JP2012078096A - 電子顕微鏡観察用の試料作製方法及び電子顕微鏡観察用の試料 - Google Patents

電子顕微鏡観察用の試料作製方法及び電子顕微鏡観察用の試料 Download PDF

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Abstract

【課題】 短時間で電子顕微鏡観察用の試料を作製する。
【解決手段】 ポリイミド樹脂からなる第1の基材1上に、被検試料3と流動状態の硬化性樹脂4とを載せ、ポリイミド樹脂からなる第2の基材2を第1の基材1に重ね合わせて硬化性樹脂4を硬化させて、第1の基材1と、硬化性樹脂4の内部に被検試料3を位置させた硬化性樹脂層5と、第2の基材2とが順に積層された積層体6を作製する。積層体6を積層方向に切断し、切断した面にアルゴンイオンエッチングを施す。
【選択図】 図1

Description

本発明は、電子顕微鏡などで観察される電子顕微鏡観察用の試料作製方法及び電子顕微鏡観察用の試料に関する。
走査電子顕微鏡(scanning electron microscope:SEM)は、材料の表面や断面の情報を得る手法として広く普及しており、複雑な形状を有する試料や曲率の大きい試料の表面形状や、付着物の観察には欠かせない。加えて、走査電子顕微鏡では、金属組織や形状などの形態観察が容易になった。特に、形態観察は、観察する試料の断面加工状態に大きく依存する。この断面加工の出来次第で、試料の正しい形態観察ができるかが決まる場合が多い。
観察する試料の断面加工の方法としては、例えば次の手法が従来から用いられている。すなわち、手研磨、機械研磨、ミクロトーム、アルゴンイオンエッチング、収束イオンビーム、ミクロトームとアルゴンイオンエッチングとの組合せによる方法が用いられている。
手研磨による方法では、粗さの異なるエメリー研磨紙を段階的に使って平滑な断面を作製する。仕上げには、アルミナやダイヤモンドペーストを用いる。
機械研磨による方法では、ダイヤモンドラッピングフィルムを用いて平滑な断面を作製する。仕上げには、コロイダルシリカの砥粒を反応性の溶媒に懸濁した研磨剤を用いる。
ミクロトームによる方法では、ダイヤモンドナイフを用いて平滑な断面を作製する(特許文献1を参照)。
アルゴンイオンエッチングによる方法では、例えば、クロスセクションポリッシャを用いてアルゴンイオンを高エネルギー状態にして試料に照射して平滑な断面を作製する(特許文献2を参照)。
収束イオンビームによる方法では、ガリウムイオンビームをサブミクロンに収束して試料に照射して平滑な断面を作製する(特許文献3を参照)。
ミクロトームとアルゴンイオンエッチングとの組合せによる方法では、ミクロトームで平滑な断面を作製した後、断面の歪を除去するためアルゴンイオンエッチングを使用している(非特許文献1を参照)。
ここで、電子顕微鏡用の試料を、アルゴンイオンエッチングを用いて作製する場合には、以下の(1)〜(4)に示す手順で作製を行っていた。
(1)ガラス板(プレパレート)の表面に、被検試料と熱硬化性樹脂とを載せる。
(2)被検試料を取り込むように熱硬化樹脂を被検試料に被せる。また、熱硬化性樹脂の表面を平滑にする。
(3)熱硬化性樹脂の表面を平滑にしたものを加熱して樹脂を硬化させ、積層体を得る。
(4)積層体の断面をSiC研磨紙で切削し、切削した断面にアルゴンイオンエッチングを行い電子顕微鏡観察用の試料を得る。
なお、上記(2)の手順において、熱硬化性樹脂の表面を平滑にすることが通常困難なため、上記(1)の手順におけるガラス板の上方から、同寸法の別のガラス板を重ね合わせる操作を行う場合がある。
この方法の場合、ガラス板によって被検試料は保護されているが、アルゴンイオンエッチングによってガラス板を平滑に削るために長時間が掛かかるため、短時間で電子顕微鏡観察用の試料を作製することができなかった。
