JP2012077362A - 熱交換器用銅合金管 - Google Patents

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Abstract

【課題】製造しやすく、1.0mm以下に薄肉化されても耐軟化性にも優れ、曲げ加工性に優れた、薄肉化および高強度化されたSn−P系熱交換器用銅合金管を提供する。
【解決手段】特定組成のSn−P系銅合金管における結晶粒組織を、この銅合金管の軸方向に平行な断面における平均結晶粒径D1と、この銅合金管の軸方向に垂直な断面における平均結晶粒径D2との差D1−D2が少ない、異方性の少ないものとして、銅合金管の肉厚を薄くしても、ろう付けに対する耐軟化性を向上させる。
【選択図】図1

Description

本発明は熱交換器用銅合金管に関するものである。以下の記載では、この「銅合金管」を略して、単に「銅管」ともいう。
エアコンなどの熱交換器は、周知の通り、主として、ヘアピン状に曲げ加工したU字形銅管と、アルミニウム又はアルミニウム合金板からなるフィン(以下、アルミニウムフィンという)とから構成される。すなわち、熱交換器の伝熱部は、U字形に曲げ加工した銅管を、アルミニウムフィンの貫通孔に通し、U字形銅管内に治具を挿入して拡管することにより、銅管とアルミニウムフィンとを密着させる。そして、更に、このU字形銅管の開放端を拡管(フレア加工)して、この拡管開放端部に、同じくU字形に曲げ加工したベンド銅管を挿入し、りん銅ろう等のろう材により、ベンド銅管を銅管の拡管開放端部にろう付けすることにより接続して、熱交換器が製作される。
このため、熱交換器に使用される銅管には、加工性(曲げ、拡管・フレア、縮管・絞りなど)及びろう付け性が良好であることが要求される。従って、これらの特性が良好であり、更に熱伝導率が良く、適切な強度を有するりん脱酸銅が広く使用されている。
近年、熱交換器に使用する冷媒が、地球環境保護の点より、大きく変化してきた。これまで、エアコンなどの熱交換器に使用されてきた、R22などのHCFC(ハイドロクロロフルオロカーボン)系フロンは、オゾン破壊係数が大きいことから、その値が小さいHFC(ハイドロフルオロカーボン)系フロンに代替されるようになってきた。また、給湯器、自動車用空調機器、自動販売機などに使用される熱交換器には、自然冷媒である二酸化炭素が使用されるようになってきた。これらの新たに採用された冷媒の運転圧力は、従来の冷媒R22の1.6乃至6倍程度に増大している。
これら運転圧力の増大の一方で、銅地金高騰に伴う銅管コスト増大を抑制すべく、銅使用量低減のための銅管薄肉化の要求も強くなっている。これに対しては、使用される銅管の引張り強さが大きいほど肉厚を薄くできる。しかし、従来のりん脱酸銅管では引張り強さが小さいことから、前記運転圧力の増大に対応するには、管の肉厚を逆に厚くする必要があり、例えば0.5mm以下には肉厚を薄くできない。
また、熱交換器の組立の際、ろう付け部は800℃以上の温度に数秒乃至数十秒間加熱されるため、ろう付け部及びその近傍ではその他の部分に比べて結晶粒が粗大化し、軟化により強度が低下した状態となってしまうことからも、従来のりん脱酸銅管では、肉厚をより厚くする必要がある。このように、りん脱酸銅では、運転圧力の増大や銅管薄肉化の要求にとても対応できず、りん脱酸銅に代わって、これらの要求に対応できる銅管が強く要望されることになる。
このような要望に応えるべく、りん脱酸銅に替えて、より強度が高いSn−P系銅合金からなる銅管(以下、Sn−P系銅管あるいはSn−P系銅合金管と言う)が従来から種々提案されている。このSn−P系銅管は、基本的に、Sn:0.1〜1.0%、P:0.005〜0.1%を含有し、OやHなどの不純物を規制し、Znを選択的に添加した銅合金組成からなる。また、その銅管組織として、例えば平均結晶粒径を30μm以下とした、微細な結晶粒径からなること基本である(特許文献1、2、3、4参照)。
このSn−P系銅管において、Goss方位の集積率などの集合組織を制御して、周方向の強度と伸びのバランスを適正に制御し、破壊圧力を向上させる方法も開示されている(特許文献5参照)。更に、破壊強度と引張強さ(破壊強度/引張強さ)の比を、りん脱酸銅よりも大きくすることで、高い破壊圧力と良好な曲げ加工性を兼備した銅管も提案されている(特許文献6参照)。
また、Sn−P系銅管の破壊強度および曲げ加工性ともに優れさせるために、平均結晶粒径の2倍以上の粗大な結晶粒の数を規制することも、特許文献7で提案されている。この特許文献7では、Sn−P系銅合金管を0.5mm以下に薄肉化した場合の、曲げ半径が小さい厳しいU字曲げ加工における割れの原因となる、前記粗大な結晶粒を規制したものである。
ただ、りん脱酸銅管よりも強度が高く、前記薄肉化の要望に応えたSn−P系銅管であっても、前記熱交換器組立の際のろう付けで、800℃以上の高温にさらされ、結晶粒が粗大化して、軟化や強度低下が起こる問題は、りん脱酸銅と同様に、やはり避けがたい。したがって、例えSn−P系銅管であっても、このろう付けによる軟化の問題については、なお改善の余地があった。
このため、この軟化抑制を課題としたSn−P系銅管も従来から提案されており、特許文献8などでは、Pを銅合金管マトリックス中に一定量固溶させ、ろう付けによって結晶粒が粗大化しても、Pの固溶強化によって伝熱管の強度低下を抑制している。
特開2000−199023号公報 特許第3794971号公報 特開2004−292917号公報 特開2006−274313号公報 特開2009−102690号公報 特開2008−174785号公報 特開2010−65270号公報 特開2009−270166号公報
ただ、前記ろう付け時の耐軟化性の向上につき、前記特許文献8のようなPの固溶強化による手段では、Pを固溶させること自体が難しい。すなわち、Pを固溶させるためには、鋳造におけるビレット(鋳塊)の急冷、熱間押出後の急冷、最終焼鈍後の急冷など、Sn−P系銅管製造の際の、各熱処理工程における冷却速度の制御(急冷)が必要である。これらの冷却速度が遅いと、Pの析出物が増して粗大化し、P固溶量の規定を満足できなくなる可能性が高くなる。
