JP2012081963A - 航空機の地上操向装置、地上操向方法、及び航空機 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】入力機器5と、操向アクチュエータ7a,7bと、入力機器5から入力される目標操向角度情報を操向アクチュエータ7a,7bに伝達する制御装置8とを有する操向手段1で、車輪の向きを変更する。地上操向装置1は、入力機器5から入力される目標操向角度に対するセンサ6で検出される車輪2の実動操向角度が、予め設定した所定範囲内にあるか否かを判定する判定手段15を備えている。判定手段15が、所定範囲内に入っていないと判定した場合には、車輪2の向きを自由回動可能にするか、又は車輪2の向きを中立位置にする。
【選択図】図1
Description
航空機の車輪2は、回動可能な支柱10を介して機体(図示せず)に固定されている。
また、地上操向装置40は、操縦者によって操作されるラダーシステム3又はハンドル4等からなる破線で囲んだ入力機器5と、支柱10を回動させ車輪2の向きを変更する操向アクチュエータ7a,7bと、油圧源20,コントロールバルブ9,及びステアリングコントローラ8(制御装置)等を備えている。また、図示していないが、入力機器5や操向アクチュエータ7a,7bには差動トランスLVDT(Linear Variable Differential Transformer)式の変位センサ(ポジション・センサ)が設けられている。
すなわち、操向アクチュエータ7a,7bには配管11a,11bを介してコントロールバルブ9側から油圧(圧油)が供給され、支柱10は、油圧に応じた回動角度だけ回動する。支柱10が回動すると車輪2の向きが変わり、航空機の進行方向が変更(すなわち操向)される。
このようなステアバイワイヤ方式の地上操向装置40を備えた航空機が、例えば特許文献1に開示されている。
例えば、以下のような場合が考えられる。
前記した入力機器5や操向アクチュエータ7a,7bに設けられている差動トランスLVDTは、入力機器5の操作量や操向アクチュエータ7a,7bの駆動量を検出している。仮に、いずれかの差動トランスLVDTの電気配線が断線すると、通電しないことや電圧が低下する等の事象をもって断線したことを直ちに検出できるが、差動トランスLVDT自体が物理的に破損して検出ヘッドが固定されてしまうと、入力機器5を操作して実際に操向角(実動操向角度)が変化しても、差動トランスLVDTは一定の操向角を検出し出力し続ける。
また、目標操向角度に対するセンサで検出される車輪の実動操向角度が、予め設定した所定範囲内にあるか否かを判定する第1判定手段を備えたので、目標操向角度と実動操向角度の差を把握することができる。
第1判定手段が判定した結果、目標操向角度に対して実動操向角度が所定範囲内にない場合としては、例えば操向アクチュエータが故障している場合と、車輪の操向角度を検出するセンサが故障している場合とが考えられる。すなわち、操向アクチュエータが故障している場合には、目標操向角度が設定されても車輪の向きが適正に変更されることはなく、また、センサが故障している場合には、実際に車輪の向きが変更されていることを検出することができない。
そこで請求項1の発明を実施すると、操向アクチュエータとセンサのいずれが故障していても、航空機の地上操向装置の機械的な故障(異常)を検出することができるようになる。
目標操向角度の時間変化量と、センサで検出される車輪の実動操向角度の時間変化量は、演算手段によって演算される。また、第2判定手段は、目標操向角度の時間変化量に対して前記センサで検出される車輪の実動操向角度の時間変化量が、予め設定した所定範囲内にあるか否かを判定する。すなわち第2判定手段は、目標操向角度の時間変化の度合いと、実動操向角度の時間変化の度合いとを比較する。
これにより、予め設定した所定範囲内にないと第2判定手段が判定した場合には、操向操作に対して車輪の向きの変更が伴っておらず、操向アクチュエータかセンサのいずれかが故障している。
よって、請求項2の発明を実施すると、操向アクチュエータとセンサの故障を検出することができる。
従って請求項3の発明を実施すると、航空機の地上操向装置に機械的な故障があれば、速やかにその異常を検知することができると共に、航空機の予期しない方向への進路変更を回避することができるようになる。
