収型格子31及び第2の吸収型格子32を有する。第1、第2の吸収型格子31,32は、X線の光軸Aに沿った方向において重ねられ、互いの相対位置が規定された状態で組み付けられて同一の格子ユニット筐体35に収納され、格子ユニット筐体35内に固定されている。この格子ユニット筐体35と、FPD30とが、ガイド筐体16内に共に収容されている。なお、第1、第2の格子31,32に加え、FPD30が格子ユニット筐体35に収納されていてもよい。
格子ユニット筐体35には、第2の吸収型格子32を上下方向(x方向)に並進移動させることにより、第1の吸収型格子31に対する第2の吸収型格子32の相対位置関係を変化させる走査手段としての走査機構33が設けられている。この走査機構33は、例えば、圧電素子等のアクチュエータにより構成される。
FPD30は、検出面がX線源11から照射されるX線の光軸Aに直交するように配置されている。詳しくは後述するが、第1及び第2の吸収型格子31,32は、FPD30とX線源11との間に配置されている。
図3は、図1の放射線撮影システムに含まれる放射線画像検出器の構成を示す。
放射線画像検出器としてのFPD30は、X線を電荷に変換して蓄積する複数の画素40がアクティブマトリクス基板上にxy方向に2次元配列されてなる受像部41と、受像部41からの電荷の読み出しタイミングを制御する走査回路42と、各画素40に蓄積された電荷を読み出し、電荷を画像データに変換して記憶する読み出し回路43と、画像データをコンソール13のI/F25を介して演算処理部22に送信するデータ送信回路44とから構成されている。なお、走査回路42と各画素40とは、行毎に走査線45によって接続されており、読み出し回路43と各画素40とは、列毎に信号線46によって接続されている。
各画素40は、アモルファスセレン等の変換層(図示せず)でX線を電荷に直接変換し、変換された電荷を変換層の下部の電極に接続されたキャパシタ(図示せず)に蓄積する直接変換型の素子として構成することができる。各画素40には、TFTスイッチ(図示せず)が接続され、TFTスイッチのゲート電極が走査線45、ソース電極がキャパシタ、ドレイン電極が信号線46に接続される。TFTスイッチが走査回路42からの駆動パルスによってON状態になると、キャパシタに蓄積された電荷が信号線46に読み出される。
なお、各画素40は、酸化ガドリニウム(Gd)やヨウ化セシウム(CsI)等からなるシンチレータ(図示せず)でX線を一旦可視光に変換し、変換された可視光をフォトダイオード(図示せず)で電荷に変換して蓄積する間接変換型のX線検出素子として構成することも可能である。また、X線画像検出器としては、TFTパネルをベースとしたFPDに限られず、CCDセンサやCMOSセンサ等の固体撮像素子をベースとした各種のX線画像検出器を用いることも可能である。
読み出し回路43は、積分アンプ回路、A/D変換器、補正回路、及び画像メモリ(いずれも図示せず)により構成されている。積分アンプ回路は、各画素40から信号線46を介して出力された電荷を積分して電圧信号(画像信号)に変換して、A/D変換器に入力する。A/D変換器は、入力された画像信号をデジタルの画像データに変換して補正回路に入力する。補正回路は、画像データに対して、オフセット補正、ゲイン補正、及びリニアリティ補正を行い、補正後の画像データを画像メモリに記憶させる。なお、補正回路による補正処理として、X線の露光量や露光分布(いわゆるシェーディング)の補正や、FPD30の制御条件(駆動周波数や読み出し期間)に依存するパターンノイズ(例えば、TFTスイッチのリーク信号)の補正等を含めてもよい。
図4は、格子ユニット筐体35に設けられた緩衝材36を示す斜視図である。
格子ユニット筐体35は、ガイド筐体15との間に円錐状の緩衝材36を介在させた状態でガイド筐体16(図1)に収容されている。具体的に、光軸Aに直交する面内方向の一方向である鉛直方向下側における格子ユニット筐体35とガイド筐体16内壁との間には、ガイド筐体35から伝わる力や振動等を緩衝する緩衝材36が設けられている。この緩衝材36を介して、格子ユニット筐体35はガイド筐体16に垂直に起立した状態で支持されている。この緩衝材36による緩衝方向は、主として鉛直方向であり、ガイド筐体16に支持された被写体の体動などに起因してガイド筐体35が振動した際に、緩衝材35によって、ガイド筐体16から格子ユニット筐体35への力及び振動の伝達が遮断される。
緩衝材36は、ゴムや樹脂等により形成され、格子ユニット筐体35の下面の周縁部における3点を支持するように設けられている。ここでいう3点は、1点が同一直線上にない3点のことで、このような3点によって一つの面が定まる。したがって、3点で支持することにより、格子ユニット筐体35が垂直方向に対して傾き難く、格子ユニット筐体35を安定して支持することが可能となる。なお、格子ユニット筐体35の下面において、重心よりも外側である周縁部であって、重心を挟む2点の緩衝材36の組が少なくとも2組以上配置されていることで、支持が安定する。
なお、緩衝材36による支持位置は3点に限らず、少なくとも1点が同一直線上にない3点以上であることが好ましい。
また、緩衝材36は、格子ユニット筐体35の鉛直方向下面に加えて、上面や、光軸Aに直交する側面にも設けられていてもよい。ただし、上下面、左右面などの対向する面の両方に緩衝材36を設けるよりも一方のみに緩衝材36を設ける方がより良い緩衝効果が得られることが多い。緩衝材36を側面に設ける場合には、X線の進路を遮蔽しないように、当該側面における周縁部に緩衝材36を設けることが好ましい。緩衝材36が設けられる面の数が多いほど、また各面における支持位置の数が多いほど、換言すると格子ユニット筐体35とガイド筐体316との全体の支持接触面積が多いほど、ガイド筐体35を安定的に支持できる可能性が高いが、支持面、支持位置の数や接触面積が多過ぎても、ガイド筐体35から格子ユニット筐体35への力や振動の伝達を遮断することが難しくなるので、支持面、支持位置の数や接触面積は支持の安定と、力及び振動の伝達の遮断とを比較考量して決めればよい。
緩衝材36の個数や形状等は、図3に示した構成に限定されない。図3では、3つの緩衝材36を介して格子ユニット筐体35が3点で支持されているが、例えば、3点に対応する位置に3つの突起が形成された1つの緩衝材35が設けられていてもよい。その他、例えば、円柱状の緩衝材が格子ユニット筐体35の下面において重心の1点のみに設けられていてもよい。
以上述べたように、第1、第2の格子31,32、及びFPD30を有する撮影部12がガイド筐体16内に収容されることで、ガイド筐体16に対して第1、第2の格子31,32及びFPD30が別体構造とされた場合と比較して、被写体Hと撮影部12との距離を狭めることが可能となる。これにより、放射線撮影装置10をコンパクトに構成することができるとともに、被写体Hの撮影範囲を拡大することが可能となる。
また、撮影部12がガイド筐体16内に収容されることで、第1、第2の格子に直接外力が作用することを防ぐことが出来、更に、第1、第2の格子31,32を内包する格子ユニット筐体35が緩衝材36を介してガイド筐体16に支持されたことにより、被写体Hのポジショニング時の衝撃や体動などに起因してガイド筐体が振動しても、X線焦点とガイド筐体16内の撮影部12との相互の位置関係が安定的に維持された状態となる。すなわち、ガイド筐体16に力や振動が加わった際にも、X線焦点と撮影部12との間の相対位置ズレが抑制されるため、位相コントラスト画像の画質低下を抑制し、好適な位相コントラスト画像を撮影することができる。
図5及び図6は、第1、第2の格子31,32及びFPD30を示す。