したがって、冶金的に銅管のろう付け時の耐軟化性を向上させるにしても、改善された銅管をできるだけ製造しやすい、現実的な改善方法が求められる。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであって、製造しやすく、耐軟化性を向上させ、併せて破壊強度および曲げ加工性に優れた熱交換器用Sn−P系銅合金管を提供することを目的とする。
上記目的のための、本発明の熱交換器用銅合金管の要旨は、Sn:0.1〜3.0質量%、P:0.005〜0.1質量%を含有し、残部がCu及び不可避的不純物からなる組成を有する銅合金管であって、この銅合金管組織が、SEM−EBSP法による測定結果で、この銅合金管の軸方向に平行な断面における平均結晶粒径D1が20μm以下であるとともに、このD1と前記銅合金管の軸方向に垂直な断面における平均結晶粒径D2との差D1−D2が3μm以下(0μmを含む)であることとする。
本発明者らは、Sn−P系銅合金管組織の結晶粒につき、改めて、前記ろう付け前後での強度変化(強度低下)が小さい、耐軟化性に与える影響を研究した。この結果、従来問題としている結晶粒径の大きさだけではなく、銅管の部位による(あるいは断面方向の違いによる)結晶粒の大きさの違い、すなわち結晶粒径の異方性が、大きく耐軟化性に影響することを知見した。
本発明者らは、この結晶粒径の異方性の基準として、銅合金管の軸方向に平行な(方向の)断面における平均結晶粒径D1と、この銅合金管の軸方向に垂直な(方向の)断面における平均結晶粒径D2とを選択した。銅合金管のこのD1とD2との差「D1−D2」は、「アスペクト比や扁平度あるいは真円度」のような、同じ結晶粒での縦横の長さの比ではない。すなわち、圧延や抽伸方向に平行で、結晶粒が伸長しやすい、銅合金管の軸方向に平行な断面と、この軸方向に垂直な断面との、管の断面方向が違う、相異なる部位同士の平均結晶粒径の差である。このD1とD2との差D1−D2が無いか小さく、銅管の部位(断面方向)による平均結晶粒径の異方性が小さいものほど、耐軟化性が向上することを知見したからである。これに対して、このD1とD2との差が大きく、銅管の部位による平均結晶粒径の異方性が大きいものほど、例え微細な結晶粒であっても、耐軟化性が劣る。
このような結晶粒径の異方性が発生する原因は、薄肉化されたSn−P系銅合金管の製造方法(条件)による影響が大きい。通常、熱交換器用の銅合金管は、熱間押出後に圧延および抽伸により減面されて薄肉化されるが、前記した薄肉化の要求によって、銅管を例えば1.0mm以下に薄くする場合には、その圧延および抽伸における減面率は95%以上となる。このような大きな減面率では、これらの圧延工程や抽伸工程で大きなひずみが銅管に導入される。
しかも、生産効率の点から、通常は、前記抽伸加工途中では、中間焼鈍を入れることが無いのが常識的で、この大きなひずみが導入されたまま(大きなひずみが開放されないまま)、最終焼鈍工程に持ち越される。
Sn−P系銅合金管は、その製造工程における最終の焼鈍により、通常は、回復により圧延でのひずみが連続的に開放されて生じた(回復によりひずみが開放されて生じた)結晶粒と、再結晶核の生成によるひずみのない結晶粒との二種類が両方生成した(混在した)組織となる。再結晶核の生成によるひずみのない結晶粒は、最終焼鈍前の結晶粒界から生成する。このため最終焼鈍前の結晶粒径が小さいほど、最終焼鈍後の再結晶核の生成によるひずみのない結晶粒は多くなる。従来の最終焼鈍前の結晶粒径は、熱間押出後の結晶粒径に対応するため、非常に大きく、前記回復によりひずみが開放されて生じた結晶粒が主体の組織となりやすい。
しかし、このような、回復によりひずみが開放されて生じた結晶粒は、圧延方向や抽伸方向、すなわち、銅管の軸方向に伸長した結晶粒であり、前記した再結晶核の生成によるひずみのない、等軸な結晶粒と比較すると、転位密度が非常に高い。このため、従来の最終焼鈍を経たSn−P系銅合金管のように、回復によりひずみが開放されて生じた結晶粒が多くなると、再結晶核の生成によるひずみのない結晶粒が少なく、転位密度が高くなり、強度や加工性が劣ることになると考えられる。
このような知見に基づき、本発明では、回復によりひずみが開放されて生じた結晶粒を少なくする一方で、再結晶核の生成によるひずみのない結晶粒を多くして結晶粒径の異方性を小さくし、先ず、転位密度を低くして、強度や加工性を向上させる。
また、回復によりひずみが開放されて生じた結晶粒は、前記ろう付け時の高温加熱時に、再結晶核の生成によるひずみのない結晶粒よりも、優先的に成長して粗大化する性質を有する。このため、銅管組織にこの回復によりひずみが開放されて生じた結晶粒が多いと、すなわち、結晶粒径の異方性が大きいと、前記ろう付け後の結晶粒径が著しく粗大化して、ろう付け後の強度や破壊圧力=耐軟化性が低下してしまう。
これに対して、本発明では、回復によりひずみが開放されて生じた結晶粒を少なくする一方で、再結晶核の生成によるひずみのない結晶粒を多くして結晶粒径の異方性を小さくし、前記ろう付け時の高温加熱時における結晶粒の成長を抑制して、耐軟化性を向上させる。
このように、従来のSn−P系銅合金管は、その製造方法からして、本発明で規定する前記D1とD2との差が3μmを超えた結晶粒径の異方性となりやく、このため、特に耐軟化性が劣っていたものである。ちなみに、本発明のように、回復により生じた結晶粒を少なくし、再結晶核の生成によるひずみのない結晶粒を多くするためには、抽伸加工途中で中間焼鈍を加えるなどすればよく、工程的に難しいものでは決してない。
したがって、本発明によれば、製造しやすく、1.0mm以下に薄肉化されても、耐軟化性を向上させ、併せて破壊強度および曲げ加工性に優れた熱交換器用Sn−P系銅合金管を提供することができる。