例えば、制御装置から操向アクチュエータへの出力信号(指令信号)を遮断し、操向アクチュエータへの油圧の供給を切り換え、車輪の向きを自由回動可能にするか、又は車輪の向きを中立位置にすることにより航空機を直進させる。
そして、目標操向角度に対して前記センサで検出される車輪の実動操向角度が予め設定した所定範囲内になく、且つ、目標操向角度の時間変化量に対する前記センサで検出される車輪の実動操向角度の時間変化量が予め設定した所定範囲内にない状態が所定時間継続したか否かが判定される。
仮に所定時間継続していない場合には、目標操向角度に対して実動操向角度は許容範囲内であり、地上操向装置は正常に動作している。逆に所定時間継続した場合には、目標操向角度に対して実動操向角度が許容範囲を超えており、地上操向装置は故障している。この場合には、車輪の向きを自由回動可能にする。
これにより、入力機器の操向操作に対して車輪の向きの変更動作が一時的に遅延したもののすぐに復旧した場合に、車輪の向きを自由回動可能にする事態を回避することができる。すなわち、路上の異物が車輪に噛み込まれる等の理由で、一時的に車輪の向きの変更が不能になった場合を、地上操向装置の機械的な故障であると判定せずに済む。よって、地上操向装置の機械系設備の信頼性が向上する。
すなわち、請求項5の発明を実施すると、地上操向装置の機械的な故障又は不具合を適切に検出することができると共に、仮に故障又は不具合がある場合にも、機械系設備を保護することができる。よって、地上操向装置の機械系設備の信頼性が向上する。
よって、両者の差が所定量以上である場合には、前記車輪の向きを自由回動可能にするか、又は車輪の向きを中立位置にする。これによって航空機は直進し、予期しない方向に進路変更せずに済む。
目標操向角度の時間変化量に対する実動操向角度の時間変化量が、予め設定した所定範囲内にない状態が所定時間継続していなければ、地上操向装置は機械的に故障していない。逆に前記状態が所定時間継続していれば、地上操向装置は機械的に故障が生じており、この場合には車輪の向きを自由回動可能にするか、又は車輪の向きを中立位置に設定する。これにより、操向アクチュエータ等の機械系設備に無理な力が作用することを回避でき、機械系設備を保護することができる。
逆に追従していなければ、地上操向装置は機械的に故障していると考えられ、この場合には車輪の向きを自由回動可能にするか、又は車輪の向きを中立位置にする。よって、車輪の向きを変更する操向アクチュエータ等の機械系設備に無理な負荷が掛かることを防止することができ、地上操向装置を保護することができる。また、航空機を直進させることができ、事故を回避し易くなる。
さらに本発明を実施すると、従来のように入力機器から入力される信号や、判定手段から出力される信号に冗長性(余裕)を持たせなくて済み、地上操向装置の機械的な信頼性が向上する。
また、このような地上操向装置を備えた航空機は、安全に地上を走行することができる。
着陸時や離陸時に航空機が地上を走行する際、必要に応じて航空機の進行方向が地上操向装置1によって変更される。その際、ステアリングコントローラ8,操向アクチュエータ7a,7b,コントロールバルブ9,回動検出センサ6(又は操向アクチュエータ7a,7bに備えた図示しないポジション・センサ)が正常に動作しているか否かを判定装置15が判定する。
まず、ステップ1において目標操向角度(target angle)と実動操向角度(actual angle)とが検出される。すなわち、目標操向角度情報は、入力機器5から入力された入力信号に対応する操向角度として、ステアリングコントローラ8経由で判定装置15に入力される。また、実動操向角度は、操向アクチュエータ7a,7bから信号線25,26を介して判定装置15(ステアリングコントローラ8)に入力される。又は、実動操向角度は、回動検出センサ6から信号線27を介して判定装置15(ステアリングコントローラ8)に入力される
|d/dt(target angle)|>αかつ|d/dt(actual angle)|<β・・・(1)
|d/dt(target angle)|<αかつ|d/dt(actual angle)|>β・・・(2)
判定装置15は、式(1)の演算結果から、入力機器5(ラダーシステム3又はハンドル4)が操作されている際に、操向アクチュエータ7a,7bが適正に駆動されているか否かを判定する。
