JP2012079457A - 導電性ペースト及び導電パターン - Google Patents

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Abstract

【課題】高温プロセスを用いることなく、安定して良好な電気的特性を得ることができる導電パターンを形成することが可能な導電性ペーストを提供する。
【解決手段】導電性ペーストにおいて、シリカ粒子の表面を銀で被覆したシリカコア銀粒子を含む導電粉末と、有機バインダー樹脂と、有機溶剤と、を含有する。好ましくは、前記シリカコア銀粒子における前記銀の含有量が、5〜50質量%である導電性ペースト。さらに好ましくは、前記シリカコア銀粒子は、疏水性分散剤により表面処理導電性ペースト。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば、電子デバイスの電極などの導電パターンを形成するために用いられる導電性ペースト及び導電パターンに関する。
導電粉末と有機バインダーを含む導電性ペーストを用い、基材上に導電パターンを形成する方法として、スクリーン印刷等の印刷技術を利用したパターン形成方法が広く用いられている。
このようなパターン形成方法により形成された導電パターンは、例えば、これを高温焼成することにより、バインダーを加熱分解するとともに、無機成分を焼結させることにより、良好な導電性を得ることができる。
しかしながら、例えば基材にPETなどのフレキシブル基板を用いた電子ペーパーなどのフレキシブルデバイスや、タッチパネルなどの耐熱性の低いデバイスへの適用は困難である。そこで、250℃以下の低温プロセスによる導電パターンの形成が可能な導電性ペーストについて、種々提案されている(例えば、特許文献1などを参照)。
特開2004−355933号公報
このような導電性ペーストにおいて、銀などの良導電性の貴金属が用いられる導電粉末を高濃度に配合することにより、これまで比抵抗値が10−5Ω・cmオーダーの導電パターンが得られている。一方、導電粉末として、グラファイトを用いることにより、10−2Ω・cmオーダーの導電パターンが得られている。しかしながら、その中間(10−3Ω・cmオーダー)の導電パターンは得られていない。
そのため、貴金属導電粉末の配合量を低減することにより、比抵抗値を10−3Ω・cmオーダーに制御しようとすると、導電粉末の含有量による比抵抗値の変動が大きく、わずかな含有量の変動でも比抵抗値が急激に変化し、導電パターンの比抵抗値を安定させることが困難であるという問題が生じてしまう。
そこで、本発明は、高温プロセスを用いることなく、安定して良好な電気的特性を得ることができる導電パターンを形成することが可能な導電性ペーストを提供することを目的とする。
このような課題を解決するために、本発明の一態様の導電性ペーストは、シリカ粒子の表面を銀で被覆したシリカコア銀粒子を含む導電粉末と、有機バインダーと、有機溶剤と、を含有することを特徴とする。
このような構成により、高温プロセスを用いることなく、安定して良好な電気的特性を得ることができる導電パターンを形成することが可能となる。
また、本発明の一態様の導電性ペーストにおいて、シリカコア銀粒子における銀の含有量が、5〜50質量%であることが好ましい。この範囲で銀を含有することにより、良好な導電性を得ることが可能となる。
また、本発明の一態様の導電性ペーストにおいて、シリカコア銀粒子は、疏水性分散剤により表面処理されることが好ましい。このような表面処理により、表面水分量を制御し、分散性を向上させることができる。
また、本発明の一態様の導電パターンの形成方法は、このような導電性ペーストを用いて、塗膜パターンを形成し、この塗膜パターンを、80〜200℃にて乾燥及び/又は硬化するものである。このようにして導電パターンを形成することにより、フレキシブルデバイスなどの耐熱性の低いデバイスへの適用が可能となる。
また、本発明の一態様の導電パターンは、シリカ粒子の表面を銀で被覆したシリカコア銀粒子を含む導電粉末と、有機バインダーと、を含有することを特徴とする。このような構成により、安定して良好な電気的特性を有する導電パターンを得ることが可能となる。
本発明の一態様の導電性ペーストによれば、良好な印刷適性を有し、高温プロセスを用いることなく、良好な電気的特性を得ることができるパターンを形成することが可能となる。
実施例、比較例における導電粉末の含有率(重量比)と比抵抗値の関係を示す図である。 実施例、比較例における導電粉末の含有率(体積比)と比抵抗値の関係を示す図である。
以下、本発明の一実施形態の導電性ペーストについて説明する。
