JP5638999B2 - 銅合金管 - Google Patents

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Description

本発明は、ろう付け時の耐加熱割れ性が優れた銅合金管に関し、特に、引張応力が作用した状態でろう付けされる配管用銅合金管及び熱交換器用銅合金管に関する。
りん脱酸銅管(JISH3300C1220T)は、ルームエアコン、パッケージエアコン、二酸化炭素冷媒ヒートポンプ式給湯器、冷蔵庫、ショーケース、及び自動販売機等の熱交換器、又はコンプレッサ周辺の機内配管及び部品等に広く使われている。
例えば、ルームエアコンの熱交換器は、ヘアピン状に曲げ加工したU字形銅管(以下、銅合金管も含めて銅管という)を、アルミニウムフィンの貫通孔に通し、前記銅管を治具により拡管することによって、銅管とアルミニウムフィンとを密着させ、更に銅管の開放端を拡管し、この拡管部にU字形に曲げ加工した銅製リターンベンド管を挿入し、りん銅ろう等のろう材により拡管部とリターンベンド管とを接合して、ヘアピン状の銅管とリターンベンド管を連結することにより、熱交換器が製造されている。
また、コンプレッサと熱交換器をつなぐ機内配管では、銅管を任意に曲げ加工した材料を作製して、必要であれば管端を拡管あるいは縮管加工を行い、コンプレッサと熱交換器を上述のりん銅ろう等のろう材によって、機内配管により連結して、ルームエアコンを組み立てている。
一方、ルームエアコンなどに使用される冷媒には、HCFC(ハイドロクロロフルオロカーボン)系のフロンが広く使用されてきたが、HCFCはオゾン破壊係数が高いことから、環境保護の観点によりその値が小さいHFC(ハイドロフルオロカーボン)系フロンが使用されるようになってきた。更に、ヒートポンプ式給湯器及び自動販売機には、HFCよりも更に環境にやさしい自然冷媒である二酸化炭素が使用されるようになってきている。例えば、高圧ガス保安法冷凍保安規則関係例示基準等に規定される冷媒ガスの設計圧力は、高圧部の基準凝縮温度が43℃のとき、HCFCのR22では1.6MPaであるのに対して、HFCのR410Aが2.6MPa、二酸化炭素が8.3MPaと増大している。
設計圧力が高くなれば、熱交換器又は機内配管の銅管の肉厚を厚くして強度に耐えられるようにする必要がある。しかし、資源の有効活用の観点から、またコスト上の観点から、銅管の肉厚を上げて銅の使用量が多くなることについては問題がある。この課題を解決するために、従来のりん脱酸銅管に変えて、Sn及びCo等の添加により強度を高めた高強度銅管が開発され、市場に供されるようになった。この高強度銅管は、従来の銅管よりも強度が高く、その分、肉厚を薄くすることができ、銅の使用量を削減して、省資源及び製品の低コスト化を図ることができる。また、この高強度銅管は、日本工業規格JISH3300にも追加登録(2009年7月20日)されて、従来のりん脱酸銅管に変わる新しい材料として期待されている。
例えば、本願出願人は、特許文献1にて、Sn:0.1乃至1.0質量%、P:0.005乃至0.1質量%、O:0.005質量%以下及びH:0.0002質量%以下を含有し、残部がCu及び不可避不純物からなる組成を有し、平均結晶粒径が30μm以下である熱交換器用銅管を提案した。また、本願出願人は、特許文献2にて、Sn:0.1乃至2.0質量%、P:0.005乃至0.1質量%、S:0.005質量%以下、O:0.005質量%以下及びH:0.0002質量%以下を含有し、残部がCu及び不可避不純物からなる組成を有し、引張り強さ255N/mm以上であり、管軸直交断面において、管の肉厚方向と垂直な方向に測定した平均結晶粒径が30μm以下である銅合金管であって、前記銅合金管の引張り強さをαa、破壊圧力をPFa、前記銅合金管と同一外径及び肉厚のりん脱酸銅管の引張り強さをαd、破壊圧力をPFdとしたとき、(PFa)/(σa)>(PFd)/(σd)である熱交換器用銅合金管を提案した。
特開2003−268467号公報 特開2008−174785号公報
しかしながら、特許文献1及び特許文献2に開示された銅合金は、その所期の目的を達成し、Snの固溶強化によって強度が向上しているものの、配管等をりん銅ろうによりろう付けする際に(800〜950℃)、引張応力が印加されていると、極めてまれに、割れが発生することがある。