特開2006−10619号公報 特開2007−333682号公報 特開2008−190998号公報
押村信満、佐光武文:第59回全国鉱山・製錬所現場担当者会議講演集 分析講演集,平成21年6月,53
本発明は、このような実情に鑑みて提案されたものであり、短時間で電子顕微鏡観察用の試料を作製することができる電子顕微鏡観察用の試料作製方法及び電子顕微鏡観察用の試料を提供することを目的とする。
本発明に係る電子顕微鏡観察用の試料作製方法は、電子顕微鏡で観察するための試料を作製する電子顕微鏡観察用の試料作製方法であって、ポリイミド樹脂からなる第1の基材上に、被検試料と流動状態の硬化性樹脂とを載せ、ポリイミド樹脂からなる第2の基材を第1の基材に重ね合わせて硬化性樹脂を硬化させて、第1の基材と、硬化性樹脂の内部に被検試料を位置させた硬化性樹脂層と、第2の基材とが順に積層された積層体を作製し、積層体を積層方向に切断し、切断した面にアルゴンイオンエッチングを施す。
本発明に係る電子顕微鏡観察用の試料は、電子顕微鏡で観察するための電子顕微鏡観察用の試料であって、ポリイミド樹脂からなる第1の基材と、硬化性樹脂の内部に被検試料を位置させた硬化性樹脂層と、ポリイミド樹脂からなる第2の基材とが順に積層された積層体が積層方向に切断されており、切断された面にアルゴンイオンエッチングが施されている。
本発明に係る電子顕微鏡観察用の試料作製方法は、電子顕微鏡で観察するための試料を作製する電子顕微鏡観察用の試料作製方法であって、ポリイミド樹脂からなる基材上に被検試料が積層された積層体を積層方向に切断し、切断した面にアルゴンイオンエッチングを施す。
本発明に係る電子顕微鏡観察用の試料は、電子顕微鏡で観察するための電子顕微鏡観察用の試料であって、ポリイミド樹脂からなる基材上に被検試料が積層された積層体が積層方向に切断されており、切断された面にアルゴンイオンエッチングが施されている。
本発明によれば、少なくともポリイミド樹脂からなる基材上に被検試料が積層された積層体を積層方向に切断した断面にアルゴンイオンエッチングを施すため、積層体の断面加工に要する時間を短くし、短時間で電子顕微鏡観察用の試料を作製することができる。
本実施の形態に係る電子顕微鏡観察用の試料作製方法の一例を説明するための工程図である。 本実施の形態に係る電子顕微鏡観察用の試料の一例を示す断面図である。 他の実施の形態に係る電子顕微鏡観察用の試料の一例を示す断面図である。 実施例2で得られた電子顕微鏡観察用の試料の組織のSEM画像を示す図であり、(A)は、ミクロトーム加工後のSEM画像を示す図であり、(B)は、アルゴンイオンエッチング処理後のSEM画像を示す図である。
以下、本発明を適用した電子顕微鏡観察用の試料及びその作製方法の具体的な実施の形態の一例について、図面を参照しながら以下の順序で詳細に説明する。
1.電子顕微鏡観察用の試料作製方法
2.電子顕微鏡観察用の試料
3.他の実施の形態
4.実施例
<1.電子顕微鏡観察用の試料作製方法>
本実施の形態に係る電子顕微鏡観察用の試料作製方法は、積層体作製工程と、エッチング工程とを有する。積層体作製工程では、ポリイミド樹脂からなる第1の基材(以下、単に「第1の基材」という)上に、被検試料と流動状態の硬化性樹脂とを位置させ、ポリイミド樹脂からなる第2の基材(以下、単に「第2の基材」という)を第1の基材に重ね合わせて硬化性樹脂を硬化させる。これにより、第1の基材と、硬化性樹脂の内部に被検試料を位置させた硬化性樹脂層と、第2の基材とが順に積層された積層体を作製する。積層体を積層方向に機械的方法により切断し、エッチング工程では、切断した面にアルゴンイオンエッチングを施す。これにより、平滑な断面を作製する。以下、各工程について具体的に説明する。