本実施形態の導電性ペーストは、シリカ粒子の表面を銀で被覆したシリカコア銀粒子を含む導電粉末と、有機バインダーと、有機溶剤と、を含有することを特徴とするものである。
本実施形態の導電性ペーストにおける導電粉末として用いられるシリカコア銀粒子は、シリカ粒子の表面を銀で被覆した粒子であり、形成される導電パターンにおける導電性を付与するために用いられる。
シリカコア銀粒子は、平均粒径が1.0〜20.0μmであることが好ましい。平均粒径は、SEM(走査型電子顕微鏡)を用いて10,000倍にて観察したランダムな10個の導電粉末の平均粒径で求められる。平均粒径が0.5μm未満であると、導電粉末同士の接触が起き難くなり、十分な導電性を得ることが困難となる。一方、平均粒径が20.0μmを超えると、形成される導電パターンの緻密性を得ることが困難となる。より好ましくは1.0〜10.0μmである。
その形状としては、球状、フレーク状、デントライト状など種々の形状のものを用いることができるが、特にペースト中の分散性を考慮すると、アスペクト比が1〜1.5の球状のものを用いることが好ましい。
コアとなるシリカ粒子は、球状シリカ粒子であることが好ましく、溶融シリカや、これを表面処理した無孔質のものを用いることができる。さらに、このようなシリカ粒子を、例えば、パラジウムにより活性化し、ニッケルメッキした後、銀メッキを行うことにより、シリカ粒子表面を被覆することができる。
このようなシリカコア銀粒子において、銀の含有量は、5〜50質量%であることが好ましい。5質量%未満であると、良好な比抵抗値などの電気的特性を得ることが困難となり、50質量%を超えると、コストが増大するとともに、含有量による比抵抗値の変動を抑えることが困難となる。より好ましくは10〜40質量%である。
導電粉末としては、上述したシリカコア銀粒子以外のものが含有されていてもよい。このような導電粉末としては、Ag、Au、Pt、Pd、Ni、Cu、Al、Sn、Pb、Zn、Fe、Ir、Os、Rh、W、Mo、Ruなどの金属、或いはこれらを含む合金や、酸化錫(SnO)、酸化インジウム(In)、ITO(Indium Tin Oxide)などの導電性酸化物、導電性カーボンなどを用いることもできる。これらのうち、特にAgが好適に用いられる。
このような導電粉末の配合率は、導電性ペーストの不揮発分(乾燥によりペースト中から揮発せず、膜に残存する成分)を基準として、70〜90質量%であることが好ましい。70質量%未満であると、十分な導電性を得ることが困難となり、一方90質量%を超えると、ペーストの流動性や、基材への密着性を得ることが困難となる。より好ましくは75〜85質量%である。
本実施形態の導電性ペーストにおける有機バインダー樹脂は、良好な印刷適性を付与するとともに、導電性ペーストを塗布・乾燥、硬化後も塗膜に残存し、導電パターンの基材に対する良好な密着性、耐屈曲性、硬度などの物性を得るために用いられる。
このような有機バインダーとしては、例えば、ポリエステル樹脂、ウレタン変性ポリエステル樹脂、エポキシ変性ポリエステル樹脂、アクリル変性ポリエステル樹脂などの各種変性ポリエステル樹脂、ポリエーテルウレタン樹脂、ポリカーボネートウレタン樹脂、アクリルウレタン樹脂、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリアミド、ニトロセルロース、セルロース・アセテート・ブチレート(CAB)、セルロース・アセテート・プロピオネート(CAP)などの変性セルロース類などが挙げられる。
形成されたパターンに耐溶剤性や高硬度などの特性を付与するために、3次元架橋可能な官能基(例えば、カルボキシル基や水酸基など)を有するバインダー樹脂を用いても良い。このうち、特に、少なくとも1分子中にカルボキシル基を2つ以上含むカルボン酸含有樹脂を含むことが好ましい。このようなカルボン酸含有樹脂としては、具体的には、以下に列挙するような樹脂が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
(1)(メタ)アクリル酸などの不飽和カルボン酸と、それ以外の不飽和二重結合を有する化合物の1種類以上と共重合することにより得られるカルボキシル基含有樹脂。
(2)(メタ)アクリル酸などの不飽和カルボン酸と、それ以外の不飽和二重結合を有する化合物の1種類以上との共重合体に、ブチルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテルなどの単官能エポキシ化合物を付加させることによって得られるカルボキシル基含有樹脂。
