JP2012085731A - オープンファスナーの連結用具 - Google Patents

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Abstract

【課題】2つのストリンガーを第1及び第2の部材を介して相互に連結することと第1及び第2の部材に形成された第1のエレメントが噛合し易い状態に置くという位置決めとを同時に行うにあたり、引き上げられるスライダーに第1の部材を有するストリンガーが連動するのも防止することも可能としたオープンファスナーの連結用具を提供する。
【解決手段】オープンファスナーの連結用具1は、ストリンガー2の厚み方向に変位する係止部15及びこの係止部15を操作する操作部16を下止部材10に設け、係止部15と係合可能な窪み41を有するホルダー部47を備えた箱体部26を下止部材11に設けて、下止部材10を把持した状態からスライダー7の引き手7bを把持した状態に持ち替える動作を行なっても、スライダー7を引き上げるときに、下止部材10を有するストリンガー3がスライダー7に連動するのを防止した連動防止手段を備えたものとする。
【選択図】図5

Description

この発明は、オープンファスナーの長手方向の一方端側に有る下止部材同士を連結するための操作を確実且つ簡便にするための連結用具の構造に関するものである。
この種のブルゾン等に使用されるオープンファスナーの連結用具としては、本願出願人が開発したオープンファスナーの連結用具に係る発明が既に公知になっている(特許文献1及び特許文献2)。
このうち、特許文献1に示されるオープンファスナーの連結用具と特許文献2に示されるオープンファスナーの連結用具とは、第1の下止部材と第2の下止部材との位置決めと、当該第1の下止部材と第2の下止部材との連結とを同時に行うことを可能とした構成となっている。
更に、特許文献2に示されるオープンファスナーの連結用具では、スライダーの引上げ動作のスタート性の良好さを確保し、連結用具による連結をより確実、堅固として、挿入部が不用意に抜けるのを防止することを目的とした構成にもなっている。
一方で、特許文献3に示されるように、他者が開発したスライドファスナー用開き具も公知になっている。このスライドファスナー用開き具は、かかる特許文献3の記載によれば、スライダーを保持部に挿通し、枢軸差込部に当接して固定した後に、スライダーの表裏のフランジ間から噛合相手のファスナーストリンガーを挿入した後、スライダーを噛合方向へ摺動させる操作のときに、片方の手のみだけが使える場合には嵌込板を把持することができないことから、その状態で片手によりスライダーを摺動させようとすると、スライダーの始動時に、スライダーと一緒に嵌込板を備えたファスナーストリンガーが滑動してしまい、左右のファスナーエレメント同士が噛み合わず、最初から左右のファスナーストリンガーの閉鎖操作をやり直す必要があるという問題に対応すべく考えられたものとされている。
特開2007−185527号公報 特開2008−284228号公報 WO2009/153885A1号公報
ここで、特許文献1及び特許文献2に記載のオープンファスナーの連結用具の構造では、エレメント等の連絡用具の構造、寸法精度、位置精度によっては、スライダーを上止部材側に引き上げる際に対峙するエレメント同士の円滑な噛み合わせが行われず、スライダーが第1の下止部材を有するストリンガーのエレメントを引っ掛けたまま引き上げられることにより、第1の下止部材を有するストリンガーがスライダーに連動してしまうという不具合が考えられる。
一方で、特許文献3に記載のスライドファスナー用開き具では、第2の下止部材の枢支体の窪みに第1の下止部材の枢軸を係合させて、第1の下止部材について枢軸を中心として第2の下止部材側に回転させて、双方の下止部材のエレメント同士について噛み合い易い状態に置くという位置決めを行う手法を採るところ、第1の下止部材の第2の下止部材への係合と第1の下止部材の回転という2つの手順を必要とし、しかもスライダーを引き上げる前に第1の下止部材を支える手を離したら、第1の下止部材が第2の下止部材から離れる方向に回転してしまうことも十分に考えられる。更には、スライドファスナーの連結時に造作が乱暴か又は指の震え等がある場合には、第1の下止部材の枢軸が第2の下止部材の枢支体の窪みに対する適宜な係合位置から枢軸の軸方向にずれてしまい、エレメント同士の噛み合いが上手くいかないことも考えられる。
そこで、本発明は、2つのストリンガーを第1及び第2の部材を介して確実に連結させるという手順とこれらのストリンガーが第1及び第2の部材側に有する第1のエレメントが噛み合い易い状態に置くという位置決めとを同時に行い、しかも引き上げられるスライダーに第1の部材を有するストリンガーが連動してしまう不具合の防止も同時に図ったオープンファスナーの連結用具を提供することを目的とする。
請求項1に記載のオープンファスナーの連結用具は、オープンファスナーを構成する2つのストリンガーのうちの一方のストリンガーの長手方向の端部には第1の部材を有し、前記2つのストリンガーのうちの他方のストリンガーの長手方向の端部には第2の部材を有し、前記第1の部材及び前記第2の部材は、スライダーに挿入される差込部を有すると共に、前記第1の部材は、前記差込部の前記一方のストリンガーの長手方向の端側に、当該一方のストリンガーの厚み方向に突出した係合突起部と隆起部とを備え、前記第2の部材は、前記第1の部材の差込部及び前記係合突起部を挿入することが可能であると共に前記他方のストリンガーの長手方向側には下壁部が形成された挿入孔を有する箱体部を前記差込部よりも当該他方のストリンガーの長手方向の端側に備えるオープンファスナーの連結用具において、前記箱体部の挿入孔の内面に、前記係合突起部と係合可能な係合溝が形成され、前記第