JP2005249710A - 形状測定機 - Google Patents

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昌幸 入江
Yasunari Nagaike
康成 長池
Yoshiteru Ito
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Abstract


【課題】 形状測定機の傾斜が変わったときでも、また個々の被測定物に応じた接触力が必要なときでも、その必要な接触力を容易に設定することができる形状測定機を提供すること。
【解決手段】 移動可能に支持されたプローブ23を被測定物Wの深さ方向に変化のある表面にならって追従させ、前記プローブ23と被測定物Wとの接触点の空間位置座標を検出することにより、前記被測定物Wの表面形状を測定する形状測定機1であって、前記プローブ23の傾斜を調整するための傾斜調整手段43と、この傾斜調整手段43により調整される前記プローブ23の傾斜を確認するための傾斜確認手段42とを備えることを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、接触式プローブを有する形状測定機に関するものである。
近年、作動軸の先端に設けられた接触式プローブを用いて被測定物の形状を測定する形状測定機が多く知られている。これらの形状測定機について、小型化、精密化が進む被測定物の損傷を防ぐために、プローブの被測定物に対する接触力は非常に小さく設定されることが要請される。
そこで、プローブの取り付けられた作動軸と、加圧気体(例えば、圧縮空気)により作動軸を非接触で軸方向に移動可能に支持する軸受とを備え、プローブを含む部材に加わる重力の作動軸方向の成分を利用することにより微小な接触力を得るような形状測定機が紹介されている(特許文献1参照。)。
このような形状測定機によると、上記接触力を小さく設定できるものの、接触力が小さいがために、かえって外部振動の影響を受け易くなり充分な測定精度が得られなくなるおそれがある。そこで、外部振動を遮断するために上記形状測定機を除振装置に載せて使用することが考えられる。
国際公開第03/023369号パンフレット
しかしながら、形状測定機を除振装置に載せて使用した場合、被測定物が変わってその重量が変化すると、除振台上での重量バランスの変化により形状測定機が傾いてしまうことになる。形状測定機が傾くと、プローブに加わる重力の軸方向が変化するため、接触力が変化してしまい、被測定物を傷つけたり、測定結果にばらつきが生じたりしてしまう。そのため、常に同一の接触力を設定する必要があり、形状測定機の傾斜後に同一の接触力を得るためには、変化後の接触力を測りながらその力を改めて調整しなければならないという問題がある。
また、被測定物に応じてその最適な接触力も異なり、個々の被測定物に応じた任意の接触力を得るためには、接触力を測りながらその力を調整しなければならないため、上記と同様の問題が生じる。
なお、これらの問題は、現在広く使われている他の構成の形状測定機においても同様である。すなわち、より小さな接触力によって測定するために測定速度が上げられなかったり、形状測定機の傾斜による接触力の変化を軽減するために、プローブ質量を小さくしたり、傾斜による重力方向の変化を受け難いような配置にするなどして対処する必要があった。
本発明は、このような問題を解決するためになされたもので、形状測定機の傾斜が変わったときでも、また個々の被測定物に応じた接触力が必要なときでも、その必要な接触力を容易に設定することができる形状測定機を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、本発明は以下の手段を提供する。
請求項1に係る発明は、移動可能に支持されたプローブを被測定物の深さ方向に変化のある表面にならって追従させ、前記プローブと被測定物との接触点の空間位置座標を検出することにより、前記被測定物の表面形状を測定する形状測定機であって、前記プローブの傾斜を調整するための傾斜調整手段と、この傾斜調整手段により調整される前記プローブの傾斜を確認するための傾斜確認手段とを備えることを特徴とする。
この発明に係る形状測定機によれば、傾斜確認手段によりプローブの傾斜を確認しながら、傾斜調整手段によりプローブの傾斜が調整される。
これにより、形状測定機の傾斜が変わったときでも、プローブの一定の傾斜を容易に設定することができる。また、被測定物に応じてプローブの傾斜を調整することにより、任意の接触力を容易に得ることができる。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の形状測定機において、前記プローブが設けられた作動軸と、この作動軸を軸方向に移動可能に支持する軸受とを有する駆動部を備え、前記プローブが、このプローブを含む部材の自重の軸方向成分により、軸方向先端に向けて付勢されていることを特徴とする。
