JP2012081963A - 航空機の地上操向装置、地上操向方法、及び航空機 - Google Patents

航空機の地上操向装置、地上操向方法、及び航空機 Download PDF

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Abstract

【課題】航空機の地上操向装置の機械的な故障を精度良く検出することができ、故障を検出した際における航空機の予期せぬ方向への移動を阻止することができる航空機の地上操向装置と地上操向方法、及び前記地上操向装置を備えた航空機を提供することである。
【解決手段】入力機器5と、操向アクチュエータ7a,7bと、入力機器5から入力される目標操向角度情報を操向アクチュエータ7a,7bに伝達する制御装置8とを有する操向手段1で、車輪の向きを変更する。地上操向装置1は、入力機器5から入力される目標操向角度に対するセンサ6で検出される車輪2の実動操向角度が、予め設定した所定範囲内にあるか否かを判定する判定手段15を備えている。判定手段15が、所定範囲内に入っていないと判定した場合には、車輪2の向きを自由回動可能にするか、又は車輪2の向きを中立位置にする。
【選択図】図1

Description

本発明は、航空機のステアバイワイヤ方式の地上操向装置と地上操向方法に関するものである。より詳しくは、機械的な故障を検出することができる地上操向装置と地上操向方法、及びこのような地上操向装置を備えた航空機に関するものである。
図3は、従来の航空機のステアバイワイヤ方式の地上操向装置の信号系統図である。
航空機の車輪2は、回動可能な支柱10を介して機体(図示せず)に固定されている。
また、地上操向装置40は、操縦者によって操作されるラダーシステム3又はハンドル4等からなる破線で囲んだ入力機器5と、支柱10を回動させ車輪2の向きを変更する操向アクチュエータ7a,7bと、油圧源20,コントロールバルブ9,及びステアリングコントローラ8(制御装置)等を備えている。また、図示していないが、入力機器5や操向アクチュエータ7a,7bには差動トランスLVDT(Linear Variable Differential Transformer)式の変位センサ(ポジション・センサ)が設けられている。
操向アクチュエータ7a,7bは、途中にコントロールバルブ9を備えた配管11a,11bによって油圧源20と接続されている。よって、コントロールバルブ9の開度を調整することにより、操向アクチュエータ7a,7bに任意の油圧を供給することができるようになっている。また、ステアリングコントローラ8は、信号線21〜23を介して入力機器5と接続されており、また、信号線24を介してコントロールバルブ9と接続されている。
よって、信号線21〜23を介して入力機器5からステアリングコントローラ8に入力信号(目標操向角度情報)が入力され、さらに信号線24を介してステアリングコントローラ8からコントロールバルブ9へ出力信号が出力されると、コントロールバルブ9の開度が制御され、入力信号に対応する油圧が操向アクチュエータ7a,7bに供給される。
すなわち、操向アクチュエータ7a,7bには配管11a,11bを介してコントロールバルブ9側から油圧(圧油)が供給され、支柱10は、油圧に応じた回動角度だけ回動する。支柱10が回動すると車輪2の向きが変わり、航空機の進行方向が変更(すなわち操向)される。
このようなステアバイワイヤ方式の地上操向装置40を備えた航空機が、例えば特許文献1に開示されている。
特開2004−255910号公報
従来の航空機に備えられている地上操向装置40は、上述のような入力機器5や操向アクチュエータ7a,7b等の機械系設備と、入力機器5から入力される目標操向角度情報をステアリングコントローラ8の制御信号に変換してコントロールバルブ9に伝達する電気信号系設備とを有している。
ところで、従来の地上操向装置は、電気的な故障が生じた場合には速やかにその故障を検出することができるが、機械的な故障の検出は容易ではなかった。
例えば、以下のような場合が考えられる。
前記した入力機器5や操向アクチュエータ7a,7bに設けられている差動トランスLVDTは、入力機器5の操作量や操向アクチュエータ7a,7bの駆動量を検出している。仮に、いずれかの差動トランスLVDTの電気配線が断線すると、通電しないことや電圧が低下する等の事象をもって断線したことを直ちに検出できるが、差動トランスLVDT自体が物理的に破損して検出ヘッドが固定されてしまうと、入力機器5を操作して実際に操向角(実動操向角度)が変化しても、差動トランスLVDTは一定の操向角を検出し出力し続ける。
その結果、検出した操向角と実際の操向角とが相違し、航空機は危険な運行(走行)を行うこととなる。そのため従来は、安全性を考慮して、入力側(入力機器5)とフィードバック側(コントロールバルブ9)の信号に冗長性(余裕)を持たせていた。具体的には、操向アクチュエータに差動トランスLVDTを二重,三重に設け、それらが全て同じ結果を示せば操向アクチュエータは正常であると考えられる。しかし、この場合には、各差動トランスLVDTが異なる結果を検出すると、いずれの差動トランスLVDTの検出値が正しいのか判別がつかない。
そこで本発明は、機械的な故障を容易に検出できる航空機のステアバイワイヤ方式の地上操向装置,地上操向方法,及び前記地上操向装置を備えた航空機を提供することを目的としている。
上記課題を解決するための請求項1の発明は、車輪の向きを変更する操向手段を備えた航空機の地上操向装置において、前記操向手段は、入力機器と、操向アクチュエータと、入力機器から入力される目標操向角度情報に基づいて操向アクチュエータを制御する制御装置とを有しており、車輪の操向角度を検出するセンサを備え、目標操向角度に対する前記センサで検出される車輪の実動操向角度が、予め設定した所定範囲内にあるか否かを判定する第1判定手段を備えたことを特徴とする航空機の地上操向装置である。
請求項1の発明の地上操向装置は、入力機器と、操向アクチュエータと、入力機器からの入力に基づいて操向アクチュエータを制御する制御装置とを有する操向手段を備えている。よって、制御装置が、入力機器から入力された操向目標角度情報に基づいて操向アクチュエータを制御すると、航空機の進路が変更される。
また、目標操向角度に対するセンサで検出される車輪の実動操向角度が、予め設定した所定範囲内にあるか否かを判定する第1判定手段を備えたので、目標操向角度と実動操向角度の差を把握することができる。
第1判定手段が判定した結果、目標操向角度に対して実動操向角度が所定範囲内にない場合としては、例えば操向アクチュエータが故障している場合と、車輪の操向角度を検出するセンサが故障している場合とが考えられる。すなわち、操向アクチュエータが故障している場合には、目標操向角度が設定されても車輪の向きが適正に変更されることはなく、また、センサが故障している場合には、実際に車輪の向きが変更されていることを検出することができない。
そこで請求項1の発明を実施すると、操向アクチュエータとセンサのいずれが故障していても、航空機の地上操向装置の機械的な故障(異常)を検出することができるようになる。
請求項2の発明は、車輪の向きを変更する操向手段を備えた航空機の地上操向装置において、前記操向手段は、入力機器と、操向アクチュエータと、入力機器から入力される目標操向角度情報に基づいて操向アクチュエータを制御する制御装置とを有しており、車輪の操向角度を検出するセンサと、目標操向角度の時間変化量及び実動操向角度の時間変化量を演算する演算手段とを備え、目標操向角度の時間変化量に対する前記センサで検出される車輪の実動操向角度の時間変化量が、予め設定した所定範囲内にあるか否かを判定する第2判定手段を備えたことを特徴とする航空機の地上操向装置である。