1の部材の差込部を前記挿入孔に挿入して、前記係合突起部が前記係合溝のうち前記挿入孔の挿入方向に対して奥側の側縁に当接するように、前記係合突起部を前記係合溝に係合させた際には、前記第1の部材と前記第2の部材とは、当該第1及び第2の部材に形成された第1のエレメントが前記スライダーの柱部を挟んで対峙して前記スライダーの引き上げで前記エレメント同士が噛み合うことが可能な位置にて、相互に連結されると共に、前記一方のストリンガーの厚み方向に可動する係止部及びこの係止部を操作する操作部を前記第1の部材に設け、前記係止部と係合可能な係合受け部を前記第2の部材に設けることにより、前記第1の部材の操作部を把持した状態から前記スライダーを把持した状態に変更して前記スライダーを引き上げるときに、前記第1の部材を有する前記一方のストリンガーが前記スライダーに連動するのを防止したことを特徴としている。
請求項2に記載のオープンファスナーの連結用具は、オープンファスナーを構成する2つのストリンガーのうちの一方のストリンガーの長手方向の端部には第1の部材を有し、前記2つのストリンガーのうちの他方のストリンガーの長手方向の端部には第2の部材を有し、前記第1の部材及び前記第2の部材は、スライダーに挿入される差込部を有すると共に、前記第1の部材は、前記差込部の前記一方のストリンガーの長手方向の端側に、当該一方のストリンガーの厚み方向に突出した係合突起部と隆起部とを備え、前記第2の部材は、前記第1の部材の差込部及び前記係合突起部を挿入することが可能であると共に前記他方のストリンガーの長手方向側には下壁部が形成された挿入孔を有する箱体部を前記差込部よりも当該他方のストリンガーの長手方向の端側に備えるオープンファスナーの連結用具において、前記箱体部の挿入孔の内面に、前記係合突起部と係合可能な係合溝が形成され、前記第1の部材の差込部を前記挿入孔に挿入して、前記係合突起部が前記係合溝のうち前記挿入孔の挿入方向に対して奥側の側縁に当接するように、前記係合突起部を前記係合溝に係合させた際には、前記第1の部材と前記第2の部材とは、当該第1及び第2の部材に形成された第1のエレメントが前記スライダーの柱部を挟んで対峙して前記スライダーの引き上げで前記エレメント同士が噛み合うことが可能な位置にて、相互に連結されると共に、前記一方のストリンガーの厚み方向に可動する係止部及びこの係止部を操作する操作部を前記第1の部材に設け、前記係止部と係合可能な係合受け部を前記第2の部材に設け、前記操作部を把持しない状態では前記係止部と前記係合受け部との係合がなされ、前記操作部を把持した状態では前記係止部と前記係合受け部との係合が解除されることを特徴としている。
前記連動防止手段の係止部は、前記第1の部材の操作部から前記第2の部材側に突出した突出部であり、前記連動防止機構の係止受け部は、前記第2の部材の箱体部に設けられた側方突出部とこの側方突出部の突出側面に形成された窪みからなるホルダー部である(請求項3)。また、前記連動防止手段の係止部は、前記操作部の操作により時計回り方向と反時計回り方向とに揺動する力が伝達される揺動部材に形成され、前記連動防止機構の係合受け部は、第2の部材の箱体部に設けられた側方突出部の挿入孔側に形成された切り欠きである(請求項4)。
ここで、一方のストリンガーは開放側ストリンガーとも称される。エレメントは務歯とも称される。オープンファスナーの連結用具を構成する第1の部材、第2の部材は、それぞれ下止部材とも称される。
以上のように、請求項1から請求項4に記載の発明によれば、第1の部材の差込部が第2の部材の箱体部に挿入されただけの中途の状態で、これまで右手で第1の部材を把持していたのをスライダーに持ち替える場合に、操作部を操作しない限り、第1の部材が有する連動防止機構の係止部と第2の部材が有する連動防止機構の係止受け部との係合が解除されない。このため、右手でスライダーを引き上げる場合に、この引き上げられるスライダーに第1の部材を有する一方のストリンガーが連動してしまうことを防止することが可能となる。
しかも、請求項1から請求項4に記載の発明によれば、スライダーの引き上げ時に第1の部材が有する一方のストリンガーが連動してしまうことを防止した状態を、第1の部材と第2の部材との連結及び、第1及び第2の部材に最も近いエレメントがスライダーの柱部を挟んでストリンガーの短手方向にて対峙してスライダーの引き上げ時に適切に噛み合うことができるとする位置決めを行う動作により、付属的に行うことが可能である。
図1は、この発明の実施例1に用いられる開離した状態のオープンファスナーにおける一方のストリンガーの構成を示す説明図であり、図1(a)はその平面図、図1(b)は一部分の側面図である。 図2は、この発明の実施例1に用いられる開離した状態のオープンファスナーにおける他方のストリンガーの構成を示す平面図である。 図3は、同上の実施例1に用いられる一方のストリンガーの第1の部材の全体構成を説明するための説明図であって、図3(a)は第1の部材の平面図であり、図3(b)は第1の部材の側面図であり、図3(c)は第1の部材の底面図であり、図3(d)は第1の部材の背面図である。 図4は、同上の実施例1における他方のストリンガーの第2の部材の全体構成を説明するための説明図であって、図4(a)は第2の部材の平面図であり、図4(b)は第2の部材の側面図であり、図4(c)は第2の部材の断面図であり、図4(d)は第2の部材を構成する保持手段の一例である。 図5は、同上の実施例1に用いられる一方のストリンガーの第1の部材の差込部を他方のストリンガーの第2の部材の挿入孔に挿入する過程などを説明するための一部断面図であり、図5(a)は第1の部材の差込部を第2の部材の箱体部の挿入孔に挿入する前の状態を説明し、図5(b)は第1の部材の差込部を第2の部材の箱体部の挿入孔に挿入した状態を説明し、図5(c)は、図5(b)の差込部を挿入孔に差し込んだ状態を下方から見た断面図である。 図6は、図5における第1の部材の差込部を第2の部材の挿入孔に挿入した状態からスライダーを引き上げることで第1の部材が揺動して第1の部材の務歯と第2の部材の務歯とが噛み合った状態となったことを説明するための一部断面図である。 図7は、この発明の実施例2に用いられる第1の部材の全体構成を示すもので、図7(a)は第1の部材の平面図であり、図7(b)は第1の部材の底面図である。 図8は、同上の実施例2における第1の部材の構造を説明するための要部拡大図である。 図9は、同上の実施例2における一方のストリンガーの第1の部材と他方のストリンガーの第2の部材とを組み合わせた構成を説明するための要部拡大断面図である。
