JP2012077984A - 冷凍回路 - Google Patents

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Abstract

【課題】過冷却熱交換器および気液分離器それぞれに必要なバイパス路と流量調整機構とを兼用し、簡素で低コストの冷凍回路を提供する。
【解決手段】冷凍回路11では、気液分離装置27が、室外熱交換器25と膨張弁29との間に接続されている。また、過冷却熱交換器32が、気液分離装置27と膨張弁29との間に接続されている。気液分離装置27内の冷媒の一部は、バイパス路33を通って過冷却熱交換器32に流れ、圧縮機21あるいは圧縮機21の吸込側の冷媒配管へ戻る。バイパス路33のうちの気液分離装置27から過冷却熱交換器32に至る区間に流量調整弁35が配置されている。冷房運転時、気液分離装置27内はほぼ液冷媒で満たされ、その一部がバイパス路33に入り流量調整弁35で減圧され過冷却熱交換器32内で蒸発する。
【選択図】図1

Description

本発明は、冷凍回路に関し、特に、空気調和機に用いられる冷凍回路に関する。
空気調和装置の冷凍回路において、冷房運転時の冷凍効果を高める手段として、例えば、室内熱交換器の手前に過冷却熱交換器を設ける構成が、特許文献1(特開平10−54616号公報)に開示されている。また、暖房運転時の室外熱交換器での圧力損失を抑制する手段として、例えば、室外熱交換器の手前に気液分離器を設ける構成が、特許文献2(特開平8−219587号公報)に開示されている。
しかしながら、上記の過冷却熱交換器および気液分離器それぞれにはバイパス路と流量調整機構とが必要となるので、両者を併設することはコストアップになる上に、冷凍回路が複雑になるという問題を有している。
本発明の課題は、過冷却熱交換器および気液分離器それぞれに必要なバイパス路と流量調整機構とを兼用し、簡素で低コストな冷凍回路を提供することにある。
本発明の第1観点に係る冷凍回路は、冷房運転時に圧縮機、室外熱交換器、膨張弁および室内熱交換器の順に冷媒が流れ、暖房運転時に圧縮機、室内熱交換器、膨張弁および室外熱交換器の順に冷媒が流れる冷凍回路であって、気液分離装置と、過冷却熱交換器と、バイパス路と、流量調整弁とを備えている。気液分離装置は、室外熱交換器と膨張弁との間に接続される。過冷却熱交換器は、気液分離装置と膨張弁との間に接続される。バイパス路は、気液分離装置から冷媒の一部を過冷却熱交換器に流した後にそれを圧縮機あるいは圧縮機の吸込側の冷媒配管へ導く。流量調整機構は、バイパス路のうちの気液分離装置から過冷却熱交換器に至る区間に配置される。
この冷凍回路では、冷房運転時、気液分離装置内はほぼ液冷媒で満たされ、その一部がバイパス路に入り流量調整機構で減圧され過冷却熱交換器内で蒸発する。この際、気液分離装置から過冷却熱交換器内を通って膨張弁に向う液冷媒を冷却するので、凝縮器(室外熱交換器)で飽和液となった冷媒はここで冷却され過冷却液となる。また、流量調整機構で減圧され過冷却熱交換器内で蒸発した冷媒は、圧縮機、或いは、圧縮機の吸込側の冷媒配管に戻る。
また、暖房運転時、気液分離装置内では冷媒は液とガスとに分離され、余分なガス冷媒はバイパス路に入り流量調整機構で流量調整された後に過冷却熱交換器内を通過して圧縮機、或いは、圧縮機の吸込側の冷媒配管に戻る。その結果、蒸発に寄与しないガス冷媒が室外熱交換器に入らなくなり、その分、室外熱交換器を流れる冷媒量が減少し、室外熱交換器での冷媒の圧力損失が抑制される。
以上のように、この冷凍回路では、冷房運転時に液冷媒の一部をバイパスさせるバイパス路およびそのバイパス路の液量を調節する流量調整機構と、暖房運転時に余分なガス冷媒をバイパスさせるバイパス路およびガス抜き用としてそのバイパス路に配置される流量調整機構とが兼用されている。その結果、冷凍回路が簡素化される。
