JP2012088826A - 警報システム - Google Patents

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Abstract

【課題】信号の転送処理における消費電力を低減し、設定したタイミング通りに信号の転送を開始することのできる警報システムを得る。
【解決手段】複数の火災警報器100のうちの一台を親器とし、他の火災警報器100を子器として、複数の火災警報器100の間で信号を送受信する警報システム200において、子器の制御回路は、火災検出回路が異常を検出すると、信号を繰り返し送信する送信期間を含む所定の送信パターンにより、異常の発生を通知する連動信号を、送受信回路から他のすべての火災警報器100に対して送信させ、親器の制御回路は、子器から送信された連動信号を受信すると、連動信号に基づいて予め設定された複数の転送待機期間のうちのいずれかを選択し、選択した転送待機期間が経過すると、受信した連動信号を他のすべての子警報器に対して転送する。
【選択図】図1

Description

本発明は、複数の警報器の間で状態信号等の送受信を行う警報システムに関する。
室内等に発生した熱や煙等の異常を検知するとともに、他の監視区域に設置された警報器に対して異常検知情報を含む信号を送信する警報器を備えた警報システムが知られている。
このような警報システムとして、異常検出器を備えた無線送信器が異常検出情報を含む無線信号を送信し、この無線信号を無線中継器が中継するシステムがある。従来の警報システムでは、無線送信器が、「送信時間T1=3秒間に亘って送信動作状態となり、図3に示した遅延時間の設定により設定遅延時間経過後に斜線部で示す端末アドレス及び異常検出情報を含む無線信号を送信する。」という動作を行う。そして、無線中継器は、「無線送信器2aが送信時間T1内の最後に無線信号を送った時刻t2に至ると、無線中継器3は休止時間に入ったものと判断し、無線送信器2aの休止時間T2に等しい2秒間に亘って送信動作を行う。」という動作を行う(例えば、特許文献1参照)。
特許第3051462号公報(第4頁、図1、図6)
上記特許文献1の警報システムでは、無線中継器は、無線送信器が最後に無線信号を送った時刻に至ると無線送信器が休止時間に入ったものと判断し、自身の送信動作を開始している。このため、無線中継器は、無線送信器の送信休止を検出するまでの間、すなわち最初に無線信号を受信してから最後に無線信号を受信するまでの間、受信動作を継続する必要があり、電力消費量が増大していた。
さらに、無線中継器は、無線送信器が送信休止時間に入ると自身の動作を受信動作から送信動作に切り替えるが、受信動作から送信動作への切り替え時間が発生する。したがって、この切り替え時間により、本来無線中継器が信号を送信すべきタイミングと実際に信号を送信するタイミングとにずれが生じるおそれがあった。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、信号の転送処理における消費電力を低減し、設定したタイミング通りに信号の転送を開始することのできる警報システムを提供するものである。
本発明に係る警報システムは、設置環境の異常を検出する状態検出部と、信号を送受信する送受信部と、前記送受信部を制御する制御部とを有する複数の警報器を備え、前記複数の警報器のうちの一台を親警報器とし、他の警報器を子警報器として、前記複数の警報器の間で信号を送受信する警報システムにおいて、前記子警報器の前記制御部は、前記状態検出部が異常を検出すると、信号を繰り返し送信する送信期間を含む所定の送信パターンにより、異常の発生を通知する連動信号を、前記送受信部から他のすべての前記警報器に対して送信させ、前記親警報器の前記制御部は、前記子警報器から送信された前記連動信号を受信すると、前記連動信号に基づいて予め設定された複数の転送待機期間のうちのいずれかを選択し、選択した転送待機期間が経過すると、前記受信した連動信号を他のすべての子警報器に対して転送するものである。
本発明に係る警報システムの前記転送待機期間は、前記親警報器が前記連動信号を受信してから前記子警報器の前記所定の送信パターンが終了するまでの時間である第1の時間と、所定の第2の時間とを合わせた時間を有し、前記第2の時間は、前記子警報器が信号の送信開始前に行うキャリアセンスの時間よりも短いものである。
