JP2010200808A - 放射線画像撮影装置及び方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】グリッドの移動に伴う放射線検出器の振動によって画像にボケが生じるのを防止する。
【解決手段】グリッドを移動させて被写体によって散乱したX線を除去する本移動の前に、本移動の移動範囲外でグリッドを移動させる予備移動を行う。本移動によってFPDユニットに発生した振動は、予備移動によってFPDユニットに発生した振動により振幅が小さくなり、位相がずれる。これにより、X線照射時間t中のFPDユニットの変位量D1は、予備移動を行わない場合の変位量Daと比べて格段に小さくなる。
【選択図】図3

Description

本発明は、被写体を透過した放射線を放射線検出器で検出して放射線画像を得る放射線画像撮影装置及び方法に関し、更に詳しくは、被写体を透過する際に散乱した放射線を放射線検出器の検出面に平行な方向に移動させたグリッドによって除去する放射線画像撮影装置及び方法に関する。
X線等の放射線を被写体に照射し、被写体を透過した放射線を受像して被写体の内部構造を撮影する医療用の放射線画像撮影装置が普及している。従来、放射線の受像にはフイルムが用いられていたが、現在ではイメージングプレート(以下、IPと呼ぶ)やフラットパネルディテクタ(以下、FPDと呼ぶ)等の放射線検出器の利用が進んでいる。
放射線画像撮影装置には、被写体を透過する際に散乱した放射線によって画像のコントラストが低下するのを防止するため、散乱放射線を除去するグリッドが用いられている。グリッドは、鉛等の放射線が透過しにくい物質を格子状に配列した構造を有しており、放射線検出器に対して斜めに入射する散乱放射線を格子で吸収している。また、格子状のグリッド構造が撮影されるのを防止するため、放射線の照射中にグリッドを放射線検出器の検出面と平行な方向に移動させている。
グリッドは、鉛を使用しているので、3〜4kg程度の重量を有している。そのため、数十ms程度という短い放射線の照射時間に合せてグリッドを移動させると、移動開始時の加速期間の慣性力によって放射線検出器に振動が発生する。
上述したFPDは、放射線を信号電荷に変換して蓄積し、蓄積した信号電荷を撮像信号として出力するが、撮像信号の出力時に振動が生じると、微弱な電荷容量が変動して画像にノイズが重畳されてしまう。これを防止するため、特許文献1、2記載の発明は、グリッドの移動停止後にFPDから撮像信号を読み出している。
特開2001−276029号公報 特開2005−237978号公報
特許文献1、2記載の発明は、FPDから撮像信号を読み出す際の振動を防止することはできるが、撮影中の振動を防止することはできない。そのため、撮影中のFPDの振動により、画像にボケが生じることがあった。
従来の放射線画像撮影装置は、放射線検出器が取り付けられている柱等の構造部材の剛性を高くして振動しにくくすることにより、画像のボケを小さくしている。しかし、構造部材の剛性を高くするのは、コスト的にも技術的にも限界があった。また、グリッドの移動開始時の加速度を小さくしてグリッドをゆっくりと動かすことにより、振動の原因となるグリッドの慣性力自体を小さくすることも行われている。しかし、この手法では、グリッドが所定の速度に達するまで放射線の照射を待たなければならないので、撮影指示から実際に放射線が照射されるまでのタイムラグが大きくなる。
本発明の目的は、グリッドの移動に伴う放射線検出器の振動によって、画像にボケが生じるのを防止する。
本発明の放射線画像撮影装置は、放射線源、撮像手段、撮影制御手段を備えている。放射線源は、被写体に放射線を照射する。撮像手段は、被写体を透過した放射線を検出する放射線検出器と、被写体と放射線検出器との間で被写体により散乱した放射線を除去するグリッドと、グリッドを放射線検出器の検出面と平行な方向に移動させるグリッド駆動機構を有している。撮影制御手段は、グリッド駆動機構に、グリッドを移動させながら散乱した放射線を除去する本移動と、本移動の前に本移動の移動範囲外でグリッドを移動させる予備移動とを行わせ、予備移動により撮像手段に発生した振動によって、本移動時に撮像手段に発生する振動の振幅を小さくしている。
