JP2012083429A - 光通信用モジュール、光通信用モジュールの分解方法、及び光通信用モジュールの製造方法 - Google Patents

光通信用モジュール、光通信用モジュールの分解方法、及び光通信用モジュールの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2012083429A
JP2012083429A JP2010227642A JP2010227642A JP2012083429A JP 2012083429 A JP2012083429 A JP 2012083429A JP 2010227642 A JP2010227642 A JP 2010227642A JP 2010227642 A JP2010227642 A JP 2010227642A JP 2012083429 A JP2012083429 A JP 2012083429A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
metal plate
optical communication
adhesive layer
housing
optical
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2010227642A
Other languages
English (en)
Inventor
Masato Hino
正登 日野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Electric Industries Ltd filed Critical Sumitomo Electric Industries Ltd
Priority to JP2010227642A priority Critical patent/JP2012083429A/ja
Publication of JP2012083429A publication Critical patent/JP2012083429A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Optical Couplings Of Light Guides (AREA)

Abstract

【課題】光学部品のリワーク性を高めることが可能な光通信用モジュール、その分解方法、及びその製造方法を提供すること。
【解決手段】光素子を備えた光送受信部15と、光送受信部15を搭載する筐体10と、光送受信部15と筐体10との間に設けられた金属板18と、金属板18の下面18a、及び筐体10の上面10bの少なくとも一方に設けられたコーティング層34a又は34cと、金属板18と筐体10との間に設けられ、コーティング層34a又は34cと接触して、金属板18と筐体10とを接着する第1接着層20と、光送受信部15と金属板18との間に設けられ、光送受信部15と金属板18を接着する第2接着層22と、を具備し、コーティング層34a又は34cと第1接着層20との接着力は、第1接着層20と金属板18との接着力及び第1接着層20と筐体10との接着力の各々より小さい光通信用モジュール、その分解方法、及びその製造方法。
【選択図】図5

