JP2012082868A - トルクコンバータのタービン速度推定装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】自動変速機内の前後進切替機構の作動状況によりタービン回転速度に変化が生じる場合であっても、トルコンのタービン回転速度を推定することができるようにする。
【解決手段】エンジン2と自動変速機4の前後進切替機構44との間に介装されたトルクコンバータ6のタービン速度を推定する装置であって、湿式多板クラッチ装置52を断接するときの作動油の油圧Pを推定する油圧推定手段12と、この油圧推定手段12により推定された作動油の油圧Pに基づいて湿式多板クラッチ装置52の係合トルクTCLTを推定する係合トルク推定手段14と、この係合トルク推定手段14により推定された係合トルクTCLTと、クランク角センサ20aにより検出されたエンジン2の回転速度Neとに基づいて、トルクコンバータ6のタービン回転速度Ntを算出するタービン回転速度演算算手段16と、を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、エンジンと自動変速機との間に装備されるトルクコンバータのタービン速度推定装置に関するものである。
自動車等に搭載されるエンジンの回転は変速機を介して変速されて駆動輪へ出力される。変速機が自動変速機(有段自動変速機やCVT等の無段自動変速機)の場合には、多くはエンジンと自動変速機との間にトルクコンバータ(以下、トルコンとも言う)を有している。
このようなトルコンを有する自動車では,運転者のシフトレバー操作によってニュートラル状態であるP又はNレンジとDレンジやRレンジ等の走行レンジとを切り替える機会がある。このような局面では、トルコン反力によるエンジン負荷(以下トルコン負荷)が過渡的に変化するため、エンジン回転速度の変動が発生するおそれがある。
これを防止するためには、トルコン負荷を推定してエンジン回転速度の変動を抑制する必要があるが、このためにはトルコンの入出力回転速度を認識することが必要であり、トルコンの入力回転速度はエンジン回転数センサを用いることができるが、トルコンの出力回転速度、つまり、タービン回転速度が必要である。タービン回転速度センサを装備すれば、タービン回転速度を直接得ることができるが、製品のコストを削減するためには、タービン回転速度センサを省略したい。
これに関し、特許文献1には、トルコンを有するA/T車およびCVT車において、アクセル開度,エンジン回転速度Ne,車速及びトルコン特性から回転速度を算出して入力回転速度を推定するようにして、タービン回転速度Ntを検出するセンサを省略できるようにした技術が提案されている。
また、特許文献2には、走行中にあってはタービン軸とプライマリ軸が同一回転速度とみなせることを利用し、プライマリ回転速度Npもしくはセカンダリ回転速度Nsおよびプライマリ−セカンダリ間減速比から計算することにより、タービン回転速度Ntを検出するセンサを省略できるようにした技術が提案されている。
特許3104503号公報 特開平8−35437号公報
ところで、自動変速機において、変速機内の前後進切替機構のクラッチ若しくはブレーキ(以下、単にNDクラッチともいう)の作動状況によりタービン回転速度Ntに変化が生じる場合があり、このような場合にも、タービン回転速度Ntを把握して、エンジンがトルコンから受ける負荷トルクに応じて、エンジンを運転できるようにして、負荷トルクの変化に起因したエンジン回転速度の変動を抑制することが必要である。
この場合のNDクラッチの作動状況には、具体的には、シフトレバー操作により、変速機の変速レンジが停車レンジ(Pレンジ若しくはNレンジ)から走行レンジ(R若しくはDレンジ等)に切り換えられ、タービン軸とプライマリ軸とが係合されてタービン回転速度Ntが減少している区間や、これとは逆に、変速機の変速レンジが走行レンジ(R若しくはDレンジ等)から停車レンジ(Pレンジ若しくはNレンジ)に切り換えられ、タービン軸とプライマリ軸とが開放されてタービン回転速度Ntが増加している区間がある。
このような区間にあっては、上記の特許文献1,2による推定手法では正確なタービン回転速度が求められず、エンジンがトルコンから受ける負荷トルクに応じてエンジンを運転することができない。その結果、エンジン回転速度Neが変動して自動車のドライバビリティが悪化するという課題がある。