撮影制御手段は、予備移動により撮像手段に発生した振動によって、本移動により撮像手段に発生する振動の位相をずらし、本移動による振動の振幅が最大となる時点と放射線の照射時間の略中間時点とを一致させている。
撮影制御手段は、本移動時の撮像手段の振動に影響を与える複数の振動影響因子と、予備移動の動作条件を表す複数の予備移動条件とが関連付けて格納されている予備振動条件テーブルを参照し、予め設定された撮影条件に適合する予備移動条件を取得している。なお、予備移動条件として、予備移動と本移動との間の待機時間を用いてもよい。
振動影響因子は、グリッドの移動速度である。また、グリッドの種類または重量、撮像手段の重量、撮像手段に装着されているオプション装備の有無及び種類の少なくとも1つを振動影響因子として用いてもよい。
また、撮影制御手段により放射線の照射タイミングを調整し、本移動によって撮像手段に発生した振動の振幅が最大となる時点と、放射線の照射時間の略中間時点とを一致させてもよい。
撮影制御手段は、振動影響因子に基づいて、撮像手段の振動が放射線検出器による放射線の検出に悪影響を及ぼすか否かを判定し、悪影響がないと判定したときには、予備移動を行わずに本移動を開始させてもよい。
撮影制御手段は、放射線の照射時間が撮像手段に発生する振動の1周期以上の長さであるか否かを判定し、照射時間が振動の1周期以上の長さであるときには、予備移動を行わずに本移動を開始してもよい。
本発明の放射線画像撮影方法は、本移動の移動範囲外で、放射線検出器の検出面と平行な方向にグリッドを予備移動させ、予備移動後に行われる本移動によって放射線検出器に発生する振動を小さくするための振動を発生させるステップと、放射線検出器の検出面と平行な方向にグリッドを本移動させるステップと、グリッドが本移動している間に、放射線源に放射線を照射させるステップと、被写体によって散乱した放射線を除去するグリッドを介して、被写体を透過した放射線を前記放射線検出器により検出するステップとを備えている。
予備移動に起因する振動により、本移動に起因する振動を打ち消すようにして小さくすることができる。したがって、放射線の照射時間中の撮像手段の変位量は、予備移動を行わない場合に比べて格段に小さくなる。これにより、ボケの少ない画像を安定して取得することができる。また、撮像手段が取り付けられる構造部材の剛性を高くする必要がないので、ローコストである。更には、グリッドの移動開始時の加速度を小さくする必要もないので、放射線の照射タイミングに遅れが生じることもない。
第1実施形態のX線画像撮影システムの構成を示す概略図である。 グリッドの初期位置、予備移動完了位置、本移動完了位置を示す正面図である。 予備移動及び本移動によってFPDユニットに生じる振動とX線の照射時の変位量とを表したグラフである。 第1実施形態の撮影手順を示すフローチャートである。 グリッド移動速度の変化によってFPDユニットに生じる振動が変化する状態を示したグラフである。 待機時間を調整してFPDユニットの振動の振幅が最大となる時点とX線照射時間の略中間時点とを一致させた状態を示すグラフである。 予備移動条件LUTの説明図である。 X線照射タイミングを調整してX線照射時間の中間時点とFPDユニットの振動の振幅が最大となる時点とを一致させた状態を示すグラフである。 照射タイミングLUTの説明図である。 FPDユニットの振動が画像に影響を及ぼさないときに、予備移動を中止する撮影手順を示すフローチャートである。 X線照射時間がFPDユニットの振動の1周期よりも長いときに、予備移動を中止する撮影手順を示すフローチャートである。
[第1実施形態]
図1に示すように、本発明を用いたX線画像撮影システム10は、被写体HにX線を照射して、被写体Hの体内の様子を撮影するシステムであり、X線源11、X線撮影スタンド12、システムコントローラ13、コンソール装置14等から構成される。