また、判定装置15は、式(2)の演算結果から、入力機器5が操作されていない場合に、操向アクチュエータ7a,7bが駆動されているか否かを判定する。
ちなみに式(1)を満たす場合は、目標操向角度に対して実動操向角度が足りず、航空機は必要な角度だけ進行方向が変更されていない。この場合には操向アクチュエータ7a,7b又はこれらに内蔵されているポジション・センサ(又は回動検出センサ6)が正常に動作していないと考えられる。すなわち、操向アクチュエータ7a,7bが故障すると、車輪2の向きを変更する(支柱10を回動させる)ことができず、また、ポジション・センサ(又は回動検出センサ6)が故障すると、実際には車輪2の向きが変更されても、その変更(すなわち、支柱10の回転)を検出することができない。
ステップ3では、このような機械的な故障の兆候を検出することができる。
すなわちステップ4では、次の式(3)を満たすか否かが判定される。
d/dt|Δθ|>ζ・・・式(3)
ここでΔθ=(target angle)−(actual angle)
式(3)を満たす場合には、操向アクチュエータ7a,7bかこれらに内蔵されているポジション・センサ(又は回動検出センサ6)が、正常に動作していない可能性が高い。
ここで経過時間は、判定装置15に設けられたタイマ14によって計時される。
しかし、ステップ5で経過時間が経過時間設定値xを超過し、式(3)を満たさない場合には、地上操向装置1のいずれかに異常が認められる。この場合にはステップ6へ進み、地上操向装置1が機械的に故障しているものと判定(検出)される。
すなわち、ステアリングコントローラ8からコントロールバルブ9へ出力される操向に関わる出力信号(指令信号)を遮断すると共に、車輪2を固定する支柱10を自由回動が可能な状態にする。又は、コントロールバルブ9によって操向アクチュエータ7a,7bを駆動し、車輪2が中立位置となるように支柱10を回動させ、さらに操向アクチュエータ7a,7bへの油圧の供給を遮断し、車輪2の向きが中立位置から変化しないようにする。これにより、航空機は直進する。
2 車輪
5 入力機器
6 回動検出センサ
7a,7b 操向アクチュエータ
8 ステアリングコントローラ(制御装置)
10 車輪を支持する支柱
12 CPU(演算手段)
13 メモリ
14 タイマ
15 判定装置(第1判定手段,第2判定手段)
航空機の車輪2は、回動可能な支柱10を介して機体(図示せず)に固定されている。
また、地上操向装置40は、操縦者によって操作されるラダーシステム3又はハンドル4等からなる破線で囲んだ入力機器5と、支柱10を回動させ車輪2の向きを変更する操向アクチュエータ7a,7bと、油圧源20,コントロールバルブ9,及びステアリングコントローラ8(制御装置)等を備えている。また、図示していないが、入力機器5や操向アクチュエータ7a,7bには差動トランスLVDT(Linear Variable Differential Transformer)式の変位センサ(ポジション・センサ)が設けられている。
すなわち、操向アクチュエータ7a,7bには配管11a,11bを介してコントロールバルブ9側から油圧(圧油)が供給され、支柱10は、油圧に応じた回動角度だけ回動する。支柱10が回動すると車輪2の向きが変わり、航空機の進行方向が変更(すなわち操向)される。
このようなステアバイワイヤ方式の地上操向装置40を備えた航空機が、例えば特許文献1に開示されている。
例えば、以下のような場合が考えられる。
前記した入力機器5や操向アクチュエータ7a,7bに設けられている差動トランスLVDTは、入力機器5の操作量や操向アクチュエータ7a,7bの駆動量を検出している。仮に、いずれかの差動トランスLVDTの電気配線が断線すると、通電しないことや電圧が低下する等の事象をもって断線したことを直ちに検出できるが、差動トランスLVDT自体が物理的に破損して検出ヘッドが固定されてしまうと、入力機器5を操作して実際に操向角(実動操向角度)が変化しても、差動トランスLVDTは一定の操向角を検出し出力し続ける。
また、目標操向角度に対するセンサで検出される車輪の実動操向角度が、予め設定した所定範囲内にあるか否かを判定する第1判定手段を備えたので、目標操向角度と実動操向角度の差を把握することができる。
