JP2012076706A - 車両用電装部品の制御装置およびその制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】内容の異なる第1のプログラムがインストールされたマイクロコンピュータに対して記憶部全体の検査を容易に行え、マイクロコンピュータの動作の信頼性を確保することができる車両用電装部品の制御装置およびその制御方法を提供する。
【解決手段】第1記憶部31には調整データ記憶領域33が設けられ、基本プログラム記憶領域32に記憶される基本プログラムのバージョンに応じた調整データが記憶される。調整データは、第1記憶部31に対する検査プログラムによる検査結果(検査値)が、基本プログラムのバージョンによらず、同値となるように調整される。よって、検査プログラムによるフラッシュメモリ30のすべての記憶領域の検査のため、基本プログラムのバージョンに応じた検査プログラムを用意する必要がない。
【選択図】図2

Description

本発明は、車両に搭載される電装部品を制御するための各種処理を行う車両用電装部品の制御装置およびその制御方法に関する。
車両には、例えば酸素センサ、NOxセンサ、HCセンサ等のガスセンサや、グロープラグ、尿素水濃度センサなど、様々な電装部品が搭載される。それらの電装部品は、マイクロコンピュータを搭載した制御装置によって制御されている(例えば、特許文献1参照。)。マイクロコンピュータは、制御を司るCPUと、CPU自身や電装部品の制御に関する処理を行う各種プログラム等を記憶する記憶部を内蔵する。
記憶部には、記憶内容が保護される第1の記憶部と、記憶内容を容易に書き換えることができる第2の記憶部とが設けられている。第1の記憶部には、マイクロコンピュータの基本動作に関する処理を行ったり、第2の記憶部を書き換えたりするための基本プログラムが記憶される。また、第2の記憶部には、電装部品の制御に関する処理を行う各種の制御プログラムが記憶される。例えば、基本プログラムは、マイクロコンピュータの利用者が任意に作成する場合や、第2の記憶部の書き換えをサポートするメーカーによりプログラムが提供される場合がある。また、制御プログラムは、マイクロコンピュータの利用者が任意に作成する。
ところで、マイクロコンピュータの動作の信頼性を確保するため、制御プログラムには、記憶部全体、すなわち第1および第2の記憶部の記憶内容を検査するための検査プログラムが含まれる場合がある。ここで、制御プログラムがアップデートされた場合、検査プログラムの検査結果がアップデート前と異なってくるので、マイクロコンピュータの利用者は、制御プログラムのバージョンに応じた検査プログラムによる検査結果の比較データを用意し、新しい制御プログラムとともに第2の記憶部に記憶させればよい。
特開2000−171435号公報
しかしながら、第1の記憶部の基本プログラムは、仕様変更やアップデートにより変更される場合がある。制御プログラムが、どのバージョンの基本プログラムが導入されたマイクロコンピュータにインストールされても、検査プログラムが正常に機能するためには、利用者は、基本プログラムの各バージョンにそれぞれ対応する検査結果の比較データを含む検査プログラムを用意する必要があった。こうした手間を省くため、検査プログラムが基本プログラムに対する検査を行わないようにしてもよいが、マイクロコンピュータの動作に対し、より高い信頼性を確保するには、検査プログラムによる検査が記憶部全体に対して行われることが好ましい。
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであり、内容の異なる第1のプログラムがインストールされたマイクロコンピュータに対して記憶部全体の検査を容易に行え、マイクロコンピュータの動作の信頼性を確保することができる車両用電装部品の制御装置およびその制御方法を提供することを目的とする。