本発明の第2観点に係る冷凍回路は、第1観点に係る冷凍回路であって、気液分離装置がレシーバである。この冷凍回路では、レシーバが液冷媒を溜める機能に加えて、ガス冷媒と液冷媒とを分離する機能を担うので、レシーバと気液分離器とを併設する必要がなく冷凍回路が簡素化される。
本発明の第3観点に係る冷凍回路は、第1観点に係る冷凍回路であって、気液分離装置がサイクロン式気液分離器である。この冷凍回路では、冷媒がサイクロン式気液分離器の内周面に沿って旋回する間にその内周面に液冷媒が付着するので、気液分離が効率よく行われる。
本発明の第4観点に係る冷凍回路は、第1観点に係る冷凍回路であって、室外熱交換器が、冷媒が通過する複数の冷媒パスを有している。また、気液分離装置は、複数の冷媒パスそれぞれに冷媒を分配するための接続口と、ガス冷媒をバイパス路へ流すための接続口とを有する分流器である。
この冷凍回路では、分流器が、室外熱交換器へ冷媒を分配する機能と、バイパス路へガス冷媒を流す機能とを兼用するので、冷媒回路が簡素化される。
本発明の第1観点に係る冷凍回路では、冷房運転時に液冷媒の一部をバイパスさせるバイパス路およびそのバイパス路の液量を調節する流量調整機構と、暖房運転時に余分なガス冷媒をバイパスさせるバイパス路およびガス抜き用としてそのバイパス路に配置される流量調整機構とが兼用されている。その結果、冷凍回路が簡素化される。
本発明の第2観点に係る冷凍回路では、レシーバが液冷媒を溜める機能に加えて、ガス冷媒と液冷媒とを分離する機能を担うので、レシーバと気液分離器とを併設する必要がなく冷凍回路が簡素化される。
本発明の第3観点に係る冷凍回路では、冷媒がサイクロン式気液分離器の内周面に沿って旋回する間にその内周面に液冷媒が付着するので、気液分離が効率よく行われる。
本発明の第4観点に係る冷凍回路では、分流器が、室外熱交換器へ冷媒を分配する機能と、バイパス路へガス冷媒を流す機能とを兼用するので、冷媒回路が簡素化される。
本発明の一実施形態に係る冷凍回路を使用した空気調和装置の構成図。 過冷却熱交換器の断面図。 サイクロン式気液分離器の簡略断面図。
以下図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。なお、以下の実施形態は、本発明の具体例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
(1)空気調和装置
(1−1)全体構成
図1は、本発明の一実施形態に係る冷凍回路を使用した空気調和装置の構成図である。図1において、空気調和装置1は、冷房運転及び暖房運転が可能な空気調和装置であり、室外機3と、室内機5と、室外機3と室内機5とを接続するための液冷媒連絡配管7及びガス冷媒連絡配管9とを備えている。
(1−2)室内機
室内機5は、室内熱交換器51と、室内ファン53とを有している。室内熱交換器51は、クロスフィン型熱交換器であり、室内空気との熱交換によって内部を流れる冷媒を蒸発又は凝縮させ、室内の空気を冷却又は加熱することができる。
室内ファン53は、回転することによって室内空気を取り込んで室内熱交換器51に送風し、室内熱交換器51と室内空気との熱交換を促進する。
(1−3)室外機
図1において、室外機3は、主に、圧縮機21、四路切換弁23、室外熱交換器25、気液分離装置27、膨張弁29、液側閉鎖弁37、ガス側閉鎖弁39、アキュームレータ31、及びバイパス路33を有している。さらに、室外機3は室外ファン41も有している。
(1−3−1)圧縮機、四路切換弁およびアキュームレータ
圧縮機21は、ガス冷媒を吸入して圧縮する。圧縮機21の吸込口手前には、アキュームレータ31が配置されており、圧縮機21に液冷媒が直に吸い込まれないようになっている。
