JP2012090246A - 伝搬パラメータ推定装置、伝搬パラメータ推定方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の伝搬パラメータ推定装置は、雑音空間行列取得部とパラメータ推定部を備える。雑音空間行列取得部は、送受信アレーアンテナの雑音空間行列Bを、等間隔リニアアレーの雑音空間行列である仮想雑音空間行列Bvと逆行列G−1と相関低減行列Cの積で近似することで、送受信アレーアンテナの雑音空間行列Bを求める。パラメータ推定部は、送受信アレーアンテナの雑音空間行列Bを用いて電波の到来方向θ1〜θNを推定する。
【選択図】図3
Description
図1は従来の到来方向推定方法を説明するための図である。この図では、送受信アンテナとしてL個のアンテナを等間隔に直線状に並べた等間隔リニアアレー(ULA)が用いられている。各アンテナの間隔はΔdである。また、n番目の素波の到来方向をθn、複素振幅をsnとする。このとき、等間隔リニアアレーでの到来方向θnにおけるL個の要素を持つモードベクトルαULA(θn)は、
次に部分空間法を用いた到来方向推定方法について説明する。部分空間法では、測定データ相関行列Rxx=ave[XXH]を固有値分解すると、信号空間固有ベクトルES,信号空間固有値ΛS、雑音空間固有ベクトルEN、雑音空間固有値ΛNを用いて、以下のように分離できる性質を利用する。なお、Hは複素共役転置を示す記号である。
RootMUSIC法では、モードベクトルα(θ)と雑音空間固有ベクトルENが直交する性質を利用し、以下のように評価関数QMUSICを最小化するモードベクトルα(θ)を求める。
+Tr[(ΛS−σ2I)1/2ES HBWWHBHES(ΛS−σ2I)1/2]} (6)
ただし、σ2は雑音空間固有値ΛNの平均値、BはB=ENEN H=B(BHB)−1BHを満たす雑音空間行列、Wは
W={(BHB)−1}1/2 (7)
である。
FML=FMODE 2+constant (9)
のように変形できる。ただし、
(ステップ1)式10において、PとW(itr)を用いてHを計算し、最小二乗法を用いてFMODEを最小化するbを計算する。なお、(itr)は繰返し回数を示している。
(ステップ2)式7と式8に基づいてB(itr+1)、W(itr+1)を求める(BとWとを更新する)。
BHα(θ)=0 (12)
の関係を満たすモードベクトルα(θ)を求める。なお、送受信アンテナに等間隔リニアアレーを用いた場合、式12の解は
b0zN+b1zN−1+・・・+bN=0 (13)
のzの多項式の解を求めることで得られる。
部分空間を用いた多くの到来方法推定手法では、送受信アンテナとして等間隔リニアアレーを前提としている。任意形状のアレーに対して部分空間法を適用するための手法として非特許文献2に示されたアレー補完法がある。図2は、アレー補完法について説明するための図である。この図の実線で示した円柱が個々のアンテナを示しており、実際のアンテナは円周上に配置されている。点線で示した円柱はアレー補完法によって変形される等間隔リニアアレーを示している。
ただし、A=(α(θ1),α(θ2),…,α(θN))、AULA=(αULA(θ1),αULA(θ2),…,αULA(θN))である。非特許文献2では、アレー補完法のRootMUSIC法への適用が提案されており、送受信アンテナが等間隔リニアアレーでない場合に、式14を用いて式4を以下のように近似することで任意形状のアレーに対してRootMUSIC法を適用する。
MODE法において推定する雑音空間行列Bはモードベクトルα(θ)と直交する解が存在し、かつ素子毎に独立な(相関の低い)白色ガウス雑音であるという条件を満たす必要がある。この2つの条件を式で表現すると、
BHα(θ)=0 (12)
