JP2011045655A - X線撮影装置 - Google Patents

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一博 木戸
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千穂 巻渕
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    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61BDIAGNOSIS; SURGERY; IDENTIFICATION
    • A61B6/00Apparatus for radiation diagnosis, e.g. combined with radiation therapy equipment
    • A61B6/48Diagnostic techniques
    • A61B6/484Diagnostic techniques involving phase contrast X-ray imaging

Abstract

【課題】高画質な位相コントラスト撮影が可能なX線撮影装置を実用化する。
【解決手段】X線撮影装置1は、X線を照射するX線源11と、被写体台13と、照射されたX線に応じて電気信号を生成する変換素子が2次元状に配置され、当該変換素子により生成された電気信号を画像信号として読み取るX線検出器16と、複数のスリットを有する第1格子14及び第2格子15と、を備えている。X線源11によるX線の照射方向に、被写体台13、第1格子14、第2格子15、X線検出器16がこの順に配置され、第1格子14及び第2格子15は同一の保持部17に保持され、X線の照射方向における第1格子14及び第2格子15の位置関係が固定されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、X線撮影装置に関する。
診断に広く用いられる医療用のX線画像のほとんどは、吸収コントラスト法による画像である。吸収コントラスト法は、X線が被写体を透過したときのX線強度の減衰の差によりコントラストを形成する。一方、X線の吸収ではなく、X線の位相変化によってコントラストを得る位相コントラスト法が提案されている(例えば、特許文献1、2参照)。
吸収コントラスト法は骨等のX線吸収が大きい被写体の撮影に有効である。これに対し、位相コントラスト法はX線吸収差が小さく、吸収コントラスト法によっては画像として現れにくい乳房の組織や関節軟骨、関節周辺の軟部組織をも画像化することが可能であり、X線画像診断への適用が期待されている。
位相コントラスト撮影の実用化に向けては、1つの方法としてタルボ干渉計が検討されている(例えば、非特許文献1参照)。
タルボ干渉計はタルボ効果を利用した干渉計である。タルボ効果とは、一定の周期でスリットが設けられた第1格子を、干渉性の光が透過すると、光の進行方向に一定周期でその格子像を結ぶ現象をいう。この格子像は自己像と呼ばれる。タルボ干渉計は自己像を結ぶ位置に第2格子を配置し、この第2格子をわずかにずらすことで生じる干渉縞(モアレ)を測定する。
第1格子の前に物体を配置するとモアレが乱れることから、タルボ干渉計によるX線撮影によれば、第1格子の前に被写体を配置して干渉性X線を照射し、得られたモアレの画像を演算することによって被写体の再構成画像を得ることが可能である。
特開平10−248833号公報 特許第3861572号公報
P. Cletens, J. P. Guigay, C. De Martino et al. Fractional Talbot imaging of phase grating with hard x rays, Optc. Lett. 1997;22(14): 1059-1061
しかしながら、ピントの合った自己像を得るためには第1格子と第2格子の位置関係を精度良く調整しなければならず、タルボ干渉計を用いたX線撮影装置を実際に医療施設に設置し、実用化するには様々な問題が考えられる。例えば、X線撮影装置の出荷段階で第1格子と第2格子の位置を調整したとしても、搬送や設置時の衝撃等により位置関係がずれることが考えられる。設置時には再調整が必要となり、オペレータは高精度な位置調整が求められ、負担となる。設置時に調整したとしても、患者が被写体台に手足を載せるだけでX線撮影装置には衝撃や振動が伝わり、経年変化によって第1の格子と第2の格子の位置関係がずれることが考えられる。
また、実用化を考慮すると、X線源を点線源とするため、X線源と第1格子間にマルチスリットを設置するタルボ・ロー干渉計も検討される。この場合、第1格子、第2格子に加え、マルチスリットの相対位置関係も考慮しなければならない。
本発明の課題は、高画質な位相コントラスト撮影が可能なX線撮影装置を実用化することである。
請求項1に記載の発明によれば、
X線を照射するX線源と、
被写体台と、
照射されたX線に応じて電気信号を生成する変換素子が2次元状に配置され、当該変換素子により生成された電気信号を画像信号として読み取るX線検出器と、
複数のスリットを有する第1格子及び第2格子と、を備え、
X線源によるX線の照射方向に、前記被写体台、前記第1格子、前記第2格子、前記X線検出器がこの順に配置され、
前記第1格子及び前記第2格子は同一の保持部に保持され、X線の照射方向における前記第1格子及び前記第2格子の位置関係が固定されているX線撮影装置が提供される。
請求項2に記載の発明によれば、
前記X線源と前記被写体台との間に、マルチスリットを備え、
前記マルチスリットは、前記保持部に前記第1格子及び第2格子と一体的に保持され、前記第1格子及び前記第2格子とのX線の照射方向における位置関係が固定されている請求項1に記載のX線撮影装置が提供される。
請求項3に記載の発明によれば、