本発明は、かかる課題に鑑みて創案されたもので、自動変速機内の前後進切替機構の作動状況によりタービン回転速度Ntに変化が生じる場合であっても、タービン回転速度センサに頼ることなくタービン回転速度を推定することができるようにして、エンジンがトルコンから受ける負荷トルクの計算を精度よく行なってエンジン回転変動の防止等車両のドライバビリティ向上を実現することができるようにした、トルクコンバータのタービン回転速度推定装置を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明のトルクコンバータのタービン速度推定装置は、車両に装備されたエンジンと、油圧式摩擦係合要素の断接により前記車両の前後進及び動力の伝達・非伝達の切り替えをする前後進切替機構を有する自動変速機と、前記エンジンと前記自動変速機の前記前後進切替機構との間に介装されたトルクコンバータと、を備えた駆動系における、前記トルクコンバータのタービン速度を推定する装置であって、前記エンジンの回転速度Neを検出するエンジン回転速度検出手段と、前記油圧式摩擦係合要素を断接するときの作動油の油圧Pを推定する油圧推定手段と、前記油圧推定手段により推定された前記作動油の油圧Pに基づいて前記油圧式摩擦係合要素の係合トルクTCLTを推定する係合トルク推定手段と、前記係合トルク推定手段により推定された前記油圧式摩擦係合要素の係合トルクTCLTと、前記エンジン回転速度検出手段により検出された前記エンジンの回転速度Neとに基づいて、前記トルクコンバータのタービン回転速度Ntを算出するタービン回転速度演算手段と、を備えることを特徴としている。
前記油圧式摩擦係合要素は、電磁弁により油圧を制御されて断接するものであり、前記油圧推定手段は、前記電磁弁のソレノイドの駆動電流値Iに基づいて前記電磁弁を通過する前記作動油の体積流量Qinを算出し、算出した該体積流量に基づいて前記油圧式摩擦係合要素の要素間の間隙hを算出し、算出した該要素間の間隙から前記作動油の油圧Pを推定することが好ましい。
前記油圧推定手段は、所定周期毎に前記電磁弁を通過する前記作動油の体積流量Qin(n)を算出し、この算出した体積流量Qin(n)を前記油圧式摩擦係合要素における流出流量Qoutにより補正した補正後体積流量に基づいて、前記油圧式摩擦係合要素の油圧室内の作動油体積Q(n)を算出し、この算出した油圧室内の作動油体積Q(n)に基づいて前記間隙h(n)を算出することが好ましい。
前記油圧式摩擦係合要素は、前記電磁弁により油圧を制御されて移動するピストンによって断接するものであり、前記油圧推定手段は、予め得られた前記油圧室内の作動油体積と前記ピストン位置との対応関係と、予め得られた前記ピストン位置と前記要素間の間隙との対応関係とを用いて、前記油圧室内の作動油体積Q(n)に基づいて前記間隙h(n)を算出することが好ましい。
前記係合トルク推定手段は、前記作動油の粘性抵抗に応じた粘性抵抗トルクTDRGと前記油圧式摩擦係合要素の接触摩擦に応じた接触摩擦トルクTFRGとの和として、前記係合トルクTCLTを算出することが好ましい。
前記前後進切替機構から前記自動変速機の変速機構に入力される変速機入力回転速度Npを検出する変速機入力回転速度検出手段を備え、前記粘性抵抗トルクTDRGは、前回得られたタービン回転速度Nt(n−1)と前記変速機入力回転速度検出手段により検出された変速機入力回転速度Npとの差と、前記油圧式摩擦係合要素の係合面の数及び有効半径(r,r)と、作動油の粘性抵抗係数μATFとに基づいて算出し、前記接触摩擦トルクTFRGは、前記作動油の油圧P(n)と、該油圧P(n)が作用する前記油圧式摩擦係合要素の係合面の有効面積nS,有効半径[(r+r)/2]及び摩擦係数μFRCとに基づいて算出することが好ましい。
本発明によれば、回転速度センサに頼ることなくタービン回転速度を推定することができ、例えば停車アイドリングにおける走行レンジと非走行レンジとを切り替える際や、停車時に運転者のシフトレバー操作によらず自動的にニュートラル状態に準ずる状態へ移行するような制御(いわゆるアイドルニュートラル制御)を行う際に、トルコン負荷を精度よく算出することが可能になり、トルコン負荷を監視しながらエンジン回転速度が安定した挙動を示すように制御することも可能になる。
推定したタービン回転速度は、かかる制御に限らず、他の様々な制御についても適用することができる。
本発明の一実施形態にかかるエンジン,変速機,トルクコンバータ及びそのタービン回転速度推定装置を示す構成図である。 本発明の一実施形態にかかる変速機に装備されたNDクラッチの構成を示す要部断面図である。 本発明の一実施形態にかかるタービン速度推定装置の推定に用いる容量係数の特性を説明する図である。 本発明の一実施形態にかかるタービン速度推定装置の推定に用いるトルク比の特性を説明する図である。 本発明の一実施形態にかかるタービン速度推定装置の推定に用いるNDクラッチのピストン作用油圧Pの模擬を説明するためのNDクラッチの作動モデルを示す図である。 本発明の一実施形態にかかるタービン速度推定装置の推定に用いる単位時間あたりのソレノイド弁通過体積流量Qin(n)及びNDクラッチの油圧シリンダ内に存在する体積Q(n)を説明するためのNDクラッチの作動モデルを示す図である。 本発明の一実施形態にかかる変速機に装備されたNDクラッチにおいてピストンがクラッチ板を係合する様子を説明する模式図である。 本発明の一実施形態にかかる変速機に装備されたNDクラッチの係合油圧をNDクラッチのクラッチ板間隙に対応して模擬する模擬油圧P(n)の特性を説明する図である。 本発明の一実施形態にかかるタービン速度推定装置による推定の手順を説明するメインフローチャートである。 本発明の一実施形態にかかるタービン速度推定装置による推定の手順を説明するサブルーチンフローチャートである。
