JP2012087525A - 排水構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】外観に優れ且つ排水筒を容易に接続することができ、しかも洗面ボウルと排水筒の間から水が漏れ出して周囲に滴下することを防止できる排水構造を提供する。
【解決手段】合成樹脂製の洗面ボウル1に排水孔3の周囲から下方に突出してこの突出部8の外周面に雄ねじ部9が形成された雄ねじ筒4がインサート成形により設けられる。合成樹脂製の排水筒10は、縦筒部25と、縦筒部25の上端よりも下方位置の外周に亙って形成されたフランジ部26と、フランジ部26の外周縁から上方に突出してその内周面に雌ねじ部27が形成された雌ねじ筒部28とを有する。排水筒10の雌ねじ部9が雄ねじ筒4の雄ねじ部9に螺合される。排水筒10の縦筒部25の上端部が雄ねじ筒4内に嵌め込まれると共に洗面ボウル1の排水孔3の周縁部の下方に配置される。
【選択図】図1

Description

本発明は洗面ボウルの排水構造に関する。
従来の洗面ボウルの排水構造としては、特許文献1(第2図)に示されるものがある。この排水構造では、洗面ボウルの底部に形成された排水孔に排水筒を連通接続するにあたって、排水筒の上端部に形成された鍔部を排水孔の周縁部上面に引っ掛けている。このため、排水筒の鍔部の外周縁と洗面ボウルの底部との間に溜まったゴミが洗面ボウルの内面側に露出し、見栄えが良くない。
また、特許文献1の第1図には他の排水構造が開示されている。この排水構造では、排水孔の内周面下部に上方部よりも大径の孔部が形成され、洗面ボウルの底部に設けられたインサートナットの雌ねじ部で前記孔部の内周面の一部が構成されている。そして、排水筒の上端部に形成された雄ねじ部が前記インサートナットの雌ねじ部に螺合されている。この排水構造では、排水筒の上端部の上方に洗面ボウルにおける前記孔部の上方部が配置されるので、排水筒の上端面と前記孔部の上底面との間に溜まったゴミが洗面ボウルの内面側から見え難く、見栄えが良い。また、排水筒をインサートナットにねじ込むだけで洗面ボウルに容易に接続することができるという利点もある。
しかし、一般的には、洗面ボウルには合成樹脂製や陶器製のものが用いられ、排水筒には金属製のものが用いられる。このため、特許文献1の第1図や第2図に示される排水構造では洗面ボウルと排水筒の質感が異なり、外観が優れない。また、特許文献1の第1図に示される排水構造では、インサートナットと排水筒の間から水が漏れ出し、この水が周囲に滴下する恐れもある。
特開2000−336723号公報
本発明は前記事情に鑑みてなされたものであって、外観に優れ且つ排水筒を容易に接続することができ、しかも洗面ボウルと排水筒の間から水が漏れ出して周囲に滴下することを防止できる排水構造を提供することを課題とする。
前記課題を解決するために本発明の排水構造は、底部に排水孔が形成された合成樹脂製の洗面ボウルと、この洗面ボウルの排水孔に連通する合成樹脂製の排水筒を備え、前記洗面ボウルに前記排水孔の周囲から下方に突出してこの突出部の外周面に雄ねじ部が形成された雄ねじ筒がインサート成形により設けられ、前記排水筒は、縦筒部と、この縦筒部の上端よりも下方位置の外周に亙って形成されたフランジ部と、このフランジ部の外周縁から上方に突出してその内周面に雌ねじ部が形成された雌ねじ筒部とを有し、前記排水筒の雌ねじ部が前記雄ねじ筒の雄ねじ部に螺合され、前記排水筒の縦筒部の上端部が前記雄ねじ筒内に嵌め込まれると共に前記洗面ボウルの排水孔の周縁部の下方に配置されたことを特徴とする。
また、前記雄ねじ筒とこの下方に配置されるフランジ部の間にパッキンが挟みこまれることが好ましい。
また、前記縦筒部の上端面が前記洗面ボウルの排水孔の周縁部下面に接し、前記排水孔の内周面と前記縦筒部の内周面が面一とされることが好ましい。
本発明にあっては、外観に優れ且つ排水筒を容易に接続することができ、しかも洗面ボウルと排水筒の間から水が漏れ出して周囲に滴下することを防止できる。
本発明の実施形態の排水構造を示す断面図である。 洗面ボウルの金型装置の要部を示す断面図である。
以下、本発明を添付図面に基づいて説明する。図1は本実施形態の洗面ボウル1の排水構造を示す断面図である。
