JP2012079495A - 色素増感太陽電池およびその製法 - Google Patents

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Abstract

【課題】製造工程を容易にすると共に、色素増感太陽電池の電極部の損失を少なくすることにより、高い変換効率の色素増感太陽電池を提供する。
【解決手段】作用極1および対向極2が一定間隙を介して対向するようにシール剤14により貼着され、その間隙部に電解質材料16が封入されている。作用極1は、透明基板11と、透明導電膜12と、集電線13(13a、13b)と、光電変換層15とを有し、対向極2は、基板21と導電層22とを有している。この集電線13が、枠部13bと、その枠部13bに一端部が接続され、他端部が開放された複数の線状部分13aとを有し、その線状部分13aのそれぞれの間に設けられる光電変換層15が集電線13により途切れることなく、透明導電膜12上で連続して形成されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、発電パネル、システム、発電モジュールなどに用いる色素増感太陽電池およびその製法に関する。さらに詳しくは、発電効率を向上することができると共に、電解質材料の注入を簡単に行うことができる色素増感太陽電池およびその製法に関する。
従来、透明基板上に透明導電膜および多孔質金属酸化物薄膜を順次形成後、金属酸化物薄膜の表面に色素を吸着させた作用極を、酸化還元電解質材料を介して、基板上に白金薄膜を形成した対向極に接合させる色素増感太陽電池が知られている(たとえば、特許文献1参照)。この電池は実用化されているシリコン太陽電池と比べて、製造コストおよび設備コストが安く、また使用される原料も豊富に存在し、環境に優しく、次世代の太陽電池として注目されている。
この色素増感太陽電池は、太陽光により色素内で励起された電子が半導体である酸化チタンなどの多孔質金属酸化物薄膜に注入され、薄膜内を移動して透明導電膜に伝達され、さらに、負荷を含む外部回路を介して対向極に到達することにより電流が流れて電池として作用する。
本発明者らは、先にスプレー熱分解薄膜形成(SPD)法により、単セルからなる色素増感太陽電池およびその製法を提供した(特許文献2参照)。この方法によれば、色素増感太陽電池の作用極に用いられる透明導電膜として、酸化インジウム・スズ膜を使用することによりセル面積100cm2までの比較的大面積で、高い光電変換効率を有する色素増感太陽電池を得ることができる。しかし、実用的な電源として利用するためには、さらに太陽電池セルの受光面積を拡大し、電池の出力を大きくする必要があり、このままの構造でのセル面積の拡大では光電変換効率の低下が免れない。
これを解決するために、本発明者らは集電線で区分けされた複数の独立したセルからなる並列型の色素増感太陽電池モジュールを提案した(特許文献3参照)。このような構造の太陽電池の構造例を図7に示す。図7で、(a)は対向極2を外した作用極1の平面説明図、(b)はそのB−B断面説明図(対向極2を設けた状態)を示している。この太陽電池では、透明基板11上に透明導電膜12が設けられ、その表面の外周部に集電線13の枠部13bが設けられ、その対向する両辺を結ぶように集電線13の線状部分13aが形成されている。そして、その間に色素を吸着した酸化物半導体膜よりなる光電変換層15が設けられている。そのため、各光電変換層15は集電線13で区分けされた複数の独立したセルより構成されており、図7(b)に示されるように、セルごとに対向極2の基板21側に設けられた複数の電解質材料16の注入口23を設け、その注入口23から、各セルに均等に電解質材料16を供給している。なお、図7で、14は集電線13の線状部分13aおよび枠部13bの周囲に設けられたシール剤で、対向極2との貼着に用いられると共に、電解質材料15からの集電線13の保護の働きをしている。また、24は、電解質材料15を注入した後に、注入口23を封止するためのカバーガラスである。
この種の従来例の別の例が図8に作用極1の平面説明図で示されている。この例は、集電線13の線状部分13aが対向する両辺の枠部13b間に接続されるのではなく、四角形状の隣接する2辺の枠部13bからそれぞれその辺に対して直角方向に延びて交わる点で線状部分13a同士を接続した構造である。このような構造にしても、各光電変換層15は、集電線13で完全に囲まれた構造であり、生成した光電子を効率よく作用極電極17側に導くことができる。
また、色素増感太陽電池の大面積化による光電変換効率の低下を防ぐ別の方法として、色素増感太陽電池モジュールを構成する複数の小面積セルを直列に接続し、出力電圧を高くしたモジュールも知られている(たとえば特許文献4および5参照)。これらのモジュールでは前記並列型モジュールに比べて、出力電圧が高いため抵抗損失分が小さくなる特徴があるが、隣接するセル間に直列の電気的接続を施す必要があること、また、前記並列型モジュールと同様、基本的に独立した複数のセルから構成されているため、個々のセルに電解質材料の封入口を設けて電解質材料を注入する必要があるため、モジュールの製造工程が複雑になる問題がある。