請求項2の発明の地上操向装置は、請求項1の発明の地上操向装置と同様に、制御装置が、入力機器から入力された操向目標角度情報に基づいて操向アクチュエータを制御すると、航空機の進路が変更される。ここで操向目標角度情報とは、入力機器によって入力される目標操向角度の時間変化量である。
目標操向角度の時間変化量と、センサで検出される車輪の実動操向角度の時間変化量は、演算手段によって演算される。また、第2判定手段は、目標操向角度の時間変化量に対して前記センサで検出される車輪の実動操向角度の時間変化量が、予め設定した所定範囲内にあるか否かを判定する。すなわち第2判定手段は、目標操向角度の時間変化の度合いと、実動操向角度の時間変化の度合いとを比較する。
これにより、予め設定した所定範囲内にないと第2判定手段が判定した場合には、操向操作に対して車輪の向きの変更が伴っておらず、操向アクチュエータかセンサのいずれかが故障している。
よって、請求項2の発明を実施すると、操向アクチュエータとセンサの故障を検出することができる。
請求項3の発明は、前記第1判定手段又は第2判定手段が、所定範囲内に入っていないと判定した場合には、前記車輪の向きを自由回動可能にする、又は、車輪の向きを中立位置にすることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の航空機の地上操向装置である。
請求項3の発明の地上操向装置では、第1判定手段又は第2判定手段によって、目標操向角度に対する操向アクチュエータによって駆動される車輪の実動操向角度が、予め設定した所定範囲内にあるか否かが判定される。この第1判定手段又は第2判定手段によって、予め設定した所定範囲内に入っていないと判定されると、入力角度(目標操向角度)に対して車輪の向きの変更(実動操向角度)が追従しておらず、地上操向装置には機械的な故障が生じている。この場合には車輪の向きを自由回動可能にするか、又は車輪の向きを中立位置(ニュートラル)にする。これにより航空機は直進し、予期しない方向へ進路変更されることがない。通常、滑走路は真っ直ぐであり、滑走路に沿って航空機を直進させると事故を防止することができる。
従って請求項3の発明を実施すると、航空機の地上操向装置に機械的な故障があれば、速やかにその異常を検知することができると共に、航空機の予期しない方向への進路変更を回避することができるようになる。
例えば、制御装置から操向アクチュエータへの出力信号(指令信号)を遮断し、操向アクチュエータへの油圧の供給を切り換え、車輪の向きを自由回動可能にするか、又は車輪の向きを中立位置にすることにより航空機を直進させる。
請求項4の発明は、車輪の向きを変更する操向手段を備えた航空機の地上操向装置において、前記操向手段は、入力機器と、操向アクチュエータと、入力機器から入力される目標操向角度情報を操向アクチュエータに伝達する制御装置とを有しており、車輪の操向角度を検出するセンサと、目標操向角度の時間変化量及び実動操向角度の時間変化量を演算する演算手段とを備え、目標操向角度に対する前記センサで検出される車輪の実動操向角度が予め設定した所定範囲内になく、且つ、目標操向角度の時間変化量に対する前記センサで検出される車輪の実動操向角度の時間変化量が予め設定した所定範囲内にない状態が所定時間継続すると、前記車輪の向きを自由回動可能にする、又は車輪の向きを中立位置にすることを特徴とする航空機の地上操向装置である。
請求項4の発明の地上操向装置は、入力機器と、操向アクチュエータと、入力機器から入力される目標操向角度情報を操向アクチュエータに伝達する制御装置とを有する操向手段を備えている。また、加えて、車輪の操向角度を検出するセンサと、目標操向角度の時間変化量及び実動操向角度の時間変化量を演算する演算手段とを備えている。これにより目標操向角度の時間変化量と実動操向角度の時間変化量とが求められる。
そして、目標操向角度に対して前記センサで検出される車輪の実動操向角度が予め設定した所定範囲内になく、且つ、目標操向角度の時間変化量に対する前記センサで検出される車輪の実動操向角度の時間変化量が予め設定した所定範囲内にない状態が所定時間継続したか否かが判定される。
仮に所定時間継続していない場合には、目標操向角度に対して実動操向角度は許容範囲内であり、地上操向装置は正常に動作している。逆に所定時間継続した場合には、目標操向角度に対して実動操向角度が許容範囲を超えており、地上操向装置は故障している。この場合には、車輪の向きを自由回動可能にする。
これにより、入力機器の操向操作に対して車輪の向きの変更動作が一時的に遅延したもののすぐに復旧した場合に、車輪の向きを自由回動可能にする事態を回避することができる。すなわち、路上の異物が車輪に噛み込まれる等の理由で、一時的に車輪の向きの変更が不能になった場合を、地上操向装置の機械的な故障であると判定せずに済む。よって、地上操向装置の機械系設備の信頼性が向上する。
請求項5の発明は、入力機器と操向アクチュエータと、入力機器から入力される目標操向角度情報を操向アクチュエータに伝達する制御装置とを有し、操向アクチュエータを駆動することにより車輪の向きを変更する航空機の地上操向方法において、前記車輪の向きをセンサで検出し、目標操向角度に対するセンサで検出される車輪の実動操向角度が、予め設定した所定範囲内に入っていない場合に、前記車輪の向きを自由回動可能にする、又は、車輪の向きを中立位置にすることを特徴とする航空機の地上操向方法である。
請求項5の発明では、目標操向角度に対するセンサで検出される実動操向角度が、予め設定した所定範囲内に入っているか否かを判定する。これにより目標操向角度に対して車輪の実動操向角度が追従しているか否かが判定される。すなわち、目標操向角度に対して車輪の実動操向角度が追従していれば、地上操向装置の機械系設備に故障や不具合はない。逆に追従していなければ、機械系設備に何らかの故障か不具合が存在する。そこで地上操向装置の機械系設備が故障している場合には、車輪の向きを自由回動可能にする、又は車輪の向きを中立位置に設定することにより、操向アクチュエータ等の機械系設備に無理な負荷が掛かることを防止し、さらに航空機が予期しない方向へ進むことを回避することができる。通常、滑走路は真っ直ぐであり、航空機を滑走路に沿って直進させることにより事故を回避し易い。
すなわち、請求項5の発明を実施すると、地上操向装置の機械的な故障又は不具合を適切に検出することができると共に、仮に故障又は不具合がある場合にも、機械系設備を保護することができる。よって、地上操向装置の機械系設備の信頼性が向上する。
請求項6の発明は、入力機器と、操向アクチュエータと、入力機器から入力される目標操向角度情報を操向アクチュエータに伝達する制御装置とを有し、操向アクチュエータを駆動することにより車輪の向きを変更する航空機の地上操向方法において、前記車輪の向きをセンサで検出し、目標操向角度の時間変化量と、前記センサで検出される車輪の実動操向角度の時間変化量の差が所定量以上である場合に、前記車輪の向きを自由回動可能にする、又は、車輪の向きを中立位置にすることを特徴とする航空機の地上操向方法である。
請求項6の発明では、入力機器によって入力される目標操向角度の時間変化量と、センサで検出される車輪の実動操向角度の時間変化量の差が求められる。これにより、目標操向角度に対して車輪の実動操向角度が追従しているか否かが判定可能になる。仮に追従していなければ、機械系設備に何らかの不具合が生じていると考えられる。
よって、両者の差が所定量以上である場合には、前記車輪の向きを自由回動可能にするか、又は車輪の向きを中立位置にする。これによって航空機は直進し、予期しない方向に進路変更せずに済む。