前記X線検出器は、前記保持部に前記第1格子及び前記第2格子と一体的に保持され、前記第1格子及び前記第2格子とのX線の照射方向における位置関係が固定されている請求項1又は2に記載のX線撮影装置が提供される。
請求項4に記載の発明によれば、
前記被写体台は、前記保持部に緩衝部材を介して保持されている請求項1〜3の何れか一項に記載のX線撮影装置が提供される。
請求項5に記載の発明によれば、
前記被写体台は前記第1格子及び前記第2格子とは別の保持部により保持され、
前記被写体台の位置をX線の照射方向に移動させる駆動部を備える請求項1〜3の何れか一項に記載のX線撮影装置が提供される。
本発明によれば、X線撮影装置の設置時や使用時における衝撃や振動による第1格子及び第2格子の位置関係の変動を抑え、第1格子及び第2格子のX線の照射方向における位置関係を維持することができる。位置関係を維持することにより、タルボ干渉計又はタルボ・ロー干渉計によるX線撮影によって高画質なモアレ画像を得ることができ、モアレ画像から作成される被写体の再構成画像の再現性を向上させることができる。従って、高画質な位相コントラスト撮影が可能であり、実際の使用に耐久できる実用的なX線撮影装置を提供することができる。
本実施の形態に係るX線撮影装置の側面図である。 マルチスリットの平面図である。 本体部の機能的構成を示すブロック図である。 タルボ干渉計の原理を説明する図である。 X線撮影装置によるX線撮影時の処理を示すフローチャートである。 第2格子の移動とX線照射を開始するタイミングの関係を説明する図である。 5ステップの撮影により得られるモアレ画像を示す図である。 各ステップのモアレ画像の注目画素のX線相対強度を示すグラフである。 コントローラによる処理を示すフローチャートである。 被写体台を第1格子及び第2格子の保持部と別の保持部に保持した場合のX線撮影装置を示す側面図である。 図10に示すX線撮影装置の上面図である。 他の実施形態に係るX線撮影装置(縦置き型)を示す側面図である。 図12に示すX線撮影装置により行われる通常のX線撮影の様子を示す図である。 他の実施形態に係るX線撮影装置(横置き型)を示す側面図である。 図14に示すX線撮影装置の上面図である。 図14に示すX線撮影装置により行われる通常のX線撮影の様子を示す図である。 シャッターの一例を示す図である。 X線撮影にシャッターを用いる場合のX線源、シャッター、X線検出器、第2格子の駆動部のそれぞれの動作タイミングを示すタイミングチャートである。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1は本実施形態に係るX線撮影装置1の側面図である。X線撮影装置1はタルボ・ロー干渉計によるX線撮影を行う。
X線撮影装置1は、図1に示すように、X線源11、マルチスリット12、被写体台13、第1格子14、第2格子15、X線検出器16、保持部17、本体部18を備える。
X線源11、マルチスリット12、被写体台13、第1格子14、第2格子15、X線検出器16は、この順序に従ってX線源11によるX線の照射方向であるz方向に配置される。X線源11の焦点とマルチスリット12間の距離をd1(mm)、X線源11の焦点とX線検出器16間の距離をd2(mm)、マルチスリット12と第1格子14間の距離をd3(mm)、第1格子14と第2格子15間の距離をd4(mm)で表す。
距離d1は好ましくは5〜500(mm)であり、さらに好ましくは5〜300(mm)である。
距離d2は、一般的に撮影室の高さは3(m)程度又はそれ以下であることから、少なくとも3000(mm)以下であることが好ましい。なかでも、距離d2は400〜5000(mm)が好ましく、さらに好ましくは500〜2000(mm)である。
X線源11の焦点と第1格子14間の距離(d1+d3)は、好ましくは300〜5000(mm)であり、さらに好ましくは400〜1800(mm)である。
X線源11の焦点と第2格子15間の距離(d1+d3+d4)は、好ましくは400〜5000(mm)であり、さらに好ましくは500〜2000(mm)である。
それぞれの距離は、X線源11から照射されるX線の波長から、第2格子15上に第1格子14による格子像(自己像)が重なる最適な距離を算出し、設定すればよい。
X線源11、マルチスリット12、被写体台13、第1格子14、第2格子15、X線検出器16は、同一の保持部17に一体的に保持され、z方向における位置関係が固定されている。保持部17はC型のアーム状に形成され、本体部18に設けられた駆動部18aによりz方向に移動可能に本体部18に取り付けられている。
X線源11及び被写体台13は、緩衝部材17aを介して保持されている。緩衝部材17aは、衝撃や振動を吸収できる材料であれば何れの材料を用いてもよいが、例えばエラストマー等が挙げられる。X線源11はX線の照射によって発熱するため、X線源11側の緩衝部材17aは加えて断熱素材であることが好ましい。
X線源11はパルス照射可能なX線管を備え、当該X線管によりX線を発生させて照射する。X線管としては、例えば医療現場で広く一般に用いられているクーリッジX線管や回転陽極X線管を用いることができる。陽極としては、タングステンやモリブデンを用いることができる。
X線の焦点径は、0.03〜3(mm)が好ましく、さらに好ましくは0.1〜1(mm)である。
マルチスリット12は回折格子であり、図2に示すようにx方向に複数のスリットが所定間隔で設けられている。マルチスリット12はシリコンやガラスといったX線の吸収率が低い材質の基板上に、タングステン、鉛、金といったX線の遮蔽力が大きい、つまりX線の吸収率が高い材質により形成される。例えば、フォトリソグラフィーによりレジスト層がスリット状にマスクされ、UVが照射されてスリットのパターンがレジスト層に転写される。露光によって当該パターンと同じ形状のスリット構造が得られ、電鋳法によりスリット構造間に金属が埋め込まれて、マルチスリット12が形成される。