銅合金管の軸方向に平行な断面の平均結晶粒径D1と、軸方向に垂直な断面の平均結晶粒径D2を示す説明図である。 実施例表1の発明例1の結晶粒組織を示す図面代用写真である。 実施例表1の比較例7の結晶粒組織を示す図面代用写真である。 実施例表1の比較例2の結晶粒組織を示す図面代用写真である。 実施例表1の比較例1の結晶粒組織を示す図面代用写真である。
以下に、本発明の実施の形態につき、要件ごとに順に具体的に説明する。
銅合金組成:
本発明における銅管の銅合金組成は、銅合金管に要求される、耐軟化性、破壊強度および曲げ加工性などの諸特性に優れさせるための基本組成として、Sn:0.1〜3.0質量%、P:0.005〜0.1質量%を含有し、残部がCu及び不可避的不純物からなる組成とする。次ぎに、添加元素の添加理由及び組成限定理由などについて説明するが、記載含有量は全て質量%である。
P:0.005〜0.1質量%:
Sn、Pをともに含有するSn−P系銅管では、P含有量が0.1質量%を超えると、熱間押出時に割れが生じやすくなり、応力腐食割れ感受性が高くなると共に、熱伝導率の低下が大きくなる。また、P含有量が0.005質量%未満であると、脱酸不足により酸素量が増加してSnの酸化物が発生し、鋳塊の健全性が低下し、銅管として曲げ加工性が低下する。したがって、P含有量の範囲は0.005〜0.1質量%の範囲とする。
Sn:0.1〜3.0質量%:
Snは、Sn−P系銅管の引張り強さを向上させ、結晶粒の粗大化を抑制させる効果を有し、種々の冷媒を使用する伝熱管の銅合金中に含有させた場合、りん脱酸銅管に比べて管の肉厚を薄くすることが可能になる。また、Snは積層欠陥エネルギーを低下させるため、ひずみが蓄積しやすく、抽伸加工途中の中間焼鈍や最終焼鈍などで、回復により生じる結晶粒を少なくし、再結晶核の生成によるひずみのない結晶粒を多くして、結晶粒の真円度を高める作用がある。
Snが少なすぎると、最終焼鈍後後に、細かく真円度を高め結晶粒径を得ることができなくなり、ろう付け後の十分な引張強さや、耐軟化性を得ることができなくなる。一方、銅管のSn含有量が多すぎると、鋳塊における凝固偏析が激しくなり、通常の熱間押出及び/又は加工熱処理により偏析が完全に解消しないことがあり、銅管の金属組織、機械的性質、曲げ加工性、ろう付け後の組織及び機械的性質が不均一となる。また、押出圧力が高くなり、Sn含有量が2質量%以下の銅合金と、同一の押出圧力で押出成形するためには、押出温度を上げることが必要になり、それにより押出材の表面酸化が増加し、生産性の低下及び銅管の表面欠陥が増加する。したがって、Sn含有量の範囲は0.1〜3.0質量%の範囲とする。
Zn:0.01〜1.0質量%:
前記Sn−P系銅管やP系銅管では、共通して、Znを選択的に含有することにより、銅管の熱伝導率を大きく低下させることなく、強度、耐軟化性及び疲れ強さを向上させることができる。また、Znの含有により、冷間圧延、抽伸及び転造等に用いる工具の磨耗を低減させることができ、抽伸プラグ及び溝付プラグ等の寿命を延命させる効果があり、生産コストの低減に寄与する。Znの含有量が少なすぎると、これらの効果が十分得られなくなる。一方、Znの含有量が多すぎると、管の長手方向や管円周方向の引張強さが却って低下し、破壊強度が低下する。また、応力腐食割れ感受性も高くなる。従って、選択的に含有させる場合のZnの含有量は0.001〜1.0質量%とする。
Fe、Ni、Mn、Mg、Cr、Ti、Zr及びAg:
Sn−P系銅管では、Fe、Ni、Mn、Mg、Cr、Ti、Zr、Agからなる群から選択された1種または2種以上を選択的に含有することにより、共通して、銅合金の強度、耐圧破壊強度、及び耐軟化性を向上させ、結晶粒を微細化して曲げ加工性を改善することができる。ただ、これら元素の中から選択する1種または2種以上の元素の含有量が合計で0.07質量%を超えると、押出圧力が上昇するため、これらの元素を添加しないものと同一の押出力で押出を行おうとすると、熱間押出温度を上げることが必要になる。これにより、押出材の表面酸化が多くなるため、本発明の銅管において表面欠陥が多発し、特に薄肉化された銅管の伝熱管としての破壊強度を向上できない。このため、選択的に含有させる場合には、Fe、Ni、Mn、Mg、Cr、Ti、Zr、Zr及びAgからなる群から選択された1種または2種以上の元素を、含有する元素の合計の含有量で0.07質量%未満(但し0質量%を含まず)とする。前記含有量は、0.05質量%未満とすることが望ましく、0.03質量%未満とすることがより望ましい。
不純物:
その他の元素は不純物であり、Sn−P系銅管の、特に薄肉化された銅管の伝熱管としての破壊強度を向上させるために、含有量は極力少ない方が好ましい。しかし、これら不純物を低減するためのコストとの兼ね合いもあり、以下に、代表的な不純物元素の現実的な許容量(上限量)を示す。
S:
Sn−P系銅管で、SはCuと化合物を形成して母相中に存在する。原料として用いる低品位銅地金、スクラップ等の配合割合が増加すると、Sの含有量が増える。Sは鋳塊時の鋳塊割れや熱間押出割れを助長する。また、押出材を冷間圧延したり、抽伸加工すると、Cu-S化合物が管の軸方向に伸張し、銅合金母相とCu−S化合物の界面で割れが発生しやすくなる。このため、加工中の半製品及び加工後の製品において、表面疵や割れ等になりやすく、特に薄肉化された銅管の伝熱管としての破壊強度を低下させる。また、管の曲げ加工を行う際、割れ発生の起点となり、曲げ部で割れが発生する頻度が高くなる。したがって、S含有量は0.005質量%以下、望ましくは0.003質量%以下、更に望ましくは0.0015質量%以下にする。S含有量を減らすためには、低品位のCu地金及びスクラップの使用量を少なくし、溶解雰囲気のSOxガスを低減し、適正な炉材を選定し、Mg及びCa等のSと親和性が強い元素を溶湯に微量添加する等の対策が有効である。
