JP2012086346A - 工作機械の振動抑制装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】加工中にびびり振動が発生し、回転速度の変更によってびびり振動の発生が抑制された場合(S1〜S8)、演算装置は、S9で変更の前後の回転速度を対にして記憶装置に記憶する。そして、新たな加工を行う場合、S1で回転速度を入力すると、NC装置は、S2で、入力された回転速度が記憶装置にあるか否か、すなわち記憶されている対の回転速度のうち、変更前の回転速度と同じか否かを判別する。ここで、入力された回転速度が前回の変更前の回転速度と同じ場合、S11で、これと対になっている変更後の回転速度で主軸を回転させる。
【選択図】図2
Description
一般的には、これらのびびり振動を区別することなく作業者が加工音を基に経験的に最適な加工条件の探索を行うが、特許文献1に記載されているように、被加工物のびびり振動が再生型びびり振動か強制びびりかを判断して、それぞれに適した振動抑制処置を自動的に行う技術も考案されている。また、先願である特願2009−219454に記載されているように、測定した振動を随時解析してその解析結果をリアルタイムで表示することで、その状態での振動特性に対して回転速度を変更して安定化を図る発明も提供されている。
一方、先願発明の方法では、びびり振動を分析しながらびびり振動を回避する方法であるため、加工を終了して再加工を行う場合には、びびり振動が発生してから改めて安定回転速度を算出することになる。そのため、加工を開始するたびに加工面にびびりマークが残ってしまうという問題がある。
請求項2に記載の発明は、請求項1の構成において、回転速度変更手段は、回転軸の回転速度の変更を10%以下のオーバーライドで行うことを特徴とするものである。
請求項2に記載の発明によれば、請求項1の効果に加えて、回転速度の微小な調整を簡易に行うことができる。
図1は、工作機械の一例である立形マシニングセンタ及び立形マシニングセンタに設けられる振動抑制装置10を概略で示した構成図である。
まず、立形マシニングセンタ1は、上方に設けた主軸頭2にC軸回りで回転自在な回転軸としての主軸3を設け、その主軸3に取り付けた工具4によって、下方の加工テーブル5上にセットされたワーク6を加工する周知の構成で、NC装置12が、NCプログラムに従って主軸3の回転を制御すると共に、図示しない自動工具交換装置によって工具4を自動交換可能となっている。
制御装置11は、機械動作を制御する回転速度変更手段及び回転速度置換手段としてのNC装置12と、振動センサ7から検出される時間領域の振動加速度をもとにしたフーリエ解析を行う振動検出手段及び履歴制御手段としての演算装置13と、演算装置13で演算された演算値やびびり振動の抑制履歴等を記憶する記憶装置14と、演算装置13にて演算された結果、もしくはその結果を基にした計算結果を表示する表示装置15と、NC装置12にオペレータが入力操作する操作装置16とを備えている。
まず、S1で操作装置16から任意の回転速度を入力して加工開始を指示すると、S2で、入力された回転速度が記憶装置14にあるか否か、すなわち記憶されている対の回転速度のうちの変更前のものか否かを判別する。初回の加工の場合、この記憶はないので、S3で、入力された回転速度で主軸3を回転させて加工を開始する。
加工中には、振動センサ7から得られる加工中の振動を監視して、演算装置13で周波数領域の加速度に変換し、S4で、得られた最大加速度の値を予め設定した閾値と比較する。この判別で最大加速度が閾値を越えた場合には、びびり振動が発生したと判断して、S5でそのときの回転速度とびびり周波数とを記憶装置14に記憶し、S6で、回転速度と振動状態とを関連付けた結果を演算してその演算結果を表示装置15に表示する。
または、図4に示すように、各回転速度における振動加速度を、横軸を回転速度、縦軸を振動加速度として関連付けてマーカー23として表示することもできる。このとき、縦軸に示す振動加速度は時間波形のピーク値、もしくは、周波数解析を行った波形のピーク値とする。
または、図6に示すような角度位置検出器40を用いても、オーバーライド調整ツマミ41の角度に割り当てられた割合(一目盛りで1%変更、右回転で増加、左回転で減少)を現在の回転速度に掛け合わせて現在の回転速度を変更することができる。
但し、パルス信号発生器30や角度位置検出器40、操作ボタン18等によって回転速度の変更を行う場合、回転速度の変更倍率を10%以下の主軸オーバーライドで行うのが望ましい。このように±10%以下にすれば、回転速度の微小な調整を簡易に行うことができる。
一方、S8の判別でびびり振動が発生していないと判断されたら、演算装置13は、S9で、変更の前後の回転速度を対にして記憶装置14に記憶する。S10の判別で加工が終了していなければ、S4からの処理を継続する。
その他、工作機械としては立形マシニングセンタに限らず、回転軸に装着したワークを回転させて加工を行うNC旋盤等の他の工作機械であっても本発明は適用可能である。
Claims (2)
- 工具又はワークを回転させる回転軸を備えた工作機械において、前記回転軸の回転に伴って発生するびびり振動を抑制するための振動抑制装置であって、
びびり振動の発生を検出する振動検出手段と、
前記回転軸の回転速度を変更する回転速度変更手段と、
前記回転速度変更手段による変更後の前記回転速度において前記振動検出手段が前記びびり振動の発生を検出しない場合、変更の前後に係る前記回転速度を対にして記憶装置に記憶させる履歴制御手段と、
次回の加工の際に指令された前記回転速度が前記履歴制御手段によって前記記憶装置に記憶された変更前の前記回転速度と同じ場合、当該回転速度に代えてそれと対になる変更後の前記回転速度で前記回転軸を回転させる回転速度置換手段と、
を備えたことを特徴とする工作機械の振動抑制装置。 - 前記回転速度変更手段は、前記回転軸の回転速度の変更を10%以下のオーバーライドで行うことを特徴とする請求項1に記載の工作機械の振動抑制装置。
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