(3)グリシジル(メタ)アクリレートや3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート等のエポキシ基と不飽和二重結合を有する化合物と、それ以外の不飽和二重結合を有する化合物との共重合体に、プロピオン酸などの飽和カルボン酸を反応させ、生成した二級の水酸基に多塩基酸無水物を反応させて得られるカルボキシル基含有樹脂。
(4)無水マレイン酸などの不飽和二重結合を有する酸無水物と、それ以外の不飽和二重結合を有する化合物との共重合体に、ブチルアルコールなどの水酸基を有する化合物を反応させて得られるカルボキシル基含有樹脂。
(5)多官能エポキシ化合物と飽和モノカルボン酸を反応させ、生成した水酸基に飽和又は不飽和多塩基酸無水物を反応させて得られるカルボキシル基含有樹脂。
(6)ポリビニルアルコール誘導体などの水酸基含有ポリマーに、飽和又は不飽和多塩基酸無水物を反応させて得られる水酸基及びカルボキシル基含有樹脂。
(7)多官能エポキシ化合物と、飽和モノカルボン酸と、一分子中に少なくとも1個のアルコール性水酸基と、エポキシ基と反応するアルコール性水酸基以外の1個の反応性基を有する化合物との反応生成物に、飽和又は不飽和多塩基酸無水物を反応させて得られるカルボキシル基含有樹脂。
(8)一分子中に少なくとも2個のオキセタン環を有する多官能オキセタン化合物に飽和モノカルボン酸を反応させ、得られた変性オキセタン樹脂中の第一級水酸基に対して飽和又は不飽和多塩基酸無水物を反応させて得られるカルボキシル基含有樹脂。
(9)多官能エポキシ樹脂に飽和モノカルボン酸を反応させた後、多塩基酸無水物を反応させて得られるカルボキシル基含有樹脂に、更に、分子中に1個のオキシラン環を有する化合物を反応させて得られるカルボキシル基含有樹脂。
これらのうち特に、(1)、(2)及び(3)のカルボキシル基含有樹脂を用いることが好ましい。これらにより、分子量、ガラス転移点などを任意に調整することができ、導電性ペーストの印刷適性の調整や、基材に対する密着性を適宜制御することが可能である。
また、このようなカルボキシル基含有樹脂の酸価は、40〜200mgKOH/gであることが好ましい。カルボキシル基含有樹脂の酸価が40mgKOH/g未満であると、導電性ペーストの凝集力が低下し、印刷時に転移不良を起こしやすくなる。一方、200mgKOH/gを超えると、導電性ペーストの粘度が高くなり過ぎ、多量の架橋剤を配合する必要があるなど、良好な印刷適性の付与が困難となる。より好ましくは45〜150mgKOH/gである。
また、基材に樹脂フィルムを用いる場合は、耐屈曲性と基材に対する密着性の面から、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、変性ポリエステル樹脂、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体、共重合ポリエステル樹脂などが好ましい。
有機バインダー樹脂としては、数平均分子量(Mn)が3000〜50000が好適である。数平均分子量が3000未満であると、被膜の密着性に悪影響を与え、印刷時の転移不良が発生し易くなり、良好な導電パターンの形成が困難となる。一方、数平均分子量が50000を超えると、印刷時にペーストの糸引きに起因するヒゲ欠陥やラインのうねり等が発生し易くなり、印刷適性が劣化する。より好ましくは5000〜30000である。
なお、数平均分子量は、ゲルパーメーションクロマトグラフィー(GPC)にて測定した標準ポリスチレン換算の値である。
本実施形態の導電性ペーストにおける有機溶剤は、粘度を調整し、良好な印刷適性を付与するために用いられる。このような有機溶剤としては、上述した有機バインダーと化学反応することなく溶解できるものであればよい。具体的には、例えばトルエン、キシレン、酢酸エチル、酢酸ブチル、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、イソブチルアルコール、1−ブタノール、ジアセトンアルコール、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、テルピネオール、メチルエチルケトン、カルビトール、カルビトールアセテート、ブチルカルビトール等を挙げることができ、これらを単体で、又は2種以上混合して用いることができる。
さらに、印刷過程でのペーストの乾燥を防ぎ、転移性を保つ目的で、1.013MPaにおける沸点が240〜330℃の範囲である高沸点溶剤を併用しても良い。