特表平5−504023号公報 特開2009−158388号公報 特開2009−193813号公報 再公表特許2002−052654号公報 特開2007−18862号公報
前述の光電変換層を小さなセルに区分する方法によれば、太陽電池を構成する矩形状の各小面積セルが集電線で取り囲まれる構造をしているため、各セル内での光電子の移動距離が短くなり内部抵抗による損失が減少し、モジュールが大面積化しても光電変換効率の低下を抑制することができる。しかし、このような多数のセルからなる色素増感太陽電池モジュールの場合、個々のセルに電解質材料の封入口を設け個々に電解質材料を注入する必要があり、モジュールの製造工程が複雑になると共に、モジュールの大型化に伴い、集電線の長さも長くなり、抵抗ロスによる損失が増えるという問題がある。
本発明は、前記従来技術に鑑みてなされたものであり、色素増感太陽電池のセル構造を単純化することにより、製造工程を簡単、容易にすると共に、色素増感太陽電池の電極部の損失を少なくすることにより、高い変換効率の色素増感太陽電池を提供することを目的とする。
作用極および対向極が一定間隙を介して対向するようにシール剤により貼着され、該作用極と対向極との間隙部に電解質材料が封入された色素増感太陽電池であって、前記作用極は、透明基板と、該透明基板の一面に形成された透明導電膜と、該透明導電膜の上に形成された集電線と、前記集電線で挟まれた領域の前記透明導電膜上に形成された色素を吸着させた多孔質半導体膜から成る光電変換層と、前記透明基板の端部で前記集電線と電気的に接続して設けられる第1電極とを有し、前記対向極は、基板と、該基板の一面に設けられた導電層と、該導電層と電気的に接続して設けられる第2電極とを有し、前記集電線が、前記透明基板の外周辺に沿ってループ状に形成される枠部と、該枠部に一端部が接続され、他端部が開放された複数の線状部分とを有し、該複数の線状部分のそれぞれの間に設けられる光電変換層が前記集電線により途切れることなく、前記透明導電膜上で連続して形成されていることを特徴としている。
ここに「透明」とは、光を透過させる透光性の意味で、完全に透き通ることを意味するものではない。
前記透明基板が四角形状に形成され、前記集電線の複数の線状部分が前記四角形の一辺に沿った前記枠部から延出するように形成され、前記第1電極が前記透明基板の該一辺の基板端部に形成される構造にすることができる。
前記透明基板が四角形状に形成され、前記集電線の複数の線状部分が前記四角形の隣接する2辺以上の辺に沿った前記枠部から延出するように形成され、前記第1電極が前記透明基板の該2辺以上の基板端部に形成されることにより、集電線の線状部分の長さを短くすることができると共に、電極の長さを大きくすることができるため、集電線および電極の抵抗損を減らすことができるため好ましい。
本発明による色素増感太陽電池の製法は、複数の線状部分を有する集電線および該複数の線状部分の間に設けられる光電変換層を透明基板に形成した作用極と、基板の一面に導電層を形成した対向極とを一定の間隙部を介して貼着し、該間隙部に電解質材料を注入して色素増感太陽電池を製造する方法であって、前記作用極に形成する複数の線状部分を、前記光電変換層が相互に連結するように形成し、前記対向極の基板に形成した1個の注入口から前記電解質材料を注入することを特徴とする。
本発明の色素増感太陽電池によれば、光電変換層が集電線の線状部分により区分けされたセル領域を必要としないで、基板の全面で光電変換層が連続した構造であるため、電解質材料の封入口が一箇所で済むことにより、太陽電池、ひいてはモジュールやパネルの製造工程を簡単で容易にすることができる。また、電池の作用極および対向極の作用極電極(第1電極)および対向極電極(第2電極)の部分をそれぞれ隣接する2辺以上で作製することによりさらに電池の内部抵抗損失が少なくなるために、高い変換効率の色素増感太陽電池の提供が可能となる。
本発明の太陽電池の一実施形態である作用極の上面説明図および対向極も設けた状態の(a)のB−B断面説明図である。 本発明の太陽電池の他の実施形態である作用極の上面説明図および対向極も設けた状態の(a)のB−B断面説明図である。 図2の太陽電池の製造工程を示す図である。 図2の太陽電池の製造工程を示す図である。 本発明の太陽電池のさらに他の実施形態である作用極の上面説明図および対向極も設けた状態の(a)のB−B断面説明図である。 本発明の太陽電池のさらに他の実施形態である作用極の上面説明図である。 従来の太陽電池の一例である作用極の上面説明図および対向極も設けた状態の(a)のB−B断面説明図である。 従来の太陽電池の他の例である作用極の上面説明図である。
以下、本発明の色素増感太陽電池について、図面を参照しながら説明する。