請求項7の発明は、入力機器と、操向アクチュエータと、入力機器から入力される目標操向角度情報を操向アクチュエータに伝達する制御装置とを有し、操向アクチュエータを駆動することにより車輪の向きを変更する航空機の地上操向方法において、前記車輪の向きをセンサで検出し、目標操向角度に対するセンサで検出される車輪の実動操向角度が予め設定した所定範囲内になく、且つ、目標操向角度の時間変化量に対する実動操向角度の時間変化量が、予め設定した所定範囲内にない状態が所定時間継続すると、前記車輪の向きを自由回動可能にする、又は車輪の向きを中立位置にすることを特徴とする航空機の地上操向方法である。
請求項7の発明では、目標操向角度に対するセンサで検出された車輪の実動操向角度が予め設定した所定範囲内になく、且つ、目標操向角度の時間変化量に対する実動操向角度の時間変化量が、予め設定した所定範囲内であるか否かを判定する。この判定により、目標操向角度に対して車輪の実動操向角度が追従しているか否かを把握することができる。
目標操向角度の時間変化量に対する実動操向角度の時間変化量が、予め設定した所定範囲内にない状態が所定時間継続していなければ、地上操向装置は機械的に故障していない。逆に前記状態が所定時間継続していれば、地上操向装置は機械的に故障が生じており、この場合には車輪の向きを自由回動可能にするか、又は車輪の向きを中立位置に設定する。これにより、操向アクチュエータ等の機械系設備に無理な力が作用することを回避でき、機械系設備を保護することができる。
請求項8の発明は、請求項1乃至請求項4の地上操向装置を備えたことを特徴とする航空機である。
請求項8の発明を実施した航空機は、上述の効果を奏する請求項1乃至請求項4の地上操向装置を備えているので、航空機の安全性が向上する。
本発明は、目標操向角度に対する車輪の実動操向角度が、予め設定した所定範囲内にあるか否かを判定する判定手段を備えたので、目標操向角度に対して車輪の実動操向角度が追従しているか否かを判定することができる。仮に、追従していれば、地上操向装置は機械的に故障していない。
逆に追従していなければ、地上操向装置は機械的に故障していると考えられ、この場合には車輪の向きを自由回動可能にするか、又は車輪の向きを中立位置にする。よって、車輪の向きを変更する操向アクチュエータ等の機械系設備に無理な負荷が掛かることを防止することができ、地上操向装置を保護することができる。また、航空機を直進させることができ、事故を回避し易くなる。
さらに本発明を実施すると、従来のように入力機器から入力される信号や、判定手段から出力される信号に冗長性(余裕)を持たせなくて済み、地上操向装置の機械的な信頼性が向上する。
また、このような地上操向装置を備えた航空機は、安全に地上を走行することができる。
本発明の航空機の地上操向装置を実施する際の流れ図である。 本発明の航空機の地上操向装置の信号系統図である。 従来の航空機の地上操向装置の信号系統図である。
図1は、本発明の航空機の地上操向装置を実施する際の流れ図である。また図2は、本発明の航空機の地上操向装置の信号系統図である。図2では、前述の図3に示す構成と同じ構成には同じ符号を付しており、以下では主に図3に示す構成とは相違する構成を説明し、重複する記載は省略する。
まず、図2を参照しながら本発明の地上操向装置1の全体構成を説明し、続いて本発明の地上操向装置1の動作手順を図1の流れ図に沿って説明する。なお、図1において(target)とあるのは目標操向角度(target angle)であり、(actual)とあるのは実動操向角度(actual angle)を示している。
図2に示すように本発明の地上操向装置1(ステアリング・コントロール・システム)は、判定装置15(第1,第2判定手段)を備えている。判定装置15は、CPU12(演算手段),メモリ13,及びタイマ14を備えている。この判定装置15と操向アクチュエータ7a,7bとは、各々信号線25,26で接続されている。この信号線25,26を介して操向アクチュエータ7a,7bの駆動量がステアリングコントローラ8(制御装置)に入力される。すなわち、操向アクチュエータ7a,7bにはステアリング・ポジションを検出する差動トランス式の変位センサ(ポジション・センサ)が内蔵されている。
ここで、操向アクチュエータ7a,7bの駆動量を検出する代わりに、回動可能な支柱10の近傍に回動検出センサ6を設置し、回動検出センサ6とステアリングコントローラ8とを信号線27で接続し、回動検出センサ6によって支柱10の回動角度情報を検出してもよい。ちなみに回動検出センサ6が検出した検出信号は、信号線27を介してステアリングコントローラ8に入力される。
以上のように構成された地上操向装置1は、図1に示す手順で実施される。
着陸時や離陸時に航空機が地上を走行する際、必要に応じて航空機の進行方向が地上操向装置1によって変更される。その際、ステアリングコントローラ8,操向アクチュエータ7a,7b,コントロールバルブ9,回動検出センサ6(又は操向アクチュエータ7a,7bに備えた図示しないポジション・センサ)が正常に動作しているか否かを判定装置15が判定する。
図1の流れ図において、航空機が走行を開始すると同時に、又は走行を開始する前に判定装置15の判定が開始される。
まず、ステップ1において目標操向角度(target angle)と実動操向角度(actual angle)とが検出される。すなわち、目標操向角度情報は、入力機器5から入力された入力信号に対応する操向角度として、ステアリングコントローラ8経由で判定装置15に入力される。また、実動操向角度は、操向アクチュエータ7a,7bから信号線25,26を介して判定装置15(ステアリングコントローラ8)に入力される。又は、実動操向角度は、回動検出センサ6から信号線27を介して判定装置15(ステアリングコントローラ8)に入力される
次にステップ2では、判定装置15内においてCPU12(演算手段)が目標操向角度と実動操向角度の時間変化量(時間変化率)を演算し、演算結果をメモリ13に記憶する。ここでメモリ13は、書き込みが可能な揮発性メモリや固定ディスク等の記憶媒体(記録媒体)であり、CPU12の演算結果を保存することができる。また、メモリ13には、目標操向角度の時間変化量(時間変化率)の下限値αと、実動操向角度の時間変化量(時間変化率)の下限値βと、目標操向角度と実動操向角度の差の時間変化量(時間変化率)の上限値ζと、後述する経過時間設定値xとが予め記憶されている。
そしてステップ3では、判定装置15は次の式(1)又は式(2)を満たすか否かを判定する。
|d/dt(target angle)|>αかつ|d/dt(actual angle)|<β・・・(1)
|d/dt(target angle)|<αかつ|d/dt(actual angle)|>β・・・(2)
判定装置15は、式(1)の演算結果から、入力機器5(ラダーシステム3又はハンドル4)が操作されている際に、操向アクチュエータ7a,7bが適正に駆動されているか否かを判定する。
また、判定装置15は、式(2)の演算結果から、入力機器5が操作されていない場合に、操向アクチュエータ7a,7bが駆動されているか否かを判定する。
式(1)及び式(2)において、下限値α,βを設定することにより、入力機器5の微細な操作の揺れの影響や、操向路面の凹凸の影響(車輪2の向きが微細に変化してしまう)等を除外することができるようになる。
仮に式(1)と式(2)のいずれも満たさない場合は、地上操向装置1は正常に動作しており、地上操向装置1に機械的な故障はない。よってこの場合はステップ3においてNoとなり、ステップ1へ戻り、再度上記操作を繰り返す。
ステップ3において判定装置15が演算した結果、式(1)又は式(2)を満たす場合には、ステップ4へ進む。