このような高沸点溶剤としては、ジアミルベンゼン(沸点 260〜280℃)、トリアミルベンゼン(沸点 300〜320℃)、n−ドデカノール(沸点 255〜259℃)、ジエチレングリコール(沸点 245℃)、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート(沸点 247℃)、ジエチレングリコールジブチルエーテル(沸点 255℃)、ジエチレングリコールモノアセテート(沸点 250℃)、トリエチレングリコール(沸点 276℃)、トリエチレングリコールモノメチルエーテル(沸点 249℃)、トリエチレングリコールモノエチルエーテル(沸点 256℃)、トリエチレングリコールモノブチルエーテル(沸点 271℃)、テトラエチレングリコール(沸点 327℃)、テトラエチレングリコールモノブチルエーテル(沸点 304℃)、トリプロピレングリコール(沸点 267℃)、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル(沸点 243℃)、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノイソブチレート(沸点 253℃)などが挙げられる。また、石油系炭化水素類としては、新日本石油社製のAFソルベント4号(沸点 240〜265℃)、5号(沸点=275〜306℃)、6号(沸点 296〜317℃)、7号(沸点 259〜282℃)、および0号ソルベントH(沸点 245〜265℃)なども挙げられ、必要に応じてそれらの2種以上が含まれてもよい。
このような有機溶剤は、導電性ペーストが、印刷に適した粘度となるように適宜含有される。
本実施形態の導電性ペーストにおいて、シリカコア銀粒子の表面水分量を制御して、分散性を向上させるために、疎水性分散剤により表面処理されることが好ましい。このような疎水性分散剤としては、脂肪酸や、脂肪酸塩を用いることができる。具体的には、例えば、ベンゾトリアゾール、ステアリン酸、オレイン酸およびこれらの塩などが挙げられる。無電解銀メッキによりシリカコア銀粒子を形成する際には、無電解銀メッキの際に添加することが好ましい。
また、本実施形態の導電性ペーストにおいて、3次元網目鎖構造を形成し、形成されるパターンの耐溶剤性、密着性を向上させるために、さらに架橋剤を含有することが好ましい。
架橋剤としては、特性を劣化させることなく有機バインダーと反応し、架橋させることができればよい。このような架橋剤としては、加熱により硬化する樹脂であれば特に限定されないが、例えばエポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、アルキッド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、及びそれらの変性樹脂が挙げられ、これらを単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。その他、分子中に少なくとも2個のオキセタニル基を有するオキセタン化合物などが挙げられる。
このような架橋剤のうち、少なくとも1分子中にグリシジル基を2個以上含むエポキシ樹脂を含むことが好ましい。このようなエポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型、水添ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、ビスフェノールS型、フェノールノボラック型、クレゾールノボラック型、ビスフェノールAのノボラック型、ビフェノール型、ビキシレノール型、トリスフェノールメタン型、N−グリシジル型、N−グリシジル型のエポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂など、公知のエポキシ樹脂が挙げられるが、特定のものに限定されるものではなく、また、これらを単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
これらエポキシ樹脂の配合率は、有機バインダー樹脂100質量部当たり1〜100質量部が適当であり、好ましくは5〜40質量部である。
さらに、有機バインダー樹脂と架橋剤との反応を促進させるための硬化触媒、例えばアミン化合物、イミダゾール誘導体などを配合してもよい。
また、本実施形態の導電性ペーストを着色するために、着色剤を含有させることができる。着色剤の種類や形状など、特に限定されるものではなく、公知のものを用いることができる。着色剤の色は、例えば、ディスプレイ用途とする場合、外光反射を抑制するのに充分な明度の低下をもたらすために好適な色であれよい。好ましくは青、黒、3色混合による黒などが挙げられる。
