以下、本発明の平衡度測定装置及び平衡度測定方法に係る好適な実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、本発明の平衡度測定装置及び平衡度測定方法は、以下の記述に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、適宜変更可能である。
また、以下の説明においては、最初に本発明の第1の実施形態の平衡度測定装置1について図1乃至図10を参照しながら説明する。次に本発明の第2の実施形態の平衡度測定装置2について図11を参照しながら説明する。次に本発明の第3の実施形態の平衡度測定装置3について図12を参照しながら説明する。次に本発明の第4の実施形態の平衡度測定装置4について図13を参照しながら説明する。次に本発明の第5の実施形態の平衡度測定装置5について図14を参照しながら説明する。さらに本発明の第1乃至第5の実施形態の各平衡度測定装置の具体的な使用形態について説明する。また本発明の第1乃至第5の実施形態のいずれかの平衡度測定装置を用いて平衡度を測定した工具の傾きを調整する方法の一例について図15乃至18を参照しながら説明する。最後に本発明の第1乃至第5の実施形態の各平衡度測定装置の構成と主な作用効果について請求項毎に説明する。
[第1の実施形態]
以下、本発明の第1の実施形態の平衡度測定装置1について、図1乃至図10を参照しながら、具体的に説明する。なお、先ず平衡度測定装置1の構成について図1乃至図4を参照しながら説明し、次に平衡度測定装置1の使用方法について図5乃至図10を参照しながら説明する。
先ず、平衡度測定装置1の構成について、図1乃至図4を参照しながら、具体的に説明する。第1の実施形態の平衡度測定装置1は、工具の平衡度を測定する装置であって、例えば図1及び図2に示すように、測定部10、付勢部20、検出部30、係留部40、及び報知部50から構成される。以下、平衡度測定装置1の各構成について順に説明する。
第1の実施形態の平衡度測定装置1を構成する測定部10は、工具が離間可能に当接される測定面11aを設けている。この様な測定部10は、例えば図2に示すように、測定板11から構成されている。以下、測定部10の構成について図2を参照しながら説明する。測定部10の測定板11は、例えばステンレスから成り、円盤形状から形成されている。ここで、測定板11の例えば上面に相当する測定面11aは、後述する係留部40の係留板41により離間可能に係留して停止されている。また、測定板11の測定面11aは、所定の面精度を有している。また、測定板11の測定面11aに対向した下面に相当する付勢面11bの中心には、例えば凹状から成る当接部位11cが形成されている。該当接部位11cは、後述する付勢部20の付勢部材21の付勢部位21aにより付勢されている。また、測定板11の付勢面11bは、所定の面精度を有している。なお、測定板11の当接部位11cに係る変形例については、図3を参照しながら後述する。また、測定板11の切欠部11dは、該測定板11の外周に形成された凹部であり、後述する係留部40の支柱42との干渉を回避するために設けられている。また、測定板11の測定面11aに、工具が当接する位置の基準となる当接基準目印11eを設けている。なお、測定面11aの当接基準目印11eは、付勢面11bの当接部位11cに対向する位置に設けられている。この様な当接基準目印11eは、例えば十字状に形成されている。
第1の実施形態の平衡度測定装置1を構成する付勢部20は、測定部10の測定面11aに対向した付勢面11bに当接し、測定部10を付勢する。この様な付勢部20は、例えば図2に示すように、付勢部材21、伸縮部材22、支持側板23、及び支持筒24から構成されている。以下、付勢部20の構成について図2及び図3を参照しながら説明する。付勢部20の付勢部材21は、例えばステンレスから成り、円筒形状から形成されている。ここで、付勢部材21の例えば上部に凸状から形成された付勢部位21aは、測定板11の付勢面11bの当接部位11cに当接している。また、付勢部材21の例えば下部に所定の深さの穴で形成された伸縮部材収納部21bには、後述する伸縮部材22の一部が収納されている。また、付勢部材21の外周面21dは、所定の面精度を有し、後述する支持側板23の内周面23a及び支持筒24の内周面24cに当接している。ここで、付勢部材21は、支持側板23の内周面23a及び支持筒24の内周面24cに沿って、偏心することなく、図2(b)に示す上方及び下方に移動することができる。
また、付勢部20に関し、該付勢部20の伸縮部材22は、例えば所定の伸縮性を備えたバネから成る。ここで、伸縮部材22の一端部22aは、付勢部材21の伸縮部材収納部21bの底面21cに対して、付勢した状態で当接している。さらに、伸縮部材22の他端部22bは、後述する係留部40の支持台43の伸縮部材収納穴43bに対して、付勢した状態で当接している。また、付勢部20の支持側板23は、例えばアルミニウムから成り、中心に貫通穴を設けた円盤形状から形成されている。該支持側板23の貫通穴の内周面23aは、所定の面精度を有し、付勢部材21の外周面21dが当接している。また、支持側板23の外周に形成された固定部23bは、後述する係留部40の支柱42に対して、例えば図示せぬセットスクリューにより固定される。なお、支持側板23には、後述する検出部30の検出手段31が配設されている。また、付勢部20の支持筒24は、例えばアルミニウムから成り、円筒形状から形成されている。ここで、支持筒24には、貫通穴から成る付勢部材収納穴24aが設けられている。さらに、支持筒24の付勢部材収納穴24aの内周面24cは、所定の面精度を有し、付勢部材21の外周面21dが当接している。また、支持筒24の下面に相当する支持部24bは、係留部40の支持台43の一面43aに載置された状態で、固定されている。
ここで、付勢部20に関し、図2に示した付勢部20の付勢部材21と測定部10の測定板11が当接する形態の変形例について、図3を参照しながら説明する。図3(a)は、測定部10の測定板11の付勢面11bに形成された凹状部に相当する当接部位11cに、付勢部20の付勢部材21に形成された突起部に相当する付勢部位21aが当接している状態を示しており、図2(b)に図示した構成と同様である。また、図3(b)は、測定板12の付勢面12bに形成された凸状部に相当する当接部位12cに、付勢部材25に形成された窪み部に相当する付勢部位25aが当接している状態を示している。同様に、図3(c)は、測定板13に形成された平面から成る付勢面13bに、付勢部材21に形成された円錐状から成る突起部に相当する付勢部位21aが当接している状態を示している。同様に、図3(d)は、測定板12の付勢面12bに形成された円錐状から成る凸状部に相当する当接部位12cに、付勢部材26に形成された平面から成る付勢部位26aが当接している状態を示している。同様に、図3(e)は、測定板13に形成された平面から成る付勢面13bに、付勢部材27に形成された半球状から成る突起部に相当する付勢部位27aが当接している状態を示している。同様に、図3(f)は、測定板14の付勢面14bに形成された半球状から成る凸状部に相当する当接部位14cに、付勢部材26に形成された平面から成る付勢部位26aが当接している状態を示している。
第1の実施形態の平衡度測定装置1を構成する検出部30は、測定部10の付勢面11bに当接した状態で設けられ、工具に当接された測定部10が付勢されている方向と反対の方向に移動した場合に、測定部10の位置を検出する。この様な検出部30は、例えば図2に示すように、検出手段31、固定部材32、及び配線33から構成されている。以下、検出部30の構成について図2及び図4を参照しながら説明する。検出部30の検出手段31には、接触式のセンサを用いる。ここで、接触式のセンサには、例えば、検出手段31が圧縮された量、移動された距離、又は受けた圧力の増加量をそれぞれ検出するものを用いることができる。