As、Bi、Sb、Pb、Se、Te等:
Sn−P系銅管では、S以外の不純物元素As、Bi、Sb、Pb、Se、Te等についても同様に、鋳塊、熱間押出材、及び冷間加工材の健全性を低下させ、特に薄肉化された銅管の伝熱管としての破壊強度を低下させる。したがって、これらの元素の合計含有量(総量)は0.0015質量%以下、望ましくは0.0010質量%以下、更に望ましくは0.0005質量%以下とすることが好ましい。
O:
Sn−P系銅管では、Oの含有量が0.005質量%を超えると、Cu又はSnの酸化物が鋳塊に巻き込まれ、鋳塊の健全性が低下し、特に薄肉化された銅管の伝熱管としての破壊強度を低下させる。このため、Oの含有量は好ましくは0.005質量%以下とすることが好ましい。曲げ加工性をより改善するには、Oの含有量を0.003質量%以下とすることが望ましく、0.0015質量%以下とすることが更に望ましい。
H:
Sn−P系銅管では、溶解鋳造時に溶湯に取り込まれる水素(H)が多くなると、凝固時に固溶量が減少した水素が鋳塊の粒界に析出し、多数のピンホールを形成し、熱間押出時に割れを発生させる。また、押出後も圧延及び抽伸加工した銅管を焼鈍すると、焼鈍時にHが粒界に濃縮し、これに起因して膨れが発生しやすくなり、特に薄肉化された銅管の伝熱管としての破壊強度を低下させる。このため、Hの含有量を0.0002質量%以下とすることが好ましい。製品歩留りも含めて、破壊強度をより向上させるには、Hの含有量を0.0001質量%以下とすることが望ましい。なお、Hの含有量を低減するには、溶解鋳造時の原料の乾燥、溶湯被覆木炭の赤熱、溶湯と接触する雰囲気の露点の低下、りん添加前の溶湯を酸化気味にする等の対策が有効である。
銅管結晶粒組織:
本発明銅合金管の結晶粒組織は、SEM−EBSP法による測定結果で、銅合金管の軸方向に平行な方向の断面における平均結晶粒径D1を20μm以下とするとともに、このD1と、前記銅合金管の軸方向に垂直な方向の断面における平均結晶粒径D2との差D1−D2を3μm以下(0μmを含む)とする。
図1の右側に、銅合金管(銅管)の、一点鎖線で示す銅合金管の軸方向に平行な(方向の)断面の平均結晶粒径D1の例を示す。図1の左側に、銅合金管(銅管)の、一点鎖線で示す銅合金管の軸方向に垂直な(方向の)断面の平均結晶粒径D2の例を示す。これらに各々記載している四角の枠は、後述するSEM−EBSP法による、ピンポイントではない、枠の幅(短辺)=銅管肉厚mm×枠の長さ(長辺)=1.5mmの広範な測定範囲(領域) を示している。したがって、本発明の平均結晶粒径の規定は、光学顕微鏡などによる局部的あるいはピンポイントの測定に比して、銅管の平均結晶粒径特性をより正確に反映しているものである。
(平均結晶粒径)
銅管組織において結晶粒径が小さいほど、破壊強度と曲げ加工性バランスが向上することが知られている。本発明でも、この機構を利用して、後述する結晶粒の異方性と共に、平均結晶粒径の前記D1やD2を微細化する。すなわち、後述するSEM−EBSP法による測定結果で、Sn−P系銅管組織の銅合金管の軸方向に平行な(方向の)断面における前記平均結晶粒径D1の方を基準として、20μm以下に微細化し、破壊強度と曲げ加工性とのバランスを向上させる。
因みに、銅管の厚みが比較的厚い場合には、平均結晶粒径は、破壊強度と曲げ加工性バランスにあまり影響ない。しかし、軽量化、薄肉化の要求により、伝熱管の厚みが特に1.0mm以下に薄肉化された場合には、この結晶粒径の大きさの破壊強度と曲げ加工性バランスへの影響が著しく大きくなる。平均結晶粒径が前記上限を超えて大き過ぎると、伝熱管に加わる引張力によって亀裂が発生する際の「ひずみの集中」を避けることができず、伝熱管に亀裂が生じやすくなる。このため、前記した運転圧力が高い代替冷媒を用いた熱交換器用銅管を使用したときの信頼性が低下する。また、結晶粒径が粗大化すると、銅管を曲げ加工したときに、曲げ部に割れが発生しやすくなる問題も生じる。
更に、銅管が熱交換器に加工されたとき、800℃以上の高温にさらされる、ろう付けによる熱影響を受けて、伝熱管の加熱された部分の結晶粒径は必ず粗大化する。これに対して、予め銅管の平均結晶粒径を前記した範囲に微細化させていないと、粗大化によって平均結晶粒径が100μmを超える可能性が高くなるり、ろう付け部において耐圧強度の低下が大きくなり、耐軟化性が低下する。
(結晶粒の異方性)
銅合金管の軸方向に平行な(方向の)断面における平均結晶粒径D1と、この銅合金管の軸方向に垂直な(方向の)断面における平均結晶粒径D2との差D1−D2が無い(0μm)か、3μm以下と小さいほど、銅管の部位(断面方向)による平均結晶粒径の異方性が小さく、耐軟化性が向上する。したがって、本発明では、銅合金管の軸方向に平行な断面の平均結晶粒径D1を前記20μm以下に微細化させた上に、更に、このD1とD2との差D1−D2を3μm以下(0μm)と規定する。
ここで、銅合金管のこのD1とD2との差「D1−D2」は、前記した通り、通常用いられる「アスペクト比や扁平度あるいは真円度」のような、同じ結晶粒での縦横の長さの比ではない。すなわち、圧延や抽伸方向に平行で、結晶粒が伸長しやすい、銅合金管の軸方向に平行な断面と、この軸方向に垂直な断面との、管の断面方向が違う、相異なる部位同士の平均結晶粒径の比較である。したがって、本発明では管の部位(あるいは断面方向)による結晶粒の異方性と表現している。
なお、通常の製法では、圧延や抽伸方向に平行で、結晶粒が伸長しやすい平均結晶粒径D1の方が、平均結晶粒径D2よりも必然的に大きくなり、このD1とD2との差「D1−D2」がマイナスとなることは無い。ただ、本発明では、結晶粒径の異方性が小さい銅管として、このD1とD2との差「D1−D2」が例えマイナスとなった場合(D1<D2の場合)でも、規定する3μm以下を絶対値と解して、範囲に含みうる。