図1に示すようにして、あえて厳しい条件で再現試験をすると(1グループn=50とし、4グループを試験)、りん脱酸銅管は割れず、割れ発生率が0%であったが、特許文献1の銅合金管は、割れ発生率が4〜10%であった。これらの銅合金管の高温での延性を調査したところ、特許文献1又は2に記載の銅合金では、800℃以上の温度において、りん脱酸銅に比して、その延性が低く、そのため、引張応力が印加された状態では、十分に変形することが不可能となり、割れに至ったものと推定される。
一方、このような特殊な状況下において、引張応力が印加されないように製造工程を変更したり、ろう付け時の火力を配管形状ごとに調整するというような対策は、現実的ではない。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであって、高い強度を維持しつつ、高温延性を向上させ、ろう付け時における割れの可能性を低減した銅合金管を提供することを目的とする。
本発明に係る銅合金管は、Sn:0.1乃至1.0質量%、Zr:0.0001乃至0.01質量%、及びP:0.005乃至0.1質量%を含有し、更にS,Pb,Bi,Se,As,Te,及びSbからなる群から選択された少なくとも1種を、総量で、0.003質量%以下、Oを0.005質量%以下、Hを0.0002質量%以下に規制し、残部がCu及び不可避的不純物からなる組成を有する銅合金の管材であって、管軸を含む断面において、肉厚方向の平均結晶粒径が30μm以下であり、800℃での絞り値が25%以上であることを特徴とする。この場合に、Ti及びCrからなる群から選択された1種又は2種の選択元素を、Zrの含有量との総量で0.0001乃至0.1質量%含有することができる。
本発明に係る他の銅合金管は、上記組成に、更に、Mg、B、Y、Co、Fe、Ni、Al及びSiからなる群から選択された1種類以上の元素を、単独の場合は0.001乃至0.05質量%、2種以上の元素の場合は各元素の総量で0.001乃至0.1質量%含有することを特徴とする。
更に,本発明に係る更に他の銅合金管は、Sn:0.1乃至1.0質量%、及びP:0.005乃至0.1質量%を含有し、更にMg、B、Y、Co、Al及びSiからなる群から選択された1種類以上の元素を、単独の場合は0.001乃至0.05質量%、2種以上の元素の場合は各元素の総量で0.001乃至0.1質量%含有し、更にS,Pb,Bi,Se,As,Te,及びSbからなる群から選択された少なくとも1種を、総量で、0.003質量%以下、Oを0.005質量%以下、Hを0.0002質量%以下に規制し、残部がCu及び不可避的不純物からなる組成を有する銅合金の管材であって、管軸を含む断面において、肉厚方向の平均結晶粒径が30μm以下であり、800℃での絞り値が25%以上であることを特徴とする。この場合に、Fe及びNiからなる群から選択された1種以上の元素を、単独の場合は0.001乃至0.05質量%、2種の元素の場合は各元素の総量で0.001乃至0.1質量%含有することができる。
また、本発明の上述の各銅合金管においては、上記組成に、Zn:0.01乃至1.0質量%を含有することができる。
更に、上述の各銅合金管は、800〜950℃の温度でろう付けされる配管又は熱交換器に使用することができる。
なお、平均結晶粒径は、銅合金の管軸を含む断面において、JISH0501に定められた切断法により肉厚方向の平均結晶粒径を測定し、この肉厚方向の平均結晶粒径を管軸方向に100mm間隔の10箇所で測定し、その平均値としたものである。
本発明によれば、りん銅ろうによるろう付け時の温度においても強度及び靭性が高く、ろう付け時に引張応力が印加されていても、割れの発生の可能性を著しく低減することができる。
割れ試験の方法を示す模式図である。
以下、本発明について詳細に説明する。本発明者等が、高温での延性・靭性(絞り値、伸び)を更に向上させる熱交換器用銅合金管を開発すべく種々実験研究した結果、銅合金管のSn含有量、P含有量、その他の合金元素の含有量、及び平均結晶粒径を適切に規定することによって、高温での絞り値が更に向上した銅合金管を得ることができることを見出した。
以下、本発明の銅合金管の成分添加理由及び組成の数値限定理由について説明する。
「Sn:0.1乃至1.0質量%」