第1判定手段が判定した結果、目標操向角度に対して実動操向角度が所定範囲内にない場合としては、例えば操向アクチュエータが故障している場合と、車輪の操向角度を検出するセンサが故障している場合とが考えられる。すなわち、操向アクチュエータが故障している場合には、目標操向角度が設定されても車輪の向きが適正に変更されることはなく、また、センサが故障している場合には、実際に車輪の向きが変更されていることを検出することができない。
そこでこの発明を実施すると、操向アクチュエータとセンサのいずれが故障していても、航空機の地上操向装置の機械的な故障(異常)を検出することができるようになる。
目標操向角度の時間変化量と、センサで検出される車輪の実動操向角度の時間変化量は、演算手段によって演算される。また、判定手段は、目標操向角度の時間変化量に対して前記センサで検出される車輪の実動操向角度の時間変化量が、予め設定した所定範囲内にあるか否かを判定する。すなわち判定手段は、目標操向角度の時間変化の度合いと、実動操向角度の時間変化の度合いとを比較する。
これにより、予め設定した所定範囲内にないと判定手段が判定した場合には、操向操作に対して車輪の向きの変更が伴っておらず、操向アクチュエータかセンサのいずれかが故障している。
よって、本発明を実施すると、操向アクチュエータとセンサの故障を検出することができる。
従って本発明を実施すると、航空機の地上操向装置に機械的な故障があれば、速やかにその異常を検知することができると共に、航空機の予期しない方向への進路変更を回避することができるようになる。
例えば、制御装置から操向アクチュエータへの出力信号(指令信号)を遮断し、操向アクチュエータへの油圧の供給を切り換え、車輪の向きを自由回動可能にするか、又は車輪の向きを中立位置にすることにより航空機を直進させる。
そして、目標操向角度に対する前記センサで検出される車輪の実動操向角度の時間変化量が予め設定した所定範囲内になく、且つ、目標操向角度の時間変化量に対する前記センサで検出される車輪の実動操向角度の時間変化量が予め設定した所定範囲内にない状態が所定時間継続したか否かが判定される。
仮に所定時間継続していない場合には、目標操向角度に対して実動操向角度は許容範囲内であり、地上操向装置は正常に動作している。逆に所定時間継続した場合には、目標操向角度に対して実動操向角度が許容範囲を超えており、地上操向装置は故障している。この場合には、車輪の向きを自由回動可能にする。
これにより、入力機器の操向操作に対して車輪の向きの変更動作が一時的に遅延したもののすぐに復旧した場合に、車輪の向きを自由回動可能にする事態を回避することができる。すなわち、路上の異物が車輪に噛み込まれる等の理由で、一時的に車輪の向きの変更が不能になった場合を、地上操向装置の機械的な故障であると判定せずに済む。よって、地上操向装置の機械系設備の信頼性が向上する。
すなわち、この発明を実施すると、地上操向装置の機械的な故障又は不具合を適切に検出することができると共に、仮に故障又は不具合がある場合にも、機械系設備を保護することができる。よって、地上操向装置の機械系設備の信頼性が向上する。
よって、両者の差が所定量以上である場合には、前記車輪の向きを自由回動可能にするか、又は車輪の向きを中立位置にする。これによって航空機は直進し、予期しない方向に進路変更せずに済む。
目標操向角度の時間変化量に対する実動操向角度の時間変化量が、予め設定した所定範囲内にない状態が所定時間継続していなければ、地上操向装置は機械的に故障していない。逆に前記状態が所定時間継続していれば、地上操向装置は機械的に故障が生じており、この場合には車輪の向きを自由回動可能にするか、又は車輪の向きを中立位置に設定する。これにより、操向アクチュエータ等の機械系設備に無理な力が作用することを回避でき、機械系設備を保護することができる。
逆に追従していなければ、地上操向装置は機械的に故障していると考えられ、この場合には車輪の向きを自由回動可能にするか、又は車輪の向きを中立位置にする。よって、車輪の向きを変更する操向アクチュエータ等の機械系設備に無理な負荷が掛かることを防止することができ、地上操向装置を保護することができる。また、航空機を直進させることができ、事故を回避し易くなる。
さらに本発明を実施すると、従来のように入力機器から入力される信号や、判定手段から出力される信号に冗長性(余裕)を持たせなくて済み、地上操向装置の機械的な信頼性が向上する。
また、このような地上操向装置を備えた航空機は、安全に地上を走行することができる。