B=(G−1)HBVCH (18)
のようにモデル化する。ここで相関低減行列Cは、BV H(G−1)を特異値分解して、
BV H(G−1)=UΛVH
とした結果を用いて、
C=Λ+UH (19)
のように決める。なお、BV H(G−1)はL−N行L列の行列であり、Λは零列ベクトルを含む以下の形式で表現できる。
図3に本発明の伝播パラメータ推定装置の機能構成例を、図4に伝播パラメータ推定装置の処理フローの例を示す。本発明の伝播パラメータ推定装置は、対象となる送受信アンテナ(図3,4には図示していない)の伝播パラメータを推定する。伝播パラメータとは、素波の到来方向や素波の複素振幅などである。以下の説明では、G−1はあらかじめ定めた仮想の等間隔リニアアレーのモードベクトルを送受信アレーアンテナのモードベクトルに変換する変換行列Gの逆行列、Nは前記送受信アレーアンテナに到来する素波の数、nは1以上N以下の整数、Lは前記送受信アンテナの測定点の数、Tは転置を示す記号、Hは複素共役転置を示す記号、α(θn)は到来方向θnにおけるL個の要素を持つモードベクトル、X=[x1,x2,…,xL]Tは送受信アンテナで受信されたL個の測定結果を示す測定データ、Esは信号空間固有ベクトル、Λsは信号空間固有値、σ2は雑音空間固有値の平均値、Iは単位行列、PはP=Es(Λs−σ2I)1/2を満たす行列、P’はP’=G−1Pを満たす行列、Pn’は行列P’のi行j列の要素pi,j’を
C=Λ+UH
のように推定する。そして、送受信アレーアンテナの雑音空間行列Bと行列Wを、
B=(G−1)HBvCH
W={(BHB)−1}1/2
のように求める(S123)。
BHα(θn)=0
を満たす電波の到来方向θ1〜θNを推定すればよい。パラメータ推定部130は、さらに、モード行列Aを、
A=[α(θ1),α(θ2),…,α(θN)]
のように求め、素波の複素振幅ベクトルS=[s1,s2,…,sN]Tを、
S=(AHA)−1AHX
のように求めれば、各素波の複素振幅も求めることができる。伝搬パラメータ推定装置100は、推定したパラメータを出力する(S102)。
110 アレー補完部
120 雑音空間行列取得部
121 初期設定手段
122 仮想雑音空間行列計算手段
123 相関低減行列計算手段
130 パラメータ推定部
Claims (6)
- G−1はあらかじめ定めた仮想の等間隔リニアアレーのモードベクトルを送受信アレーアンテナのモードベクトルに変換する変換行列Gの逆行列、Nは前記送受信アレーアンテナに到来する素波の数とし、
前記送受信アレーアンテナの雑音空間行列Bを、前記等間隔リニアアレーの雑音空間行列である仮想雑音空間行列Bvと前記逆行列G−1と相関低減行列Cの積で近似することで、前記送受信アレーアンテナの雑音空間行列Bを求める雑音空間行列取得部と、
前記送受信アレーアンテナの雑音空間行列Bを用いて電波の到来方向θ1〜θNを推定するパラメータ推定部と、
を備える伝搬パラメータ推定装置。 - 請求項1記載の伝搬パラメータ推定装置であって、
前記雑音空間行列取得部は、
前記仮想雑音空間行列Bvを推定する仮想雑音空間行列計算手段と、
前記相関低減行列Cを推定する相関低減行列計算手段と、
を有し、
前記仮想雑音空間行列Bvの推定と前記相関低減行列Cの推定とを交互に繰り返し、その結果を用いて前記雑音空間行列Bを求める
ことを特徴とする伝搬パラメータ推定装置。 - G−1はあらかじめ定めた仮想の等間隔リニアアレーのモードベクトルを送受信アレーアンテナのモードベクトルに変換する変換行列Gの逆行列、Nは前記送受信アレーアンテナに到来する素波の数、nは1以上N以下の整数、Lは前記送受信アンテナの測定点の数、Tは転置を示す記号、Hは複素共役転置を示す記号、α(θn)は到来方向θnにおけるL個の要素を持つモードベクトル、X=[x1,x2,…,xL]Tは送受信アンテナで受信されたL個の測定結果を示す測定データ、Esは信号空間固有ベクトル、Λsは信号空間固有値、σ2は雑音空間固有値の平均値、Iは単位行列、PはP=Es(Λs−σ2I)1/2を満たす行列、P’はP’=G−1Pを満たす行列、Pn’は行列P’のi行j列の要素pi,j’を