具体的には、検出部30に関し、図2に示す該検出部30の検出手段31には、接触式のセンサを用いている。この様な検出手段31は、測定部材31a、保護部材31b、支持部材31c、及び検出部材31dから成る。検出手段31の測定部材31aは、例えばステンレスから成り、先端が半球状に形成された円柱形状から形成されている。また、検出手段31の保護部材31bは、例えばゴムから成り、測定部材31aが上下に移動した場合に該測定部材31aの外周を保護するために、蛇の目状の円筒形状から形成されている。また、検出手段31の支持部材31cは、例えばアルミニウムから成り、円筒形状から形成されている。ここで、支持部材31cの内部には、測定部材31aの下部が移動可能に収納されている。また、支持部材31cの一端には保護部材31bが接合され、支持部材31cの他端には後述する検出部材31dが接合されている。なお、支持部材31cの外周面には、例えばネジ溝が形成されている。また、検出手段31の検出部材31dは、例えば内部に空間を設けた長方体形状から形成されている。
ここで、検出部30に関し、例えば検出部材31dの内部に、光源と該光源から出射された光を受光する受光素子とを対向して一列に複数設け、該光源と受光素子の間に配設された測定部材31aが上下に移動した場合に、検出部材31dの内部で移動する該測定部材31aの下端の位置を、フォトインタラプト方式により検出する。また、検出部材31dの内部に抵抗素子を設け、測定部材31aが上下に移動した場合に、該測定部材31aの外周面と抵抗素子が接触する面積が変化し、その接触面積に比例した電流値の変動を検出しても良い。同様に、検出部材31dの内部に圧電素子を設け、測定部材31aが上下に移動した場合に、該測定部材31aにより受けた圧力の変動を検出しても良い。また、例えば検出部材31dには、検出手段31で得られた信号を増幅するためのアンプが備えられている。ここで、図4に示すように、例えば、4つの検出手段31が並列に接続され、それぞれ所定の駆動電流が供給される。また、検出部30の検出手段31に係る測定精度は、該検出手段31の仕様により決定され、例えば±1μmの精度とすることができる。
また、検出部30に関し、該検出部30の固定部材32は、例えばナットから成り、検出手段31を付勢部20の支持側板23に固定する。具体的には、付勢部20の支持側板23に開口された貫通穴に検出手段31の支持部材31cを通し、該支持部材31cに固定部材32を装着することで、固定部材32と検出手段31の検出部材31dで支持側板23を挟み込み、検出手段31を支持側板23に固定する。ここで、図1及び図2では、例えば4つの検出手段31が、測定板11の当接部位11cと付勢部材21の付勢部位21aが当接している位置を中心として、90度毎の4方向に対して、等しい距離だけ離れて支持側板23に配設されている。また、検出部30の配線33は、図4に示すように、検出手段31と報知部50とを接続する配線である。
第1の実施形態の平衡度測定装置1を構成する係留部40は、測定部10の測定面11aの側に設けられ、付勢部20に付勢された測定部10を離間可能に係留して停止させる。この様な係留部40は、例えば図2に示すように、係留板41、支柱42、及び支持台43から構成されている。以下、係留部40の構成について図2を参照しながら説明する。係留部40の係留板41は、例えばステンレスから成り、内部に開口を設けた円盤形状から形成されている。なお、係留板41の内部に開口を設けることにより、工具を測定部10の測定板11の測定面11aに当接させることができる。また、図2に示す係留板41の下面に相当する係留面41aは、工具を測定部10の測定板11の測定面11aに当接した状態で、測定板11を離間可能に係留して停止させている。
また、係留部40に関し、該係留部40の支柱42は、例えばアルミニウムから成り、円柱形状から形成されている。この様な支柱42の一端42aは係留板41の係留板41にネジ留めされ、且つ支柱42の他端42bは後述する支持台43の一面43aにネジ留めされている。ここで、図1及び図2では、例えば4つの支柱42が、測定板11の当接部位11cと付勢部材21の付勢部位21aが当接している位置を中心として、90度毎の4方向に対して配設されている。また、係留部40の支持台43は、例えばステンレスから成り、円盤形状から形成されている。ここで、図2に示す支持台43の上面に相当する一面43aには、凹部から成る伸縮部材収納穴43bが形成され、伸縮部材22の他端部22bが当接している。また、支持台43の一面43aに対向した他面43cは、所定の面精度を有し、任意の基準台Gに載置される。
第1の実施形態の平衡度測定装置1を構成する報知部50は、検出部30と電気的に接続され、検出部30が検出した測定部10の位置の変化量又は位置の絶対値を報知する。この様な報知部50は、例えば図2に示すように、表示ユニット51、報知手段52、電源スイッチ53、及びリセットスイッチ54から構成されている。以下、報知部50の構成について図2を参照しながら説明する。報知部50の表示ユニット51は、図2に示すように、後述する報知手段52を、所定の配置で配設する筐体である。また、報知部50の報知手段52は、検出手段31で得られた信号を表示するモニタである。また、報知部50の電源スイッチ53は、検出手段31に対して駆動電流を供給又は停止するためのスイッチであり、表示ユニット51の表面に配設されている。また、報知部50のリセットスイッチ54は、例えば電源スイッチ53に隣接して配設され、検出手段31で得られた信号をゼロにリセットするためのスイッチである。また、報知部50では、複数の検出手段31でそれぞれ検出された値の差分を算出し、差分が所定の値以下である場合と所定の値を超えている場合とで、報知手段52にOKやNG等の異なる情報を表示して報知する構成としても良い。
次に、平衡度測定装置1の使用方法について、図5乃至図10を参照しながら、具体的に説明する。
平衡度測定装置1の使用方法に関し、図5乃至図7に示す4つの検出手段31を設けた平衡度測定装置1には、測定板11の当接部位11cと付勢部材21の付勢部位21aが当接している位置を中心として、4つの検出手段31が、90度毎の4方向に対して等しい距離だけ離れて配設されている。なお、図7は、図5に図示した構成の模式図に相当する。ここで、図5及び図6には、一例として、凸部を複数備えた加工具に相当する工具Tを示している。なお、工具Tが傾斜している場合、加工対象物に凸部を複数備えた工具Tを当接して加工すると、加工対象物に形成される凹部の深さが不均一となる。したがって、工具Tを使用する前に、該工具Tの平衡度を測定する必要がある。
具体的には、例えば4つの検出手段31を設けた平衡度測定装置1の使用方法に関し、先ず、図1に示す表示ユニット51に配設されたリセットスイッチ54を押下し、各報知手段52に表示される検出手段31に係る信号をゼロにリセットする。その後、基準台Gに対して平衡度を満たした工具Tを、図5(a)に示すように平衡度測定装置1に設けられた測定部10の測定板11に近接させ、次に図5(b)に示すように測定板11に当接させ、さらに図5(c)に示すように測定板11に当接させたまま測定板11を下方に移動させる。この様な場合、図5(c)に示すように、検出部30の4つの検出手段31の測定部材31aは、測定部10の測定板11の付勢面11bにより、均等に移動される。したがって、4つの検出手段31にそれぞれ接続された報知手段52には同一の値が表示され、図5に示す工具Tが、基準台Gに対して平衡度を満たしていることが分かる。
一方、4つの検出手段31を設けた平衡度測定装置1の使用方法に関し、先ず、図1に示す表示ユニット51に配設されたリセットスイッチ54を押下し、各報知手段52に表示される検出手段31に係る信号をゼロにリセットする。その後、基準台Gに対して傾斜した工具Tを、図6(a)に示すように平衡度測定装置1に設けられた測定部10の測定板11に近接させ、次に図6(b)に示すように測定板11に当接させ、さらに図6(c)に示すように測定板11に当接させたまま測定板11を下方に移動させる。この様な場合、図6(c)に示すように、検出部30の4つの検出手段31の測定部材31aは、測定部10の測定板11の付勢面11bにより、不均一に移動される。したがって、4つの検出手段31にそれぞれ接続された報知手段52には異なる値が表示され、図6に示す工具Tが、基準台Gに対して傾斜していることが分かる。