この発明に係る形状測定機によれば、プローブを含む部材の自重の軸方向成分により、作動軸が先端方向に向けて付勢され、これによりプローブが軸方向に沿って付勢される。この状態で、プローブを被測定物に接触させると、プローブが被測定物の深さ方向に変化のある表面にならって追従する。
これにより、プローブは、このプローブを含む部材の自重という微小な接触力で被測定物に接触するので、被測定物の損傷を防止することが可能になるとともに、正確な測定を行うことができる。
請求項3に係る発明は、請求項1または請求項2に記載の形状測定機において、前記傾斜確認手段は、水準器を備えることを特徴とする。
この発明に係る形状測定機によれば、水準器によってプローブの傾斜が確認される。
これにより、プローブの傾斜をより確実かつ容易に確認することができる。
請求項4に係る発明は、請求項1から請求項3のいずれか一つに記載の形状測定機において、前記傾斜調整手段は、前記プローブに傾斜を生じさせる除振装置と、この傾斜に沿って移動可能に支持される錘とを備えることを特徴とする。
この発明に係る形状測定機によれば、プローブが除振台の上に設置され、除振台により傾斜が作られる。このとき、錘を傾斜に沿って移動させることにより、バランスを調整し、プローブの傾斜が設定される。
これにより、前記傾斜に応じて、プローブの接触力をより簡易かつ確実に設定することができる。
請求項5に係る発明は、請求項1または請求項2に記載の形状測定機において、前記傾斜調整手段はネジを備え、前記傾斜確認手段は前記ネジに設けられた目盛りを備えることを特徴とする。
この発明に係る形状測定機によれば、ネジによりプローブの傾斜が調整され、ネジに設けられた目盛りによりプローブの傾斜が確認される。
これにより、部品点数を減少させ、簡易かつ安価に製造することができるとともに、測定機自体の小型化を図ることができる。
本発明によれば、形状測定機の傾斜が変わることによりプローブの傾斜が変わってしまったときや、個々の被測定物に応じて接触力を調整する必要があるときでも、所望の接触力を容易に設定することができる。
(実施例1)
以下、本発明の第1の実施例に係る形状測定機について、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の第1の実施例としての形状測定機に、被測定物であるワークを取り付けた様子を示したものである。
図1において、符号1は形状測定機、符号Wはワークを示している。
形状測定機1は、被測定物の測定を行う測定部2と、被測定物を支持する支持部3とを備えており、両者が測定機ベース4の上に対向して配置されている。
測定部2は、基台としてのX軸ステージ7と、ワークWを実際に測定する測定ユニット5とを備えている。
X軸ステージ7は、測定機ベース4の一端に設けられており、X駆動軸8を介して、後述するエアスライド軸(作動軸)20の軸線Lに直交する方向、すなわち図に示すX軸方向に往復移動可能になっている。このX軸ステージ7の動きを、X軸ステージ7の近傍に設けられた位置検出素子9が検出し、この検出結果を不図示の演算部に向けて逐一出力するようになっている。そして、このX軸ステージ7の上には測定機板6が固定されており、さらに測定機板6の上に測定ユニット5が固定されている。
測定ユニット5は、柱状に形成されたエアスライド軸20と、略直方体形状のエアスライド軸受(軸受)21とを有するエアスライド(駆動部)22を備えている。
エアスライド軸受21は、その長さ方向に貫通する貫通孔(不図示)が形成されており、その貫通孔が支持部3に向けられた状態で、測定機板6の上に固定されている。そして、この貫通孔の中をエアスライド軸20が通された状態になっている。貫通孔内の内壁面には、複数の吹出孔(不図示)が形成され、エアスライド軸20と上記内壁面との間には、圧縮したクリーンでドライな圧縮空気を吹出孔から噴出させることにより、数μmの微小な隙間を生じさせるようになっている。すなわち、これら空気の噴出により、エアスライド軸20は、エアスライド軸受21の内壁面とは接触していない、浮いた状態になっている。これにより、エアスライド軸20は、支持部3に対して接近離間する方向に、すなわち軸線L方向に往復移動可能に支持されている。
また、エアスライド軸20の先端部には、取付部24を介して例えば精密ルビーからなる球状のプローブ23が取り付けられている。一方、エアスライド軸20の後端部には、段差部25が形成され、この段差部25を介して、プローブ軸測長器28が設けられている。