Snは固溶硬化によって、引張強さを向上させると共に、りん銅ろうなどのろう付けによる熱影響に対して結晶粒の粗大化を抑制して、銅合金管の耐熱性を向上させる。しかし、高温加熱されたとき、Sn含有合金では、Sn含有量の増加に伴って高温での延性低下が認められることを見出した。Snが高温延性を低下させる機構は明確ではないが、高温での粒界若しくは粒界近傍の強度又は延性を低下させることにより、割れが発生したと思われる。Snの含有量が1.0質量%を超えると、高温における延性低下が大きくなると共に、鋳塊における凝固偏析が激しくなり、通常の熱間押出及び/又は加工熱処理により、偏析が完全に解消しないことがあり、銅合金管の組織、機械的性質、曲げ加工性、ろう付け後の組織及び機械的性質の不均一、耐食性の低下等をもたらす。また、Sn含有量が1.0質量%を超えると、必要な押出圧力が高くなり、Sn含有量が1.0質量%以下の銅合金と同一の押出圧力で押出成形しようとすると、押出温度を上げることが必要になり、それにより押出材の表面酸化が増加し、生産性が低下し、銅合金管の表面欠陥が増加する。また、本発明の銅合金へのSnの含有量が0.1質量%未満であると、焼鈍後及びろう付け加熱後に十分な引張強さ及び細かい結晶粒径を得ることができなくなり、更にりん銅ろう等によるろう付け加熱時の強度低下抑制効果及び結晶粒粗大化防止効果が、不十分なものとなってしまう。従って、Snの含有量を0.1乃至1.0質量%とすることが必要である。
「P:0.005乃至0.1質量%」
Pは、Snと同様に、銅合金管の高温延性を低下させ、Snによる高温延性の低下を助長する。P含有量が0.1質量%を超えると、本発明の銅合金の特に高温における延性低下が大きくなり、また導電率が低下したり、熱間加工性及び冷間加工性が阻害されてしまう。一方、P含有量が0.005質量%未満であると、所定の強度を得ることができず、また脱酸が不十分となり、酸化物が鋳塊に巻き込まれ、鋳塊の健全性が低下すると共に、製造された管の曲げ加工性が低下しやすくなる。従って、Pの含有量を0.005乃至0.1質量%にすることが必要である。
「Zr、Ti、及びCrからなる群から選択された1種又は2種以上の元素:各元素の総量で0.0001乃至0.1質量%、但し、Zrを含有する場合はZrは0.0001乃至0.01質量%」
前述のごとく、Sn及びPを含む銅合金管は、800℃以上の高温において、延性が低下する。その機構は明確ではないが、更に、Zrを含有させることにより、高温での延性が劇的に回復する。Zr含有量が0.0001質量%程度であっても、銅合金管の高温での延性向上の効果が得られる。しかしながら、Zrは極めて酸化しやすく、Zr含有量が0.01質量%を超えると、鋳造で、酸化スケールを巻き込み、熱間押出時の割れ等を引き起こす。Zrが0.0001質量%未満であると、延性回復の効果は不十分である。従って、Zrの含有量は、0.0001乃至0.01質量%とする。
また、Ti及びCrも、Zrと同様な効果がある。Ti及びCrの含有量が単独又は総量で0.1質量%を超えると、強度が高くなりすぎて、伸びが低下してしまい、押出性及び加工性に悪影響を及ぼすことになる。また、本発明の銅合金管のTi及びCrの含有量が0.0001質量%未満であると、高温での延性の向上が不十分となる。従って、Ti及びCrについては、その含有量を単独で又は総量で0.0001乃至0.1質量%とする。Zrを含有する場合も、Zr,Ti,Crの総量で、0.0001乃至0.1質量%である。
「S,Pb,Bi,Se,As,Te,及びSbを、総量で、0.003質量%以下」
S,Pb,Bi,Se,As,Te,及びSbは、いずれも、固溶せずに、粒界に濃縮しやすく、各元素は融点が低いために、粒界の強度を著しく低下させ、本発明の銅合金の高温での延性を低下させる。Sは本発明の銅合金中において、Cuと化合物を形成して母相中に存在する。Sの含有量が増えると、鋳造時の鋳塊割れ及び熱間押出工程における熱間押出割れが増加する。また、熱間押出割れが発生しないまでも、押出材を冷間圧延し、抽伸加工すると、材料内部のCu−S化合物は管の軸方向に伸張し、Cu−S化合物の界面で割れが発生しやすく、製品加工中及び加工後の製品において、表面疵及び割れ等が発生し、製品の歩留りを低下させる。また、Cu−S化合物界面で割れが発生しない場合でも、本発明の銅合金管に曲げ加工を行う際、割れ発生の起点となり、曲げ部で割れが発生する頻度が高くなる。
同様に、Pb,Bi,Se,As,Te,及びSbも含有量が増えると、鋳造時の鋳塊割れ及び熱間押出工程における熱間押出割れが発生したり、製品加工中及び加工後の製品において、表面疵及び割れ等が発生し、製品の歩留を低下させる。このような問題を改善するために、本発明の銅合金におけるS,Pb,Bi,Se,As,Te,及びSbの含有量は総量で0.003質量%以下、望ましくは0.002質量%以下、更に望ましくは0.001質量%以下に規制する必要がある。Sに関していえば、更に、0.0015質量%以下、更に0.0010質量%以下に規制することが好ましい。