マルチスリット12のスリット周期は1〜60(μm)である。スリット周期は、図2に示すように隣接するスリット間の距離を1周期とする。スリットの幅(x方向の長さ)はスリット周期の1〜60(%)の長さであり、さらに好ましくは10〜40(%)である。スリットの高さ(z方向の長さ)は1〜500(μm)であり、好ましくは1〜150(μm)である。
マルチスリット12のスリット周期をw(μm)、第1格子14のスリット周期をw(μm)とすると、スリット周期wは下記式により求めることができる。
=w・(d3+d4)/d4
当該式を満たすように周期wを決定することにより、マルチスリット12及び第1格子14の各スリットを通過したX線により形成される自己像が、それぞれ第2格子15上で重なり合い、いわばピントが合った状態とすることができる。
第1格子14は、マルチスリット12と同様にx方向に複数のスリットが設けられた回折格子である。第1格子14は、マルチスリット12と同様にUVを用いたフォトリソグラフィーによって形成することもできるし、いわゆるICP法によりシリコン基板に微細細線で深掘加工を行い、シリコンのみで格子構造を形成することとしてもよい。第1格子14のスリット周期は1〜20(μm)である。スリットの幅はスリット周期の20〜70(%)であり、好ましくは35〜60(%)である。スリットの高さは1〜100(μm)である。
第1格子14として位相型を用いる場合、スリットの高さはスリット周期を形成する2種の素材、つまりスリット部分のX線透過部とその他のX線遮蔽部の素材による位相差がπ/8〜15×π/8となる高さとする。好ましくは、π/4〜3×π/4となる高さである。第1格子14として吸収型を用いる場合、スリットの高さはX線遮蔽部によりX線が十分吸収される高さとする。
第1格子14が位相型である場合、第1格子14と第2格子15間の距離d4は、次の条件をほぼ満たすことが必要である。
d4=(m+1/2)・w /λ
なお、mは整数であり、λはX線の波長である。
第2格子15は、マルチスリット12と同様にx方向に複数のスリットが設けられた回折格子である。第2格子15もフォトリソグラフィーにより形成することができる。第2格子15のスリット周期は1〜20(μm)である。スリットの幅はスリット周期の30〜70(%)であり、好ましくは35〜60(%)である。スリットの高さは1〜100(μm)である。
第1格子14はその格子面がz方向に対し垂直となるように配置されるが、第2格子15はその格子面が垂直ではなく、所定角度だけ傾けて配置される。これにより、X線検出器16の検出面上にモアレが形成される。
第2格子15に隣接して、第2格子15をx方向に移動させる駆動部15aが設けられる。駆動部15aとしては、例えばウォーム減速機等の比較的大きな減速比系の駆動機構を単体で又は組合せて用いることができる。
また、第2格子15の付近には安定移動センサ15bが設けられている。安定移動センサ15bは第2格子15の移動が一定速度となる定常状態に達したことを検知すると、ON信号を出力する。駆動部15aの起動直後は、制御量(例えば、パルスモータの駆動パルス数)と実際の移動量とが比例せずに不安定である。しかし、安定移動センサ15bが移動する第2格子15を検出してON信号を出力した以降においては、制御量と実際の移動量が比例する定常状態となっている。そこで、このON信号が出力された時点を起点として、高精度の移動が要求される第2格子15の移動制御を行うことが好ましい。
上記マルチスリット12、第1格子14、第2格子15は、例えば下記(1)〜(3)のように構成することができる。
(1)X線源11のX線管の焦点径:300(μm)、管電圧:40(kVp)、付加フィルタ:アルミ2.5(mm)の条件下において、
X線源11の焦点からマルチスリット12までの距離d1 :0.05(m)
マルチスリット12から第1格子14までの距離d3 :1.69(m)
マルチスリット12から第2格子15までの距離d3+d4:1.99(m)
マルチスリット12のサイズ:5(mm四方)、スリット周期:30(μm)
第1格子14のサイズ:50(mm四方)、スリット周期:4.5(μm)
第2格子15のサイズ:50(mm四方)、スリット周期:5.3(μm)
(2)X線源11のX線管の焦点径:300(μm)、管電圧:40(kVp)、付加フィルタ:アルミ1.6(mm)の条件下において、
X線源11の焦点からマルチスリット12までの距離d1 :0.05(m)
マルチスリット12から第1格子14までの距離d3 :1.11(m)
マルチスリット12から第2格子15までの距離d3+d4:1.36(m)
マルチスリット12のサイズ:5(mm四方)、スリット周期:22.8(μm)
第1格子14のサイズ:50(mm四方)、スリット周期:4.3(μm)
第2格子15のサイズ:50(mm四方)、スリット周期:5.3(μm)
(2)の構成によれば、第1格子14のスリット周期を小さくすることで、上記(1)の構成に比較してX線撮影装置1を小型化することができる。
(3)X線源11のX線管の管電圧:30(kVp)、付加フィルタ:ロジウム50(μm)の条件下において、
X線源11の焦点からマルチスリット12までの距離d1 :0.05(m)
マルチスリット12から第1格子14までの距離d3 :0.69(m)
マルチスリット12から第2格子15までの距離d3+d4:0.85(m)
マルチスリット12のサイズ:5(mm四方)、スリット周期:22.8(μm)
第1格子14のサイズ:50(mm四方)、スリット周期:4.3(μm)
第2格子15のサイズ:50(mm四方)、スリット周期:5.3(μm)
(3)の構成によれば、第1格子14のスリット周期を小さくするとともに、X線を低エネルギー化することによって、(2)の構成よりさらにX線撮影装置1を小型化できる。