以下、図面に基づいて、本発明の実施の形態について説明する。
図1〜図10は本発明の実施形態を説明するもので、図1はエンジン,変速機,トルクコンバータ及びタービン回転速度推定装置を示す構成図、図2はNDクラッチの構成を示す要部断面図、図3はその容量係数の特性図、図4はトルク比の特性図、図5,6はNDクラッチの作動モデル図、図7はNDクラッチのピストン動作の説明図、図8は模擬油圧の特性図、図9,10は推定手順を説明するフローチャートである。
<駆動系の要部構成>
まず、本タービン回転速度推定装置の推定対象であるトルクコンバータを有する自動車の駆動系の要部構成を説明する。
図1に示すように、駆動系は、エンジン(内燃機関)2と、自動変速機4と、エンジン2と自動変速機4との間に介装されたトルクコンバータ(以下、トルコンとも言う)6とを備え、自動変速機4の出力軸は、図示しない駆動輪に接続され、エンジン2の回転を変速して駆動輪に伝達し駆動する。
トルコン6は、トルコンケーシング62内に、エンジン2の出力軸22に結合されたインペラ64と、自動変速機4の入力軸42に結合されたタービンライナ(単に、タービンともいう)66とが対向して装備され、インペラ64とタービンライナ66との間には、図示しない粘性流体が介在し、この粘性流体を介してインペラ64とタービンライナ66との間の動力伝達が行なわれる。
自動変速機4は、本実施形態の場合、ベルト式無段変速機(CVT)が適用されている。つまり、自動変速機4は、ケーシング40内に、前後進切替機構44を介して入力軸42と接続されたプライマリ軸46Aと、このプライマリ軸46Aに装備されたプライマリプーリ46と、プライマリ軸46Aと並列して装備されたセカンダリ軸48Aと、このセカンダリ軸48Aに装備されたセカンダリプーリ48と、プライマリプーリ46とセカンダリプーリ48とに架け渡されたベルト50とを備え、プライマリプーリ46及びセカンダリプーリ48の可動プーリを軸方向に移動させて各プーリ46,48の有効径を変更することにより、変速比を連続的に変更することができる。
セカンダリ軸48Aは、ギア対54aを介して出力軸54と接続されており、自動変速機4により変速された回転は図示しない駆動輪に伝達されて、駆動輪の回転によって車両が駆動される。
また、エンジン2及び変速機4を制御する電子制御ユニット(ECU)10が備えられている。このECU10は、入出力装置、記憶装置(ROM,RAM,不揮発性RAM等)、中央処理装置(CPU)、タイマカウンタ等を備えている。
さらに、エンジン2のクランク軸の回転角度を検出しエンジン回転速度情報として出力するクランク角センサ(エンジン回転速度検出手段としてのエンジン回転速度センサ)20aと、自動変速機4のプライマリ軸46Aの回転速度を検出するプライマリ回転速度センサ(プライマリ回転速度検出手段)20bとが備えられ、各センサ20a,20bの検出情報はECU10に送られる。
<前後進切替機構の要部構成>
前後進切替機構44は、詳細は図示しないが、例えば、サンギアと、リングギアと、サンギアと噛み合う第1のピニオンギアと、リングギアと噛み合う第2のピニオンギアと、第1,第2のピニオンギアを枢支するキャリアとからなるダブルピニオン型遊星歯車機構によって構成することができる。この場合、サンギアは入力軸42に連結され、キャリアはプライマリ軸46Aに連結されると共にピニオンギア,リングギア及びリバースブレーキを介してケーシング40に連結される。
そして、車両の前進時には、フォワードクラッチを係合させると共にリバースブレーキを開放させ、車両の後進時には、リバースブレーキを係合させると共にフォワードクラッチを開放させる。また、動力の伝達・非伝達の切り替えについては、入力軸42とプライマリ軸46Aとのトルク伝達を遮断する場合には、フォワードクラッチおよびリバースブレーキをともに開放する。入力軸42とプライマリ軸46Aとのトルク伝達を行なう場合には、フォワードクラッチおよびリバースブレーキの何れかを結合する。
前後進切替機構44に装備されたこのようなクラッチ及びブレーキは、一般に、油圧式により駆動される湿式多板クラッチ装置により構成される。なお、前後進切替機構44の代表的な切り替えに、ニュートラルレンジ(Nレンジ)とドライブレンジ(Dレンジ)との切り替えがあることから、かかるクラッチ及びブレーキについて、NDクラッチとも言う。
例えば図2は、前後進切替機構44の第1回転要素44aを第2回転要素44bに摩擦係合させるクラッチとしての湿式多板クラッチ装置52の一例を示すものである。第1回転要素44aと第2回転要素44bとの何れかが非回転であれば、ブレーキと称される。
図2に示すように、この湿式多板クラッチ装置52は、第1回転要素44aと一体に回転するように装備されクラッチプレート保持部52dを備えたシリンダ(ここでは、環状シリンダ)52aと、このシリンダ52a内に軸方向に移動可能に装備されたピストン(ここでは、環状ピストン)52bと、シリンダ52aの内壁とピストン52bの受圧面とに囲繞された油圧室52cと、第2回転要素44bと一体に回転するクラッチディスク保持部材52eとを備え、油圧室52cには作動油供給口52fが設けられている。
