JP2012089284A - 燃料電池システム - Google Patents

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Abstract

【課題】燃料電池の水分管理を適切に行うことができ、かつシステムを簡便に構成できる燃料電池システムを提供する。
【解決手段】酸化剤流路上に、膜加湿器33の上流であってエアポンプ31の下流に水透過膜を用いた気化冷却式の酸化剤冷却器32を有している。燃料電池10のカソードから排出された凝縮水は、希釈器35内に形成された水貯留部に貯留され、通流管c1を介して酸化剤冷却器32の貯水部32aに圧送される。酸化剤冷却器32に設けられた中空糸膜の内側を通る凝縮水が、中空糸膜の外側を通る乾燥空気の熱によって蒸発することにより、乾燥空気の温度が低下する。燃料電池10から排出されるカソードオフガスの温度が低下することにより、膜加湿器33における凝縮水量がアップする。
【選択図】図1

Description

本発明は、燃料電池の膜を加湿する加湿器を備えた燃料電池システムに関する。
固体高分子膜型の燃料電池システムでは、膜(電解質膜)が乾燥し過ぎると発電性能が低下するため、膜を適度に加湿するように水分管理を行う必要がある。例えば、特許文献1では、燃料電池スタック内に多孔性分離板が備えられ、冷却水によるシステムの冷却、空気の加湿、凝縮水の回収を行う技術が提案されている。また、特許文献2では、燃料電池スタック内に冷却チャンネルが備えられ、水噴射手段を利用して大気から供給される空気に水を噴射して、水混合空気を冷却チャンネルに供給する技術が提案されている。
米国特許第5700595号明細書(Fig3) 特開2009−200026号公報(段落0034、図3)
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、燃料電池システムを冷却する際に使用したい不凍液を選択することができず、しかも水分管理が煩雑になるという問題がある。また、特許文献2に記載の技術では、水噴射を行う装置が必要となり、燃料電池システムを簡便に構成することができないという問題がある。
本発明は、前記従来の問題を解決するものであり、燃料電池の水分管理を適切に行うことができ、かつシステムを簡便化できる燃料電池システムを提供することを課題とする。
本発明は、燃料電池と、前記燃料電池のカソードに供給される酸化剤が通流する酸化剤流路と、前記燃料電池のカソードに酸化剤を供給する酸化剤ポンプと、前記燃料電池から排出される酸化剤オフガスで前記燃料電池に供給される酸化剤を加湿する膜加湿器と、を備えた燃料電池システムにおいて、前記酸化剤流路上に、前記膜加湿器の上流であって前記酸化剤ポンプの下流に水透過膜を用いた気化冷却式の酸化剤冷却器を備えることを特徴とする。
これによれば、酸化剤ポンプと膜加湿器との間の酸化剤流路に気化冷却式の酸化剤冷却器を配置することで、膜加湿器に供給される前の酸化剤を冷却することができ、燃料電池に供給される酸化剤の温度を低下させて、膜加湿器に供給される酸化剤オフガスの温度を適正化することができるので、膜加湿器において加湿効率が過度に低下する状態(「ドライアップ」ともいう)を防止することが可能になる。つまり、膜加湿器に供給される酸化剤オフガスの温度を低下させることで、膜加湿器内における凝縮水量を増加させることができ、ドライアップを防止できるようになる。
また、酸化剤冷却器として膜による気化冷却式を採用することにより冷却器自体を小さくすることができ、さらに、例えばインタークーラ(冷却用熱交換器)を使用して酸化剤を冷却した場合と比べて、該インタークーラを不要または小型化することができ、燃料電池システムの構成を簡便化することが可能になる。
また、前記燃料電池の排出流れ中の水を貯留する水貯留部を備え、前記水貯留部と前記酸化剤冷却器とは水の通流が可能となるように構成されていることを特徴とする。
これによれば、燃料電池から排出される水を水貯留部で貯留することで、燃料電池から排出される凝縮水を利用して酸化剤を冷却することができるので、凝縮水を有効に利用することができ、また酸化剤冷却器に水を供給するための装置を別個に設ける必要がない。