特に黒色が好適であり、カーボンブラック、ソルベントブラック、オイルブラックなどが用いることができるが、入手の容易さなどから色材用カーボンブラックが適している。例えば、カーボンブラックとしては、チャンネルブラック、ファーネスブラック、あるいはランプブラックなどの色材用カーボンブラック、および上述した導電性カーボン(ブラック)、アセチレンブラックなどが挙げられる。
このような着色剤の配合量は、目的とする明度に着色可能であればよい。印刷適性の観点では、有機バインダー樹脂100質量部に対して、100質量部以下であることが好ましい。100質量部を超えると、著しい粘度の上昇やチキソ性が高くなりすぎるなどの問題が生じる。より好ましくは、80質量部以下である。
また、下限としては、例えば、ディスプレイ用途とした場合、有機バインダー樹脂100質量部に対して、5質量部以上とすることが好ましい。着色剤の配合量が5質量部未満の場合はペーストの明度が高くなり、ディスプレイの視認性が悪化する。より好ましくは10質量部以上である。
このような着色剤は、粉体や、分散液で添加することができる。
その他、金属分散剤、チクソトロピー付与剤、消泡剤、レベリング剤、表面張力低下剤、可塑化剤、酸化防止剤、金属不活性化剤、カップリング剤、充填剤などの添加剤を配合してもよい。
このような導電性ペーストにおいて、良好な印刷適性を得るためには、その濃度が、コーンプレート型粘度計による測定値(25℃)で、50〜1000dPa・sであることが好ましい。50dPa・s未満であるとペースト中の有機溶剤の割合が多すぎて転移性が低下し、良好な塗布や印刷をすることが困難となる。一方1000dPa・sを超えると版に充填されにくく、またドクターブレードでのかきとり性が悪化し、地汚れ(非画線部へのペーストの付着)が生じやすくなる。より好ましくは100〜650dPa・sである。なお、塗布又は印刷時に、このような濃度となるように適宜希釈してもよい。
また、このような導電性ペーストの動的粘着性を示すタック値が、5〜35であることが好ましい。タック値が5未満であると、印刷時の転移性が劣り、印刷品質を悪化させることがある。一方、タック値が35を超えると、印刷時に被印刷物のピッキング(被印刷物の破れ)やジャム(被印刷物が印刷機に詰まる)が起こりやすくなる。より好ましくは10〜30である。なお、タック値は、ロータリータックメーター(一般名:インコメーター)を用い、30℃、400回転の条件での測定した値である。
このような導電性ペーストを用いて、例えば以下のようにして導電パターンを形成する。
印刷法を用いる場合、印刷により基材上に導電性ペーストの塗膜パターンを形成する。印刷方法としては、スクリーン印刷、グラビア印刷、グラビアオフセット印刷、凸版印刷、パッド印刷など公知の印刷方法を用いることができる。
このとき、基材としては、プリント配線板、ガラス基板の他、PETフィルムなどのフレキシブル基板を用いることができる。
このようにして基材上に形成された塗膜パターンを、60〜120℃で1〜60分乾燥した後、100〜250℃で1〜60分低温焼成することにより、塗膜パターンを硬化させ、導電パターンを形成する。
このようにして、良好なパターン形状を得ることができるとともに、低抵抗で、耐溶剤性の高い導電パターンを得ることが可能となる。さらに、このような導電パターンは、高温焼成を行うことなく得ることができるため、フレキシブル基板や耐熱性の低いデバイスの電極として用いることが可能となる。
以下、本実施形態について、実施例および比較例により具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、以下の配合量は、特に断りのない限り、質量基準とする。
[シリカコア銀メッキ粉Aの製造例]
(パラジウム付着)
平均粒子径が1.5μmのシリカ粒子(アドマファイン SO−E5、アドマテックス社製)10gを、エッチングし、水洗した後、パラジウム触媒を8重量%含有するパラジウム触媒化液100ml中に添加し、攪拌した。そして、得られた粒子を水洗後、pH6に調整された0.5重量%のジメチルアミンボラン液に添加した。このようにして、パラジウムにより活性化されたシリカ粒子を得た。
(メッキ前処理)
得られた粒子を、脱イオン水300ml中で3分間攪拌し、分散させた。そして、この分散液中に、金属ニッケル粒子スラリー(2020SUS(平均粒子径200nm)、三井金属社製)1gを3分間かけて添加し、シリカ粒子にニッケル粒子を付着させた。
(無電解ニッケルメッキ)
得られた粒子に、蒸留水500mlを加え、十分に分散させて懸濁液とした。この懸濁液を攪拌しながら、硫酸ニッケル6水和物50g/l、次亜リン酸ナトリウム1水和物20g/l、クエン酸50g/lからなり、pHが7.5に調整された無電解ニッケルメッキ液を徐々に添加し、シリカ粒子に無電解ニッケルメッキを行った。このようにして、シリカ粒子にニッケルメッキ被膜を形成した。