本発明の第1態様によれば、CPUと、前記CPU自身の制御を行うための第1のプログラムを格納し、前記第1のプログラムが記憶された後には記憶内容が保護されて書き換えることができない第1の記憶部と、車両に搭載される電装部品の制御を行うための第2のプログラムを格納し、前記第2のプログラムが記憶された後でも記憶内容を書き換えることが可能な第2の記憶部と、を含むマイクロコンピュータを備え、前記電装部品を制御するための各種処理を行う車両用電装部品の制御装置であって、前記第2のプログラムは、前記第1の記憶部の記憶内容と前記第2の記憶部の記憶内容とが正常か否かを検査するための第3のプログラムを含むものであり、前記第1の記憶部は、前記第1のプログラムが記憶される第1記憶領域と、前記第3のプログラムによる前記第1の記憶部に対する検査の結果を調整するデータが記憶される第2記憶領域と、を有する車両用電装部品の制御装置が提供される。
第1態様にかかる車両用電装部品の制御装置において、第3のプログラムによる第1の記憶部に対する検査は、第1記憶領域に記憶される第1のプログラムの内容が異なれば、異なる検査結果が得られるが、第2記憶領域に記憶される調整用のデータを調整することによって、第1のプログラムの内容に関わらず、検査結果を調整することができる。これにより、内容の異なる第1のプログラムが第1の記憶部に格納されたマイクロコンピュータが複数種類あっても、第1のプログラムの内容にあわせた複数種類の第3のプログラムの検査結果の比較データをそれぞれ用意する必要がない。よって、第2のプログラムを開発する際に、第3のプログラムが1種類で足りるため、第2のプログラムも1種類で済む。このため、第2のプログラムを第2の記憶部に記憶させる作業を行う際に、非対応の第2のプログラムを誤って記憶させてしまう虞がない。したがって、第1のプログラムの内容によらず、第1の記憶部および第2の記憶部に対する検査を確実に行うことができるので、マイクロコンピュータの動作の信頼性を確保することができる。また、第3のプログラムを作成する際に、第1のプログラムの内容の違いを考慮する必要がないので、第2のプログラムの開発工程を簡素化することができる。
本発明の第2態様によれば、CPUと、前記CPU自身の制御を行うための第1のプログラムを格納し、前記第1のプログラムが記憶された後には記憶内容が保護されて書き換えることができない第1の記憶部と、車両に搭載される電装部品の制御を行うための第2のプログラムを格納し、前記第2のプログラムが記憶された後でも記憶内容を書き換えることが可能な第2の記憶部と、を含むマイクロコンピュータを備える制御装置において実行され、前記電装部品を制御するための各種処理を行う車両用電装部品の制御方法であって、前記第2のプログラムは、前記第1の記憶部の記憶内容と前記第2の記憶部の記憶内容とが正常か否かを検査するための第3のプログラムを含むものであり、前記第1の記憶部には、前記第1のプログラムが記憶される第1記憶領域と、前記第3のプログラムによる前記第1の記憶部に対する検査の結果を調整するデータが記憶される第2記憶領域と、が含まれ、前記第1記憶領域に記憶される前記第1のプログラムに変更があった場合には、前記第3のプログラムによる前記第1の記憶部に対する検査の結果として、変更前と同一の結果が得られるように、前記第2記憶領域に記憶されるデータが調整される車両用電装部品の制御方法が提供される。
第2態様に係車両用電装部品の制御方法が提供されることによって、第1態様と同様の効果を得ることができる。
センサ制御装置1の電気的な構成を示すブロック図である。 フラッシュメモリ30の記憶領域の概略的な構成を示す図である。 フラッシュメモリ30に記憶される各種プログラム等の状態を模式的に示す図である。 フラッシュメモリ30に記憶される各種プログラム等の状態を模式的に示す図である。
以下、本発明を具体化した車両用電装部品の制御装置の一実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、参照する図面は、本発明が採用しうる技術的特徴を説明するために用いられるものであり、記載されているセンサや装置などの構成、各種処理のフローチャート等は、特に特定的な記載がない限り、それのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例である。