第1の吸収型格子31は、基板31aと、この基板31aに配置された複数のX線遮蔽部31bとから構成されている。同様に、第2の吸収型格子32は、基板32aと、この基板32aに配置された複数のX線遮蔽部32bとから構成されている。基板31a,31bは、いずれもX線を透過させるガラス等のX線透過性部材により形成されている。
X線遮蔽部31b,32bは、いずれもX線源11から照射されるX線の光軸Aに直交する面内の一方向(図示の例では、x方向及びz方向に直交するy方向)に延伸した線状の部材で構成される。各X線遮蔽部31b,32bの材料としては、X線吸収性に優れるものが好ましく、例えば、金、白金等の重金属であることが好ましい。これらのX線遮蔽部31b,32bは、金属メッキ法や蒸着法によって形成することが可能である。
X線遮蔽部31bは、X線の光軸Aに直交する面内において、上記一方向と直交する方向(x方向)に一定のピッチpで、互いに所定の間隔dを空けて配列されている。同様に、X線遮蔽部32bは、X線の光軸Aに直交する面内において、上記一方向と直交する方向(x方向)に一定のピッチpで、互いに所定の間隔dを空けて配列されている。X線遮蔽部31b,32bの配列方向は、前述した走査機構33による走査方向、並びに緩衝材36による主な緩衝方向に一致する。
このような第1及び第2の吸収型格子31,32は、入射X線に位相差を与えるものでなく、強度差を与えるものであるため、振幅型格子とも称される。なお、スリット部(上記間隔d,dの領域)は空隙でなくてもよく、例えば、高分子や軽金属などのX線低吸収材で該空隙を充填してもよい。
第1及び第2の吸収型格子31,32は、タルボ干渉効果の有無に係らず、スリット部を通過したX線を幾何学的に投影するように構成されている。具体的には、間隔d,dを、X線源11から照射されるX線のピーク波長より十分大きな値とすることで、照射X線に含まれる大部分のX線をスリット部で回折させずに、直進性を保ったまま通過するように構成する。例えば、前述の回転陽極18aとしてタングステンを用い、管電圧を50kVとした場合には、X線のピーク波長は、約0.4Åである。この場合には、間隔d,dを、1〜10μm程度とすれば、スリット部で大部分のX線が回折されずに幾何学的に投影される。
X線源11から放射されるX線は、平行ビームではなく、X線焦点18bを発光点としたコーンビームであるため、第1の吸収型格子31を通過して射影される投影像(以下、この投影像をG1像と称する)は、X線焦点18bからの距離に比例して拡大される。第2の吸収型格子32の格子ピッチp及び間隔dは、そのスリット部が、第2の吸収型格子32の位置におけるG1像の明部の周期パターンと実質的に一致するように決定されている。すなわち、X線焦点18bから第1の吸収型格子31までの距離をL、第1の吸収型格子31から第2の吸収型格子32までの距離をLとした場合に、格子ピッチp及び間隔dは、次式(1)及び(2)の関係を満たすように決定される。
Figure 2012090740
Figure 2012090740
第1の吸収型格子31から第2の吸収型格子32までの距離Lは、タルボ干渉計では、第1の回折格子の格子ピッチとX線波長とで決まるタルボ干渉距離に制約されるが、本X線撮影システム10の撮影部12では、第1の吸収型格子31が入射X線を回折させずに投影させる構成であって、第1の吸収型格子31のG1像が、第1の吸収型格子31の後方のすべての位置で相似的に得られるため、該距離Lを、タルボ干渉距離と無関係に設定することができる。
上記のように撮影部12は、タルボ干渉計を構成するものではないが、第1の吸収型格子31でX線を回折したと仮定した場合のタルボ干渉距離Zは、第1の吸収型格子31の格子ピッチp、第2の吸収型格子32の格子ピッチp、X線波長(ピーク波長)λ、及び正の整数mを用いて、次式(3)で表される。
Figure 2012090740
式(3)は、X線源11から照射されるX線がコーンビームである場合のタルボ干渉距離を表す式であり、「Atsushi Momose, et al., Japanese Journal of Applied Physics, Vol.47, No.10, 2008年10月, 8077頁」により知られている。
本X線撮影システム10では、撮影部12の薄型化を目的とし、上記距離Lを、m=1の場合の最小のタルボ干渉距離Zより短い値に設定する。すなわち、上記距離Lは、次式(4)を満たす範囲の値に設定される。
Figure 2012090740
なお、X線源11から照射されるX線が実質的に平行ビームとみなせる場合のタルボ干渉距離Zは次式(5)となり、上記距離Lを、次式(6)を満たす範囲の値に設定する。
Figure 2012090740
Figure 2012090740
X線遮蔽部31b,32bは、コントラストの高い周期パターン像を生成するためには、X線を完全に遮蔽(吸収)することが好ましいが、上記したX線吸収性に優れる材料(金、白金等)を用いたとしても、吸収されずに透過するX線が少なからず存在する。このため、X線の遮蔽性を高めるためには、X線遮蔽部31b,32bのそれぞれの厚みh,hを、可能な限り厚くすることが好ましい。例えば、X線管18の管電圧が50kVの場合に、照射X線の90%以上を遮蔽することが好ましく、この場合には、厚みh,hは、金(Au)換算で30μm以上であることが好ましい。
一方、X線遮蔽部31b,32bの厚みh,hを厚くし過ぎると、斜めに入射するX線がスリット部を通過しにくくなり、いわゆるケラレが生じて、X線遮蔽部31b,32bの延伸方向(条帯方向)に直交する方向(x方向)の有効視野が狭くなるといった問題がある。このため、視野確保の観点から、厚みh,hの上限を規定する。FPD30の検出面におけるx方向の有効視野の長さVを確保するには、X線焦点18bからFPD30の検出面までの距離をLとすると、厚みh,hは、図6に示す幾何学的関係から、次式(7)及び(8)を満たすように設定する必要がある。
Figure 2012090740
Figure 2012090740
例えば、d=2.5μm、d=3.0μmであり、通常の病院での検査を想定して、L=2mとした場合には、x方向の有効視野の長さVとして10cmの長さを確保するには、厚みhは100μm以下、厚みhは120μm以下とすればよい。
以上のように構成された撮影部12では、第1の吸収型格子31のG1像と第2の吸収型格子32との重ね合わせにより、強度変調された像が形成され、FPD30によって撮像される。第2の吸収型格子32の位置におけるG1像のパターン周期p’と、第2の吸収型格子32の実質的な格子ピッチp’(製造後の実質的なピッチ)とは、製造誤差や配置誤差により若干の差異が生じる。このうち、配置誤差とは、第1及び第2の吸収型格子31,32が、相対的に傾斜や回転、両者の間隔が変化することによりx方向への実質的なピッチが変化することを意味している。
G1像のパターン周期p’と格子ピッチp’との微小な差異により、画像コントラストはモアレ縞となる。このモアレ縞の周期Tは、次式(9)で表される。
Figure 2012090740
このモアレ縞をFPD30で検出するには、画素40のx方向に関する配列ピッチPは、少なくとも次式(10)を満たす必要があり、更には、次式(11)を満たすことが好ましい(ここで、nは正の整数である)。
Figure 2012090740
Figure 2012090740
式(10)は、配列ピッチPがモアレ周期Tの整数倍でないことを意味しており、n≧2の場合であっても原理的にモアレ縞を検出することが可能である。式(11)は、配列ピッチPをモアレ周期Tより小さくすることを意味している。