(無電解銀メッキ)
銀塩として硝酸銀4.25gを、室温で純水1180mlに溶解した溶液に、還元剤としてベンズイミダゾール15gを加えて完全に溶解させた後、錯化剤としてコハク酸イミド25g、クエン酸1水和物3.5gを溶解した。そして、結晶調整剤としてグリオキシル酸10gを投入し、完全溶解させ、無電解銀メッキ液を調製した。
このようにして調製された無電解銀メッキ液に、ニッケルメッキ被膜が形成されたシリカ粒子を投入し、攪拌しながら加熱して、温度を70℃に保ち、無電解銀メッキを行った。さらに、得られた粒子を純水で洗浄した後、アルコール置換を行い、真空乾燥機で80℃2時間乾燥し、銀付着量が30質量%のシリカコア銀粒子を得た。
[シリカコア銀メッキ粉Bの製造例]
シリカコアAgめっき粉Aと同様に、無電解銀メッキを行った後、メッキ液中に銀量に対して0.4質量%のオレイン酸を添加した。そして、得られた粒子を純水で洗浄した後、アルコール置換を行い、真空乾燥機で80℃にて2時間乾燥し、銀付着量が30質量%のシリカコア銀粒子を得た。
[導電性ペーストの調製]
表1に示す配合割合で各成分を配合し、3本ロールミルにて練肉して、実施例1〜4及び比較例1〜5の導電性ペーストを得た。
Figure 2012079457
※1 BL−1、積水化学工業社製
※2 平均粒径1.5μmの球状銀粉
※3 ケッチェンブラックEC−300、ライオンアクゾ社製
※4 平均粒径0.5μmの球状シリカ粉
このようにして得られた各導電性ペーストの比抵抗値を評価した。評価方法は以下の通りである。
(比抵抗値の測定)
ガラス基板上に0.2cm×5cmの導電パターンを形成し、120℃にて30分間加熱処理を行なった後に、テスター(ヒオキ社製:ミリオームハイテスター3540)を用いた四端子法にて抵抗値を測定し、抵抗と膜厚に基づいて比抵抗値を算出した。比抵抗値の測定結果を表2に示す。
Figure 2012079457
このように、シリカコア銀粒子を用いた実施例においては、10−3Ω・cmオーダーの比抵抗値を得ることできることがわかる。また、実施例2〜4に示すように、シリカ粒子を銀メッキする際にオレイン酸処理を行うことにより、シリカコア銀粒子の導電性ペースト中の分散性が向上し、比抵抗値を低下させることができることがわかる。
さらに、実施例2〜4、および比較例1〜3について、導電粉末の含有率(重量比)と比抵抗値の関係を図1に示す。
図1に示す結果から明らかなように、実施例2〜4にかかる導電性ペーストは、導電粉末の含有率が変化しても、その比抵抗値の変化が小さい。一方、比較例1〜3の導電性ペーストは導電粉末の含有率変化に対し、比抵抗値が大きく変化していることがわかる。
また、比較例6〜7として銀粉の含有率が体積比で61.1%および65.3%の導電性ペーストを作製し、実施例2〜4および比較例1〜3との比較を行った。導電粉末の体積比と比抵抗値の関係を表3と図2に示す。
Figure 2012079457
図2に示す結果から明らかなように、実施例2〜4にかかる導電ペーストは、導電粉含有率(体積比)が変化しても、抵抗値変化が小さい。一方、比較例1〜3の導電性ペーストは、わずかな体積変化でも比抵抗値が大きく変動する(例えば、比較例2と3など)。また、比抵抗値の変化率を抑制しようとすれば、比較例6および7のように大量に導電粉を配合しなければならず、その際の比抵抗値は10−5Ω・cmオーダーとなり、10−3Ω・cmオーダーを達成することが困難となる。

Claims (5)

  1. シリカ粒子の表面を銀で被覆したシリカコア銀粒子を含む導電粉末と、
    有機バインダー樹脂と、
    有機溶剤と、
    を含有することを特徴とする導電性ペースト。
  2. 前記シリカコア銀粒子における前記銀の含有量が、5〜50質量%であることを特徴とする請求項1に記載の導電性ペースト。
  3. 前記シリカコア銀粒子は、疏水性分散剤により表面処理されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の導電性ペースト。
  4. 請求項1から請求項3のいずれ1項に記載の導電性ペーストを用いて、塗膜パターンを形成し、
    前記塗膜パターンを、80〜200℃にて乾燥及び/又は硬化する、
    ことを特徴とする導電パターンの形成方法。
  5. シリカ粒子の表面を銀で被覆したシリカコア銀粒子を含む導電粉末と、
    有機バインダーと、
    を含有することを特徴とする導電パターン。
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