四路切換弁23は、冷房運転と暖房運転との切換時に、冷媒の流れの方向を切り換える。冷房運転時、四路切換弁23は、圧縮機21の吐出側と室外熱交換器25のガス側とを接続するとともに圧縮機21の吸入側とガス側閉鎖弁39とを接続する。つまり、図1の四路切換弁23内の実線で示された状態である。
また、暖房運転時、四路切換弁23は、圧縮機21の吐出側とガス側閉鎖弁39とを接続するとともに圧縮機21の吸入側と室外熱交換器25のガス側とを接続する。つまり、図1の四路切換弁23内の点線で示された状態である。
(1−3−2)室外熱交換器
室外熱交換器25は、室外空気との熱交換によって内部を流れる冷媒を凝縮又は蒸発させることができる。室外熱交換器25は、クロスフィン型および積層型のいずれでもよいが、本実施形態では積層型熱交換器であり、その容量は室内熱交換器51の容量よりも小さい。
なお、室外ファン41が、この室外熱交換器25に対面するように配置されており、回転することによって室外空気を取り込んで室外熱交換器25に送風し、室外熱交換器25と室外空気との熱交換を促進する。
(1−3−3)気液分離装置
暖房運転時、気液分離装置27に入る直前の冷媒には、膨張弁29を通過するときに発生したガス成分が含まれているが、気液分離装置27に入った後、液冷媒とガス冷媒とに分離され、下部側に液冷媒、上部側にガス冷媒が貯留される。
また、気液分離装置27は、気液分離機能だけでなく、余剰冷媒を収容することもできる。先に述べたように、本実施形態では室外熱交換器25の容量が室内熱交換器51の容量よりも小さくなっている。そのため、例えば、室内熱交換器51が凝縮器として機能する暖房運転時に室内熱交換器51に収容することができる液冷媒量が1100cc、室外熱交換器25が凝縮器として機能する冷房運転時に室外熱交換器25に収容することができる液冷媒量が800ccである場合、冷房運転時に室外熱交換器に収容しきれずに余った液冷媒300ccは、気液分離装置27に一時的に収容される。したがって、気液分離装置27は、レシーバであってもよい。
(1−3−4)膨張弁
膨張弁29は、冷媒圧力や冷媒流量の調節を行うために、気液分離装置27と液側閉鎖弁37の間の配管に接続され、冷房運転時及び暖房運転時のいずれにおいても、冷媒を膨張させる機能を有している。
(1−3−5)バイパス路と流量調整弁
気液分離装置27で分離されたガス冷媒は、バイパス路33を通って圧縮機21の吸い込み側へ流れる。また、気液分離装置27で分離された液冷媒は、室外熱交換器25へ流れる。なお、バイパス路33の途中には、流量調整弁35が接続されている。本実施形態では、流量調整弁35は電動膨張弁である。
(1−3−6)過冷却熱交換器
過冷却熱交換器32は、気液分離装置27と膨張弁29との間を流れる冷媒(以後、主冷媒とよぶ)と、バイパス路33を流れる冷媒(以後、バイパス冷媒とよぶ)との間で熱交換を行わせる。本実施形態では、過冷却熱交換器32は、内側の流路と外側の流路とを有する2重管型熱交換器である。
図2は、過冷却熱交換器の断面図である。図2において、過冷却熱交換器32は、内側の第1流路61と外側の第2流路63とを有するアルミ製の2重管型熱交換器である。第1流路61は、内円筒部71に囲まれた単一流路であり、第2流路63は、内円筒部71と外円筒部73と梁部75とに囲まれた多穴流路である。この過冷却熱交換器32では、主冷媒が第1流路61を流れ、バイパス冷媒が第2流路63を流れるので、主冷媒とバイパス冷媒との間で熱交換が行なわれる。
(1−3−7)閉鎖弁および冷媒連絡配管
液側閉鎖弁37及びガス側閉鎖弁39は、それぞれ、液冷媒連絡配管7及びガス冷媒連絡配管9に接続されている。液冷媒連絡配管7は、室内機5の室内熱交換器51の液側と室外機3の液側閉鎖弁37との間を接続している。ガス冷媒連絡配管9は、室内機5の室内熱交換器51のガス側と室外機3のガス側閉鎖弁39との間を接続している。