また、前記水貯留部と前記酸化剤冷却器との間において水の通流を可能にする通流管を備え、前記通流管には、前記水貯留部に貯留された水を前記酸化剤冷却器に送る水ポンプが配置されていることを特徴とする。
これによれば、燃料電池から排出される凝縮水を酸化剤冷却器に圧送する差圧が生じない領域が生じる燃料電池システムであっても、水ポンプを作動させることによって凝縮水を酸化剤冷却器に圧送することが可能になる。
また、前記酸化剤冷却器の上流であって前記酸化剤ポンプの下流に冷却液との熱交換により酸化剤を冷却する熱交換器を備えることを特徴とする。
これによれば、一般に熱交換器の規模は大きくなるものであるが、気化冷却式の酸化剤冷却器と熱交換器とを併用することにより、熱交換器の規模(サイズ)を小さくすることが可能になる。
本発明によれば、燃料電池の水分管理を適切に行うことができ、かつシステムを簡便化できる燃料電池システムを提供できる。
第1実施形態に係る燃料電池システムを示す全体構成図である。 希釈器の内部構成の一例を示す縦断面図である。 酸化剤冷却器の内部構成の一例を示す模式図である。 酸化剤冷却器を備えた場合の効果を説明するグラフである。 第1実施形態の変形例に係る燃料電池システムを示す構成図である。 第2実施形態に係る燃料電池システムを示す全体構成図である。 第3実施形態に係る燃料電池システムを示す全体構成図である。 第4実施形態に係る燃料電池システムを示す全体構成図である。 第1実施形態の他の変形例に係る燃料電池システムを示す全体構成図である。
以下、本発明の実施形態に係る燃料電池システムについて図面を参照して説明する。まず、図1ないし図3を参照して第1実施形態に係る燃料電池システムを説明する。なお、本実施形態の燃料電池システムは、四輪や二輪などの燃料電池車、船舶、航空機、家庭用や業務用で定置式のものなど電気を必要とするあらゆるものに適用できる。なお、以下では、燃料電池車を例に挙げて説明する。
(第1実施形態)
図1に示すように、第1実施形態の燃料電池システム1Aは、燃料電池10、アノード系20、カソード系30を含んで構成されている。
燃料電池10は、例えば、固体高分子型燃料電池(Polymer Electrolyte Fuel Cell:PEFC)であり、MEA(Membrane Electrode Assembly、膜電極接合体)を一対のセパレータ(図示せず)で挟持してなる単セルを厚み方向に複数積層し、各単セルを電気的に直列に接続した燃料電池スタックである。
MEAは、陽イオン交換膜からなる固体高分子電解質膜(以下、電解質膜と略記する)をアノードとカソードとで挟んで構成されている。アノードおよびカソードは、例えば、カーボンペーパ等からなるガス拡散層と、白金合金が表面に担持された多孔質カーボン粒子が前記ガス拡散層の表面に塗布されて形成される電極触媒層である。
セパレータは、カーボンなどの導電性の金属材料で形成され、水素(燃料ガス)が通流するアノード流路11、空気(酸化剤)が通流するカソード流路12がそれぞれ形成されている。なお、燃料電池10を冷却する冷媒が通流する冷媒流路が形成され、冷媒流路がラジエータと接続されるように構成されている。
このように構成された燃料電池10では、アノードに水素が供給され、カソードに空気中の酸素が供給されることにより、アノードおよびカソードに含まれる触媒上で電極反応が起こり、燃料電池10が発電可能な状態となる。
また、燃料電池10は、外部負荷と電気的に接続され、外部負荷によって電流が取り出されると、燃料電池10が発電するようになっている。なお、外部負荷とは、エアポンプ31、高圧バッテリ、走行モータなどである。
アノード系20は、燃料電池10のアノードに対して水素を給排するものであり、気液分離器21、ドレン弁22、パージ弁23を含んで構成されている。また、アノード系20は、図示しない高圧水素タンクから遮断弁および減圧弁を介して供給された水素が、アノード流路11の入口11aに対して配管a1を介して供給されるようになっている。アノード流路11の出口11bから排出された未反応の水素は、配管a2,気液分離器21、配管a3を介して配管a1に戻るようにして循環するように構成されている。図示していないが、水素を循環させる手段としては、エゼクタやポンプなどである。
