JP2012081722A - 中空成形機 - Google Patents

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厚史 杉山
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Abstract

【課題】従来の中空成形機において、押出機を載置した台を回転支持する支点の位置は、型締装置の奥行き寸法の関係によって成形機のフレーム基台上にて任意の適切な位置をとることに困難な場合があった。そのため載置台後端側にかなりの量の重りを置く必要があったが、これらは外観上の見た目が悪く、かつ地震等によって不測の事態を生起させるおそれがあった。
【解決手段】成形機のフレーム基台1上に重量バランスをとる支点26の後方であって、押出機3を設けた揺動盤11とフレーム基台1との間に揺動盤11を揺動する装置30を設け、揺動装置30の後方に、支点26回りの重量バランスをとるため上下方向の一方向へ揺動盤11を押しまたは引く装置40を設けた構成とした。これにより、常に支点26回りの重量バランスをとることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、中空成形機に関し、詳しくはヘッドダイを有する押出機を水平位置から傾斜位置に揺動させることによって、溶融した筒状パリソンが垂下するヘッドダイを上昇させる押出機の揺動装置を備えた中空成形機に関する。
一般に中空成形機によるブロー成形は、溶融・押出した原料樹脂を中空成形機の押出機のクロスヘッドダイのダイスリット(間隙)を通して垂下して筒状のパリソンとし、この筒状パリソンを型開状態の成形金型のキャビティ内に収納し、成形金型を型閉して、筒状パリソンの下方端を閉塞するとともに、上方端をパリソン切断装置で切断し、次に、この成形金型をエア吹込装置の直下に移動させて、エア吹込ノズルを筒状パリソン内に挿入する。
これにより、エア吹込ノズル先端のカッテングスリーブと成形金型上部のカウンタープレートとが接触して、筒状パリソンの上部にある余剰樹脂部(上バリ)が切断されて中空成形品の口部が形成されるとともに、エア吹込ノズルからエアを筒状パリソン内に吹き込んで、筒状パリソンを中空成形品に成形する。
この成形金型に収納した筒状パリソンの上方端をパリソン切断装置で切断する際に、切断された先の筒状パリソンと次に垂下している筒状パリソンとが干渉しないように、切断前にクロスヘッドダイを若干上昇させて筒状パリソンを延伸しながら切断してパリソンの干渉を防止し、あるいは垂下している筒状パリソンを予備ブローして切り口を膨らませて切断し、その後、直ちにクロスヘッドダイを若干上昇させてパリソンの干渉を防止している。
前記従来における筒状パリソンを上昇させる押出機の揺動装置としては、以下の特許文献1及び2に記載された技術が提供されている。
特許文献1の押出機の揺動装置は、特許文献1の図2に示すように、押出機を傾斜台を介して基盤上の軸支部に傾動自在に設け、傾斜台の一端に設けたねじ体がモータにより駆動する減速機と接続し、モータを回転させることにより、減速機及びねじ体を介して押出機の後端部を傾動させ、押出機先端に連結したクロスヘッドダイをやや傾斜した状態で上下方向に移動させている。また、特許文献1の図3に示すように、前記ねじ体の代わりにラックとピニオンとを用い、モータ駆動によってピニオンを回転させて、ラックとピニオンとを介して押出機の後端部を傾動させ、押出機先端に連結したクロスヘッドダイをやや傾斜した状態で上下方向に移動させている。
特許文献2の押出機の揺動装置は、特許文献2の図1に示すように、押出機を載置したスイング台の中央部を成形機の基台の前方に回転支持し、スイング台の後端部を上下動させるために、基台上にスイング台傾動手段を設け、該スイング台傾動手段を介してスイング台及び押出機先端に連結したクロスヘッドダイを傾動させ、パリソンを延伸させるものである。
特開平5−185497号公報 特開平6−226824号公報
これら中空成形機において、特許文献1のものにおいては傾斜台を支える基台上の軸支部の位置および特許文献2の中空成形機においてはスイング台を回転支持する基台の支点の位置が、中空成形機内の型締装置の奥行き寸法の関係にて、任意の位置をとることが困難な場合があった。そのため傾斜台およびスイング台の後端にそれぞれに、重量バランスをとるための重りを置く必要があった。しかし、これら重りは、中空成形機に種類にもよるが数百キログラムぐらいになるので、外観上の見た目が悪く、かつ地震等によって不測の事態を生起させるおそれもあった。