FPD30の画素40の配列ピッチPは、設計的に定められた値(一般的に100μm程度)であり変更することが困難であるため、配列ピッチPとモアレ周期Tとの大小関係を調整するには、第1及び第2の吸収型格子31,32の位置調整を行い、G1像のパターン周期p’と格子ピッチp’との少なくともいずれか一方を変更することによりモアレ周期Tを変更することが好ましい。
図7に、モアレ周期Tを変更する方法を示す。
モアレ周期Tの変更は、第1及び第2の吸収型格子31,32のいずれか一方を、光軸Aを中心として相対的に回転させることにより行うことができる。例えば、第1の吸収型格子31に対して、第2の吸収型格子32を、光軸Aを中心として相対的に回転させる相対回転機構50を設ける。この相対回転機構50により、第2の吸収型格子32を角度θだけ回転させると、x方向に関する実質的な格子ピッチは、「p’」→「p’/cosθ」と変化し、この結果、モアレ周期Tが変化する(FIG.7A)。
別の例として、モアレ周期Tの変更は、第1及び第2の吸収型格子31,32のいずれか一方を、光軸Aに直交し、かつy方向に沿う方向の軸を中心として相対的に傾斜させることにより行うことができる。例えば、第1の吸収型格子31に対して、第2の吸収型格子32を、光軸Aに直交し、かつy方向に沿う方向の軸を中心として相対的に傾斜させる相対傾斜機構51を設ける。この相対傾斜機構51により、第2の吸収型格子32を角度αだけ傾斜させると、x方向に関する実質的な格子ピッチは、「p’」→「p’×cosα」と変化し、この結果、モアレ周期Tが変化する(FIG.7B)。
更に別の例として、モアレ周期Tの変更は、第1及び第2の吸収型格子31,32のいずれか一方を光軸Aの方向に沿って相対的に移動させることにより行うことができる。例えば、第1の吸収型格子31と第2の吸収型格子32との間の距離Lを変更するように、第1の吸収型格子31に対して、第2の吸収型格子32を、光軸Aの方向に沿って相対的に移動させる相対移動機構52を設ける。この相対移動機構52により、第2の吸収型格子32を光軸Aに移動量δだけ移動させると、第2の吸収型格子32の位置に投影される第1の吸収型格子31のG1像のパターン周期は、「p’」→「p’×(L+L+δ)/(L+L)」と変化し、この結果、モアレ周期Tが変化する(FIG.7C)。
本X線撮影システム10において、撮影部12は、上述のようにタルボ干渉計ではなく、距離Lを自由に設定することができるため、相対移動機構52のように距離Lの変更によりモアレ周期Tを変更する機構を、好適に採用することができる。モアレ周期Tを変更するための第1及び第2の吸収型格子31,32の上記変更機構(相対回転機構50、相対傾斜機構51、及び相対移動機構52)は、圧電素子等のアクチュエータにより構成することが可能である。
X線源11と第1の吸収型格子31との間に被写体Hを配置した場合には、FPD30により検出されるモアレ縞は、被写体Hにより変調を受ける。この変調量は、被写体Hによる屈折効果によって偏向したX線の角度に比例する。したがって、FPD30で検出されたモアレ縞を解析することによって、被写体Hの位相コントラスト画像を生成することができる。
次に、モアレ縞の解析方法について説明する。
図8は、被写体Hのx方向に関する位相シフト分布Φ(x)に応じて屈折される1つのX線を示す。
符号55は、被写体Hが存在しない場合に直進するX線の経路を示しており、この経路55を進むX線は、第1及び第2の吸収型格子31,32を通過してFPD30に入射する。符号56は、被写体Hが存在する場合に、被写体Hにより屈折されて偏向したX線の経路を示している。この経路56を進むX線は、第1の吸収型格子31を通過した後、第2の吸収型格子32より遮蔽される。
被写体Hの位相シフト分布Φ(x)は、被写体Hの屈折率分布をn(x,z)、zをX線の進む方向として、次式(12)で表される。
Figure 2012090740
第1の吸収型格子31から第2の吸収型格子32の位置に投射されたG1像は、被写体HでのX線の屈折により、その屈折角φに応じた量だけx方向に変位することになる。この変位量Δxは、X線の屈折角φが微小であることに基づいて、近似的に次式(13)で表される。
Figure 2012090740
ここで、屈折角φは、X線波長λと被写体Hの位相シフト分布Φ(x)を用いて、式(14)で表される。
Figure 2012090740
このように、被写体HでのX線の屈折によるG1像の変位量Δxは、被写体Hの位相シフト分布Φ(x)に関連している。そして、この変位量Δxは、FPD30の各画素40から出力される信号の位相ズレ量ψ(被写体Hがある場合とない場合とでの各画素40の信号の位相のズレ量)に、次式(15)のように関連している。
Figure 2012090740
したがって、各画素40の信号の位相ズレ量ψを求めることにより、式(15)から屈折角φが求まり、式(14)を用いて位相シフト分布Φ(x)の微分量が求まるから、これをxについて積分することにより、被写体Hの位相シフト分布Φ(x)、すなわち被写体Hの位相コントラスト画像を生成することができる。本X線撮影システム10では、上記位相ズレ量ψを、下記に示す縞走査法を用いて算出する。
縞走査法では、第1及び第2の吸収型格子31,32の一方を他方に対して相対的にx方向にステップ的に並進移動させながら撮影を行う(すなわち、両者の格子周期の位相を変化させながら撮影を行う)。本X線撮影システム10では、前述の走査機構33により第2の吸収型格子32を移動させているが、第1の吸収型格子31を移動させてもよい。第2の吸収型格子32の移動に伴って、モアレ縞が移動し、並進距離(x方向への移動量)が、第2の吸収型格子32の格子周期の1周期(格子ピッチp)に達すると(すなわち、位相変化が2πに達すると)、モアレ縞は元の位置に戻る。このようなモアレ縞の変化を、格子ピッチpを整数分の1ずつ第2の吸収型格子32を移動させながら、FPD30で縞画像を撮影し、撮影した複数の縞画像から各画素40の信号を取得し、演算処理部22で演算処理することにより、各画素40の信号の位相ズレ量ψを得る。
図9は、格子ピッチpをM(2以上の整数)個に分割した走査ピッチ(p/M)ずつ第2の吸収型格子32を移動させる様子を模式的に示す。
走査機構33は、k=0,1,2,・・・,M−1のM個の各走査位置に、第2の吸収型格子32を順に並進移動させる。なお、同図では、第2の吸収型格子32の初期位置を、被写体Hが存在しない場合における第2の吸収型格子32の位置でのG1像の暗部が、X線遮蔽部32bにほぼ一致する位置(k=0)としているが、この初期位置は、k=0,1,2,・・・,M−1のうちいずれの位置としてもよい。
まず、k=0の位置では、主として、被写体Hにより屈折されなかったX線が第2の吸収型格子32を通過する。次に、k=1,2,・・・と順に第2の吸収型格子32を移動させていくと、第2の吸収型格子32を通過するX線は、被写体Hにより屈折されなかったX線の成分が減少する一方で、被写体Hにより屈折されたX線の成分が増加する。特に、k=M/2では、主として、被写体Hにより屈折されたX線のみが第2の吸収型格子32を通過する。k=M/2を超えると、逆に、第2の吸収型格子32を通過するX線は、被写体Hにより屈折されたX線の成分が減少する一方で、被写体Hにより屈折されなかったX線の成分が増加する。
k=0,1,2,・・・,M−1の各位置で、FPD30により撮影を行うと、各画素40について、M個の信号値が得られる。以下に、このM個の信号値から各画素40の信号の位相ズレ量ψを算出する方法を説明する。第2の吸収型格子32の位置kにおける各画素40の信号値をI(x)と標記すると、I(x)は、次式(16)で表される。
Figure 2012090740
ここで、xは、画素40のx方向に関する座標であり、Aは入射X線の強度であり、Aは画素40の信号値のコントラストに対応する値である(ここで、nは正の整数である)。また、φ(x)は、上記屈折角φを画素40の座標xの関数として表したものである。