Description

本発明は光通信用モジュール、光通信用モジュールの分解方法、及び光通信用モジュールの製造方法に関する。
光通信の分野では、光通信装置がモジュール化され、光素子を搭載した光通信部をケースに収納するモジュールが知られている。光通信部として、発光素子を備えた光送信部であるTOSA(Transmitter Optical Sub-Assembly)、及び受光素子を備えた光受信部であるROSA(Receive Optical Sub-Assembly)等が用いられている。特許文献1には、光送信部で発生した熱を放熱するための金属板を備える発明が開示されている。
特開2008−309960号公報
光通信装置では、光通信装置を分解して筐体から光通信部を取り外した後、光通信部を検査し、又はさらに再利用するリワークを行うことがある。しかしながら従来の技術では、光通信装置の分解が困難で、いわゆるリワーク性が低下する可能性がある。
本発明は上記課題に鑑み、光通信部のリワーク性を高めることが可能な光通信用モジュール、光通信用モジュールの分解方法、及び光通信用モジュールの製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、光素子を搭載した光通信部と、前記光通信部を搭載する筐体と、前記光通信部と前記筐体との間に設けられた金属板と、前記金属板の前記筐体側の面、及び前記筐体の前記金属板側の面の少なくとも一方に設けられたコーティング層と、前記金属板と前記筐体との間に設けられ、前記コーティング層と接触して、前記金属板と前記筐体とを接着する第1接着層と、前記光通信部と前記金属板との間に設けられ、前記光通信部と前記金属板を接着する第2接着層と、を具備し、前記コーティング層と前記第1接着層との接着力は、前記第1接着層と前記金属板との接着力及び前記第1接着層と前記筐体との接着力の各々より小さい光通信用モジュールである。本発明によれば、光通信部のリワーク性を高めることが可能となる。
上記構成において、前記金属板の前記光通信部側の面に設けられた、前記コーティング層とは別のコーティング層を具備し、前記第2接着層は、前記別のコーティング層と接触して、前記光通信部と前記金属板を接着し、前記別のコーティング層と前記第2接着層との接着力は、前記第2接着層と前記金属板との接着力及び前記第2接着層と前記光通信部との接着力の各々より小さい構成とすることができる。この構成によれば、光通信部のリワーク性を高めることが可能となる。
上記構成において、前記別のコーティング層は、前記コーティング層と同じ材料からなる構成とすることができる。この構成によれば、工程を簡略化し、光通信用モジュールの低コスト化を図ることができる。
上記構成において、前記コーティング層は、酸化アルミニウムを含む離型剤により形成されている構成とすることができる。この構成によれば、剥離強度、熱伝導性及び絶縁性に優れたコーティング層を形成することができる。
上記構成において、前記第1接着層及び前記第2接着層は、シリコーン樹脂からなる構成とすることができる。この構成によれば、熱伝導性を高めることができる。
本発明は、光素子を備えた光通信部と、前記光通信部を搭載する筐体と、前記光通信部と前記筐体との間に設けられている金属板と、前記金属板の前記筐体側の面、及び前記筐体の前記金属板側の面の少なくとも一方に設けられたコーティング層と、前記金属板と前記筐体との間に設けられ、前記コーティング層と接触して、前記金属板と前記筐体とを接着する第1接着層と、前記光通信部と前記金属板との間に設けられ、前記光通信部と前記金属板を接着する第2接着層と、を備える光通信用モジュールの分解方法であって、前記コーティング層を前記第1接着層から剥がすことで、前記金属板及び前記光通信部を前記筐体から取り外す工程を有する光通信用モジュールの分解方法である。本発明によれば、光通信部のリワーク性を高めることが可能となる。
上記構成において、前記光通信部はレセプタクルを備え、前記筐体は前記レセプタクルが挿入される穴を備え、かつ前記レセプタクルの前記孔部への挿入方向は、前記筐体の前記光通信部を搭載する搭載面の延びる方向であって、前記取り外す工程は、前記挿入方向とは反対方向に前記光通信部を移動させる工程を含む構成とすることができる。この構成によれば、光通信部へのダメージを抑制することができる。
本発明は、筐体と光通信部との間に金属板を介在して、前記筐体と前記光通信部とを一体化する光通信用モジュールの製造方法であって、前記金属板の前記筐体側の面、及び前記筐体の前記金属板側の面の少なくとも一方に、コーティング層を形成する工程と、前記筐体と前記金属板との間に第1接着層を設け、前記筐体と前記金属板とを前記第1接着層により接着する工程と、前記金属板と前記光通信部との間に第2接着層を設け、前記金属板と前記光通信部とを前記第2接着層により接着する工程と、を含み、前記コーティング層と前記第1接着層との接着力は、前記第1接着層と前記金属板との接着力、及び前記第1接着層と前記筐体との接着力の各々より小さい光通信用モジュールの製造方法である。本発明によれば、光通信部のリワーク性を高めることが可能となる。
本発明によれば、光通信部のリワーク性を高めることが可能な光通信用モジュール、光通信用モジュールの分解方法、及び光通信用モジュールの製造方法を提供することができる。
図1(a)は比較例に係る光通信用モジュールを例示する上面図であり、図1(b)は図1(a)のA−Aに沿った断面図である。 図2(a)及び図2(b)は、光通信部を筐体に搭載する方法を説明するための斜視図である。 図3は光通信部を筐体に搭載する方法を説明するための斜視図である。 図4は比較例に係る光通信用モジュールを例示する断面図である。 図5は実施例1に係る光通信用モジュールを例示する断面図である。 図6(a)から図6(c)は、実施例1に係る光通信用モジュールの製造方法を例示する断面図である。 図7(a)及び図7(b)は、実施例1に係る光通信用モジュールの製造方法を例示する断面図である。 図8は実施例1に係る光通信用モジュールの分解方法を例示する断面図である。 図9は剥離強度の実験結果を示す図である。 図10(a)は熱抵抗の計算結果を示す図であり、図10(b)は0〜0.2mmの範囲を拡大した図である。 図11は光送信部の温度変化の実験結果を示す図である。 図12は実施例2に係る光通信用モジュールを例示する断面図である。 図13(a)は実施例3に係る光通信用モジュールを例示する断面図であり、図13(b)は実施例3の変形例に係る光通信用モジュールを例示する断面図である。 図14(a)及び図14(b)は、実施例3に係る光通信用モジュールの製造方法を例示する断面図である。
図面を用いて、本発明の実施例について説明する。
まず比較例に係る光通信用モジュールについて説明する。図1(a)は比較例に係る光通信用モジュールを例示する上面図であり、図1(b)は図1(a)のA−Aに沿った断面図である。
図1(a)に示すように、発光素子を内部に備えたTOSAである光送信部12と、受光素子を内部に備えたROSAである光受信部14と、は並ぶように筐体10に収納されている。光送信部12は、例えばパッケージ内にLD(Laser Diode:レーザーダイオード)、及びLDドライバを搭載している。LDドライバは、LDを駆動させるための電気信号を出力する。LDは電気信号を光信号に変換し、光信号を光ファイバに出力する。光受信部14は、例えばパッケージ内にPD(Photo Diode:フォトダイオード)及びTIA(Trance Impedance Amp:トランスインピーダンスアンプ)を搭載している。PDは光ファイバから入力される光信号を電気信号に変換する。TIAは、PDから入力される電気信号を増幅する。光送信部12及び光受信部14各々のパッケージは、ステンレス等の金属材料からなる。光送信部12及び光受信部14が一体となり、光送受信部15を構成する。光送信部12及び光受信部14の各々は、光ファイバに接続するレセプタクル16及び鍔部17を有している。また、光送信部12の内部には温度制御装置であるTEC(Thermo Electric Cooler)が搭載されている。筐体10は亜鉛ダイカスト等の金属材料からなる。筐体10には回路基板24がネジ28を用いネジ止めされている。回路基板24下には送受信回路(不図示)が設けられている。送受信回路は光送信部12に電気信号を送信し、光送信部12から光ファイバに光を送信するための回路、及び光ファイバから光を受信した光受信部14から出力される電気信号を受信するための回路である。光送信部12内の発光素子及び光受信部14内の受光素子と送受信回路とを接続し電気信号を入出力するケーブル30が設けられている。なお、図1(a)及び図1(b)並びに図3において、ケーブル30の図示を省略している。
