JP2012090543A - 気泡入り加工液卵白 - Google Patents

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Abstract

【課題】pH5以下の酸性条件にも拘わらず、口溶けの良い気泡入り加工液卵白を提供する。
【解決手段】乳酸発酵卵白、分子量500〜5000の卵白加水分解物0.1〜5%及び増粘材を配合し、pH5以下である気泡入り加工液卵白。
【選択図】なし

Description

本発明は、pH5以下に調整したにも拘らず、口溶けの良さを有する気泡入り加工液卵白に関する。
メレンゲ等の気泡入り加工液卵白は、いったん口に含むと瞬時に溶けていく口溶けの良さが大きな特長であり、前記特長を活かして様々な料理に利用されている。例えば、製菓、製パンの領域においてパンやスポンジ等の生地に練り込む料理や、大きく膨らんだ外観の見栄えの良さを活かして肉料理や魚料理のトッピングとしても広く利用されている。
しかしながら、風味付けのために気泡入り加工液卵白のpHを5以下に調整した場合、卵白蛋白質に酸変性が生じ、口に含むと瞬時に溶けていく口溶けの良さが失われてしまう問題があった。
気泡入り加工液卵白の口溶けを良くする方法として、例えば、特開平4−237477号公報(特許文献1)には、卵白に油性の原料とサイクロデキストリンを配合し泡立てる気泡入り加工液卵白の製造方法が記載されている。しかしながら、前記気泡入り加工液卵白は、油脂特有の食感により口に含むと瞬時に溶けていくものは得られなかった。
特開平4−237477号公報
そこで、本発明の目的は、pH5以下に調整したにも拘らず、口溶けの良さを有する気泡入り加工液卵白を提供するものである。
本発明者等は、上記目的を達成すべく、鋭意研究を行ったところ、乳酸発酵卵白、特定分子量の卵白加水分解物を特定量配合し、かつ増粘材を配合するならば、意外にもpH5以下に調整したにも拘らず、口溶けの良さを有する気泡入り加工液卵白が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
乳酸発酵卵白、平均分子量500〜5000の卵白加水分解物0.1〜5%及び増粘材を配合し、pH5以下である気泡入り加工液卵白、
である。
本発明によれば、口溶けの良さを有する気泡入り加工液卵白を提供することが出来る。したがって、卵白加工品市場の更なる需要拡大が期待できる。
以下本発明を詳細に説明する。なお、本発明において「%」は「質量%」を意味する。
本発明の気泡入り加工液卵白は、乳酸発酵卵白、平均分子量500〜5000の卵白加水分解物0.1〜5%及び増粘材を配合することで、pH5以下に調整したにも拘らず口溶けの良さを有する気泡入り加工液卵白を得ることができる。
本発明において気泡入り加工液卵白とは、卵白を気泡の主成分とし、気泡がほぼ全体に存在し、オーバーラン25%以上が好ましく、40%以上がより好ましい。オーバーランとは、起泡前の加工液卵白に対する起泡後の加工液卵白の体積増加率をパーセントで表したものであり、以下の式により算出した値である。
オーバーラン(%)=