なお、4つの検出手段31を設けた平衡度測定装置1の使用方法に関し、図7において、加工面の4隅にそれぞれ凸部が設けられた工具T1の平衡度を、平衡度測定装置1で測定する構成を模式図で示している。この様に、4つの検出手段31が、測定板11の当接部位11cと付勢部材21の付勢部位21aが当接している位置を中心として、90度毎の4方向に対して等しい距離だけ離れて配設された平衡度測定装置1では、工具T1の平衡度を、図7(a)に示すX軸及びY軸の2軸における面内で測定することができる。なお、例えば、測定板11と付勢部材21が当接している位置と各検出手段31を結ぶ直線状に、工具T1の4隅にそれぞれ設けられた凸部が位置するように測定する。
また、3つの検出手段31を設けた平衡度測定装置1の使用方法に関し、図8に、加工面の3隅にそれぞれ凸部が設けられた工具T2の平衡度を、平衡度測定装置1で測定する構成を模式図で示している。この様に、3つの検出手段31が、測定板11の当接部位11cと付勢部材21の付勢部位21aが当接している位置を中心として、120度毎の3方向に対して等しい距離だけ離れて配設された平衡度測定装置1では、工具T2の平衡度を、図8(a)に示すX1軸、X2軸、及びX3軸における面内で測定することができる。なお、例えば、測定板11と付勢部材21が当接している位置と各検出手段31を結ぶ直線状に、工具T2の3隅にそれぞれ設けられた凸部が位置するように測定する。ここで、工具T2に設けられた凸部の先端がそれぞれ平面で形成されている場合には、工具T2に当接された測定板11が、測定板11と付勢部材21が当接している位置を中心として偏心することがないため、工具T2の平衡度を正確に測定することができる。
また、2つの検出手段31を設けた平衡度測定装置1の使用方法に関し、図9に、先端が長方形状から成る工具T3の平衡度を、平衡度測定装置1で測定する構成を模式図で示している。なお、この様な工具T3は、例えば移載機のコレットに相当する。なお、この様なコレットの吸着面は、平面から成り、移載対象物を吸引するための微少な穴が開口されている。この様に、2つの検出手段31が、測定板11の当接部位11cと付勢部材21の付勢部位21aが当接している位置を中心として、等しい距離だけ離れて対向して配設された平衡度測定装置1では、工具T3の長径方向の平衡度を、図9(a)に示すX軸において測定することができる。すなわち、図9に示す平衡度測定装置1は、工具T3の平衡度を、長径方向の一軸のみ測定するだけで足りる場合に適用する装置に相当する。なお、測定板11と付勢部材21が当接している位置と各検出手段31を結ぶ直線状に、工具T3の長径方向が平行に位置するように測定する。ここで、工具T3の先端が平面で形成されている場合には、工具T3に当接された測定板11が、測定板11と付勢部材21が当接している位置を中心として偏心することがないため、工具T3の平衡度を一軸で正確に測定することができる。
ここで、複数の検出手段31を設けた平衡度測定装置1を簡便に使用する方法に関し、図10に、工具T4の平衡度を、平衡度測定装置1で簡便に測定する構成を模式図で示している。まず、図10(a)に示すように、付勢部材21の先端に円錐状から成る付勢部位21aが形成されている場合、測定板13の付勢面13bと付勢部材28の付勢部位28aは、一点で当接している。この場合、工具T4に当接された測定板13は、工具T4の傾斜角度に比例して傾いた状態で、各検出手段31に当接する。したがって、工具T4の平衡度を該工具T4の傾斜角度に対応させて正確に測定することができる。次に、図10(b)に示すように、付勢部材28の先端に、平面部が形成された円錐台状から成る付勢部位28aが設けられている場合、測定板13の付勢面13bと付勢部材28の付勢部位28aは、所定の面で当接している。この場合、工具T4の傾斜角度が一定の角度以内であれば、該工具T4に当接された測定板13は、平衡状態を保ったまま、各検出手段31に当接する。したがって、図10(b)に示す構成では、工具T4の平衡度を、該工具T4の傾斜角度が所定の角度を超えた場合にのみ、簡便に測定することができる。
また、複数の検出手段31を設けた平衡度測定装置1を簡便に使用する方法に関し、図10(c)に示すように、付勢部材29の先端に、平面部が形成された円錐台状から成る付勢部位29aが設けられており、測定板13の付勢面13bと付勢部材29の付勢部位29aは、図10(b)よりも大きな面積から成る面で当接している。したがって、図10(c)に示す構成では、工具T4の平衡度を、該工具T4の傾斜角度が図10(b)と比較してより大きな角度を超えた場合にのみ、簡便に測定することができる。すなわち、測定板13の付勢面13bと各付勢部材の付勢部位が当接する面積を調整することにより、工具T4の平衡度を任意の精度で測定することができる。
以上、第1の実施形態に係る平衡度測定装置1によれば、例えば図6に示すように、工具Tを、平衡度測定装置1に設けられた測定部10の測定板11の測定面11aに当接させたまま測定板11を下方に移動させて、該測定板11の付勢面11bに当接した検出部30の複数の検出手段31から得られた信号を比較することにより、基準台Gに対する工具Tの平衡度を短時間で精度良く測定することができる。
また、第1の実施形態に係る平衡度測定装置1によれば、平衡度を測定する工具が、検出部30に対して直接接触しない構成である。したがって、工具の仕様に合わせて、測定部10の測定板11の材質や形状を選定することにより、例えば、複雑な形状を有する工具や高温で用いる工具の平衡度も、検出部30に備えられた検出手段31の形状や耐熱性に依存することなく、精度良く測定することができる。
同様に、第1の実施形態に係る平衡度測定装置1によれば、平衡度を測定する工具の形状に合わせて、例えば、検出部30に設ける検出手段31の個数、又は付勢部20と測定部10との当接箇所からの距離を決定できることから、平衡度測定装置1の測定精度を最適化できる。
同様に、第1の実施形態に係る平衡度測定装置1によれば、例えば図3の各図に示すように、付勢部20の付勢部材21と測定部10の測定板11が当接する部分の形状を、工具の特性に合わせて、最適化できる。具体的には、例えば、工具の平衡度の測定範囲すなわち測定角度を相当広くする必要がある場合に、例えば、図3(e)に示す構成とすれば、測定板13が、大きく傾いた工具に当接されて大きく傾いても、測定板13の付勢面13bと付勢部材27の付勢部位27aとが常に一定の状態で当接するため、工具の傾きに依存せず測定精度を維持することができる。
同様に、第1の実施形態に係る平衡度測定装置1によれば、付勢部20に付勢された測定部10の測定面11aが、係留部40に係留されて停止している状態で、検出部30の各検出手段31における信号をゼロにリセットすることにより、複数の検出手段31の検出基準位置の微調整を不要にすることができる。さらに、工具を測定部30の測定板31の測定面31aに当接させる直前に、検出部30の各検出手段31における信号をゼロにリセットする構成にすれば、例えば室温の経時変化に伴い平衡度測定装置1の構成部材が熱膨張しても、その様な変動に起因した誤差を大幅に抑制することができる。
同様に、第1の実施形態に係る平衡度測定装置1によれば、例えば、図10(b)に示すように、付勢部材28の先端に、平面部が形成された円錐台状から成る付勢部位28aを設けた場合、測定板13の付勢面13bと付勢部材28の付勢部位28aは、所定の面で当接することになる。この場合、工具T4の傾斜角度が一定の角度以内であれば、該工具T4に当接された測定板13は、平衡状態を保ったまま、各検出手段31に当接する。したがって、図10(b)に示す構成では、工具T4の平衡度を、該工具T4の傾斜角度が所定の角度を超えた場合にのみ、簡便に測定することができる。すなわち、測定板13の付勢面13bと付勢部材28の付勢部位28aが当接する面積を調整することにより、工具T4の平衡度を任意の精度で測定することができる。
同様に、第1の実施形態に係る平衡度測定装置1によれば、検出部30には、接触式のセンサを用いることができる。ここで、接触式のセンサには、例えば、検出手段31が圧縮された量、移動された距離、又は受けた圧力の増加量をそれぞれ検出するものを用いることができる。また、検出部30に用いるセンサには特に制約は無く、必要となる精度やコストに応じて、最適な仕様のセンサを選択することができる。
[第2の実施形態]
以下、本発明の第2の実施形態の平衡度測定装置2について、図11を参照しながら、具体的に説明する。