光送受信部15と筐体10との間には、例えば0.83mmの間隔11が存在する。間隔11には例えばAl(アルミニウム)からなる厚さ0.60mmの金属板18と、例えばシリコーン樹脂からなる厚さ0.115mmの第1接着層20及び第2接着層22と、が設けられている。第1接着層20は筐体10と金属板18との間に設けられ、筐体10と金属板18とを接着している。第2接着層22は光送受信部15と金属板18との間に設けられ、光送受信部15と金属板18とを接着している。これにより、光送受信部15と筐体10とは、第1接着層20、金属板18及び第2接着層22を介して熱的に接続している。つまり、光送信部12は発する熱は、第1接着層20、金属板18及び第2接着層22を介して筐体10に伝わり、筐体10から放熱される。光送受信部15及び回路基板24上にカバー26が設けられており、光送受信部15及び回路基板24はカバー26により保護されている。なお金属板18、第1接着層20、及び第2接着層22それぞれの厚さは変更可能である。
次に、図2(a)から図3を用い、実施例1に係る光通信用モジュールにおいて、筐体10に光送受信部15を搭載する方法を説明する。図2(a)、図2(b)及び図3は、光通信部を筐体に搭載する方法を説明するための斜視図である。なお、回路基板24については図示を省略している。
図2(a)に示すように、固定冶具27を用い光送信部12及び光受信部14が互いに並ぶように固定する。金属板18の一方の面に第2接着層22を塗布する。金属板18の第2接着層22が塗られた面を光送受信部15に接着させる。つまり第2接着層22が金属板18と光送受信部15とを接着する。
図3に示すように、筐体10には孔部32が設けられている。光送受信部15が備えるレセプタクル16を孔部32に嵌め込むことで、筐体10と光送受信部15とを固定する。また、金属板18と筐体10との間の筐体10に第1接着層20が塗布されている。第1接着層20が筐体10と金属板18とを接着する。
図4は比較例に係る光通信用モジュールを例示する断面図である。なお図4は、図1(a)のA−Aに沿った断面図であり、光送信部12付近を拡大し、かつ簡略化して図示している。
図4に示すように、光送信部12は第1接着層20、金属板18、及び第2接着層22を介して筐体10に搭載されている。なお図4では光送信部12を例にしているが、実際には光受信部14も光送信部12と同様の構成で筐体10に搭載されている。つまり、光送受信部15は、第1接着層20、金属板18、及び第2接着層22を介して筐体10に搭載されている。光送受信部15が備えるレセプタクル16は孔部32に挿入されている。レセプタクル16の孔部32への挿入方向は、筐体10の光送受信部15を搭載する搭載面(上面10b)の延びる方向である。光送受信部15が備える鍔部17は、孔部32周辺の壁10aに押し付けられる。鍔部17が押し付けられることで、光送受信部15の位置決めがなされる。
光通信用モジュールの製造工程又は検査工程においては、完成した光通信用モジュール又は未完成の光通信用モジュールを分解し、筐体10に搭載された光送受信部15を取り外して、検査又は再利用するリワークが行われることがある。例えば光通信用モジュールに故障が発生した場合等には、光送受信部15を筐体10から取り外し、光送受信部15の調査等を行う。またその後、光送受信部15は再利用されることがある。
上述のように、光送受信部15は、例えばシリコーン樹脂からなる第1接着層20及び第2接着層22を用いて筐体10に搭載されている。しかしながら、硬化したシリコーン樹脂は接着強度が高く、剥離性が悪いことがある。剥離性の悪化は、金属板18を用いる場合、特に顕著となる。
金属板18を用いずに、光送受信部15を筐体10に接着層を用いて直接に固定する場合、光送受信部15が小型であることから、光送受信部15と接着層の接触する面積が小さい。このため、剥離に要する力は比較的小さくなる。しかし、光送受信部15に対して、直接に力を加えるため、ストレスにより光送受信部15にダメージが発生することがある。光送受信部15にダメージが生じることで、調査等に支障が出ることもあり、また再利用も困難となる。一方、金属板18を用いる場合、光送受信部15へのストレスは抑制できる。しかし、金属板18の面積が光送受信部15の底面積よりも大きいため、剥離には大きな力を加えることが求められる。つまり、金属板18を用いた場合、分解作業が困難となり、いわゆるリワーク性が低下する。
次に実施例1について説明する。まず光通信用モジュールについて説明する。図5は実施例1に係る光通信用モジュールを例示する断面図である。なお、光通信用モジュールの全体的な構成は、図1(a)、図1(b)及び図3に例示したものと同じであるため、説明を省略する。また図中では光送信部12を図示しているが、実際には光受信部14も筐体10に搭載されている。つまり光送受信部15(光通信部)が筐体10に搭載されている。
図5に示すように、金属板18の下面18a(筐体10側の面)にコーティング層34aが設けられている。また上面18b(光送信部12側の面)に、コーティング層34b(別のコーティング層)が設けられている。コーティング層34a及び34bを形成するコーティング材は、例えば酸化アルミニウム(アルミナ、AlO)及び有機材を含む離型剤(以下、アルミナ系離型剤)である。有機材はバインダーとして機能する。コーティング層34a及び34bそれぞれの厚さは例えば0.01〜0.03mmである。第1接着層20は、コーティング層34a及び筐体10の上面10bと接触して、筐体10と金属板18とを接着する。第2接着層22は、コーティング層34b及び光送信部12の下面と接触して、金属板18と光送受信部15とを接着する。他の構成は比較例と同様である。
次に実施例1に係る光通信用モジュールの製造方法について説明する。図6(a)から図7(b)は、実施例1に係る光通信用モジュールの製造方法を例示する断面図である。なお光送受信部15のうち、図6(a)から図7(b)に示すのは光送信部12のみであるが、実際には光送信部12と光受信部14とを合わせた光送受信部15に同じ工程が実施される。このことは、後述する図8でも同様である。
図6(a)に示すように、金属板18の下面18a及び上面18bに、例えばスプレーによりコーティング材を吹き付けて、コーティング層34a及び34bを形成する。またスプレーを用いる以外に、例えば金属板18をコーティング材にディッピングすることにより、コーティング層34a及び34bを形成してもよい。
図6(b)に示すように、筐体10の上面10bに、第1接着層20を設ける。第1接着層20は、上面10bにシリコーン樹脂を塗布することで設けられる。図6(c)に示すように、第1接着層20を設けた後、筐体10と金属板18とを接着する。第1接着層20は、上面10bとコーティング層34aとに接触して、筐体10と金属板18とを接着する。
図7(a)に示すように、上面18bに設けられたコーティング層34b上に、第2接着層22を設ける。第2接着層22は、コーティング層34bにシリコーン樹脂を塗布することで設けられる。図7(b)に示すように、第2接着層22を設けた後、光送信部12と金属板18とを接着する。第2接着層22は、光送信部12及びコーティング層34bに接触し、光送信部12と金属板18とを接着する。これにより光送信部12は筐体10に搭載される。なお上記の工程により、光受信部14も筐体10に搭載される。つまり金属板18を介在して、筐体10と光送受信部15とを一体化する。第2接着層22は光送受信部15のパッケージに接触する。このとき、光送信部12及び光受信部14の各々が備えるレセプタクル16が孔部32に挿入され、かつ鍔部17が孔部32周辺の壁10aに接触するように、光送信部12及び光受信部14を配置する。例えば室温環境下に10時間置くことで、第1接着層20及び第2接着層22の硬化を行う。これにより、金属板18及び光送信部12それぞれの位置が固定される。以上の工程により、図5に示すような、実施例1に係る光通信用モジュールが完成する。
次に実施例1に係る光通信用モジュールの分解方法について説明する。図8は実施例1に係る光通信用モジュールの分解方法を例示する断面図である。