X線検出器16は、照射されたX線に応じて電気信号を生成する変換素子が2次元状に配置され、当該変換素子により生成された電気信号を画像信号として読み取る。
X線検出器16の画素サイズは10〜300(μm)であり、さらに好ましくは50〜200(μm)である。
X線検出器16は第2格子15に当接するように保持部17に位置を固定することが好ましい。第2格子15とX線検出器16間の距離が大きくなるほど、X線検出器16により得られるモアレ画像がボケるからである。
X線検出器16としては、FPD(Flat Panel Detector)を用いることができる。FPDには、検出されたX線を光電変換素子を介して電気信号に変換する間接変換型、検出されたX線を直接的に電気信号に変換する直接変換型があるが、何れを用いてもよい。
間接変換型は、CsIやGd等のシンチレータプレートの下に、光電変換素子がTFT(薄膜トランジスタ)とともに2次元状に配置されて各画素を構成する。X線検出器16に入射したX線がシンチレータプレートに吸収されると、シンチレータプレートが発光する。この発光した光により、各光電変換素子に電荷が蓄積され、蓄積された電荷は画像信号として読み出される。
直接変換型は、アモルファスセレンの熱蒸着により、100〜1000(μm)の膜圧のアモルファスセレン膜がガラス上に形成され、2次元状に配置されたTFTのアレイ上にアモルファスセレン膜と電極が蒸着される。アモルファスセレン膜がX線を吸収するとき、電子正孔対の形で物質内に電圧が遊離され、電極間の電圧信号がTFTにより読み取られる。
なお、CCD(Charge Coupled Device)、X線カメラ等の撮影手段をX線検出器16として用いてもよい。
X線撮影時のFPDによる一連の処理を説明する。
まずFPDはリセットを行い、前回の撮影により残存する不要な電荷を取り除く。その後、X線の照射が開始するタイミングで電荷の蓄積が行われ、X線の照射が終了するタイミングで蓄積された電荷が画像信号として読み取られる。なお、リセットの直後や画像信号の読み取り後に、蓄積されている電荷の電圧値を検出するダーク読み取りを行い、当該電圧値を補正値としてX線照射後に蓄積された電荷の電圧値から補正値を差し引いた電圧値を画像信号として出力してもよい。これにより、画像信号に対しいわゆるオフセット補正を行うことができる。
タルボ干渉計及びタルボ・ロー干渉計ともに、被写体像の再構成に縞走査法を用いる場合、第1格子14に対して第2格子15を一定距離ずつ平行移動させる毎に繰り返し撮影を行って得られる複数枚のモアレ画像が必要となる。従って、各々の撮影に際し、駆動部15aの起動と停止を繰り返して撮影を行うと、駆動部15aの構成によってはバックラッシュ等の影響により制御量と実際の移動量との誤差が大きくなる。誤差の拡大により良好な画像を得難い場合があるため、連続的に第2格子15を移動させながら複数回の撮影を連続して行う連続撮影方式が好ましい。
連続撮影方式の場合、所定時間内に複数回の撮影を行うため、X線検出器16としては、対応できるフレームレート(単位時間あたり撮影可能な回数)が大きく、動画撮影が可能なFPDが好ましい。数百m秒〜数秒の間に5回以上の撮影を行うことを想定すると、少なくとも10フレーム/秒のフレームレートが必要であり、好ましくは20フレーム/秒以上のフレームレートである。
本体部18は、図3に示すように、制御部181、操作部182、表示部183、通信部184、記憶部185を備えて構成されている。
制御部181は、CPU(Central Processing Unit)やRAM(Random Access Memory)等から構成され、記憶部185に記憶されているプログラムとの協働により、各種処理を実行する。例えば、制御部181はコントローラ5から入力される撮影条件の設定情報に従って、X線源11からのX線照射のタイミングやX線検出器16による画像信号の読取タイミング等を制御する。
操作部182は爆射スイッチや撮影条件等の入力操作に用いるキー群の他、表示部183のディスプレイと一体に構成されたタッチパネルを備え、これらの操作に応じた操作信号を生成して制御部181に出力する。
表示部183は制御部181の表示制御に従って、ディスプレイに操作画面やX線撮影装置1の動作状況等を表示する。
通信部184は通信インターフェイスを備え、ネットワーク上のコントローラ5と通信する。例えば、通信部184はX線検出器16によって読み取られ、記憶部185に記憶されたモアレ画像をコントローラ5に送信する。
記憶部185は、制御部181により実行されるプログラム、プログラムの実行に必要なデータを記憶している。また、記憶部185はX線検出器16によって得られたモアレ画像を記憶する。
コントローラ5は、オペレータによる操作に従ってX線撮影装置1の撮影動作を制御し、X線撮影装置1により得られたモアレ画像を用いて被写体像の再構成画像を作成する。
上記X線撮影装置1のタルボ・ロー干渉計によるX線撮影方法を説明する。
図4に示すように、X線源11から照射されたX線が第1格子14を透過すると、透過したX線がz方向に一定の間隔で像を結ぶ。この像を自己像といい、自己像が形成される現象をタルボ効果という。自己像を結ぶ位置に第2格子15が配置され、当該第2格子15はその面が第1格子14の面と平行な位置からわずかに傾けられているので、第2格子15を透過したX線によりモアレ画像Mが得られる。X線源11と第1格子14間に被写体Hが存在すると、被写体HによってX線の位相がずれるため、図4に示すようにモアレ画像M上の干渉縞は被写体Hの辺縁を境界に乱れる。この干渉縞の乱れを、モアレ画像Mを処理することによって検出し、被写体像を画像化することができる。これがタルボ干渉計の原理である。