本発明に係る警報システムの前記連動信号には、前記送信期間内において固有のフレーム番号が付加されており、前記親警報器は、受信した前記連動信号のフレーム番号に応じて、前記予め設定された複数の転送待機期間のうちのいずれかを選択するものである。
本発明に係る警報システムの前記子警報器の前記制御部は、前記所定の送信パターンによる連動信号の送信が終了した後、所定時間内に前記親警報器から転送された前記連動信号を受信できない場合には、再度、前記所定の送信パターンにより、前記連動信号を、前記送受信部から他のすべての前記警報器に対して送信させるものである。
本発明に係る警報システムの前記所定の送信パターンは、前記送信期間と、前記連動信号の送信を休止させる送信休止期間とを、交互に繰り返し実行するものである。
本発明に係る警報システムの前記子警報器の制御部は、前記送信休止期間には、信号の受信処理を行わないものである。
本発明によれば、子警報器からの連動信号を受信した親警報器は、予め設定された転送待機期間の経過の後、前記連動信号を他の前記子警報器に対して転送する。このため、親警報器は、子警報器の連動信号の送信が終了するまで受信動作を続ける必要がないので消費電力を低減でき、また、予め設定したタイミング通りに連動信号の転送を開始できる。
本発明によれば、異常を検出した子警報器が連動信号の送信を終了してから親警報器が連動信号の転送を開始するまでの時間を、子警報器が信号送信前に行うキャリアセンスの時間より短くできる。このため、親警報器が連動信号の転送を開始する前に、他の子警報器が信号の送信を開始してしまうのを回避できる。
本発明によれば、親警報器は、受信した連動信号のフレーム番号に応じて転送待機期間を選択する。このため、子警報器からの連動信号を受信したタイミングに応じて、親警報器が連動信号の転送を開始するまでの転送待機期間を最適化することができる。
本発明によれば、子警報器は、親警報器から転送された連動信号が受信できない場合には、再度、連動信号を送信するので、他の警報器が連動信号を受信する確率を高めることができる。
本発明によれば、子警報器は、連動信号を繰り返し送信する送信期間と連動信号の送信を休止する送信休止期間とを交互に繰り返す送信パターンにより、連動信号を送信する。このため、子警報器が送信した連動信号を他の警報器が受信する確率を高めることができる。
本発明によれば、子警報器は、送信休止期間には信号の受信処理を行わないので、消費電力を低減できる。
実施の形態1に係る警報システムの構成図である。 実施の形態1に係る火災警報器の機能ブロック図である。 実施の形態1に係る火災警報器の送信動作を示すタイミングチャートである。 実施の形態1に係る火災警報器の受信動作を示すタイミングチャートである。 実施の形態1に係る子器が火災を検出した場合の連動信号の送受信動作を説明する図である。 図5の主要部を詳細に説明する図である。 図5に示す子器の連動信号送信処理の例を示すフローチャートである。 実施の形態1に係る親器の転送開始タイミングテーブルの図である。 図5に示す親器の連動信号送信処理の例を示すフローチャートである。 実施の形態1に係る親器が火災を検出した場合の連動信号の送受信動作を説明する図である。
実施の形態1.
以下、本実施の形態1では、電池で駆動されて無線通信を行う火災警報器からなる警報システムに本発明を適用した場合を例に説明する。
[警報システム及び火災警報器の構成]
図1は、本発明の実施の形態に係る警報システム200の構成を示す図である。警報システム200は、複数の火災警報器100で構成される。これらの各火災警報器100は、それぞれ火災を検出する機能を有するとともに、独自に警報する機能を有している。
後述するように、火災警報器100はいずれも同様に構成されており、動作設定部(図示せず)の設定により親器としても子器としても動作することができる。なお、各火災警報器100を区別して説明するために、火災警報器A、火災警報器B、火災警報器C、火災警報器Dと称する場合があり、本実施の形態1では、火災警報器Aが親器であって、火災警報器B〜Dが子器であるものとする。ここで、火災警報器A〜火災警報器Dは1つの同じグループに属している。また、図1において、各火災警報器100同士を結ぶ実線は、無線通信により互いに通信可能であることを示している。
図2は、本発明の実施の形態に係る火災警報器100の主要構成を示す機能ブロック図である。
図2において、火災警報器100は、制御回路1、電池2、電源回路3、電池電圧検出回路4、送受信回路5、アンテナ6、火災検出回路7、警報音制御回路8、表示灯回路9を備える。