シリンダ52aのクラッチプレート保持部52dには、シリンダ52a(第1回転要素44a)と一体に回転し軸方向に可動な複数のクラッチプレート52gが直列に装備され、クラッチディスク保持部材52eには、クラッチディスク保持部材52e(第2回転要素44b)と一体に回転し軸方向に可動な複数のクラッチディスク52hが各クラッチプレート52gの相互間に配置され直列に装備されている。各クラッチプレート52gは表面に粗さを有する金属プレートであり、各クラッチディスク52hのクラッチプレート52gの表面との対向面には摩擦材(フェーシング)が貼り付けられている。
クラッチプレート52gとクラッチディスク52hとは、ピストン52bによって押圧されると係合(接触)し、この時の押圧力(押し付け力)に応じて発生する摩擦力によって互いの相対回転を規制される。この例では、クラッチプレート52gとクラッチディスク52hとが係合(滑り摩擦状態)すると、第1回転要素44aと第2回転要素44bとの差動が規制されて両者の回転速度差が低下し、クラッチプレート52gとクラッチディスク52hとが完全係合(静止摩擦状態)すると、両者は等速回転状態になる。
ピストン52bは、作動油供給口52fを通じて油圧室52cに供給される作動油(ATF:Automatic Transmission Fluid)の油圧に応じて移動し、油圧が高くなるとクラッチプレート52gとクラッチディスク52hとが係合する方向(図2中、左方向)に移動し、油圧が低くなるとリターンスプリング52iの付勢力によってクラッチプレート52gとクラッチディスク52hとが係合を解除する方向(図2中、右方向)に移動する。
なお、リターンスプリング52iは、ピストン52bとの間に遠心油圧バランス室52jを形成するサブピストン52kとの間に介装され、回転速度に応じて発生する遠心油圧バランス室52j内の作動油圧によって、回転速度に応じて油圧室52c内に発生する遠心油圧を相殺しながら、ピストン52bに対して回転速度変化によらず安定した付勢力を発揮するようになっている。
したがって、油圧室52c内の作動油圧Pに応じてリターンスプリング52iが収縮しながら、ピストン52bは作動油圧Pとリターンスプリング52iの付勢力とがバランスする位置をとり、このピストン52bの位置に応じてクラッチプレート52gとクラッチディスク52hとの相互間距離が決まる。また、ピストン52bの移動には油圧室52c内への作動油の流入が必要であり、この作動油流入量とピストン52bの位置とが対応する。
なお、図1に示すように、作動油は、油圧源(油圧ポンプ或いは油圧ポンプからの作動油を貯留する作動油タンク)56から供給され、この供給状態は作動油供給弁58を通じて調整される。作動油供給弁58には、電気的に制御可能なソレノイド弁(電磁弁)が適用され、作動油の供給状態を電気的に制御することができる。
<タービン速度推定装置>
本タービン速度推定装置は、上記のような駆動系を有する車両(自動車)において、前後進切替機構44の断接切替時のトルコン6のタービン66の回転速度を推定する装置であって、ECU10内の機能要素として構成される。
ECU10には、NDクラッチ(油圧式摩擦係合要素)を断接するときの作動油の油圧を推定する油圧推定手段12と、推定された作動油の油圧に基づいてNDクラッチの係合トルクを推定する係合トルク推定手段14と、推定されたNDクラッチの係合トルクTCLTと、エンジン回転速度センサ20aにより検出されたエンジン回転速度Neとに基づいて、その時点のタービン回転速度の時間変化率を算出し、この時間変化率を積算することによりトルクコンバータのタービン回転速度を算出するタービン回転速度算出手段16と、を備えている。
特に、油圧推定手段12は、電磁弁58のソレノイドの駆動電流値I(n)に基づいてソレノイドを通過する作動油の体積流量Q(n)を算出し、算出した体積流量Q(n)に基づいてNDクラッチの要素間の間隙h(n)を算出し、算出した要素間の間隙h(n)から作動油の油圧P(n)を推定する。
以下、油圧推定手段12,係合トルク推定手段14,タービン回転速度算出手段16によるタービン回転速度の推定について説明する。
<タービン回転速度の推定>
NDクラッチの係合途中でのトルコン6のタービン66の回転速度(タービン回転速度)Ntの推定について具体的に説明する。
図1に示すように、タービン軸(自動変速機4の入力軸42)回りについての運動方程式をたてると、タービン軸42には、エンジン2からの伝達トルクτCNeが入力され、NDクラッチの係合トルクTCLTが出力されるため、タービン軸42回りについて、次の式(1)の運動方程式が成り立つ。
なお、タービン回転速度Ntは、NDクラッチの係合に至るまでは式(1)に従い、NDクラッチの係合完了後は式(1)によらずNt=Npとみなすことができる。
また、以下、各式に関するパラメータは各式の下部に付記する。
Figure 2012082868
タービン角速度の時間変化率dωt/dtとエンジン回転速度の時間変化率dNt/dtとは、dωt/dt=(2π/60)・(dNt/dt)の関係があるので、この関係を用いて式(1)をdNt/dtについて整理すると、以下の式(1´)のようになる。