次いで、次式(17)の関係式を用いると、上記屈折角φ(x)は、次式(18)のように表される。
Figure 2012090740
Figure 2012090740
ここで、arg[ ]は、偏角の抽出を意味しており、各画素40の信号の位相ズレ量ψに対応する。したがって、各画素40で得られたM個の信号値から、式(18)に基づいて各画素40の信号の位相ズレ量ψを算出することにより、屈折角φ(x)が求められる。
図10は、縞走査に伴って変化する放射線画像検出器の一つの画素の信号を示す。
各画素40で得られたM個の信号値は、第2の吸収型格子32の位置kに対して、格子ピッチpの周期で周期的に変化する。図10中の破線は、被写体Hが存在しない場合の信号値の変化を示しており、図10中の実線は、被写体Hが存在する場合の信号値の変化を示している。この両者の波形の位相差が各画素40の信号の位相ズレ量ψに対応する。
そして、屈折角φ(x)は、上記式(14)で示したように微分位相値に対応する値であるため、屈折角φ(x)をx軸に沿って積分することにより、位相シフト分布Φ(x)が得られる。
以上の演算は、演算処理部22により行われ、演算処理部22は、位相コントラスト画像を記憶部23に記憶させる。
上記の縞走査、及び位相コントラスト画像の生成処理は、入力装置21から操作者により撮影指示がなされた後、制御装置20の制御に基づいて各部が連係動作し、自動的に行われ、最終的に被写体Hの位相コントラスト画像がモニタ24に表示される。
また、第1の吸収型格子31で殆どのX線を回折させずに、第2の吸収型格子32に幾何学的に投影するため、照射X線には、高い空間的可干渉性は要求されず、X線源11として医療分野で用いられている一般的なX線源を用いることができる。そして、第1の吸収型格子31から第2の吸収型格子32までの距離Lを任意の値とすることができ、該距離Lを、タルボ干渉計での最小のタルボ干渉距離より小さく設定することができるため、撮影部12を小型化(薄型化)することができる。更に、本X線撮影システムでは、第1の吸収型格子31からの投影像(G1像)には、照射X線のほぼすべての波長成分が寄与し、モアレ縞のコントラストが向上するため、位相コントラスト画像の検出感度を向上させることができる。
なお、上述したX線撮影システム10は、第1の格子の投影像に対して縞走査を行って屈折角φを演算するものであって、そのため、第1及び第2の格子がいずれも吸収型格子であるものとして説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。上述のとおり、タルボ干渉像に対して縞走査を行って屈折角φを演算する場合にも、本発明は有用である。よって、第1の格子は、吸収型格子に限らず位相型格子であってもよい。また、第1の格子のX線像と第2の格子との重ね合わせによって形成されるモアレ縞の解析方法は、前述した縞走査法に限られず、例えば「J. Opt. Soc. Am. Vol.72,No.1 (1982) p.156」により知られているフーリエ変換/フーリエ逆変換を用いた方法など、モアレ縞を利用した種々の方法も適用可能である。
また、本X線撮影システム10は、位相シフト分布Φを画像としたものを位相コントラスト画像として記憶ないし表示するものとして説明したが、上記のとおり、位相シフト分布Φは、屈折角φより求まる位相シフト分布Φの微分量を積分したものであって、屈折角φ及び位相シフト分布Φの微分量もまた被写体によるX線の位相変化に関連している。よって、屈折角φを画像としたもの、また、位相シフトΦの微分量を画像としたものも位相コントラスト画像に含まれる。
上述した第1及び第2の吸収型格子31,32を用いたX線位相イメージングでは、位相検出精度の観点から、第1、第2の格子31,32の相対位置、及び、X線の焦点18aと第1、第2の格子31,32とのそれぞれの相対位置などが特に重要であるが、上述のように、撮影部12がガイド筐体16内に収容されかつ、第1、第2の格子31,32を内包する格子ユニット筐体35が緩衝材36を介してガイド筐体16の下面に支持されたことにより、ガイド筐体16から格子ユニット筐体35への力及び振動の伝達を遮断でき、かつ、第1、第2の格子31,32に直接外力が作用することを防ぐことが出来る。これにより、振動等によって第1、第2の格子がそれぞれの設定された格子面から傾くことによる相対位置ズレや、焦点18aと第1、第2の格子とのそれぞれの相対位置ズレが抑制されるので、位相コントラスト画像の画質低下を抑制し、好適な位相コントラスト画像を撮影することができる。
なお、ガイド筐体16に加わる力や振動としては、被写体Hのポジショニング時の衝撃や体動によるものの他、X線撮影システム10が設置された床面から伝わる振動や、装置設置状況によってはX線源11から伝わる振動などが考えられる。
特に、X線遮蔽部31b,32bの配列方向であり、走査機構33による走査方向でもある第2の方向(x方向)における格子ユニット筐体35とガイド筐体16内壁との対向面である格子ユニット筐体下面に緩衝材36が設けられていることにより、第1の格子31に対して第2の格子32をx方向に相対移動させる走査撮影時に外力や外部振動がガイド筐体16から第1、第2の格子31,32に伝達されて第1、第2の格子31,32が同じx方向に相対移動することを回避できる。すなわち、走査撮影時に、X線焦点18aに対する第1、第2の格子31,32の相対位置がX線遮蔽部31b,32bの配列方向にズレることが抑制されるため、第1の格子の放射線像が第2の格子に入射する位置でx方向にボケることが抑制される。この結果、FPD30で検出される強度変化のコントラスト及び位相コントラスト画像の画質低下を抑制することができ、好適な位相コントラスト画像を撮影することができる。
更に、格子ユニット筐体35の鉛直方向下面が3点以上で支持されることで、格子ユニット筐体35の傾きを防止して安定させることができる。これにより、X線の焦点18aに対する第1、第2の格子31,32の相対位置ズレをより確実に抑制することができる。
なお、上記例では第1、第2の格子31,32が格子ユニット筐体35に収納されていたが、これに限らず、第1、第2の格子31,32がそれぞれ、緩衝材を介してガイド筐体16の内壁に支持されていてもよい。
図11は、本発明の実施形態を説明するための放射線撮影システムの他の例の構成を示す。
このX線撮影システム60は、被写体(患者)Hを臥位状態で撮影するX線診断装置であって、X線源11及び撮影部12の他に、被写体Hを寝載するベッド61を備える。ベッド61は、被写体Hが接触する天板62と、天板62を介して被写体Hを支持するガイド筐体66とを有する。X線源11の構成、及び撮影部12の第1、第2の格子31,32、及びFPD30、走査機構33の構成は、上記例と同様の構成であるため、各構成要素には、上記例と同一の符号を付している。以降では、既に述べた構成と同様の構成については同一符号を付してその説明を省略し、既に述べた構成との差異についてのみ説明する。その他の構成及び作用については、既に述べた内容と同様であるため説明は省略する。
本例では、撮影部12は、被写体Hを介してX線源11に対向するように、天板62の下面側に取り付けられている。一方のX線源11は、X線源保持装置14によって保持されており、X線源11の角度変更機構(図示せず)によりX線照射方向が下方向とされている。X線源11は、この状態で、ベッド61の天板62に寝載された被写体HにX線を照射する。X線源保持装置14は、支柱部14bの伸縮によりX線源11の上下動を可能とするため、この上下動により、X線焦点18bからFPD30の検出面までの距離を調整することができる。