本発明の色素増感太陽電池の一実施形態は、図1に対向極2を除去して作用極1を上から見た平面説明図および対向極2を設けた状態のB−B断面説明図が示されるように、作用極1および対向極2が一定間隙を介して対向するようにシール剤14により貼着され、その作用極1と対向極2との間隙部に電解質材料16が封入されている。作用極1は、透明基板11と、透明基板11の一面に形成された透明導電膜12と、透明導電膜12の上に形成された集電線13(13a、13b)と、集電線13で挟まれた領域の透明導電膜12上に形成された色素を吸着させた多孔質半導体膜から成る光電変換層15と、透明基板11の端部で集電線13と電気的に接続して設けられる第1電極(作用極電極)17とを有している。また、対向極2は、基板21と、その基板21の一面に設けられた導電層22と、その導電層22と電気的に接続して設けられる第2電極(対向極電極)25とを有している。本発明では、集電線13が、透明基板11の外周辺に沿ってループ状に形成される枠部13bと、その枠部13bに一端部が接続され、他端部が開放された複数の線状部分13aとを有しており、その複数の線状部分13aのそれぞれの間に設けられる光電変換層15が集電線13により途切れることなく、透明導電膜12上で連続して形成されていることに特徴がある。
すなわち、作用極1は、透明基板11の一面に透明導電膜12が形成され、この透明導電膜12上に色素を吸着させた酸化物半導体膜からなる光電変換層15および集電線13が設けられることにより形成されている。そして、対向極2は、基板21の一面に導電層22が形成されることにより形成されている。この作用極1と対向極2を、作用極1の透明導電膜12上の集電線13の周囲および作用極電極17に沿って設けられたシール剤14により対面して貼り合せ、この貼り合せ面の間に電解質材料16の注入口23より電解質材料16を封入し、電解質材料16の注入口23をカバーガラス24で封止した構造をしている。作用極1の外周部に形成された集電線13は連続した1本の枠部13bとなっているが、その内側の集電線13は一端部が枠部13bに接続され、他端部は他の集電線13と接触しないように、開放された状態になっており、その集電線13と離間して色素を吸着させた酸化物半導体膜からなる光電変換層15が形成されている。このことにより光電変換層15が集電線13によって遮断されることの無い1つの連続した形状になっている。そのため、一つの電解質材料16の注入口23から電解質材料16を太陽電池全体に注入することが可能となる。
透明基板11としてはたとえばソーダライムガラス、石英ガラス、ホウ珪酸ガラス、ネオセラムなどのガラス基板を使用することができる。また、透明導電膜12は可視光透過率が高く、シート抵抗の低いフッ素ドープ酸化スズ(FTO)膜、酸化インジウム・スズ(ITO)膜あるいはアルミニウムドープ酸化亜鉛(AZO)膜のうちの少なくとも一つを含む膜から選ぶことができる。
集電線13は、透明基板11の周縁に沿う枠部13bと、その枠部に一端部が接続され、他端部がどこにも接触せず、開放された状態の線状部分13aとにより複数の導電性グリッドとして形成されている。この集電線13の線状部分13aは、たとえば2mm程度の幅で形成され、その先端部が接触しないように形成されるため、本発明による色素増感太陽電池の光電変換層15は透明基板11上で、集電線13により区分けされることなく、一つの連続した光電変換セル構造となっている。集電線13の形成法としては、スパッタ法、蒸着法、メッキ法、スクリーン印刷法あるいはディスペンサー塗布法などが用いられ、また、材料としては抵抗率の低い銀、銅、アルミニウム、タングステン、ニッケル、クロムのうちの少なくとも一つを含む金属から選ぶことができる。
光電変換層15は、半導体膜に色素を吸着させて形成されており、多孔質半導体(酸化物半導体)膜としては酸化チタン(TiO2)、酸化スズ(SnO2)、酸化亜鉛(ZnO)あるいは酸化ニオブ(Nb25)などを使用することができ、ドクターブレード法、スピンコート法、スクリーン印刷法あるいはスプレー製膜法などで作製され、作製後500℃前後で焼成する。酸化チタンの粒径は小さいほど半導体膜の表面積が大きくなり、色素の担持量が増えるため、光電変換効率が向上するが、小さすぎると電解質材料のヨウ素イオンの移動が困難になり色素への電子の輸送が困難になり、また、大きすぎると色素の担持量が不十分になり光電変換効率が低下する。そのため、好ましくは3〜30nmに調整される。また、酸化物半導体膜の幅(線状部分13aで挟まれる部分の幅)は10mm程度に形成され、その膜厚は、厚い方が単位面積当りの入射光の吸収量が増えるが、厚すぎると光が到達しない無駄な部分が生ずるばかりでなく、膜の抵抗が大きくなりフィルファクタが低下し、逆に薄すぎると半導体膜による入射光の吸収量が不十分となり光電変換効率が低下する。そのため、適度の厚みにする必要があり、好ましくは5〜30μmに調整される。焼成された酸化物半導体膜に増感色素を吸着させる。色素としては可視光および赤外光領域に吸収スペクトルを有するルテニウム系色素、アゾ系色素、キノン系色素、キノンイミン系色素、シアニン系色素、メロシアニン系色素、クマリン系色素などを使用することができる。