Sは、銅地金、及びスクラップ等の原料、スクラップに付着する油、溶解鋳造雰囲気(溶湯を被覆する木炭/フラックス、溶湯と接触する雰囲気中のSOxガス、炉材等)から、比較的簡単に溶湯中に取り込まれるため、S含有量を0.0015質量%以下とするには、低品位のCu地金及びスクラップの使用量を低減し、溶解雰囲気のSOxガスを低減し、適正な炉材を選定し、Mg及びCa等のように、Sと親和性が強い元素を溶湯に微量添加すること等の対策が有効である。
「O:0.005質量%以下(50ppm以下)」
本発明の銅合金管において、酸化を抑制する元素として、Zr及びTiを添加し、後述するMg及びB等を選択的に添加するが、それらの元素が酸化されてしまうと、それらの元素による酸化抑制効果が消失する。Oの含有量が0.005質量%を超えると、Cu及びSnの酸化物が鋳塊に巻き込まれ、鋳塊の健全性が低下すると共に、製造された管の曲げ加工性が低下しやすくなる。また、Oの含有量が0.005質量%を超えると、水素脆化を起こす危険性が増大する。このため、Oの含有量を0.005質量%以下とする必要がある。曲げ加工性をより改善するには、Oの含有量を0.003質量%以下とすることが望ましく、0.0015%以下とすることが更に望ましい。
「H:0.0002質量%以下(2ppm以下)」
溶解鋳造時に溶湯に取り込まれる水素が多くなると、その水素が粒界に集まって、高温での延性低下を促進しやすくなる。また、溶湯に取り込まれる水素が多くなると、ピンホールが発生しやすくなり、水素が粒界に濃化した状態で鋳塊中に存在すると、熱間押出時の割れを発生させやすくなる。また、水素が過剰であると、押出後においても、焼鈍時に、粒界に水素に起因する膨れが発生しやすくなり、製品歩留が低下する。このため、本発明の銅合金管においては、Hの含有量を0.0002質量%以下とすることが必要である。製品歩留りをより向上させるにはHの含有量を0.0001質量%以下とすることが望ましい。
なお、Hの含有量を0.0002質量%以下とするためには、溶解鋳造時の原料を乾燥状態にすること、溶湯被覆木炭を赤熱すること、溶湯と接触する雰囲気の露点を低く保持すること、及びりん添加前の溶湯を酸化気味にすること等の対策が有効である。
「結晶粒度:平均結晶粒径が30μm以下」
結晶粒度は、素材の強度と曲げ等の加工性に重要な役割を果たしている。一般に、結晶粒度が小さければ強度は高く、曲げ加工性が向上する。結晶粒度が大きいと強度が低くなる。結晶粒度が30μmを超えると、強度が低下して、エアコン等の熱交換器に組み込んだときの耐圧が不十分となり、またろう付け後の強度を十分に維持できない。従って、平均結晶粒径は、30μm以下、更には15μm以下が好ましい。
なお、高温で引張応力が印加された状態では、結晶粒径が小さい方が高温延性の低下を抑制するのに有利である。本発明合金では、800℃、10分間加熱された後の結晶粒径が70μm以下であることが望ましい。
「800℃での絞り値が25%以上」
硬ろう付け温度に相当する800℃での絞り値が、25%未満であると、ろう付け時に引張応力が印加された場合に、割れが生じる危険性があることがわかった。このため、800℃における絞り値が25%以上であることが必要である。なお、900℃での絞り値が25%以上、また、950℃での絞り値が20%以上であることが更に望ましい。銅合金管を、熱交換器の配管としてろう付けする場合、通常、引張応力が印加された状態でろう付けされる。このとき、本発明の銅合金管は、800℃における絞り値が25%以上であるので、高温における延性が極めて優れたものであり、800乃至950℃のろう付け時に応力が印加されていても、割れを防止することができる。なお、絞りとは、管の引張試験後の破断部の断面積を試験前の断面積で除した比率のことで、この値が高い程、延性が高い。
「Mg、B、Y、Co、Fe、Ni、Al及びSiからなる群から選択された1種類以上の元素を選択的に含有:含有量は、0.001乃至0.05質量%、2種以上の元素の場合は各元素の総量で0.001乃至0.1質量%」
本発明の銅合金管において、Mg、B、Y、Co、Fe、Ni、Al及びSiを適正量含有させることによって、高温での絞り値及び伸びが改善して、ろう付け時の割れを防止することができる。前述のZr、Ti及びCrに比べると、高温での割れ抑制及び延性回復の効果は若干劣り、十分な効果を得るためには含有量を多くしなければならないが、上述のMg、B、Y、Co、Fe、Ni、Al及びSiの添加によっても、高温での割れ抑制及び延性回復の効果を得ることができる。
各選択元素についてみると、その含有量が0.05質量%を超えると、押出性の低下により生産性が阻害されると共に、加工時に割れ等が発生する。従って、各選択元素の個別の含有量は0.05質量%以下にする必要がある。選択元素が2種類以上である場合は、総量で0.1質量まで含有することができる。