前記した通り、このD1とD2との差D1−D2は、銅合金管の軸方向に平行な方向の結晶粒径と、銅合金管の軸方向に垂直な方向の結晶粒径との差、すなわち結晶粒径の異方性を表す。すなわち、この差D1−D2が小さいほど、銅合金管の組織が、再結晶核の生成によるひずみのない等軸な結晶粒が主体となった結晶組織であることを示す。このような再結晶核の生成によるひずみのない等軸な結晶粒が主体となった結晶組織は、転位密度が非常に低く、強度や加工性が優れる。このため、銅管の肉厚を薄くしても、引張強さをそれほど大きくせずに、所定の破壊強度を確保することが可能になり、この引張強さの余裕分だけ、管の曲げ加工性を向上することができる。また、再結晶核の生成によるひずみのない等軸な結晶粒が多いほど、前記ろう付け時に、銅合金管組織の結晶粒の成長が抑制され、耐軟化性が優れる。
これに対して、この差D1−D2が3μmを超えて大きくなるほど、銅合金管の組織が、回復によりひずみが開放されて生じた結晶粒、すなわち、圧延方向や抽伸方向の、銅管の軸方向に伸長した結晶粒が主体となった結晶組織であることを示す。この差D1−D2が3μmを超えた場合には、回復によりひずみが開放されて生じた結晶粒が多くなるとともに、逆に、再結晶核の生成によるひずみのない結晶粒が少なくなっている証拠である。
このような組織は、銅合金管組織の転位密度が高く、局所的なひずみが発生しやすくなり、破壊強度と引張強さの比が低くなり、破壊強度と曲げ加工性のバランスが低下してしまう。また、回復によりひずみが連続的に開放した結晶粒は、前記ろう付け時の高温加熱時に、再結晶核の生成によるひずみのない結晶粒よりも、優先的に成長してしまう性質を有する。このため、この結晶粒が多く、前記差D1−D2が3μmを超えて大きくなるほど、前記ろう付け後の結晶粒径が著しく大きくなってしまい、ろう付け後の強度や破壊圧力などの耐軟化性が低下してしまうこととなる。
このように、結晶粒径の微細化だけでなく、この微細な結晶粒自体の由来や形状、あるいは微細な結晶粒の異方性が、大きく耐軟化性に影響する。回復によりひずみが開放されて生じた結晶粒、すなわち、圧延方向や抽伸方向の銅管の軸方向に伸長した結晶粒が主体では、例え、それが微細な結晶粒であっても、強度や加工性だけでなく、特に、耐軟化性が向上しない。
結晶粒の制御方法:
本発明で規定するように銅管組織の結晶粒を制御するためには、回復により生じた結晶粒を少なくし、再結晶核の生成によるひずみのない結晶粒を多くする必要がある。このためには、抽伸加工途中で、通常は行わない、中間焼鈍を入れて、この中間焼鈍により一度再結晶させ、結晶粒径を小さくしてから、最終焼鈍すれば良い。本発明によれば、このように、1.0mm以下に薄肉化されても、耐軟化性を向上させ、併せて破壊強度および曲げ加工性に優れた熱交換器用Sn−P系銅合金管を製造しやすい利点もある。
これに対して、通常の熱交換器用の薄肉の銅合金管は、1.0mm以下に薄肉化される際に、熱間押出後の圧延および抽伸工程で、95%以上の減面率で加工されるため、これら圧延工程や抽伸工程で大きなひずみが導入される。しかも、生産効率の点から、通常は、前記抽伸加工途中では、中間焼鈍を入れることが無いので、結晶粒径が大きいまま、最終焼鈍工程に持ち越される。このため、従来のSn−P系銅合金管の最終焼鈍工程で生成する結晶粒は、必然的に、ひずみが連続的に開放して生じた結晶粒の方が生成しやすい。したがって、従来のSn−P系銅合金管は、前記D1−D2が3μmを超えやすく、このため、特に耐軟化性が劣っていたものである。
平均結晶粒径の測定方法:
前記平均結晶粒径D1、D2は、電界放出型走査電子顕微鏡(Field Emission Scanning Electron Microscope:FESEM)に、後方散乱電子回折像[EBSP: ElectronBack Scattering (Scattered) Pattern]システムを搭載した結晶方位解析法を用いて、各々測定する。この際、前記した通り、図1に各々記載している四角の枠内の広範な測定範囲(領域) を各々測定している。ただ、これらD1、D2との測定位置は必ずしも、互いに銅管での同じ長さ位置(部位)で測定する必要はなく、銅管の長手方向での位置(部位)が互いに異なっても、あるいは互いに大きく離れても、銅管の材質は均一であるので差し支えない。ただ、この点、製造される銅管の長手方向の両端部だけは避けることが好ましい。
上記EBSP法は、FESEM の鏡筒内にセットした試料に電子線を照射してスクリーン上にEBSPを投影する。これを高感度カメラで撮影して、コンピュータに画像として取り込む。コンピュータでは、この画像を解析して、既知の結晶系を用いたシミュレーションによるパターンとの比較によって、結晶の方位が決定される。算出された結晶の方位は3次元オイラー角として、位置座標(x、y)などとともに記録される。このプロセスが全測定点に対して自動的に行なわれるので、測定終了時には数万〜数十万点の結晶方位データが得られる
ここで、通常の銅合金の板の場合、主に、Cube方位、Goss方位、Brass方位、Copper方位、S方位等と呼ばれる多くの方位因子からなる集合組織を形成し、それらに応じた結晶面が存在する。これらの事実は、例えば、長島晋一編著、「集合組織」(丸善株式会社刊)や軽金属学会「軽金属」解説Vol.43、1993、P285-293などの記載されている。本発明銅管は押出・圧延・抽伸によって製造されるが、この場合も、前記圧延による板材の集合組織の場合と同様に、押出素管の押出面と押出方向(押出素管を圧延加工する場合は圧延面と圧延方向)で表され、押出面は{ABC}で表現され、押出方向は<DEF>で表現される。
本発明においては、基本的に、これらの結晶面から±15°以内の方位のずれのものは同一の結晶面(方位因子)に属するものとし、また、隣り合う結晶粒の方位差が5°以上の結晶粒の境界を結晶粒界と定義する。