ちなみに式(1)を満たす場合は、目標操向角度に対して実動操向角度が足りず、航空機は必要な角度だけ進行方向が変更されていない。この場合には操向アクチュエータ7a,7b又はこれらに内蔵されているポジション・センサ(又は回動検出センサ6)が正常に動作していないと考えられる。すなわち、操向アクチュエータ7a,7bが故障すると、車輪2の向きを変更する(支柱10を回動させる)ことができず、また、ポジション・センサ(又は回動検出センサ6)が故障すると、実際には車輪2の向きが変更されても、その変更(すなわち、支柱10の回転)を検出することができない。
操向アクチュエータ7a,7bが故障しているのか、又はポジション・センサ(又は回動検出センサ6)が故障しているのかは、操縦者の目視により判定可能である。すなわち操縦者の目視により、航空機の進路変更が適正であると認められれば、ポジション・センサ(又は回動検出センサ6)が故障しており、航空機の進路変更が適正でなければ操向アクチュエータ7a,7bが故障している。
また、式(2)を満たす場合は、入力機器5を操作しておらず、航空機の進行方向を変更する必要がないにも関わらず、進行方向が変わっている。この場合には、ステアリングコントローラ8,コントロールバルブ9,又は操向アクチュエータ7a,7bに内蔵されているポジション・センサ(又は回動検出センサ6)が正常に動作していないと考えられる。すなわち、ステアリングコントローラ8,コントロールバルブ9が故障すると、入力機器5からの入力がなくても操向アクチュエータ7a,7bを誤動作させる可能性があり、また、ポジション・センサ(又は回動検出センサ6)が故障すると、ポジション・センサ(又は回動検出センサ6)は、実際には車輪2の向きが変更されていないにも関わらず、変更されていると誤検出してしまう可能性がある。
ステップ3では、このような機械的な故障の兆候を検出することができる。
そしてステップ4では、目標操向角度と実動操向角度の差Δθの時間変化量(時間変化率)が、予め設定した上限値ζを超えているか否かが判定される。
すなわちステップ4では、次の式(3)を満たすか否かが判定される。
d/dt|Δθ|>ζ・・・式(3)
ここでΔθ=(target angle)−(actual angle)
仮に式(3)を満たさない場合(ステップ4においてNo)には、地上操向装置1のいずれの機械設備にも故障はなく、正常範囲(許容範囲)の動作を行っているものと判定しステップ1へ戻る。すなわち式(3)を満たさない場合には、目標操向角度に対して実動操向角度が適正に近付いており、|Δθ|<ζとなる。ちなみにΔθ=0(ゼロ)となるのが最も好ましい。すなわち、この場合には地上操向装置1には機械的な故障はなく、許容範囲の動作を行っているものと判定される。
逆に式(3)を満たす場合(ステップ4においてYES)には、ステップ5へ進む。
式(3)を満たす場合には、操向アクチュエータ7a,7bかこれらに内蔵されているポジション・センサ(又は回動検出センサ6)が、正常に動作していない可能性が高い。
ステップ5では、入力機器5を操作してから(又は操作が完了してから)、経過時間が経過時間設定値xを超過したか否かが判定される。仮に経過時間設定値xを超過していなければステップ1へ戻る。すなわち、地上操向装置1が機械的に故障している可能性を疑われたものの、経過時間設定値xが経過するまでに正常動作が行われたことにより、故障以外の要因(例えば、車輪2が異物を噛み込む等)に起因する一時的な不具合であったと考えられ、許容範囲内で復旧したことにより故障ではないと判定される。
逆に、ステップ5で経過時間設定値xを経過していればステップ6へ進む。すなわち、設定された許容時間(経過時間設定値x)内に、前述の故障ではないかという疑義が解消されなければ、地上操向装置1のいずれかの機械設備が故障していると判定される。
ここで経過時間は、判定装置15に設けられたタイマ14によって計時される。
ステップ4では、式(3)を満たすか否かを判定したが、仮にステップ4で式(3)を満たす場合であっても、ステップ5で経過時間が、経過時間設定値xが超過する前に式(3)を満たした場合には、ステアリングコントローラ8や操向アクチュエータ7a,7b、及び回動検出センサ6等は機械的に故障しておらず正常に動作しているものと判定装置15は判定する。すなわちステップ5を経ることにより、入力機器5を操作してから操向アクチュエータ7a,7bが駆動されるまでの応答性の影響を除外することができるようになる。
しかし、ステップ5で経過時間が経過時間設定値xを超過し、式(3)を満たさない場合には、地上操向装置1のいずれかに異常が認められる。この場合にはステップ6へ進み、地上操向装置1が機械的に故障しているものと判定(検出)される。
そしてステップ7において、操向操作を停止する。
すなわち、ステアリングコントローラ8からコントロールバルブ9へ出力される操向に関わる出力信号(指令信号)を遮断すると共に、車輪2を固定する支柱10を自由回動が可能な状態にする。又は、コントロールバルブ9によって操向アクチュエータ7a,7bを駆動し、車輪2が中立位置となるように支柱10を回動させ、さらに操向アクチュエータ7a,7bへの油圧の供給を遮断し、車輪2の向きが中立位置から変化しないようにする。これにより、航空機は直進する。
さらに、警報ランプを点灯・点滅させたり、警報を発することによって操縦者に認識させる。この状態では航空機は地上操向装置1によって操向できないが、進路変更する必要がある場合には、例えば操縦者は手動で左右に配置された車輪(図示せず)の回転速度に差を設けることによって進路変更を行ったり、別に電動式操向アクチュエータを設け、該電動式操向アクチュエータによって車輪の向きを変更し進路変更を行う。
以上では、ステップ5でイエスと判定されるまでは、地上操向装置1に機械的な故障はないと判定する例を示したが、図1の流れ図において、ステップ3やステップ4においてイエスと判定された段階で直ちに故障と判定するようにしてもよい。
図2では、二つの操向アクチュエータ7a,7bを使用する例を示したが、小型の航空機では一つの操向アクチュエータで支柱10を回動させる。すなわち、本発明を小型の航空機に対して実施する際には、図2に示す操向アクチュエータ7a又は7bのいずれか一方のみとする。これにより、削減した操向アクチュエータ及びその油圧配管の分だけ航空機の重量の軽量化を図ることができる。
1 地上操向装置
2 車輪
5 入力機器
6 回動検出センサ
7a,7b 操向アクチュエータ
8 ステアリングコントローラ(制御装置)
10 車輪を支持する支柱
12 CPU(演算手段)
13 メモリ
14 タイマ
15 判定装置(第1判定手段,第2判定手段)
本発明は、航空機のステアバイワイヤ方式の地上操向装置と地上操向方法に関するものである。より詳しくは、機械的な故障を検出することができる地上操向装置と地上操向方法、及びこのような地上操向装置を備えた航空機に関するものである。
図3は、従来の航空機のステアバイワイヤ方式の地上操向装置の信号系統図である。
航空機の車輪2は、回動可能な支柱10を介して機体(図示せず)に固定されている。
また、地上操向装置40は、操縦者によって操作されるラダーシステム3又はハンドル4等からなる破線で囲んだ入力機器5と、支柱10を回動させ車輪2の向きを変更する操向アクチュエータ7a,7bと、油圧源20,コントロールバルブ9,及びステアリングコントローラ8(制御装置)等を備えている。また、図示していないが、入力機器5や操向アクチュエータ7a,7bには差動トランスLVDT(Linear Variable Differential Transformer)式の変位センサ(ポジション・センサ)が設けられている。
操向アクチュエータ7a,7bは、途中にコントロールバルブ9を備えた配管11a,11bによって油圧源20と接続されている。よって、コントロールバルブ9の開度を調整することにより、操向アクチュエータ7a,7bに任意の油圧を供給することができるようになっている。また、ステアリングコントローラ8は、信号線21〜23を介して入力機器5と接続されており、また、信号線24を介してコントロールバルブ9と接続されている。