その結果、冷房運転時に圧縮機21、室外熱交換器25、膨張弁29および室内熱交換器51の順に冷媒が流れ、暖房運転時に圧縮機21、室内熱交換器51、膨張弁29および室外熱交換器25の順に冷媒が流れる冷凍回路11が形成される。
(2)暖房運転時の冷媒の流れ
図1において、暖房運転時、四路切換弁23は、圧縮機21の吐出側とガス側閉鎖弁39とを接続するとともに圧縮機21の吸入側と室外熱交換器25のガス側とを接続する。また、膨張弁29は開度を絞る。その結果、室外熱交換器25が冷媒の蒸発器として機能し、かつ、室内熱交換器51が冷媒の凝縮器として機能する。
このような状態の冷凍回路11において、低圧の冷媒は、圧縮機21に吸入され、高圧に圧縮された後に吐出される。圧縮機21から吐出された高圧の冷媒は、四路切換弁23、ガス側閉鎖弁39及びガス冷媒連絡配管9を通って、室内熱交換器51に入る。室内熱交換器51に入った高圧の冷媒は、そこで室内空気と熱交換を行って凝縮する。これにより、室内空気は加熱される。
なお、室内熱交換器51の容量は室外熱交換器25の容量より大きいので、暖房運転時ではほとんどの液冷媒が凝縮器(室内熱交換器51)に収容される。室内熱交換器51で凝縮した高圧の冷媒は、液冷媒連絡配管7及び液側閉鎖弁37を通って、膨張弁29に至る。
冷媒は、膨張弁29によって低圧に減圧され、その後、過冷却熱交換器32の第1流路を通って気液分離装置27に入る。気液分離装置27に入る直前の冷媒には、膨張弁29を通過するときに発生したガス成分が含まれているが、気液分離装置27に入った後、液冷媒とガス冷媒とに分離され、下部側に液冷媒、上部側にガス冷媒が貯留される。
気液分離器装置27の上部は、バイパス路33の入口に通じており、ガス冷媒はバイパス路33に入り、過冷却熱交換器32の第2流路63を通って圧縮機21の吸い込み側へ向う。このとき、バイパス路33途中の流量調整弁35はほぼ全開しているので、ガス冷媒は減圧されることがなく、過冷却熱交換器32で主冷媒とバイパス冷媒との熱交換は行われない。
他方、気液分離器装置27で分離された液冷媒は、室外熱交換器25に送られ、そこで、室外ファン41によって供給される室外空気と熱交換を行って蒸発する。なお、ガス冷媒が気液分離装置27で分離された結果、蒸発に寄与しないガス冷媒が室外熱交換器25にほとんど入ってこないので、室外熱交換器25を流れる冷媒量が減り、その分、圧力損失が抑制される。
室外熱交換器25で蒸発した低圧の冷媒は、四路切換弁23を通じて、再び、圧縮機21に吸入される。
(3)冷房運転時の冷媒の流れ
図1において、冷房運転時、四路切換弁23が、圧縮機21の吐出側と室外熱交換器25のガス側とを接続するとともに圧縮機21の吸入側とガス側閉鎖弁39とを接続する。また、膨張弁29は開度を絞る。その結果、室外熱交換器25が冷媒の凝縮器として機能し、且つ、室内熱交換器51が冷媒の蒸発器として機能する。
このような状態の冷媒回路において、低圧の冷媒は、圧縮機21に吸入され、高圧に圧縮され吐出される。圧縮機21から吐出された高圧の冷媒は、四路切換弁23を通じて、室外熱交換器25に送られる。
室外熱交換器25に送られた高圧の冷媒は、そこで室外空気と熱交換を行って凝縮する。室外熱交換器25において凝縮して飽和液となった高圧の冷媒は、気液分離装置27に送られる。なお、室外熱交換器25の容量は室内熱交換器51の容量より小さいので、冷房運転時では室外熱交換器25が全ての液冷媒を収容することができない。それゆえ、室外熱交換器25に収容しきれない液冷媒は気液分離装置27に溜まり、気液分離装置27は液冷媒で満たされる。