Figure 2012082868
式(1´)を各演算時間毎に積算することにより、次の式(2)のように、今回の演算周期のタービン回転速度推定値Nt(n)が得られる。
Figure 2012082868
式(1´)におけるトルコン6のトルク比τ及びトルコン6の容量Cは、トルコン6に係る設計値であって、図3,図4に示すように、タービン回転速度Ntとエンジン回転速度Neの比の値Nt/Neを引数とするマップで与えられる。ここでタービン回転速度Ntは前回推定値を用いる。
次に、式(1´)におけるNDクラッチ係合トルクTCLTを求める。このNDクラッチ係合トルクTCLTは、下記の式(3)に示すように、粘性抵抗トルク(粘性抵抗項)TDRGと接触摩擦トルク(接触摩擦項)TFRGとの和で導かれる。なお、粘性抵抗項TDRGは湿式多板式であるNDクラッチの各摩擦板間において、それらの相対速度に比例して作用するATFによる粘性抵抗トルクであり、接触摩擦項TFRGはNDクラッチの各摩擦板が係合するときに発生する摩擦板による接触摩擦トルクである。
Figure 2012082868
式(3)の粘性抵抗項TDRGは次の式(4)で与えられる。式(4)のタービン回転速度Ntには前回推定値Nt(n−1)を用いることができ、このタービン回転速度Nt(n−1)と検出された変速機入力回転速度Npとの差と、NDクラッチの各摩擦板の係合面の数n及び有効半径r,rと、作動油の粘性抵抗係数μATFとに基づいて、粘性抵抗項TDRGを容易に算出することができる。
Figure 2012082868
式(3)の接触摩擦項TFRGは次の式(5)で与えられる。つまり、接触摩擦トルクTFRGは、作動油の油圧P(n)と、油圧P(n)が作用するNDクラッチの各摩擦板の係合面の有効面積nS,有効半径[(r+r)/2]及び摩擦係数μFRCとに基づいて算出できる。この式(5)を計算するにはNDクラッチの作動油の油圧(NDクラッチピストン作用油圧)Pが必要となる。
Figure 2012082868
ここで、NDクラッチピストン作用油圧Pの推定について説明する。
この推定は、NDクラッチピストン作用油圧PはNDクラッチ板間隙h(n)と相関関係があり、NDクラッチ板間隙h(n)はシリンダ内のATFの体積Q(n)と相関関係があり、シリンダ内のATFの体積Q(n)はシリンダ内へのATFの入出量を積算することで求めることができ、シリンダ内へのATFの入出量はソレノイド弁(作動油供給弁)58の変位x(n)から求めることができる、という点に着目して行なっている。
そこで、油圧推定手段12は、まず、演算周期毎にソレノイド弁58を通過するATFの体積流量Qin(n)を算出し、この算出した体積流量Qin(n)をNDクラッチの油圧室52cにおける流出流量Qoutにより補正して、この補正後体積流量を積算することにより、油圧室52c内の作動油体積Q(n)を算出し、次に、予め得られている油圧室52c内の作動油体積とピストン位置との対応関係と、予め得られているピストン位置とNDクラッチ板間隙hとの対応関係とを用いて、作動油体積Q(n)に基づいて間隙値h(n)を算出して、予め得られている間隙値とATF圧との対応関係を用いて、算出した間隙値h(n)から油圧P(n)を算出する。以下、詳細に説明する。
まず、シフトレンジ切替え指令(例えばシフトレバー操作)に応答して変化するピストン作用油圧Pを模擬するため、簡単なNDクラッチの作動モデルを考える。この作動モデルは、図5に示すように、クラッチ板(クラッチプレート52g及びクラッチディスク52h)と、シリンダ52aと、ピストン52bと、シリンダ52aに通じるATF流路58aと、ATF流路に設置された電磁ソレノイド弁58とから構成される。
この作動モデルにおいて、シフトレバー操作等によってシフトレンジ切替え指令があると、シフトレンジ切替えによってはこれがクラッチ係合開放指令となる。このクラッチ係合開放指令があると、この指令値O(n)に対して、ソレノイド弁を駆動する電流(コイル電流)I(n)が指令値O(n)の一次遅れの応答で流れて、電流I(n)による磁界(コイル磁界)H(n)が生じる。なお、クラッチ係合指令値O(n)は1とし、クラッチ開放指令値O(n)は0とする。次いで、磁界H(n)による磁力およびリターンスプリング52iの復元力がソレノイド弁に力f(n)を与える。この力f(n)を時間積算することによりソレノイド弁変位速度v(n)が得られ、さらにこの速度v(n)を時間積算することによりソレノイド変位x(n)を得ることができる。
したがって、ソレノイド弁変位x(n)は以下の式(6.1)〜(6.5)のように導出することができる。