対向極2の基板21はガラス基板や金属基板あるいはセラミック基板などを使用することができる。導電層22は高導電性、高耐食性および触媒性能を有する必要があり、白金が多用されている。しかし、白金は希少金属であり高価であるため、本発明ではFTO、クロム、ニッケル、チタン、モリブデンあるいはタングステンなどの高導電性・高耐食性膜と白金膜からなる二層膜やクロム、銅、アルミニウム、ニッケル、タングステンあるいは亜鉛などの高導電性膜と、その上に形成したチタン、タングステン、バナジウム、ジルコニウムなどの高耐食性膜およびその上に触媒性能を有する白金膜または白金分散層から成る多層膜を使用することができる。さらに、基板21にニッケル、タングステン、モリブデンあるいはチタンなどの高導電性・高耐食性の金属基板を用い、この上に触媒性能を有する極く少量の白金分散層を形成させた対向極2を使用してもよい。これにより太陽電池の高変換効率を維持したまま大幅な省白金化が可能となる。これらの金属膜の製膜方法としては、膜厚の制御が容易なスパッタリング法が好ましいが、白金膜や白金分散層は、白金が化学的に安定なため、白金化合物を溶媒に溶解した原料をスプレー成膜法で作製することも可能である。このようにして作製した対向極2には予め電解質材料の注入口23を、ダイヤモンドドリルなどを用いて形成しておく。
この作用極1と対向極2とを、透明導電膜12側と導電層22側を対向させて貼り合せるため、作用極1の集電線13の周囲にシール剤14を塗付して両極1、2の位置合せをして重ねる。このシール剤14としてはエポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、アイオノマー樹脂あるいは紫外線硬化樹脂などを使用することが好ましい。このシール剤14は、両者の接着のみではなく、集電線13を電解質材料16から保護する機能も有しているため、集電線13の上面だけではなく、その側面にも完全に被覆するように設けられている。
電解質材料16はたとえばアセトニトリル、γ−ブチロラクトン、メトキシプロピオニトリルあるいはプロピレンカーボネートなどの溶媒にヨウ化リチウム、t−ブチルピリジン、ヨウ化ジメチルプロピルイミダゾリウムまたはヨウ化メチルプロピルイミダゾリウムなどを溶解したものを使用することができる。
この構造で、太陽光などの受光により、光電変換層15で発生した光電子は、多孔質半導体層を介して透明導電膜12に伝わり、透明導電膜12から直近の集電線13に伝達し、透明導電膜12よりも電気抵抗の小さい集電線13の線状部分13aまたは枠部13bに達し、その線状部分13aに達した光電子もそこから枠部13bに容易に伝達し、作用極電極(第1電極)17に伝わり、対向極電極(第2電極)25との間に負荷を介して電流を流すことができる。図1に示される例では、線状部分13aの開放端部に流入した電子は、作用極電極17に達するまでの距離が大きいが、透明基板11の大きさが一辺10cm程度までの大きさであれば、集電線13も電気伝導の優れた材料を用いることができるため、余り影響は無いが、それよりも大きい太陽電池にする場合には、集電線13での抵抗損を抑制するために、次の図2に示される実施形態のような方策を講じることにより、集電線13での抵抗損を抑制することができる。
図2は、本発明の色素増感太陽電池の別の実施形態を示す図1と同様の説明図である。この例は、集電線13および第1および第2の電極17、25の形状が図1と異なるだけで、他は図1に示される例と同じである。そのため、同じ部分には同じ符号を付してその説明を省略する。この太陽電池では透明導電膜12上の集電線13は、図1と同様に透明基板11の周縁部に形成される枠部13bの他の線状部分13aが、四角形状の透明基板11の隣接する2辺の枠部13bに一端部が接続されて、そこから延びる形状に形成されている。この線状部分13aの他端部は、前述の例と同様に、どこにも接触せず、開放されているため、2辺が交差する角と対向する角を結ぶ対角線の近傍まで延びる形状になっている。その結果、集電線13の線状部分13aは、長さの異なる複数の線分として形成されている。この例では、各辺から直角方向に延びるように線状部材13aが形成されているが、直角方向ではなく、斜め方向に延びるように形成しても構わない。このような構造にすると、線状部分13aの長さが短くなるため、その電気抵抗分が余り問題にならなくなる一方、光電変換層15は、基板内で連続して形成されているため、前述の例と同様に、電解質材料16の注入口23を1個で注入することができる。なお、作用極電極17が設けられない辺の側では、線状部分13aがその辺の長さに近い長さとなり、太陽電池(透明基板11)が大きい場合には、抵抗分が増加するが、この部分は、枠部13bと近くなり、枠部13bを介して流れ易くなるため、それ程問題にはならない。また、この色素増感太陽電池では集電線13を有する作用極電極17と対向極電極25はそれぞれ隣接する2辺に形成され、両電極17、25が互いに対向するように配されているため、光電子の集電効率が高くまた、電極の内部損失が小さくなるために、図1の一辺の作用極電極17と対向極電極25から成る色素増感太陽電池より、高い光電変換効率を維持することができる。