X線源11は、陰極のフィラメントからタングステンやモリブデン等のターゲットに電子を加速して入射させることによりX線を発生させるX線管である。X線源11から照射されるX線の線質や線量は、陰極に流す電流(管電流)や加速電圧(管電圧)を調節することにより、撮影する被写体Hや被写体Hの撮影部位に応じて適宜調節される。
X線撮影スタンド12は、床に据え付けられた支柱部17と、この支柱部17に上下動できるように取り付けられたFPDユニット18等から構成されている。FPDユニット18は、X線源11に対面するX線入射面19aが設けられた筐体19と、筐体19内に組み込まれたFPD20、グリッド21、グリッド駆動機構22を備えている。X線入射面19aには、撮影時に被写体Hの胸等の撮影部位が接触される。筐体19には、例えば被写体Hが撮影時に把持するつかまり棒23等のオプション装備が装着可能に構成されている。
FPD20は、入射したX線を可視光に変換せずに、直接的に電荷に変換する直接変換型フラットパネルディテクタであり、撮像面20aをX線入射面19aに向けて配置されている。FPD20は、被写体Hの胸部全体をカバーする程度の面積を持つ。FPD20は、例えば、TFTが形成されたガラス基板上に、画素毎に形成された画素電極、光導電膜、及びバイアス電極が積層された構造となっている。
光導電膜は、アモルファスセレン等からなり、X線の入射により、X線の線質や線量に応じた電荷を発生する。バイアス電極と画素電極との間にはバイアス電圧が印加され、バイアス電圧によって光導電膜内に電界が生じ、光導電膜内で発生した電荷が画素電極に収集される。画素電極は、収集した電荷を蓄積するコンデンサ上部の電極を構成する。画素電極はTFTに接続されており、コンデンサに蓄積された電荷はTFTを介して読み出される。FPD20は、TFTで読み出した電荷をA/D変換器によってデジタルな撮像信号に変換し、システムコントローラ13に出力する。
グリッド21は、FPD20の撮像面20aの前方に配置されており、撮像面20aを遮蔽可能な大きさを有している。グリッド21は、X線を遮蔽する多数の鉛の箔がX線の照射方向に対して平行に、間隙を設けながら積層されたグリッド構造を有している。X線源11から照射されたX線のうち、被写体Hを透過して減衰しながら直進したX線は、鉛箔の間隙を通過してFPD20の撮像面20aに到達する。これに対し、被写体H内で散乱して方向を変えた散乱X線は、鉛箔により遮断されてFPD20に到達しないので、コントラストの低下が防止される。
グリッド21は、X線源11とFPD20の撮像面20aまでの距離、すなわちX線の焦点距離に応じて、異なったグリッド構造のものが用いられる。これは、被写体Hを透過してきたX線が散乱X線と一緒に遮断されるのを防止するためである。したがって、被写体Hの撮影部位等に応じて、X線源11とFPDユニット18との距離が変更されたときには、その変更後の焦点距離に適合したグリッド構造を有するグリッド21に交換する必要があるので、FPDユニット18は、グリッド21が交換できるように構成されている。
グリッド駆動機構22は、X線の照射中にグリッド21を右方にスライドさせ、グリッド21の構造がFPD20に撮像されないようにする。グリッド駆動機構22は、モータ等のアクチュエータと、モータの回転によってグリッド21をFPD20の撮像面20aと平行に移動させる機構部品とによって構成されている。
図2に示すように、グリッド21は、実線で示す初期位置から2点鎖線で示す予備移動完了位置を経て、本移動完了位置まで移動される。予備移動完了位置から本移動完了位置までの距離は、初期位置から予備移動完了位置までの距離よりも長くなっている。グリッド駆動機構22は、グリッド21を初期位置から予備移動完了位置まで移動させる予備移動を行い、所定の時間間隔をおいてグリッド21を予備移動完了位置から本移動完了位置まで移動させる本移動を行う。X線は、本移動の間に照射され、本移動中のグリッド21によって散乱X線が除去される。予備移動は、同期移動によってFPDユニットに発生する振動を小さくするために、同期移動の前に実施される予備的動作である。