気液分離器21は、燃料電池10のアノードから排出されたアノードオフガスに含まれる水分と未反応の水素とを分離する機能を有し、アノード流路11の出口11bから未反応の水素とともに排出される水分を貯留する貯留部を備えている。なお、アノードから排出される水分は、電解質膜を介してカソードからアノードに透過したものである。
気液分離器21は、例えば、該気液分離器21内の壁面に衝突して凝縮した水分が重力の作用によって空間内を落下して底部に形成された貯留部に貯留されるように構成されている。なお、ここでの水分とは、アノードオフガスの流れに同伴して燃料電池10から気液分離器21内に導入された凝縮水だけではなく、アノードの出口11bからアノードオフガスの流れに同伴して排出された水蒸気が、気液分離器21内の壁面などに当たることによって結露したものを意味している。
ドレン弁22は、気液分離器21の貯留部と配管a4を介して接続され、後記する希釈器35と配管a5を介して接続されるように構成されている。また、ドレン弁22は、燃料電池10の発電時において、図示しない制御部によって開弁されることにより、貯留部に貯留された凝縮水が、配管a4,a5を介して希釈器35に排出される。なお、ドレン弁22を開弁するタイミングは、気液分離器21内に水位センサを設けて判断してもよく、タイマを用いて定期的に開弁するようにしてもよい。
パージ弁23は、例えば発電時において水素循環流路に蓄積した不純物を車外(燃料電池システム1Aの外部)に排出する機能を備えている。また、パージ弁23は、配管a6を介して配管a3と接続され、配管a7を介して後記する希釈器35と接続されている。なお、パージ弁23は、図示しない制御部によって、水素循環流路内の水素濃度の低下(発電性能の低下)に応じて、またはタイマによって定期的に開閉制御される。
カソード系30は、燃料電池10のカソードに対して空気(酸素)を給排するものであり、エアポンプ(酸化剤ポンプ)31、酸化剤冷却器32、膜加湿器33、背圧弁34、希釈器35を含んで構成されている。エアポンプ31は、配管b1、酸化剤冷却器32、配管b2、膜加湿器33、配管b3を介してカソード流路12の入口12aと接続されている。カソード流路12の出口12bは、配管b4、膜加湿器33、配管b5、背圧弁34、配管b6、希釈器35、配管b7を介して車外と接続されている。なお、本実施形態に係る配管b1〜b7によって酸化剤流路が構成されている。
エアポンプ31は、例えば、モータ(図示せず)で駆動される機械式の過給器(スーパーチャージャ)であり、車外から取り込んだ空気を圧縮して燃料電池10のカソードに供給するように構成されている。
酸化剤冷却器32は、エアポンプ31から供給される高温の空気を冷却する機能を有し、気化熱を利用して空気(酸化剤)を冷却するように構成されている。なお、酸化剤冷却器32の詳細については後記する。
膜加湿器33は、エアポンプ31から供給される乾燥空気(酸化剤)を加湿するものであり、例えば、複数の中空糸膜(水分交換膜)が束ねられた中空糸膜束が収容されたケース(不図示)を有し、エアポンプ31からの乾燥空気の入口33aおよび出口33b、カソードオフガス(酸化剤オフガス)の入口33cおよび出口33dがそれぞれ形成されている。
膜加湿器33では、例えば、ケース内の中空糸膜の内側をエアポンプ31からの乾燥空気が通り、中空糸膜の外側を湿潤な空気を含むカソードオフガスが通ることで、中空糸膜に形成された細孔内にカソードオフガスに含まれる水蒸気が入り込む。そして、中空糸膜の細孔内を水蒸気が膜の外側から内側に移動することで、水蒸気が乾燥空気に渡されて乾燥空気が加湿される。なお、乾燥空気が中空糸膜の外側、カソードオフガスが中空糸膜の内側を通るようにしてもよい。
背圧弁34は、例えばバタフライ弁などの開度調節可能な弁で構成され、燃料電池10のカソードに供給される空気の圧力を調節する機能を有する。