X線撮影装置1では、X線源11と第1格子14との間のX線源11に近い位置に、マルチスリット12が配置され、タルボ・ロー干渉計によるX線撮影が行われる。タルボ干渉計はX線源11が理想的な点線源であることを前提としているが、実際の撮影にはある程度焦点径が大きい焦点が用いられるため、マルチスリット12によってあたかも点線源が複数連なってX線が照射されているかのように多光源化する。これがタルボ・ロー干渉計によるX線撮影法であり、焦点径がある程度大きい場合にも、タルボ干渉計と同様のタルボ効果を得ることができる。
図5は、X線撮影装置1によるX線撮影の流れを示すフローチャートである。
X線撮影には上述のタルボ・ロー干渉計によるX線撮影方法が用いられ、被写体像の再構成には縞走査法が用いられる。X線撮影装置1では第2格子15が等間隔毎に複数ステップ移動され、ステップ毎に撮影が行われて、各ステップのモアレ画像が得られる。
図5に示すように、オペレータにより爆射スイッチがON操作されると(ステップS1;Y)、第2格子15の駆動部15aが起動し、第2格子15の移動が開始される(ステップS2)。移動は連続的に行われ、移動中に複数ステップ分の撮影が連続して行われる。連続撮影は爆射スイッチON後、すぐに開始されるのではなく、安定移動センサ15bのON信号の検知が待機される。駆動部15aにはウォーム減速機等が用いられ、減速比の大きな伝達系を数段経由して第2格子15が移動されるが、駆動部15aの駆動源への通電開始から第2格子15の移動速度が一定となる定常状態に至るには若干時間を要する。定常状態に至らないうちに撮影を行うと、一定周期間隔のモアレ画像が得られない。よって、図6に示すように、第2格子15が移動を開始後、安定移動センサ15bのON信号が検知された時点で(ステップS3;Y)、連続撮影が開始される(ステップS4)。
連続撮影時、X線源11によるX線のパルス照射が一定時間毎に所定のステップ数分だけ繰り返し行われる。X線検出器16ではリセット後、X線が照射されるタイミングに合わせて電荷が蓄積され、X線の照射停止のタイミングに合わせて蓄積された電荷が画像信号として読み取られるという一連の処理がステップ毎に繰り返される。X線検出器16は各ステップの撮影毎にオフセット補正を行うことが可能であるが、各ステップの撮影間隔が短く、オフセット補正を行う余裕が無い場合は、最初のステップの撮影時のみダーク読み取りを行い、補正値(リセット直後の電荷の電圧値)を得て、当該補正値を後のステップの撮影にも適用してもよい。或いは、一連の撮影終了後にダーク読み取りを行って補正値を得て、当該補正値を各撮影に共通に使用することとしてもよい。
読み取られた画像信号はモアレ画像として本体部18に出力される。
ステップ数は2〜20、さらに好ましくは3〜10である。視認性の高い再構成画像を短時間で得るという観点からすれば、5ステップが好ましい(参照文献(1)K.Hibino, B.F.Oreb and D.I.Farrant, Phase shifting for nonsinusoidal wave forms with phase-shift errors, J.Opt.Soc.Am.A, Vol.12, 761-768(1995)、参照文献(2)A.Momose, W.Yashiro, Y. Takeda, Y.Suzuki and T.Hattori, Phase Tomography by X-ray Talbot Interferometetry for biological imaging, Jpn. J. Appl. Phys., Vol.45, 5254-5262(2006))。
例えば、第2格子15のスリット周期を5.3(μm)とし、5ステップの撮影を10秒で行うとする。この場合、第2格子15が一定速度で移動することを前提として、第2格子15がそのスリット周期の1/5に該当する1.06(μm)移動する毎に撮影が行われる。撮影時間でいえば安定移動センサ15bのON信号が検知されてから2、4、6、8、10秒後にそれぞれ撮影が行われる。
このとき、各ステップの前後でさらに予備撮影を行うこととしてもよい。
駆動部15aが理想的な送り精度により第2格子15を一定の送り量、つまり一定の移動速度で移動できた場合、図7に示すように、5ステップの撮影で第2格子15のスリット周期1周期分のモアレ画像5枚が得られる。各ステップのモアレ画像は0.2周期という一定周期間隔毎に縞走査をした結果であるので、各モアレ画像の任意の1画素に注目すると、その信号値を正規化して得られるX線相対強度は、図8に示すようにサインカーブを描く。しかし、経年変化や駆動部15aのバックラッシュ、起動時の慣性影響等によって、送り量にずれが生じると、一定周期間隔のモアレ画像が得られない。例えば、図8に示すように、3ステップのモアレ画像は本来0.4周期に該当するが、3ステップのときの駆動部15aの送り量がずれると、0.4周期前後のモアレ画像が得られる。
このように各ステップのモアレ画像の周期がばらつくと、正確な位相が計算できず、再構成画像において被写体像を正確に再現できない。そこで、例えば撮影時間が2、4、6、8、10秒の各ステップの撮影に、各撮影時間±0.1秒の撮影時間で撮影を行う予備撮影を加えて合計15回の撮影を行う。これにより、1ステップでは1.9秒、2.0秒、2.1秒の各撮影時間のモアレ画像が得られる等、各ステップにつきそれぞれ3枚のモアレ画像が得られるので、そのうちX線相対強度のサインカーブに最も近いモアレ画像を選択して用いる。これにより、駆動部15aの送り量に誤差が生じたとしても、再構成画像の再現性の向上を図ることができる。
予備撮影する調整時間として上記に挙げた±0.1秒は例示であり、調整時間はテスト撮影によって適宜決定すればよい。例えば、X線撮影装置1の設置時に、各ステップの撮影の前後で、±0.1秒、±0.2秒等、予備撮影時の調整時間を変えてテスト撮影を行い、最もサインカーブに一致しやすい調整時間を求めることとしてもよい。これにより、駆動部15aの機器特性によって必要な調整時間が異なる場合にも対応することができる。