よって、信号線21〜23を介して入力機器5からステアリングコントローラ8に入力信号(目標操向角度情報)が入力され、さらに信号線24を介してステアリングコントローラ8からコントロールバルブ9へ出力信号が出力されると、コントロールバルブ9の開度が制御され、入力信号に対応する油圧が操向アクチュエータ7a,7bに供給される。
すなわち、操向アクチュエータ7a,7bには配管11a,11bを介してコントロールバルブ9側から油圧(圧油)が供給され、支柱10は、油圧に応じた回動角度だけ回動する。支柱10が回動すると車輪2の向きが変わり、航空機の進行方向が変更(すなわち操向)される。
このようなステアバイワイヤ方式の地上操向装置40を備えた航空機が、例えば特許文献1に開示されている。
特開2004−255910号公報
従来の航空機に備えられている地上操向装置40は、上述のような入力機器5や操向アクチュエータ7a,7b等の機械系設備と、入力機器5から入力される目標操向角度情報をステアリングコントローラ8の制御信号に変換してコントロールバルブ9に伝達する電気信号系設備とを有している。
ところで、従来の地上操向装置は、電気的な故障が生じた場合には速やかにその故障を検出することができるが、機械的な故障の検出は容易ではなかった。
例えば、以下のような場合が考えられる。
前記した入力機器5や操向アクチュエータ7a,7bに設けられている差動トランスLVDTは、入力機器5の操作量や操向アクチュエータ7a,7bの駆動量を検出している。仮に、いずれかの差動トランスLVDTの電気配線が断線すると、通電しないことや電圧が低下する等の事象をもって断線したことを直ちに検出できるが、差動トランスLVDT自体が物理的に破損して検出ヘッドが固定されてしまうと、入力機器5を操作して実際に操向角(実動操向角度)が変化しても、差動トランスLVDTは一定の操向角を検出し出力し続ける。
その結果、検出した操向角と実際の操向角とが相違し、航空機は危険な運行(走行)を行うこととなる。そのため従来は、安全性を考慮して、入力側(入力機器5)とフィードバック側(コントロールバルブ9)の信号に冗長性(余裕)を持たせていた。具体的には、操向アクチュエータに差動トランスLVDTを二重,三重に設け、それらが全て同じ結果を示せば操向アクチュエータは正常であると考えられる。しかし、この場合には、各差動トランスLVDTが異なる結果を検出すると、いずれの差動トランスLVDTの検出値が正しいのか判別がつかない。
そこで本発明は、機械的な故障を容易に検出できる航空機のステアバイワイヤ方式の地上操向装置,地上操向方法,及び前記地上操向装置を備えた航空機を提供することを目的としている。
上記課題を解決するための関連の発明は、車輪の向きを変更する操向手段を備えた航空機の地上操向装置において、前記操向手段は、入力機器と、操向アクチュエータと、入力機器から入力される目標操向角度情報に基づいて操向アクチュエータを制御する制御装置とを有しており、車輪の操向角度を検出するセンサを備え、目標操向角度に対する前記センサで検出される車輪の実動操向角度が、予め設定した所定範囲内にあるか否かを判定する第1判定手段を備えたことを特徴とする航空機の地上操向装置である。
この発明の地上操向装置は、入力機器と、操向アクチュエータと、入力機器からの入力に基づいて操向アクチュエータを制御する制御装置とを有する操向手段を備えている。よって、制御装置が、入力機器から入力された操向目標角度情報に基づいて操向アクチュエータを制御すると、航空機の進路が変更される。
また、目標操向角度に対するセンサで検出される車輪の実動操向角度が、予め設定した所定範囲内にあるか否かを判定する第1判定手段を備えたので、目標操向角度と実動操向角度の差を把握することができる。
第1判定手段が判定した結果、目標操向角度に対して実動操向角度が所定範囲内にない場合としては、例えば操向アクチュエータが故障している場合と、車輪の操向角度を検出するセンサが故障している場合とが考えられる。すなわち、操向アクチュエータが故障している場合には、目標操向角度が設定されても車輪の向きが適正に変更されることはなく、また、センサが故障している場合には、実際に車輪の向きが変更されていることを検出することができない。
そこでこの発明を実施すると、操向アクチュエータとセンサのいずれが故障していても、航空機の地上操向装置の機械的な故障(異常)を検出することができるようになる。
上記課題を解決するための請求項の発明は、車輪の向きを変更する操向手段を備えた航空機の地上操向装置において、前記操向手段は、入力機器と、操向アクチュエータと、入力機器から入力される目標操向角度情報に基づいて操向アクチュエータを制御する制御装置とを有しており、車輪の操向角度を検出するセンサと、目標操向角度の時間変化量及び実動操向角度の時間変化量を演算する演算手段とを備え、目標操向角度の時間変化量に対する前記センサで検出される車輪の実動操向角度の時間変化量が、予め設定した所定範囲内にあるか否かを判定する判定手段を備えたことを特徴とする航空機の地上操向装置である。
発明の地上操向装置は、上記関連の発明の地上操向装置と同様に、制御装置が、入力機器から入力された操向目標角度情報に基づいて操向アクチュエータを制御すると、航空機の進路が変更される。ここで操向目標角度情報とは、入力機器によって入力される目標操向角度の時間変化量である。
目標操向角度の時間変化量と、センサで検出される車輪の実動操向角度の時間変化量は、演算手段によって演算される。また、判定手段は、目標操向角度の時間変化量に対して前記センサで検出される車輪の実動操向角度の時間変化量が、予め設定した所定範囲内にあるか否かを判定する。すなわち判定手段は、目標操向角度の時間変化の度合いと、実動操向角度の時間変化の度合いとを比較する。
これにより、予め設定した所定範囲内にないと判定手段が判定した場合には、操向操作に対して車輪の向きの変更が伴っておらず、操向アクチュエータかセンサのいずれかが故障している。
よって、発明を実施すると、操向アクチュエータとセンサの故障を検出することができる。
請求項の発明は、前記判定手段が、所定範囲内に入っていないと判定した場合には、前記車輪の向きを自由回動可能にする、又は、車輪の向きを中立位置にすることを特徴とする請求項に記載の航空機の地上操向装置である。
発明の地上操向装置では、判定手段によって、目標操向角度の時間変化量に対して前記センサで検出される車輪の実動操向角度の時間変化量が、予め設定した所定範囲内にあるか否かが判定される。この判定手段によって、予め設定した所定範囲内に入っていないと判定されると、入力角度(目標操向角度)に対して車輪の向きの変更(実動操向角度)が追従しておらず、地上操向装置には機械的な故障が生じている。この場合には車輪の向きを自由回動可能にするか、又は車輪の向きを中立位置(ニュートラル)にする。これにより航空機は直進し、予期しない方向へ進路変更されることがない。通常、滑走路は真っ直ぐであり、滑走路に沿って航空機を直進させると事故を防止することができる。
従って発明を実施すると、航空機の地上操向装置に機械的な故障があれば、速やかにその異常を検知することができると共に、航空機の予期しない方向への進路変更を回避することができるようになる。
例えば、制御装置から操向アクチュエータへの出力信号(指令信号)を遮断し、操向アクチュエータへの油圧の供給を切り換え、車輪の向きを自由回動可能にするか、又は車輪の向きを中立位置にすることにより航空機を直進させる。