電池2は、電源回路3に直流電源を供給する。電源回路3は、電池2の電圧を所定電圧に制御し、制御回路1、送受信回路5、火災検出回路7、警報音制御回路8、表示灯回路9に供給する。
電池電圧検出回路4は、電源回路3に印加される電池2の電圧を検出し、検出した電圧に応じた電池電圧検出信号を制御回路1に出力する。電池電圧検出回路4は、電池残量が低下したこと、又は、電池切れの閾値を超えたこと、を検出すると、制御回路1に信号を出力し、警報音制御回路8と表示灯回路9を駆動させるとともに、電池切れの状態情報を含む状態信号を送受信回路5より出力させる。
火災検出回路7は本発明の状態検出部に相当し、火災現象に基づく煙又は熱等の検知対象物の物理量又は物理的変化を検出して、検出内容に応じた信号を制御回路1に出力する。警報音制御回路8は、ブザー・スピーカ等による音声鳴動の動作を制御する回路である。表示灯回路9は、発光ダイオード等の表示灯の点灯動作を制御する回路である。
送受信回路5は、無線信号を送受信するためのアンテナ6に接続されており、送信回路51と受信回路52とを備える。受信回路52は、制御回路1により制御されて、所定周期で間欠受信動作を行ってアンテナ6から入力された無線信号を検出し、自己宛の信号の場合には受信処理を行う。そして、自己宛以外の信号の場合には受信処理を行わない。受信処理した信号は、制御回路1へ出力する。また、送信回路51は、制御回路1に制御されて、後述する状態信号や火災信号などの無線信号の送信処理を行う。
制御回路1は、火災検出回路7によって出力された信号に基づいて火災状態等を判別する機能を有する。また、火災状態であると判別した場合には、警報音制御回路8及び表示灯回路9を制御して音声及び表示灯によって警報を行う。また、送受信回路5が受信した信号に基づいて必要な処理を行うとともに、必要に応じて送受信回路5を制御して他の火災警報器に状態信号などの信号を送信する。
記憶素子11は、EEPROMなどの不揮発性メモリであり、制御回路1が実行するプログラムや各種データを格納している。また、後述する送信期間、送信休止期間、及び間欠受信間隔、転送確認期間J、転送待機期間K、ブロック間休止期間M、及び転送開始タイミングテーブルに関する設定データも格納しており、制御回路1はこれらのデータに従って送受信回路5の送受信動作の制御を行う。
[送受信動作]
次に、火災警報器100の送信動作と受信動作について説明する。図3は、実施の形態1に係る火災警報器100の送信動作を示すタイミングチャート、図4は、実施の形態1に係る火災警報器100の受信動作を示すタイミングチャートである。
(送信動作)
図3に示すように、後述する状態信号や連動信号等の信号を送信する場合には、制御回路1は送信回路51を制御して、信号を送信する送信期間と信号の送信を停止する送信休止期間とを交互に繰り返して実行させる。本実施の形態1では、標準規格RCR STD−30に準拠し、送信時間が3秒以下、かつ、送信休止時間が2秒以上となるように送信処理を行う。図3に示すように、例えば送信期間Tx1、送信休止期間ST1、送信期間Tx2、送信休止期間ST2、送信期間Tx3の順に3つの送信期間と2つの送信休止期間とを繰り返す。本実施の形態1ではこれらをまとめて送信1ブロックと称し、この1ブロックが本発明の「所定の送信パターン」に相当する。連動信号の送信や定期送信の動作にて状態信号等を送信する場合には、1ブロック単位で送信動作を行う。なお、本実施の形態では、送信期間Tx1、Tx2、Tx3においては受信回路52による受信処理を行わず、また、送信休止期間ST1、ST2においても、受信回路52による受信処理を行わない。
なお、火災警報器100は、各種信号を送信する前には所定時間に亘って間欠的にキャリアセンスを行うが、このキャリアセンスの間隔は、送信期間Tx1、Tx2、Tx3、送信休止期間ST1、ST2のそれぞれの時間以下の時間とする。このようにキャリアセンスの間隔を設定することで、他の火災警報器100が図3に示す送信パターンで信号を送信している場合には、キャリアセンスにてキャリアを検出できるので、信号の衝突を避けることができる。
(受信動作)
図4に示すように、制御回路1は、受信回路52を間欠受信間隔Ts毎に起動させ、間欠受信F1、F2、F3...を行う。そして、所定の無線信号が受信できるか否かをチェックし、当該無線信号が検出できた場合には受信処理を行う。当該無線信号が検出できなければ、受信回路52の動作を停止させる。このように、間欠受信間隔Ts毎に受信回路52を起動させ、その他の場合は停止状態としておくことで、受信回路52の消費電流量を大幅に低減することができる。さらに、間欠受信間隔を長くすると(例えば6秒以上)、消費電流の低減効果が大きくなる。