この構造の色素増感太陽電池の製造例を図3〜4を参照しながら説明する。
まず、図3(a)に示されるように、透明基板11の一面に透明導電膜12を形成する。この透明導電膜12の製膜法としてはCVD法、スパッタ法、蒸着法あるいはスプレー熱分解法などが用いられる。
次に、図3(b)に示されるように、透明導電膜12上に、図2(a)に示されるようなパターンで、枠部13bおよび枠部13bの2辺からそれぞれ延びる線状部分13aを形成する。そして、図3(c)に示されるように、この集電線13で囲まれた部分に酸化物半導体膜を形成する。この膜はドクターブレード法、スピンコート法、スクリーン印刷法あるいはスプレー製膜法などで成膜し、その後500℃前後で焼成する。焼成された酸化物半導体膜に増感色素を吸着させて光電変換層15を形成する。色素としては可視光および赤外光領域に吸収スペクトルを有するルテニウム系色素、アゾ系色素、キノン系色素、キノンイミン系色素、シアニン系色素、メロシアニン系色素、クマリン系色素などを使用することができる。以上の工程により作用極1を作製する。
次いで、図3(d)に示されるように、基板21の一面に導電層22を形成し、対向極2を作製する。このようにして作製した対向極2には予め電解質材料注入口23を、ダイヤモンドドリルなどを用いて形成しておく。
次に図4(e)に示されるように、作用極2の各集電線13の上にシール剤14を形成し、図4(f)に示されるように、対向極2を貼り合せ、必要に応じ加熱または紫外線を照射することにより樹脂を硬化させる。シール剤としては前述のように、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、アイオノマー樹脂あるいは紫外線硬化樹脂などを使用することが好ましい。
その後、図4(g)に示されるように、貼り合せた作用極1および対向極2の間に、対向極2の電解質材料16の注入口23より各セルに電解質材料16を注入し、次いでカバーグラス24を接着することにより封入口18を塞ぐ。最後に作用極電極17および対向極電極25をそれぞれ隣接する2辺の基板端部に形成し、色素増感太陽電池1とする。
本実施形態の色素増感太陽電池によれば、集電線13により区分けされたセル領域を持たない一つの連続した光電変換セル構造となっている。従って小部屋が形成され、その内部に光電変換層15が形成されているが、各小部屋を完全には区分けせず、一部に開放部が形成されているため、光電変換層15は透明基板12上で繋がった連続体として形成されている。そのため、電解質材料16の注入口23も一つで済むため、構造が単純でかつ製造工程が簡単となる。しかし、空気抜きなどの目的で2以上の注入口を設けることもできる。また、集電線13を有する作用極電極17と対向極電極25はそれぞれ隣接する2辺に形成され、両電極が互いに対向するように配されているため、光電子の集電効率が高くまた、電極の内部損失が小さくなるために高い光電変換効率を維持する。
図5は、本発明の色素増感太陽電池のさらに他の実施形態を示す図1と同様の図である。この太陽電池では作用極電極17を、四角形状の透明基板11の周囲の4辺に形成し、対角線部分を除去して4辺から互いに対向するように集電線13の線状部分13aを形成したものである。この色素増感太陽電池も酸化物半導体膜と色素からなる光電変換層15は、前述の各例と同様に、連続した一つのセルとなっており、一つの電解質材料16の注入口23から、太陽電池全体に均等に電解質を充填することが可能となる。また、この太陽電池では作用極電極17を作用極1の4辺全部を使用しているため、集電線13の線状部分13aの距離が短くなり、集電線13および作用極電極17の内部抵抗損失がさらに少なくなり、その結果変換効率が向上する。この色素増感太陽電池では作用極電極17の4辺を電極としているため、対向極電極25を形成するために、基板21はたとえばニッケル、タングステン、モリブデンあるいはチタンなどの高導電性・高耐食性の金属基板を用い、この上に触媒性能を有する少量の白金分散層22を導電層として形成することが好ましい。
図6は、本発明の色素増感太陽電池のさらに他の実施形態を示す図1と同様の図である。この太陽電池では作用極電極17を対向する2辺に形成させ、各辺から対向する辺に対して交互に集電線13の線状部分13aを対向する電極(枠部13b)に接触しないように他端部を開放端として形成したものである。対向極電極25は作用極電極17と垂直方向の対向する2辺に形成する。この色素増感太陽電池も単一セルから成り、一つの電解質材料注入口23から、太陽電池全体に均等に電解質材料16を充填することが可能となる。また、作用極および対向極の電極17、25がそれぞれ対向する2辺に形成されるため、電極が一辺で形成される場合に比べ電極部での電流密度が小さくなり、内部電力損失が小さくなる。
以下、本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明は、かかる実施例のみに限定されるものではない。