希釈器35は、アノード流路11の出口11bから排出されたアノードオフガスに含まれる水素とカソード流路12の出口12bから排出されるカソードオフガスとを混合し、規定の水素濃度を下回るように希釈する機能を有している。希釈後のガスは配管b7を介して車外に排出される。
図2に示すように、希釈器35は、例えば、箱型のケース35aを有し、該ケース35a内の底部に水貯留部35sが形成されるように構成されている。また、希釈器35は、該ケース35a内において複数の仕切板35bによって上部から下部に向けて蛇行路が形成され、該蛇行路の最下部に希釈後のガスが外部に排出されるとともに配管b7が接続される出口35cが形成されている。出口35cには、絞り部35dが形成されている。また、ケース35a内には、通流管c1が貫通して挿入され、通流管c1の上流端が水貯留部35s内に位置するように構成されている。なお、本実施形態では、希釈器35が水貯留部35sとして機能している。
すなわち、希釈器35は、ケース35a内の蛇行路の最上部から配管b6を介してカソードオフガスが導入され、配管a7を介して水素を含む不純物などが導入されることにより、水素とカソードオフガスとが蛇行路を通過する際に混合されることで、規定の水素濃度に水素が希釈される。
また、カソードオフガスが希釈器35内を通過すること、また希釈器35内の壁面に衝突、接触することによって放熱され、カソードオフガスの温度が低下することで、カソードオフガスに含まれる水蒸気が凝縮(結露)する。生成された凝縮水は、重力の作用によって希釈器35内の底部の水貯留部35sに流れ込み、貯留されるようになっている。なお、配管b6から凝縮水となって導入された水、また配管a5を介して導入されたドレン水(凝縮水)も、同様に、希釈器35内の底部の水貯留部35sに貯留される。
図3に示すように、酸化剤冷却器32は、貯水部32a、管部32b、膜部32c、オーバーフロー管c2などで構成されている。
貯水部32aは、希釈器35から通流管c1を介して導入される凝縮水が溜まる流路を有し、その上流端が通流管c1と接続され、下流端がオーバーフロー管c2と接続されている。
管部32bは、乾燥ガスが通流する流路を有し、上流端が配管b1と接続され、下流端が配管b2と接続されている。
膜部32cは、複数本の中空糸膜(水透過膜)32c1,32c1,・・・を有し、各中空糸膜32c1の両端部が貯水部32aに開口し、中空糸膜32c1の内側と貯水部32aとが連通するように構成されている。また、膜部32cは、中空糸膜32c1の両端部を除く部分が管部32b内に配置され、前記両端部がポッティング部材32dを介して貯水部32aと管部32bとの間が閉塞されている。
オーバーフロー管c2は、下流端が車外(大気)に開放しており、例えば貯水部32a内が満水になったときにオーバーフロー管c2を介して車外に排出されるようになっている。
なお、燃料電池システム1Aは、図示しない制御装置を備えており、図示しないイグニッションがオンにされると、エアポンプ31の駆動が開始されるとカソードに向けて空気の供給が開始されるとともに、図示しない電磁作動式の水素遮断弁が開弁されるとアノードに向けて水素の供給が開始される。また、制御装置は、エアポンプ31のモータの回転速度、背圧弁34の弁開度、ドレン弁22およびパージ弁23の開閉が制御される。
次に、第1実施形態に係る燃料電池システム1Aの動作について説明する。燃料電池10の発電時において、カソード流路12の出口12bから排出されたカソードオフガス(水蒸気など)は、膜加湿器33および背圧弁34を通って希釈器35内に導入される。カソードオフガスが希釈器35内を通流することにより、カソードオフガスが放熱することで、カソードオフガスに含まれる水蒸気が凝縮して、凝縮水が希釈器35内の底部に形成された水貯留部35sに貯留される。水貯留部35sに貯留された凝縮水は、希釈器35内の圧力P1と、オーバーフロー管c2に連通する大気の圧力P2との差圧、すなわち圧力P1が圧力P2よりも高く設定されることによって、通流管c1を介して酸化剤冷却器32に圧送される。