(積層体作製工程)
図1は、本実施の形態に係る電子顕微鏡観察用の試料作製方法の一例を説明するための工程図である。図1(A)に示すように、第1の基材1と、第2の基材2を所定の大きさに切断する。第1の基材1及び第2の基材2は、被検試料を保護するためのものである。第1の基材1及び第2の基材2の材料としてポリイミド樹脂を用いることにより、後に詳述するように、第1の基材1及び第2の基材2で被検試料が保護された積層体を積層方向に切断した断面にアルゴンイオンエッチングを施したときに、積層体の断面加工に要する時間を短くすることができる。
第1の基材1及び第2の基材2としては、例えば、薄膜形状のポリイミドフィルムを用いることができる。第1の基材1及び第2の基材2は、後工程となるアルゴンイオンエッチングを行う際に適した寸法に切断することが好ましい。例えば、第1の基材及び第2の基材は、アルゴンイオンエッチングを行うための装置の試料台よりも小さな大きさに切断する。第1の基材1及び第2の基材2の厚さは、アルゴンイオンエッチングの加工時間を短くする観点から薄いことが望ましく、10μm以上50μm以下とするのが好ましい。このような厚さとすることにより、短い時間でアルゴンイオンエッチングの加工を行うことができる。また、このような厚さのポリイミド樹脂からなる基材は、容易に入手することができるため、取扱い上問題となることもない。なお、第1の基材1及び第2の基材2は、同じ厚さとしてもよいが、それぞれ異なる厚さとしてもよい。
次に、図1(B)に示すように、第1の基材1上に、被検試料3と流動状態の硬化性樹脂4とを載せる。
被検試料3は、電子顕微鏡で観察するための試料であり、適宜選択されるものである。流動状態の硬化性樹脂4は、被検試料3を、第1の基材1と第2の基材2との間に固定させるためのものである。流動状態の硬化性樹脂4としては、設備的な負荷を軽減するために、100℃以下で硬化する流動状態の熱硬化性樹脂を用いることが好ましい。例えば、50℃付近で硬化し、取扱いが容易である観点から、硬化性樹脂4としては、エポキシ樹脂を用いることが好ましい。エポキシ樹脂としては、1液型エポキシ樹脂や2液型エポキシ樹脂を用いることができる。
次に、図1(C)に示すように、第2の基材2を第1の基材1の上方から重ね合わせる。これにより、第1の基材1と第2の基材2との間に、被検試料3と硬化性樹脂4とを挟み込む。
続いて、第1の基材1と第2の基材2との間に、被検試料3と流動状態の硬化性樹脂4とを挟み込んだ状態で加熱する。これにより、硬化性樹脂4が硬化し、積層体6が得られる。
図2は、本実施の形態に係る電子顕微鏡観察用の試料の一例を示す断面図である。図2に示すように、積層体6は、第1の基材と、硬化性樹脂4の内部に被検試料3を位置させた硬化性樹脂層5と、第2の基材2とが順に積層されている。加熱方法としては、硬化性樹脂4を硬化させることができる方法であれば特に限定されず、例えば、ホットプレート上で加熱する方法などが挙げられる。加熱温度は、硬化性樹脂4を硬化させることができる温度であれば特に限定されず、使用する硬化性樹脂4に応じて適宜決定することが好ましい。
(エッチング工程)
続いて、積層体6を積層方向(厚さ方向)に切断する。例えば、図1(D)に示すように、積層体6を破線Lに沿って切断する。これにより、積層体6において、後にアルゴンイオンを照射する方向と平行な面、すなわち、電子顕微鏡での観察面となる面を平滑にする。例えば、図1(E)の矢印aの方向から見た積層体6の切断面は、図2に示すように、被検試料3が表面に現れた状態となっている。
積層体6を切断する手段としては、切断面が比較的平滑な状態になるものであれば、特に限定されず、例えば、電子顕微鏡用に市販されているトリミングナイフを用いることができる。