請求項の発明は、目標操向角度に対する前記センサで検出される車輪の実動操向角度の時間変化量が予め設定した所定範囲内になく、且つ、目標操向角度の時間変化量に対する前記センサで検出される車輪の実動操向角度の時間変化量が予め設定した所定範囲内にない状態が所定時間継続すると、前記車輪の向きを自由回動可能にする、又は車輪の向きを中立位置にすることを特徴とする請求項1に記載の航空機の地上操向装置である。
発明の地上操向装置は、入力機器と、操向アクチュエータと、入力機器から入力される目標操向角度情報を操向アクチュエータに伝達する制御装置とを有する操向手段を備えている。また、加えて、車輪の操向角度を検出するセンサと、目標操向角度の時間変化量及び実動操向角度の時間変化量を演算する演算手段とを備えている。これにより目標操向角度の時間変化量と実動操向角度の時間変化量とが求められる。
そして、目標操向角度に対する前記センサで検出される車輪の実動操向角度の時間変化量が予め設定した所定範囲内になく、且つ、目標操向角度の時間変化量に対する前記センサで検出される車輪の実動操向角度の時間変化量が予め設定した所定範囲内にない状態が所定時間継続したか否かが判定される。
仮に所定時間継続していない場合には、目標操向角度に対して実動操向角度は許容範囲内であり、地上操向装置は正常に動作している。逆に所定時間継続した場合には、目標操向角度に対して実動操向角度が許容範囲を超えており、地上操向装置は故障している。この場合には、車輪の向きを自由回動可能にする。
これにより、入力機器の操向操作に対して車輪の向きの変更動作が一時的に遅延したもののすぐに復旧した場合に、車輪の向きを自由回動可能にする事態を回避することができる。すなわち、路上の異物が車輪に噛み込まれる等の理由で、一時的に車輪の向きの変更が不能になった場合を、地上操向装置の機械的な故障であると判定せずに済む。よって、地上操向装置の機械系設備の信頼性が向上する。
関連の発明は、入力機器と操向アクチュエータと、入力機器から入力される目標操向角度情報を操向アクチュエータに伝達する制御装置とを有し、操向アクチュエータを駆動することにより車輪の向きを変更する航空機の地上操向方法において、前記車輪の向きをセンサで検出し、目標操向角度に対するセンサで検出される車輪の実動操向角度が、予め設定した所定範囲内に入っていない場合に、前記車輪の向きを自由回動可能にする、又は、車輪の向きを中立位置にすることを特徴とする航空機の地上操向方法である。
この発明では、目標操向角度に対するセンサで検出される実動操向角度が、予め設定した所定範囲内に入っているか否かを判定する。これにより目標操向角度に対して車輪の実動操向角度が追従しているか否かが判定される。すなわち、目標操向角度に対して車輪の実動操向角度が追従していれば、地上操向装置の機械系設備に故障や不具合はない。逆に追従していなければ、機械系設備に何らかの故障か不具合が存在する。そこで地上操向装置の機械系設備が故障している場合には、車輪の向きを自由回動可能にする、又は車輪の向きを中立位置に設定することにより、操向アクチュエータ等の機械系設備に無理な負荷が掛かることを防止し、さらに航空機が予期しない方向へ進むことを回避することができる。通常、滑走路は真っ直ぐであり、航空機を滑走路に沿って直進させることにより事故を回避し易い。
すなわち、この発明を実施すると、地上操向装置の機械的な故障又は不具合を適切に検出することができると共に、仮に故障又は不具合がある場合にも、機械系設備を保護することができる。よって、地上操向装置の機械系設備の信頼性が向上する。
請求項の発明は、入力機器と、操向アクチュエータと、入力機器から入力される目標操向角度情報を操向アクチュエータに伝達する制御装置とを有し、操向アクチュエータを駆動することにより車輪の向きを変更する航空機の地上操向方法において、前記車輪の向きをセンサで検出し、目標操向角度の時間変化量と、前記センサで検出される車輪の実動操向角度の時間変化量の差が所定量以上である場合に、前記車輪の向きを自由回動可能にする、又は、車輪の向きを中立位置にすることを特徴とする航空機の地上操向方法である。
発明では、入力機器によって入力される目標操向角度の時間変化量と、センサで検出される車輪の実動操向角度の時間変化量の差が求められる。これにより、目標操向角度に対して車輪の実動操向角度が追従しているか否かが判定可能になる。仮に追従していなければ、機械系設備に何らかの不具合が生じていると考えられる。
よって、両者の差が所定量以上である場合には、前記車輪の向きを自由回動可能にするか、又は車輪の向きを中立位置にする。これによって航空機は直進し、予期しない方向に進路変更せずに済む。
請求項の発明は、入力機器と、操向アクチュエータと、入力機器から入力される目標操向角度情報を操向アクチュエータに伝達する制御装置とを有し、操向アクチュエータを駆動することにより車輪の向きを変更する航空機の地上操向方法において、前記車輪の向きをセンサで検出し、目標操向角度に対するセンサで検出される車輪の実動操向角度の時間変化量が予め設定した所定範囲内になく、且つ、目標操向角度の時間変化量に対する実動操向角度の時間変化量が、予め設定した所定範囲内にない状態が所定時間継続すると、前記車輪の向きを自由回動可能にする、又は車輪の向きを中立位置にすることを特徴とする航空機の地上操向方法である。
発明では、目標操向角度に対するセンサで検出された車輪の実動操向角度の時間変化量が予め設定した所定範囲内になく、且つ、目標操向角度の時間変化量に対する実動操向角度の時間変化量が、予め設定した所定範囲内であるか否かを判定する。この判定により、目標操向角度に対して車輪の実動操向角度が追従しているか否かを把握することができる。
目標操向角度の時間変化量に対する実動操向角度の時間変化量が、予め設定した所定範囲内にない状態が所定時間継続していなければ、地上操向装置は機械的に故障していない。逆に前記状態が所定時間継続していれば、地上操向装置は機械的に故障が生じており、この場合には車輪の向きを自由回動可能にするか、又は車輪の向きを中立位置に設定する。これにより、操向アクチュエータ等の機械系設備に無理な力が作用することを回避でき、機械系設備を保護することができる。
請求項の発明は、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の地上操向装置を備えたことを特徴とする航空機である。
本発明の航空機は、上述の効果を奏する請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の地上操向装置を備えているので、航空機の安全性が向上する。
本発明は、目標操向角度の時間変化量に対する車輪の実動操向角度の時間変化量が、予め設定した所定範囲内にあるか否かを判定する判定手段を備えたので、目標操向角度に対して車輪の実動操向角度が追従しているか否かを判定することができる。仮に、追従していれば、地上操向装置は機械的に故障していない。
逆に追従していなければ、地上操向装置は機械的に故障していると考えられ、この場合には車輪の向きを自由回動可能にするか、又は車輪の向きを中立位置にする。よって、車輪の向きを変更する操向アクチュエータ等の機械系設備に無理な負荷が掛かることを防止することができ、地上操向装置を保護することができる。また、航空機を直進させることができ、事故を回避し易くなる。
さらに本発明を実施すると、従来のように入力機器から入力される信号や、判定手段から出力される信号に冗長性(余裕)を持たせなくて済み、地上操向装置の機械的な信頼性が向上する。
また、このような地上操向装置を備えた航空機は、安全に地上を走行することができる。
本発明の航空機の地上操向装置を実施する際の流れ図である。 本発明の航空機の地上操向装置の信号系統図である。 従来の航空機の地上操向装置の信号系統図である。