[定期送信動作]
上記のように構成された火災警報器100からなる警報システム200においては、各火災警報器100の状態を確認するため、火災監視(定常状態)中に、状態確認のための定期送信を行っている。
(親器の定期送信)
まず、親器(火災警報器A)が、子器に対して実施する定期送信について説明する。
親器は、所定時間G1毎に、自身が属するグループID、送信元を識別するための自己アドレス、及び自身の状態を含む情報を、状態信号としてグループ内のすべての子器(火災警報器B〜D)に対して一斉に送信する。
子器は、前述のように間欠受信を行っており、この間欠受信において自己宛の信号を受信している。子器は、この間欠受信において、親器からの定期送信を前回受信してから所定時間G2内に次の定期送信が受信できない場合には、電波異常が確定したと判断する。電波異常確定と判断した子器は、警報音制御回路8や表示灯回路9を制御して音声や表示灯によって、電波異常が発生したことをユーザに報知する。一方、所定時間G2内に親器からの定期送信が受信できれば、電波異常は発生しておらず正常であると判断する。なお、所定時間G2は、親器の定期送信周期である所定時間G1よりも長い時間であり、例えば、所定時間G1の約3倍とすることができる。
(子器の定期送信)
次に、子器が、親器に対して実施する定期送信について説明する。
子器は、所定時間G3毎に、自身が属するグループID、送信元を識別するための自己アドレス、及び自身の状態を含む情報を、状態信号として親器(火災警報器A)に対して送信する。なお、子器(火災警報器B〜D)のアドレスや製造番号等に基づいてランダムに発生させた遅延時間を所定時間G3に増減させ、各子器の定期送信タイミングをずらすようにしてもよい。このようにすることで、子器が同時に定期送信を行うことによる混信が発生する確率を低減することができる。
一方、親器は、前述のように間欠受信を行っており、この間欠受信において自己宛の信号を受信している。親器は、この間欠受信において、子器からの定期送信を前回受信してから所定時間G4内に次の定期送信が受信できない場合は、電波異常の発生が確定したと判断する。一方、所定時間G4内に子器からの定期送信が受信できれば、電波異常は発生しておらず正常であると判断する。親器は、自身のグループに登録されている子器(図1の例では火災警報器B〜D)の各々について、電波異常の有無を判断する。また、所定時間G4は、子器の定期送信周期である所定時間G3よりも長い時間であり、例えば、所定時間G3の約3倍とすることができる。
この定期送信において送信される状態信号には、送信元の火災警報器100の自己アドレスが含まれているので、定期送信を受信した火災警報器100は、どの火災警報器からの信号であるかを区別できる。また、定期送信において送信される親器及び子器(火災警報器A〜D)に関する状態情報の例としては、電池残量、火災検出回路7のセンサ状態(劣化、汚損等)、受信処理回数(規定以外の無線に対する処理の回数)などが挙げられる。また、グループに関する状態情報の例としては、異常が発生している子器のアドレスやグループID、無線通信が成立していない子器のアドレスやグループIDなどが挙げられる。
このように、親器は、所定時間G1毎に子器に対して定期送信を実施し、子器は、親器からの定期送信を前回受信してから所定時間G2内に次の定期送信を受信できたか否かにより、電波異常発生の有無を判断する。
また、子器は、所定時間G3毎に親器に対して定期送信を実施し、親器は、各子器からの定期送信を前回受信してから所定時間G4内に次の定期送信を受信できたか否かにより、電波異常発生の有無を判断する。
[火災検出時の動作]
次に、火災監視(定常状態)中に、警報システム200の監視領域において火災が発生した場合の動作概要を説明する。
親器である火災警報器Aが設置された環境で火災が発生すると、火災警報器Aは、火災検出回路7により火災を検出し、警報音制御回路8や表示灯回路9を制御して音声や表示灯によって警報を行う。また、送信回路51により、火災検知に関する情報を連動信号として他の子器(火災警報器B〜D)に同報送信する。そして、親器(火災警報器A)により送信された連動信号を受信した子器(火災警報器B〜D)は、警報音制御回路8や表示灯回路9を制御して音声や表示灯によって連動警報を行う。その後、親器(火災警報器A)が火災を検出しなくなると自己復旧して警報停止するとともに、他の子器(火災警報器B〜D)への連動信号の送信を停止する。そして、連動信号を受信しなくなった他の子器(火災警報器B〜D)も警報を停止する。