各ステップの撮影が終了すると、本体部18からコントローラ5に、各ステップのモアレ画像が送信される(ステップS5)。本体部18からコントローラ5に対しては各ステップの撮影が終了する毎に1枚ずつ送信することとしてもよいし、連続撮影が終了し、全てのモアレ画像が得られた後、まとめて送信することとしてもよい。
図9は、モアレ画像を受信した後のコントローラ5の処理の流れを示すフローチャートである。
図9に示すように、まずモアレ画像の解析が行われ(ステップS11)、再構成画像の作成に使用できるか否かが判断される(ステップS12)。例えば、コントローラ5は得られた各ステップのモアレ画像のある画素に注目してX線相対強度を求める。各モアレ画像から求められたX線相対強度が、図8に示すようなサインカーブを形成すれば、一定周期間隔のモアレ画像が得られているので、再構成画像の作成に使用できると判断することができる。各ステップで予備撮影を行っている場合、予備撮影によるモアレ画像を含めてサインカーブが形成できるか否かを判断すればよい。予備撮影によるモアレ画像の中にサインカーブを形成できるモアレ画像がある場合は、当該予備撮影によるモアレ画像を後述の再構成画像の作成に用いる。
各ステップのモアレ画像の中にサインカーブから外れるモアレ画像がある場合、再構成画像の作成に使用できないと判断され(ステップS12;N)、撮影のタイミングを変更して再撮影するよう指示する制御情報がコントローラ5からX線撮影装置1に送信される(ステップS13)。例えば、図8に示すように、3ステップ目は本来0.4周期のところ、周期がずれて0.35周期のモアレ画像が得られた場合、駆動部15aの送り精度の低下が原因(例えば、パルスモータの駆動パルスへのノイズ重畳等)と考えられる。よって、0.05周期分だけ撮影時間を早めて3ステップ目のみ再撮影を行うよう指示すればよい。或いは、5ステップ全てについて再撮影し、3ステップ目のみ0.05周期分の撮影時間を早めるように指示してもよい。5ステップ全てのモアレ画像が所定量ずつサインカーブからずれている場合、駆動部15aの起動から停止までの駆動パルス数を増やすか、或いは減らすように指示してもよい。
X線撮影装置1では、当該制御情報に従って撮影のタイミングが調整され、図5に示すX線撮影の処理が再度実行される。
一方、再構成画像の作成にモアレ画像を使用できると判断された場合(ステップS12;Y)、コントローラ5によってモアレ画像が処理され、被写体像の再構成画像が作成される(ステップS14)。具体的には、5枚のモアレ画像の各画素についてステップ毎の強度変化(信号値の変化)が算出され、当該強度変化より微分位相が算出される。必要であれば、位相接続(位相アンラップ)が行われ、ステップ全体の位相が求められる。当該位相からz方向における光路差が算出され、被写体の形状を表す再構成画像が作成される(上記参照文献(1)、(2))。
作成された再構成画像はコントローラ5に表示されるので、オペレータは当該再構成画像を確認することができる。
なお、タルボ・ロー干渉計によるX線撮影を行う例を示したが、点線源に近い焦点を用いることができるのであれば、マルチスリット12を用いずに、タルボ干渉計によるX線撮影を行ってもよい。
以上のように、本実施形態によれば、X線撮影装置1は、X線を照射するX線源11と、被写体台13と、照射されたX線に応じて電気信号を生成する変換素子が2次元状に配置され、当該変換素子により生成された電気信号を画像信号として読み取るX線検出器16と、複数のスリットを有する第1格子14及び第2格子15と、を備えている。X線源11によるX線の照射方向に、被写体台13、第1格子14、第2格子15、X線検出器16がこの順に配置され、第1格子14及び第2格子15は同一の保持部17に保持され、X線の照射方向における第1格子14及び第2格子15の位置関係が固定されている。
また、X線撮影装置1はX線源11と被写体台13との間に、マルチスリット12を備えている。マルチスリット12は、保持部17に第1格子14及び第2格子15と一体的に保持され、第1格子14及び第2格子15とのX線の照射方向における位置関係が固定されている。
これにより、X線撮影装置1の設置時や使用時に生じた衝撃や振動による第1格子14及び第2格子15の位置関係の変動を抑え、第1格子14及び第2格子15のX線の照射方向における位置関係を維持することができる。位置関係を維持することにより、タルボ干渉計又はタルボ・ロー干渉計によるX線撮影によって高画質なモアレ画像を得ることができ、モアレ画像から作成される被写体の再構成画像の再現性を向上させることができる。従って、高画質な位相コントラスト撮影が可能であり、実際の使用に耐久できる実用的なX線撮影装置1を提供することができる。
また、X線検出器16は、保持部17に第1格子14及び第2格子15と一体的に保持され、第1格子14及び第2格子15とのX線の照射方向における位置関係が固定されている。
これにより、X線検出器16と第1格子14及び第2格子15との位置関係を維持することができる。一般的に、X線撮影装置1の出荷時には第2格子15により形成されるモアレ画像がボケない位置にX線検出器16が配置されるため、この位置関係を維持することにより、位置関係の変動によるモアレ画像のボケを防止することができる。
また、被写体台13は、保持部17に緩衝部材17aを介して保持されている。
被写体の位置がz方向に変化すると、各ステップのモアレ画像における被写体の大きさが変化し、正確な位相の計算ができない。本実施形態によれば、保持部17により各ステップの撮影において被写体と第1格子14の位置関係を固定することができ、再構成画像の再現性を向上させることができる。また、緩衝部材17aにより、被写体台13からの振動や衝撃が、保持部17に保持されているマルチスリット12、第1格子14、第2格子15の位置関係に及ぼす影響を低減することができる。
なお、上記実施形態は本発明の好適な一例であり、これに限定されない。