本発明は、上記の課題を解決するために、先端にヘッドダイを設けた押出機を揺動盤上に設け、該揺動盤を成形機のフレーム基台上に重量バランスをとる支点回りに揺動自在に設け、該支点の後方であって前記揺動盤と前記フレーム基台との間に前記揺動盤を揺動する装置を設け、該揺動装置の後方に、前記ヘッドダイを設けた前記押出機および前記揺動盤の前記支点回りの重量バランスをとるため上下方向の一方向へ前記揺動盤を押しまたは引く装置を前記揺動盤と前記フレーム基台の間に設けた中空成形機である。
第2の課題解決手段は、前記押し引き装置がエアシリンダを具備した構成である。
第3の課題解決手段は、前記揺動装置が、前記フレーム基台上に設けた電動機と、該電動機に接続して前記フレーム基台上に延びるボールねじと、該ボールねじに螺合したナットを設け前記フレーム基台上を移動する移動体と、前記移動体と前記揺動盤とを連結したリンクとを具備した構成にある。この電動機は、サーボモータであることが好ましい。
上記第1の課題解決手段による作用は、次の通りである。ヘッドダイを設けた押出機および揺動盤を揺動自在に支持する支点が、型締装置の奥行き寸法によって、その設置位置が制限される場合であっても、押し引き装置自体の上下方向への伸縮動によって、支点回りの押出機および揺動盤の重量バランスを容易にとることができる。また、重りとは異なり、外観上の見た目もよく、また地震等の不測の事態を解消することができる。
上記第2の課題解決手段による作用は、例えばヘッドダイ交換または仕様変更などによって支点回りの押出機および揺動盤の重量バランスが変更になった場合でも、シリンダピストンにかかる空気圧力を調節することによって当該重量バランスの調整を容易にすることができるという効果を発揮する。
上記第3の課題解決手段による作用は、電動機、ボールねじおよびナットによって移動体の動きを精密に制御することができるので、移動体の動きに従ったリンクの傾動を精密に制御できる。その結果、揺動盤の揺動を精密に制御できるという効果を発揮する。
本発明の中空成形機は、押し引き装置によってヘッドダイを設けた押出機および揺動盤を支点前後の重量バランスがとれた状態において常にフレーム基台上に支持することができるので、押出機および揺動盤を揺動装置によって容易に揺動させることができる。
本発明の実施の形態における押出機およびその周辺装置を示す側面図 本発明の実施形態に係る中空成形機の側面から見た概念図 本発明の実施形態に係る中空成形機の正面から見た概念図 図1に示した基盤および押し引き装置の拡大平面図 図1に示した押し引き装置の拡大背面図 図1に示した押し引き装置の揺動時を示す拡大側面図
以下、図面と共に本発明による中空成形機の実施形態について詳述する。
本発明の実施の形態である中空成形機は、図2および図3に示すように、フレーム基台1と具備し、成形するための作動部として、クロスヘッドダイ2を備えた押出機3、パリソン切断装置4、成形金型5、型締装置6、エア打込装置7、図示を省略した成形金型移動装置および成形品取出装置を具備している。
押出機3は、および押出機内部に樹脂組成物の移送・混練・溶融・吐出を行うための図示を省略したスクリュを備えている。
パリソン切断装置4は、クロスヘッドダイ2から垂下する筒状パリソンの上部を切断するものであり、電熱カッタを有するカッタホルダを備えている。
成形金型5は、前後のプラテン8,9にそれぞれ固定された一対の割型5a,5bからなる。これら割型は、筒状パリソンを挿入させて中空成形品に成形するためのキャビティ(図示略)を形成している。成形金型5は、付帯する金型移動用電動機を備えた前記成形金型移動装置によって、多頭用クロスヘッドダイ2の直下の位置およびエヤ打込装置7の左右のエヤ打込ノズルの直下位置の間にて、図2に示すように水平方向に交互に往復動するようになっている。
型締装置6は、成形金型5の一対の割型を型締するものであり、この装置に設けた型締駆動機構が電動機駆動される回転ディスクを備え、このディスクの回転に伴い一方の割型を他方の割型に対し近接離反させるようになっている。
エア打込装置7は、成形金型5の左右のキャビティのそれぞれの上方にて、筒状パリソン内に挿入して圧縮エアを吹込むエア打込ノズルを備えている。エア打込ノズルは、圧縮されたエアが供給されて、成形金型5の左右のキャビティ内に供給された筒状のパリソン内にエアを吹込むようになっている。