酸化剤冷却器32に送られた凝縮水は、貯水部32aに導入されて、中空糸膜32c1の毛管現象によって各中空糸膜32c1の内側を通流する。これにより、エアポンプ31から供給される乾燥ガスが管部32b内の中空糸膜32c1と中空糸膜32c1との間を通過する際、凝縮水が中空糸膜32c1を介して乾燥ガスの熱によって蒸発(気化)すること、換言すると気化熱によって乾燥ガスの温度を低下させることができる。そして、乾燥ガスは、酸化剤冷却器32によって冷却された後、膜加湿器33に導入される際、カソードオフガスによって加湿されることで、燃料電池10の電解質膜が適度な加湿状態となる。
ところで、膜加湿器33に導入する乾燥ガスの温度を下げる手段として、膜加湿器33とエアポンプ31との間にガス冷却用の熱交換器(いわゆるインタークーラ)を配置することが一般的に行われている。しかし、このような熱交換によって冷却を行う熱交換器は、燃料電池などの冷却に用いられる冷却媒体の温度の影響を受けてしまい(燃料電池と熱交換器とが同じ経路上の冷却媒体を用いているため)、外気温度が高い場合などでは、膜加湿器33に導入する乾燥ガスの温度を十分に下げることができないケース(例えば、膜加湿器に対する導入温度が70℃を超えてしまう)があった。
そこで、図4を参照して、膜加湿器33の入口33aから導入される乾燥ガスの温度が70℃の場合(比較例:破線)と50℃の場合(本実施形態:実線)とを比較して説明する。また、図4において、実線で示すシステム成立水蒸気回収率下限ラインは、以下の式(1)によって求めることができ、この下限ラインの上側の領域がシステムが成立する領域となる。なお、式(1)におけるドレン水量とは、電解質膜を介してカソードからアノードに透過する水量を意味している。
(カソードオフガスに含まれる水蒸気量−(燃料電池10から生成される生成水量−ドレン水量))/カソードオフガスに含まれる水蒸気量・・・(1)
また、図4において、横軸は、膜加湿器オフガス入口湿度、すなわち膜加湿器33の入口33cから導入される際のカソードオフガスの湿度を意味している。
図4に示すように、膜加湿器33の入口33aから導入される乾燥ガスの温度を下げることで(70℃→50℃)、膜加湿器33内での熱交換により、カソードオフガスがさらに冷やされることになる。これにより、膜加湿器オフガス入口湿度に対する水蒸気回収率が大きく低下していた傾向(図4の破線で示す70℃のライン)を解消することが可能になる。したがって、図4に示すように、運転温度や運転圧力(急加速時など)が上昇して、膜加湿器オフガス入口湿度がAからBに低下した場合であっても、S1で示すように、システム成立水蒸気回収率の下限ラインを上回ることができるようになり、膜加湿器33におけるドライアップ(DRY−UP)による乾燥ガスに対する低加湿を回避することが可能になる。
このように第1実施形態に係る燃料電池システム1Aによれば、膜加湿器33の上流、かつ、エアポンプ31の下流に酸化剤冷却器32を設けることで、酸化剤冷却器32に投入された凝縮水が中空糸膜32c1を介して蒸発する際に気化熱によって乾燥ガスの温度を下げることができるので、既存の熱交換器(インタークーラ)を廃止することが可能になる。また、酸化剤冷却器32は、充填効率のよい膜を用いた気化熱式であるため、規模(サイズ)を非常に小型にでき、低コストにて膜加湿器33のドライアップ対策が可能となる。
また、酸化剤冷却器32に使用される膜として、毛管凝縮型の中空糸膜32c1を用いることで、低コストに抑えることができ、しかも中空糸膜32c1の毛管内の水によって、中空糸膜32c1内への乾燥ガスの逆流を抑制することができる。
また、第1実施形態によれば、希釈器35内に水貯留部35sを備えて、水貯留部35sと酸化剤冷却器32とを通流管c1にて接続することで、水貯留部35sに貯留された凝縮水を、通流管c1を介して酸化剤冷却器32に圧送することが可能になる。また、希釈器35内を水貯留部35sとして利用することで、水貯留部35sを別個に設ける必要がないので、燃料電池システム1Aを簡略化、小型化することが可能になる。
(第1実施形態の変形例)
図5は第1実施形態の変形例に係る燃料電池システムを示す構成図である。この燃料電池システム1Bは、燃料電池システム1Aから通流管c1を削除して、希釈器35と酸化剤冷却器32とを隣接して構成したものである。なお、その他の構成については、同一の符号を付して重複した説明を省略する(以下に示す他の実施形態についても同様である)。