一方、各選択された元素の含有量が0.001質量%未満であると、絞りの改善が見られない。このため、各元素について、添加する場合は、0.001質量%以上含有する必要がある。2種類以上を複合添加する場合も、含有量の最小値は総量で0.001質量%である。
「Zn:0.01乃至1.0質量%」
Znを含有させることにより、銅合金管の熱伝導率を大きく低下させることなく、強度、耐熱性及び疲れ強さを向上させることができる。また、Znの含有により、冷間圧延、抽伸及び転造等に使用する工具の磨耗を低減させることができ、抽伸プラグ及び溝付プラグ等の寿命を延長させる効果があり、生産コストの低減に寄与する。
また、Znを含有させることにより、熱交換器の組み立て工程において、銅合金管のヘアピン曲げ加工時のマンドレルの摩耗と、銅合金管をアルミニウムフィンの開口部に挿入して銅合金管を拡管することにより、銅合金管をフィンに密着させるときの拡管加工時の拡管ビュレットの磨耗とを、低減することができる。更に、Znは鋳造時の溶湯への水素の侵入を抑えることにも有効である。
Znの含有量が1.0質量%を超えると、工具摩耗抑制効果及び水素侵入抑制効果が飽和する。また、Znの含有量が0.01質量%未満であると、上述の効果が十分でなくなる。従って、Znを添加する場合は、Znの含有量を0.01乃至1.0質量%とすることが必要である。
以下、本発明の銅合金管の製造方法の一例について説明する。以下に示す製造方法は平滑管の場合についてのものであるが、内面溝付管の場合は、周知の内面溝付工程が付加される。
先ず、原料の電気銅を木炭被覆のもとで溶解し、銅が溶解した後、Sn及び必要な添加元素を所定量添加し、更に、脱酸を兼ねてCu−15質量%P中間合金によりPを添加する。このとき、Zr等の酸化しやすい添加元素については、所定量を均一にかつ適正に添加するために、中間合金で添加することが望ましい。成分調整が終了した後、半連続鋳造により所定の寸法のビレットを作製する。得られたビレットを加熱炉で加熱し、均質化処理を行なう。熱間押出前に、ビレットを750〜950℃に1分〜2時間程度保持して均質化による偏析の改善処理を行う。その後、ビレットにピアシングによる穿孔加工を行い、750〜950℃で熱間押出を行う。
本発明の銅合金管を製造するには、Snの偏析解消及び製品管における組織の微細化の達成が必須要件である。このため、熱間押出による断面減少率が88%以上、望ましくは93%以上となるようにし、更に熱間押出後の素管を水冷等の方法により、表面温度が300℃になるまでの冷却速度が10℃/秒以上、望ましくは15℃/秒以上、更に望ましくは20℃/秒以上となるように冷却することが好ましい。但し、断面減少率は、[穿孔されたビレットのドーナツ状の面積−熱間押出後の素管の断面積]/[穿孔されたビレットのドーナツ状の面積]×100%として求まる。
その後、押出素管に圧延加工を行なう。このときの加工率を断面減少率で92%以下とすることにより、圧延時の製品不良を低減することができる。次いで、圧延素管に抽伸加工を行なって所定の寸法の素管を製造する。通常、抽伸加工は複数台の抽伸機を用いて行うが、各抽伸機による加工率(断面減少率)を35%以下にすることにより、素管における表面欠陥及び内部割れを低減することができる。
必要に応じて、抽伸管に焼鈍を行う。本発明の銅合金管を製造するには、ローラーハース炉による連続焼鈍により、抽伸管の実体温度が400〜700℃となるように加熱し、その温度で10分〜1時間程度保持するようにして焼鈍することが望ましい。また、室温から所定温度までの平均昇温速度が5℃/分以上、望ましくは10℃/分以上となるように加熱することが望ましい。なお、上記のローラーハース炉による連続焼鈍に変えて、高周波誘導加熱炉を用い、高速昇温、高速冷却、及び短時間加熱の焼鈍を行ってもよい。
次に、本発明の銅合金の実施例の効果について、本発明の範囲から外れる比較例と比較して説明する。
「第1試験例」
先ず、本発明の第1試験例について説明する。本試験例は、請求項1の銅合金管についてのものである。下記表1乃至6に示す組成の実施例A1乃至A61及び比較例A1乃至A23並びに従来例A1の各組成の銅合金材料を得るために、少量の供試材として、夫々、真空溶解炉又は木炭被覆にて7kgの銅合金のビレットを鋳造した。更に、700乃至900℃の温度での熱間鍛造によって、各ビレットを縦50mm、横50mm、長さ300mmのケーク状のブロックに加工した。更に、各ブロックを面削し、中ぐりを行い、直径が40mm、肉厚が5mm、長さが300mm円筒形のビレットを作製した。次に、各ビレットを圧延し、最終的に外径が9.52mm、肉厚が0.80mm、長さが300mmの管を製作した。その後、これらの管を400〜700℃の温度で焼鈍し、評価試験に供した。