システムコントローラ13は、キーボードやマウス、モニタ等を備えたコンソール装置14からの入力を受けて、X線画像撮影システム10の動作を統括的に制御する。システムコントローラ13は、撮影制御部25、信号処理部26、ストレージ27、通信インターフェース28等から構成される。
撮影制御部25は、例えばCPU31とメモリ32を有している。CPU31は、メモリ32に記憶されている制御プログラムに基づいて、データバス33を介してシステムコントローラ13の各部と制御信号やデータ等を送受信し、各種演算処理を行うことにより、システムコントローラ13の各部を統括的に制御する。
例えば、CPU31は、コンソール装置14によって設定されたX線照射時間に基づいて、グリッド21の移動速度を決定し、コンソール装置14からの撮影指示に基づいてグリッド駆動機構22を制御し、グリッド21の移動を開始させる。また、CPU31は、グリッド21の同期移動中に、X線源11にX線を照射させる。更に、CPU31は、図示しないタイミングジェネレータに所定の駆動信号を生じさせ、これをFPD20に入力することにより、FPD20の信号電荷の蓄積や、撮像信号の読み出しを制御する
信号処理部26には、FPD20から撮像信号が入力される。信号処理部26は、入力された撮像信号に、階調調節、ガンマ補正等の各種画像処理を施し、コンソール装置14のモニタへの表示に適した画像を生成する。また、信号処理部26で各種画像処理が施された画像(以下、単に画像または撮影した画像という)は、CPU31によってコンソール装置14のモニタに表示され、また、メモリやHDD等で構成されたストレージ27に記憶される。
コンソール装置14は、一般的なパーソナルコンピュータであり、内蔵したネットワーク回路によって、システムコントローラ13の通信I/F28に接続している。コンソール装置14は、例えば、インストールされているX線撮影システム用操作プログラムによって、X線源11、システムコントローラ13及びFPDユニット18を操作する。
図3は、グリッド駆動機構22によって移動されるグリッド21の速度変化H1と、グリッド21の移動によってFPDユニット18に生じる振動S1とを表している。予備移動時のグリッド21は、停止状態から移動速度が上昇する加速期間Tpaを経て移動速度Vpまで達し、移動速度が下降する減速期間Tprを経て再び停止する。
本移動は、予備移動の終了後、所定の待機時間Twを待って開始される。本移動時のグリッド21は、停止状態から移動速度が上昇する加速期間Taと、移動速度が一定になる定速期間Tfと、移動速度が下降する減速期間とを経て再び停止する。定速期間の速度V1は、撮影制御部25により、X線撮影時間tに基づいて決定されたグリッド移動速度であり、X線照射時間の長短に応じて変化する。加速期間Taは、グリッド移動速度V1に係わらず一定となっている。そのため、グリッド移動速度V1が変化すると、加速期間Taの加速度が変化する。なお、図面の煩雑化を避けるため、本移動の減速期間は図示していない。
FPDユニット18には、グリッド21の予備移動によって振動Saが発生する。振動Saは、グリッド21の予備移動終了後に徐々に減衰する。また、FPDユニット18には、グリッド21の本移動時の加速期間Taの慣性力によって振動Sbが発生する。慣性力は、加速期間Taの加速度によって変化し、加速度はグリッド移動速度に応じて変化する。すなわち、本移動時の振動Sbは、グリッド移動速度に応じて変化する。
グリッド21が予備移動と本移動とを行った後のFPDユニット18には、振動SaとSbとが合成された振動S1が発生する。この振動S1は、振動Sbよりも振幅が小さく、かつ位相がずれた振動となる。