図5に示すように、第1実施形態の変形例に係る燃料電池システム1Bは、例えば、希釈器35が酸化剤冷却器32の上部に接して配置され、希釈器35内に形成された水貯留部35s(図2参照)の凝縮水の出口35b1と、酸化剤冷却器32の凝縮水の入口32a1とが鉛直方向または略鉛直方向において連通するように構成されている。これにより、希釈器35の水貯留部35sに溜まった凝縮水は、重力の作用によって酸化剤冷却器32の貯水部32a(図3参照)に導入される。
第1実施形態の変形例に係る燃料電池システム1Bによれば、通流管c1を削除した構成とすることで、システムのさらなる簡便化が可能となり、さらに、通流管c1のレイアウトを考慮する必要がなく、しかも後記するような圧送するための水ポンプ40を設ける必要もない。
(第2実施形態)
図6は第2実施形態に係る燃料電池システムを示す全体構成図である。この燃料電池システム1Cは、第1実施形態に係る燃料電池システム1Aの通流管c1に水ポンプ40を追加した構成である。
図6に示すように、燃料電池システム1Cは、通流管c1の途中に水ポンプ40を備えている。この水ポンプ40は、例えば、モータで駆動されるものであり、希釈器35から酸化剤冷却器32までの間において差圧が発生しない領域に配置され、差圧が発生する領域まで送られた凝縮水を吸引して、酸化剤冷却器32に強制的に送る機能を有している。
また、水ポンプ40は、図示しない制御装置と電気的に接続されており、燃料電池10の発電中、または適宜必要に応じて(例えば、貯水部32aの水量が不足したとき)駆動される。
第2実施形態の燃料電池システム1Cによれば、水ポンプ40を設けることで、凝縮水を酸化剤冷却器32に圧送するための差圧が発生しなくなる場合であっても、希釈器35内の凝縮水を酸化剤冷却器32に確実に送ることができるようになる。また、第2実施形態では、差圧が発生しなくなる領域に配置することで、無駄に大型で消費電力の大きな水ポンプを使用しなくてもよい。また、第2実施形態では、水ポンプ40を使用することにより、差圧を発生させるために希釈器35を複雑な構成にする必要もない。
(第3実施形態)
図7は第3実施形態に係る燃料電池システムを示す全体構成図である。第3実施形態の燃料電池システム1Dは、水貯留部を設ける位置を希釈器35に替えて消音器50としたものである。
消音器50は、燃料電池システム1Dの外部に排出される排気ガスの音を小さくするためのものであり、希釈器35の下流に設けられている。消音器50は、例えば、配管b7よりも膨張した空間からなる膨張部50aを有し、該膨張部50a内の底部に水貯留部50sが形成されている。なお、膨張部50aは、消音性を発揮するために、その内部が複数の隔壁によって区画され、またグラスウールなどの吸音材を備えて構成されている。
また、消音器50には、水貯留部50sと連通する通流管c3の上流端が接続され、通流管c3の下流端が酸化剤冷却器32の貯水部32aに接続されている。
第3実施形態の燃料電池システム1Dによれば、第1実施形態において希釈器35に水貯留部35sを設けた場合と同様な効果を得ることができる。また、消音器50内に水貯留部50sを設けることで、専用の水貯留部を別個に設ける必要がなく、システムを簡便化できる。
(第4実施形態)
図8は第4実施形態に係る燃料電池システムを示す全体構成図である。第4実施形態の燃料電池システム1Eは、第1実施形態の燃料電池システム1Aにおいて、酸化剤冷却器32の上流、かつ、エアポンプ31の下流に熱交換器60を追加した構成である。熱交換器60は、いわゆるインタークーラ(I/C)と称されるものであり、冷却液が通る配管の周囲に放熱用のフィン(不図示)を備えたものである。