以下、この発明の実施形態について添付図面を参照しながら説明する。
図1から図6において、この発明の実施例1が示されている。この発明が用いられるオープンファスナー(オープンスライドファスナーとも称する。)1は、一対のストリンガー2、3と、このストリンガー2、3同士の対向する内側縁辺に沿って1列状に取り付けられた複数のエレメント4と、ストリンガー2、3の長手方向に沿った方向のうちの一方側で最端側のエレメント4よりも更に端側に取り付けられた上止部材5、6と、ストリンガー2のエレメント4とストリンガー3のエレメント4とを噛み合わせ又は開くための公知の構造のスライダー7とを有している。
このうち、ストリンガー2、3は、例えばポリエステル製のテープ等が材料として用いられる略長方形の帯状のもので、この実施例では、エレメント4を縫い付けるためのコード(細組み紐)が当該ストリンガー2、3の短手方向の一方端において当該ストリンガー2、3の長手方向に沿って延びるように縫い付けられている。
エレメント4は、務歯とも称されるもので、この実施例では略T字形状の噛合部分を有する例えば金属製又はプラスチック製であると共に、ストリンガー2、3のコードに対して所定の幅で等間隔となるように精密且つ強固に縫い付けられている。もっとも、エレメント4の噛合部分の形状は、前記した略T字形状に限定されるものではない。
上止部材5、6は、スライダー7の動きをストリンガー2、3の長手方向の上端側で止めるためのものである。
スライダー7は、図5及び図6に示されるように、胴体7aと引き手7bとによって基本的に構成されているもので、引き手7bを把持して上止部材5、6側に引き上げることにより、ストリンガー2のエレメント4又は後述の下止部材10の第1のエレメント4aとストリンガー3のエレメント4又は後述の下止部材11の第1のエレメント4bとを噛み合わせ、引き手7bを把持して上止部材5、6から離れるように引き下げることにより、これらのエレメント4、4a、4bの噛み合わせを解除させるためのものである。そして、スライダー7の胴体7aは、プレート状の上面部7c及び下面部7dと、上面部7cと下面部7dとを胴体7aの上止部材5、6側で連結する柱部7eとを有して構成されている。更に、スライダー7の胴体7aは、側方(双方のストリンガー2、3と対峙する側)に開口した溝部を有する構成となっている。
そして、ストリンガー2、3は、ストリンガー2、3の長手方向に沿った方向のうちの上止部材5、6側とは反対側となる端部に、下止部材10又は下止部材11が取り付けられている。
下止部材10は、図1に示されるように、ストリンガー2の長手方向の端部に固着されていると共に、図3に示されるように、差込部12と、隆起部13と、係合突起部14と、連動防止機構たる係止部15と、その係止部15を操作する操作部16とを有して基本的に構成されている。これら差込部12、隆起部13、係合突起部14、係止部15、及び操作部16は、合成樹脂等を材料として一体に形成されたものであっても、それぞれ最適な材料で別個に形成して接合されたものであっても良い。
差込部12は、スライダー7の胴体7aに形成された溝部に差し込むことが可能なように、相対的に薄い薄板部分12bを有している。この薄板部分12bは、図1(b)、図3(b)並びに図4(a)に示されるように、後述する下止部材11の差込部25の厚み幅L1と同じ幅L1ほど、隆起部13側に屈曲した形状となっており、下止部材10を下止部材11と組み合わせた際に、差込部12と差込部25とが干渉し合うのを回避するものとなっている。これに伴い、ストリンガー2の長手方向に延びる側縁2aの直線を採った場合に、差込部12は、ストリンガー3側に位置する側縁辺12aのうちエレメント4a近傍ではこのストリンガー2の上記直線と同一線上に延び、他の部位ではストリンガー2の上記直線と平行に延びている。
また、差込部12は、この実施例1では、ストリンガー2の長手方向の下側の端部とは反対側にエレメント(以下、第1のエレメント)4aが形成されている。この第1のエレメント4aの形状は、後述する第1のエレメント4bと適宜噛み合うことが容易なように特殊な形状となっていても良い。
そして、差込部12は、下記する下止部材11の箱体部26に形成された挿入孔28に挿入する役割も果たすもので、その一方側の面には、特に図3(b)乃至図3(d)に示されるように、強度を高めるために薄板部分12bよりも肉厚の厚板部分12cを有すると共に、この厚板部分12cの側縁辺12a側に係合突起部14が形成されている。この係合突起部14は、この実施例1では、ストリンガー2の下端部に向かって当該ストリンガー2の長手方向と同方向に延びた略長方形状の構成となっている。また、この係合突起部14のストリンガー2の短手方向の幅L2は、図3(d)及び図4(b)に示されるように、後述する係合溝31のエレメント4b側端におけるストリンガー3の短手方向の内幅L2’に対して、係合突起部14が係合溝31内を摺動可能なようにわずかに小さな寸法となっている。