その上で、本発明においては、測定エリア、管軸方向1000×管周方向800μmに対して1.0μmのピッチで電子線を照射し、図1に各々記載している四角の枠内の広範な測定範囲(領域) を各々測定する。その上で、上記結晶方位解析法により測定した結晶粒の数をn、それぞれの測定した結晶粒径をxとした時、上記平均結晶粒径を(Σx)/nで算出する。
銅管の製造方法:
本発明銅管の製造方法について、平滑管の場合を例として以下に説明する。本発明のSn−P系銅管は、基本的な工程自体は常法により製造可能であるが、銅管の結晶粒組織を前記した真円状の結晶粒とするためには、抽伸工程において中間焼鈍を特に施す必要がある。以下に、各工程を具体的に説明する。
先ず、原料の電気銅を木炭被覆の状態で溶解し、銅が溶解した後、所定のSn−P系銅合金組成となるように、合金元素を所定量添加する。この際、脱酸を兼ねてCu−15質量%P中間合金としてPを添加することが好ましい。また、Sn−P系銅合金では、Sn及びCu−P母合金の替わりに、Cu−Sn−Pの母合金を使用することもできる。これらの成分調整が終了した後、半連続鋳造により所定の寸法のビレットを作製する。得られたビレットを加熱炉で加熱し、均質化処理を行なう。なお、熱間押出前に、ビレットを750乃至950℃に1分乃至2時間程度保持して均質化による偏析改善を行うことが望ましい。
その後、ビレットにピアシングによる穿孔加工を行い、750乃至950℃で熱間押出を行う。この際、Sn−P系銅管のSnの偏析解消や製品管における組織の微細化の達成が必要である。そのために、Sn−P系銅管の熱間押出による断面減少率([穿孔されたビレットのドーナツ状の面積−熱間押出後の素管の断面積]/[穿孔されたビレットのドーナツ状の面積]×100%)を88%以上、望ましくは93%以上とし、更に熱間押出後の素管を水冷等の方法により、表面温度が300℃になるまでの冷却速度が10℃/秒以上、望ましくは15℃/秒以上、更に望ましくは20℃/秒以上となるように冷却することが好ましい。
次に、押出素管に圧延加工を行ない、外径と肉厚を低減させる。このときの加工率を断面減少率で92%以下とすることにより、圧延時の製品不良を低減できる。この圧延素管に抽伸加工を行なって所定の寸法および肉厚の素管を製造する。この抽伸加工の際に、肉厚を1.0mm以下に薄肉化する場合には、合計加工率を、断面減少率で95%以上とする。この際、抽伸加工は通常複数台の抽伸機を用いて行うが、各抽伸機による加工率(断面減少率)を35%以下とすることにより、素管における表面欠陥及び内部割れを低減できる。
この抽伸加工の途中あるいは後で、中間焼鈍を400℃以上、700℃以下の温度範囲で2分〜1時間行う。中間焼鈍温度が300℃よりも低いと、中間焼鈍工程で再結晶が生じず、結晶粒径が大きいまま最終焼鈍工程に持ち越される。このため、従来のSn−P系銅合金管同様に、最終焼鈍工程で生成する結晶粒は、ひずみが連続的に開放して生じた結晶粒の方が生成しやすくなり、前記D1−D2が3μmを超えた伸長粒となりやく、耐軟化性が劣ることとなる。
一方、中間焼鈍温度が700℃以上では、結晶粒径が粗大となり、破壊圧力の換算応力が230MPa以下と低くなりすぎる。
この中間焼鈍後、更に、抽伸加工を行って平滑管を製作するが、この中間焼鈍後の断面減面率は35%以上80%以下とする。減面率が35%よりも低いと、蓄積ひずみ量が逆に小さすぎ、再結晶核の生成に必要な駆動力を高められない。このため、その後の最終焼鈍で、再結晶核の生成によるひずみのない等軸な結晶粒が生成しにくくなり、やはり前記D1−D2が3μmを超えた伸長粒となりやく、耐軟化性が劣ることとなる。一方、減面率が80%を超えて高すぎると、最終の銅管の外径が小さくなりすぎ、また銅管の肉厚が薄くなりすぎてしまい、冷媒の内圧に耐えられなくなってしまう。
また、この中間焼鈍の昇温の際に、300〜400℃の範囲の昇温速度は150℃/分以上に速めることが好ましい。この温度範囲では、回復による転位密度の減少が顕著であり、昇温速度を大きくして、なるべく回復を生じさせないことが重要である。一方、400℃以上では再結晶核の生成が生じ始めるため、この温度以上では、昇温速度が結晶粒のバラツキに与える影響は小さく、速める必要はない。中間焼鈍の使用加熱炉はインダクションヒーターを用い、設定温度を高温にし、保持時間を短時間とすることで、前記300〜400℃の範囲の昇温速度を大きくできる。
この抽伸工程の後、抽伸素管に最終の焼鈍処理を行う。銅管を連続的に焼鈍するには、銅管コイル等の焼鈍に通常使用されるローラーハース炉、又は高周波誘導コイルに通電しながら、抽伸素管を前記コイル内に通す、高周波誘導コイルによる加熱を利用することができる。
ローラーハース炉によって、本発明の銅管を製造するには、抽伸素管の実体温度が350乃至700℃となり、その温度で抽伸素管が1分乃至120分間程度加熱されるように焼鈍することが望ましい。抽伸素管の実体温度が350℃より低いと完全な再結晶組織にならず、繊維状の加工組織が残存し、需要家における曲げ加工が困難になる。また、700℃を超える温度では、結晶粒が粗大化し、管の曲げ加工性が却って低下してしまう。したがって、抽伸管の実体温度が350乃至700℃の範囲で焼鈍することが望ましい。
また、この温度範囲における加熱時間が1分より短いと、完全な再結晶組織にならないため、前記した問題が発生する。また、120分を超えて焼鈍を行っても、結晶粒径に変化がなく、焼鈍の効果は飽和してしまうため、効率が悪い。このため、前記温度範囲における加熱時間は1分乃至120分が適当である。
以上が平滑管の製造方法であるが、このように最終焼鈍した平滑管に、必要に応じて各種加工率の抽伸加工を行い、引張り強さを向上させた加工管としてもよい。内面溝付管の場合は平滑管に溝付転造加工を行い、内面溝付管を製造した後、更に最終の焼鈍を行う。また、このように焼鈍した内面溝付管に、必要に応じて軽加工率の抽伸加工を行い、引張り強さを向上させてもよい。
以下、本発明の実施例について説明する。表1に示す種々の化学組成や、表2に示す製造条件(抽伸における中間焼鈍の有無)とし、結晶粒組織を異なせた種々のSn−P系銅管を、平滑管として製造した。