続いて、積層体6の切断した面にアルゴンイオンエッチングを施す。これにより、積層体6の切断面をより平滑にして積層体6の切断面の歪を除去することができる。例えば、図1(E)に示すようなアルゴンイオンエッチングを施す方法が挙げられる。例えば、積層体6に遮蔽板7を密着させて、遮蔽板7から出ている積層体6の切断面部分8をアルゴンイオンエッチングで削る方法である。切断面部分8をアルゴンイオンエッチングで削った後の積層体6の断面は、被検試料3が表面に現れた状態となっている。
以上のように、本実施の形態に係る電子顕微鏡観察用の試料作製方法では、第1の基材1及び第2の基材2で被検試料3が保護された積層体6を積層方向に切断した断面にアルゴンイオンエッチングを施している。そのため、ガラス板で被検試料が保護された積層体を積層方向に切断した断面にアルゴンイオンエッチングを施す場合と比較して、積層体6の断面加工に要する時間を短くし、短時間で電子顕微鏡観察用の試料を作製することができる。
<2.電子顕微鏡観察用の試料>
本実施の形態に係る電子顕微鏡観察用の試料は、上述した電子顕微鏡観察用の試料作製方法によって作製することができる。
図2に示すように、本実施の形態に係る電子顕微鏡観察用の試料は、第1の基材1と、硬化性樹脂4の内部に被検試料3を位置させた硬化性樹脂層5と、第2の基材2とが順に積層された積層体6において、積層方向に切断されている。また、本実施の形態に係る電子顕微鏡観察用の試料は、積層体6における切断面に、上述の如くアルゴンイオンエッチングが施されている。
<3.他の実施の形態>
上述した説明では、積層体6として、第1の基材1と、硬化性樹脂4の内部に被検試料3を位置させた硬化性樹脂層5と、第2の基材2とが順に積層されたものを説明したが、この例に限定されるものではない。
図3は、他の実施の形態に係る電子顕微鏡観察用の試料の一例を示す断面図である。図3に示すように、ポリイミド樹脂からなる基材10上に被検試料11が積層された積層体12を用いるようにしてもよい。このような積層体12としては、例えば、ポリイミド樹脂からなる基材10としての絶縁フィルム上に被検試料11としての銅をめっきによって積層したフレキシブルプリント基板用銅張積層板が挙げられる。このような積層体12についても、上述した積層体6の場合と同様に、トリミングナイフで積層体12を切断した断面をアルゴンイオンエッチングする方法を適用することができる。
また、上述した説明では、積層体6,12の断面加工の方法として、トリミングナイフで積層体6,12を切断した断面をアルゴンイオンエッチングする方法を説明したが、この方法に限定されるものではない。
例えば、トリミングナイフで積層体6,12を切断した断面を、ミクロトームにより平滑にした後、アルゴンイオンエッチングするようにしてもよい。このようにミクロトームとアルゴンイオンエッチングとの組合せによる方法では、トリミングナイフで積層体6,12を切断した断面をアルゴンイオンエッチングする方法と比較して、より短時間で積層体6,12の断面を平滑にすることができる。したがって、ミクロトームとアルゴンイオンエッチングとの組合せによる方法では、より短時間で電子顕微鏡観察用の試料を作製することができる。
ミクロトームを用いた加工は、ダイヤモンドナイフを用いて試料を切削する方法であり、迅速な加工が可能である。ミクロトームを用いた加工では、刃角を小さくし、切削速度を遅くし、切り込み量を浅くすることが好ましい。これにより、積層体6,12の切断面に入る歪の量を抑えることができる。
また、上述した説明では、第1の基材1上の1ヵ所に被検試料3を載せる例を説明したが、この例に限定されず、複数個所に被検試料3を載せるようにしてもよい。また、図1には、第1の基材1上において被検試料3と硬化性樹脂4とを別の位置に載せる例を示したが、この例に限定されず、第1の基材1上において被検試料3と硬化性樹脂4とを同じ位置に載せるようにしてもよい。