隆起部13は、箱体部26の挿入孔28への差込部12の挿入深度を位置決めするためのもので、差込部12に対しストリンガー2の厚み方向に隆起しており、後述する下止部材11の箱体部26の当接面26aと当接可能な当接面13aを有している。そして、この隆起部13は、当接面13aに連接するかたちで、この当接面13aよりも上止部材5側において、スライダー7が収納されるホルダーを形成するホルダー面13bを更に有したものとなっている。
係止部15は、上記したように、スライダー7を引き上げる場合のストリンガー2の連動防止機構として機能するものである。この係止部15は、この実施例では、図3(a)及び図3(c)に示されるように、隆起部13の当接面13aと隆起部13の外側の側面13cとの間に位置するように操作部16から延出している。この係止部15は、図3(d)及び図4(b)に示されるように、その先端の幅L3が下記するホルダー部27の窪み部41の内幅L3’よりもわずかに小さな寸法となっていると共に、その先端面が、図3(d)に示されるように、ストリンガー2の長手方向に延びる直線の基準線を採った場合に、この直線に対し所定角度αほどエレメント4a側に傾斜したものとなっている。
操作部16は、下止部材10の持ち手も兼ねるもので、特に図3(c)に示されるように、基部20、可動部21、及び、これらの基部20と可動部21とを連結する連結部22によって基本的に構成されている。
基部20は、隆起部13を基点として差込部12とは略反対側に延びている。可動部21は、前記係止部15をその先端に備えたものとなっている。より具体的には、可動部21は、通常状態において、図3(c)に示されるように、基部20に対して連結部22を基点としてストリンガー2の短手方向よりも斜めの方向に延びた形態としても良い。連結部22は、可撓性及び復元性を有しており、図3(c)の白抜き矢印に示されるように、力を加えることで可動部21の係止部15側部位を基部20の隆起部13側に撓ませると共に、この力の供給を解除することにより可動部21の係止部15側部位を撓む前の状態に戻すことが可能となっている。更に詳述すると、操作部16の基部20と可動部21との双方を人の指等で把持することによって可動部21に力が加わり、可動部21の先端に有る係止部15は、隆起部13に近接する方向に変位し、操作部16の基部20と可動部21との双方から人の指等を外した場合には、可動部21への力の供給が解除されるので、可動部21の先端に有る係止部15は、可動部21の復元力で隆起部13から離れる方向に変位することができる。
下止部材11は、図2に示されるように、ストリンガー3の長手方向の端部に固着されているもので、図4に示されるように、差込部25と、箱体部26と、ホルダー部27とを有して基本的に構成されている。
下止部材11の差込部25は、スライダー7の胴体7aに形成された溝部に差し込むことが可能なように相対的に薄い薄板部分25bを有している。この薄板部分25bは例えば下止部材10の薄板部分12bのように屈曲しておらず全て同一平面状となっている。これに伴い、ストリンガー3の長手方向に延びる側縁3aの直線を採った場合に、差込部25の側縁辺25aの全てが、ストリンガー3の上記直線と同一線上に延びている。
また、下止部材11は、この実施例1では、ストリンガー2の長手方向の下側の端部とは反対側にエレメント(以下、第1のエレメント)4bが形成されている。この第1のエレメント4bの形状は、第1のエレメント4aと適宜噛み合うことが容易な形状となっていても良い。
箱体部26は、この実施例1では、ストリンガー2の下止部材10側に向いて開口すると共に同じストリンガー3の上止部材6側にも開放された挿入孔28が形成されている。そして、この挿入孔28の下止部材10側の開口周縁に当接面26aが形成され、この当接面26aは、下止部材10の隆起部13の当接面13aとガタツキなく当接することが可能となっている。
そして、箱体部26の挿入孔28は、この実施例では、図4(b)に示されるように、第1のエレメント4bから相対的に離れた下方挿入孔部分28aと、第1のエレメント4bに相対的に近い上方挿入孔部分28bとの2つの部分から成っている。
このうち、下方挿入孔部分28aは、図4(a)及び図3(c)に示されるように、下止部材10側に向いた開口のストリンガー3の短手方向の開口寸法L4’が、差込部12の厚板部分12c及び係合突起部14の厚み寸法L4よりわずかに大きな寸法となっていると共に、図4(c)及び図3(d)に示されるように、当接面13a側からストリンガー3の短手方向の深度寸法L5が、差込部12の厚板部分12cにおける隆起部13から側縁辺12aまでの寸法L6よりも若干大きくなっている。
また、上方挿入孔部分28bは、下方挿入孔部分28aとストリンガー3の長手方向に沿って連続したもので、図4(b)及び図3(d)に示されるように、当接面13a側からストリンガー3の短手方向の深度寸法L6’が、差込部12の厚板部分12cにおける隆起部13から側縁辺12a端までの寸法L6よりわずかに大きな寸法となっていると共に、図4(a)及び図3(c)に示されるように、下止部材10側に向いた開口のストリンガー3の短手方向の開口寸法L7’は、下止部材10の差込部12のうち薄板部分12bの厚み寸法L7よりわずかに大きな寸法となっている。
更に、箱体部26は、図4から図6に示されるように、挿入孔28の上止部材6への開放側と反対側に下壁部30を有し、ストリンガー2の長手方向のうち下止部材10を有する側の端面が、下端部を載せて挿入時の見当をつけ易くすると共に、箱体部26から下方に抜けるのを規制している。そして、下壁部30の内面30aは、図4(a)、図5(a)、図5(b)及び図6に示されるように、挿入孔28の奥側から当接面26a側に向かうに従い第1のエレメント4bから離れる方向に傾斜しており、この傾斜角度は、図5(a)に示されるように、係止部15の傾斜角度と同じ数値αとなっている。