洗面ボウル1は注型成形品からなり、合成樹脂製である。洗面ボウル1の底部には下方に突出する円筒状の排水口部2が一体に形成され、この排水口部2の内側が洗面ボウル1内の水を排出するための排水孔3となっている。すなわち、本実施形態では洗面ボウル1の底部から突出した排水口部2によって排水孔3の周縁部が構成されている。
排水口部2は下方程漸次径が小さくなるベルマウス形状に形成され、排水口部2の内周面は滑らかに連続した湾曲面となっている。
洗面ボウル1の排水口部2には上下に開口する円筒状の雄ねじ筒4がインサート成形により洗面ボウル1と一体的に設けられている。
雄ねじ筒4は洗面ボウル1や後述の排水筒10よりも高強度の材料(例えばステンレス等の金属)からなる。雄ねじ筒4の上端部は排水口部2に埋め込まれる埋込部5を構成する。埋込部5は外周面及び内周面に凹所6が形成されて、排水口部2から下方に抜け難い断面T字状に形成されている。
雄ねじ筒4の埋込部5よりも下方に位置する部分は排水口部2の下縁部から下方に突出する突出部8となり、突出部8の外周面には雄ねじ部9が形成されている。
図2は洗面ボウル1を成形する金型装置11の要部断面図である。金型装置11は、上型12と上型12に対して上下動可能な下型13を備えている。
上型12の下面及び下型13の上面において排水口部2に対応する箇所には突状部14及び凹部15が夫々形成されている。
凹部15は平面視円形に形成されている。凹部15の底部中央には上方に突出する円柱状の軸部16が形成され、軸部16の周囲には平面視円環状の嵌込溝部17が形成されている。嵌込溝部17の底部外周端部には上方に突出する突起19が周方向に複数形成されている。
嵌込溝部17には上端が軸部16の上端と同レベルに位置するよう円筒状の入れ子18が上方から嵌め込まれている。入れ子18の下面外周端部には溝20が周方向に複数形成され、各溝20に下型13の対応する突起19を嵌め込むことにより、入れ子18の下型13に対する回動が規制されている。
円筒状の入れ子18の内側に形成された孔部21の上端部は下方部よりも孔径が大きい大径孔部23となり、大径孔部23の内周面には雌ねじ22が形成されている。大径孔部23には雄ねじ筒4が雄ねじ部9を雌ねじ22に螺合した状態で収納されている。この雄ねじ筒4の内周面は入れ子18の大径孔部23よりも下方の孔部21の内周面と面一となっている。また、雄ねじ筒4は埋込部5のみが入れ子18の上端面よりも上方に突出している。
上型12及び下型13を型締めした状態では、図2のように下型13の軸部16の上端面中央に突状部14の下端面が当てられる。この型締め状態では、上型の突状部14、上型12の凹部15、入れ子18、及び雄ねじ筒4で排水口部2用のキャビティ部24が形成され、このキャビティ部24に雄ねじ筒4の埋込部5が突出する。そして、この型締め状態において、上型12及び下型13によって形成される、前記キャビティ部24を含むキャビティに成形材料が注入されることで、排水口部2に雄ねじ筒4の埋込部5をインサートした洗面ボウル1が成形される。
成形後は上型12及び下型13の型開きがなされて、雄ねじ筒4が一体的に設けられた洗面ボウル1が入れ子18と共に取り出される。そして、入れ子18を雄ねじ筒4に対して回転して雌ねじ22を雄ねじ部9に対して緩めることで、入れ子18が雄ねじ筒4から取り外される。
このように洗面ボウル1にインサート成形された雄ねじ筒4には、図1に示されるように排水孔3に供給された水を排出するための排水筒10が接続される。
排水筒10は図示しない排水弁やヘアキャッチャーが設けられて排水栓として利用される。排水筒10は合成樹脂製であって、排水孔3に連通する円筒状の縦筒部25を有している。縦筒部25の内径は排水孔3の下端開口径と同一である。また、排水筒10は、縦筒部25の上端よりも下方位置の外周に亙って形成されたフランジ部26と、フランジ部26の外周縁部から上方に突出してその内周面に雌ねじ部27が形成された円筒状の雌ねじ筒部28とを有している。なお、縦筒部25は同心の雌ねじ筒部28よりも上方に突出している。