前述のように、撮影部12は、第1の吸収型格子31と第2の吸収型格子32との間の距離Lを短くすることができ、薄型化が可能であるため、ベッド61の天板62を支持する脚部63を短くし、天板62の位置を低くすることができる。例えば、撮影部12を薄型化し、天板62の位置を、被写体(患者)Hが容易に腰掛けられる程度の高さ(例えば、床上40cm程度)とすることが好ましい。また、天板62の位置を低くすることは、X線源11から撮影部12までの十分な距離を確保するうえでも好ましい。
なお、上記X線源11と撮影部12との位置関係とは逆に、X線源11をベッド61に取り付け、撮影部12を天井側に設置することで、被写体Hの臥位撮影を行うことも可能である。
図11に示した構成ではX線源11がベッド61の上方に設けられているため、第1、第2の格子31,32及びFPD30はそれぞれのX線入射面を上方に向けて水平に配置されている。これらの第1、第2の格子31,32及びFPD30はいずれも、格子ユニット筐体65に収納されている。なお、FPD30以外の第1、第2の格子31,32のみが格子ユニット筐体65に収納されていてもよい。第1、第2の格子31,32及びFPD30は、互いの相対位置が規定された状態で光軸Aに沿った方向において重ねられ、組み付けられて格子ユニット筐体65の内部に固定されている。
図12は、格子ユニット筐体65に緩衝材が設けられた状態を示す斜視図である。本例では、光軸Aに沿った方向である鉛直方向と交差する格子ユニット筐体65の下面に5つの緩衝材37が設けられるとともに、光軸Aに直交する面内の一方向である走査方向(第1の格子31により形成される放射線像のパターン配列方向であるx方向)と交差する格子ユニット筐体65の側面にも、3つの緩衝材36が設けられている。
緩衝材36は、上記例における緩衝材36と同様に、光軸Aに直交する面内の一方向である走査方向(x方向)における格子ユニット筐体とガイド筐体16内壁との間に設けられているので、上記例と同様に、第1の格子の放射線像が第2の格子に入射する位置でx方向にボケることが抑制され、この結果、FPD30で検出される強度変化のコントラスト及び位相コントラスト画像の画質低下を抑制することができ、好適な位相コントラスト画像を撮影することができる。
緩衝材37は、格子ユニット筐体65下面の四隅及び中央部の合計5箇所に設けられている。これらの緩衝材37により、光軸Aに沿ったz方向における焦点18aと第1、第2の格子31,32とのそれぞれの相対位置ズレが抑制され、X線焦点と各格子とのそれぞれの相対的なズレ量に応じて生じるモアレの空間周波数の変動が抑制されるため、位相コントラスト画像の画質低下を抑制することができ、好適な位相コントラスト画像を撮影することができる。
次に、本発明をマンモグラフィ(X線乳房撮影)に適用した例を示す。図13に示すマンモグラフィ装置80は、被写体として乳房BのX線画像(位相コントラスト画像)を撮影する装置である。マンモグラフィ装置80は、基台(図示せず)に対して旋回可能に連結されたアーム部材81の一端に配設されたX線源収納部82と、アーム部材81の他端に配設されたガイド筐体としての撮影台83と、撮影台83に対して上下方向に移動可能に構成された圧迫板84とを備える。
X線源収納部82にはX線源11が収納されており、撮影台83には撮影部12が収納されている。X線源11と撮影部12とは、互いに対向するように配置されている。圧迫板84は、移動機構(図示せず)により移動し、撮影台83との間で乳房Bを挟み込んで圧迫する。この圧迫状態で、上記したX線撮影が行われる。
図13に示した格子ユニット筐体35は、図11に示した構成と同様に、緩衝材36,37を介して撮影台83に支持されており、これによって前述と同様の効果が得られる。
図14は、本発明の実施形態を説明するためのX線撮影システムの他の例を示す。このX線撮影システム100は、X線源101のコリメータユニット102に、マルチスリット103を配設した点が、上記例のX線撮影システム10と異なる。
上記例では、X線源11からFPD30までの距離を、一般的な病院の撮影室で設定されるような距離(1〜2m)とした場合に、X線焦点18bの焦点サイズ(一般的に0.1mm〜1mm程度)によるG1像のボケが影響し、位相コントラスト画像の画質の低下をもたらす恐れがある。そこで、X線焦点18bの直後にピンホールを設置して実効的に焦点サイズを小さくすることが考えられるが、実効的な焦点サイズを縮小するためにピンホールの開口面積を小さくすると、X線強度が低下してしまう。本例では、この課題を解決するために、X線焦点18bの直後にマルチスリット103を配置している。
マルチスリット103は、撮影部12に設けられた第1及び第2の吸収型格子31,32と同様な構成の吸収型格子(すなわち、第3の吸収型格子)であり、一方向(本例では、y方向)に延伸した複数のX線遮蔽部が、第1及び第2の吸収型格子31,32のX線遮蔽部31b,32bと同一方向(本例では、x方向)に周期的に配列されている。このマルチスリット103は、X線源11からの放射線を部分的に遮蔽することにより、x方向に関する実効的な焦点サイズを縮小し、x方向に多数の点光源(分散光源)を形成することを目的としている。
このマルチスリット103の格子ピッチpは、マルチスリット103から第1の吸収型格子31までの距離をLとして、次式(19)を満たすように設定する必要がある。
Figure 2012090740
また、本例では、実質的にマルチスリット103の位置がX線焦点位置となるため、第2の吸収型格子32の格子ピッチp及び間隔dは、次式(20)及び(21)の関係を満たすように決定される。
Figure 2012090740
Figure 2012090740
また、本例では、FPD30の検出面におけるx方向の有効視野の長さVを確保するには、マルチスリット103からFPD30の検出面までの距離をL’とすると、第1及び第2の吸収型格子31,32のX線遮蔽部31b,32bの厚みh,hは、次式(22)及び(23)を満たすように決定される。
Figure 2012090740
Figure 2012090740
上記式(19)は、マルチスリット103により分散形成された各点光源から射出されたX線の第1の吸収型格子31による投影像(G1像)が、第2の吸収型格子32の位置で一致する(重なり合う)ための幾何学的な条件である。このように、本例では、マルチスリット103により形成される複数の点光源に基づくG1像が重ね合わせられることにより、X線強度を低下させずに、位相コントラスト画像の画質を向上させることができる。
なお、以上説明したマルチスリット103は、上記いずれの例においても適用可能である。
また、上記例では、前述したように、位相コントラスト画像は、第1及び第2の吸収型格子31,32のX線遮蔽部31b,32bの周期配列方向(x方向)のX線の屈折成分に基づくものとなり、X線遮蔽部31b,32bの延伸方向(y方向)の屈折成分は反映されない。すなわち、xy面である格子面を介して、x方向に交差する方向(直交する場合はy方向)に沿った部位輪郭がx方向の屈折成分に基づく位相コントラスト画像として描出されるのであり、x方向に交差せずにx方向に沿っている部位輪郭はx方向の位相コントラスト画像として描出されない。すなわち、被写体Hとする部位の形状と向きによっては描出できない部位が存在する。例えば、膝等の関節軟骨の荷重面の方向を格子の面内方向であるxy方向のうちy方向に合わせると、y方向にほぼ沿った荷重面(yz面)近傍の部位輪郭は十分に描出されるが、荷重面に交差しx方向にほぼ沿って延びる軟骨周辺組織(腱や靭帯など)については描出が不十分になると考えられる。被写体Hを動かすことにより、描出が不十分な部位を再度撮影することは可能ではあるが、被写体H及び術者の負担が増えることに加え、再度撮影した画像との位置再現性を担保することが難しいといった問題がある。