また、子器である火災警報器Bが設置された環境で火災が発生すると、火災警報器Bは火災検出回路7により火災を検出し、警報音制御回路8や表示灯回路9を制御して音声や表示灯によって警報を行うとともに、火災検知に関する情報を連動信号として親器(火災警報器A)と他の子器(火災警報器C、D)に同報送信する。そして、火災警報器Bにより送信された連動信号を受信した親器(火災警報器A)と他の子器(火災警報器C、D)は、警報音制御回路8や表示灯回路9を制御して音声や表示灯によって連動警報を行う。
さらに、子器である火災警報器Bにより発せられた連動信号を受信した親器(火災警報器A)は、すべての子器(火災警報器B、C、D)に連動信号を転送する。よって、各子器同士(火災警報器B〜D)が離れているために、火災警報器Bが送信した連動信号が火災警報器C、Dで受信されなくても、親器(火災警報器A)により転送された連動信号が火災警報器C、Dで受信される。その後、火災警報器Bが火災を検出しなくなると自己復旧して警報停止するとともに、親器(火災警報器A)と他の子器(火災警報器C、D)への連動信号の送信を停止する。そして、連動信号を受信しなくなった親器(火災警報器A)と子器(火災警報器C、D)も警報を停止する。このように、親器(火災警報器A)と子器(火災警報器B〜D)は、互いに連動して警報動作を行うことで、より確実に使用者に警報を伝えることができる。
[連動信号の送受信動作]
次に、火災警報器100が火災を検出した場合の連動信号の送信動作について、さらに説明する。
図5は、子器が火災を検出した場合の連動信号の送受信動作を説明する図である。また、図6は、図5の主要部を詳細に説明する図である。図6(a)〜(c)では、親器による連動信号の転送処理の具体例を示している。
まず、図5、図6について、子器の動作に着目して説明する。
火災を検出した子器は、所定間隔(例えば2秒)で3回の送信前キャリアセンス(図5に「CS」と示す)を実施する。このキャリアセンスにて、所定レベル以上のキャリアが検出されなければ、連動信号の送信処理を開始する。子器は、前述の通り、連動信号の送信を1ブロック行う。
例えば、1ブロックの送信処理では、送信期間Tx1=3秒、送信期間Tx2=2.5秒、送信期間Tx3=3秒、と設定し、Tx1とTx3はそれぞれ28フレームが含まれ、Tx2は24フレームが含まれるようにすることができる。この場合、送信フレームの各々は、例えば「80」〜「1」の番号で示される固有のフレームカウンタ値が付加される。
ただし、前述のような数値限定は必要でないため、図5、図6においては、送信期間Tx1は、az〜ayフレームから構成されるA1フレーム、送信期間Tx2は、ay-1〜axフレームから構成されるA2フレーム、送信期間Tx3は、ax-1〜a1フレームから構成されるA3フレームと示す。
1ブロックの送信が終了すると、子器の制御回路1は受信回路52を起動して、転送確認期間Jの間、親器からの転送信号の受信を試みる。転送確認期間Jでは、記憶素子11に格納された転送確認カウンタの回数分、受信動作を実行して、親器からの転送信号の有無を判断する。例えば、転送確認期間J中に、0.5秒間隔で5回の受信動作を行うことができる。
図5(a)に示すように、転送確認期間Jの間に親器からの転送信号を受信すると、子器は、連動信号の送信を終了し、間欠受信動作を再開する。
また、図5(b)に示すように、転送確認期間Jの間に親器からの転送信号を受信できない場合には、子器は、再び連動信号の送信(再送)を1ブロック行う。その後、間欠受信動作を再開する。
図7は、図5で示した子器の動作を実現するための、連動信号送信処理の例を示すフローチャートである。制御回路1は、定期的なタイマ割込が発生すると(S101;Yes)、無線送信処理中であるか否か判定する(S102)。無線送信処理中であれば(S102;Yes)、制御回路1は、連動信号の再送処理中であるか否か判定し(S103)、連動信号の再送処理中であれば(S103;Yes)、ステップS101へ戻る。また、連動信号の再送処理中でなければ(S103;No)、制御回路1は、転送確認期間Jにて受信処理を行う回数を示す転送確認カウンタに規定値(例えば5回)をセットし、ステップS101に戻る。