図8に示すように、まず金属板18を筐体10から取り外す工程を行う。例えばマイナスドライバーのような形状を有する工具36を金属板18の前面18cに接触させ、図の左方向(矢印の方向)、つまりレセプタクル16の孔部32への挿入方向とは反対方向に力を加える。これにより、金属板18が左方向にスライドする。鍔部17は壁10aから離れる。孔部32に挿入されていたレセプタクル16は、孔部32の外部に移動する。その後、金属板18を第1接着層20から剥がす。このとき、金属板18の下面18aに設けられたコーティング層34aが、第1接着層20から剥れる。コーティング層34aは金属板18に設けられたままである。つまり、光送受信部15、第2接着層22、金属板18並びにコーティング層34a及び34bと、筐体10及び第1接着層20とが分離する。
金属板18を筐体10から取り外した後、光送受信部15を金属板18から取り外す工程を行う。このとき、第2接着層22と、金属板18の上面18bに設けられたコーティング層34bとが剥れる。コーティング層34bは金属板18に設けられたままである。つまり、光送受信部15及び第2接着層22と、金属板18、コーティング層34a及び34bとが分離する。分離した光送受信部15の調査等を行う。また必要に応じて、分離した光送受信部15を用いて、再び図5のような光通信用モジュールを組み立てることもできる。
リワーク性を高めるためには、コーディング層34a及び34bには良好な剥離性が要求される。またコーティング層34a及び34bの熱伝導性が悪い場合、光送受信部15の温度が上昇することがある。温度上昇により、光出力特性が悪化する可能性がある。また、温度を維持するためのTECの消費電力が増大し、光通信用モジュール全体の消費電力が増大する。従って、コーティング層34a及び34bの熱伝導性は高いことが好ましい。さらにコーティング層34a及び34bが熱可塑性を有する材料からなる場合、光送受信部15の発熱により、コーティング層34a及び34bが軟化する。この場合、光送受信部15の位置がずれ、光通信が良好に行われない可能性がある。従って、コーティング層34a及び34bには、温度変化に対する安定性が求められる。つまり、コーディング層34a及び34bには、剥離性、温度変化に対する安定性、及び高い熱伝導性が求められる。以下、コーティング層34a及び34bの性質について検証した実験について説明する。
まず、剥離強度について検証した実験について説明する。実験では、コーティング層の有無、及びコーティング層の種類を変更して、図8に示したような工程を行い、剥離強度を調べた。剥離強度とは、金属板18が剥離した際の金属板18を押す力である。
実験に用いたサンプルについて説明する。サンプルAはコーティング層34a及び34bを設けないサンプルである。サンプルB1は,フッ素系樹脂で形成されたコーティング層34a及び34bを設けたサンプルである。サンプルB2は、サンプルB1と同じ構成の光通信用モジュールに、−40〜90℃の温度変化を100サイクル繰り返したサンプルである。フッ素系樹脂としては、ダイキン工業株式会社製のノヴァテック(商品名)を用いた。サンプルC1は、アルミナ系離型剤で形成されたコーティング層34a及び34bを設けたサンプルである。サンプルC2は、サンプルC1と同じ構成の光通信用モジュールに、−40〜90℃の温度変化を122サイクル繰り返したサンプルである。アルミナ系離型剤としては、オーデック株式会社製のセラコートスプレー(商品名)を用いた。成分表示によれば、実験に用いたアルミナ系離型剤は、以下の割合で酸化アルミニウム、エチルセルロース及びケイ酸マグネシウムを含有する。
酸化アルミニウム:94.74%
エチルセルロース:2.63%
ケイ酸マグネシウム:2.63%
また第1接着層20及び第2接着層22を構成するシリコーン樹脂として、東レ・ダウニング株式会社製のSE4485(商品名)を用いた。第1接着層20及び第2接着層22は、40℃の温度下に12時間置くことで硬化させた。
サンプルの寸法について説明する。なお図5の上下方向が厚さ方向、左右方向が長さ方向、奥行き方向が幅方向である。
筐体10の厚さ:1.2mm
金属板18の厚さ:0.4mm
コーティング層34a及び34b各々の厚さ:0.01〜0.03mm
第1接着層20とコーティング層34aとを合わせた厚さ:0.215mm
第2接着層22とコーティング層34bとを合わせた厚さ:0.215mm
光送受信部15の長さ:7.7mm
光送受信部15の幅:5.6mm
なお、サンプルAは4個、サンプルB1〜C2はそれぞれ5個使用して実験を行った。
図9は剥離強度の実験結果を示す図である。横軸は剥離強度を表す。縦軸は分布を表す。図中の三角はサンプルAの結果を示す。黒塗りの四角はサンプルB1の結果を示す。白抜きの四角はサンプルB2の結果を示す。黒塗りの丸はサンプルC1の結果を示す。白塗りの丸はサンプルC2の結果を示す。図中にプロットされた三角等の印の各々は、各印に対応する剥離強度において、1個のサンプルに剥離が発生したことを示す。図中の最も左側の印は、サンプルA〜C2各々における1個目のサンプルにおいて剥離が発生した強度を示し、左から2つめのプロットは2個目のサンプルにおいて剥離が発生した強度を示す。
図9に示すように、サンプルAでは約10〜11.5kgf(約98〜112.8N)に、剥離強度が分布した。サンプルB1では、約2〜2.5kgf(約19.6〜24.5N)に剥離強度が分布した。またサンプルB2では、約2〜3.5kgf(約19.6〜34.3N)に剥離強度が分布した。サンプルC1では、約0.8〜2.5kgf(7.8〜24.5N)に剥離強度が分布した。サンプルC2では、約2〜3.5kgf(約19.6〜34.3N)に剥離強度が分布した。つまり、コーティング層34a及び34bを設けないサンプルAよりも、コーティング層34a及び34bを設けたサンプルB1〜C2の方が、剥離強度が小さくなった。言い換えれば、コーティング層34aと第1接着層20との接着力は、第1接着層20と金属板18との接着力より小さい。また、コーティング層34bと第2接着層22との接着力は、第2接着層22と金属板18との接着力より小さい。
剥離強度が小さくなることで、金属板18及び光送受信部15を剥がす際に、光送受信部15にかかるストレスは小さくなる。つまり、コーティング層34a及び34bを設けた方が設けない場合よりも、光送受信部15へのダメージが軽減され、リワーク性が高まる。また温度変化のサイクルを行ったサンプルB2及びC2の各々は、行わなかったサンプルB1及びC1よりも剥離強度がやや高くなったが、リワーク性に大きな影響はなかった。また図5において説明したように、光送受信部15が備える鍔部17は壁10aに押し付けられる。鍔部17が押し付けられる力は、例えば500gf(4.9N)程度である。サンプルB1〜C2の剥離強度は500gfよりも大きかった。従って、コーティング層34a及び34bを設けた場合、光送受信部15のリワーク性が向上し、かつ光送受信部15の位置が不安定になることは抑制された。また、コーティング層34a及び34bは、温度変化に対して安定だった。
次にコーティング層の熱抵抗を計算したシミュレーションについて説明する。シミュレーションでは、光送受信部15を熱源として、コーティング層の厚さ(以下コーティング厚)を変化させた場合の、光通信用モジュールの熱抵抗を計算した。なおコーティング層34a及び34bは同じ厚さとし、コーティング厚とはコーティング層34a及び34bの個々の厚さを指すこととした。
サンプルについて説明する。サンプルDは、コーティング層34a及び34bを設けないサンプルである。サンプルEは、酸化アルミニウムのみからなるコーティング層34a及び34bを設けたサンプルである。サンプルFは、アルミナ系離型剤で形成されたコーティング層34a及び34bを設けたサンプルである。サンプルGは、フッ素系樹脂で形成されたコーティング層34a及び34bを設けたサンプルである。筐体10は亜鉛ダイカスト(ZDC2)からなる。光送受信部15のパッケージは銅タングステン(CuW)又はコバールからなる。金属板18はアルミニウム(A5052)からなる。
サンプルの寸法について説明する。なお筐体10、金属板18、及び光送受信部15各々の寸法については、上記したものと同じである。またコーティング層34a及び34bの厚さは、それぞれ0〜0.4mmの間で変化させた。
第1接着層20の厚さ:0.215mm
第2接着層22の厚さ:0.215mm
各材料の熱伝導率について説明する。表1はサンプルに用いた材料の熱伝導率を示す表である。表2はサンプルFに用いられたアルミナ系離型剤に含まれる材料の含有比率と熱伝導率とを示す表である。
Figure 2012083429
Figure 2012083429