そして、箱体部26の挿入孔28は、図4(c)に示されるように、下止部材10の差込部12のみならずこの差込部12を保持するための下記する保持手段33も収納可能であると共に、差込部12がストリンガー3の厚み方向に沿って上下方向に揺動するための領域も備えた空間Sが内部に確保されたものとなっている。
更に、挿入孔28の内面のうちホルダー部27側に位置する内面には、図4(b)及び図4(c)に示されるように、係合突起部14と係合可能な係合溝31が形成されている。
この係合溝31は、下壁部30の内面30aから箱体部26の差込部25側まで延びていると共に溝底面がストリンガー3の平面に平行したものとなっており、挿入孔28と一体的に、第1のエレメント4b側に向いて開放されている。そして、係合溝31は、ストリンガー3の長手方向に延びる側縁31a、31bを有している。このうち、挿入孔28の当接面26aとは反対側に位置する側縁31aは、図4(b)に示されるように、第1のエレメント4b側から下壁部30の内面30a側に向かうに従い、当接面26aから離れる側に傾斜している。ストリンガー3の長手方向に沿って延びる直線を採った場合に、係合溝31の側縁31aのこのストリンガー3の直線に対する傾斜角度は、図3(d)に示される係止部15先端の傾斜角度及び図4(b)に示される下壁部30の内面30aの傾斜角度と同じ数値αとなっている。これに対し、挿入孔28の当接面26a側に位置する側縁31bは、図4(b)に示されるように、ストリンガー3の長手方向と平行に延びたものとなっている。これにより、係合溝31は、差込部25側におけるストリンガー3の短手方向の内幅L2’が係合突起部14のストリンガー2の短手方向の幅L2に対してわずかに大きな寸法、下壁部30の内面30a側におけるストリンガー3の短手方向の内幅L8が係合突起部14のストリンガー2の短手方向の幅L2よりも大きくなる、底辺の方が上辺よりも大きな略台形状となっている。
更にまた、挿入孔28の空間Sには、挿入孔28内に挿入された下止部材10の差込部12を保持するための保持手段33が収納されている。保持手段33は、図4(c)では、その一例として、揺動部材34と弾性部材35とを有する構成が示されている。
揺動部材34は、図4(d)に示されるように、回転中心Pを有する基部34aと差込部12を押圧するための押圧部34bとを有して構成されている。
このうち、基部34aは、真円の一部である円弧状の部位を有するもので、挿入孔28の内面のうちのホルダー部27側とは反対側の内面を円弧状に切り欠いて成る窪み38に収納されている。そして、基部34aは、窪み38に収納された際に、その回転中心Pが挿入孔28のホルダー部27側とは反対に位置する内面よりも箱体部26の外面側に位置している。これにより、基部34aは、図4(d)に示されるように、回転中心Pを中心とした円柱状の回転軸34cをストリンガー3の長手方向両側に形成した場合に、箱体部26の上壁部のうち挿入孔28の上方に開放された開口近傍部位と箱体部26の下壁部30とに軸受を設けて、揺動部材34を箱体部26に軸支することが可能となっている。そして、回転中心Pを基部34aが回転するときの中心点とした場合には、基部34aは、その円弧状の部位の側周面が窪み38の内周面に摺接しながら自在に回転することができる。
これに対し、押圧部34bは、基部34aから回転中心Pに対し外方向に延出したもので、この押圧部34bの背側面(ホルダー部27側)にて差込部12を挿入孔28の内面のうちホルダー部27側に押圧することが可能となっている。
弾性部材35は、この実施例では、図4(c)及び図5(c)に示されるように、例えば棒状の形状であると共にその長手方向に伸縮可能な構成のものであり、その素材としては例えばゴムが用いられている。但し、図示しないが、上記した弾性部材35の代わりにコイルバネ等の他の構成の弾性部材を用いても良い。そして、この弾性部材35は、図4(c)及び図5(c)に示されるように、その長手方向の一方側端が挿入孔28の内面に固着され、その長手方向の他方側端が揺動部材34の押圧部35bの腹側面(ホルダー部27とは反対側の面)に固着されている。
このような揺動部材34と弾性部材35とから成る保持手段33によれば、差込部12が挿入孔28に挿入されていない状態では、図4(c)に示されるように、ほぼ非収縮状態の弾性部材35からの弾性力によって、揺動部材34の押圧部34bは挿入孔28の内面のうち係合溝31を有する側にその背側面が接するか近接する態様になる。また、差込部12が挿入孔28に挿入された状態では、図5(c)に示されるように、差込部12は収縮した弾性部材35から供給される復元力により揺動部材34の押圧部34bの背側面で挿入孔28の内面に押されるので、差込部12の係合突起部14が挿入孔28の係合溝31から抜けない態様になる。
箱体部26のホルダー部27は、ストリンガー2の連動防止機構たる係止部15との係合受け部であり、図4(a)乃至図4(c)に示されるように、挿入孔28の開口周縁に位置する当接面26aのうち係合溝31を有する側からストリンガー3の短手方向に沿って側方突出部40を突出させると共に、この側方突出部40の突出方向の頂面に窪み部41を形成することで構成されている。ストリンガー3の長手方向に沿って延びる直線を採った場合に、窪み部41は、下止部材10側に向いた内面41aがこのストリンガー3の直線と平行になるようになっている。
そして、下止部材11は、差込部25のうち箱体部26よりも上止部材6側に位置すると共に側縁辺25aとは反対側に位置する部位に隆起部42を有している。この隆起部42は、差込部25の厚み方向に突出することにより形成されていると共に、側縁辺25a側には下止部材10の隆起部13のホルダー面13bと共にスライダーを保持するためのホルダー面42aを有している。