例えば、被写体台13は患者との接触により振動を伝えやすい。よって、被写体台13を高精度な位置調整が必要な第1格子14、第2格子15等が含まれる保持部17と切り離し、別の保持部に保持することとしてもよい。図10は被写体台13を別の保持部13bにより保持したときの側面図、図11は上面図である。このように被写体台13を第1格子14、第2格子15等から離間させて別体構成とすることにより、マルチスリット12、第1格子14、第2格子15の位置関係に及ぶ影響をできるだけ減らし、当該位置関係の維持を図ることができる。
被写体台13を別体構成とした場合、図10及び図11に示すように、被写体台13をz方向に移動させる駆動部13aを保持部13bに設ける。これにより、被写体の高さに合わせて、被写体台13の位置を調整することができる。
また、上記実施形態において、第2格子15を連続的に移動させながら各ステップの連続撮影を行い、駆動部15aの起動と停止の繰り返しにより想定されるバックラッシュ等による送り精度の低下防止を図った。しかし、起動と停止の繰り返しによる送り精度の低下が問題無い程度であれば、ステップ毎に第2格子15を移動、停止させて撮影を行うこととしてもよい。例えば、爆射スイッチのON操作がされると、1ステップの撮影が行われる。撮影が終了すると、第2格子15が移動され、スリット周期の1/5に該当する距離だけ移動すると移動を停止して2ステップの撮影が行われる。このようにして、第2格子15は各ステップの撮影毎にスリット周期の1/5ずつ移動して停止することを繰り返す。
また、上記実施形態により第2格子15を移動させて複数ステップのモアレ画像を得る例を示したが、第1格子14を移動させてモアレ画像を得ることとしてもよい。この場合、第1格子14に駆動部15aと安定移動センサ15bを設け、各ステップの撮影間隔は第1格子14のスリット周期から求める。
また、縞走査法により複数ステップの撮影を行う例を示したが、フーリエ変換法によって再構成画像を作成する場合は第2格子15の移動は不要となるので、1回の撮影のみ行えばよい。
〈他の実施形態〉
上記実施形態に係るX線撮影装置1は、タルボ干渉計又はタルボ・ロー干渉計によるX線撮影専用の構成を有する。しかし、医療施設によっては、通常のX線撮影用にX線源が予め施設の天井部分に取り付けられていたり、被写体台が床に固定されていたりする場合がある。ここへX線撮影装置1を導入すれば、備え付けのX線撮影機器を有効利用できない。以下、他の実施形態として、既存のX線撮影機器を利用して通常のX線撮影と、タルボ干渉計又はタルボ・ロー干渉計によるX線撮影の両方が可能なX線撮影装置の例を示す。
図12は他の実施形態に係るX線撮影装置2を示す側面図である。X線撮影装置2において、X線撮影装置1と同一の構成部には同一の符号を付している。図12に示すように、X線撮影装置2は、X線源21、被写体台13及びX線検出器16が別体構成とされている。保持部17にはマルチスリット12と第1格子14及び第2格子15が保持され、X線の照射方向(z方向)にその位置関係が固定されている。本体部18の下部には車輪が設けられており、本体部18及び保持部17の位置を自在に移動させることが可能である。
X線源21、被写体台13、X線検出器16は、医療施設に予め備え付けられたX線撮影機器であり、X線源21はパルス照射に対応していない。X線源21は天井部分に設置され、被写体台13及X線検出器16は床に固定された保持部13b、16bにそれぞれ保持されている。保持部13b、16bにはそれぞれ駆動部13a、16aが設けられており、駆動部13a、16aにより被写体台13及びX線検出器16をz方向に移動させることができる。
X線撮影装置2において、マルチスリット12、第1格子14、第2格子15は、例えば次のように構成することができる。
X線源11のX線管の焦点径:600(μm)、管電圧:40(kVp)、付加フィルタ:アルミ2.5(mm)の条件下において、
X線源11の焦点からマルチスリット12までの距離d1 :0.24(m)
マルチスリット12から第1格子14までの距離d3 :1.69(m)
マルチスリット12から第2格子15までの距離d3+d4:1.99(m)
マルチスリット12のサイズ:10(mm四方)、スリット周期:30(μm)
第1格子14のサイズ:50(mm四方)、スリット周期:4.5(μm)
第2格子15のサイズ:50(mm四方)、スリット周期:5.3(μm)
タルボ・ロー干渉計によるX線撮影を行う場合、図12に示すように、まず被写体の高さ位置に合わせて被写体台13が移動される。次に、被写体台13から離間するようにX線検出器16が移動されると、その間に第1格子14及び第2格子15が配置されるように、本体部18が移動され、位置が固定される。その後、被写体台13と第1格子14が近接するように保持部17の位置が移動される。さらに、第2格子15とX線検出器16が近接するように、X線検出器16の位置が移動され、X線源21がマルチスリット12に近接するように、X線源21が移動される。
一方、通常のX線撮影を行う場合、図13に示すように、本体部18が移動されて、被写体台13とX線検出器16間から保持部17が取り外される。通常のX線撮影とは吸収コントラスト法による撮影であり、被写体とX線検出器16が密着した位置に配置される密着撮影である。保持部17の除去後、被写体の高さ位置に合わせて被写体台13が移動され、X線検出器16は被写体台13に密着するように移動される。
このように、既存のX線源21、被写体台13、X線検出器16を用いてX線撮影装置2を構成することも可能である。
また、X線撮影装置2のような縦置き型ではなく、図14及び図15に示すように、横置き型のX線撮影装置3を構成することもできる。図14はX線撮影装置3の側面図、図15は上面図である。X線撮影装置3において、X線撮影装置1と同一の構成部には同一の符号を付している。