プローブ軸測長器28は、棒状部材からなるガラススケール26と、測定機板6に固定されたガラススケールヘッド27とを備えている。ガラススケール26は、その一端が段差部25にネジ止めされることにより、軸線L方向に向けて取り付けられている。ガラススケールヘッド27には、ガラススケール26が往復移動可能に挿通され、ガラススケール26の移動を逐次検出し、演算部に出力するようになっている。
そして、この演算部は、ガラススケールヘッド27および上述の位置検出素子9からの出力情報に基づいて所定の演算を行い、ワークWの表面形状を算出するようになっている。
また、上述の支持部3は、支持部本体としてのワーク治具40を備えており、このワーク治具40は、測定機ベース4の他端近傍に固定されている。そしてワーク治具40の上部には、直方体形状の保持壁部41が立てられて固定されている。保持壁部41の外壁面のうち、測定部2側に向けられる前面41aには、不図示のワークホルダを介してワークWが取り付けられるようになっている。これにより、保持壁部41にワークWが取り付けられると、このワークWと、測定部2側に設けられたプローブ23とが対向して配されるようになっている。
さらに、本実施例における形状測定機1は、外部からの振動を遮断するための除振装置(傾斜調整手段)39と、気泡式の水準器(傾斜確認手段)42と、傾斜を調整するための錘(傾斜調整手段)43とを備えている。
除振装置39は、基台としての除振台46を備えており、この除振台46の上に、除振台46とは独立して動作可能な除振台テーブル47が設置されている。すなわち、除振台46が振動しても、除振台テーブル47にその振動が伝わらないようになっている。そのため、除振台テーブル47上での重量バランスが変わると、除振台テーブル47は、除振台46に対する傾斜角が変化するようになっている。この除振台テーブル47の上に、足部48を介して上述の測定機ベース4が固定された状態になっている。
また、水準器42は、この水準器42と測定機ベース4との間にスペーサ44が設けられることにより、測定機ベース4に対して、所定の角度αだけ傾斜させられて、測定機ベース4上の他端に取り付けられている。なお、水準器42は、特に気泡式のものでなくても構わない。
さらに、測定機ベース4上の長さ方向の中央部近傍には、同長さ方向に沿って、すなわち矢印AおよびB方向に移動可能な状態で錘43が設けられている。つまり、測定機ベース4上に矢印AB方向に沿って端部44が所定の間隔を空けて2つ設置されるとともに、この端部44の間に棒状部材45が矢印AB方向に向けて固定され、この棒状部材45が錘43の不図示の貫通孔に通されることにより、錘43が2つの端部44の間を移動するようになっている。
このような構成のもと、錘43を矢印AまたはB方向に移動させると、これに応じて、測定機ベース4上の重量バランスが変化し、この測定機ベース4のバランスを取るために、除振台46に対する除振台テーブル47の傾斜角度が連続的に変化するようになっている。さらに、水準器42はあらかじめ角度αだけ傾斜させられて取り付けられているので、水準器42が水平状態を指し示したところで、測定機ベース4のバランスが取れた状態になると、除振台46に対する除振台テーブル47の傾斜が角度αに設定されるようになっている。
次に、このように構成された本実施例における形状測定機1の作用について説明する。
最初に、測定しようとする1つ目のワークWを保持壁部41に取り付ける。するとワークWとプローブ23とは、両者が対向した状態になる。そして、後述するように測定機ベース4を所定の角度α傾けると、図2に示すように、エアスライド22も角度αだけ傾けられる。すると、エアスライド軸20に、その自重の軸線L方向の成分により、先端に向けて移動しようとする力が働く。そのため、プローブ23にはワークWの方向に対する付勢力が加わった状態になる。そして、その力でワークWに接触する。例えば、プローブ23、エアスライド軸20およびガラススケール26の合計重量が48gf、角度αが0.06度である場合、接触力Fは、
F=48[gf]×sin(0.06[度])=0.05[gf]
となり、50mgfという微小な接触力を得ることができる。
このようにしてプローブ23がワークWに接触した状態で、X軸ステージ7を移動させることにより、プローブ23をX軸方向に沿って移動させると、それと同時に、プローブ23はワークWの表面形状に追従して軸線L方向に移動する。そして、測定開始地点から終了地点までの間のプローブ23の軸線L方向の移動量と、X軸ステージ7のX軸方向の移動量とが、それぞれガラススケールヘッド27および上述の位置検出素子9により検出される。そしてこれらの出力に基づいて、演算部が所定の演算を行い、ワークWの表面形状が算出されて、1つ目のワークWの測定が終了する。このように1つ目のワークWの測定が終了すると、このワークWを取り外し、2つ目の新たなワークWを設置して、上記と同様に測定を行い、さらに必要に応じて3つ目のワークW、4つ目のワークWへと繰り返し測定を行う。