熱交換器60は、その冷却媒体を燃料電池10を冷却する冷却液と共有するものであり、燃料電池10およびラジエータ70を介して循環するように構成されている。すなわち、熱交換器60の冷却液の出口60aは、配管d1を介してラジエータ70の冷却液の入口70aと接続されている。ラジエータ70の冷却液の出口70bは、配管d2を介して燃料電池10の冷媒流路13の入口13aと接続されている。冷媒流路13の出口13bは、配管d3を介して熱交換器60の冷却液の入口60bと接続されている。なお、図示していないが、燃料電池システム1Eは、ラジエータ70をバイパスするバイパス配管、およびバイパス配管とラジエータとの間での冷却液の温度に応じて冷却液の流量を調整する切替弁(例えば、サーモスタット弁)を備えている。
よって、ラジエータ70による放熱により冷却された冷却液は、燃料電池10の冷媒流路13を通流することにより燃料電池10が冷却され、そして熱交換器60を冷却して、ラジエータ70に戻る。
第4実施形態の燃料電池システム1Eによれば、熱交換器60を酸化剤冷却器32の上流に設置して、熱交換器60と酸化剤冷却器32を併用することで、一般に大型化する熱交換器60の規模(サイズ)を小さくすることが可能になる。
なお、第4実施形態では、熱交換器60の冷媒として冷却液を使用した水冷式の場合を例に挙げて説明したが、これに限定されるものではなく、冷媒として空気を使用した空冷式のものであってもよい。
また、本発明は前記した各実施形態に限定されるものではなく、第3実施形態において、通流管c3で差圧が発生しない領域に水ポンプ40を配置して圧送するようにしてもよい。また、第4実施形態についても同様に、通流管c1で差圧が発生しない領域に水ポンプ40を配置して圧送するようにしてもよい。
また、図9に示した燃料電池システム1A´では第1実施形態の変形例として、システム全体でのレイアウト性等の要因により、酸化剤冷却器32をエアポンプ31の上流側に配置している。このように配置しても、膜加湿器33に導入される乾燥ガスを加湿に適正な温度まで下げて供給することが可能である。
また、第3実施形態において、消音器50と酸化剤冷却器32とを通流管を介することなく隣接して配置、すなわち、酸化剤冷却器32の上部に消音器50を隣接して配置するようにしてもよい。
また、本実施形態では、希釈器35に水貯留部35sを設けた場合、また消音器50に水貯留部50sを設けた場合を例に挙げて説明したが、これに限定されるものではなく、専用の水貯留部を、カソード流路12の出口12bより下流側の酸化剤流路に設ける構成であってもよい。
1A〜1E,1A´ 燃料電池システム
10 燃料電池
31 エアポンプ(酸化剤ポンプ)
32 酸化剤冷却器
32a 貯水部
32b 管部
32c 膜部
32c1 中空糸膜(水透過膜)
32d ポッティング部材
33 膜加湿器
35 希釈器
35s 水貯留部
50 消音器
50s 水貯留部
b1〜b7 配管(酸化剤流路)
c1,c3 通流管
c2 オーバーフロー管

Claims (4)

  1. 燃料電池と、
    前記燃料電池のカソードに供給される酸化剤が通流する酸化剤流路と、
    前記燃料電池のカソードに酸化剤を供給する酸化剤ポンプと、
    前記燃料電池から排出される酸化剤オフガスで前記燃料電池に供給される酸化剤を加湿する膜加湿器と、
    を備えた燃料電池システムにおいて、
    前記酸化剤流路上に、前記膜加湿器の上流であって前記酸化剤ポンプの下流に水透過膜を用いた気化冷却式の酸化剤冷却器を備えることを特徴とする燃料電池システム。
  2. 前記燃料電池の排出流れ中の水を貯留する水貯留部を備え、
    前記水貯留部と前記酸化剤冷却器とは水の通流が可能となるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
  3. 前記水貯留部と前記酸化剤冷却器との間において水の通流を可能にする通流管を備え、
    前記通流管には、前記水貯留部に貯留された水を前記酸化剤冷却器に送る水ポンプが配置されていることを特徴とする請求項2に記載の燃料電池システム。
  4. 前記酸化剤冷却器の上流であって前記酸化剤ポンプの下流に冷却液との熱交換により酸化剤を冷却する熱交換器を備えることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の燃料電池システム。
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