なお、本発明の第2の実施形態の平衡度測定装置2は、検出部30が測定部10の付勢面11bから離間した状態で設けられ、工具に当接された測定部10が付勢部20に付勢された方向と反対の方向に移動した場合に、検出部30が測定部10に前記測定部に当接して又は当接せずに該測定部10の位置を検出することに特徴を有している。また、それ以外の第2の実施形態に係る構成は、第1の実施形態で述べた構成と同様である。以下、第2の実施形態については、第1の実施形態とは異なる事項について中心に説明する。
第2の実施形態の平衡度測定装置2を構成する検出部30では、検出部30の検出手段31が測定部10の測定板11の付勢面11bから離間した状態で設けられていることから、検出部30には接触式のセンサに加えて非接触式のセンサを用いることができる。具体的には、非接触式のセンサは、例えば、検出手段31から測定部10の測定板11の付勢面11bに対して光を照射し該付勢面11bからの反射光を受光するまでの時間をそれぞれ測定し、該測定された時間から測定部10の測定板11の付勢面11bと検出手段31との間の距離をそれぞれ算出するものを用いる。なお、検出部30に設けられた各検出手段31の測定部材31aの高さは、それぞれ等しくなるように位置を調整する。
以上、第2の実施形態に係る平衡度測定装置2によれば、前述した第1の実施形態に係る平衡度測定装置1と同様の作用効果を得ることができる。
具体的には、第2の実施形態に係る平衡度測定装置2は、前述した第1の実施形態に係る平衡度測定装置1の変形例に相当し、例えば図11に示すように、図示せぬ工具を、平衡度測定装置2に設けられた測定部10の測定板11の測定面11aに当接させることにより測定板11を下方に移動させ、該測定板11の付勢面11bに当接した検出部30の複数の検出手段31から得られた信号を比較することにより、工具の平衡度を短時間で精度良く測定することができる。なお、例えば、第1の実施形態に係る平衡度測定装置1に係る図3や図10に示す構成は、第2の実施形態に係る平衡度測定装置2にも適用できる。
さらに、第2の実施形態に係る平衡度測定装置2によれば、検出部30の検出手段31が、測定部10の測定板11の付勢面11bから離間した状態で設けられている。したがって、検出部30には、接触式のセンサに加えて非接触式のセンサを用いることができる。ここで、非接触式のセンサには、例えば、検出手段31から測定部10の測定板11の付勢面11bに対して光を照射し該付勢面11bからの反射光を受光するまでの時間をそれぞれ測定し、該測定された時間から測定部10の測定板11の付勢面11bと検出手段31との間の距離をそれぞれ算出するものを用いることができる。この様に、検出部30に用いるセンサには特に制約は無く、必要となる精度やコストに応じて、最適な仕様のセンサを選択することができる。
[第3の実施形態]
以下、本発明の第3の実施形態の平衡度測定装置3について、図12を参照しながら、具体的に説明する。
なお、本発明の第3の実施形態の平衡度測定装置3は、検出部30が測定部60の測定面61に直接配設され、且つ係留部80が検出部30の検出手段31を離間可能に係留して停止させていることに特徴を有している。また、本発明の第3の実施形態の平衡度測定装置3では、検出部30が測定部60の測定面61aに配設され、工具に当接された測定部60が付勢部70に付勢された方向と反対の方向に移動した場合に、測定部60の位置を検出する。また、それ以外の第3の実施形態に係る構成は、第1又は第2の実施形態で述べた構成と同様である。具体的には、第3の実施形態の平衡度測定装置3は、図12に示すように、第1の実施形態の平衡度測定装置1と同様の仕様から成る検出部30及び報知部50と、第3の実施形態の平衡度測定装置3に特有の測定部60、付勢部70、及び係留部80から構成されている。以下、第3の実施形態においては、第1又は第2の実施形態とは異なる事項について中心に説明する。
第3の実施形態の平衡度測定装置3を構成する測定部60は、工具が離間可能に当接される測定面61aを設けている。この様な測定部60は、測定部10の測定板11と同様の形状から成る測定板61から構成されている。ここで、測定板61に形成された貫通穴に、検出手段31の支持部材31cを通し、該支持部材31cに固定部材32を装着することで、固定部材32と検出手段31の検出部材31dで測定板61を挟み込み、検出手段31を測定板61に固定している。ここで、図12では、例えば4つの検出手段31が、測定板61の当接部位61cと付勢部材71の付勢部位71aが当接している位置を中心として、90度毎の4方向に対して、等しい距離だけ離れて測定板61に配設されている。
第3の実施形態の平衡度測定装置3を構成する付勢部70は、測定部60の測定面61aに対向した付勢面61bに当接し、測定部60を付勢する。この様な付勢部70は、付勢部材71、伸縮部材72、及び支持筒74から構成されている。なお、付勢部70の付勢部材71、伸縮部材72、及び支持筒74は、付勢部20の付勢部材21、伸縮部材22、及び支持筒24と同様の構成である。一方、付勢部70には、付勢部20の支持側板23に相当する部材が不要である。
第3の実施形態の平衡度測定装置3を構成する係留部80は、測定部60の測定面61aの側に設けられ、検出部30を離間可能に係留して停止させる。この様な係留部80は、係留板81、支柱82、及び支持台83から構成されている。なお、係留部80の支柱82及び支持台83は、係留部40の支柱42及び支持台43と同様の構成である。ここで、係留部80の係留板81は、例えばステンレスから成り、内部に開口を設けた円盤形状から形成されている。なお、係留板81の内部に開口を設けることにより、工具を測定部60の測定板61の測定面61aに当接させることができる。また、係留板81の下面に相当する係留面81aは、検出部30の検出手段31を離間可能に係留して停止させている。
以上、第3の実施形態に係る平衡度測定装置3によれば、前述した第1及び第2の実施形態に係る平衡度測定装置1及び平衡度測定装置2と同様の作用効果を得ることができる。
具体的には、第3の実施形態に係る平衡度測定装置3は、前述した第1の実施形態に係る平衡度測定装置1の変形例に相当し、例えば図12に示すように、図示せぬ工具を、平衡度測定装置3に設けられた測定部60の測定板61の測定面61aに当接させることにより測定板61を下方に移動させ、係留部80の係留板81の係留面81aに離間可能に当接した検出部30の複数の検出手段31から得られた信号を比較することにより、工具の平衡度を短時間で精度良く測定することができる。なお、例えば、第1の実施形態に係る平衡度測定装置1に係る図3や図10に示す構成は、第3の実施形態に係る平衡度測定装置3にも適用できる。
さらに、第3の実施形態に係る平衡度測定装置3によれば、検出部30の複数の検出手段31が、測定部60の測定面61aの側に設けられ且つ係留部80の係留板81の係留面81aに離間可能に当接した状態で配設されている。したがって、検出部30には、接触式のセンサ及び非接触式のセンサをそれぞれ用いることができる。
[第4の実施形態]
以下、本発明の第4の実施形態の平衡度測定装置4について、図13を参照しながら、具体的に説明する。
なお、本発明の第4の実施形態の平衡度測定装置4は、検出部30の検出手段31が、測定部10の測定板11の測定面11aの側に設けられ、係留部を兼ねていることに特徴を有している。また、それ以外の第4の実施形態に係る構成は、第1乃至第3の実施形態で述べた構成と同様である。具体的には、第4の実施形態の平衡度測定装置4は、図13に示すように、第1の実施形態の平衡度測定装置1と同様の仕様から成る測定部10及び報知部50と、第3の実施形態の平衡度測定装置3と同様の仕様から成る付勢部70と、第4の実施形態の平衡度測定装置4に特有の検出部90から構成されている。以下、第4の実施形態においては、第1乃至第3の実施形態とは異なる事項について中心に説明する。