そこで、他の例として、図15に示すように、第1及び第2の吸収型格子31,32の格子面の中心に直交する仮想線(X線の光軸A)を中心として、第1及び第2の吸収型格子31,32を、図15(a)に示すような第1の向きから一体的に任意の角度で回転させて、図15(b)に示すような第2の向きとする回転機構105を設け、第1の向きと第2の向きとのそれぞれにおいて位相コントラスト画像を生成するように構成することも好適である。こうすることで、上述した位置再現性の問題をなくせる。なお、図15(a)には、X線遮蔽部31b,32bの延伸方向がy方向に沿う方向となるような第1、第2格子31,32の第1の向きを示し、図15(b)には、図15(a)の状態から90度回転させ、X線遮蔽部31b,32bの延伸方向がx方向に沿う方向となるような第1、第2格子31,32の第2の向きを示したが、第1、第2の格子の回転角度は任意である。また、第1の向き及び第2の向きに加えて、第3の向き、第4の向きなど、2回以上の回転操作を行って、それぞれの向きでの位相コントラスト画像を生成するように構成してもよい。
なお、この回転機構105は、FPD30とは別に第1及び第2の吸収型格子31,32のみを一体的に回転させるものであってもよいし、第1及び第2の吸収型格子31,32とともにFPD30を一体的に回転させるものであってもよい。更に、回転機構105を用いた第1及び第2の向きにおける位相コントラスト画像の生成は、上記いずれの例においても適用可能である。ここで、マルチスリットを具備する場合には、第1、第2格子31,32と同様の向きに、マルチスリットも回転させるように構成すればよい。
また、上記例の第1及び第2の吸収型格子31,32は、X線遮蔽部31b,32bの周期配列方向が直線状(すなわち、格子面が平面状)となるように構成されているが、これに代えて、図16に示すように、格子面を曲面上に凹面化した第1及び第2の吸収型格子110,111を用いることも好適である。
第1の吸収型格子110は、X線透過性でかつ湾曲した基板110aの表面に、複数のX線遮蔽部110bが所定のピッチpで周期的に配列されている。各X線遮蔽部110bは、上記例と同様にy方向に直線状に延伸しており、第1の吸収型格子110の格子面は、X線焦点18bを通りX線遮蔽部110bの延伸方向に延びる直線を中心軸とする円筒面に沿った形状となっている。同様に、第2の吸収型格子111は、X線透過性でかつ湾曲した基板111aの表面に、複数のX線遮蔽部111bが所定のピッチpで周期的に配列されている。各X線遮蔽部111bは、y方向に直線状に延伸しており、第2の吸収型格子111の格子面は、X線焦点18bを通りX線遮蔽部111bの延伸方向に延びる直線を中心軸とする円筒面に沿った形状となっている。
X線焦点18bから第1の吸収型格子110までの距離をL、第1の吸収型格子110から第2の吸収型格子111までの距離をLとした場合に、格子ピッチp及び間隔dは、上記式(1)の関係を満たすように決定される。第1の吸収型格子110のスリット部の開口幅dと第2の吸収型格子111のスリット部の開口幅dは、上記式(2)の関係を満たすように決定される。
このように、第1及び第2の吸収型格子110,111の格子面を円筒面状とすることにより、X線焦点18bから照射されるX線は、被写体Hが存在しない場合、すべて格子面に垂直に入射することになるため、本例では、X線遮蔽部110bの厚みhとX線遮蔽部111bの厚みhとの上限の制約が緩和され、上記式(7)及び(8)を考慮する必要がない。
また、本例では、第1及び第2の吸収型格子110,111のいずれか一方を、X線焦点18bを中心として、格子面(円筒面)に沿った方向に移動させることにより、前述の縞走査を行う。更に、本例では、検出面が円筒面状のFPD112を用いることが好ましい。同様に、FPD112の検出面は、X線焦点18bを通りy方向に延びる直線を中心軸とする円筒面状とする。
本例の第1及び第2の吸収型格子110,111及びFPD112は、上記いずれの例においても適用可能である。更に、マルチスリット103(図14)を、第1及び第2の吸収型格子110,111と同様な形状とすることも好適である。
また、上記各例では、第2の吸収型格子がFPDとは独立して設けられているが、上記各例のFPDとして、特開平2009−133823号公報に開示された構成のX線画像検出器を用いることにより、前述した格子パターンとしての第2の吸収型格子を用いることなく、格子パターンを具備することができる。
X線画像検出器は、X線を電荷に変換する変換層と、変換層において変換された電荷を収集する電荷収集電極とを画素毎に備えた直接変換型とされており、その電荷収集電極は、第1の方向にそれぞれ延伸しかつ第1の格子31により形成された放射線像の縞状パターンの周期と実質的に一致するピッチで配列された複数の線状電極を互いに電気的に接続してなる複数の線状電極群を有する。これらの線状電極群は、互いに位相が異なるように線状電極のピッチよりも短いピッチで位置がずれた状態に配置されている。ここで、格子パターンは、複数の線状電極群の各々により構成されている。
このようにX線画像検出器を構成することにより、第2の吸収型格子が不要となるため、コスト削減とともに、撮像部のさらなる薄型化を図ることができる。また、一度の撮影で複数の位相成分の縞画像を取得することができるため、縞走査のための物理的な走査が不要となる。
図17は、本例のX線画像検出器(FPD)の構成を例示する。画素120が、x方向及びy方向に沿って一定のピッチで2次元配列されており、各画素120には、X線を電荷に変換する変換層によって変換された電荷を収集するための電荷収集電極121が形成されている。電荷収集電極121は、第1〜第6の線状電極群122〜127から構成されており、各線状電極群の線状電極の配列周期の位相がπ/3ずつずれている。具体的には、第1の線状電極群122の位相を0とすると、第2の線状電極群123の位相はπ/3、第3の線状電極群124の位相は2π/3、第4の線状電極群125の位相はπ、第5の線状電極群126の位相は4π/3、第6の線状電極群127の位相は5π/3である。
第1〜第6の線状電極群122〜127はそれぞれ、y方向に延伸した線状電極をx方向に所定のピッチpで周期的に配列したものである。この線状電極の配列ピッチpの実質的なピッチp’(製造後の実質的なピッチ)と、電荷収集電極121の位置(X線画像検出器の位置)におけるG1像のパターン周期p’と、x方向に関する画素120の配列ピッチPとの関係は、上記例と同様に、式(9)で表されるモアレ縞の周期Tに基づき、式(10)を満たす必要があり、更には、式(11)を満たすことが好ましい。
更に、各画素120には、電荷収集電極121により収集された電荷を読み出すためのスイッチ群128が設けられている。スイッチ群128は、第1〜第6の線状電極群121〜126のそれぞれに設けられたTFTスイッチからなる。第1〜第6の線状電極群121〜126により収集された電荷を、スイッチ群128を制御してそれぞれ個別に読み出すことによって、一度の撮影により、互いに位相の異なる6種類の縞画像を取得することができ、この6種類の縞画像に基づいて位相コントラスト画像を生成することができる。
このような構成のX線画像検出器を用いることにより、撮像部から第2の吸収型格子が不要となるため、コスト削減とともに、撮像部のさらなる薄型化を図ることができる。また、本例では、一度の撮影で複数の位相成分の縞画像を取得することができるため、縞走査のための物理的な走査が不要となり、上記走査機構を排することができる。なお、電荷収集電極の構成には、上記構成に代えて、特開平2009−133823号公報に記載のその他の構成を用いることも可能である。