例えば、ソレノイド弁を駆動する電流I(n)は、式(6.1)に示すように、電流の応答ゲインkに応じた変化に加えて、クラッチ係合指令[O(n)=1]があると1次フィルタゲインkに応じた一次遅れで増加し、クラッチ開放指令[O(n)=1]があると1次フィルタゲインkに応じた一次遅れで減少する。また、電流I(n)による磁界H(n)は、式(6.2)に示すように、電流I(n)を電流に対する磁界の応答ゲインkで処理することで得られる。ソレノイド弁に加わるリターンスプリング52iの復元力f(n)は、式(6.3)に示すように、磁界H(n)を磁界に対する力の応答ゲインkで処理することで得られる磁力kH(n)と、リターンスプリング52iの変位(=ソレノイド弁変位)の前回値x(n−1)にバネ定数kを乗算することで得られるバネ力kx(n−1)との差として得られる。ソレノイド弁変位速度v(n)は、式(6.4)に示すように、力f(n)を時間積算することにより得られ、ソレノイド変位x(n)は、式(6.5)に示すように、さらにこの速度v(n)を時間積算することにより得ることができる。
Figure 2012082868
ここで、ソレノイド弁変位x(n)に応じてATFは流入するので、単位時間あたりのソレノイド弁通過体積流量Qin(n)及びシリンダ(油圧室)52c内に存在する体積Q(n)は下記の式(7.1),(7.2)のようになる。ここでは単純化のため、NDクラッチシリンダ52cからは一定体積流量Qoutの流出があるものとし、ソレノイド弁58の前後におけるATF圧力差はP0で一定であるとしている。
また、図6に示すように、ソレノイド通過ATF時間流量をQin、ソレノイド流路有効幅をw、ソレノイド入口ATF油圧をP0、ATF密度をρ、シリンダ流出ATF時間流量をQout、シリンダ内ATF体積をQとしている。
Figure 2012082868
ここで、図7(a)に示すような作動モデルにおいて、図7(b)〜(d)のように、クラッチ板間の距離を便宜上拡大してクラッチ板間の距離変化を示す。図7(b)〜(d)に示すように、ピストンがクラッチ板を係合させる様子を単純化して考えた場合、シリンダ内に存在するATF体積Q(n)によりピストンはQ(n)/Sfだけ変位する。従って、NDクラッチ板間隙h(n)は以下の式のようになる。
Figure 2012082868
一方で、実機のNDクラッチ係合油圧の一般的な変化特性に基づいて、この油圧の挙動をクラッチ板間隙h(n)で表現すると、下記の式(9)及び図8に示すように、「h(n)に反比例しh(n)=h0のときP(n)=0且つh(n)=hmのときP(n)=P0」となるよう模擬油圧P(n)を定義することができる。
Figure 2012082868
このようにして、模擬油圧P(n)を得ることができるので、前記の式(5)のNDクラッチピストン作用油圧にこの模擬油圧P(n)を適用することより、接触摩擦項TFRGを算出することができる。前記の式(3)の粘性抵抗項TDRGは式(4)で算出することができ、接触摩擦項TFRGを得られれば、前記の式(3)により、NDクラッチ係合トルクTCLTを求めることができる。さらに、このNDクラッチ係合トルクTCLTを式(1´)に与えることにより、タービン角速度の時間変化率dωt/dtを求めることができ、式(2)により、今回の演算周期のタービン回転速度推定値Nt(n)が得られる。
<作用(フローチャート)>
本発明の一実施形態にかかるトルクコンバータのタービン速度推定装置は、上述のように構成されているので、例えば、図9,10のフローチャートに示すように、タービン回転速度を推定することができる。なお、図9,10のフローチャートは、エンジンの始動前等のエンジン停止時から、予め設定された所定の演算周期で実行される。また、推定演算にかかる各パラメータの初期値については予め設定されている。
つまり、図9に示すように、まず、演算周期が初回であるかを判定し(ステップa10)、初回の演算周期であれば、推定演算にかかる各パラメータの初期値を読み込む(ステップa20)。各パラメータの初期値は、クラッチ係合指令値O(n)、ソレノイド弁駆動電流I(n)、この電流I(n)による磁界H(n)、磁界H(n)及びリターンスプリング52iがソレノイド弁に与えられる力f(n)、ソレノイド弁変位速度v(n)、ソレノイド変位x(n)、シリンダ内に存在するATF体積Q(n)、模擬油圧P(n)はいずれも0であり、クラッチ板間隙h(n)はクラッチ開放時の値h0である。
演算周期が初回であればステップa20を経て、演算周期が初回でなければステップa20を経ずに、次のステップに進んで、クランク角センサ20aによりエンジン回転速度Neを検出し、プライマリ回転速度センサ20bによりプライマリ回転速度Npを検出する(ステップa30)。そして、エンジン回転速度Neからエンジンが停止しているか(Ne=0?)を判定し(ステップa40)、エンジン2が停止していれば、今回の演算周期のタービン回転速度推定値Nt(n)を0に設定し(ステップa100)、この演算周期を終える。
エンジン2が停止していなければ、前回の演算周期の模擬油圧P(n−1)が判定値以上か否かによって、NDクラッチの係合が完了しているかを判定する(ステップa50)。NDクラッチの係合が完了する場合のNDクラッチピストン作用油圧は予め把握できるので、このDクラッチの係合完了時の油圧Pから上記判定値を設定することができる。NDクラッチの係合が完了していれば、今回の演算周期のタービン回転速度推定値Nt(n)をプライマリ回転速度センサ20bにより得られたプライマリ回転速度Npに設定し(ステップa90)、この演算周期を終える。