上記の下止部材10及び下止部材11構成に基づいて、これらの下止部材10と下止部材11との連結手順等について図5及び図6を用いて以下に説明する。
まず、図5(a)に示されるように、スライダー7を下止部材11側に下ろしておく。この場合に、スライダー7は、例えば、図5(a)において2点鎖線として示されるように、下止部材11の箱体部26の上面に例えば角部のみが接すると共に、隆起部42のホルダー面42aに他方の角部が接するという、箱体部26の上面に対し傾斜した態様で配置する。そして、図5(a)に示されるように、下止部材10を、その厚板部分12c側の面(底面)が挿入孔28の下壁部30の内面30aからの一点鎖線状の延長線X1と合致するように、図5(a)の太矢印方向に移動させて、下止部材10の差込部12、特に厚板部分12c及び係止部15を、下止部材11の箱体部26に形成された挿入孔28に挿入させていく。この時、図示しないが、保持手段33の揺動部材34は、係合突起部14に押されることにより、押圧部34bが挿入孔28の内面のうち係合溝31とは反対側に向かうように基部34aが回転し、弾性部材35は座屈又は収縮されて、弾性部材35に反発力が生ずる。
そして、下止部材10を、その厚板部分12c側の底面が挿入孔28の下壁部30の内面30aに接しつつ、挿入孔28内に挿入させていくと、係合突起部14が係合溝31を有する域に到達した段階で、弾性部材35の復元力により差込部12がストリンガー3の厚み方向に押されて、係合突起部14がストリンガー3の短手方向に変位して係合溝31に係合される。
このとき、下止部材10は、側縁辺25aがストリンガー3の長手方向に平行な直線を採った場合に、この直線に対して傾斜角度αほど傾斜した状態にあるところ、係合溝31の当接面26aから離れた側の側縁31aも、下方挿入孔部分28aでは同様の傾斜角度αで傾斜しているので、係合突起部14の先端面は係合溝31の側縁31a側に当接して係合することができる。
これに対し、係合突起部14の隆起部13側の突出面は、図5(b)に示されるように、係合溝31の側縁31bとは当接しておらず、係合突起部14と係合溝31とは、当接面13a、26a側において、略三角形状断面の隙間を有したものとなっている。また、挿入孔28の上方挿入孔部分28bは、図5(b)に示されるように、隆起部42側の内面が下止部材10の差込部12の側縁辺12aと当接しておらず、略逆三角形状の隙間を有したものとなっている。これにより、箱体部26の挿入孔28内に、スライダー7を引き上げる際の係止部14の可動用領域が確保されている。
また、係合突起部14が係合溝31に係合されたとき、下止部材10の第1のエレメント4aは、図5(b)に示されるように、スライダー7の柱部7eを挟んで下止部材11の第1のエレメント4bと対峙した状態、すなわち、スライダー7を引き上げれば、下止部材10の第1のエレメント4aと下止部材11の第1のエレメント4bとが噛み合うことができる位置に置かれる。
尚、スライダー7は、図5(a)と同様に、図5(b)において2点鎖線として示されるように、隆起部13のホルダー面13bと隆起部42のホルダー面42aとの間において、下止部材11の箱体部26の上面に例えば角部のみが接すると共に、隆起部42のホルダー面42aに他方の角部が接するという、箱体部26の上面に対し傾斜した態様で配置されたものとする。
よって、下止部材10の差込部12の特に係止部14を下止部材11の箱体部26に形成された挿入孔28に傾斜角度αにて傾斜した状態で挿入して、係止部14が係合溝31に係合され、ひいては下止部材10と下止部材11とが連結されたときに、下止部材10の第1のエレメント4aと下止部材11の第1のエレメント4bとを適切な位置に配置するという位置決めも同時に行われる。すなわち、下止部材10と下止部材11との連結と第1のエレメント4a,4b同士の位置決めとを一つの動作で行うことができる。
更にまた、この発明に係る下止部材10と下止部材11との構成においては、図5(b)に示されるように、係合突起部14が係合溝31に係合されたとき、更に下止部材10の係止部15は下止部材11のホルダー部27の窪み部41に適切に係合された状態にもなる。これは、ホルダー部27の窪み部41の内面41aがストリンガー3の長手方向に沿っており、これに伴い窪み部41もストリンガー3の短手方向に沿って窪んでいるところ、下止部材10の係止部15の突出方向及びその先端面はストリンガー2の短手方向に対しそれぞれ傾斜角度αほど傾斜しているので、下止部材10を上記のように下止部材11の下壁部30の内面30aに沿うように傾斜角度αにて傾斜させて挿入孔28に挿入した場合には、係止部15の突出方向はストリンガー3の短手方向に沿ったものとし、且つ係止部15の先端面はストリンガー3の長手方向に平行な面とすることができることによる。
これにより、操作部16を把持しない状態では、下止部材10の係止部15がそのまま下止部材11のホルダー部27の窪み部41に係合された状態となり、操作部16を把持した状態では、下止部材10の操作部16を構成する可動部21が撓んで係止部15がストリンガー2、3の厚み方向に変位して、ホルダー部27の窪み部41に係合された状態から解除される。
しかるに、下止部材10の差込部12を下止部材11の箱体部26に形成された挿入孔28に挿入して下止部材10と下止部材11とを連結状態にした後、下止部材10の操作部等を把持していた手(例えば利き手の右手)について、スライダー7の引き手7bを把持するため等の理由により、下止部材10の操作部等から離して下止部材10が自由な状態にした場合に、保持手段33があっても下止部材10がグラつき、第1のエレメント4a,4b同士の適切な位置決め箇所から下止部材10が外れるおそれがあるところ、この発明では、操作部16から手を離した場合には、下止部材10の係止部15が下止部材11のホルダー部27の窪み部41に係合された状態になるので、第1のエレメント4a,4b同士の適切な位置決め状態が維持される。しかも、この下止部材10の係止部15と下止部材11のホルダー部27の窪み部41との係合も、特別な動作を必要とせず、下止部材10の差込部12を下止部材11の箱体部26に形成された挿入孔28に挿入する動作で付属的に行われる。