表1に示すように、第1接着層20及び第2接着層22を形成するシリコーン樹脂の熱伝導率は2.8W/(m・K)である。金属板18を形成するアルミニウムの熱伝導率は138W/(m・K)である。筐体10を形成するZnダイカストの熱伝導率は113W/(m・K)である。サンプルGのコーティング層34a及び34bを形成するフッ素系樹脂の熱伝導率は0.25W/(m・K)である。また表2に示すように、サンプルFのコーティング層34a及び34bを形成するアルミナ系離型剤には、酸化アルミニウムが94.74%、エチルセルロースが2.63%、ケイ酸マグネシウムが2.63%の割合で含有されている。酸化アルミニウムの熱伝導率は29W/(m・K)である。エチルセルロースの熱伝導率は0.17W/(m・K)である。ケイ酸マグネシウムの熱伝導率は0.11W/(m・K)である。
図10(a)は熱抵抗の計算結果を示す図であり、図10(b)は0〜0.2mmの範囲を拡大した図である(図10(a)中の破線の楕円参照)。横軸はコーティング厚を表す。縦軸は熱抵抗を表す。一点鎖線はサンプルDの結果を示す。点線はサンプルEの結果を示す。実線はサンプルFの結果を示す。破線はサンプルGの結果を示す。
図10(a)及び図10(b)に示すように、サンプルDの熱抵抗は約3.8℃/Wであった。サンプルEでは、コーティング厚の増大に伴い、熱抵抗が小さくなった。これは表1に示すように、コーティング層34a及び34bを形成する酸化アルミニウムの熱伝導率が、シリコーン樹脂よりも大きいためである。これに対し、サンプルFでは、コーティング厚の増大に伴い熱抵抗が大きくなった。また、サンプルGでは、コーティング厚の増大に伴い、熱抵抗が大幅に大きくなった。表2に示すように、サンプルFのコーティング層34a及び34bに含まれる有機材(エチルセルロース及びケイ酸マグネシウム)の熱伝導率は、シリコーン樹脂及び酸化アルミニウムそれぞれの熱伝導率よりも小さい。このためサンプルFでは、コーティング厚が大きくなることにより、有機材が有する小さな熱伝導率の寄与が大きくなり、熱抵抗が大きくなった。また、サンプルGのコーティング層34a及び34bを構成するフッ素形樹脂の熱伝導率は、シリコーン樹脂の熱伝導率よりも小さい。このためサンプルGでは、コーティング厚が大きくなることにより、フッ素系樹脂の熱伝導率の寄与が大きくなり、熱抵抗が非常に大きくなった。
次に光送受信部15を動作させた際の温度変化を検証した実験について説明する。実験は、85℃の温度下において光送信部12が備えるLDを動作させて、光送信部12の温度を測定した。温度測定の後、コーティング厚を変化させて、光送信部12の動作、及び温度測定を行ったものである。コーティング層34a及び34bは、表2に示した構成の、アルミナ系離型剤からなるものとした。サンプルとして、サンプル1〜5の5個を用いた。サンプル1〜5は、互いに同じ構成を有する。
図11は光送信部の温度変化の実験結果を示す図である。横軸はコーティング厚を表す。縦軸は温度変化を表す。白抜きの丸はサンプル1を示す。黒塗りの丸はサンプル2を示す。白抜きの四角はサンプル3を示す。黒塗りの四角はサンプル4を示す。三角はサンプル5を示す。
図11に示すように、コーティング厚が0.2mm以上になると、サンプル2,3及び5では、温度上昇が1℃以上となった。これは図10(a)及び図10(b)において説明したように、コーティング厚の増大に伴い、熱抵抗も大きくなり、放熱性が低下するためである。光送信部12は、動作すると発熱する。光送信部12内に設けられたTECは、光送信部12の温度を調整する。温度上昇が1℃以上となったことは、TECによる温度調整ができなくなったことを示す。つまり、サンプル1,3,及び5は、コーティング厚が0.3mm付近となった場合に、TECによる温度調整が困難になった。サンプル間で温度変化のバラつきが大きかったのは、第1接着層20及び第2接着層22を構成するシリコーン樹脂の塗布量のバラつき等によるものと考えられる。
コーティング厚が0.1mm以下では、サンプル1〜5のいずれにおいても温度変化は1℃以下であった。とくに、コーティング厚が0.03mm付近では、温度変化は0.5℃以下と小さく、かつサンプル間のバラつきも小さかった。温度変化が0.5℃以下であれば、TECの調整能力の範囲内であり、温度上昇による光出力特性への悪影響も小さい。
次にコーティング層の絶縁耐圧について説明する。光送受信部15と、金属板18又は筐体10とがショートすると、光通信が良好に行われない可能性がある。このため、コーティング層34a及び34bには、電気的な絶縁性が求められる。表3は、フッ素系樹脂とアルミナ系離型剤、各々の絶縁耐圧を示す表である。
Figure 2012083429
表3に示すように、フッ素系樹脂の絶縁耐圧は2200V程度である。これに対し、アルミナ系離型剤の絶縁耐圧は10〜15kV程度である。
図9に示したように、リワーク性を高める剥離強度とするためには、コーティング厚は0.01〜0.03mm程度が好ましい。またアルミナ系離型剤及びフッ素系樹脂は、剥離性及び温度変化に対する安定性に優れていた。図10(b)に示したように、アルミナ系離型剤を用いたサンプルFでは、コーティング厚が例えば0.1mmのときに熱抵抗は4℃/W程度であり、コーティング層34a及び34bを設けないサンプルDとの差異は小さかった。つまり、コーティング層34a及び34bによる熱伝導性への悪影響は小さかった。また、図11に示したように、コーティング厚が0.03mm付近では、温度変化が小さかった。さらに表3に示したように、アルミナ系離型剤は、絶縁耐圧も高い。つまり、アルミナ系離型剤を用いることで、剥離強度、温度変化に対する安定性、熱伝導性、及び絶縁性に優れたコーティング層34a及び34bを形成できるとの結果が得られた。
実施例1では、金属板18の下面18aにコーティング層34aを設け、第1接着層20はコーティング層34aと接触して筐体10と金属板18とを接着する。また図9において説明したように、コーティング層34aと第1接着層20との接着力は、第1接着層20と金属板18との接着力より小さい。このため、実施例1によれば、金属板18を筐体10から取り外す工程において、光送受信部15に加わるストレスを低減することができる。従って、光送受信部15のリワーク性が向上する。
また金属板18の上面18bにコーティング層34bを設け、第2接着層22はコーティング層34bと接触して金属板18と光送受信部15とを接着する。コーティング層34bと第2接着層22との接着力は、第2接着層22と金属板18との接着力より小さい。このため、光送受信部15を金属板18から取り外す工程においても、光送受信部15に加わるストレスを低減することができる。従って、光送受信部15のリワーク性が向上する。
光送受信部15を再利用する際に用いる筐体10及び金属板18は、再利用前に用いていたものと同じ筐体10及び金属板18でもよいし、別の筐体10及び金属板18でもよい。例えば筐体10及び金属板18が破損した場合は、別の筐体10及び金属板18を用いればよい。つまり筐体10及び金属板18は、再利用してもよいし、再利用しなくてもよい。その一方で、光送受信部15は、筐体10及び金属板18よりも高価である。従って、光通信用モジュールの低コスト化のためには、光送受信部15を再利用することが特に好ましい。
上述のように、アルミナ系離型剤は、温度変化に対する安定性、熱伝導性、及び絶縁性の点で、コーティング材に適している。良好な剥離性を発揮するためには、コーティング厚は0.01〜0.03mmが好ましい。また、アルミナ系離型剤以外の材料を用いてもよい。例えば、ボロンナイトライド系離型剤は、熱伝導率が50W/(m・K)、絶縁耐圧が20kVである。従って、ボロンナイトライド系離型剤を用いた場合でも、剥離強度、熱伝導性及び絶縁性に優れたコーティング層34a及び34bを形成することができる。ボロンナイトライド系離型剤は、アルミナ系離型剤より熱伝導率が高い。このため、コーティング厚を0.01〜0.03mmよりも厚くしても、高い熱伝導性を維持できる。コーティング厚を大きくすることで、剥離性が高まる。またフッ素系樹脂は、アルミナ系離型剤よりも熱伝導性及び絶縁性には劣るが、剥離強度及び温度変化に対する安定性の点からは、コーティング層34a及び34bとして用いてもよい。また、コーティング層34aと第1接着層20との接着力が、第1接着層20と金属板18との接着力より小さくなるような、他の材料をコーティング材として用いてもよい。またコーティング層34aとコーティング層34bとは、同じ材料からなるとしたが、異なる材料からなるとしてもよい。ただし、工程を簡略化し、光通信用モジュールの低コスト化を図るためには、コーティング層34aとコーティング層34bとは同じ材料からなることが好ましい。