以上説明した各例は、本発明を医療診断用の装置に適用したものであるが、本発明は医療診断用途に限られず、工業用等のその他の放射線検出装置に適用することが可能である。
図18は、本発明の実施形態を説明するための放射線撮影システムの他の例を示す。
前述した各X線撮影システムによれば、これまで描出が難しかったX線弱吸収物体の高コントラストな画像(位相コントラスト画像)が得られるが、更に、位相コントラスト画像と対応して吸収画像が参照できることは読影の助けになる。例えば、吸収画像と位相コントラスト画像を重み付けや階調、周波数処理などの適当な処理によって重ね合わせることにより吸収画像で表現できなかった部分を位相コントラスト画像の情報で補うことは有効である。しかし、位相コントラスト画像とは別に吸収画像を撮影することは、位相コントラスト画像の撮影と吸収画像の撮影の間の撮影肢位のズレによって良好な重ね合わせを困難にするのに加え、撮影回数が増えることにより被検者の負担となる。また、近年、位相コントラスト画像や吸収画像の他に、小角散乱画像が注目されている。小角散乱画像は、被写体組織内部の微細構造に起因する組織性状を表現可能であり、例えば、ガンや循環器疾患といった分野での新しい画像診断のための表現方法として期待されている。
そこで、本X線撮影システムは、位相コントラスト画像のために取得した複数枚の画像から、吸収画像や小角散乱画像を生成することも可能とする演算処理部190を用いる。なお、その他の構成については、前述したX線撮影システム10と同一であるので説明は省略する。演算処理部190は、位相コントラスト画像生成部191、吸収画像生成部192、小角散乱画像生成部193が構成されている。これらは、いずれもk=0,1,2,・・・,M−1のM個の各走査位置で得られる画像データに基づいて演算処理を行う。このうち、位相コントラスト画像生成部191は、前述の手順に従って位相コントラスト画像を生成する。
吸収画像生成部192は、画素ごとに得られる画素データI(x,y)を、図19に示すように、kについて平均化して平均値を算出して画像化することにより吸収画像を生成する。なお、平均値の算出は、画素データI(x,y)をkについて単純に平均化することにより行なっても良いが、Mが小さい場合には誤差が大きくなるため、画素データIk(x,y)を正弦波でフィッティングした後、フィッティングした正弦波の平均値を求めるようにしてもよい。また、吸収画像の生成には、平均値に限られず、平均値に対応する量であれば、画素データI(x,y)をkについて加算した加算値等を用いることが可能である。
小角散乱画像生成部193は、画素ごとに得られる画素データI(x,y)の振幅値を算出して画像化することにより小角散乱画像を生成する。なお、振幅値の算出は、画素データI(x,y)の最大値と最小値との差を求めることによって行なっても良いが、Mが小さい場合には誤差が大きくなるため、画素データI(x,y)を正弦波でフィッティングした後、フィッティングした正弦波の振幅値を求めるようにしても良い。また、小角散乱画像の生成には、振幅値に限られず、平均値を中心としたばらつきに対応する量として、分散値や標準偏差等を用いることが可能である。
本X線撮影システムによれば、被写体の位相コントラスト画像のために取得した複数枚の画像から吸収画像や小角散乱画像を生成するので、吸収画像や小角散乱画像の撮影の間の撮影肢位のズレが生じず、位相コントラスト画像と吸収画像や小角散乱画像との良好な重ね合わせが可能となるとともに、吸収画像や小角散乱画像のために別途撮影を行う場合に比べて被写体の負担を軽減することができる。
以上、説明したように、本明細書には、
放射線が照射される被写体を支持するガイド筐体と、
第1の格子と、
前記第1の格子を通過した放射線によって形成される放射線像のパターン周期と実質的に一致する周期を有する格子パターンと、
前記格子パターンによってマスキングされた前記放射線像を検出する放射線画像検出器と、を備え、
前記ガイド筐体内には、前記第1の格子、前記格子パターン、及び前記放射線画像検出器が収容され、
前記第1の格子、前記格子パターン、及び前記放射線画像検出器のうち少なくとも、前記第1の格子及び前記格子パターンは、前記ガイド筐体内壁との間に緩衝材を介在させた状態で前記ガイド筐体に支持されることを特徴とする放射線撮影装置が開示されている。
また、本明細書に開示された放射線撮影装置においては、
前記緩衝材は、少なくとも鉛直方向下側における前記第1の格子及び前記格子パターンと前記ガイド筐体内壁との間に設けられる。
また、本明細書に開示された放射線撮影装置においては、
前記緩衝材は、前記光軸に沿った方向における前記第1の格子及び前記格子パターンと前記ガイド筐体内壁との間に設けられる。
また、本明細書に開示された放射線撮影装置においては、
前記緩衝材は、前記光軸に直交する面内方向の少なくとも一方向における前記第1の格子及び前記格子パターンと前記ガイド筐体内壁との間に設けられる。
また、本明細書に開示された放射線撮影装置においては、
前記緩衝材は、前記格子パターンのパターン配列方向における前記第1の格子及び前記格子パターンと前記ガイド筐体内壁との間に設けられる。
また、本明細書に開示された放射線撮影装置においては、
前記第1の格子、前記格子パターン、及び前記放射線画像検出器のうち少なくとも前記第1の格子及び前記格子パターンは、前記第1の格子及び前記格子パターンにおける放射線の光軸に沿った方向において互いに重ねられてユニットを構成し、
前記緩衝材は、前記ユニットの前記ガイド筐体内壁との対向面において、少なくとも1点が同一直線上にない3点以上を支持する。
また、本明細書に開示された放射線撮影装置においては、
前記緩衝材は、1点が同一直線上にない前記3点を支持する。
また、本明細書に開示された放射線撮影装置においては、
前記第1の格子、前記格子パターン、及び前記放射線画像検出器のうち少なくとも前記第1の格子及び前記格子パターンは、前記第1の格子及び前記格子パターンにおける放射線の光軸に沿った方向において互いに重ねられてユニットを構成し、
前記緩衝材は、前記ユニットの前記ガイド筐体内壁との対向面における周縁部の少なくとも一部を支持する。
また、本明細書に開示された放射線撮影装置においては、
前記格子パターンは、第2の格子であり、
前記第1の格子及び前記第2の格子の一方を、前記第2の方向に相対移動させる走査手段を更に備える。
また、本明細書に開示された放射線撮影装置においては、
前記第1の格子は、第1の方向に延伸する複数の放射線遮蔽部が、前記第1の方向に直交する第2の方向に第1のピッチで配設されて構成され、
前記第2の格子は、前記第1の方向に延伸する複数の放射線遮蔽部が、前記第2の方向に、前記第1の格子により形成される放射線像の周期パターンと実質的に一致する第2のピッチで配設されて構成され、
前記放射線源の焦点から前記第1の格子までの距離をL、前記第1の格子から前記第2の格子までの距離をL、前記第1のピッチをp、前記第2のピッチをp、とした場合に、下記の式を満たす。
={(L+L)/L}×p
また、本明細書に開示された放射線撮影装置においては、
前記第1の格子及び第2の格子のそれぞれにおける隣り合う前記放射線遮蔽部の間の前記第2方向における間隔をそれぞれd、dとした場合に、下記の式を満たす。
={(L+L)/L}×d
また、本明細書に開示された放射線撮影装置においては、
前記放射線画像検出器は、放射線を電荷に変換する変換層と、前記変換層において変換された電荷を収集する電荷収集電極と、を画素毎に備え、
前記電荷収集電極は、前記放射線像のパターン周期に実質的に一致するピッチで配列された線状電極を互いに電気的に接続してなる線状電極群を複数含み、