ステップS102で無線送信処理中でない場合には(S102;No)、制御回路1は、転送確認期間J中であるか判定し(S105)、転送確認期間J中であれば(S105;Yes)、受信回路52を起動して受信処理を行う(S106)。転送確認期間J中でなければ(S105;No)、送信回路51を停止状態にして送信処理を終了する(S108)。そして、親器からの転送信号を受信できれば(S107;Yes)、制御回路1は、送信回路51を停止状態にして送信処理を終了する(S108)。親器からの転送信号を受信できなければ(S107;No)、制御回路1は、転送確認カウンタが0か否か判定する(S109)。転送確認カウンタが0の場合、すなわち転送確認期間Jが終了した場合には(S109;Yes)、連動信号の再送処理を行う(S110)。ステップS109で転送確認カウンタが0でない場合、すなわち転送確認期間Jが終了していない場合には(S109;No)、制御回路1は、転送確認カウンタを1減算し(S111)、ステップS101に戻る。
次に、図5、図6について、親器の動作に着目して説明する。親器は、所定の間欠受信間隔で間欠受信動作を行っている。そして、この間欠受信動作にて、子器が送信した連動信号を受信すると、音声や表示灯によって火災警報を行うとともに、転送待機期間Kを経た後、連動信号の転送を開始する。
ここで、親器による連動信号の転送処理について図6を参照してさらに説明する。
親器は、間欠受信処理において子器からの連動信号を受信すると、受信した連動信号に含まれるフレームカウンタ値に基づいて、転送開始タイミング決定処理を行う。本実施の形態1では、図8に示す転送開始タイミングテーブルが記憶素子11に格納されている。転送開始タイミングテーブルは、連動信号のフレームカウンタ値と、転送開始タイミングとが対応付けられた一覧表である。親器は、連動信号を受信すると、転送開始タイミングテーブルを参照し、受信した連動信号に含まれるフレームカウンタ値に対応する転送開始タイミングを取得する。ここで、図8に示す転送開始タイミングは、転送待機期間Kの時間の長さである。親器は、子器からの連動信号を受信してから転送待機期間Kが経過すると、すなわち、転送開始タイミングが到来すると、連動信号の転送処理を開始する。
なお、転送開始タイミングテーブルの代わりに、受信した連動信号に含まれるフレームカウンタ値から所定の演算式によって転送開始タイミングを求めてもよい。
図6(a)は、親器の間欠受信処理において、フレームカウンタ値が「az」の連動信号を受信した例を示している。この場合、図8の転送開始タイミングテーブルを参照すると、転送開始タイミングは「13.5秒後」であるので、13.5秒間の転送待機期間Kの後、連動信号の転送を開始する。
また、図6(b)のようにフレームカウンタ値が「ay-3」の連動信号を受信した場合にも、転送開始タイミングは「8.5秒後」であるので、8.5秒間の転送待機期間Kの後、連動信号の転送を開始する。
また、図6(c)のようにフレームカウンタ値が「ax-3」の連動信号を受信した場合には、転送開始タイミングが「4.0秒後」であるので、4.0秒間の転送待機期間Kの後、連動信号の転送を開始する。
図8の転送開始タイミングテーブルには、転送開始タイミングとして、「連動信号を受信してから、1ブロックの連動信号の送信処理が終了するまでの時間」である待機時間L1(本発明の第1の時間)と、待機時間L2(本発明の第2の時間)とを加えた時間が設定されている。なお、処理上の誤差時間は本発明では無視できるため、システム全体へ影響を及ぼすことはない。
ここで、待機時間L2は、混信を防ぐために設けられた期間である。子器からの連動信号の送信処理が終了したと判断してから直ちに(時間を空けずに)、親器が連動信号の転送を開始すると、例えば、子器の動作誤差等の影響により、子器の連動信号の送信期間と親器の連動信号の転送期間とが重複してしまい、無線信号が混信するおそれがある。そこで、待機時間L2を設けることで、子器の連動信号の送信タイミングに誤差が生じた場合でも、子器の連動信号の送信と親器の連動信号の転送とが重複するのを抑制している。