第4の実施形態の平衡度測定装置4を構成する検出部90は、測定部10の測定板11の測定面11aの側に設けられ、付勢部70に付勢された測定部10の測定板11を離間可能に係留して停止させた状態で、工具に当接された測定部10が付勢部80に付勢された方向と反対の方向に移動した場合に、測定部10の位置を検出する。なお、検出部90は、第1の実施形態に係る係留部40の機能を兼ねている。この様な検出部90は、検出手段91、固定部材92、配線93、係留板96、支柱97、及び支持台98から構成されている。なお、検出部90の検出手段91、固定部材92、及び配線93の基本的な構成は、第1の実施形態に係る検出部30の検出手段31、固定部材32、及び配線33の構成と、同様である。また、検出部90の係留板96、支柱97、及び支持台98の基本的な構成は、第1の実施形態に係る係留部40の係留板41、支柱42、及び支持台43の構成と、同様である。ここで、検出部90の係留板96には、検出手段91が固定部材92により固定されている。また、検出手段91の先端が測定部10の測定板11の測定面11aに当接され、測定板11を係留して停止させている。
以上、第4の実施形態に係る平衡度測定装置4によれば、前述した第1乃至第3の実施形態に係る平衡度測定装置1乃至平衡度測定装置3と同様の作用効果を得ることができる。
具体的には、第4の実施形態に係る平衡度測定装置4は、前述した第1の実施形態に係る平衡度測定装置1の変形例に相当し、例えば図13に示すように、図示せぬ工具を、平衡度測定装置4に設けられた測定部10の測定板11の測定面11aに当接させることにより測定板11を下方に移動させ、測定部10の測定板11の測定面11aに離間可能に当接した検出部90の複数の検出手段91から得られた信号を比較することにより、工具の平衡度を短時間で精度良く測定することができる。なお、例えば、第1の実施形態に係る平衡度測定装置1に係る図3や図10に示す構成は、第4の実施形態に係る平衡度測定装置4にも適用できる。
さらに、第4の実施形態に係る平衡度測定装置4によれば、検出部90の複数の検出手段91が、測定部10の測定板11の測定面11aに離間可能に当接した状態で配設されている。したがって、検出部90には、接触式のセンサ及び非接触式のセンサをそれぞれ用いることができる。
また、第4の実施形態に係る平衡度測定装置4によれば、検出部90の複数の検出手段91全体が、測定部10の測定板11の測定面11aの側に設けられていることから、もし、工具の動作距離が相当長く、該動作距離が可変できなくても、該工具に当接されて下方に大きく移動した測定板11の付勢面11bが、検出部90の複数の検出手段91と干渉しない。
[第5の実施形態]
以下、本発明の第5の実施形態の平衡度測定装置5について、図14を参照しながら、具体的に説明する。
なお、本発明の第5の実施形態の平衡度測定装置5は、第1乃至第4の各装置に備え付けて構成する装置であり、工具を停止させた状態で、筐体を工具に向けて移動させる移動部100を設けていることに特徴を有している。また、それ以外の第5の実施形態に係る構成は、第1乃至第4の各実施形態で述べた構成と同様である。具体的には、第5の実施形態の平衡度測定装置5は、図14に示すように、例えば第1の実施形態の平衡度測定装置1と同様の仕様から成る測定部10、付勢部20、検出部30、係留部40、及び報知部50と、第5の実施形態の平衡度測定装置5に特有の移動部100から構成されている。なお、第1の実施形態の平衡度測定装置1の構成に換えて、第2の実施形態の平衡度測定装置2の構成、第3の実施形態の平衡度測定装置3の構成、又は第4の実施形態の平衡度測定装置4の構成を用いても良い。以下、第5の実施形態においては、第1乃至第4の実施形態とは異なる事項について中心に説明する。
本発明の第5の実施形態の平衡度測定装置5を構成する移動部100は、第1乃至第3の実施形態の各装置に備え付ける場合、第1乃至第3の実施形態の各装置の係留部に設けられた筐体に相当する支持台に隣接し、筐体を工具に向けて移動させ、第1乃至第3の実施形態の各装置の測定部の測定面を工具に当接させる。また、移動部100を、第4の実施形態の装置に備え付ける場合、該装置の検出部に設けられた筐体に相当する支持台に隣接し、筐体を工具に向けて移動させ、第4の実施形態の装置の測定部の測定面を工具に当接させる。ここで、図14に示す平衡度測定装置5は、一例として、第1の実施形態の装置の係留部に設けられた筐体に相当する支持台に移動部100を隣接することで構成されている。この様な移動部100は、付勢板101、当接板102、及び伸縮手段103から構成されている。以下、移動部100の構成について説明する。移動部100の付勢板101は、例えばアルミニウムから成り、円盤形状から形成されている。この様な付勢板101は、各装置の筐体に相当する支持台に隣接されている。また、移動部100の当接板102は、例えばアルミニウムから成り、円盤形状から形成されている。この様な当接板102は、基準台Gに載置される。また、移動部100の伸縮手段103は、例えば電動式のジャッキであり、付勢板101と当接板102との間の距離を、可変させる。
以上、第5の実施形態に係る平衡度測定装置5によれば、前述した第1乃至第4の実施形態に係る平衡度測定装置1乃至平衡度測定装置4と同様の作用効果を得ることができる。
具体的には、第5の実施形態に係る平衡度測定装置5は、前述した第1乃至第4の実施形態に係る平衡度測定装置1乃至平衡度測定装置4の応用例に相当し、工具の平衡度を、該工具の駆動条件に依存せず、短時間で精度良く測定することができる。すなわち、第5の実施形態に係る平衡度測定装置5によれば、平衡度を測定する必要がある工具が装着された装置を起動させる必要がないため、工具の平衡度を容易に測定することができる。したがって、第5の実施形態に係る平衡度測定装置5によれば、例えば、専門の作業員が不在の場合や、早朝や深夜等で騒音が気になる場合に、工具が装着された装置を起動させることなく、工具の平衡度を容易に測定することができる。
同様に、第5の実施形態に係る平衡度測定装置5によれば、平衡度を測定する必要がある工具を比較的高速でしか移動させることができないような場合に、工具を当接させた平衡度測定装置5の測定部や、平衡度を測定する工具そのものに、過度な負荷が掛かることを防止することができる。すなわち、第5の実施形態に係る平衡度測定装置5によれば、平衡度を測定する工具の材質や形状等の特性に合わせて、移動部100の伸縮手段103の速度を決定することができる。
さらに、本発明の第1乃至第5の実施形態の各平衡度測定装置の具体的な使用形態について説明する。
本願発明の各平衡度測定装置は、例えば、加工対象物に凹部を形成するための凸部を複数設けた加工具の平衡度を測定するために使用する。なお、加工具の平衡度を保つことにより、加工対象物に均一な深さの凹部を形成することができる。また、本願発明の各平衡度測定装置は、例えば、発光ダイオードを基板上の電極パターンに移載する移載機のコレットの平衡度を測定するために使用する。なお、吸着面が平面から成るコレットの平衡度を保つことにより、発光ダイオードの表面に圧痕等の不良を発生させることなく基板上の電極パターンに移載することができる。同様に、本願発明の各平衡度測定装置は、例えば、所定の基材に保護材等を熱圧着する圧着機の圧着部材の平衡度を測定するために使用する。なお、圧着面が平面から成る圧着部材の平衡度を保つことにより、所定の基材に保護材等を均一に圧着することができる。同様に、本願発明の各平衡度測定装置は、例えば、射出成型機やプレス機に所定の金型を搭載する平面から成る部位の平衡度を測定するために使用する。この場合、例えば、係留部の係留板の開口部分から測定部の測定板の一部が突出する様に各平衡度測定装置を構成する。なお、所定の金型を搭載する部位の平衡度を保つことにより、該金型の寿命を延ばすことができる。また、本願発明の各平衡度測定装置は、例えば、工具が上方から下方向に移動する形態、下方から上方向に移動する形態、及び水平方向に移動する形態に対応することが可能である。
また、本発明の第1乃至第5の実施形態のいずれかの平衡度測定装置を用いて平衡度を測定した工具の傾きを調整する方法の一例について、図15乃至18を参照しながら、具体的に説明する。
傾きを調整する工具は、一例として、図15に示す超音波加工装置1000に配設された超音波加工用ホーン1042とする。ここで、超音波加工装置1000は、図15に示すように、超音波加工装置1000を構成する各構成機器を搭載して収容する筐体部1010、導光板に形成する前の基材である導光板基材1100を例えば真空吸引して固定する加工台部1020、導光板基材1100に対して超音波加工部1040を相対的に移動させる移動機構部1030、導光板基材1100の主面に超音波加工用ホーン1042の突起を当接させて超音波の振動により主面を部分的に加熱し溶融させて凹状のパターンを形成する超音波加工部1040、及び超音波加工部1040による超音波加工を制御する制御部1050から構成される。