評価試験は、室温から800℃と、900℃及び950℃までとを夫々15分間で昇温させて、各温度で10分間保持した後、その温度で高温引張試験を行い、夫々、引張強さ、伸び及び絞り値を測定した。引張強さ、伸び及び絞り値はJISZ2241に記載された定義に基づいて算出した。なお、高温引張り後の絞りは、{(引張試験前の管の断面積−引張り破断後の破断面の断面積)/(引張り試験前の管の断面積)}×100%であり、引張破断後の断面積は破断面の外径と肉厚を測定することにより算出した。また、引張応力が印加された状態でのろう付けを模擬する割れ試験として、図1に示す固定荷重の割れ試験を行った。即ち、固定台1に外径が11mm、内径が9.8mmのステンレス鋼製の管2をその軸方向を水平にして固定し、この管2に、上述のごとく、外径が9.52mm、肉厚が0.80mm、長さが300mmの供試管3を挿入した。供試管3の挿入長は150mmであり、図1に示すように、管2から出ている150mmの部分の端部から50mmの位置に1kgの錘4を取り付けた。そして、アセチレン酸素バーナー5により、管2近傍の供試管3の部分を約900℃に加熱した。アセチレン酸素バーナーと管2との間の距離は、5cmとした。アセチレン酸素バーナー炎の当たる位置にK熱電対を点溶接し、加熱中の供試管の温度を測定した。アセチレン酸素バーナーによる加熱は、加熱後、8〜12秒で900℃になるように調整した。錘4により、供試管3の加熱部において、供試管に約20MPaの引張応力が印加されるものである。
下記表1乃至表4は、本発明の実施例A1乃至A61の組成を示し、表5及び表6は、本発明の比較例A1乃至A23及び従来例A1の組成を示す。また、表7及び表8は、本発明の実施例A1乃至A61の結晶粒径及び高温引張試験(絞り)の測定値と、割れ試験の試験結果を示し、表9は、本発明の比較例A1乃至A23並びに従来例A1の結晶粒径及び高温引張試験(絞り)の測定値と、割れ試験の試験結果を示す。
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この表7及び表8に記載されているように、本発明の実施例A1乃至A61は、割れ試験において、割れが発生しなかった。これに対し、表9に示すように、比較例A1,A3,A5,A7,A9,A11,A13は、Zr等の第3元素の含有量が不足し、従来例A1は第3元素を含まないため、割れが発生した。比較例A16はSn含有量が1.2質量%と高く、高温での延性低下を第3元素の添加により抑制できなかったため、800℃での絞り値が18%と低く、割れが発生した。比較例A20は、Snが多量であると共に、800℃での絞り値が19%と低かったので、割れが発生した。比較例A4は、高温での延性、割れ試験、結晶粒径の粗大化の点では良好であるが、Tiが多いため、室温での強度が大きく、伸びが小さくなるため、曲げ加工性の際に、大きな力が必要で、管に割れを発生させずに曲げ加工可能な曲げ半径が大きくなった。また、比較例A4は溶解鋳造を木炭被覆で行ったため、溶解鋳造時に発生するTi酸化物に起因すると思われる管の表面疵が発生した。このため、表面疵により、歩留り、耐圧性、耐食性、管の製造歩留り等を低下する。比較例A6は、高温での延性、割れ試験、結晶粒径の粗大化の点では良好であるが、Crが多いため、押出力量が増大して押出しにくくなり、かつ押出し温度を上げざるを得ず、表面疵が多くなった。そのため、比較例A4と同様、歩留り、耐圧性、耐食性、管の製造歩留り等が低下する。比較例A2,A8,A12,A14は、高温での延性、割れ試験、結晶粒径の粗大化の点では良好であるが、Zrが多いため、溶解鋳造を木炭被覆で行ったことにより、鋳塊にZr酸化物の巻き込みが発生し、Zr酸化物に起因すると思われる管の表面疵が発生した。このため、表面疵により、歩留り、耐圧性、耐食性、管の製造歩留り等を低下する。比較例A17乃至A20は、Sn及びPの含有量が本発明の範囲から外れているため、平均結晶粒径が本発明の範囲を外れており、強度が不足した。比較例A23は、Znが多いため、JISH3300で規定された時期割れ試験を行ったところ、Sn、P、Zrの含有量が等しい実施例A2に比べて割れが発生するまでの保持時間が2/3以下になった。