なお、待機時間L2は、子器が無線信号を送信する前に行うキャリアセンスの間隔よりも短い時間とする。子器が無線信号を送信する前に行うキャリアセンスの間隔よりも長いと、親器が連動信号の転送を開始する前に他の子器が無線信号の送信を開始してしまって混信が生じるおそれがあるが、待機時間L2を子器のキャリアセンスの間隔より短くすることで、他の子器による無線信号の送信と親器の連動信号との転送が重複するのを抑制できる。また、待機時間L2が、火災を検出した子器の転送確認期間Jよりも長いと、子器は親器からの連動信号の転送が行われないと判断してしまうので、待機時間L2は、子器の転送確認期間Jよりも短い期間とする。
親器による連動信号の転送処理においては、図5に示すように、子器による連動信号の送信処理と同様に、送信期間Tx1、送信休止期間ST1、送信期間Tx2、送信休止期間ST2、送信期間Tx3からなる1ブロックの送信処理を行う。そして、連動信号の転送処理が終了すると、間欠受信動作を再開する。
図9は、図5、図6に示した親器の動作を実現するための、連動信号送信処理の例を示すフローチャートである。制御回路1は、定期的なタイマ割込が発生すると(S201;Yes)、転送待機期間K中であるか否か判定する(S202)。転送待機期間K中であれば(S202;Yes)、転送開始カウンタを1減算し(S203)、転送開始カウンタが0か否か判定する(S204)。転送開始カウンタが0の場合、すなわち転送待機期間Kが終了した場合には(S204;Yes)、連動信号の転送処理を行う(S205)。ステップS204で転送開始カウンタが0でない場合、すなわち転送待機期間Kが終了していない場合には(S204;No)、リターンする。
ステップS202で転送待機期間K中でない場合には(S202;No)、間欠受信タイミングであるか否か判定し、間欠受信タイミングでなければ(S206;No)、リターンする。ステップS206で間欠受信タイミングであれば(S206;Yes)、受信回路52を起動して受信処理を行う(S207)。受信処理にて子器からの連動信号を受信できた場合には(S208;Yes)、受信した連動信号に含まれるフレームカウンタ値と、記憶素子11に格納された転送開始タイミングテーブルに基づいて転送開始タイミングを決定し、転送開始までのカウンタをセットする(S209)。受信処理にて子器からの連動信号を受信できない場合には(S208;No)、リターンする。
次に、親器が火災を検出した場合の連動信号の送受信動作を説明する。
図10は、親器が火災を検出した場合の連動信号の送受信動作を説明する図である。火災を検出した親器は、所定間隔(例えば2秒)で3回の送信前キャリアセンス(図10に「CS」と示す)を実施する。このキャリアセンスにて、所定レベル以上のキャリアが検出されなければ、連動信号の送信処理を開始する。具体的には、まず、連動信号の送信を1ブロック行い、次に、例えば2秒間のブロック間休止期間Mを置き、その後、再び連動信号の送信を1ブロック行う。このように、親器は火災を検出すると、連動信号の送信を合計2ブロック行う。親器が火災を検出した場合には連動信号の転送は行われないので、親器が連動信号の送信を2ブロック行うことで、他の子器が連動信号を受信する確率を高めている。親器が2ブロック目の送信前キャリアセンスを実施してもよい。
一方、子器は、前述のようにそれぞれの間欠受信間隔で間欠受信動作を行っている。そして、この間欠受信動作にて連動信号を受信すると、音声や表示灯によって火災警報を行う。
このように、本実施の形態1によれば、子器からの連動信号を受信した親器は、予め設定された転送待機期間Kの経過の後、前記連動信号を他の警報器に対して転送する。このため、親器は、子器の連動信号の送信が終了するまで受信動作を続ける必要がないので、消費電力を低減できる。また、親器は、子器からの連動信号を受信後、予め設定されたタイミング通りに連動信号の送信を開始できる。
また、本実施の形態1では、子器の連動信号の送信期間が終了してから親器が連動信号の転送を開始するまでの待機時間L2は、子器のキャリアセンスの時間よりも短い。このため、異常を検出した子器が連動信号の送信を終了した後、他の子器が信号の送信を開始する前に、親器は連動信号の転送を開始することができる。したがって、親器による連動信号の転送と、他の子器による信号の送信とが重複し、両信号が混信するのを回避できる。
また、本実施の形態1では、親器は、受信した連動信号のフレーム番号に応じて転送待機期間Kを選択する。このため、子器からの連動信号を受信したタイミングに応じて、親器が連動信号の転送を開始するまでの転送待機期間Kを最適化することができる。したがって、子器が連動信号を送信してから親器が連動信号の転送を開始するまでの遅延時間をより短縮することができる。