押出機3は、図1に示すように、樹脂組成物の投入用ホッパ10を備え、押出機3自体を揺動盤11上に設けている。押出機本体3aをその先端から押出機駆動モータ13に至る長さを持つ支持フレーム14の先端に設けたフック15は、押出機本体3aの先端部が自重によって下がるのを水平状態に維持するようこの先端部を調整可能に懸架している。他方、ボルト・ナットなどの締結具がギヤーボックス16を懸架し、その状態にて支持フレーム14の長さ方向中央付近から垂下した第1支持部21の下部を揺動盤11に固定するとともに、ギヤーボックス16の下部を揺動盤11に固定している。押出機駆動モータ13は、無端ベルト17を回転させてギヤーボックス16中の各ギヤーを回転駆動するようになっている。
図1に示すように、揺動盤11の下方に成形機のフレーム基台1を配設し、フレーム基台1の前方のスペースに上述の型締装置6を配置している。フレーム基台1の前縁側に揺動盤11から垂下した第2支持部25を設け、第2支持部25の下部をピン26によってブラケット27に軸支している。ピン26は、揺動盤11をフレーム基台1上に揺動自在に重量バランスをとるための支点となるようになっている。ピン26の後方のフレーム基台1上に、ピン26を支点として揺動盤11を揺動させる揺動装置30を設けている。
この中空成形機において、ピン26の奥行き方向の位置は、型締装置6の奥行き寸法によって制限されて、実際の重量バランスをとる支点の位置からずれて設けられることがある。そこで、クロスヘッドダイ2を備えた押出機3および揺動盤11のピン26回りの実際の重量バランスをとるため、揺動盤11を上下方向の一方向へ押しまたは引く装置40を揺動装置30の後方のフレーム基台1上に設けている。これらピン26および揺動装置30は所定の前後配置となるが、押し引き装置40の奥行き方向の配置は、押し引きの効率観点からできるだけ後方であることが望ましい。
揺動装置30は、サーボモータからなる電動機31をフレーム基台1上に設け、電動機31にカップリング32を介して接続したボールねじ33をレール34上の移動体35のナット(図示略)に螺合させ、移動体35の左右のリンクホルダ36,36と、揺動盤11の底に設けた左右のリンク取付け部37,37との間に、左右一対のリンク38,38を軸支した構成となっている。移動体35は、ボールネジ33の回転によってレール34上を前後に移動して、この移動体の後方への移動に際して一対のリンク38,38の上端が引きずられて下方に移動し、揺動盤11を図1中、実線にて示した水平状態から二点鎖線にて示した傾いた状態に変えるようになっている。逆に、移動体35が後方から前方へ移動すれば、一対のリンク38,38の上端が押し上がって、揺動盤11が傾いた状態から水平状態に戻るようになっている。
押し引き装置40は、図1,図4ないし図6に示すように、揺動盤11の後側面に設けたブラケット41にエアシリンダ42をピン43によって軸支し、エアシリンダ42のピストン42aの先端に取付けたブラケット44を、フレーム基台1の後端側に設けた支持体45にピン46によって軸支した構成となっている。エアシリンダ42を軸支するピン43は、第2支持部25を軸支したピン26に対し円弧の軌道上にある。したがって、揺動装置30が作動して、揺動盤11が図1中、実線にて示した状態から二点鎖線にて示した状態に傾いた場合、ピン43がピン26に対して円弧上を動くが、図6に示すように、エアシリンダ42がピン46を支点としてスムーズに作動して、ピン43のスムーズな円弧移動を可能としている。
押し引き装置40は、例えばクロスヘッドダイ2を設けた押出機3および揺動盤11の重量バランスがピン26に対して相対的に前方にある場合は、揺動盤11自体が水平状態に位置するよう、図1に示すように揺動盤11の後端を下方に引っ張ることになる。逆にクロスヘッドダイ2を設けた押出機3および揺動盤11の重量バランスがピン26に対して相対的に後方にある場合は、押し引き装置40は、揺動盤11自体が水平方向に位置するよう揺動盤11の後端を上方に押し上げる。
揺動装置30は、支点を中心にしてクロスヘッドダイ2を設けた押出機3および揺動盤11を揺動できるものなら、図1に示したものに限定されるものではない。
押し引き装置40は、エアシリンダ42に代え、例えば油圧シリンダ等の上下方向の一方へ押しまたは引く機能を持つものを使用することもできる。
次に、この中空成形機の作用につき説明する。