比較例A10は、Ti及びCrの総量が0.1質量%を超えているので、押出加工性が悪いものであった。比較例A15はSnが0.1質量%未満であり、加熱による結晶粒成長の抑制効果が不十分であったため、平均結晶粒径が大きく、強度が不足していた。比較例A21はPbが本発明の範囲を超えているため、割れが発生した。比較例A22はOが本発明の範囲を超えているため、水素脆化した。即ち、H気流中で850℃、30分間保持後、引張試験したところ、荷重負荷開始直後、殆ど伸びずに破断した。
「第2試験例」
次に,本発明の第2試験例について説明する。本試験例は、請求項2に係る発明に関するものである。即ち、本試験例は、Zr、Ti、及びCrからなる群から選択された1種又は2種以上の元素を含有すると共に、Mg、B、Y、Co、Fe、Ni、Al及びSiからなる群から選択された1種類以上の元素を含有するものである。供試材の製作において、木炭被覆して溶解し、7kgの鋳塊を製作したことを除き、その他の条件は第1試験例と同一である。また、本試験例は、銅合金管の組成のみが異なり、他の試験条件は、第1試験例と同一である。
下記表10乃至表15は、本発明の実施例B1乃至B83の組成を示し、表16及び表17は、本発明の比較例B1乃至B14及び従来例B1の組成を示す。また、表18乃至表20は、本発明の実施例B1乃至B83の結晶粒径及び高温引張試験(絞り)の測定値と、割れ試験の試験結果を示し、表21は、本発明の比較例B1乃至B14並びに従来例B1の結晶粒径及び高温引張試験(絞り)の測定値と、割れ試験の試験結果を示す。
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この表18及び表20に記載されているように、本発明の実施例B1乃至B83は、割れ試験において、割れが発生しなかった。これに対し、表21に示すように、比較例B1,B3は、Zr等の第3元素の含有量が不足し、従来例B1は第3元素を含まないため、割れが発生した。比較例B6は、Snが多量であると共に、800℃での絞り値が18%と低かったので、割れが発生した。比較例B10は、Sn及びPが多量であると共に、800℃での絞り値が19%と低かったので、割れが発生した。比較例B2は高温での延性、割れ試験、結晶粒径の粗大化の点では良好であるが、Zrの量が多すぎるため、室温での強度が大きく、伸びが小さくなるため、曲げ加工性の際に、大きな力が必要で、管に割れを発生させずに曲げ加工可能な曲げ半径が大きくなった。また、溶解鋳造時に発生するZr酸化物に起因すると思われる管の表面疵が発生した。このため、表面疵により、歩留り、耐圧性、耐食性、管の製造歩留り等が低下する。比較例B4はYが多いため、比較例B2と同様、高温での延性、割れ試験、結晶粒径の粗大化の点では良好であるが、室温での強度が大きく、伸びが小さくなるため、曲げ加工性の際に、大きな力が必要で、管に割れを発生させずに曲げ加工可能な曲げ半径が大きくなった。比較例B5は平均結晶粒径が大きいため、本発明の目的である高強度銅管としての機能を満たさない。比較例B7及びB9はPが少ないと共に、平均結晶粒界が大きいため、鋳造時に脱酸が不十分で添加元素の酸化物が発生し、管の曲げ加工性が低下した。比較例B8はPが多いため、熱間鍛造時に割れが発生したため、その後の試験を行わなかった。比較例B11はBiが多いため、熱間鍛造時に割れが発生したため、その後の試験を行わなかった。比較例B12はOが多いため、水素脆化を示した。即ち、H気流中で850℃、30分保持後引張試験したところ、荷重付加開始直後に、殆ど伸びずに破断した。比較例B13はHが多いため、熱間鍛造時に割れが発生したため、その後の試験を行わなかった。比較例B14は高温での延性、割れ試験、結晶粒径の粗大化の点では良好であるが、Znが多いため、JIS3300に規定された時期割れ試験を行ったところ、Sn、P、Zrの含有量が等しい実施例B14に比べて割れが発生するまでの保持時間が1/2以下になった。
「第3試験例」
次に、本発明の第3試験例について、説明する。本試験例は、請求項3についてのものである。即ち、第1試験例における第3元素のZr、Ti、及びCrからなる群から選択された1種又は2種以上の元素の代わりに、Mg、B、Y、Co、Fe、Ni、Al及びSiからなる群から選択された1種類以上の元素を添加したものである。供試材の製作条件は第2試験例に同じである。また、本試験例は、銅合金管の組成のみが異なり、他の試験条件は、第1試験例と同一である。
下記表22乃至表23は、本発明の実施例C1乃至C27の組成を示し、表24及び表25は、本発明の比較例C1乃至C11及び従来例C1の組成を示す。また、表26は、本発明の実施例C1乃至C27の結晶粒径及び高温引張試験(絞り)の測定値と、割れ試験の試験結果を示し、表27は、本発明の比較例C1乃至C11並びに従来例C1の結晶粒径及び高温引張試験(絞り)の測定値と、割れ試験の試験結果を示す。