気液分離装置27を出た液冷媒は、過冷却熱交換器32の第1流路61を通って膨張弁29に向う。他方、気液分離装置27内の液冷媒の一部はバイパス路33へ流れ、途中の流量調整弁35で減圧された後、過冷却熱交換器32の第2流路63を通って圧縮機21の吸い込み側に向う。このため、過冷却熱交換器32内では、第2流路63を通るバイパス冷媒が蒸発する際に第1流路61を通る主冷媒の熱量の一部を奪うので、主冷媒は冷却されて過冷却液となる。
過冷却液となった冷媒は膨張弁29に送られて低圧に減圧される。膨張弁29で減圧された低圧の冷媒は、液側閉鎖弁37及び液冷媒連絡配管7を通って、室内熱交換器51に入る。
室内熱交換器51に入った低圧の冷媒は、そこで室内空気と熱交換を行って蒸発する。これにより、室内空気は冷却される。室内熱交換器51において蒸発した低圧の冷媒は、ガス冷媒連絡配管9、ガス側閉鎖弁39及び四路切換弁23を通って、再び、圧縮機21に吸入される。
(4)特徴
(4−1)
冷凍回路11では、気液分離装置27が、室外熱交換器25と膨張弁29との間に接続されている。また、過冷却熱交換器32が、気液分離装置27と膨張弁29との間に接続されている。気液分離装置27内の冷媒の一部は、バイパス路33を通って過冷却熱交換器32に流れ、圧縮機21あるいは圧縮機21の吸込側の冷媒配管へ戻る。バイパス路33のうちの気液分離装置27から過冷却熱交換器32に至る区間に流量調整弁35が配置されている。冷房運転時、気液分離装置27内はほぼ液冷媒で満たされ、その一部がバイパス路33に入り流量調整弁35で減圧され過冷却熱交換器32内で蒸発する。この際、気液分離装置27から過冷却熱交換器32内を通って膨張弁29に向う液冷媒が冷却されるので、室外熱交換器25で飽和液となった冷媒はここで冷却され過冷却液となる。
(4−2)
また、暖房運転時、気液分離装置27内では冷媒は液とガスとに分離され、余分なガス冷媒はバイパス路33に入り流量調整弁35で流量調整された後に過冷却熱交換器32内を通過して圧縮機21、或いは、圧縮機21の吸込側の冷媒配管に戻る。その結果、蒸発に寄与しないガス冷媒が室外熱交換器25に入らなくなり、その分、室外熱交換器25を流れる冷媒量が減少し、室外熱交換器25での冷媒の圧力損失が抑制される。
(4−3)
この冷凍回路11では、冷房運転時に液冷媒の一部をバイパスさせるバイパス路33およびそのバイパス路33の液量を調節する流量調整弁35と、暖房運転時に余分なガス冷媒をバイパスさせるバイパス路33およびガス抜き用としてそのバイパス路33に配置される流量調整弁35とが兼用されている。その結果、冷凍回路が簡素化されている。
(4−4)
この冷凍回路11では、気液分離装置27がレシーバであり、レシーバが液冷媒を溜める機能に加えてガス冷媒を分離する機能を担うので、レシーバと気液分離器とを併設する必要がなく冷凍回路が簡素化されている。
(5)変形例
(5−1)第1変形例
ここでは、気液分離装置27がサイクロン式気液分離器である第1変形例について説明する。図3は、サイクロン式気液分離器の簡略断面図である。図3において、サイクロン式気液分離器は、円筒容器271、第1接続管273、第2接続管275、及び第3接続管277を有している。
第1接続管273は、円筒容器271の円周側壁の接線方向に連結されており、円筒容器271の内部と過冷却熱交換器32の第1流路61とを連絡する。第2接続管275は、円筒容器271の底壁に連結されており、円筒容器271の内部と室外熱交換器25とを連絡する。第3接続管277は、円筒容器271の天井壁に連結されており、円筒容器271の内部とバイパス路33とを連絡する。
暖房運転時、膨張弁29で減圧され気液混合状態となった冷媒は、第1接続管273から円筒容器271内に流入し、その円周側壁の内周面271bに沿って渦を巻くように流れ、そのとき、その内周面271bに液冷媒が付着し液冷媒とガス冷媒とが効率よく分離される。