行列Wと相関低減行列Cをあらかじめ定めた初期値に設定する初期設定手段と、
前記仮想雑音空間行列Bvを、
BV H(G−1)を特異値分解して、BV H(G−1)=UΛVHとなる行列Uと
C=Λ+UH
のように推定し、前記送受信アレーアンテナの雑音空間行列Bと行列Wを、
B=(G−1)HBvCH
W={(BHB)−1}1/2
のように求める相関低減行列計算手段と、
を有し、
前記仮想雑音空間行列計算手段の処理と前記相関低減行列計算手段の処理とを交互に繰り返し、前記雑音空間行列Bを求める雑音空間行列取得部と、
BHα(θn)=0
を満たす電波の到来方向θ1〜θNを推定するパラメータ推定部と、
を備える伝搬パラメータ推定装置。 - G−1はあらかじめ定めた仮想の等間隔リニアアレーのモードベクトルを送受信アレーアンテナのモードベクトルに変換する変換行列Gの逆行列、Nは前記送受信アレーアンテナに到来する素波の数とし、
前記送受信アレーアンテナの雑音空間行列Bを、前記等間隔リニアアレーの雑音空間行列である仮想雑音空間行列Bvと前記逆行列G−1と相関低減行列Cの積で近似することで、前記送受信アレーアンテナの雑音空間行列Bを求める雑音空間行列取得ステップと、
前記送受信アレーアンテナの雑音空間行列Bを用いて電波の到来方向θ1〜θNを推定するパラメータ推定ステップと、
を有する伝搬パラメータ推定方法。 - 請求項4記載の伝搬パラメータ推定方法であって、
前記雑音空間行列取得ステップは、
前記仮想雑音空間行列Bvを推定する仮想雑音空間行列計算サブステップと、
前記相関低減行列Cを推定する相関低減行列計算サブステップと、
を有し、
前記仮想雑音空間行列Bvの推定と前記相関低減行列Cの推定とを交互に繰り返し、その結果を用いて前記雑音空間行列Bを求める
ことを特徴とする伝搬パラメータ推定方法。 - G−1はあらかじめ定めた仮想の等間隔リニアアレーのモードベクトルを送受信アレーアンテナのモードベクトルに変換する変換行列Gの逆行列、Nは前記送受信アレーアンテナに到来する素波の数、nは1以上N以下の整数、Lは前記送受信アンテナの測定点の数、Tは転置を示す記号、Hは複素共役転置を示す記号、α(θn)は到来方向θnにおけるL個の要素を持つモードベクトル、X=[x1,x2,…,xL]Tは送受信アンテナで受信されたL個の測定結果を示す測定データ、Esは信号空間固有ベクトル、Λsは信号空間固有値、σ2は雑音空間固有値の平均値、Iは単位行列、PはP=Es(Λs−σ2I)1/2を満たす行列、P’はP’=G−1Pを満たす行列、Pn’は行列P’のi行j列の要素pi,j’を
行列Wと相関低減行列Cをあらかじめ定めた初期値に設定する初期設定サブステップと、
前記仮想雑音空間行列Bvを、
BV H(G−1)を特異値分解して、BV H(G−1)=UΛVHとなる行列Uと
C=Λ+UH
のように推定し、前記送受信アレーアンテナの雑音空間行列Bと行列Wを、
B=(G−1)HBvCH
W={(BHB)−1}1/2
のように求める相関低減行列計算サブステップと、
を有し、
前記仮想雑音空間行列計算サブステップの処理と前記相関低減行列計算サブステップの処理とを交互に繰り返し、前記雑音空間行列Bを求める雑音空間行列取得ステップと、
BHα(θn)=0
を満たす電波の到来方向θ1〜θNを推定するパラメータ推定ステップと、
を有する伝搬パラメータ推定方法。
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