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この表26に記載されているように、本発明の実施例C1乃至C27は、割れ試験において、割れが発生しなかった。これに対し、表27に示すように、比較例C1乃至C3は、Mg等の第3元素の含有量が不足し、従来例C1は第3元素を含まないため、割れが発生した。比較例C4は、Snが多量であるので、割れが発生した。比較例C7は、Sn及びPが多量であるので、割れが発生した。比較例C5はPが少ないため、鋳造時に脱酸が不十分で添加元素の酸化物が発生し、管の曲げ加工性が低下した。比較例C6はSn及びPが少ないため、本発明の目的である高強度銅管としての機能を満たさない。比較例C8はTeが多いため、熱間鍛造で割れが発生したため、その後の試験を行わなかった。比較例C9はOが多いため、水素脆化を示した。比較例C10はHが多いため、熱間鍛造で割れが発生したため、その後の試験を行わなかった。比較例C11はZnが多いため、JIS3300に規定された時期割れ試験を行ったところ、Sn、P、Zrの含有量が等しい実施例C14に比べて割れが発生するまでの保持時間が1/2以下になった。
「第4施例」
次に、本発明の第4試験例として、実際の工場の生産ラインで行った試験の結果について説明する。実機製造の銅合金管から、上述の大きさの試験用供試管を採取し、上述と同様の試験を行った。この試験結果を下記表28乃至30に示す。
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この表30に示すように、実施例D1及びD2は割れ試験で割れが発生せず、比較例D1はZr及びMgの量が少ないため、割れが発生した。従来例D1はZr及びMg等を含有しないため、割れ試験で割れが発生した。
1:固定台
2:管
3:供試管
4:錘
5:アセチレン酸素バーナー

Claims (7)

  1. Sn:0.1乃至1.0質量%、Zr:0.0001乃至0.01質量%、及びP:0.005乃至0.1質量%を含有し、更にS,Pb,Bi,Se,As,Te,及びSbを、総量で、0.003質量%以下、Oを0.005質量%以下、Hを0.0002質量%以下に規制し、残部がCu及び不可避的不純物からなる組成を有する銅合金の管材であって、管軸を含む断面において、肉厚方向の平均結晶粒径が30μm以下であり、800℃での絞り値が25%以上であることを特徴とする銅合金管。
  2. 更に、Ti及びCrからなる群から選択された1種又は2種の選択元素を、Zrの含有量との総量で0.0001乃至0.1質量%含有することを特徴とする請求項1に記載の銅合金管。
  3. Mg、B、Y、Co、Fe、Ni、Al及びSiからなる群から選択された1種類以上の元素を、単独の場合は0.001乃至0.05質量%、2種以上の元素の場合は各元素の総量で0.001乃至0.1質量%含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の銅合金管。
  4. Sn:0.1乃至1.0質量%、及びP:0.005乃至0.1質量%を含有し、更にMg、B、Y、Co、Al及びSiからなる群から選択された1種類以上の元素を、単独の場合は0.001乃至0.05質量%、2種以上の元素の場合は各元素の総量で0.001乃至0.1質量%含有し、更にS,Pb,Bi,Se,As,Te,及びSbを、総量で、0.003質量%以下、Oを0.005質量%以下、Hを0.0002質量%以下に規制し、残部がCu及び不可避的不純物からなる組成を有する銅合金の管材であって、管軸を含む断面において、肉厚方向の平均結晶粒径が30μm以下であり、800℃での絞り値が25%以上であることを特徴とする銅合金管。
  5. 更に、Fe及びNiからなる群から選択された1種以上の元素を、単独の場合は0.001乃至0.05質量%、2種の元素の場合は各元素の総量で0.001乃至0.1質量%含有することを特徴とする請求項4に記載の銅合金管。
  6. Zn:0.01乃至1.0質量%を含有することを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の銅合金管。
  7. 800〜950℃の温度でろう付けされる配管又は熱交換器に使用されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の銅合金管。
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