ここで、本実施例における形状測定機1においては、1つ目のワークWの測定におけるプローブ23の所望の接触力が以下のようにして設定される。
ワークWを取り付ける前は、測定部2や支持部3などを含めた測定機ベース4上における各部品がバランスをとるように、除振台テーブル47に除振台46に対する一定の傾斜が生じた状態になっている。ここから測定しようとする1つ目のワークWを保持壁部41に取り付けると、図3に示すように、ワークWの重量に応じて、測定機ベース4上の重量バランスが変わることになり、そのバランスを取るために、除振台テーブル47が矢印Cで示す方向に傾き、除振台テーブル47の除振台46に対する傾斜角が拡大する。
ここで、1つ目のワークWに必要な接触力をFとすると、この接触力Fを得るためには、上記式から角度αの傾斜が必要であるものとする。
上記のようにワークWを取り付けた後、錘43を矢印A方向に移動させると、図4に示すように、重量バランスの変化により、除振台テーブル47が矢印Dで示す方向に傾き、除振台テーブル47の除振台46に対する傾斜角が縮小する。そして、水準器42が水平状態を示すようになるまで、錘43を矢印A方向に動かしながら、バランスを調整する。水準器42はあらかじめ測定機ベース4に対して角度αの傾斜が生じるように傾けられて設置されているため、水準器42が水平状態を示したところで、測定機ベース4をバランスの取れた状態にすると、除振台46に対する除振台テーブル47の傾斜が角度αに設定される。
そのため、測定機ベース4も角度αだけ傾斜し、これにより、図2に示すように、エアスライド22も傾けられ、プローブ23に角度αに応じた付勢力が、すなわちワークWに所望の接触力Fが与えられる。
また、上記とは別に、以下のようにして任意の接触力を設定することもできる。すなわち、スペーサ44の厚さを変更することによって、水準器42の測定機ベース4に対する角度αを変えた状態で、錘43を移動させる等して水準器42が水平状態を指し示すようにし、このときのプローブ23の接触力を求める。これにより、スペーサ44の厚さごとのプローブ23の接触力をあらかじめ把握しておく。そして、設置されているスペーサ44を、任意の所望の接触力を得るために設定された厚さの他のスペーサ44に変更し、この変更した状態で水準器42により水平状態を合わせることによって、測定機ベース4およびエアスライド22に所定の傾斜角を与え、これによりその傾斜角に応じた任意の接触力が得られる。
さらに、以下のように設定することもできる。すなわち、水準器42の1目盛り当たりのプローブ23の接触力をあらかじめ把握しておく。そして、水準器42の目盛りを確認しながら、必要な接触力に応じた所定の目盛りに合わせるように、すなわち目盛りの中において水平からずれた状態になるように除振台テーブル47の傾きを調整する。これにより、プローブ23の接触力を任意に設定することができる。例えば、プローブ23、エアスライド軸20およびプローブ軸測長器28の重量の合計が48gfであり、接触力50mgfを得るためのエアスライド軸20の傾斜を角度αとし、このとき水準器42が水平状態を示すようにスペーサ44の厚さが設定してあるとする。水準器42の1目盛り当りの傾きが20秒、目盛りが±5目盛りあったとすると、水準器42の1目盛り当りの接触力の変化量は約5mgfとなり、接触力を50±25mgfの範囲で設定することが可能となる。
なお、ここに挙げた数値は一例であり、より強い、あるいはより弱い接触力を設定してもよい。また、水準器42の感度、目盛り数も、測定に必要な接触力の設定分解能、接触力の設定範囲に合わせて決めることができる。
続いて、1つ目のワークWの測定が終了し、2つ目のワークWを測定する際には、以下のようにして接触力が設定される。
1つ目のワークWを取り外し、2つ目のワークWを保持壁部41に新たに取り付けた場合、1つ目と2つ目のワークWの重量が同じであれば、元の傾斜を持ってバランスされるが、その重量が異なる場合には、傾斜が変化することになる。そこで、2つ目のワークWを取り付けた状態で、錘43を移動させることにより、水準器42が水平状態を示すところでバランスを取る。これにより、上記と同様に、除振台テーブル47の傾斜が角度αに設定され、エアスライド22も角度αだけ傾斜することにより、プローブ23に前回と同様の接触力Fが設定される。
また、2つ目のワークWに最適な、前回と異なる接触力を設定したいときは、上述のように、所望の接触力に応じたスペーサ44に変更するか、または、水準器42が所定の目盛りを示すように、除振台テーブル47の傾きを調整する。これにより、所望の接触力が得られる。