前記複数の線状電極群は、互いに位相が異なるように配列されており、
前記格子パターンは、前記複数の線状電極群の各々により構成されている。
また、本明細書に開示された放射線撮影装置においては、
前記第1の格子に向けて放射線を照射する放射線源を更に備える。
また、本明細書には、
前記放射線撮影装置の前記放射線画像検出器により検出された画像から、前記放射線画像検出器に入射する放射線の屈折角の分布を演算し、この屈折角の分布に基づいて、被写体の位相コントラスト画像を生成する演算処理部と、を備えることを特徴とする放射線撮影システムが開示されている。
10 X線撮影システム
11 X線源(放射線源)
12 撮影部
13 コンソール(制御演算手段)
14 X線源保持装置
15 立位スタンド
16 ガイド筐体
18 X線管
18a 回転陽極
18b X線焦点
19 コリメータユニット
19a コリメータ
30 フラットパネル検出器(FPD)
31 第1の吸収型格子
31a 基板
31b X線遮蔽部
32 第2の吸収型格子
32a 基板
32b X線遮蔽部
33 走査機構
35 格子ユニット筐体
36 緩衝材
37 緩衝材
60 X線撮影システム
61 ベッド
62 天板
63 脚部
65 格子ユニット筐体
66 ガイド筐体
70 X線撮影システム
71 旋回アーム
71a U字状部
71b 直線状部
72 基台
73 第1の溝
74 第2の溝
75 連結機構
80 マンモグラフィ装置
81 アーム部材
82 X線源収納部
83 撮影台(ガイド筐体)
84 圧迫板
90 マンモグラフィ装置
91 格子収納部
92 撮影部
100 X線撮影システム
101 X線源(放射線源)
102 コリメータユニット
103 マルチスリット(第3の吸収型格子)
110 第1の吸収型格子
110a 基板
110b X線遮蔽部
111 第2の吸収型格子
111a 基板
111b X線遮蔽部
112 フラットパネル検出器(FPD)
120 画素
121 電荷収集電極
122〜127 第1〜第6の線状電極群
128 スイッチ群

Claims (14)

  1. 放射線が照射される被写体を支持するガイド筐体と、
    第1の格子と、
    前記第1の格子を通過した放射線によって形成される放射線像のパターン周期と実質的に一致する周期を有する格子パターンと、
    前記格子パターンによってマスキングされた前記放射線像を検出する放射線画像検出器と、を備え、
    前記ガイド筐体内には、前記第1の格子、前記格子パターン、及び前記放射線画像検出器が収容され、
    前記第1の格子、前記格子パターン、及び前記放射線画像検出器のうち少なくとも、前記第1の格子及び前記格子パターンは、前記ガイド筐体内壁との間に緩衝材を介在させた状態で前記ガイド筐体に支持されることを特徴とする放射線撮影装置。
  2. 請求項1に記載の放射線撮影装置であって、
    前記緩衝材は、少なくとも鉛直方向下側における前記第1の格子及び前記格子パターンと前記ガイド筐体内壁との間に設けられることを特徴とする放射線撮影装置。
  3. 請求項1又は2に記載の放射線撮影装置であって、
    前記緩衝材は、前記光軸に沿った方向における前記第1の格子及び前記格子パターンと前記ガイド筐体内壁との間に設けられることを特徴とする放射線撮影装置。
  4. 請求項1から3のいずれか一項に記載の放射線撮影装置であって、
    前記緩衝材は、前記光軸に直交する面内方向の少なくとも一方向における前記第1の格子及び前記格子パターンと前記ガイド筐体内壁との間に設けられることを特徴とする放射線撮影装置。
  5. 請求項4に記載の放射線撮影装置であって、
    前記緩衝材は、前記格子パターンのパターン配列方向における前記第1の格子及び前記格子パターンと前記ガイド筐体内壁との間に設けられることを特徴とする放射線撮影装置。
  6. 請求項1から5のいずれか一項に記載の放射線撮影装置であって、
    前記第1の格子、前記格子パターン、及び前記放射線画像検出器のうち少なくとも前記第1の格子及び前記格子パターンは、前記第1の格子及び前記格子パターンにおける放射線の光軸に沿った方向において互いに重ねられてユニットを構成し、
    前記緩衝材は、前記ユニットと前記ガイド筐体内壁との対向面において、少なくとも1点が同一直線上にない3点以上を支持することを特徴とする放射線撮影装置。
  7. 請求項6に記載の放射線撮影装置であって、
    前記緩衝材は、1点が同一直線上にない前記3点を支持することを特徴とする放射線撮影装置。
  8. 請求項1から7のいずれか一項に記載の放射線撮影装置であって、
    前記第1の格子、前記格子パターン、及び前記放射線画像検出器のうち少なくとも前記第1の格子及び前記格子パターンは、前記第1の格子及び前記格子パターンにおける放射線の光軸に沿った方向において互いに重ねられてユニットを構成し、
    前記緩衝材は、前記ユニットの前記ガイド筐体内壁との対向面における周縁部の少なくとも一部を支持することを特徴とする放射線撮影装置。
  9. 請求項1から8のいずれか一項に記載の放射線撮影装置であって、
    前記格子パターンは、第2の格子であり、
    前記第1の格子及び前記第2の格子の一方を、他方に対して前記パターンの配列方向に移動させる走査手段を更に備えることを特徴とする放射線撮影装置。
  10. 請求項1から9のいずれか一項に記載の放射線撮影装置であって、
    前記第1の格子は、第1の方向に延伸する複数の放射線遮蔽部が、前記第1の方向に直交する第2の方向に第1のピッチで配設されて構成され、
    前記第2の格子は、前記第1の方向に延伸する複数の放射線遮蔽部が、前記第2の方向に、前記第1の格子により形成される放射線像の周期パターンと実質的に一致する第2のピッチで配設されて構成され、
    前記放射線源の焦点から前記第1の格子までの距離をL、前記第1の格子から前記第2の格子までの距離をL、前記第1のピッチをp、前記第2のピッチをp、とした場合に、下記の式を満たすことを特徴とする放射線撮影装置。
    ={(L+L)/L}×p
  11. 請求項10に記載の放射線撮影装置であって、
    前記第1の格子及び前記第2の格子のそれぞれにおける隣り合う前記放射線遮蔽部の間の前記第2方向における間隔をそれぞれd、dとした場合に、下記の式を満たすことを特徴とする放射線撮影装置。
    ={(L+L)/L}×d
  12. 請求項1から11のいずれか一項に記載の放射線撮影装置であって、
    前記放射線画像検出器は、放射線を電荷に変換する変換層と、前記変換層において変換された電荷を収集する電荷収集電極と、を画素毎に備え、
    前記電荷収集電極は、前記放射線像のパターン周期に実質的に一致するピッチで配列された線状電極を互いに電気的に接続してなる線状電極群を複数含み、
    前記複数の線状電極群は、互いに位相が異なるように配列されており、
    前記格子パターンは、前記複数の線状電極群の各々により構成されている放射線画像検出装置。
  13. 請求項1から12のいずれか一項に記載の放射線撮影装置であって、
    前記第1の格子に向けて放射線を照射する放射線源を更に備えることを特徴とする放射線撮影装置。
  14. 請求項1から13のいずれか一項に記載の放射線撮影装置と、
    前記放射線撮影装置の前記放射線画像検出器により検出された画像から、前記放射線画像検出器に入射する放射線の屈折角の分布を演算し、この屈折角の分布に基づいて、被写体の位相コントラスト画像を生成する演算処理部と、を備えることを特徴とする放射線撮影システム。
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