また、超音波加工装置1000の超音波加工部1040は、例えば図16(b)に示すように、導光板基材1100の主面に超音波加工用ホーン1042の突起を当接させて、超音波の振動により主面を部分的に加熱し溶融させて凹状のパターンを形成する。具体的には、図16(a)において、超音波加工部1040が下方向へ移動を開始し、超音波加工用ホーン1042の振動子1042aに接続された先端部1042bが導光板基材1100の表面に接触すると、図16(b)に示すように超音波加工部1040が停止し、支持ブロックとストッパ部材が離間して所定の時間が経過した後、超音波加工用ホーン1042が上昇する。したがって、工具である超音波加工用ホーン1042が傾斜していると、導光板基材1100の主面に対して設計値通りの加工を施すことができない。
ここで、工具である超音波加工用ホーン1042の傾きを調整する方法について、図17及び図18を参照しながら説明する。なお、図18に示すθ1方向とθ2方向について、超音波加工用ホーン1042の傾きをそれぞれ調整する。
超音波加工用ホーン1042が配設された超音波加工部1040のθ1方向の傾きの調整方法に関して説明する。第1の傾き調整ステージ1035を、第1の回動基準ネジ1036を用いて昇降ステージ1034に回動可能に係留した上で、第1のマイクロメータC1を用い、超音波加工用ホーン1042が配設された超音波加工部1040のθ1方向の傾きを調整する。具体的には、第1のマイクロメータC1の根元部分が、第1の傾き調整ステージ1035の下部から突出して設けられた固定プレート1035dに形成されたネジ溝1035eにネジ込まれた上で、第1のマイクロメータC1の先端部分が、第1の傾き調整ステージ1035の固定プレート1035dと対面した支持プレート1035fに形成された貫通穴1035gに挿入されている。なお、第1のマイクロメータC1は、ネジ山が形成されていない先端部分とネジ山が形成されている根元部分から成り、根元部分が回動しても先端部分は連動して回動しないように係合されている。また、昇降ステージ1034と第1の傾き調整ステージ1035が当接した状態で、第1の回動基準ネジ1036が、第1の傾き調整ステージ1035に形成された貫通穴1035aを介して、昇降ステージ1034に形成されたネジ溝1034aにネジ留めされている。さらに、第1のマイクロメータC1の先端部分に開口された貫通穴に、第1の傾き調整ステージ1035に形成された長穴1035hを介して、昇降ステージ1034から突出して設けられた連結棒1034bが挿入されている。上記の構成により、第1のマイクロメータC1を用い、超音波加工用ホーン1042のθ1方向の傾きを調整する。
超音波加工用ホーン1042が配設された超音波加工部1040のθ2方向の傾きの調整方法に関して説明する。第2の傾き調整ステージ1037を、第2の回動基準ネジ1038を用いて第1の傾き調整ステージ1035に回動可能に係留した上で、第2のマイクロメータC2を用い、超音波加工用ホーン1042が配設された超音波加工部1040のθ2方向の傾きを調整する。具体的には、第2の傾き調整ステージ1037の両端の上部にそれぞれ形成された当接部1037aの外面が、第1の傾き調整ステージ1035の両端の上部にそれぞれ突出して形成された係合部1035bの内面に挿入されている。その状態で、一対の第2の回動基準ネジ1038が、第1の傾き調整ステージ1035の係合部1035bに形成された貫通穴1035cを介して、第2の傾き調整ステージ1037の当接部1037aに形成されたネジ溝1037bにネジ留めされている。ここで、第2の傾き調整ステージ1037は、当接部1037aに設けられた図示せぬスプリングにより、常に図18中の時計方向に回動する応力が掛かっている。また、第1の傾き調整ステージ1035の下部からl字状に突出して設けられたL字状固定プレート1035iに形成されたネジ溝1035jに、第2のマイクロメータC2がネジ込まれている。さらに、第2のマイクロメータC2のネジ頭に対向するように、第1の傾き調整ステージ1035にスプリング状の付勢バネ1035kが配設されている。ここで、第2の傾き調整ステージ1037の下部に設けられた連結部1037cが、第2のマイクロメータC2と付勢バネ1035kにより、挟み込まれている。上記の構成により、第2のマイクロメータC2を用い、超音波加工用ホーン1042のθ2方向の傾きを調整する。
最後に、本発明の第1乃至第5の実施形態の各平衡度測定装置の構成と主な作用効果について、請求項毎に説明する。
請求項1に記載の平衡度測定装置1は、工具の平衡度を測定する装置であって、工具が離間可能に当接される測定面を設けた測定部10と、測定部10の測定面に対向した付勢面に当接し、測定部10を付勢する付勢部20と、測定部10の付勢面に当接した状態で設けられ、工具に当接された測定部10が付勢されている方向と反対の方向に移動した場合に、測定部10の位置を検出する検出部30と、測定部10の測定面の側に設けられ、付勢部20に付勢された測定部10を離間可能に係留して停止させる係留部40と、検出部30と電気的に接続され、検出部30が検出した測定部10の位置の変化量又は位置の絶対値を報知する報知部50とを有することを特徴としている。
この様な請求項1に記載の平衡度測定装置1の構成によれば、例えば図6に示すように、工具Tを、平衡度測定装置1に設けられた測定部10の測定板11の測定面11aに当接させたまま測定板11を下方に移動させて、該測定板11の付勢面11bに当接した検出部30から得られた信号により、基準台Gに対する工具Tの平衡度を短時間で精度良く測定することができる。
また、請求項1に記載の平衡度測定装置1の構成によれば、平衡度を測定する工具が、検出部30に対して直接接触しない構成である。したがって、工具の仕様に合わせて、測定部10の測定板11の材質や形状を選定することにより、例えば、複雑な形状を有する工具や高温で用いる工具の平衡度も、検出部30に備えられた検出手段31の形状や耐熱性に依存することなく、精度良く測定することができる。
請求項2に記載の平衡度測定装置1は、請求項1に従属し、検出部30は、工具に当接された測定部10が、該測定部10の付勢面と付勢部20が当接している位置を中心として平衡又は傾斜した状態で移動した場合に、測定部10の位置の変化量に相関した、検出部30が圧縮された量、移動された距離、又は受けた圧力の増加量を検出する、測定部10の付勢面に対して当接した検出手段31を2つ以上備えたことを特徴としている。
この様な請求項2に記載の平衡度測定装置1の構成によれば、平衡度を測定する工具の形状に合わせて、例えば、検出部30に設ける検出手段31の個数、又は付勢部20と測定部10との当接箇所からの距離を決定できることから、平衡度測定装置1の測定精度を最適化できる。また、検出部30には、接触式のセンサを用いることができる。ここで、検出部30に用いるセンサには、特に制約は無く、必要となる精度やコストに応じて、最適な仕様のセンサを選択することができる。
請求項3に記載の平衡度測定装置2は、工具の平衡度を測定する装置であって、工具が離間可能に当接される測定面を設けた測定部10と、測定部10の測定面に対向した付勢面に当接し、測定部10を付勢する付勢部20と、測定部10の付勢面から離間した状態で設けられ、工具に当接された測定部10が付勢されている方向と反対の方向に移動した場合に、測定部10に当接して又は当接せずに該測定部10の位置を検出する検出部30と、測定部10の測定面の側に設けられ、付勢部20に付勢された測定部10を離間可能に係留して停止させる係留部40と、検出部30と電気的に接続され、検出部30が検出した測定部10の位置の変化量又は位置の絶対値を報知する報知部50とを有することを特徴としている。
この様な請求項3に記載の平衡度測定装置2の構成によれば、例えば図11に示すように、図示せぬ工具を、平衡度測定装置2に設けられた測定部10の測定板11の測定面11aに当接させることにより測定板11を下方に移動させ、該測定板11の付勢面11bに当接した検出部30から得られた信号により、工具の平衡度を短時間で精度良く測定することができる。