この銅合金管の軸方向に平行な断面における平均結晶粒径D1、軸方向に垂直な断面における平均結晶粒径D2を、各々前記SEM−EBSP法により測定し、このD1とD2との差D1−D2(μm)も求めた。そして、これら銅管の引張強さ、破壊強度、曲げ加工性についても測定、評価した。これらの結果も表1に示す。これらSn−P系銅管(平滑管)の具体的な製造方法や測定、評価方法は以下の通りである。
(平滑管の製造条件)
(a)電気銅を原料として、Sn−P系銅管は溶湯中に所定のSnを添加し、更に必要に応じて選択的な添加元素を添加した後、Cu−P母合金を添加することにより、所定組成の溶湯を作製した。これら溶製した銅合金の成分組成を、銅管の成分組成とした。
(b)鋳造温度1200℃で、直径300mm×長さ6500mmの鋳塊を半連続鋳造し、得られた鋳塊から、長さ450mmのビレットを切り出した。
(c)ビレットをビレットヒーターで650℃に加熱した後、加熱炉(インダクションヒーター)で950℃に加熱し、950℃に到達した後2分経過後、加熱炉から取り出し、熱間押出機で、ビレット中心に直径80mmのピアシング加工を施した後、直ちに(遅滞なく)、同じ熱間押出機で、外径96mm、肉厚9.5mmの押出素管を作製した(断面減少率:96.6%)。熱間押出後の押出素管の300℃までの平均冷却速度は40℃/秒とした。
(d)押出素管を圧延して、外径35mm、肉厚2.3mmの圧延素管を作製し、圧延素管を、1回の抽伸工程における断面減少率が35%以下になるように、引き抜き抽伸加工を行い、外径22mm、肉厚1.2mm〜外径12mm、肉厚0.95mmとした。
(e)その後、中間焼鈍として、加熱炉(インダクションヒーター)で、表1に各々示す温度に加熱し、この温度にて30分保持し、冷却帯を通過させて室温まで徐冷し、供試材とした。この中間焼鈍の昇温の際には、中間焼鈍を施した各例とも、共通して300〜400℃の範囲の昇温速度は、設定温度を高温にして、200℃/分程度に速めた。
(f)この後、引き続いて、引き抜き抽伸加工を行い、外径9.52mm、肉厚0.80mmとし、断面減面率を種々変更した銅管を作成した。このときの断面減面率(%)を表1に示す。
(g)最終焼鈍として、焼鈍炉にて、還元性ガス雰囲気中で、前記抽伸管を表1に示す温度(平均昇温速度は共通して12℃/分)、保持時間にて焼鈍し、冷却帯を通過させて、表1に示す、室温までの冷却速度、300〜400℃の間の冷却速度で室温まで冷却し、供試材とした。
(h)これら製造した銅管(外径9.52mm、肉厚0.80mm)の平均結晶粒径D1とD2、この差D1−D2の銅管組織、引張強さ、破壊強度、曲げ加工性などの銅管特性を表2に示す。なお、表1において、発明例、比較例の各例ともに、共通して、銅管のS含有量は0.005質量%以下、As、Bi、Sb、Pb、Se、Teの合計含有量(総量)は0.0005質量%以下、Oの含有量は0.003質量%以下、Hの含有量は0.0001質量%以下であった。
(結晶粒組織)
前記製造した銅管の結晶粒組織における、平均結晶粒径D1とD2は前記したSEMにEBSPシステムを搭載した結晶方位解析法により、図1に示す各四角の枠内を測定した。これら四角の枠の測定範囲は、枠の幅(短辺)=銅管肉厚0.80mm×枠の長さ(長辺)=1.5mmの測定範囲(領域)とした。
これら測定結果のうち、図2に表1の発明例1、図3に表1の比較例7、図4に比較例2、図5に比較例1の銅管結晶組織(図面代用写真)を各々示す。これら図2〜5において、平均結晶粒径D1を測定した、銅管の軸方向に平行な断面(平行D1と記載)は右側に、平均結晶粒径D2を測定した、銅管の軸方向に垂直な断面(垂直D2と記載)は左側に、各々示している。
(引張試験)
前記供試材の引張試験は、JIS11号試験片を用いて、5882型インストロン社製万能試験機により、室温、試験速度10.0mm/min、GL=50mmの条件で、引張強さ(MPa)を測定した。同一条件の試験片を3本試験し、それらの平均値を採用した。
(破壊強度)
前記製造した銅管から500mmの長さの銅管を試験用に採取して、銅管の一方の端部を金属製治具(ボルト)にて耐圧的に閉塞した。そして、もう一方の開放側端部から、ポンプにて管内に負荷される水圧を徐々に高めていき(昇圧速度:1.5MPa/秒程度)、完全に管が破裂する際の水圧(MPa)を、ブルドン管式圧力計で読み取り、伝熱管の破壊強度(耐圧強度、耐圧性能、破壊圧力)とした。この試験を同一銅管に対して5回(試験管5個に対して)行い、各水圧(MPa)の平均値を室温での破壊強度とした。また破壊強度から銅管の肉厚や外径の影響を取り除いた換算応力を、破壊圧力として求めた。ここで換算応力σは、破壊強度をP、銅管の外径をD、銅管の肉厚をtとしたとき下記の式から求めた。
σ=P×(D−0.8t)/(2×t)
(耐軟化性)
銅合金管が熱交換器用伝熱管としてろう付けされることを模擬して、前記製造した銅合金管から試験用に採取した500mmの長さの銅合金管を800℃に10分間加熱した後の破壊強度(破壊圧力)を、ろう付け相当加熱後の破壊圧力として、前記した同じ試験方法で求めた。
(曲げ加工試験)
熱交換器の伝熱部を模擬して、前記製造した銅合金管を、各例について10本づつ、ピッチが40mmのU字形に曲げおよびピッチが30mmのU字曲げに加工した。この際、銅合金管の曲げ部における割れ、亀裂の発生を目視にて調査し、10本とも割れ、亀裂が全くなく曲げ加工できたものを、曲げ加工性が良好な○として評価した。また、10本とも割れ、亀裂は無いが、しわが発生しており、曲げ半径がより小さく、曲げ加工条件を厳しくした場合には、割れ、亀裂が発生する可能性があるものを、曲げ加工性が劣る△として評価した。更に、曲げ加工した10本の中に、割れ、亀裂が1本でも発生したものを曲げ加工性が不良な×として評価した。
(発明例)