図1に示す、センサ制御装置1は、自動車等の車両に取り付けられる電装部品としてのガスセンサ5の駆動制御を担う装置である。ガスセンサ5の例としては、固体電解質体を用いて形成された検出素子を有する酸素センサやNOxセンサ等が挙げられる。なお、車両用の電装部品としては、ガスセンサ以外にも、尿素水濃度センサ、ノックセンサ、温度センサなどのセンサ類や、グロープラグ、インジェクタ等を例に挙げることができる。
センサ制御装置1は、自動車のECU(エンジン制御装置)6と通信し、ECU6からの指示信号に応じてガスセンサ5に電力を供給する。また、ガスセンサ5から特定ガスの濃度を反映した電圧信号や検出素子のインピーダンスを反映した電圧信号を検出して、ECU6に出力する。ECU6との通信は、例えば、CAN(Controller Area Network)を使用して行われる。
センサ制御装置1は、マイクロコンピュータ2、通信回路部3、制御回路部4を備える。マイクロコンピュータ2は、公知のCPU10、RAM20、フラッシュメモリ30、書込制御回路40を備える。CPU10は、各種プログラムを実行し、マイクロコンピュータ2の制御を司る。RAM30には、CPU10が実行する各種のプログラムの実行の際に使用される各種変数やフラグ、カウンタ等が一時的に記憶される。フラッシュメモリ30には、マイクロコンピュータ2の基本動作に関する処理を行ったり、後述する第2記憶部36を書き換えたりするための基本プログラムや、ガスセンサ5を制御するための制御プログラム等、各種プログラムや初期値等が記憶されている。なお、フラッシュメモリ30の詳細については後述する。
書込制御回路40は、フラッシュメモリ30にデータやプログラム等を記憶させる場合の制御を行う回路である。例えば、プログラム等の書き込みを行う際のアドレスの指定や、特定の記憶領域に対して記憶内容を消去できない(すなわち書き換えできない)ように保護するなど、記憶領域の管理を行う。なお、フラッシュメモリ30からデータやプログラム等の読み込みは、CPU10が直接アドレスを指定して行うことができる。
通信回路部3と制御回路部4は、それぞれ、マイクロコンピュータ2に接続されている。通信回路部3は、ECU6との間で信号の入出力を行うためのインタフェイスである。上記のように、ECU6に接続され、マイクロコンピュータ2とECU6との間でのCANによるシリアル通信を制御する。制御回路部4は、ガスセンサ5の駆動制御を行うための回路部である。制御回路部4は、マイクロコンピュータ2からの指示に従い、ガスセンサ5の検出素子(図示外)に駆動電流を流し、検出素子から特定ガスの濃度を反映した電圧信号や検出素子のインピーダンス(検出素子の温度に相関がある当該検出素子のインピーダンス)を反映した電圧信号を取得する。検出信号はマイクロコンピュータ2によってECU6に出力される。
次に、マイクロコンピュータ2に内蔵されるフラッシュメモリ30について説明する。本実施の形態において、フラッシュメモリ30は、マイクロコンピュータ2の用途に応じた各種プログラムを記憶する書き換え可能なROM(プログラマブルROM)として機能する。
図2に示すように、フラッシュメモリ30は、第1記憶部31と第2記憶部36の2つの記憶領域を有する。第1記憶部31は、書込制御回路40によって記憶領域内へのデータやプログラム等の書き込みが制限され、書き込み後の記憶内容の消去や追加書き込みが禁止され、記憶内容が保護される記憶領域である。第1記憶部31には、後述する調整データを記憶するための調整データ記憶領域33が設けられている。また、第1記憶部31において、調整データ記憶領域33を除く記憶領域には、マイクロコンピュータ2の基本動作を制御するための基本プログラム(ファームウェア)が記憶される。以下では、第1記憶部31において基本プログラムが記憶された記憶領域を、便宜上、基本プログラム記憶領域32と呼ぶ。また、第1記憶部31において、基本プログラム記憶領域32と調整データ記憶領域33を除く記憶領域を、便宜上、空き領域34と呼ぶ。上記したように、第1記憶部31に基本プログラムおよび調整データが記憶された後は、書込制御回路40によって、第1記憶部31の記憶内容が消去できず、また、空き領域34にもデータ等の書き込みができないように制御される。