そして、図6に示されるように、スライダー7についてその引き手7bを把持して、当該図6の白抜き矢印方向に引き上げた場合には、下止部材10は、図6の時計回りの方向に揺動して、係合突起部14の当接面13a側の突出側面が箱体部26の係合溝31のうち側縁31bと当接すると共に、差込部12の側縁辺12aが上方挿入孔部分28bの隆起部42側の内面と当接し、隆起部13の当接面13aと箱体部26の当接面26aとも適宜に当接した状態となり、下止部材10の第1のエレメント4aと下止部材11の第1のエレメント4bとが噛み合う。
この場合、係合突起部14の先端面と係合溝31の側縁31aとは当接せず、係合突起部14と係合溝31の側縁31a側との間に三角形状の隙間を有してしまうが、第1のエレメント4aと第1のエレメント4bとが噛み合った状態になっているので支障は生じない。
ところで、図7から図9において、スライダー7を右手で操作するために一旦手を下止部材10の操作部16から離しても下止部材10と下止部材11との適宜な連結状態を維持することが可能な構成の他例が実施例2として示されている。以下、この実施例2について図5から図8を用いて説明する。但し、ストリンガー2、3の基本的な構成、下止部材10、11の基本的な構成は先述の実施例1と同様であることから、専ら実施例1とは異なる構成について説明し、実施例1と同様の構成は同一の符号を付してその説明を省略する。
下止部材10は、係止部15を操作するための操作部16について、図7及び図8に示されるように、基部20、可動部21、基部20と可動部21とを連結する連結部22、及び揺動部材44とで基本的に構成されている。
このうち、基部20は、隆起部13を基点として差込部12側とは略反対側に延びている。また、可動部21は、その先端近傍部位が基部20側に曲折し、更にその最も先端側部位は図7及び図8に示されるように弧状に曲折したものである。そして可動部21の先端近傍部位のうち最先端側部位には、図8に示されるように、差込部12(隆起部13)側に噛合歯45が複数形成されている。
そして、連結部22は、可撓性及び復元性を有しており、可動部21に力を加えることにより、連結部22が撓んで、可動部21の先端側部位を基部20の隆起部13側に近接する方向に変位させ、可動部21への力の供給を解除することにより、連結部22の復元力により、可動部21の先端側部位を基部20の隆起部13側から離れる方向に変位させることが可能となっている。この可動部21も、実施例1と同様に、図7及び図8に示されるように、通常状態において、基部20の延びる方向に対して連結部22を基点としてストリンガー2の隆起部13側から離れる方向に延びるように配置されていても良いものである。
揺動部材44は、可動部21の先端近傍部位と隆起部13との間に配置されたもので、図8に示されるように、回転中心Pを有する回転部44aと、係止部15を先端に有する揺動本体部44bとを備えることにより構成されている。
このうち、回転部44aは、真円の一部である円弧状の部位を有するもので、基部20の係合突起部14側の面を円弧状に切り欠いて成る窪み48に収納されている。そして、回転中心Pを回転部44aが回転するときの中心点とした場合には、回転部44aは、その円弧状の部位の側周面が窪み48の内周面に摺接しながら自在に回転することができる。また、揺動本体部44bは、回転部44aから回転中心Pに対し外方向に延出したもので、その先端にある係止部15を図6において時計回り及び反時計回りとなる方向に揺動することが可能となっている。そして、回転部44aの円弧状の部位の一部から揺動本体部44bの背側部分の一部にかけて可動部21の噛合歯45と噛合うことが可能な噛合歯46が複数形成されている。
係止部15は、揺動本体部44bから更に弧を描くかたちで延出しているもので、先端が相対的に鋭角な形状となっている。
これにより、操作部16の可動部21に対して図8の白抜き矢印の方向に力を加えた場合には、可動部21の噛合歯45と揺動部材44の噛合歯46とが噛合った状態にあるので、可動部21の先端側部位が基部20側に近接しようと変位するのに従って、揺動部材44が回転部44aの回転中心Pを中心点として回転(図8上では反時計回りに回転)して、係止部15が下止部材11の箱体部26から離れる方向に変位し、操作部16の可動部21に対する図8の白抜き矢印の方向の力を解除した場合には、連結部22の復元力により、可動部21の先端側部位が基部20から離れる方向に変位するので、この動きに従って、揺動部材44が回転部44aの回転中心Pを中心点として先程とは逆回転(図8上では時計回りに回転)し、係止部15が下止部材11の箱体部26に近接する方向に変位する。
箱体部26は、側方突出部40の挿入孔18側の部位が切り欠かれて成る切り欠き部49が形成されており、この切り欠き部49が係止部15と係合可能となっている。
しかるに、下止部材10が備える基部20、可動部21、連結部22、揺動部材44及び係止部15と、下止部材11が備える箱体部26の側方突出部40に形成された切り欠き部49とによっても、下止部材10の差込部12を下止部材11の箱体部26に形成した挿入孔28に挿入して、係合突起部14が係合溝31に係合されたときには、係止部15が側方突出部40に形成された切り欠き部49に係合された状態にあり、操作部16を把持することで係止部15の切り欠き部49への係合が解除される。このため、下止部材10の差込部12を下止部材11の箱体部26に形成された挿入孔28に挿入して下止部材10と下止部材11とを連結状態にした後、下止部材10の操作部等を把持していた手(例えば利き手の右手)について、スライダー7の引き手7bを把持するため等の理由により、下止部材10の操作部等から離して下止部材10が自由な状態にした場合でも、第1のエレメント4a,4b同士の適切な位置決め状態が維持される。