以上より、本実施例における形状測定機1によれば、除振台テーブル47の傾斜が変わったときでも、水準器42を確認しながら錘43を移動させることによって、傾斜角を一定にすることができ、これにより、ワークWに対するプローブ23の一定の接触力を容易かつ確実に設定することができる。
また、ワークWに応じてスペーサ44を変更したり、水準器の目盛りを合わせることにより、ワークWに応じた適切な接触力を容易に設定することができる。
また、プローブ23は、このプローブ23を含む部材の自重という微小な接触力でワークWに接触するので、ワークWへの損傷を防止することができるとともに、正確な測定を行うことができる。
(実施例2)
図5および図6は、本発明の第2の実施例を示したものである。
図5および図6において、図1に記載の構成要素と同一部分については同一符号を付し、その説明を省略する。
この実施例と上記第1の実施例とは基本的構成は同一であり、以下の点においてのみ相違したものとなっている。すなわち、本実施例における形状測定機1は、プローブ支持板52と、支点支持板51とを備えるものである。これらプローブ支持板52と支点支持板51とは、支点(傾斜調整手段)49を介して回転可能に連結されており、両者を相互に折り畳んだときには、両支持板51,52は互いに平行になるようになっている。そして、X軸ステージ7の上に支点支持板51が固定され、両支持板51,52を相互に折り畳んだ状態におけるプローブ支持板52の上面に、測定ユニット22が設置されている。また、プローブ支持板52には、その厚さ方向に貫通するネジ孔53が形成されており、このネジ孔53に傾斜調整ネジ(傾斜調整手段)50が螺合されている。さらに、形状測定機1は、測定機ベース4の両端部近傍に設置された足部48の長さをそれぞれ調整することで、全体が角度αだけ傾けられている。なお、本実施例において、水準器42は、プローブ支持板52上のネジ孔53の近傍に設置されている。
このような構成のもと、除振台テーブル47の傾斜角の変化により、図6に示すように、例えば、角度βの分だけ支持部3側が持ち上がったとすると、傾斜調整ネジ50を回すことにより、プローブ支持板52を、支点支持板51に対して離れる方向、すなわち矢印F方向に、支点49を中心として回転させる。そして、水準器42を見ながら、その目盛りが水平状態を示すところに合わせる。ここで、スペーサ44により、水準器42は、あらかじめ角度αだけ傾けられていることから、水準器42の目盛りが水平状態を示すところで、プローブ支持板52は水平面に対して角度αだけ傾斜させられる。これにより、プローブ23における接触力が一定に維持される。
また、任意の接触力に設定するには、上記と同様に、スペーサ44を変更するか、または水準器42が所定の目盛りを示すように除振台テーブル47またはプローブ支持板52の傾きを調整する。これにより、所望の接触力が得られる。
なお、傾斜調整ネジ50を用いて角度の調整を行うと、ワークWの表面と軸線L方向との直角がわずかにずれるため、ワークWの形状を求める際には、その分の補正を行うようになっている。
以上より、本実施例における形状測定機1においては、傾斜調整手段として傾斜調整ネジ50を用いているため、より狭いスペースで接触力の設定が可能となる。そのため、全体を小型化することができる。
(実施例3)
図7は、本発明の第3の実施例を示したものである。
図7において、図5に記載の構成要素と同一部分については同一符号を付し、その説明を省略する。
この実施例と上記第2の実施例とは基本的構成は同一であり、以下の点においてのみ相違したものとなっている。すなわち、本実施例における形状測定機1は、水準器42に代わるものとして、傾斜調整ネジ50に設けられた目盛り(傾斜確認手段)54と、プローブ支持板52の側面部に設けられ、目盛り54に対応する指標55とを備えるものである。そして、傾斜調整ネジ50を回転させると、指標55によって目盛り54を確認することにより、何目盛り分回転させたか分かるようになっている。
そのため、1目盛り当たりの傾斜角を把握しておくことにより、水準器42無くして、任意の接触力を容易に設定することができる。
以上より、構成を単純化でき、さらに小型化、軽量化を図ることができる。
(実施例4)
図8は、本発明の第4の実施例を示したものである。
図8において、図7に記載の構成要素と同一部分については同一符号を付し、その説明を省略する。
この実施例と上記第3の実施例とは基本的構成は同一であり、以下の点においてのみ相違したものとなっている。すなわち、本実施例における形状測定機1は、ネジ孔53が測定機ベース4の支持部3側の端部近傍に設けられ、このネジ孔53に傾斜調整ネジ50が螺合されることにより、足部48としても機能させたものである。さらに、測定部5とX軸ステージ7とは、上記第1の実施例と同様に、測定機板6のみを介して固定されている。