(同容量の起泡前の加工液卵白の質量−同容量の起泡後の加工液卵白の質量)×100/同容量の起泡後の加工液卵白の質量
また、本発明の気泡入り加工液卵白の卵白含有量は、特に限定されないが、具体的には液卵白換算で40〜95%(卵白蛋白質の固形分換算では、5〜12%)が好ましく、65〜95%(卵白蛋白質の固形分換算では、8〜12%)がより好ましい。
本発明の気泡入り加工液卵白に用いる乳酸発酵卵白とは、液状の卵白に乳酸菌を添加して発酵させることにより得られるものである。このような乳酸発酵は、一般的に栄養源として乳酸菌資化性糖類を用いて必要に応じ酵母エキス等の発酵促進物質を添加し、乳酸菌を1mLあたり好ましくは10〜10、さらに好ましくは10〜10供し発酵されており、本発明も同様な方法で得られたものを用いるとよい。
本発明の気泡入り加工液卵白に用いる乳酸発酵卵白の形態は、種々の形態を取ることができ、例えば、液状、粉末状、クリーム状、ゼリー状等が挙げられる。すなわち、配合する食品の性状に応じて、適切な形態に加工し使用することができる。特に、粉末状にすることで、加工液卵白中に高濃度で配合することができ好適である。乾燥処理は、上記乳酸発酵卵白に必要に応じデキストリン等の賦形材や清水等の水系媒体を添加後、スプレードライ、フリーズドライ、パンドライ等、任意の方法を採用し乾燥させることが出来る。
上記乳酸発酵卵白に用いる乳酸菌としては、一般的にヨーグルトやチーズの製造に利用される、例えば、ラクトバチルス属(Lactobacillus bulgaricus等)、ストレプトコッカス属(Streptococcus thermophilus、Streptococcus diacetylactis等)、ラクトコッカス属(Lactococcus lactis等)、ロイコノストック属(Leuconostoc cremoris等)、エンテロコッカス属(Enterococcus faecalis)、ビフィドバクテリウム属(Bifidobacterium Bbifidum等)等が挙げられる。
上記乳酸発酵卵白に用いる乳酸菌資化性糖類としては、例えば、単糖類(グルコース、ガラクトース、フルクトース、マンノース、N−アセチルグルコサミン等)、二糖類(ラクトース、マルトース、スクロース、セルビオース、トレハロース等)、オリゴ糖類(特に3〜5個の単糖類が結合しているもの)、ブドウ糖果糖液糖等が挙げられ、1種又は2種以上を組み合わせて液状の卵白に添加することができる。
上記乳酸発酵卵白に用いる発酵促進物質としては、本発明の効果を損なわない範囲で発酵を促進するものであれば、特に限定するものではない。例えば、アミノ酸、核酸、ビタミン類、ミネラル類等が挙げられる。
本発明の気泡入り加工液卵白に用いる乳酸発酵卵白の配合量は、特に限定されないが、卵白蛋白質の固形分換算で0.2〜15%が好ましく、2〜15%がより好ましい。乳酸発酵卵白の配合量が前記範囲より少ない場合、卵白蛋白質の酸変性が生じ口溶けの良さを損ねる。乳酸発酵卵白の配合量が前記範囲より多い場合、それ以上の効果が得られず経済的でない。
上記乳酸発酵卵白の代表的な製造方法を以下に示す。清水に卵白蛋白質2〜8%、乳酸菌資化性糖類1〜15%、及び発酵促進物質0.5〜10%を加え、乳酸、塩酸等の酸材を用いてpH5〜7.5にpH調整し、仕込み液を調製する。なお、酸材としては風味の面から乳酸を用いるのが好ましい。得られた仕込み液を60〜110℃で5〜120分間加熱した後、乳酸菌スターターを1mLあたり10〜10になるように添加する。25〜50℃で8〜48時間発酵し乳酸発酵卵白が得られる。また、必要に応じて上記乳酸発酵卵白を加熱殺菌し、高圧下で均質化処理を施してもよく、あるいは、フリーズドライ、スプレードライ等の乾燥処理を施して粉末状にしてもよい。
本発明に用いる卵白加水分解物の加水分解方法は、食品製造に利用可能な方法であれば何れのものでも良く、例えば、プロテアーゼ或いはカルボキシペプチダーゼ等の酵素処理、又は酸、アルカリ等の化学処理を施す方法が挙げられる。
卵白加水分解に用いる、プロテアーゼ活性又はカルボキシペプチダーゼ活性を持つ酵素は、パパイン、フィシン、ブロメライン等の植物由来プロテアーゼ、ペプシン、キモトリプシン、トリプシン、パンクレアチン等の動物由来プロテアーゼ、バチルス属菌、アスペルギルス属麹菌等の微生物由来プロテアーゼ等が挙げられる。これらはいずれか単独、又はいくつかを組み合わせで使用することができる。乾燥卵白に対する酵素の濃度は、使用する酵素や、温度、時間等の反応条件に応じて適宜変動するが、乾燥卵白に対する酵素の質量比で20:1〜5000:1が好ましい。
卵白加水分解に用いる酸は、無機酸や有機酸のいずれであっても使用することができるが、塩酸、硫酸等の強酸が好ましい。
卵白加水分解に用いるアルカリは、食用に供するものであればいずれを用いても構わないが、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の強アルカリが好ましい。