NDクラッチの係合が完了していなければ、NDクラッチ係合トルクTCLTの粘性抵抗項TDRGを、タービン回転速度の前回推定値Nt(n−1)を用いて前記の式(4)により演算する(ステップa60)。さらに、NDクラッチ係合トルクTCLTの接触摩擦項TFRGを演算する(ステップa70)。
接触摩擦項TFRGの演算(ステップa70)は、図10のサブフローチャートに示すように行なう。つまり、まず、シフトレバー位置を読み込む(ステップb10)。このシフトレバー位置、即ち、シフトレバー位置が何れのシフトレンジにあるかによってクラッチ係合開放指令[指令値O(n)]を把握できる。このシフトレバー位置から得られるクラッチ係合開放指令値O(n)を判定し(ステップb20)、クラッチ係合開放指令値O(n)が走行レンジ、即ち、NDクラッチを開放させるべき指令であれば、クラッチ係合開放指令値O(n)を0とし(ステップb30)、NDクラッチを係合させるべき指令であれば、クラッチ係合開放指令値O(n)を1とする(ステップb40)。
次に、ソレノイド弁を駆動する電流(コイル電流)I(n)を前記の式(6.1)により演算し(ステップb50)、電流I(n)による磁界(コイル磁界)H(n)を前記の式(6.2)により演算する(ステップb60)。ソレノイド弁に作用する力f(n)を前記の式(6.3)により演算する(ステップb70)。さらに、前記の式(6.4)に示すように、この力f(n)を時間積算することによりソレノイド弁変位速度v(n)を演算し(ステップb80)、前記の式(6.5)に示すように、この速度v(n)を時間積算することによりソレノイド変位x(n)を演算する(ステップb90)。
ソレノイド弁変位x(n)に応じてATFは流入するので、前記の式(7.1)に示すように、単位時間あたりのソレノイド弁通過体積流量Qin(n)を演算し(ステップb100)、前記の式(7.2)に示すように、シリンダ(油圧室)52c内に存在する体積Q(n)を演算する(ステップb110)。
シリンダ内に存在するATF体積Q(n)によりピストンはQ(n)/Sfだけ変位することから、前記の式(8)に示すように、NDクラッチ板間隙h(n)を演算する(ステップb120)。そして、クラッチ板間隙h(n)と油圧の挙動との関係から、前記の式(9)に示すように、模擬油圧P(n)を演算する(ステップb130)。
前記の式(5)のNDクラッチピストン作用油圧にこの模擬油圧P(n)を適用することより、接触摩擦項TFRGを算出する(ステップb140)。
再び、図9を参照すると、このような演算により、NDクラッチ係合トルクTCLTの粘性抵抗項TDRG(ステップa60)及びNDクラッチ係合トルクTCLTの接触摩擦項TFRG(ステップa70)が得られると、粘性抵抗項TDRGと接触摩擦項TFRGとを加算してNDクラッチ係合トルクTCLTを演算する(ステップa80)。
また、タービン回転速度Ntに前回推定値Nt(n−1)を用いてタービン回転速度Ntとエンジン回転速度Neの比の値Nt/Neを演算する(ステップa110)。さらに、比の値Nt/Neを引数とするマップ(図3,図4)から、トルコン6のトルク比τ及びトルコン6の容量Cを検索する(ステップa120)。
こうして得られたNDクラッチ係合トルクTCLT,トルコントルク比τ,トルコン容量C,及びステップa30により検出されたエンジン回転速度Neを、前記の式(1´)に代入して、タービン回転速度の時間変化率dNt/dtを演算し(ステップa130)、前記の式(2)に示すように、タービン回転速度の時間変化率dNt/dtを各演算周期毎に積算することにより、タービン回転速度推定値Nt(n)を演算する(ステップa140)。
<効果>
このようにしてNDクラッチが係合状態と解放状態との間で移動してタービン回転速度Ntに変化が生じる場合であっても、タービン回転速度センサに頼ることなくタービン回転速度Nt(n)を推定することができる。
したがって、例えば停車アイドリングにおいて、走行レンジと非走行レンジとを切り替える際にもタービン回転速度Ntを利用してトルコン負荷を精度よく算出することができ、エンジン回転速度の挙動を安定させることが可能になる。
また、入力指令は運転者のシフトレバー操作に限られるものではない。つまり、停車時に運転者のシフトレバー操作によらず自動的にニュートラル状態に準ずる状態へ移行するような制御(いわゆるアイドルニュートラル制御)を行なう場合についても、NDクラッチは上記と同様に作動するので、この場合にもタービン回転速度Nt(n)を推定して、タービン回転速度Ntを利用してエンジン回転速度の挙動を安定させることが可能になる。
さらに、本発明によって得られたタービン回転速度Ntの適用は、上記のトルコン負荷の算出に利用してエンジン回転速度の挙動を安定させる制御を行なう場合に限るものではなく、他の種々の制御についても適用しうるものである。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明は係る実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記実施形態の一部を用いたり、適宜変更したりして実施することができる。