ポリエチレンなどの原料樹脂をホッパ10に供給し、押出機3で原料樹脂を溶融・軟化させた状態でクロスヘッドダイ2を通して筒状パリソンとして押出・垂下させ、この筒状パリソンを型開状態の成形金型5のキャビティ内に収納する。収納後、成形金型5を型閉して、筒状パリソンの下方端を閉塞するとともに、上方端をパリソン切断装置4によって切断し、図示を省略した成形金型移動装置によって成形金型5をエア打込装置7の直下に移動させて、エア吹込ノズルを筒状パリソン内に挿入する。
この際、エア吹込ノズル先端のカッテングスリーブと成形金型5上部のカウンタープレートとが接触して、筒状パリソンの上部にある余剰樹脂部(上バリ)を切断して中空成形品の口部を形成するとともに、エア吹込ノズルからエアを筒状パリソン内に吹き込んで中空成形品に成形し、成形品を成形品取出装置(図示略)によって成形機外に搬送する。
この成形の過程、筒状パリソンを型開状態の成形金型5のキャビティ内に収納した状態で、事前に押し引き装置40によって水平状態に維持させた揺動盤11を、揺動装置30によってピン26を支点として揺動させ、押出機3を傾斜させて、押出機3の後方側のギヤーボックス16および押出機駆動モータ13を下げる一方、押出機3の前方側のクロスヘッド2を成形金型5から離反する方向に上昇させ、パリソンを鉛直方向に延伸する。この延伸状態のパリソンをパリソン切断装置4によって切断すると、切り口が成形金型5の上部よりもわずかに上に位置する状態となり、切断された先の筒状パリソンと溶融・垂下してくる次の筒状パリソンとの干渉が防止されて、先のパリソンが良好に切断される。
クロスヘッドダイ2を上昇させる速度すなわち上述の揺動速度は、パリソンの垂下速度に合わせるが、パリソンがたるみなく少し延伸される程度の速度にすることが肝要である。逆にクロスヘッドダイ2を下降させる速度は、1成形サイクル内で元の位置に戻るようにクロスヘッドダイ2を上昇させる速度より若干速度を速くするのがよい。
上述したように、本発明の中空成形機によれば、押し引き装置によってヘッドダイを設けた押出機および揺動盤を前後に重量のバランスがとれた位置において常にフレーム基台上に支持することができるので、小さな力で押出機および揺動盤を揺動させることができ、型締装置の設置スペースに制限されて上手く重量バランスの支点を取りづらい中空成形機に好適である。また、本発明の中空成形機は、押出機本体の上方部に懸架用の支持フレームなどを配することができ難い押出機や押出機本体の側方に機器類を配設する必要のある押出機であっても適用することができ、極めて汎用性が高いものである。
1・・・フレーム基台
2・・・クロスヘッドダイ
3・・・押出機
11・・・揺動盤
26・・・ピン(支点)
30・・・揺動装置
31・・・電動機
33・・・ボールねじ
35・・・移動体
38・・・リンク
40・・・押し引き装置
42・・・エアシリンダ

Claims (3)

  1. 先端にヘッドダイを設けた押出機を揺動盤上に設け、該揺動盤を成形機のフレーム基台上に重量バランスをとる支点回りに揺動自在に設け、該支点の後方であって前記揺動盤と前記フレーム基台との間に前記揺動盤を揺動する装置を設け、該揺動装置の後方に、前記ヘッドダイを設けた前記押出機および前記揺動盤の前記支点回りの重量バランスをとるため上下方向の一方向へ前記揺動盤を押しまたは引く装置を前記揺動盤と前記フレーム基台の間に設けたことを特徴とする中空成形機。
  2. 前記押し引き装置がエアシリンダを具備したことを特徴とする請求項1記載の中空成形機。
  3. 前記揺動装置が、前記フレーム基台上に設けた電動機と、該電動機に接続して前記フレーム基台上に延びるボールねじと、該ボールねじに螺合したナットを設け前記フレーム基台上を移動する移動体と、前記移動体と前記揺動盤とを連結したリンクとを具備したことを特徴とする請求項1または2記載の中空成形機。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2014221043A (ja) * 2014-06-04 2014-11-27 学校法人神奈川大学 W/o/w型エマルション、w/o/w型エマルション酵素保存液、及び酵素保存方法
JP2022038809A (ja) * 2020-08-27 2022-03-10 徹夫 関根 中空成形機

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