図1は、本発明の航空機の地上操向装置を実施する際の流れ図である。また図2は、本発明の航空機の地上操向装置の信号系統図である。図2では、前述の図3に示す構成と同じ構成には同じ符号を付しており、以下では主に図3に示す構成とは相違する構成を説明し、重複する記載は省略する。
まず、図2を参照しながら本発明の地上操向装置1の全体構成を説明し、続いて本発明の地上操向装置1の動作手順を図1の流れ図に沿って説明する。なお、図1において(target)とあるのは目標操向角度(target angle)であり、(actual)とあるのは実動操向角度(actual angle)を示している。
図2に示すように本発明の地上操向装置1(ステアリング・コントロール・システム)は、判定装置15(判定手段)を備えている。判定装置15は、CPU12(演算手段),メモリ13,及びタイマ14を備えている。この判定装置15と操向アクチュエータ7a,7bとは、各々信号線25,26で接続されている。この信号線25,26を介して操向アクチュエータ7a,7bの駆動量がステアリングコントローラ8(制御装置)に入力される。すなわち、操向アクチュエータ7a,7bにはステアリング・ポジションを検出する差動トランス式の変位センサ(ポジション・センサ)が内蔵されている。
ここで、操向アクチュエータ7a,7bの駆動量を検出する代わりに、回動可能な支柱10の近傍に回動検出センサ6を設置し、回動検出センサ6とステアリングコントローラ8とを信号線27で接続し、回動検出センサ6によって支柱10の回動角度情報を検出してもよい。ちなみに回動検出センサ6が検出した検出信号は、信号線27を介してステアリングコントローラ8に入力される。
以上のように構成された地上操向装置1は、図1に示す手順で実施される。
着陸時や離陸時に航空機が地上を走行する際、必要に応じて航空機の進行方向が地上操向装置1によって変更される。その際、ステアリングコントローラ8,操向アクチュエータ7a,7b,コントロールバルブ9,回動検出センサ6(又は操向アクチュエータ7a,7bに備えた図示しないポジション・センサ)が正常に動作しているか否かを判定装置15が判定する。
図1の流れ図において、航空機が走行を開始すると同時に、又は走行を開始する前に判定装置15の判定が開始される。
まず、ステップ1において目標操向角度(target angle)と実動操向角度(actual angle)とが検出される。すなわち、目標操向角度情報は、入力機器5から入力された入力信号に対応する操向角度として、ステアリングコントローラ8経由で判定装置15に入力される。また、実動操向角度は、操向アクチュエータ7a,7bから信号線25,26を介して判定装置15(ステアリングコントローラ8)に入力される。又は、実動操向角度は、回動検出センサ6から信号線27を介して判定装置15(ステアリングコントローラ8)に入力される
次にステップ2では、判定装置15内においてCPU12(演算手段)が目標操向角度と実動操向角度の時間変化量(時間変化率)を演算し、演算結果をメモリ13に記憶する。ここでメモリ13は、書き込みが可能な揮発性メモリや固定ディスク等の記憶媒体(記録媒体)であり、CPU12の演算結果を保存することができる。また、メモリ13には、目標操向角度の時間変化量(時間変化率)の下限値αと、実動操向角度の時間変化量(時間変化率)の下限値βと、目標操向角度と実動操向角度の差の時間変化量(時間変化率)の上限値ζと、後述する経過時間設定値xとが予め記憶されている。
そしてステップ3では、判定装置15は次の式(1)又は式(2)を満たすか否かを判定する。
|d/dt(target angle)|>αかつ|d/dt(actual angle)|<β・・・(1)
|d/dt(target angle)|<αかつ|d/dt(actual angle)|>β・・・(2)
判定装置15は、式(1)の演算結果から、入力機器5(ラダーシステム3又はハンドル4)が操作されている際に、操向アクチュエータ7a,7bが適正に駆動されているか否かを判定する。
また、判定装置15は、式(2)の演算結果から、入力機器5が操作されていない場合に、操向アクチュエータ7a,7bが駆動されているか否かを判定する。
式(1)及び式(2)において、下限値α,βを設定することにより、入力機器5の微細な操作の揺れの影響や、操向路面の凹凸の影響(車輪2の向きが微細に変化してしまう)等を除外することができるようになる。
仮に式(1)と式(2)のいずれも満たさない場合は、地上操向装置1は正常に動作しており、地上操向装置1に機械的な故障はない。よってこの場合はステップ3においてNoとなり、ステップ1へ戻り、再度上記操作を繰り返す。
ステップ3において判定装置15が演算した結果、式(1)又は式(2)を満たす場合には、ステップ4へ進む。
ちなみに式(1)を満たす場合は、目標操向角度に対して実動操向角度が足りず、航空機は必要な角度だけ進行方向が変更されていない。この場合には操向アクチュエータ7a,7b又はこれらに内蔵されているポジション・センサ(又は回動検出センサ6)が正常に動作していないと考えられる。すなわち、操向アクチュエータ7a,7bが故障すると、車輪2の向きを変更する(支柱10を回動させる)ことができず、また、ポジション・センサ(又は回動検出センサ6)が故障すると、実際には車輪2の向きが変更されても、その変更(すなわち、支柱10の回転)を検出することができない。
操向アクチュエータ7a,7bが故障しているのか、又はポジション・センサ(又は回動検出センサ6)が故障しているのかは、操縦者の目視により判定可能である。すなわち操縦者の目視により、航空機の進路変更が適正であると認められれば、ポジション・センサ(又は回動検出センサ6)が故障しており、航空機の進路変更が適正でなければ操向アクチュエータ7a,7bが故障している。
また、式(2)を満たす場合は、入力機器5を操作しておらず、航空機の進行方向を変更する必要がないにも関わらず、進行方向が変わっている。この場合には、ステアリングコントローラ8,コントロールバルブ9,又は操向アクチュエータ7a,7bに内蔵されているポジション・センサ(又は回動検出センサ6)が正常に動作していないと考えられる。すなわち、ステアリングコントローラ8,コントロールバルブ9が故障すると、入力機器5からの入力がなくても操向アクチュエータ7a,7bを誤動作させる可能性があり、また、ポジション・センサ(又は回動検出センサ6)が故障すると、ポジション・センサ(又は回動検出センサ6)は、実際には車輪2の向きが変更されていないにも関わらず、変更されていると誤検出してしまう可能性がある。
ステップ3では、このような機械的な故障の兆候を検出することができる。
そしてステップ4では、目標操向角度と実動操向角度の差Δθの時間変化量(時間変化率)が、予め設定した上限値ζを超えているか否かが判定される。
すなわちステップ4では、次の式(3)を満たすか否かが判定される。
d/dt|Δθ|>ζ・・・式(3)
ここでΔθ=(target angle)−(actual angle)
仮に式(3)を満たさない場合(ステップ4においてNo)には、地上操向装置1のいずれの機械設備にも故障はなく、正常範囲(許容範囲)の動作を行っているものと判定しステップ1へ戻る。すなわち式(3)を満たさない場合には、目標操向角度に対して実動操向角度が適正に近付いており、|Δθ|<ζとなる。ちなみにΔθ=0(ゼロ)となるのが最も好ましい。すなわち、この場合には地上操向装置1には機械的な故障はなく、許容範囲の動作を行っているものと判定される。
逆に式(3)を満たす場合(ステップ4においてYES)には、ステップ5へ進む。
式(3)を満たす場合には、操向アクチュエータ7a,7bかこれらに内蔵されているポジション・センサ(又は回動検出センサ6)が、正常に動作していない可能性が高い。