X線源11によるX線の照射は、グリッド21が本移動の定速期間Tfに達したときに行われるように、例えば、本移動の開始から照射タイミング時間Txの経過後に開始されている。グリッド21の予備移動を行わない従来のX線画像撮影システムでは、グリッド21の移動により発生した振動Sbによって、X線の照射時間中にFPDユニット18が変位量Daだけ変位していた。この変位量Daは、例えばFPD20の1画素のサイズよりも大きいときに、撮影した画像にボケが生じてしまう。
これに対し、グリッド21の予備移動を行う本発明では、FPDユニット18に生じる振動S1は、本移動だけを行ったときの振動Sbよりも小さくなる。したがって、X線照射時間中の変位量D1は、変位量Daよりも格段に少なくなる。これにより、従来のX線画像撮影システムによって発生していた画像のボケを防止することができる。
上記実施形態の作用について、図4のフローチャートを参照しながら説明する。コンソール装置14の操作により、X線照射時間tが入力される(S1)。撮影制御部25は、入力されたX線照射時間tに基づいて、グリッド移動速度V1を決定する(S2)。例えば、入力されたX線照射時間tが30msのとき、グリッド移動速度V1は、120mm/sとなる。
コンソール装置14の操作により、撮影が指示されると(S3)、撮影制御部25は、グリッド駆動機構22のアクチュエータを制御してグリッド21に予備移動を開始させる(S4)。撮影制御部25は、予備移動の完了後、待機時間Twの経過を待ってグリッド21の本移動を開始させる(S5)。図3に示すように、グリッド21の予備移動及び本移動により、FPDユニット18には振動S1が発生する。
撮影制御部25は、グリッド21の本移動が定速期間Tfに達したときに、X線源11にX線を照射させ、FPD20にX線を受像させる(S6)。FPD20は、光導電膜でX線の線質や線量に応じた電荷を発生し、画素電極のコンデンサに蓄積する。
図3に示すように、X線照射時間の間にFPDユニット18には変位量D1の変位が発生する。しかし、変位量D1は、予備移動を行わない場合の変位量Daに比べて格段に小さくなるので、画像にボケが生じるのを防止することができる。
撮影制御部25は、グリッド21が本移動完了位置に達したときにグリッド駆動機構22のアクチュエータを停止し、グリッド21を停止させる(S7)。撮影制御部25は、グリッド21の停止後、FPD20から撮像信号を読み出して信号処理部26に入力させる(S8)。撮像信号の読み出し時にFPD20が振動しないので、撮像信号にノイズが重畳することはない。信号処理部26の各種画像処理により生成された画像は、ストレージ27に記憶され、通信I/F50を介してコンソール装置14のモニタに表示される。
撮影制御部25は、FPD20から撮像信号を読み出した後、グリッド駆動機構22のアクチュエータを逆方向に駆動させ、グリッド21を元の位置に戻す(S9)。これにより、すぐに次の撮影を行うことができる。
[第2実施形態]
第1実施形態では、常に一定の予備移動を行っている。そのため、グリッド移動速度が切り換えられて本移動時のFPDユニット18の振動が変化すると、予備移動の振動と本移動の振動との合成振動も変化することになる。この合成振動の変化によっては、X線照射時間中のFPDユニット18の変位量が大きくなる可能性がある。
図5は、第1実施形態で例示した速度変位H1と、変位速度H1よりもグリッド移動速度V2が遅くされた速度変位H2と、速度変位H1、H2によってFPDユニット18に発生する振動S1、S2を表している。例えば、グリッド移動速度V1が速度変位H2よりも速い速度変位H1では、振動S1の振幅が最大となる時点がX線の照射時間の略中間時点に一致するので、X線照射時間t中のFPDユニット18の変位量D1は小さくなる。しかし、速度変位H2の振動S2は、振動S1よりも振幅は小さくなるものの、振幅が最大となる時点がX線照射時間tの略中間時点と一致しなくなるので、X線照射時間t中のFPDユニット18の変位量D2はD1よりも大きくなってしまう。