図14及び図15に示すように、X線撮影装置3は、X線撮影装置1、2のように重力方向ではなく、左右方向(図14、図15に示すz方向)にX線を照射するように各構成部が配置されている。X線撮影装置2と同様に、X線撮影装置3はX線源21、被写体台13、X線検出器16が、保持部17や本体部18とは別体構成とされ、医療施設に予め備え付けられているX線源21、被写体台13、X線検出器16が用いられる。本体部18、被写体台13の保持部13b、X線検出器16の保持部13bに、それぞれ駆動部18a、13a、16aが設けられ、保持部17、被写体台13、X線検出器16をy方向に移動させることができる。また、X線源21は天井からつり下げられ、y方向及びz方向に移動可能である。
タルボ・ロー干渉計によるX線撮影を行う場合、図14及び図15に示すように、まず被写体の高さ位置に合わせて、被写体台13のy方向の位置が移動される。被写体台13の移動に合わせてX線源21、保持部17、X線検出器16のy方向の位置が移動される。次いで、本体部18が移動され、被写体台13とX線検出器16間に、第1格子14及び第2格子15の保持部分が挿入され、第2格子15がX線検出器16に近接するように配置される。さらに、X線源21とマルチスリット12に近接するように、X線源21が移動される。
一方、通常のX線撮影を行う場合、図16に示すように、本体部18が移動されてX線の照射範囲から本体部18及び保持部17が取り外される。被写体台13も撮影部位によって不要であれば取り除かれ、X線源21及びX線検出器16のみの配置とされる。
上記X線撮影装置2又はX線撮影装置3により、タルボ干渉計又はタルボ・ロー干渉計によるX線撮影を行う場合、医療施設に備え付けのX線源21はパルス照射に対応していないため、図12〜図16に示すように、X線源21のX線照射口の付近にシャッター22が設けられる。シャッター22として、カメラ等に一般的に用いられるシャッター機構を用いてもよいが、図17に例示する構成とし、照射野絞りの機能も備えることとしてもよい。
図17に示すシャッター22は、円盤状のX線遮蔽部221に開口部222が設けられて構成されている。回転軸223を介してX線遮蔽部221が回転し、X線源21のX線照射範囲にX線遮蔽部221が位置する間は、シャッター22は閉状態となる。X線源21のX線照射範囲に開口部222が一致する間は、シャッター22が開状態となり、開口部222を介してX線が照射される。このように、シャッター22の開閉によってパルス照射と同様のX線照射を行うことができる。開口部222は絞りとしても機能し、開口部222の大きさを調整することによりX線の照射野を調整することができる。
シャッター22の回転速度は、5ステップの撮影間隔に合わせてシャッター22が開閉されるように調整される。図18は、5ステップの連続撮影時のX線源11、シャッター22、X線検出器16、駆動部15aのタイミングチャートを示す。図18に示すように、爆射スイッチがONされると、第2格子15の移動が開始される。その後、安定移動センサ15bのON信号が検知されると、X線源21によるX線照射が開始される。X線照射の開始と同時にシャッター22が開かれ、X線検出器16による電荷蓄積が行われる。所定時間後、シャッター22が閉じられると、そのタイミングに合わせてX線検出器16により蓄積された電荷が画像信号として読み取られる。このように、X線照射の開始後、シャッター22の開閉に合わせてX線検出器16による画像信号の蓄積と読み取りが5ステップ分繰り返される。5ステップを終えたタイミングで、X線源21によるX線照射が停止され、シャッター22の回転停止によりシャッター22の開閉動作も停止される。また、X線検出器16による電荷の蓄積及び読み取り、第2格子15の移動も停止される。
なお、上記X線撮影装置2、3において、X線源21がパルス照射可能であれば、シャッター22は不要であり、X線撮影装置1と同様の処理(図5参照)によってX線撮影を行えばよい。
1 X線撮影装置
11 X線源
12 マルチスリット
13 被写体台
14 第1格子
15 第2格子
15a 駆動部
15b 安定移動センサ
16 X線検出器
17 保持部
17a 緩衝部材
18 本体部
5 コントローラ
・ X線撮影装置(他の実施形態)
13b 保持部
16b 保持部
21 X線源
22 シャッター
222 開口部

Claims (5)

  1. X線を照射するX線源と、
    被写体台と、
    照射されたX線に応じて電気信号を生成する変換素子が2次元状に配置され、当該変換素子により生成された電気信号を画像信号として読み取るX線検出器と、
    複数のスリットを有する第1格子及び第2格子と、を備え、
    X線源によるX線の照射方向に、前記被写体台、前記第1格子、前記第2格子、前記X線検出器がこの順に配置され、
    前記第1格子及び前記第2格子は同一の保持部に保持され、X線の照射方向における前記第1格子及び前記第2格子の位置関係が固定されているX線撮影装置。
  2. 前記X線源と前記被写体台との間に、マルチスリットを備え、
    前記マルチスリットは、前記保持部に前記第1格子及び第2格子と一体的に保持され、前記第1格子及び前記第2格子とのX線の照射方向における位置関係が固定されている請求項1に記載のX線撮影装置。
  3. 前記X線検出器は、前記保持部に前記第1格子及び前記第2格子と一体的に保持され、前記第1格子及び前記第2格子とのX線の照射方向における位置関係が固定されている請求項1又は2に記載のX線撮影装置。
  4. 前記被写体台は、前記保持部に緩衝部材を介して保持されている請求項1〜3の何れか一項に記載のX線撮影装置。
  5. 前記被写体台は前記第1格子及び前記第2格子とは別の保持部により保持され、
    前記被写体台の位置をX線の照射方向に移動させる駆動部を備える請求項1〜3の何れか一項に記載のX線撮影装置。
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