また、上述した説明では、流動状態の硬化性樹脂4として熱硬化性樹脂を用い、第1の基材上に、被検試料3と硬化性樹脂4とを載せ、第2の基材2を第1の基材1に重ね合わせて加熱する例を説明したが、本発明は、この例に限定されるものではない。例えば、熱硬化性樹脂の代わりに常温硬化性樹脂を用い、加熱処理をせずに常温硬化性樹脂を硬化させるようにしてもよい。
以下、本発明の具体的な実施例について説明する。なお、下記のいずれかの実施例に本発明の範囲が限定されるものではない。
(実施例1)
厚さが30μmの第1のポリイミド樹脂(型式:カプトン、東レ(株)社製)を10mm×5mmの寸法に切断した。第1のポリイミド樹脂を、ニトフロン粘着テープ(日東電工(株)社製)を貼り付けた26mm×76mmのスライドガラス(品名白縁磨no1 松浪ガラス工業(株)社製)上に設置した。この第1のポリイミド樹脂の表面に、被検試料としてのパラジウム粉末約0.5mgと、流動状態の熱硬化性樹脂としてのエポキシ樹脂(型式:エポシン、ビューラー社製)約0.001〜0.002mgとを位置させた。続いて、第1のポリイミド樹脂と同じ寸法である第2のポリイミド樹脂(型式:カプトン、東レ(株)製)を、第1のポリイミド樹脂の上方から重ね合わせた。これらをホットプレート(型式:HP−1S、アズワン社製)にて50℃で2時間加熱した後、エポキシ樹脂が硬化されていることを目視で確認した。このようにして、第1のポリイミド樹脂と、熱硬化性樹脂の内部に被検試料を位置させた熱硬化性樹脂層と、第2のポリイミド樹脂とが順に積層された積層体を得た。
クロスセクションポリッシャ(型式SM−09010 日本電子(株)社製)にて積層体の断面加工を行う位置について、実体顕微鏡(型式:StemiDV4 カールツァイス社製)を用いて積層体を積層方向から観察し、断面加工を行う位置を決定し、電子顕微鏡用トリミングナイフ(応研商事(株)社製)で積層体を積層方向に切断した。次に、クロスセクションポリッシャにて積層体の断面加工を行った。断面加工に要した時間は1時間であった。
上記の手順で得られた試料を走査型電子顕微鏡(型式:ULTRA55 カールツァイス社製)に設置し、積層体断面におけるパラジウム粉断面の形状を観察した。
(実施例2)
厚さが30μmのポリイミド樹脂上に、被検試料として厚さ約10μmのCuめっき材が積層された積層体を、電子顕微鏡用トリミングナイフ(応研商事(株)社製)で8mm×5mmの寸法に切断した。この試料を刃角35°のダイヤモンドナイフを用いて、ミクロトームの加工速度を0.2mm/sec、切込み量を0.35μmで35回切削した。次に、切り込み量を70nmにし5回切削した。次に、刃角25°のダイヤモンドナイフに切り替え、加工速度を0.2mm/sec、切込み量を10nmで7回切削した。
仕上げ加工として、PECS(Precision Etching Coating System)(型式:モデル682 ガタン社製)を用いて、アルゴンイオン条件を6kV、300mA、角度75°にし、エッチング時間を1分として、積層体にアルゴンイオンエッチングを行った。この断面加工に要した時間は15分であった。
上記の手順で得られた試料を走査型電子顕微鏡(型式:ULTRA55 カールツァイス社製)に設置し、観察を行った。
図4は、実施例2で得られた電子顕微鏡観察用の試料の組織のSEM画像を示す図である。図4(A)は、ミクロトーム加工後の積層体の切断面のSEM画像であり、図4(B)は、アルゴンイオンエッチング処理後の積層体の切断面のSEM画像である。図4(B)に示すように、1分のアルゴンイオンエッチング後において、ミクロトーム加工に起因するコントラストが見られなくなり、図4(A)に示すミクロトーム加工後の加工歪が除去された。
(比較例1)