上記問題を解決するため、例えば、本移動時に発生する振動に応じて待機時間Twを調整し、FPDユニット18に生じる振動の振幅が最大となる時点とX線照射時間の略中間時点とが一致するように、振動の位相をずらしてもよい。図6は、図5に示した速度変位H2よりも待機時間Twをわずかに長くした速度変位H3と、速度変位H3によってFPDユニット18に発生する振動S3とを示している。振動S3は、待機時間Twをわずかに長くすることによって、振動S2に対して周期が短くなって位相がずれる。これにより、振動S3は、振幅が最大となる時点がX線照射時間tの略中間時点と一致するので、位相をずらす前の変位量D2に比べ、位相ずらし後の変位量D3は格段に小さくなる。
FPDユニット18の振動に応じて待機時間Twを変更するには、例えば、図7に示すように、グリッド移動速度Vと待機時間Twとを関連付けて格納した予備移動条件LUT40をストレージ27に記憶しておき、撮影制御部25がグリッド移動速度Vに基づいて待機時間Twを選択できるようにすればよい。
また、予備移動条件LUT40には、グリッド移動速度VとともにFPDユニット18の振動に影響を与える振動影響因子である、グリッド21の種類と、FPDユニット18に取り付けられるオプション装備の有無及び種類とを関連付けて格納することが好ましい。なお、グリッド21の種類、オプション装備の状況などは、例えば撮影制御部25のメモリ32内に記憶しておき、この記憶されている情報に基づいて予備移動条件LUT40を参照すればよい。
上述したように、グリッド21は、X線源11とFPDユニット18との焦点距離に応じて交換されるが、交換時にグリッド21の重量が変わることがある。グリッド21の重量は、加速期間の加速度に影響する。例えば、グリッド21の種類Aが3kg、種類Bが4kgであるとき、種類Bのグリッド21を使用したときには、種類Aのグリッド21を使用したときに比べてグリッド21が移動しにくくなるので、本移動時の加速度が小さくなる。そして、グリッド21の加速度によりFPDユニット18に対する慣性力が変化するので、グリッド21の種類によってFPDユニット18に生じる振動が変化することになる。
また、FPDユニット18に、つかまり棒23等のオプション装備を装着すると、FPDユニット18の重量が重くなる。すると、グリッド21の慣性力の影響を受けにくくなるので、振動の振幅が小さくなり、周期が長くなる。逆に、装着されていたオプションを取り外すと、装着時に比べて振動の振幅が大きくなり、周期が短くなる。
予備移動条件LUT40に格納された待機時間Twは、X線画像撮影システム10の製造時に、複数のグリッド移動速度Vと、重量の異なる複数種類のグリッド21と、各種オプション装備の有無との組み合わせによって予め計測し、この計測値を予備移動条件LUT40に格納するのが好ましい。装置の個体差に応じた待機時間Twを得ることができるので、FPDユニット18の振動の位相を精度よくずらすことができる。
また、振動の位相をずらすために待機時間Twを調整したが、予備移動中の加速度、減速度、予備移動の移動距離等を調整して位相をずらしてもよい。
[第3実施形態]
第2実施形態では、FPDユニット18に発生する振動の位相をずらすことにより、FPDユニット18の振動の振幅が最大となる時点と、X線照射時間の略中間時点とを一定させたが、例えば、X線の照射タイミングを調整することにより、同様の効果を得ることもできる。
図8は、図5に示した速度変位H2によるグリッド21の移動において、グリッド21の本移動の開始からX線の照射が開始されるまでの照射タイミング時間Txを調整し、X線照射時間tの中間時点と、振動S2の振幅が最大となる時点とを一致させている。これにより、X線照射時間中にFPDユニット18に発生する変位量D4は、照射タイミング時間Txを調整する前の変位量D2に比べて格段に小さくなる。
FPDユニット18の振動に応じて照射タイミング時間Txを調整するには、例えば、グリッド21の本移動開始からFPDユニット18の振動の振幅が最大となる時点までの時間である振幅時間Tsを予め求めておく。そして、図9に示すように、振幅時間Tsとグリッド移動速度Vとを関連付けて格納した照射タイミングLUT50をストレージ27に記憶しておき、撮影制御部25がグリッド移動速度Vに基づいて振幅時間Tsを選択できるようにすればよい。照射タイミング時間Txは、撮影制御部25が、振幅時間TsとX線照射時間tから簡単な演算処理を行うことにより得ることができる。