排水筒10を洗面ボウル1に設けられた雄ねじ筒4に接続するには、排水筒10の雌ねじ部27を雄ねじ筒4の雄ねじ部9に螺合すると共に、縦筒部25のフランジ部26よりも上方に突出した上端部を雄ねじ筒4内に嵌め込んで排水口部2の下方に配置する。こここで、排水筒10の雌ねじ部27には、縦筒部25の上端面が排水口部2の周縁部下面に当接するまで雄ねじ部9がねじ込まれる。
このように排水筒10が雄ねじ筒4に接続されると、縦筒部25の内周面が排水口部2の内周面と面一に連続して、縦筒部25が排水孔3に連通する。また、排水筒10のフランジ部26の上面と雄ねじ筒4の下端面との間、及び縦筒部25の上端部外周面と雄ねじ筒4の内周面の間には、パッキン29,30の夫々が挟み込まれてシールされる。なお、パッキン29,30は、排水筒10を雄ねじ筒4に接続する際、排水筒10及び雄ねじ筒4のいずれに取り付けられていてもよいものとする。
上記排水筒10の下流側には図示しない排水管が接続され、しかして洗面ボウル1から排水孔3を介して縦筒部25に流入した水を前記排水管を介して外部に排出することが可能になる。
以上説明した本実施形態の排水構造では、排水筒10の雌ねじ部27を雄ねじ筒4の雄ねじ部9に螺合するだけで、排水筒10を洗面ボウル1の排水孔3に連通接続させることができる。また、排水筒10の縦筒部25の上端部が洗面ボウル1の排水孔3の周縁部の下方に配置されるので、縦筒部25と洗面ボウル1の排水孔3の周縁部との間にゴミ等が溜まったとしても目立ち難く、見栄えが良い。
また、洗面ボウル1と排水筒10が共に合成樹脂製であるため、排水孔3の内周面部と洗面ボウル1の排水孔3周縁部の下方に配置される縦筒部25とが同様の質感となって外観が向上する。また、仮に排水筒10の縦筒部25の上端面と排水孔3周縁部の間から水が漏れ出したとしても、これをフランジ部26で受けて周囲に滴下することを防止できる。
また、本実施形態の排水構造では、雄ねじ筒4とこの下方に配置されるフランジ部26の間にパッキン30が挟み込まれる。このため仮に排水筒10の縦筒部25の上端面と排水孔3周縁部の間から漏れだした水がフランジ部26側に流れ込んだとしても、この水が外部に漏れ出すことをパッキン30により防止することができる。
また、本実施形態の排水構造では、縦筒部25の上端面が洗面ボウル1の排水孔3の周縁部下面に接し、排水孔3の内周面と縦筒部25の内周面が面一とされる。このため排水孔3の内周面部と縦筒部25の内周面とを連続的な面にして、より一層優れた外観となる。
なお、本実施形態では、排水孔3の内周面と縦筒部25の内周面を面一にしたが、これに限定されるものではなく、縦筒部25の内径を排水孔3の下端開口径よりも大きくして、縦筒部25を排水孔3よりも外側に配置しても構わない。また、洗面ボウル1の底部から突出した排水口部2の内側を排水孔3としたが、洗面ボウル1の平坦な底部に排水孔3を形成してもよいものとする。
1 洗面ボウル
3 排水孔
4 雄ねじ筒
8 突出部
9 雄ねじ部
10 排水筒
25 縦筒部
26 フランジ部
27 雌ねじ部
28 雌ねじ筒部

Claims (3)

  1. 底部に排水孔が形成された合成樹脂製の洗面ボウルと、この洗面ボウルの排水孔に連通する合成樹脂製の排水筒を備え、前記洗面ボウルに前記排水孔の周囲から下方に突出してこの突出部の外周面に雄ねじ部が形成された雄ねじ筒がインサート成形により設けられ、前記排水筒は、縦筒部と、この縦筒部の上端よりも下方位置の外周に亙って形成されたフランジ部と、このフランジ部の外周縁から上方に突出してその内周面に雌ねじ部が形成された雌ねじ筒部とを有し、前記排水筒の雌ねじ部が前記雄ねじ筒の雄ねじ部に螺合され、前記排水筒の縦筒部の上端部が前記雄ねじ筒内に嵌め込まれると共に前記洗面ボウルの排水孔の周縁部の下方に配置されたことを特徴とする排水構造。
  2. 前記雄ねじ筒とこの下方に配置されるフランジ部の間にパッキンが挟みこまれたことを特徴とする請求項1に記載の排水構造。
  3. 前記縦筒部の上端面が前記洗面ボウルの排水孔の周縁部下面に接し、前記排水孔の内周面と前記縦筒部の内周面が面一とされたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の排水構造。
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