1 オープンファスナー
2 ストリンガー(一方のストリンガー)
3 ストリンガー(他方のストリンガー)
4 エレメント
4a 第1のエレメント
4b 第1のエレメント
10 下止部材(第1の部材)
11 下止部材(第2の部材)
12 差込部
12a 側縁辺
13 隆起部
13a 隆起部の当接面
14 係合突起部
15 係止部
16 操作部
25 差込部
25a 側縁辺
26 箱体部
26a 箱体部の当接面
27 ホルダー部
28 挿入孔
30 下壁部
30a 内面
31 係合溝
31a、31b 側縁
33 保持手段
34 揺動部材
35 弾性部材
40 側方突出部
41 窪み
41a 窪みの内面

Claims (4)

  1. オープンファスナーを構成する2つのストリンガーのうちの一方のストリンガーの長手方向の端部には第1の部材を有し、前記2つのストリンガーのうちの他方のストリンガーの長手方向の端部には第2の部材を有し、前記第1の部材及び前記第2の部材は、スライダーに挿入される差込部を有すると共に、前記第1の部材は、前記差込部の前記一方のストリンガーの長手方向の端側に、当該一方のストリンガーの厚み方向に突出した係合突起部と隆起部とを備え、前記第2の部材は、前記第1の部材の差込部及び前記係合突起部を挿入することが可能であると共に前記他方のストリンガーの長手方向側には下壁部が形成された挿入孔を有する箱体部を前記差込部よりも当該他方のストリンガーの長手方向の端側に備えるオープンファスナーの連結用具において、
    前記箱体部の挿入孔の内面に、前記係合突起部と係合可能な係合溝が形成され、前記第1の部材の差込部を前記挿入孔に挿入して、前記係合突起部が前記係合溝のうち前記挿入孔の挿入方向に対して奥側の側縁に当接するように、前記係合突起部を前記係合溝に係合させた際には、前記第1の部材と前記第2の部材とは、当該第1及び第2の部材に形成された第1のエレメントが前記スライダーの柱部を挟んで対峙して前記スライダーの引き上げで前記エレメント同士が噛み合うことが可能な位置にて、相互に連結されると共に、
    前記一方のストリンガーの厚み方向に可動する係止部及びこの係止部を操作する操作部を前記第1の部材に設け、前記係止部と係合可能な係合受け部を前記第2の部材に設けることにより、前記第1の部材の操作部を把持した状態から前記スライダーを把持した状態に変更して前記スライダーを引き上げるときに、前記第1の部材を有する前記一方のストリンガーが前記スライダーに連動するのを防止したことを特徴とするオープンファスナーの連結用具。
  2. オープンファスナーを構成する2つのストリンガーのうちの一方のストリンガーの長手方向の端部には第1の部材を有し、前記2つのストリンガーのうちの他方のストリンガーの長手方向の端部には第2の部材を有し、前記第1の部材及び前記第2の部材は、スライダーに挿入される差込部を有すると共に、前記第1の部材は、前記差込部の前記一方のストリンガーの長手方向の端側に、当該一方のストリンガーの厚み方向に突出した係合突起部と隆起部とを備え、前記第2の部材は、前記第1の部材の差込部及び前記係合突起部を挿入することが可能であると共に前記他方のストリンガーの長手方向側には下壁部が形成された挿入孔を有する箱体部を前記差込部よりも当該他方のストリンガーの長手方向の端側に備えるオープンファスナーの連結用具において、
    前記箱体部の挿入孔の内面に、前記係合突起部と係合可能な係合溝が形成され、前記第1の部材の差込部を前記挿入孔に挿入して、前記係合突起部が前記係合溝のうち前記挿入孔の挿入方向に対して奥側の側縁に当接するように、前記係合突起部を前記係合溝に係合させた際には、前記第1の部材と前記第2の部材とは、当該第1及び第2の部材に形成された第1のエレメントが前記スライダーの柱部を挟んで対峙して前記スライダーの引き上げで前記エレメント同士が噛み合うことが可能な位置にて、相互に連結されると共に、
    前記一方のストリンガーの厚み方向に可動する係止部及びこの係止部を操作する操作部を前記第1の部材に設け、前記係止部と係合可能な係合受け部を前記第2の部材に設け、
    前記操作部を把持しない状態では前記係止部と前記係合受け部との係合がなされ、前記操作部を把持した状態では前記係止部と前記係合受け部との係合が解除されることを特徴とするオープンファスナーの連結用具。
  3. 前記連動防止手段の係止部は、前記第1の部材の操作部から前記第2の部材側に突出した突出部であり、前記連動防止機構の係止受け部は、前記第2の部材の箱体部に設けられた側方突出部とこの側方突出部の突出側面に形成された窪みからなるホルダー部であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のオープンファスナーの連結用具。
  4. 前記連動防止手段の係止部は、前記操作部の操作により時計回り方向と反時計回り方向とに揺動する力が伝達される揺動部材に形成され、前記連動防止機構の係合受け部は、第2の部材の箱体部に設けられた側方突出部の挿入孔側に形成された切り欠きであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のオープンファスナーの連結用具。
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