請求項4に記載の平衡度測定装置2は、請求項3に従属し、検出部30は、工具に当接された測定部10が、該測定部10の付勢面と付勢部が当接している位置を中心として平衡又は傾斜した状態で移動した場合に、測定部10の位置の変化量に相関した、検出部30が圧縮された量、移動された距離、又は受けた圧力の増加量を検出する、測定部10の付勢面に対して離間した状態から当接する検出手段31を2つ以上備えたことを特徴としている。
この様な請求項4に記載の平衡度測定装置2の構成によれば、平衡度を測定する工具の形状に合わせて、例えば、検出部30に設ける検出手段31の個数、又は付勢部20と測定部10との当接箇所からの距離を決定できることから、平衡度測定装置2の測定精度を最適化できる。また、検出部30には、接触式のセンサを用いることができる。ここで、検出部30に用いるセンサには、特に制約は無く、必要となる精度やコストに応じて、最適な仕様のセンサを選択することができる。
請求項5に記載の平衡度測定装置2は、請求項3に従属し、検出部30は、工具に当接された測定部10が、該測定部10の付勢面と付勢部20が当接している位置を中心として平衡又は傾斜した状態で移動した場合に、測定部10の位置の変化量に相関した、測定部10の付勢面に対して光を照射し該付勢面からの反射光を受光するまでの時間を測定し該測定された時間から付勢面までの距離を検出する、測定部10の付勢面に対して離間した検出手段31を2つ以上備えたことを特徴としている。
この様な請求項5に記載の平衡度測定装置2の構成によれば、平衡度を測定する工具の形状に合わせて、例えば、検出部30に設ける検出手段31の個数、又は付勢部20と測定部10との当接箇所からの距離を決定できることから、平衡度測定装置2の測定精度を最適化できる。また、検出部30の検出手段31が測定部10の測定板11の付勢面11bから離間した状態で設けられていることから、検出部30には、接触式のセンサに加えて非接触式のセンサを用いることができる。ここで、検出部30に用いるセンサには、特に制約は無く、必要となる精度やコストに応じて、最適な仕様のセンサを選択することができる。
請求項6に記載の平衡度測定装置3は、工具の平衡度を測定する装置であって、工具が離間可能に当接される測定面を設けた測定部60と、測定部60の測定面に対向した付勢面に当接し、測定部60を付勢する付勢部70と、測定部60の測定面に配設され、工具に当接された測定部60が付勢されている方向と反対の方向に移動した場合に、測定部60の位置を検出する検出部30と、測定部60の測定面の側に設けられ、検出部30を離間可能に係留して停止させる係留部80と、検出部30と電気的に接続され、検出部30が検出した測定部60の位置の変化量又は位置の絶対値を報知する報知部50とを有することを特徴としている。
この様な請求項6に記載の平衡度測定装置3の構成によれば、例えば図12に示すように、図示せぬ工具を、平衡度測定装置3に設けられた測定部60の測定板61の測定面61aに当接させることにより測定板61を下方に移動させ、係留部80の係留板81の係留面81aに離間可能に当接した検出部30から得られた信号により、工具の平衡度を短時間で精度良く測定することができる。
請求項7に記載の平衡度測定装置3は、請求項6に従属し、検出部30は、工具に当接された測定部60が、該測定部60の付勢面と付勢部70が当接している位置を中心として平衡又は傾斜した状態で移動した場合に、測定部60の位置の変化量に相関した、検出部30が延伸された量、移動された距離、又は受けている圧力の減少量を検出する、係留部80に対して当接した検出手段31を2つ以上備えたことを特徴としている。
この様な請求項7に記載の平衡度測定装置3の構成によれば、平衡度を測定する工具の形状に合わせて、例えば、検出部30に設ける検出手段31の個数、又は付勢部70と測定部60との当接箇所からの距離を決定できることから、平衡度測定装置3の測定精度を最適化できる。また、検出部30には、接触式のセンサを用いることができる。ここで、検出部30に用いるセンサには、特に制約は無く、必要となる精度やコストに応じて、最適な仕様のセンサを選択することができる。
請求項8に記載の平衡度測定装置3は、請求項6に従属し、検出部30は、工具に当接された測定部60が、該測定部60の付勢面と付勢部70が当接している位置を中心として平衡又は傾斜した状態で移動した場合に、測定部60の位置の変化量に相関した、係留部80に対して光を照射し該係留部80からの反射光を受光するまでの時間を測定し該測定された時間から係留部80までの距離を検出する、係留部80に対して当接した状態から離間する検出手段31を2つ以上備えたことを特徴としている。
この様な請求項8に記載の平衡度測定装置3の構成によれば、平衡度を測定する工具の形状に合わせて、例えば、検出部30に設ける検出手段31の個数、又は付勢部70と測定部60との当接箇所からの距離を決定できることから、平衡度測定装置3の測定精度を最適化できる。また、検出部30の検出手段31が測定部60の測定板61の付勢面61bから離間可能に設けられていることから、検出部30には、接触式のセンサに加えて非接触式のセンサを用いることができる。ここで、検出部30に用いるセンサには、特に制約は無く、必要となる精度やコストに応じて、最適な仕様のセンサを選択することができる。
請求項9に記載の平衡度測定装置4は、工具の平衡度を測定する装置であって、工具が離間可能に当接される測定面を設けた測定部10と、測定部10の測定面に対向した付勢面に当接し、測定部10を付勢する付勢部70と、測定部10の測定面の側に設けられ、付勢部70に付勢された測定部10を離間可能に係留して停止させた状態で、工具に当接された測定部10が付勢されている方向と反対の方向に移動した場合に、測定部10の位置を検出する検出部90と、検出部90と電気的に接続され、検出部90が検出した測定部10の位置の変化量又は位置の絶対値を報知する報知部50とを有することを特徴としている。
この様な請求項9に記載の平衡度測定装置4の構成によれば、例えば図13に示すように、図示せぬ工具を、平衡度測定装置4に設けられた測定部10の測定板11の測定面11aに当接させることにより測定板11を下方に移動させ、測定部10の測定板11の測定面11aに離間可能に当接した検出部90から得られた信号により、工具の平衡度を短時間で精度良く測定することができる。
また、請求項9に記載の平衡度測定装置4の構成によれば、検出部90が、測定部10の測定板11の測定面11aの側に設けられていることから、もし、工具の動作距離が相当長く、該動作距離が可変できなくても、該工具に当接されて下方に大きく移動した測定板11の付勢面11bが、検出部90と干渉することがない。
請求項10に記載の平衡度測定装置4は、請求項9に従属し、検出部90は、工具に当接された測定部10が、該測定部10の付勢面と付勢部70が当接している位置を中心として平衡又は傾斜した状態で移動した場合に、測定部10の位置の変化量に相関した、検出部90が延伸された量、移動された距離、又は受けている圧力の減少量を検出する、測定部10の測定面に対して当接した検出手段91を2つ以上備えたことを特徴としている。
この様な請求項10に記載の平衡度測定装置4の構成によれば、平衡度を測定する工具の形状に合わせて、例えば、検出部90に設ける検出手段91の個数、又は付勢部70と測定部10との当接箇所からの距離を決定できることから、平衡度測定装置4の測定精度を最適化できる。また、検出部90には、接触式のセンサを用いることができる。ここで、検出部90に用いるセンサには、特に制約は無く、必要となる精度やコストに応じて、最適な仕様のセンサを選択することができる。
請求項11に記載の平衡度測定装置4は、請求項9に従属し、検出部90は、工具に当接された測定部10が、該測定部10の付勢面と付勢部70が当接している位置を中心として平衡又は傾斜した状態で移動した場合に、測定部10の位置の変化量に相関した、測定部10の測定面に対して光を照射し該測定面からの反射光を受光するまでの時間を測定し該測定された時間から測定部10の測定面までの距離を検出する、測定部10の測定面に対して当接した状態から離間する検出手段91を2つ以上備えたことを特徴としている。