このような構成のもと、指標55と目盛り54とを確認しながら、傾斜調整ネジ50を回転させることにより、測定機ベース4の傾斜角を直接設定することができる。
以上より、上記第3の実施例と同様の効果を奏することができるだけでなく、接触力を調整しても、ワークWと軸線L方向との直角は保たれるため、補正を不要とし、正確かつ容易に測定することができる。
(実施例5)
図9は、本発明の第5の実施例を示したものである。
図9において、図8に記載の構成要素と同一部分については同一符号を付し、その説明を省略する。
この実施例と上記第4の実施例とは基本的構成は同一であり、以下の点においてのみ相違したものとなっている。すなわち、本実施例における形状測定機1は、傾斜調整ネジ50の目盛り54および指標55の代わりに、水準器42を備えるものである。
これにより、傾斜調整ネジ50を回転させて、傾きを調整するとともに、その傾き量が水準器42の目盛りから読み取られる。
以上より、構成を簡易にでき、小型化、軽量化を図ることができる。
なお、上記実施例においては、プローブ23を球状としたが、これに限らず、例えば、先端が微小な曲率半径を有する形状のものを用いてもよい。
また、プローブ23の材質をルビーとしたが、これに限らず、ダイヤモンド、ガラス、サファイヤ、セラミクス等であってもよい。
また、エアスライド軸受21内壁面に複数の吹出孔を形成するとしたが、これに代えて、多孔材質のものを用いてもよい。
さらに、プローブ軸測長器28は、ガラススケール26とガラススケールヘッド27とを有するとしたが、これに限らず、レーザ測長器を用いたものであってもよい。
なお、本発明の技術範囲は上記の実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の変更を加えることが可能である。
本発明に係る形状測定機の第1の実施例を示す側面図である。 第1の実施例におけるプローブの傾きを示す説明図である。 第1の実施例において、傾きが変化した様子を示す側面図である。 第1の実施例において、元の傾斜に戻ったときの様子を示す側面図である。 本発明に係る形状測定機の第2の実施例示す側面図である。 第2の実施例において、傾きが変化した様子を示す側面図である。 本発明に係る形状測定機の第3の実施例示す側面図である。 本発明に係る形状測定機の第4の実施例示す側面図である。 本発明に係る形状測定機の第5の実施例示す側面図である。
符号の説明
1 形状測定機
20 エアスライド軸(作動軸)
21 エアスライド軸受(軸受)
22 エアスライド(駆動部)
23 プローブ
42 水準器(傾斜確認手段)
43 錘(傾斜調整手段)
39 除振装置(傾斜調整手段)
49 支点(傾斜調整手段)
50 傾斜調整ネジ(傾斜調整手段)
54 目盛り(傾斜確認手段)
W ワーク(被測定物)

Claims (5)

  1. 移動可能に支持されたプローブを被測定物の深さ方向に変化のある表面にならって追従させ、前記プローブと被測定物との接触点の空間位置座標を検出することにより、前記被測定物の表面形状を測定する形状測定機であって、
    前記プローブの傾斜を調整するための傾斜調整手段と、
    この傾斜調整手段により調整される前記プローブの傾斜を確認するための傾斜確認手段とを備えることを特徴とする形状測定機。
  2. 前記プローブが設けられた作動軸と、この作動軸を軸方向に移動可能に支持する軸受とを有する駆動部を備え、
    前記プローブが、このプローブを含む部材の自重の軸方向成分により、軸方向先端に向けて付勢されていることを特徴とする請求項1に記載の形状測定機。
  3. 前記傾斜確認手段は、水準器を備えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の形状測定機。
  4. 前記傾斜調整手段は、前記プローブに傾斜を生じさせる除振装置と、この傾斜に沿って移動可能に支持される錘とを備えることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一つに記載の形状測定機。
  5. 前記傾斜調整手段はネジを備え、前記傾斜確認手段は前記ネジに設けられた目盛りを備えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の形状測定機。

JP2004063784A 2004-03-08 2004-03-08 形状測定機 Withdrawn JP2005249710A (ja)

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