なお、照射タイミングLUT50には、第2実施形態の予備移動条件LUT40と同様に、グリッド21の種類と、FPDユニット18に取り付けられるオプション装備の有無及び種類とを関連付けて格納することが好ましい。
振幅時間Tsは、第2実施形態の待機時間Twと同様に、X線画像撮影システムの製造時に、複数のグリッド移動速度Vと、重量の異なる複数種類のグリッド21と、各種オプション装備の有無との組み合わせによって予め計測し、この計測値を照射タイミングLUT50に格納するのが好ましい。装置の個体差に応じた振幅時間Tsが得られるので、照射タイミングの調整を精度よく行うことができる。
また、予め測定しておいた振幅時間Tsに基づいて照射タイミング時間Txを調整したが、FPDユニット18の振動速度を実測し、この振動速度が予め設定した規定値以下になったときにX線を照射させてもよい。
[第4実施形態]
FPDユニット18の振動時の変位量がFPD20の1画素のサイズ以下であるときには、画像に悪影響が生じないことが分かっている。また、上述したようにFPDユニット18に生じる振動は、グリッド移動速度V、グリッド21の種類、オプション装備の有無及び種類からなる振動影響因子に影響されるので、これらの振動影響因子の組み合わせから、FPDユニット18に生じる振動の大きさを推定することも可能である。
そこで、図10に示すように、振動影響因子であるグリッド移動速度Vが決定された段階(S2)で、撮影制御部25によってFPDユニット18に生じる振動の大きさを推定し(S20)、推定した振動が画像に悪影響を及ぼすときには、第1実施形態のステップS3〜S9を実行する(S21)。また、推定した振動が画像に悪影響を及ぼさない場合には、撮影指示(S5)に応じて、予備移動を行わずにグリッド21を本移動させ、X線の照射及び撮影(S6)を開始してもよい。これによれば、撮影指示からX線の照射が開始されるまでのタイムラグを短くすることができる。
[第5実施形態]
また、本発明は、X線照射時間tがFPDユニット18に生じる振動の1周期以内の長さでないと効果が得られない。そこで、図11に示すように、X線照射時間tが、FPDユニット18の振動の1周期よりも長くなる蓋然性が高い規定値以上であるときには(S30)、撮影指示(S5)に応じて、予備移動を行わずにグリッド21を本移動させ、X線の照射及び撮影(S6)を開始してもよい。
なお、FPDユニット18に生じる振動は、X線画像撮影システム10の振動影響因子だけでなく、X線画像撮影システム10が設置される設置場所固有の因子、例えば床の強度などにも影響を受ける。そのため、第2実施形態の待機時間Tw、第3実施形態の振幅時間Ts等のタイミング情報は、X線画像撮影システム10を設置場所に設置した後に測定を行い、LUTに格納してもよい。
振動影響因子として、グリッドの種類及びオプション装備の有無及び種類を用いたが、グリッドの重量、FPDユニットの重量等を振動影響因子として用いてもよい。また、X線照射時間の略中間時点は、50%の時点に限定されない。
上記各実施形態は、直接変換型のFPDを例に説明したが、間接変換型のFPD、IPやイメージインテンシファイア、フイルム等を用いる放射線画像撮影装置にも適用可能である。また、被写体が起立した状態で撮影を行う立位式のX線画像撮影装置を例に説明したが、診察台に横たわった状態で撮影を行う臥位式の放射線画像撮影装置や、乳ガンの検診に用いるマンモグラフィ等にも適用可能である。また、放射線の照射量を自動的に制御する自動露出制御装置を用いた放射線画像撮影装置にも適用可能である。
以上、本発明に係るX線画像撮影システムについて説明したが、本発明は上記の各実施形態に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更をしてもよいのはもちろんである。