また、本実施の形態1では、子器は、親器から転送された連動信号が受信できない場合には、再度、連動信号を送信する。このため、何らかの理由により親器が連動信号を転送できない場合でも、他の子器が、火災を検出した子器からの連動信号を受信する確率を高めることができる。
また、本実施の形態1では、親器及び子器は、連動信号を送信する送信期間と連動信号の送信を休止する送信休止期間とを交互に繰り返す送信パターンにより連動信号を送信する。このため、間欠受信動作を行っている他の火災警報器100が、連動信号を受信する確率を高めることができる。
また、本実施の形態1では、送信休止期間中には受信動作を行わないので、消費電力を低減できる。また、キャリアセンスの間隔は送信期間及び送信休止期間のそれぞれの時間以下であるので、一旦ある火災警報器100が所定の送信パターンでの信号送信を開始すると、他の火災警報器100は信号送信を行わない。このため、所定の送信パターンで信号を送信している火災警報器100が送信休止期間中に受信動作を行わなくともよい。
なお、上記説明では、電池で駆動されて無線通信を行う火災警報器に本発明を適用した場合を例に説明したが、火災警報器の電源の供給方法や通信方式を限定するものではなく、また、火災警報器以外に異常検出用などの警報器に適用することも可能である。また、自動火災報知システムの受信機と感知器に用いてもよい。
1 制御回路、2 電池、3 電源回路、4 電池電圧検出回路、5 送受信回路、6 アンテナ、7 火災検出回路、8 警報音制御回路、9 表示灯回路、11 記憶素子、51 送信回路、52 受信回路、100 火災警報器、200 警報システム、J 転送確認期間、K 転送待機期間、L1 待機時間、L2 待機時間、M ブロック間休止期間。

Claims (6)

  1. 設置環境の異常を検出する状態検出部と、信号を送受信する送受信部と、前記送受信部を制御する制御部とを有する複数の警報器を備え、
    前記複数の警報器のうちの一台を親警報器とし、他の警報器を子警報器として、前記複数の警報器の間で信号を送受信する警報システムにおいて、
    前記子警報器の前記制御部は、前記状態検出部が異常を検出すると、信号を繰り返し送信する送信期間を含む所定の送信パターンにより、異常の発生を通知する連動信号を、前記送受信部から他のすべての前記警報器に対して送信させ、
    前記親警報器の前記制御部は、前記子警報器から送信された前記連動信号を受信すると、前記連動信号に基づいて予め設定された複数の転送待機期間のうちのいずれかを選択し、選択した転送待機期間が経過すると、前記受信した連動信号を他のすべての子警報器に対して転送する
    ことを特徴とする警報システム。
  2. 前記転送待機期間は、前記親警報器が前記連動信号を受信してから前記子警報器の前記所定の送信パターンが終了するまでの時間である第1の時間と、所定の第2の時間とを合わせた時間を有し、
    前記第2の時間は、前記子警報器が信号の送信開始前に行うキャリアセンスの時間よりも短い
    ことを特徴とする請求項1記載の警報システム。
  3. 前記連動信号には、前記送信期間内において固有のフレーム番号が付加されており、
    前記親警報器は、受信した前記連動信号のフレーム番号に応じて、前記予め設定された複数の転送待機期間のうちのいずれかを選択する
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の警報システム。
  4. 前記子警報器の前記制御部は、前記所定の送信パターンによる連動信号の送信が終了した後、所定時間内に前記親警報器から転送された前記連動信号を受信できない場合には、再度、前記所定の送信パターンにより、前記連動信号を、前記送受信部から他のすべての前記警報器に対して送信させる
    ことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の警報システム。
  5. 前記所定の送信パターンは、前記送信期間と、前記連動信号の送信を休止させる送信休止期間とを、交互に繰り返し実行するものである
    ことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の警報システム。
  6. 前記子警報器の制御部は、前記送信休止期間には、信号の受信処理を行わない
    ことを特徴とする請求項5記載の警報システム。
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