第1接着層20及び第2接着層22は、シリコーン樹脂、特に放熱シリコーン樹脂により形成することが好ましい。また第1接着層20及び第2接着層22は、シリコーン樹脂以外の材料、特に熱伝導性に優れ、かつ光送受信部15を固定できる接着力を有する材料により形成することが好ましい。金属板18はアルミニウムからなるとしたが、アルミニウム以外の金属からなるとしてもよい。熱伝導性の観点から、アルミニウム以外に、例えば銅系の材料により金属板18を形成することが好ましい。またTECは光送信部12内に設けられるとしたが、例えば光送受信部15の外部であって、筐体10に接触して設けられていもよい。TECは筐体10の温度を調整する。
図6(a)から図6(c)に示したように、実施例1では、金属板18にコーティング層34a及び34bを設けた後に、金属板18を筐体10に搭載している。光通信用モジュールの製造方法はこれに限定されず、例えば金属板18を筐体10に搭載した後にコーティング層34aを設けることも可能である。しかしながら、コーティング層34aを形成するコーティング材が、第1接着層20及び筐体10に付着する恐れがある。この場合、光送受信部15のパッケージと筐体10とがショートして、光通信が良好に行われない可能性がある。光受信部14では、PD等の受光部を用いた回路のグランド電位を、パッケージの電位としている。このため、パッケージの電位と、筐体10のグランド電位とを異なる電位とすることが求められる。つまり光送受信部15と筐体10との間は、絶縁されていることが求められる。金属板18にコーティング層34a及び34bを設けた後に、金属板18を筐体10に搭載することで、コーティング材が第1接着層20及び筐体10に付着することが抑制される。つまり、光送受信部15と筐体10とのショートを抑制するためには、金属板18にコーティング層34a及び34bを設けた後、金属板18を筐体10に搭載することが好ましい。
レセプタクル16が孔部32に挿入された状態において、金属板18を第1接着層20から剥がすと、レセプタクル16又は鍔部17に大きなストレスが加わることがある。この結果、光送受信部15にダメージが発生する可能性がある。図8において説明した分解方法では、金属板18にレセプタクル16の孔部32への挿入方向とは反対方向に力を加えて、金属板18及び光送受信部15を孔部32への挿入方向とは反対方向に移動させる。これにより、レセプタクル16は孔部32から抜けて、孔部32の外部に移動する。鍔部17は壁10aから離れる。このため、光送受信部15へのダメージを抑制することができる。また、金属板18を移動させた後、金属板18を筐体10から取り外す前に、光送受信部15を金属板18から取り外す工程を行ってもよい。しかしながら、筐体10と金属板18とが一体になった状態では作業スペースが狭いため、光送受信部15を金属板18から取り外す工程において光送受信部15にダメージが生じることがある。光送受信部15へのダメージを抑制するためには、金属板18を筐体10から取り外す工程の後に、光送受信部15を金属板18から取り外す工程を行うことが好ましい。
なお、金属板18を筐体10から剥がした後、光送受信部15を金属板18から剥がして光送受信部15を再利用するほか、光送受信部15を金属板18から剥がさずに、光送受信部15と金属板18とを一体として再利用してもよい。
実施例2は、下面18aにのみコーティング層を設けた例である。図12は実施例2に係る光通信用モジュールを例示する断面図である。
図12に示すように、金属板18の上面18bにはコーティング層34bが設けられていない。下面18aにはコーティング層34aが設けられている。他の構成は既述したものと同じであるため、説明を省略する。また実施例2に係る光通信用モジュールの製造方法は、コーティング層34bを設けないこと以外は、図6(a)から図7(c)に示したものと同じである。つまり、図6(a)に示した工程において、コーティング層34aのみが設けられ、コーティング層34bは設けられない。
実施例2に係る光通信用モジュールの分解方法について説明する。金属板18及び光送受信部15を筐体10から取り外す工程を行う点は、実施例1(図8参照)と同様である。つまり、金属板18の下面18aに設けられたコーティング層34aが、第1接着層20から剥れる。その一方で、実施例2では、光送受信部15と金属板18とを一体として再利用する。このため、光送受信部15を金属板18から取り外す工程は行わなくてよい。
実施例2によれば、実施例1と同様に光送受信部15のリワーク性が高まる。また、コーティング層34bは設けなくてもよいため、コーティング材の節約により、光通信用モジュールの低コストを図ることができる。また、光送受信部15を金属板18から取り外さなくてよいため、工程を簡略化することができる。
実施例3は、筐体10にコーティング層を設けた例である。図13(a)は実施例3に係る光通信用モジュールを例示する断面図である。図13(b)については後述する。
図13(a)に示すように、筐体10の上面10bに、例えばアルミナ系離型剤からなるコーティング層34cが設けられている。第1接着層20は、コーティング層34aとコーティング層34cとに接触して、筐体10と金属板18とを接着する。他の構成は既述したものと同じであるため説明を省略する。
次に実施例3に係る光通信用モジュールの製造方法について説明する。図14(a)及び図14(b)は、実施例3に係る光通信用モジュールの製造方法を例示する断面図である。
図14(a)に示すように、例えばスプレーによりコーティング材を吹き付けて、筐体10の上面10bにコーティング層34cを設ける。図14(b)に示すように、コーティング層34c上に、第1接着層20を設ける。他の工程は、図6(a)、図6(c)から図7(b)に示したものと同じであるため説明を省略する。なお、金属板18は、図6(a)に示すようなコーティング層34a及び34bが設けられたもの、又は図12(a)に示すようなコーティング層34aのみが設けられたもの、どちらを用いてもよい。また実施例3に係る光通信用モジュールの製造方法及び分解方法は、既述したものと同じであるため、説明を省略する。
実施例3によれば、筐体10の上面10bにコーティング層34cが設けられ、コーティング層34cと第1接着層20との接着力は、第1接着層20と筐体10との接着力より小さい。このため、実施例1と同様に光送受信部15のリワーク性が高まる。
次に実施例3の変形例について説明する。図13(b)は実施例3の変形例に係る光通信用モジュールを例示する断面図である。
図13(b)に示すように、筐体10の上面にコーティング層34cが設けられ、金属板18にはコーティング層34a及び34bが設けられていない。他の構成は既述したものと同じであるため、説明を省略する。実施例3の変形例に係る光通信用モジュールの製造方法は、金属板18にコーティング層34a及び34bを設けないこと以外は、既述したものと同じであるため、説明を省略する。
実施例3の変形例に係る光通信用モジュールの分解方法について説明する。金属板18及び光送受信部15を筐体10から取り外す工程を行う点は、実施例1(図8参照)と同様である。このとき、第1接着層20がコーティング層34cから剥れる。つまり、筐体10及びコーティング層34cと、第1接着層20、金属板18、第2接着層22及び光送受信部15とが分離する。実施例3の変形例では実施例2と同様に、光送受信部15と金属板18とを一体として再利用する。
実施例1から実施例3の変形例において説明したように、コーティング層は、金属板18の下面18a及び筐体10の上面10bの少なくとも一方に設けられていればよい。また、金属板18の上面18bに設けられてもよい。
各実施例においては、光送信部12及び光受信部14を合わせた光送受信部15が筐体10に搭載されるとしたが、例えば光送信部12又は光受信部14のいずれか一方のみが筐体10に搭載されるとしてもよい。光送信部12はLD以外に、LED(Light Emitting Diode:発光ダイオード)等の発光素子を備えるとしてもよい。光受信部14は、PD以外の受光素子を備えるとしてもよい。
以上、本発明の実施例について詳述したが、本発明はかかる特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
筐体 10
上面 10b,18b
光送信部 12
光送信部 14
光送受信部 15
レセプタクル 16
金属板 18
下面 18a
第1接着層 20
第2接着層 22
孔部 32
コーティング層 34a,34b,34c