本発明に用いる卵白加水分解物の平均分子量は、500〜5000であり、1000〜3000が好ましい。平均分子量が上記範囲より低い場合、苦味を呈し好ましくない。上記範囲より高い場合、口溶けの良い気泡入り加工液卵白が得られ難い。
本発明における卵白加水分解物の分子量分布は、ゲル濾過カラムを用いて卵白加水分解物を液体クロマトグラフィー分析することにより得られる。具体的には、HPLC分析装置(商品名:「アライアンスPDAシステム」、日本ウォーターズ(株))にゲル濾過カラム(商品名:「Diol−120」、(株)ワイエムシイ)を接続して、卵白加水分解物の0.1%(w/v)水溶液を分析サンプルとして、この分析サンプルを液体クロマトグラフィー分析することにより測定することができる。
液体クロマトグラフィー分析の条件は以下の通りとする。下記条件にて、分子量既知のタンパク質の分析を行い、卵白加水分解物のピークとの溶出時間を比較することにより、ピーク面積から平均分子量500〜5000の成分量を算出することができる。
カラム温度:25℃
流速:1mL/分
卵白加水分解物の0.1%(w/v)水溶液の注入量:10μL
移動相:0.1mol/L リン酸バッファー(0.2mol/L NaCl含有、pH7.0)
紫外線検出器:λ=280nmで測定
本発明の気泡入り加工液卵白に用いる卵白加水分解物の配合量は、固形分換算で0.1〜5%であり0.2〜2%が好ましい。卵白加水分解物の配合量が前記範囲より少ない場合、比重を低く保つことができず口溶けの良さを損ねる。卵白加水分解物の配合量が前記範囲より多い場合、苦味が呈味を損ねてしまい好ましくない。
本発明の気泡入り加工液卵白に用いる卵白加水分解物の形態は、種々の形態を取ることができ、例えば、液状、粉末状等が挙げられる。すなわち、配合する食品の性状に応じて、適切な形態に加工し使用することができる。特に、粉末状にすることで、気泡入り加工液卵白中に高濃度で配合することができ好適である。乾燥処理は、スプレードライ、フリーズドライ、パンドライ等、任意の方法を採用し乾燥させることが出来る。
上記乳酸発酵卵白及び卵白加水分解物に用いる卵白としては、例えば、鶏等の鳥類の卵を割卵し卵黄を分離したものであり工業的に得られるもの、またこれを殺菌、凍結したもの、濃縮又は希釈したもの、乾燥させたものを水戻ししたもの、特定の成分(リゾチームやアビジン等)を除去したもの、脱糖処理を施されたもの等が挙げられる。また効果に影響を及ぼさない程度に卵黄やその他の卵由来の成分を含んでいても差し支えない。
本発明の気泡入り加工液卵白に用いる増粘材は、通常食品素材として利用されているものであれば特に限定されないが、例えば、ペクチン、キサンタンガム、タマリンドシードガム、ローカストビーンガム、グアーガム、アラビアガム、サイリュームシードガム等の増粘多糖類、馬鈴薯澱粉、トウモロコシ澱粉、うるち米澱粉、小麦澱粉、タピオカ澱粉、ワキシコーンスターチ、もち米澱粉等の澱粉、及び前記澱粉の物理加工又は化学加工澱粉等が挙げられる。特に、加工澱粉のうち、冷水膨潤が可能なα化澱粉を用いた場合、より口溶けに優れ好ましい。
本発明の気泡入り加工液卵白に用いる増粘材の合計配合量は、特に限定されないが、0.05〜5%が好ましく、0.1〜2%がより好ましい。増粘材の合計配合量が前記範囲より少ない場合、加工液卵白中に卵白を均一に分散することができず口溶けを損ねてしまう場合がある。増粘材の合計配合量が前記範囲より多い場合、糊状の食感を呈し口溶けを損ねてしまう場合がある。
本発明における気泡入り加工液卵白は、上述した以外の原料を本発明の効果を損なわない範囲で必要に応じて配合すればよい。具体的には、例えば、牛乳、生クリーム、バター、濃縮乳、脱脂濃縮乳、無糖練乳、加糖練乳、加糖脱脂練乳、全粉乳、加糖粉乳、脱脂粉乳等の乳原料、グラニュ糖、上白糖、三温糖、ぶどう糖果糖液糖、果糖ぶどう糖液糖、澱粉、デキストリン、フルクトース、トレハロース、グルコース、乳糖、オリゴ糖及び糖アルコール等の糖類、全卵、卵黄、卵白、豆乳等の蛋白質類、卵黄油、菜種油、コーン油、綿実油、サフラワー油、米油、オリーブ油、紅花油、大豆油、パーム油、魚油等の油脂類、モノグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、レシチン、リゾレシチン、オクテニルコハク酸化澱粉等の乳化材、難消化性デキストリン、結晶セルロース、アップルファイバー等の食物繊維、食塩、醤油、味噌、動植物由来のエキス類、アミノ酸、グルタミン酸ナトリウム等の調味料、各種ペプチド、リンゴ、イチゴ、メロン、オレンジ、レモン、レーズン、モモ、クリ等の果実又は果汁、チョコレート、ココア、コーヒー、抹茶、リキュール類、ナッツ類、クエン酸、酢酸、酒石酸、コハク酸、リンゴ酸等の有機酸又はその塩、ビタミンA、ビタミンB群、ビタミンC、ビタミンD、ナイアシン等のビタミン類、アスコルビン酸、ビタミンE等の酸化防止材、色素、香料等を挙げることができる。
以下、本発明について、実施例、比較例に基き具体的に説明する。なお、本発明は、これらに限定するものではない。