この様な請求項11に記載の平衡度測定装置4の構成によれば、平衡度を測定する工具の形状に合わせて、例えば、検出部90に設ける検出手段91の個数、又は付勢部70と測定部10との当接箇所からの距離を決定できることから、平衡度測定装置4の測定精度を最適化できる。また、検出部90の検出手段91が測定部10の測定板11の測定面11aから離間可能に設けられていることから、検出部90には、接触式のセンサに加えて非接触式のセンサを用いることができる。ここで、検出部90に用いるセンサには、特に制約は無く、必要となる精度やコストに応じて、最適な仕様のセンサを選択することができる。
請求項12に記載の平衡度測定装置5は、請求項1、請求項3、又は請求項6のいずれか一項に従属し、係留部40又は80に設けられた筐体に隣接し、該筐体を工具に向けて移動させる移動部100を有し、移動部100は、筐体を工具に向けて移動させ、測定部10又は60の測定面を工具に当接させることを特徴としている。
この様な請求項12に記載の平衡度測定装置5の構成は、平衡度測定装置1乃至平衡度測定装置3の応用例に相当し、工具の平衡度を、該工具の駆動条件に依存せず、短時間で精度良く測定することができる。すなわち、請求項12に記載の平衡度測定装置5によれば、平衡度を測定する必要がある工具が装着された装置を起動させる必要がないため、工具の平衡度を容易に測定することができる。したがって、請求項12に記載の平衡度測定装置5によれば、例えば、専門の作業員が不在の場合や、早朝や深夜等で騒音が気になる場合に、工具が装着された装置を起動させることなく、工具の平衡度を容易に測定することができる。
また、請求項12に記載の平衡度測定装置5の構成によれば、平衡度を測定する必要がある工具を比較的高速でしか移動させることができないような場合に、工具を当接させた平衡度測定装置5の測定部や、平衡度を測定する工具そのものに、過度な負荷が掛かることを防止することができる。すなわち、請求項12に記載の平衡度測定装置5によれば、平衡度を測定する工具の材質や形状等の特性に合わせて、移動部100の伸縮手段103の速度を決定することができる。
請求項13に記載の平衡度測定装置5は、請求項9に従属し、検出部90に設けられた筐体に隣接し、該筐体を工具に向けて移動させる移動部100を有し、移動部100は、筐体を工具に向けて移動させ、測定部10の測定面を工具に当接させることを特徴としている。
この様な請求項13に記載の平衡度測定装置5の構成は、平衡度測定装置4の応用例に相当し、工具の平衡度を、該工具の駆動条件に依存せず、短時間で精度良く測定することができる。すなわち、請求項13に記載の平衡度測定装置5によれば、平衡度を測定する必要がある工具が装着された装置を起動させる必要がないため、工具の平衡度を容易に測定することができる。したがって、請求項13に記載の平衡度測定装置5によれば、例えば、専門の作業員が不在の場合や、早朝や深夜等で騒音が気になる場合に、工具が装着された装置を起動させることなく、工具の平衡度を容易に測定することができる。
また、請求項13に記載の平衡度測定装置5の構成によれば、平衡度を測定する必要がある工具を比較的高速でしか移動させることができないような場合に、工具を当接させた平衡度測定装置5の測定部や、平衡度を測定する工具そのものに、過度な負荷が掛かることを防止することができる。すなわち、請求項13に記載の平衡度測定装置5によれば、平衡度を測定する工具の材質や形状等の特性に合わせて、移動部100の伸縮手段103の速度を決定することができる。
請求項14に記載の平衡度測定装置1乃至5は、請求項2、請求項4、請求項5、請求項7、請求項8、請求項10、又は請求項11のいずれか一項に従属し、検出部30又は90は、測定部10又は60の付勢面と付勢部20又は70が当接している位置を中心として4方向に等しい距離だけ離れて配設される検出手段31又は91を4つ設けていることを特徴としている。
この様な請求項14に記載の平衡度測定装置1乃至5の構成によれば、例えば、図7に示すように、4つの検出手段31が、測定板11の当接部位11cと付勢部材21の付勢部位21aが当接している位置を中心として、90度毎の4方向に対して等しい距離だけ離れて配設されている構成の場合、工具T1の平衡度を、図7(a)に示すX軸及びY軸の2軸における面内で測定することができる。
請求項15に記載の平衡度測定装置1乃至5は、請求項2、請求項7、又は請求項10のいずれか一項に従属し、報知部50は、工具が測定部10又は60に当接する前に、2つ以上の検出手段31又は91の値をそれぞれゼロにリセットするリセットスイッチ54を備えたことを特徴としている。
この様な請求項15に記載の平衡度測定装置1乃至5の構成によれば、例えば、平衡度測定装置1において、付勢部20に付勢された測定部10の測定面11aが、係留部40に係留されて停止している状態で、検出部30の各検出手段31における信号をゼロにリセットすることにより、複数の検出手段31の検出基準位置の微調整を不要にすることができる。さらに、例えば、平衡度測定装置1において、工具を測定部30の測定板31の測定面31aに当接させる直前に、検出部30の各検出手段31における信号をゼロにリセットする構成にすれば、例えば室温の経時変化に伴い平衡度測定装置1の構成部材が熱膨張しても、その様な変動に起因した誤差を大幅に抑制することができる。
請求項16に記載の平衡度測定装置1乃至5は、請求項2、請求項4、請求項5、請求項7、請求項8、請求項10、又は請求項11のいずれか一項に従属し、報知部50は、測定部10又は60の位置の変化量に相関する、2つ以上の検出手段31又は91でそれぞれ検出された値を報知する報知手段52を備えたことを特徴としている。
この様な請求項16に記載の平衡度測定装置1乃至5の構成によれば、工具の平衡度を容易に確認することができる。
請求項17に記載の平衡度測定装置1乃至5は、請求項2、請求項4、請求項5、請求項7、請求項8、請求項10、又は請求項11のいずれか一項に従属し、報知部50は、測定部10又は60の位置の変化量に相関する、2つ以上の検出手段31又は91でそれぞれ検出された値の差分を算出し、差分が所定の値以下である場合と所定の値を超えている場合とで、異なる情報を報知する報知手段52を備えたことを特徴としている。
この様な請求項17に記載の平衡度測定装置1乃至5の構成によれば、工具の平衡度が許容範囲内であるか許容範囲外であるかを、容易に確認することができる。
請求項18に記載の平衡度測定装置1乃至5は、請求項1、請求項3、請求項6、又は請求項9のいずれか一項に従属し、測定部10又は60は、工具が当接する測定面の位置に対向した付勢面の位置に凹状部又は凸状部が形成され、付勢部20又は70は、突起部又は窪み部が形成され、該突起部又は該窪み部が、測定部10又は60に形成された凹状部又は凸状部に一点で当接していることを特徴としている。
この様な請求項18に記載の平衡度測定装置1乃至5の構成によれば、例えば図3の各図に示すように、付勢部20の付勢部材21と測定部10の測定板11が当接する部分の形状を、工具の特性に合わせて、最適化できる。具体的には、例えば、工具の平衡度の測定範囲すなわち測定角度を相当広くする必要がある場合に、例えば、図3(e)に示す構成とすれば、測定板13が、大きく傾いた工具に当接されて大きく傾いても、測定板13の付勢面13bと付勢部材27の付勢部位27aとが常に一定の状態で当接するため、工具の傾きに依存せず測定精度を維持することができる。
請求項19に記載の平衡度測定方法は、工具の平衡度を測定する方法であって、工具が測定手段の測定面に当接し、測定手段が付勢手段により測定面に対向した付勢面から付勢され、且つ測定手段が係留手段により測定面の側から離間可能が係留された状態で、工具に当接された測定手段が、付勢されている方向と反対の方向に移動した場合に、検出手段が測定手段の位置を検出し、報知手段が検出手段が検出した測定手段の位置の変化量又は位置の絶対値を報知することを特徴としている。
この様な請求項19に記載の平衡度測定方法によれば、工具を、測定手段の測定面に当接させたまま下方に移動させて、測定手段の測定面に対向した付勢面に当接した検出手段から得られた信号により、工具の平衡度を短時間で精度良く測定することができる。