厚さが100μmの第1のガラス板(型式:ThicknessNo.1、マツナミガラス社製)の表面に、被検試料としてのパラジウム粉末と、流動状態の熱硬化性樹脂としてのエポキシ樹脂とを実施例1と同じように位置させた。第1のガラス板と同じ寸法の第2のガラス板(型式:ThicknessNo.1、マツナミガラス社製)を、第1のガラス板の上方から重ね合わせた。これらを実施例1と同じ操作で加熱し、エポキシ樹脂が硬化されていることを確認した。このようにして、第1のガラス板と、熱硬化性樹脂の内部に被検試料を位置させた熱硬化性樹脂層と、第2のガラス板とが順に積層された積層体を得た。
次に、実施例1と同じ操作を行い、積層体の端をSiC研磨紙で切削した。その後、クロスセクションポリシャ(SM−09010 日本電子(株)社製)にて断面加工を行った。この断面加工に要した時間は3時間であった。
上記の手順で得られた試料を実施例1と同じく走査型電子顕微鏡(カールツァイス製、型式:ULTRA55)に設置し、測定を行った。
以上のように、実施例1、2では、少なくともポリイミド樹脂上に被検試料が積層された積層体を積層方向に切断した断面にアルゴンイオンエッチングを施したため、比較例1の場合と比較して断面加工に要した時間が短く、短時間で電子顕微鏡観察用の試料を作製することができた。
一方、比較例1では、ガラス板によって被検試料が保護された積層体を積層方向に切断した断面にアルゴンイオンエッチングを施したため、実施例1、2と比較して断面加工に要した時間が長くなり、短時間で電子顕微鏡観察用の試料を作製することができなかった。
1 第1の基材、2 第2の基材、3 被検試料、4 硬化性樹脂、5 硬化性樹脂層、6 積層体、7 遮蔽板、8 切断面部分、10 基材、11 被検試料、12 積層体

Claims (6)

  1. 電子顕微鏡で観察するための試料を作製する電子顕微鏡観察用の試料作製方法であって、
    ポリイミド樹脂からなる第1の基材上に、被検試料と流動状態の硬化性樹脂とを載せ、ポリイミド樹脂からなる第2の基材を前記第1の基材に重ね合わせて前記硬化性樹脂を硬化させて、前記第1の基材と、前記硬化性樹脂の内部に前記被検試料を位置させた硬化性樹脂層と、前記第2の基材とが順に積層された積層体を作製し、
    前記積層体を積層方向に切断し、該切断した面にアルゴンイオンエッチングを施すことを特徴とする電子顕微鏡観察用の試料作製方法。
  2. 前記第1の基材及び前記第2の基材は、厚さが10〜50μmであることを特徴とする請求項1記載の電子顕微鏡観察用の試料作製方法。
  3. 前記硬化性樹脂は、エポキシ樹脂であることを特徴とする請求項1又は2記載の電子顕微鏡観察用の試料作製方法。
  4. 電子顕微鏡で観察するための電子顕微鏡観察用の試料であって、
    ポリイミド樹脂からなる第1の基材と、硬化性樹脂の内部に被検試料を位置させた硬化性樹脂層と、ポリイミド樹脂からなる第2の基材とが順に積層された積層体が積層方向に切断されており、該切断された面にアルゴンイオンエッチングが施されていることを特徴とする電子顕微鏡観察用の試料。
  5. 電子顕微鏡で観察するための試料を作製する電子顕微鏡観察用の試料作製方法であって、
    ポリイミド樹脂からなる基材上に被検試料が積層された積層体を積層方向に切断し、該切断した面にアルゴンイオンエッチングを施すことを特徴とする電子顕微鏡観察用の試料作製方法。
  6. 電子顕微鏡で観察するための電子顕微鏡観察用の試料であって、
    ポリイミド樹脂からなる基材上に被検試料が積層された積層体が積層方向に切断されており、該切断された面にアルゴンイオンエッチングが施されていることを特徴とする電子顕微鏡測定用の試料。
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