〔調製例1:乳酸発酵卵白〕
液卵白65%(卵白蛋白質8%)、グラニュ糖4%、酵母エキス0.05%、50%乳酸0.15%及び清水30.78%からなる卵白水溶液を攪拌、調製した。得られた卵白水溶液を70℃で5分間加熱した後、乳酸菌スターター0.02%(Lactococcus lactis subsp. lactis、Leuconostoc mesenteroides subsp.cremoris、Streptococcus diacetylactis、Lactococcus lactis subsp.cremoris)を添加し、30℃で24時間発酵を行った後、70〜90℃で10分間加熱殺菌し、次いで高圧ホモゲナイザーを用いて10MPaの圧力で処理し、乳酸発酵卵白(卵白蛋白質8%、pH4.5)を調製した。
〔調製例2:乳酸発酵卵白〕
液卵白34%(卵白蛋白質4%)、ぶどう糖果糖液糖4%、酵母エキス0.05%、50%乳酸0.1%及び清水61.83%からなる卵白水溶液を攪拌、調製した。得られた卵白水溶液を90℃で10分間加熱した後、乳酸菌スターター0.02%(Lactobacillus
bulgaricus、Streptococcus thermophilus)を添加し、35℃で24時間発酵を行った後、70〜90℃で10分間加熱殺菌し、次いで高圧ホモゲナイザーを用いて20MPaの圧力で処理し、乳酸発酵卵白(卵白蛋白質4%、pH4.2)を調製した。
〔調製例3:乳酸発酵卵白〕
調製例1の乳酸発酵卵白を送風温度160℃、排風温度65℃の条件でスプレードライし粉末状(卵白蛋白質57%、pH4.5)に調製した。
〔調製例4:卵白加水分解物〕
まず、液卵白5kgにクエン酸を添加しpH7に調整後、植物由来プロテアーゼ(商品名:パパインW−40、天野エンザイム(株))25gを添加し、45℃、6時間酵素反応を行った後、95℃、10分間加熱して酵素を失活させ、卵白加水分解物(卵白蛋白質96%、pH7)を調製した。得られた卵白加水分解物の平均分子量は2100だった。
〔調製例5:卵白加水分解物〕
まず、乾燥卵白1kgと清水4kgを混合しpH7.0の液卵白を調製した。次に、バチルス属菌起源の中性プロテアーゼ(商品名:プロテアーゼN「アマノ」、天野エンザイム(株))10g、アスペルギルス属菌起源の中性プロテアーゼ(商品名:プロテアーゼP「アマノ」、天野エンザイム(株))20gを添加し、50℃で14時間酵素反応を行った後、95℃、10分間加熱して酵素を失活、卵白加水分解物(卵白蛋白質96%、pH7)を調製した。得られた卵白加水分解物の平均分子量は1500だった。
〔実施例1〕
撹拌ミキサーに、調製例1の乳酸発酵卵白(卵白蛋白質8%)60%、調製例4の卵白加水分解物1%、α化澱粉4%及び清水35%を投入後、5000回転/分で3分間撹拌し、本発明の気泡入り加工液卵白(卵白蛋白質6%、pH4.6)を調製した。
〔実施例2〕
調製例1の乳酸発酵卵白(卵白蛋白質8%)60%を、調製例3の粉末状の乳酸発酵卵白(卵白蛋白質57%)20%及び清水40%に置換えた以外は、実施例1に準じ本発明の気泡入り加工液卵白(卵白蛋白質12%、pH4.6)を調製した。
〔実施例3〕
調製例1の乳酸発酵卵白(卵白蛋白質8%)60%及び清水20%を、調製例2の乳酸発酵卵白(卵白蛋白質4%)80%に置換えた以外は、実施例1に準じ本発明の気泡入り加工液卵白(卵白蛋白質4%、pH4.3)を調製した。
〔実施例4〕
調製例4の卵白加水分解物1%を、調製例5の卵白加水分解物0.2%及び清水0.8%に置換えた以外は、実施例1に準じ本発明の気泡入り加工液卵白(卵白蛋白質5%、pH4.5)を調製した。
〔実施例5〕
調製例4の卵白加水分解物1%を、調製例4の卵白加水分解物0.1%及び清水0.9%に置換えた以外は、実施例1に準じ本発明の気泡入り加工液卵白(卵白蛋白質5%、pH4.5)を調製した。
〔比較例1〕
調製例1の乳酸発酵卵白(卵白蛋白質8%)60%を、液卵白(蛋白質12%)40%及び清水20%に置換え、さらにクエン酸を添加しpHを4.5に調整した以外は、実施例1に準じ気泡入り加工液卵白(卵白蛋白質6%、pH4.5)を調製した。
〔比較例2〕
調製例4の卵白加水分解物(卵白蛋白質96%)1%及び清水0.5%を、調製例3の乳酸発酵卵白(卵白蛋白質57%)1.5%に置換えた以外は、実施例3に準じ気泡入り加工液卵白(卵白蛋白質4%、pH4.4)を調製した。
〔比較例3〕
α化澱粉1%を清水1%に置換えた以外は、実施例1に準じ気泡入り加工液卵白(卵白蛋白質6%、pH4.5)を調製した。
[試験例1]
上記の実施例1〜5及び比較例1〜3の気泡入り加工液卵白について、5℃で4日間保存後の口溶けについて官能評価を行った。結果を表1に示す。評価基準は、非常に口溶けが良かった場合をA、やや口溶けが良かった場合をB、口溶けが悪く品位を損ねた場合をCとした。なお、得られた気泡入り加工液卵白のpHは全て5以下であった。
[表1]