10 X線画像撮影システム
11 X線源
12 X線撮影スタンド
13 システムコントローラ
14 コンソール装置
20 FPD
21 グリッド
22 グリッド駆動機構
25 撮影制御部
40 予備移動条件LUT
50 照射タイミングLUT

Claims (10)

  1. 被写体に放射線を照射する放射線源と、
    前記被写体を透過した放射線を検出する放射線検出器、前記被写体と前記放射線検出器との間で前記被写体により散乱した放射線を除去するグリッド、及び前記グリッドを前記放射線検出器の検出面と平行な方向に移動させるグリッド駆動機構を有する撮像手段と、
    前記グリッド駆動機構に、前記グリッドを移動させながら散乱した放射線を除去する本移動と、前記本移動の前に前記本移動の移動範囲外で前記グリッドを移動させる予備移動とを行わせ、前記予備移動により前記撮像手段に発生した振動によって、前記本移動時に前記撮像手段に発生する振動の振幅を小さくする撮影制御手段とを備えたことを特徴とする放射線画像撮影装置。
  2. 前記撮影制御手段は、前記予備移動により前記撮像手段に発生した振動によって、前記本移動により前記撮像手段に発生する振動の位相をずらし、前記本移動による振動の振幅が最大となる時点と前記放射線の照射時間の略中間時点とを一致させることを特徴とする請求項1記載の放射線画像撮影装置。
  3. 前記撮影制御手段は、前記本移動時の前記撮像手段の振動に影響を与える複数の振動影響因子と、前記予備移動の動作条件を表す複数の予備移動条件とが関連付けて格納されている予備移動条件テーブルを参照し、予め設定された撮影条件に適合する前記予備移動条件を取得することを特徴とする請求項2記載の放射線画像撮影装置。
  4. 前記予備移動条件は、前記予備移動と本移動との間の待機時間であることを特徴とする請求項3記載の放射線画像撮影装置。
  5. 前記振動影響因子は、前記グリッドの移動速度であることを特徴とする請求項2〜4いずれか記載の放射線画像撮影装置。
  6. 前記振動影響因子は、前記グリッドの種類または重量、前記撮像手段の重量、前記撮像手段に装着されているオプション装備の種類の少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項5記載の放射線画像撮影装置。
  7. 前記撮影制御手段は、前記本移動によって前記撮像手段に発生した振動の振幅が最大となる時点と前記放射線の照射時間の略中間時点とが一致するように、所定の照射タイミングで前記放射線源に放射線を照射させることを特徴とする請求項1記載の放射線画像撮影装置。
  8. 前記撮影制御手段は、前記振動影響因子に基づいて、前記撮像手段の振動が前記放射線検出器による放射線の検出に悪影響を及ぼすか否かを判定し、悪影響がないと判定したときには、前記予備移動を行わずに本移動を開始することを特徴とする請求項1記載の放射線画像撮影装置。
  9. 前記撮影制御手段は、前記放射線の照射時間が前記撮像手段に発生する振動の1周期以上の長さであるか否かを判定し、前記照射時間が振動の1周期以上の長さであるときには、前記予備移動を行わずに本移動を開始することを特徴とする請求項1記載の放射線画像撮影装置。
  10. 本移動の移動範囲外で、放射線検出器の検出面と平行な方向にグリッドを予備移動させ、予備移動後に行われる本移動によって放射線検出器に発生する振動を小さくするための振動を発生させるステップと、
    放射線検出器の検出面と平行な方向に、前記グリッドを本移動させるステップと、
    前記グリッドが本移動している間に、放射線源に放射線を照射させるステップと、
    被写体によって散乱した放射線を除去する前記グリッドを介して、前記被写体を透過した放射線を前記放射線検出器により検出するステップとを備えたことを特徴とする放射線画像撮影方法。
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