実施例1
透明導電膜12のフッ素ドープ酸化すずの原料としてジブチルすずジアセテートをイソプロピルアルコールに溶かし、これに所定量のフッ化アンモニウム水溶液を添加した溶液を調製した。この溶液をスプレー熱分解法により、150mm角透明基板10[コーニング社製1737ガラス基板]上に、基板温度500℃で噴霧し、シート抵抗8.3Ω/□、可視光透過率81%のFTO基板を作製した。
得られたFTO基板上にディスペンサーによりAgペースト[ノリタケ社製NP−4635P]を用い、図1に示す色素増感太陽電池の作用極2の外周部とその内側に0.7mm幅の集電線14のパターンを形成した。このうち内側の10本の集電線は、両端の他端を外周部集電線(枠部13b)の間に5mmほどの間隔をあけ、また一端は外周部集電線と接触するように形成し、さらにディスペンサーを用いて内側の集電線(線状部分13a)と外周部集電線(枠部13b)が接触して辺の端部に5.5mm幅の作用極電極25のパターンを形成した。塗布したAgペーストは500℃で30分熱処理してFTO基板に焼付けた。
次に酸化物半導体の製膜原料として、チタンテトライソプロポキシドをエタノールで希釈し、これに所定量の水を加えて加熱煮沸することにより平均粒径7nmの酸化チタンのナノ粒子を得、これに酢酸を加えて酸化チタン粒子の分散溶液を得た。この溶液を、前記集電線13と作用極電極17にマスキングをしたFTO基板上に、スプレー製膜法により基板を200℃に加熱しながら噴霧し、単一セルからなる膜厚13μm、幅9.5mmの櫛歯状の酸化チタンの酸化物半導体膜を形成し、形成後、これをさらに450℃で30分熱処理した。
半導体膜を形成したFTO基板を、アセトニトリルとブタノールの混合溶媒に溶かしたルテニウム系色素[ソーラロニクス社製Ru−535bis−TBA]の溶液に浸漬して色素13を担持させ、作用極2を作製した。
次に150mm角基板21[市販ソーダ石灰ガラス]の片面にスパッタリング装置により膜厚400nmの白金からなる導電膜22を形成した。さらに基板21の中央部に裏側から電解質材料16を充填するための1mmφの電解質材料注入口23を1箇所穿孔し、対向極2を作製した。
前記、作用極1の集電線13および作用極電極17の周辺部に紫外線硬化樹脂[スリーボンド社製]をディスペンサーにより0.8mm幅で塗布しシール剤14を作製した。この作用極1と前記対向極2を位置合せをしながら対面させて、両電極の間隔が均一になるように貼り合せ、作用極1側から紫外線を照射させて硬化接着した。その後、電解質材料注入口23よりヨウ素、ヨウ化リチウム、t−ブチルピリジンおよびヨウ化ジメチルプロピルイミダゾリウムの混合物をメトキシプロピオニトリルに溶解して作製した電解質材料16を充填し、充填後、カバーガラス24を電解質材料注入口23に接着して塞ぎ、図1の構造の150mm角色素増感太陽電池を作製した。
実施例2
150mm角の透明基板11[コーニング社製1737ガラス基板]上に実施例1と同様にしてスプレー熱分解法によりFTO原料溶液を基板温度490℃で噴霧し、シート抵抗7.8Ω/□、可視光透過率80%のFTO基板を作製した。
得られたFTO基板上にディスペンサーにより、図2に示す色素増感太陽電池について、Agペースト[ノリタケ社製NP−4635P]を用い、基板の隣接する2辺から、この2辺を含む頂点(角部)と対向する頂点(角部)を結ぶ対角線に向い、0.7mm幅で長さの異なる12本の集電線13の線状部分13aのパターンを形成した。集電線13は基板周辺に沿う最も長い2本の集電線は端部を互いに接合して枠部13bとし、それ以外の同じ長さの集電線の端部が接触しないように5mmの間隙を設けて塗布した。さらに集電線13と接合している外周部の隣接する2辺にディスペンサーを用いて5.5mm幅の作用極電極17のパターンを形成した。塗布されたAgペーストは500℃で30分熱処理してFTO基板に焼付けた。
次に実施例1と同様にして前記集電線13と作用極電極17にマスキングをしたFTO基板上に、スプレー製膜法により、隣接する作用極電極17に向かい、膜厚13μm、幅9.5mmの櫛歯状の酸化チタンの酸化物半導体膜を形成し、さらにこれを450℃で30分熱処理した。この酸化物半導体膜に実施例1と同様にして色素を担持させ、作用極1を作製した。
次に150mm角基板21[市販ソーダ石灰ガラス]の片面にスパッタリング装置により膜厚900nmのクロム膜および35nmの白金膜をこの順で形成し、実施例1と同様にして基板21の中央部に電解質材料注入口23を1箇所穿孔し、対向極2を作製した。
前記、作用極1の集電線13および作用極電極17の周辺部に紫外線硬化樹脂[スリーボンド社製]をディスペンサーにより0.8mm幅で塗布しシール剤14を設け、以下、実施例1と同様にして、作用極2と対向極2の接着および電解質材料16を充填し、図2の構造の150mm角色素増感太陽電池を作製した。
実施例3