着陸時や離陸時に航空機が地上を走行する際、必要に応じて航空機の進行方向が地上操向装置1によって変更される。その際、ステアリングコントローラ8,操向アクチュエータ7a,7b,コントロールバルブ9,回動検出センサ6(又は操向アクチュエータ7a,7bに備えた図示しないポジション・センサ)が正常に動作しているか否かを判定装置15が判定する。
まず、ステップ1において目標操向角度(target angle)と実動操向角度(actual angle)とが検出される。すなわち、目標操向角度情報は、入力機器5から入力された入力信号に対応する操向角度として、ステアリングコントローラ8経由で判定装置15に入力される。また、実動操向角度は、操向アクチュエータ7a,7bから信号線25,26を介して判定装置15(ステアリングコントローラ8)に入力される。又は、実動操向角度は、回動検出センサ6から信号線27を介して判定装置15(ステアリングコントローラ8)に入力される
|d/dt(target angle)|>αかつ|d/dt(actual angle)|<β・・・(1)
|d/dt(target angle)|<αかつ|d/dt(actual angle)|>β・・・(2)
判定装置15は、式(1)の演算結果から、入力機器5(ラダーシステム3又はハンドル4)が操作されている際に、操向アクチュエータ7a,7bが適正に駆動されているか否かを判定する。
また、判定装置15は、式(2)の演算結果から、入力機器5が操作されていない場合に、操向アクチュエータ7a,7bが駆動されているか否かを判定する。
ちなみに式(1)を満たす場合は、目標操向角度に対して実動操向角度が足りず、航空機は必要な角度だけ進行方向が変更されていない。この場合には操向アクチュエータ7a,7b又はこれらに内蔵されているポジション・センサ(又は回動検出センサ6)が正常に動作していないと考えられる。すなわち、操向アクチュエータ7a,7bが故障すると、車輪2の向きを変更する(支柱10を回動させる)ことができず、また、ポジション・センサ(又は回動検出センサ6)が故障すると、実際には車輪2の向きが変更されても、その変更(すなわち、支柱10の回転)を検出することができない。
ステップ3では、このような機械的な故障の兆候を検出することができる。
すなわちステップ4では、次の式(3)を満たすか否かが判定される。
d/dt|Δθ|>ζ・・・式(3)
ここでΔθ=(target angle)−(actual angle)
式(3)を満たす場合には、操向アクチュエータ7a,7bかこれらに内蔵されているポジション・センサ(又は回動検出センサ6)が、正常に動作していない可能性が高い。
ここで経過時間は、判定装置15に設けられたタイマ14によって計時される。
しかし、ステップ5で経過時間が経過時間設定値xを超過し、式(3)を満たさない場合には、地上操向装置1のいずれかに異常が認められる。この場合にはステップ6へ進み、地上操向装置1が機械的に故障しているものと判定(検出)される。
すなわち、ステアリングコントローラ8からコントロールバルブ9へ出力される操向に関わる出力信号(指令信号)を遮断すると共に、車輪2を固定する支柱10を自由回動が可能な状態にする。又は、コントロールバルブ9によって操向アクチュエータ7a,7bを駆動し、車輪2が中立位置となるように支柱10を回動させ、さらに操向アクチュエータ7a,7bへの油圧の供給を遮断し、車輪2の向きが中立位置から変化しないようにする。これにより、航空機は直進する。
2 車輪
5 入力機器
6 回動検出センサ
7a,7b 操向アクチュエータ
8 ステアリングコントローラ(制御装置)
10 車輪を支持する支柱
12 CPU(演算手段)
13 メモリ
14 タイマ
15 判定装置(判定手段)
Claims (8)
- 車輪の向きを変更する操向手段を備えた航空機の地上操向装置において、
前記操向手段は、入力機器と、操向アクチュエータと、入力機器から入力される目標操向角度情報に基づいて操向アクチュエータを制御する制御装置とを有しており、
車輪の操向角度を検出するセンサを備え、目標操向角度に対する前記センサで検出される車輪の実動操向角度が、予め設定した所定範囲内にあるか否かを判定する第1判定手段を備えたことを特徴とする航空機の地上操向装置。 - 車輪の向きを変更する操向手段を備えた航空機の地上操向装置において、
前記操向手段は、入力機器と、操向アクチュエータと、入力機器から入力される目標操向角度情報に基づいて操向アクチュエータを制御する制御装置とを有しており、