Claims (8)

  1. 光素子を搭載した光通信部と、
    前記光通信部を搭載する筐体と、
    前記光通信部と前記筐体との間に設けられた金属板と、
    前記金属板の前記筐体側の面、及び前記筐体の前記金属板側の面の少なくとも一方に設けられたコーティング層と、
    前記金属板と前記筐体との間に設けられ、前記コーティング層と接触して、前記金属板と前記筐体とを接着する第1接着層と、
    前記光通信部と前記金属板との間に設けられ、前記光通信部と前記金属板を接着する第2接着層と、を具備し、
    前記コーティング層と前記第1接着層との接着力は、前記第1接着層と前記金属板との接着力及び前記第1接着層と前記筐体との接着力の各々より小さいことを特徴とする光通信用モジュール。
  2. 前記金属板の前記光通信部側の面に設けられた、前記コーティング層とは別のコーティング層を具備し、
    前記第2接着層は、前記別のコーティング層と接触して、前記光通信部と前記金属板を接着し、
    前記別のコーティング層と前記第2接着層との接着力は、前記第2接着層と前記金属板との接着力及び前記第2接着層と前記光通信部との接着力の各々より小さいことを特徴とする請求項1記載の光通信用モジュール。
  3. 前記別のコーティング層は、前記コーティング層と同じ材料からなることを特徴とする請求項2記載の光通信用モジュール。
  4. 前記コーティング層は、酸化アルミニウムを含む離型剤により形成されていることを特徴とする請求項1から3いずれか一項記載の光通信用モジュール。
  5. 前記第1接着層及び前記第2接着層は、シリコーン樹脂からなることを特徴とする請求項1から4いずれか一項記載の光通信用モジュール。
  6. 光素子を備えた光通信部と、前記光通信部を搭載する筐体と、前記光通信部と前記筐体との間に設けられた金属板と、前記金属板の前記筐体側の面、及び前記筐体の前記金属板側の面の少なくとも一方に設けられたコーティング層と、前記金属板と前記筐体との間に設けられ、前記コーティング層と接触して、前記金属板と前記筐体とを接着する第1接着層と、前記光通信部と前記金属板との間に設けられ、前記光通信部と前記金属板を接着する第2接着層と、を備える光通信用モジュールの分解方法であって、
    前記コーティング層を前記第1接着層から剥がすことで、前記金属板及び前記光通信部を前記筐体から取り外す工程を有することを特徴とする光通信用モジュールの分解方法。
  7. 前記光通信部はレセプタクルを備え、前記筐体は前記レセプタクルが挿入される穴を備え、かつ前記レセプタクルの前記孔部への挿入方向は、前記筐体の前記光通信部を搭載する搭載面の延びる方向であって、
    前記取り外す工程は、前記挿入方向とは反対方向に前記光通信部を移動させる工程を含むことを特徴とする請求項6記載の光通信用モジュールの分解方法。
  8. 筐体と光通信部との間に金属板を介在して、前記筐体と前記光通信部とを一体化する光通信用モジュールの製造方法であって、
    前記金属板の前記筐体側の面、及び前記筐体の前記金属板側の面の少なくとも一方に、コーティング層を形成する工程と、
    前記筐体と前記金属板との間に第1接着層を設け、前記筐体と前記金属板とを前記第1接着層により接着する工程と、
    前記金属板と前記光通信部との間に第2接着層を設け、前記金属板と前記光通信部とを前記第2接着層により接着する工程と、を含み、
    前記コーティング層と前記第1接着層との接着力は、前記第1接着層と前記金属板との接着力、及び前記第1接着層と前記筐体との接着力の各々より小さいことを特徴とする光通信用モジュールの製造方法。
JP2010227642A 2010-10-07 2010-10-07 光通信用モジュール、光通信用モジュールの分解方法、及び光通信用モジュールの製造方法 Pending JP2012083429A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010227642A JP2012083429A (ja) 2010-10-07 2010-10-07 光通信用モジュール、光通信用モジュールの分解方法、及び光通信用モジュールの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010227642A JP2012083429A (ja) 2010-10-07 2010-10-07 光通信用モジュール、光通信用モジュールの分解方法、及び光通信用モジュールの製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2012083429A true JP2012083429A (ja) 2012-04-26