ステップ5では、入力機器5を操作してから(又は操作が完了してから)、経過時間が経過時間設定値xを超過したか否かが判定される。仮に経過時間設定値xを超過していなければステップ1へ戻る。すなわち、地上操向装置1が機械的に故障している可能性を疑われたものの、経過時間設定値xが経過するまでに正常動作が行われたことにより、故障以外の要因(例えば、車輪2が異物を噛み込む等)に起因する一時的な不具合であったと考えられ、許容範囲内で復旧したことにより故障ではないと判定される。
逆に、ステップ5で経過時間設定値xを経過していればステップ6へ進む。すなわち、設定された許容時間(経過時間設定値x)内に、前述の故障ではないかという疑義が解消されなければ、地上操向装置1のいずれかの機械設備が故障していると判定される。
ここで経過時間は、判定装置15に設けられたタイマ14によって計時される。
ステップ4では、式(3)を満たすか否かを判定したが、仮にステップ4で式(3)を満たす場合であっても、ステップ5で経過時間が、経過時間設定値xが超過する前に式(3)を満たした場合には、ステアリングコントローラ8や操向アクチュエータ7a,7b、及び回動検出センサ6等は機械的に故障しておらず正常に動作しているものと判定装置15は判定する。すなわちステップ5を経ることにより、入力機器5を操作してから操向アクチュエータ7a,7bが駆動されるまでの応答性の影響を除外することができるようになる。
しかし、ステップ5で経過時間が経過時間設定値xを超過し、式(3)を満たさない場合には、地上操向装置1のいずれかに異常が認められる。この場合にはステップ6へ進み、地上操向装置1が機械的に故障しているものと判定(検出)される。
そしてステップ7において、操向操作を停止する。
すなわち、ステアリングコントローラ8からコントロールバルブ9へ出力される操向に関わる出力信号(指令信号)を遮断すると共に、車輪2を固定する支柱10を自由回動が可能な状態にする。又は、コントロールバルブ9によって操向アクチュエータ7a,7bを駆動し、車輪2が中立位置となるように支柱10を回動させ、さらに操向アクチュエータ7a,7bへの油圧の供給を遮断し、車輪2の向きが中立位置から変化しないようにする。これにより、航空機は直進する。
さらに、警報ランプを点灯・点滅させたり、警報を発することによって操縦者に認識させる。この状態では航空機は地上操向装置1によって操向できないが、進路変更する必要がある場合には、例えば操縦者は手動で左右に配置された車輪(図示せず)の回転速度に差を設けることによって進路変更を行ったり、別に電動式操向アクチュエータを設け、該電動式操向アクチュエータによって車輪の向きを変更し進路変更を行う。
以上では、ステップ5でイエスと判定されるまでは、地上操向装置1に機械的な故障はないと判定する例を示したが、図1の流れ図において、ステップ3やステップ4においてイエスと判定された段階で直ちに故障と判定するようにしてもよい。
図2では、二つの操向アクチュエータ7a,7bを使用する例を示したが、小型の航空機では一つの操向アクチュエータで支柱10を回動させる。すなわち、本発明を小型の航空機に対して実施する際には、図2に示す操向アクチュエータ7a又は7bのいずれか一方のみとする。これにより、削減した操向アクチュエータ及びその油圧配管の分だけ航空機の重量の軽量化を図ることができる。
1 地上操向装置
2 車輪
5 入力機器
6 回動検出センサ
7a,7b 操向アクチュエータ
8 ステアリングコントローラ(制御装置)
10 車輪を支持する支柱
12 CPU(演算手段)
13 メモリ
14 タイマ
15 判定装置(判定手段

Claims (8)

  1. 車輪の向きを変更する操向手段を備えた航空機の地上操向装置において、
    前記操向手段は、入力機器と、操向アクチュエータと、入力機器から入力される目標操向角度情報に基づいて操向アクチュエータを制御する制御装置とを有しており、
    車輪の操向角度を検出するセンサを備え、目標操向角度に対する前記センサで検出される車輪の実動操向角度が、予め設定した所定範囲内にあるか否かを判定する第1判定手段を備えたことを特徴とする航空機の地上操向装置。
  2. 車輪の向きを変更する操向手段を備えた航空機の地上操向装置において、
    前記操向手段は、入力機器と、操向アクチュエータと、入力機器から入力される目標操向角度情報に基づいて操向アクチュエータを制御する制御装置とを有しており、
    車輪の操向角度を検出するセンサと、目標操向角度の時間変化量及び実動操向角度の時間変化量を演算する演算手段とを備え、
    目標操向角度の時間変化量に対する前記センサで検出される車輪の実動操向角度の時間変化量が、予め設定した所定範囲内にあるか否かを判定する第2判定手段を備えたことを特徴とする航空機の地上操向装置。
  3. 前記第1判定手段又は第2判定手段が、所定範囲内に入っていないと判定した場合には、前記車輪の向きを自由回動可能にする、又は、車輪の向きを中立位置にすることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の航空機の地上操向装置。
  4. 車輪の向きを変更する操向手段を備えた航空機の地上操向装置において、
    前記操向手段は、入力機器と、操向アクチュエータと、入力機器から入力される目標操向角度情報を操向アクチュエータに伝達する制御装置とを有しており、
    車輪の操向角度を検出するセンサと、目標操向角度の時間変化量及び実動操向角度の時間変化量を演算する演算手段とを備え、
    目標操向角度に対する前記センサで検出される車輪の実動操向角度が予め設定した所定範囲内になく、且つ、目標操向角度の時間変化量に対する前記センサで検出される車輪の実動操向角度の時間変化量が予め設定した所定範囲内にない状態が所定時間継続すると、前記車輪の向きを自由回動可能にする、又は車輪の向きを中立位置にすることを特徴とする航空機の地上操向装置。
  5. 入力機器と、操向アクチュエータと、入力機器から入力される目標操向角度情報を操向アクチュエータに伝達する制御装置とを有し、操向アクチュエータを駆動することにより車輪の向きを変更する航空機の地上操向方法において、
    前記車輪の向きをセンサで検出し、目標操向角度に対する前記センサで検出された車輪の実動操向角度が、予め設定した所定範囲内に入っていない場合に、前記車輪の向きを自由回動可能にする、又は、車輪の向きを中立位置にすることを特徴とする航空機の地上操向方法。
  6. 入力機器と、操向アクチュエータと、入力機器から入力される目標操向角度情報を操向アクチュエータに伝達する制御装置とを有し、操向アクチュエータを駆動することにより車輪の向きを変更する航空機の地上操向方法において、
    前記車輪の向きをセンサで検出し、目標操向角度の時間変化量と、前記センサで検出される車輪の実動操向角度の時間変化量の差が所定量以上である場合に、前記車輪の向きを自由回動可能にする、又は、車輪の向きを中立位置にすることを特徴とする航空機の地上操向方法。
  7. 入力機器と、操向アクチュエータと、入力機器から入力される目標操向角度情報を操向アクチュエータに伝達する制御装置とを有し、操向アクチュエータを駆動することにより車輪の向きを変更する航空機の地上操向方法において、
    前記車輪の向きをセンサで検出し、目標操向角度に対するセンサで検出される車輪の実動操向角度が予め設定した所定範囲内になく、且つ、目標操向角度の時間変化量に対する実動操向角度の時間変化量が、予め設定した所定範囲内にない状態が所定時間継続すると、前記車輪の向きを自由回動可能にする、又は車輪の向きを中立位置にすることを特徴とする航空機の地上操向方法。
  8. 請求項1乃至請求項4の地上操向装置を備えたことを特徴とする航空機。
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