車輪の操向角度を検出するセンサと、目標操向角度の時間変化量及び実動操向角度の時間変化量を演算する演算手段とを備え、
目標操向角度の時間変化量に対する前記センサで検出される車輪の実動操向角度の時間変化量が、予め設定した所定範囲内にあるか否かを判定する第2判定手段を備えたことを特徴とする航空機の地上操向装置。 - 前記第1判定手段又は第2判定手段が、所定範囲内に入っていないと判定した場合には、前記車輪の向きを自由回動可能にする、又は、車輪の向きを中立位置にすることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の航空機の地上操向装置。
- 車輪の向きを変更する操向手段を備えた航空機の地上操向装置において、
前記操向手段は、入力機器と、操向アクチュエータと、入力機器から入力される目標操向角度情報を操向アクチュエータに伝達する制御装置とを有しており、
車輪の操向角度を検出するセンサと、目標操向角度の時間変化量及び実動操向角度の時間変化量を演算する演算手段とを備え、
目標操向角度に対する前記センサで検出される車輪の実動操向角度が予め設定した所定範囲内になく、且つ、目標操向角度の時間変化量に対する前記センサで検出される車輪の実動操向角度の時間変化量が予め設定した所定範囲内にない状態が所定時間継続すると、前記車輪の向きを自由回動可能にする、又は車輪の向きを中立位置にすることを特徴とする航空機の地上操向装置。 - 入力機器と、操向アクチュエータと、入力機器から入力される目標操向角度情報を操向アクチュエータに伝達する制御装置とを有し、操向アクチュエータを駆動することにより車輪の向きを変更する航空機の地上操向方法において、
前記車輪の向きをセンサで検出し、目標操向角度に対する前記センサで検出された車輪の実動操向角度が、予め設定した所定範囲内に入っていない場合に、前記車輪の向きを自由回動可能にする、又は、車輪の向きを中立位置にすることを特徴とする航空機の地上操向方法。 - 入力機器と、操向アクチュエータと、入力機器から入力される目標操向角度情報を操向アクチュエータに伝達する制御装置とを有し、操向アクチュエータを駆動することにより車輪の向きを変更する航空機の地上操向方法において、
前記車輪の向きをセンサで検出し、目標操向角度の時間変化量と、前記センサで検出される車輪の実動操向角度の時間変化量の差が所定量以上である場合に、前記車輪の向きを自由回動可能にする、又は、車輪の向きを中立位置にすることを特徴とする航空機の地上操向方法。 - 入力機器と、操向アクチュエータと、入力機器から入力される目標操向角度情報を操向アクチュエータに伝達する制御装置とを有し、操向アクチュエータを駆動することにより車輪の向きを変更する航空機の地上操向方法において、
前記車輪の向きをセンサで検出し、目標操向角度に対するセンサで検出される車輪の実動操向角度が予め設定した所定範囲内になく、且つ、目標操向角度の時間変化量に対する実動操向角度の時間変化量が、予め設定した所定範囲内にない状態が所定時間継続すると、前記車輪の向きを自由回動可能にする、又は車輪の向きを中立位置にすることを特徴とする航空機の地上操向方法。 - 請求項1乃至請求項4の地上操向装置を備えたことを特徴とする航空機。
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
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JP2012014709A Active JP5409822B2 (ja) | 2012-01-27 | 2012-01-27 | 航空機の地上操向装置、地上操向方法、及び航空機 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN106697268A (zh) * | 2016-12-28 | 2017-05-24 | 中国航空工业集团公司西安飞机设计研究所 | 一种飞机前轮转弯控制系统 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP5409822B2 (ja) | 2014-02-05 |
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