Family

ID=46242397

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010227642A Pending JP2012083429A (ja) 2010-10-07 2010-10-07 光通信用モジュール、光通信用モジュールの分解方法、及び光通信用モジュールの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2012083429A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015200777A (ja) * 2014-04-08 2015-11-12 新日鐵住金株式会社 パネル部材
KR20160093775A (ko) * 2015-01-29 2016-08-09 삼성디스플레이 주식회사 표시 장치 및 그 제조 방법
JP2020046584A (ja) * 2018-09-20 2020-03-26 住友電気工業株式会社 光トランシーバ

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002139599A (ja) * 2000-10-31 2002-05-17 Konica Corp 放射線画像変換パネル
JP2004037983A (ja) * 2002-07-05 2004-02-05 Sumitomo Electric Ind Ltd 光インターフェイスボールグリッドアレイの実装方法ならびに光学部品およびその製造方法
JP2004069756A (ja) * 2002-08-01 2004-03-04 Furukawa Electric Co Ltd:The 光モジュールの製造方法および製造装置
JP2004533721A (ja) * 2001-05-16 2004-11-04 モトローラ・ブロードバンド・ニュルンベルク・ゲーエムベーハー 電気信号処理装置に光電変換器を配置させる装置
JP2007280620A (ja) * 2006-04-03 2007-10-25 Epson Imaging Devices Corp 照明装置及び液晶表示装置
JP2007305395A (ja) * 2006-05-11 2007-11-22 Sato Shoji Corp Ledユニット
JP2008309960A (ja) * 2007-06-13 2008-12-25 Eudyna Devices Inc 光通信用モジュール

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002139599A (ja) * 2000-10-31 2002-05-17 Konica Corp 放射線画像変換パネル
JP2004533721A (ja) * 2001-05-16 2004-11-04 モトローラ・ブロードバンド・ニュルンベルク・ゲーエムベーハー 電気信号処理装置に光電変換器を配置させる装置
JP2004037983A (ja) * 2002-07-05 2004-02-05 Sumitomo Electric Ind Ltd 光インターフェイスボールグリッドアレイの実装方法ならびに光学部品およびその製造方法
JP2004069756A (ja) * 2002-08-01 2004-03-04 Furukawa Electric Co Ltd:The 光モジュールの製造方法および製造装置
JP2007280620A (ja) * 2006-04-03 2007-10-25 Epson Imaging Devices Corp 照明装置及び液晶表示装置
JP2007305395A (ja) * 2006-05-11 2007-11-22 Sato Shoji Corp Ledユニット
JP2008309960A (ja) * 2007-06-13 2008-12-25 Eudyna Devices Inc 光通信用モジュール

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015200777A (ja) * 2014-04-08 2015-11-12 新日鐵住金株式会社 パネル部材
KR20160093775A (ko) * 2015-01-29 2016-08-09 삼성디스플레이 주식회사 표시 장치 및 그 제조 방법
KR102343653B1 (ko) 2015-01-29 2021-12-27 삼성디스플레이 주식회사 표시 장치 및 그 제조 방법
JP2020046584A (ja) * 2018-09-20 2020-03-26 住友電気工業株式会社 光トランシーバ
JP7192343B2 (ja) 2018-09-20 2022-12-20 住友電気工業株式会社 光トランシーバ

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6976795B2 (en) Optical device and optical module
US9857063B2 (en) LED module and method of bonding thereof
US10578266B2 (en) LED substrate with electrical connection by bridging
US8157418B2 (en) Illumination device comprising a heat sink
US20190067901A1 (en) Integrated package for laser driver and laser diode
JP5533431B2 (ja) 光モジュール
JP2012064936A (ja) 光モジュールおよびその組立方法
US20130182390A1 (en) Thermally conductive flexible member for heat transfer
US20180206324A1 (en) Mounting structure, method for manufacturing mounting structure, and radio device
CN112213831A (zh) 热电致冷器上的光学元件的接合及对齐的技术以及实施其的光次组件
JP2012083429A (ja) 光通信用モジュール、光通信用モジュールの分解方法、及び光通信用モジュールの製造方法
JP2007012717A (ja) パッケージ型半導体装置
CN103165794A (zh) 光学半导体装置用基台、其制造方法以及光学半导体装置
EP3345464B1 (en) Method of making an led device
CN109287131A (zh) 光电模块组件和制造方法
US20120181066A1 (en) Package carrier
WO2019188106A1 (ja) 半導体レーザ装置
WO2013145532A1 (ja) 樹脂パッケージ
TWI578453B (zh) 晶片封裝結構及其封裝方法
JP2019009171A (ja) 半導体装置
CN115298589A (zh) 光电传输复合模块
US20210239926A1 (en) Optical transceiver
US20110100616A1 (en) Heat radiating structure and method for manufacturing the same
JP2008306033A (ja) 光モジュール
CN103166104A (zh) 芯片封装结构及其封装方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20130919

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20140129

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20140916

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20150203