2 エンジン(内燃機関)
4 自動変速機
6 トルクコンバータ(トルコン)
10 電子制御ユニット(ECU)
12 油圧推定手段
14 係合トルク推定手段
16 タービン回転速度算出手段
20a クランク角センサ(エンジン回転速度検出手段)
20b プライマリ回転速度センサ(プライマリ回転速度検出手段)
40 自動変速機4のケーシング
42 自動変速機4の入力軸
44 前後進切替機構
44a,44b 前後進切替機構44の回転要素
46A プライマリ軸
46 プライマリプーリ
48A セカンダリ軸
48 セカンダリプーリ
50 ベルト
52 湿式多板クラッチ装置(NDクラッチ,油圧式摩擦係合要素)
52a シリンダ
52b ピストン
52c 油圧室
52d クラッチプレート保持部
52e クラッチディスク保持部材
52g クラッチプレート
52h クラッチディスク
52i リターンスプリング
54 出力軸
54a ギア対
56 油圧源(油圧ポンプ或いは作動油タンク)
58 作動油供給弁(ソレノイド弁、電磁弁)
62 トルコンケーシング
64 インペラ
66 タービンライナ(タービン)

Claims (6)

  1. 車両に装備されたエンジンと、油圧式摩擦係合要素の断接により前記車両の前後進及び動力の伝達・非伝達の切り替えをする前後進切替機構を有する自動変速機と、前記エンジンと前記自動変速機の前記前後進切替機構との間に介装されたトルクコンバータと、を備えた駆動系における、前記トルクコンバータのタービン速度を推定する装置であって、
    前記エンジンの回転速度Neを検出するエンジン回転速度検出手段と、
    前記油圧式摩擦係合要素を断接するときの作動油の油圧Pを推定する油圧推定手段と、
    前記油圧推定手段により推定された前記作動油の油圧Pに基づいて前記油圧式摩擦係合要素の係合トルクTCLTを推定する係合トルク推定手段と、
    前記係合トルク推定手段により推定された前記油圧式摩擦係合要素の係合トルクTCLTと、前記エンジン回転速度検出手段により検出された前記エンジンの回転速度Neとに基づいて、前記トルクコンバータのタービン回転速度Ntを算出するタービン回転速度演算手段と、を備える
    ことを特徴とする、トルクコンバータのタービン速度推定装置。
  2. 前記油圧式摩擦係合要素は、電磁弁により油圧を制御されて断接するものであり、
    前記油圧推定手段は、前記電磁弁のソレノイドの駆動電流値Iに基づいて前記電磁弁を通過する前記作動油の体積流量Qinを算出し、算出した該体積流量に基づいて前記油圧式摩擦係合要素の要素間の間隙hを算出し、算出した該要素間の間隙から前記作動油の油圧Pを推定する
    ことを特徴とする、請求項1記載のトルクコンバータのタービン速度推定装置。
  3. 前記油圧推定手段は、
    所定周期毎に前記電磁弁を通過する前記作動油の体積流量Qin(n)を算出し、この算出した体積流量Qin(n)を前記油圧式摩擦係合要素における流出流量Qoutにより補正した補正後体積流量に基づいて、前記油圧式摩擦係合要素の油圧室内の作動油体積Q(n)を算出し、この算出した油圧室内の作動油体積Q(n)に基づいて前記間隙h(n)を算出する
    ことを特徴とする、請求項2記載のトルクコンバータのタービン速度推定装置。
  4. 前記油圧式摩擦係合要素は、前記電磁弁により油圧を制御されて移動するピストンによって断接するものであり、
    前記油圧推定手段は、予め得られた前記油圧室内の作動油体積と前記ピストン位置との対応関係と、予め得られた前記ピストン位置と前記要素間の間隙との対応関係とを用いて、前記油圧室内の作動油体積Q(n)に基づいて前記間隙h(n)を算出する
    ことを特徴とする、請求項1記載のトルクコンバータのタービン速度推定装置。
  5. 前記係合トルク推定手段は、
    前記作動油の粘性抵抗に応じた粘性抵抗トルクTDRGと前記油圧式摩擦係合要素の接触摩擦に応じた接触摩擦トルクTFRGとの和として、前記係合トルクTCLTを算出する
    ことを特徴とする、請求項1〜4いずれか1項記載のトルクコンバータのタービン速度推定装置。
  6. 前記前後進切替機構から前記自動変速機の変速機構に入力される変速機入力回転速度Npを検出する変速機入力回転速度検出手段を備え、
    前記粘性抵抗トルクTDRGは、前回得られたタービン回転速度Nt(n−1)と前記変速機入力回転速度検出手段により検出された変速機入力回転速度Npとの差と、前記油圧式摩擦係合要素の係合面の数及び有効半径(r,r)と、作動油の粘性抵抗係数μATFとに基づいて算出し、
    前記接触摩擦トルクTFRGは、前記作動油の油圧P(n)と、該油圧P(n)が作用する前記油圧式摩擦係合要素の係合面の有効面積nS,有効半径[(r+r)/2]及び摩擦係数μFRCとに基づいて算出する
    ことを特徴とする、請求項5記載のトルクコンバータのタービン速度推定装置。
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