150mm角の透明ガラス基板10[コーニング社製1737]上に実施例1と同様にしてスプレー熱分解法により、シート抵抗7.7Ω/□、可視光透過率81%のFTO基板を作製した。
次に図5に示す色素増感太陽電池について、得られたFTO基板上にディスペンサーを用いて、実施例1と同様にして、作用極1の外周部4辺に4mm幅の作用極電極17を作製し、各作用極電極17から作用極1の中心方向を頂点とした0.7mm幅で長さの異なる13本からなる三角形状の集電線13を各辺に形成し、作用極1の対角線に位置する各集電線の線状部分13aの先端部分に5mmの間隔を設けた。次に実施例1と同様に前記集電線13と作用極電極17にマスキングをしたFTO基板上に、スプレー成膜法により、膜厚15μm、幅9.5mmの連続した櫛歯状の酸化チタンの酸化物半導体膜を形成し、さらにこの酸化物半導体膜に色素を担持させ、作用極1を作製した。
これとは別に厚さ2mmで140mm角のチタン板の片面に、塩化白金酸のエタノール溶液を用いスプレー成膜し、さらに450℃で30分熱処理して7nmの白金分散層膜22を形成した。このチタン板の中央部に電解質材料注入口19を1箇所穿孔し、さらに裏面端部に対向極電極25を形成し、対向極3を作製した。
このようにして作製した作用極1および対向極2を用いて以下、実施例1と同様にして図5の構造の色素増感太陽電池を作製した。
実施例4
150mm角透明基板10[コーニング社製1737ガラス基板]上に三塩化インジウムおよび二塩化すずを所定量混合し、これをイソプロビルアルコールに溶かした溶液をスプレー熱分解法により、基板温度420℃で噴霧し、膜厚700nmの酸化インジウム・すず(ITO)の透明導電膜11を形成した。次にこの膜の上にさらに、ジブチルすずジアセテートをイソプロピルアルコールに溶かし、これに所定量のフッ化アンモニウム水溶液を添加した溶液を、同様にして基板温度510℃で噴霧し、膜厚200nmのFTO膜を形成し、ITO/FTOの二層の透明導電膜12からなるシート抵抗4.8Ω/□、可視光透過率80%の透明導電基板を作製した。
次に図6に示す色素増感太陽電池について、実施例1と同様に作用極1の外周部とその内側に0.7mm幅の集電線13のパターンを形成した。このうち内側の10本の集電線13の線状部分13aは、その一端が対向する2辺に形成された5mm幅の作用極電極21にそれぞれ一つおきに接合させ、他端は5mmほどの間隔をあけてパターンを形成し、ITO/FTO基板に焼付けた。この集電線13および作用極電極17にマスキングをして、スプレー製膜法により、櫛歯状の酸化チタンの酸化物半導体膜を形成し、これを450℃で30分熱処理し、さらにこの酸化物半導体膜に色素を担持させ、作用極1を作製した。
次に136mm×160mm角基板17[市販ソーダ石灰ガラス]の片面にスパッタリング装置により膜厚700nmのクロム膜、300nmのチタン膜および5nmの白金分散層をこの順で形成し、実施例1と同様にして基板21の中央部に電解質材料注入口23を1箇所穿孔し、対向極2を作製した。
前記、作用極1の集電線13および作用極電極17の周辺部に紫外線硬化樹脂[スリーボンド社製]をディスペンサーにより0.8mm幅で塗布しシール剤14を設け、以下、実施例1と同様にして、作用極2と対向極3の接着および電解質16を充填し、図6の構造の150mm角色素増感太陽電池を作製した。
実施例5
300mm角の透明ガラス基板11[コーニング社製1737]上に実施例1と同様にしてスプレー熱分解法によりFTO原料溶液を基板温度490℃で噴霧し、シート抵抗8.3Ω/□、可視光透過率80%のFTO基板を作製した。
得られたFTO基板上にディスペンサーを用いて、図2に示す色素増感太陽電池について、実施例2と同様にして、基板の隣接する2辺から0.8mm幅で長さの異なる23本の集電線13のパターンを形成した。集電線13は基板周辺に沿う最も長い2本の集電線は先端を互いに結合して枠部13bとし、それ以外の同じ長さの集電線の先端部は互いに接触しないように7mmのスペースを設けて塗布した。さらに実施例1と同様に基板の隣接する2辺に8mm幅の作用極電極17のパターンを形成した。塗布された集電線13および作用極電極17のAgペーストは500℃で30分熱処理してFTO基板に焼付けた。
次に実施例2と同様に前記集電線13と作用極電極17にマスキングをしたFTO基板上に、スプレー成膜法により、膜厚15μm、幅10mmの単一セルからなる櫛歯状の酸化チタンの酸化物半導体膜を形成し、450℃で30分熱処理し、さらにこの酸化物半導体膜に色素を担持させ、作用極1を作製した。
次に厚さ2mmで300mm角のチタン板21に実施例4と同様に、チタン板の片面に、塩化白金酸のエタノール溶液を用いスプレー成膜し、さらに450℃で30分熱処理して8nmの白金分散層膜22を形成した。このチタン板21の中央部に電解質材料注入口23を1箇所穿孔し、さらに裏面端部に対向極電極25を形成し、対向極2を作製した。