表1に示すとおり、発明例1〜13は化学組成が本発明範囲で、抽伸(中間焼鈍)条件が適正であるので、この銅合金管組織が、SEM−EBSP法による測定結果で、この銅合金管の軸方向に平行な断面における平均結晶粒径D1が20μm以下であるとともに、このD1と前記銅合金管の軸方向に垂直な断面における平均結晶粒径D2との差D1−D2が3μm以下である。このため銅管の特性として、引張強さが高いにも関わらず、曲げ加工性がよく、しかも、ろう付け相当の加熱後の破壊強度の低下も抑制されており、耐軟化性が優れている。
これらの発明例を代表して、図2に発明例1の銅管結晶粒組織を示す。図2に示す通り、右側の平均結晶粒径D1を測定した銅管の軸方向に平行な断面(平行D1)や、左側の平均結晶粒径D2を測定した銅管の軸方向に垂直な断面(垂直D2)ともに、同様の微細で等軸な結晶粒となっている。したがって、発明例は管の部位あるいは管の断面方向による結晶粒の異方性が小さいことが分かり、本発明の前記平均結晶粒径D1や、このD1と前記平均結晶粒径D2との差D1−D2の規定の意義がこの図2からも裏付けられる。
(比較例)
これに対して、比較例7〜12は、表1に示すとおり、本発明組成範囲内の合金であるにもかかわらず、抽伸(中間焼鈍)条件や最終焼鈍条件が適切な範囲にない。
比較例7は抽伸途中での中間焼鈍を施しておらず、比較例8は抽伸途中での中間焼鈍温度が低く過ぎる。このため、前記D1−D2が3μmを超え、強度も低く、ろう付け相当の加熱後の破壊強度の低下も大きく、耐軟化性が劣っている。
比較例8は抽伸途中での中間焼鈍温度が低すぎる。このため、比較例7と同様に、前記D1−D2が3μmを超え、強度も低く、ろう付け相当の加熱後の破壊強度の低下も大きく、耐軟化性が劣っている。
比較例9は抽伸途中での中間焼鈍温度が高すぎる。このため、前記D1−D2は3μm以下であるものの、平均結晶粒径D1が大きすぎ、強度が低く、破壊圧力も低すぎる。
比較例10は最終焼鈍温度が低すぎる。このため、前記D1−D2が3μmを超え、ろう付け相当の加熱後の破壊強度の低下も大きく、耐軟化性が劣っている。
比較例11は最終焼鈍温度が高すぎる。このため、前記D1−D2は3μm以下であるものの、平均結晶粒径D1が大きすぎ、強度が低く、破壊圧力も低すぎる。
比較例12は抽伸途中での中間焼鈍後の抽伸の減面率(加工率)が小さすぎる。このため、蓄積ひずみ量が逆に小さすぎ、再結晶核の生成に必要な駆動力を高められない。このため、その後の最終焼鈍で、再結晶核の生成によるひずみのない等軸な結晶粒が生成しにくくなり、前記D1−D2が3μmを超え、平均結晶粒径D1も大きすぎ、ろう付け相当の加熱後の破壊強度の低下も大きく、耐軟化性が劣っている。
また、比較例1〜6は、表1に示すとおり、抽伸(中間焼鈍)条件や最終焼鈍条件は適切な範囲だが、銅管の組成が本発明の範囲を外れている。
比較例1、2はSn含有量が規定範囲よりも少なすぎるため、抽伸途中での中間焼鈍の有無に関わらず、前記D1−D2が3μmを超え、強度も低く、ろう付け相当の加熱後の破壊強度の低下も大きく、耐軟化性が劣っている。
比較例3はSn含有量が高すぎるため、押出加工できずに、銅管が製造できなかった。また、比較例4はP含有量が高すぎるため、押出加工後に割れが生じ、やはり銅管が製造できなかった。
比較例5はP含有量が規定範囲よりも少なすぎるため、前記D1−D2は3μm以下であるものの、強度が低く、破壊圧力も低すぎる。
比較例6はZn含有量が高すぎるため、前記D1−D2は3μm以下であるものの、曲げ加工性が低い。
これらの比較例のうち、図3に表1の比較例7、図4に比較例2、図5に比較例1の銅管結晶組織を各々示す。これらの図に示す通り、右側の銅管の軸方向に平行な断面(平行D1)や、左側の軸方向に垂直な断面(垂直D2)ともに、発明例の図1に比して、結晶粒径が粗大となっている。そして、特に、右側の銅管の軸方向に平行な断面(平行D1)の結晶粒は、粗大であるだけでなく、銅管の軸方向に伸長している。このため、これら比較例は管の部位あるいは管の断面方向による結晶粒の異方性が大きいことが分かる。したがって、前記した図1とともに、本発明の前記平均結晶粒径D1や、このD1と前記平均結晶粒径D2との差D1−D2の規定の意義が裏付けられる。
以上の結果から、製造しやすく、1.0mm以下に薄肉化されても、耐軟化性を向上させ、併せて破壊強度および曲げ加工性に優れた熱交換器用Sn−P系銅合金管を得るための、本発明の成分組成、結晶粒組織の規定、更には、このような組織を得るための好ましい製造条件の意義が裏付けられる。
Figure 2012077362
以上説明したように、本発明によれば、製造しやすく、1.0mm以下に薄肉化されても耐軟化性にも優れ、曲げ加工性に優れた、薄肉化および高強度化されたSn−P系銅合金管を提供できる。この結果、新たな代替冷媒による高い運転圧力に薄肉化されて用いられる熱交換器用伝熱管などに好適に適用することができる。

Claims (3)

  1. Sn:0.1〜3.0質量%、P:0.005〜0.1質量%を含有し、残部がCu及び不可避的不純物からなる組成を有する銅合金管であって、この銅合金管組織が、SEM−EBSP法による測定結果で、この銅合金管の軸方向に平行な断面における平均結晶粒径D1が20μm以下であるとともに、このD1と前記銅合金管の軸方向に垂直な断面における平均結晶粒径D2との差D1−D2が3μm以下(0μmを含む)であることを特徴とする熱交換器用銅合金管。
  2. 前記銅合金管が、更にZn:0.01〜1.0質量%を含有する請求項1に記載の熱交換器用銅合金管。
  3. 前記銅合金管が、更にFe、Ni、Mn、Mg、Cr、Ti、Co、Zr及びAgからなる群から選択された1種または2種以上の元素を合計で0.07質量%未満(但し0%を含まず)含有する請求項1または2に記載の熱交換器用銅合金管。
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