液冷媒は重力によって降下し下部に溜まり、第2接続管275を通って室外熱交換器25に向う。他方、ガス冷媒は旋回しながら上昇し、第3接続管277を通ってバイパス路33へ流れる。
冷房運転時、室外熱交換器25において凝縮して飽和液となった高圧の冷媒は、第2接続管275から円筒容器271内に流入し、円筒容器271は液冷媒で満たされる。液冷媒は、第1接続管273を通って過冷却熱交換器32の第1流路61に向う。他方、円筒容器271内の液冷媒の一部は第3接続管277を通ってバイパス路33へ流れる。
以上のように、第1変形例に係る冷凍回路11では、気液分離装置27がサイクロン式気液分離器であるので、冷媒がサイクロン式気液分離器の内周面271bに沿って旋回する間にその内周面271bに液冷媒が付着し、気液分離が効率よく行われる。
(5−2)第2変形例
例えば、室外熱交換器25が、冷媒が通過する複数の冷媒パスを有している場合、気液分離装置27から室外熱交換器25に向う液冷媒を各冷媒パスへ分流するために、気液分離装置27と室外熱交換器25との間に分流器を配置する必要がある。
そこで、第2変形例では、第1変形例のサイクロン気液分離器の第2接続管275を複数の管で構成することによって、サイクロン式分流器として利用している。つまり、図3の第2接続管275が室外熱交換器25の複数の冷媒パスそれぞれに接続される複数の接続管で構成される。
以上のように、第2変形例に係る冷凍回路11では、気液分離装置27がサイクロン式分流器であり、このサイクロン式分流器が、室外熱交換器25へ冷媒を分配する機能と、バイパス路33へガス冷媒を流す機能とを兼用するので、冷凍回路11が簡素化される。
以上のように、本発明によれば、簡素で高性能な冷凍回路が提供されるので、空気調和装置に限らず、ヒートポンプ式給湯機にも有用である。
11 冷凍回路
21 圧縮機
25 室外熱交換器
27 気液分離装置
29 膨張弁
32 過冷却熱交換器
33 バイパス路
35 流量調整弁(流量調整機構)
51 室内熱交換器
特開平10−54616号公報 特開平8−219587号公報

Claims (4)

  1. 冷房運転時に圧縮機(21)、室外熱交換器(25)、膨張弁(29)および室内熱交換器(51)の順に冷媒が流れ、暖房運転時に前記圧縮機(21)、前記室内熱交換器(51)、前記膨張弁(29)および前記室外熱交換器(25)の順に冷媒が流れる冷凍回路であって、
    前記室外熱交換器(25)と前記膨張弁(29)との間に接続される気液分離装置(27)と、
    前記気液分離装置(27)と前記膨張弁(29)との間に接続される過冷却熱交換器(32)と、
    前記気液分離装置(27)から冷媒の一部を前記過冷却熱交換器(32)に流した後に前記圧縮機(21)あるいは前記圧縮機(21)の吸込側の冷媒配管へ前記冷媒の一部を導く、バイパス路(33)と、
    前記バイパス路(33)のうち前記気液分離装置(27)から前記過冷却熱交換器(32)に至る区間に配置される流量調整機構(35)と、
    を備える冷凍回路(11)。
  2. 前記気液分離装置(27)は、レシーバである、
    請求項1に記載の冷凍回路(11)。
  3. 前記気液分離装置(27)は、サイクロン式気液分離器である、
    請求項1に記載の冷凍回路(11)。
  4. 前記室外熱交換器(25)は、冷媒が通過する複数の冷媒パスを有し、
    前記気液分離装置(27)は、複数の前記冷媒パスそれぞれに冷媒を分配するための接続口と、ガス冷媒を前記バイパス路(27)へ流すための接続口とを有する分流器である、
    請求項1に記載の冷凍回路(11)。
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