前記、作用極1の集電線13および作用極電極17の周辺部に紫外線硬化樹脂[スリーボンド社製]をディスペンサーにより0.8mm幅で塗布しシール剤14とした。この作用極1と前記対向極2を位置合せをしながら対面させて、両電極の間隔が均一になるように貼り合せ、作用極1側から紫外線を照射させて硬化接着した。その後、電解質材料注入口23よりヨウ素、ヨウ化リチウム、t−ブチルピリジンおよびヨウ化メチルプロピルイミダゾリウムの混合物をメトキシプロピオニトリルに溶解して作製した電解質材料16を充填し、充填後、カバーガラス20を電解質材料注入口23に接着して塞ぎ、300mm角色素増感太陽電池1を作製した。
比較例1
実施例1において、透明基板11上に集電線13を図7に示すように独立した複数のセル領域を有する構造となるように形成し、11個のセルと11個の電解質材料注入口23を設けて作製したこと以外は同様にして図7の構造の150mm角色素増感太陽電池を作製した。
比較例2
実施例2において、透明基板11上に集電線13の端部を図8に示すように接合して、12本の集電線により12個のセルと12個の電解質材料注入口23を設けて、独立した複数のセル領域を有する構造となるように作製したこと以外は同様にして、図8の構造の150mm角色素増感太陽電池を作製した。
色素増感太陽電池モジュールの特性についてはI−Vカーブトレーサー[英弘精機製MP−160]を用い、AM1.5の光照射下で、実効面積(アクティブエリア)での開放電圧、短絡電流、光電変換効率およびフィルファクタを評価した。
各実施例および比較例で得られた色素増感太陽電池の特性の評価結果を表1に示す。
Figure 2012079495
表1に示すように、本発明により各実施例で得られた色素増感太陽電池によると、電池が区分けされたセル領域を有しない単独のセル構造となり、電解質の封入口が一箇所で済むため、電池の作製が容易となり、製造工程の簡略化が可能となる。さらに、色素増感太陽電池の作用極電極を2辺以上に作製することにより、電極の内部損失が低下し、光電変換効率が改善されることがわかる。
1 作用極
2 対向極
11 透明基板
12 透明導電膜
13 集電線
14 シール剤
15 光電変換層
16 電解質材料
17 作用極電極(第1電極)
21 基板
22 導電層
23 電解質材料の注入口
24 カバーガラス
25 対向極電極(第2電極)

Claims (4)

  1. 作用極および対向極が一定間隙を介して対向するようにシール剤により貼着され、該作用極と対向極との間隙部に電解質材料が封入された色素増感太陽電池であって、
    前記作用極は、透明基板と、該透明基板の一面に形成された透明導電膜と、該透明導電膜の上に形成された集電線と、前記集電線で挟まれた領域の前記透明導電膜上に形成された色素を吸着させた多孔質半導体膜から成る光電変換層と、前記透明基板の端部で前記集電線と電気的に接続して設けられる第1電極とを有し、
    前記対向極は、基板と、該基板の一面に設けられた導電層と、該導電層と電気的に接続して設けられる第2電極とを有し、
    前記集電線が、前記透明基板の外周辺に沿ってループ状に形成される枠部と、該枠部に一端部が接続され、他端部が開放された複数の線状部分とを有し、該複数の線状部分のそれぞれの間に設けられる光電変換層が前記集電線により途切れることなく、前記透明導電膜上で連続して形成されていることを特徴とする色素増感太陽電池。
  2. 前記透明基板が四角形状に形成され、前記集電線の複数の線状部分が前記四角形の一辺に沿った前記枠部から延出するように形成され、前記第1電極が前記透明基板の該一辺の基板端部に形成されてなる請求項1記載の色素増感太陽電池。
  3. 前記透明基板が四角形状に形成され、前記集電線の複数の線状部分が前記四角形の隣接する2辺以上の辺に沿った前記枠部から延出するように形成され、前記第1電極が前記透明基板の該2辺以上の基板端部に形成されてなる請求項1記載の色素増感太陽電池。
  4. 複数の線状部分を有する集電線および該複数の線状部分の間に設けられる光電変換層を透明基板に形成した作用極と、基板の一面に導電層を形成した対向極とを一定の間隙部を介して貼着し、該間隙部に電解質材料を注入して色素増感太陽電池を製造する方法であって、前記作用極に形成する複数の線状部分を、前記光電変換層が相互に連結するように形成し、前記対向極の基板に形成した1個の注入口から前記電解質材料を注入することを特徴とする色素増感太陽電池の製法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013251229A (ja) * 2012-06-04 2013-12-12 Sharp Corp 光電変換素子および色素増感太陽電池
JP2013251228A (ja) * 2012-06-04 2013-12-12 Sharp Corp 光電変換素子および色素増感太陽電池
JP2014013716A (ja) * 2012-07-05 2014-01-23 Nissha Printing Co Ltd 色素増感型太陽電池、及びその製造方法

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