Figure 2012090543
表1の結果、乳酸発酵卵白、平均分子量500〜5000の卵白加水分解物0.1〜5%及び増粘材を配合した気泡入り加工液卵白は、口溶けの改善効果がみられ好ましかった(実施例1〜5)。特に、平均分子量500〜5000の卵白加水分解物の配合量が0.2〜2%の場合、口溶けが良く好ましかった(実施例1〜4)。また、実施例1〜4のうち、卵白蛋白質を5〜12%配合した実施例1、2、4の気泡入り加工液卵白は、実施例3と比して口溶けが良かった。特に、卵白蛋白質を8〜12%配合した実施例2の気泡入り加工液卵白は、非常に口溶けが良く好ましかった。
[試験例2]
卵白加水分解物の平均分子量の影響を調べるため、卵白加水分解物以外は実施例1に準じて調製した気泡入り加工液卵白を用いて、試験例1と同様の官能評価を行った。結果を表2に示す。なお、得られた気泡入り加工液卵白のpHは全て5以下であった。
[表2]

Figure 2012090543
表2の結果、卵白加水分解物の平均分子量が500〜5000の場合、口溶けの改善効果がみられ好ましかった(No.2〜4)。特に、平均分子量が1000〜3000の場合、非常に口溶けが良く好ましかった(No.3)。

Claims (1)

  1. 乳酸発酵卵白、分子量500〜5000の卵白加水分解物0.1〜5%及び増粘材を配合し、pH5以下であることを特徴とする気泡入り加工液卵白。
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