第2記憶部36は、書込制御回路40によって、データやプログラム等の書き込みや記憶内容の消去が許可され、書き換えることができる記憶領域である。第1記憶部31には、ガスセンサ5を制御するための制御プログラムが記憶される。以下では、第2記憶部36において、制御プログラムの記憶された記憶領域を、便宜上、制御プログラム記憶領域37と呼ぶ。また、制御プログラムには、センサ制御装置1やマイクロコンピュータ2、ガスセンサ5の動作に異常が発生していないか確認するための各種の異常診断プログラムが含まれる。本実施の形態では、各種の異常診断プログラムのうち、フラッシュメモリ30の記憶内容に不整合が生じていないかについての検査(いわゆるROMチェック)を行う検査プログラムに着目する。以下では、制御プログラム記憶領域37内において、検査プログラムが記憶された記憶領域を、便宜上、検査プログラム記憶領域38と呼ぶこととする。また、第2記憶部36において、制御プログラム記憶領域37を除く記憶領域を、便宜上、空き領域39と呼ぶ。
このような構成のセンサ制御装置1のマイクロコンピュータ2では、駆動時に、CPU10によって、まず、第1記憶部31に記憶された基本プログラムが実行され、センサ制御装置1を構成する種々のデバイスの制御や初期化が行われる。次いで第2記憶部36に記憶された制御プログラムが実行され、ガスセンサ5の制御が開始される。制御プログラムに含まれる検査プログラムは、制御プログラムの実行に伴い行われる処理の一つとして、実行される。
検査プログラムでは、フラッシュメモリ30の記憶内容について検査がなされる。記憶内容の検査は、例えば、公知のCRC方式やチェックサム方式などによって行われる。ここでは説明を簡易化するため、チェックサム方式による検査が行われるものとする。チェックサム方式は、検査対象となる記憶領域に記憶されるすべてのデータ(データが記憶されていない領域も含む)を加算して検査値を求め、あらかじめ求められている検査比較値と比較することで、データの整合性を確認する検査方式である。検査の具体的な方法(計算方法など)については、公知であるので、以下では検査結果について着目して説明を行う。また、検査値は、全データの加算値が用いられる場合もあるが、本実施の形態では、下位所定ビット分、例えば、下位256ビット分のデータを用いるものとする。
検査プログラムによる検査対象は、フラッシュメモリ30のすべての記憶領域である。すなわち、図3に示す、第1記憶部31を構成する基本プログラム記憶領域32、調整データ記憶領域33、空き領域34と、第2記憶部36を構成する制御プログラム記憶領域37(検査プログラム記憶領域38を含む)、空き領域39とが、検査対象となる。検査プログラムによる検査の過程で算出される、第1記憶部31の検査値は、基本プログラム記憶領域32の全データと、調整データ記憶領域33の全データと、空き領域34の全データとを加算した値に基づく。
前述したように、第1記憶部31は、書込制御回路40によって書込保護されている。ここで、基本プログラム記憶領域32に記憶される基本プログラムに対して、仕様変更やアップデートに伴いバージョンアップがなされる場合がある。このため、市場にて流通するマイクロコンピュータ2には、バージョンアップ前の基本プログラムがインストールされたものと、バージョンアップ後の基本プログラムがインストールされたものとが存在する場合がある。ゆえに、バージョンの異なる基本プログラムがインストールされたマイクロコンピュータ2を搭載したセンサ制御装置1において、同一の検査プログラムによる検査を行った場合、通常は、検査値が異なるため、基本プログラムのバージョンに応じた検査比較値が必要となる。
本実施の形態では、検査プログラムによる検査値を調整するための調整データを記憶する調整データ記憶領域33を、第1記憶部31に設けている。調整データは、検査プログラムによる第1記憶部31に対する検査結果(検査値)が、基本プログラムのいずれのバージョンに対しても同一となるように、検査値を調整するためのデータである。調整データは、基本プログラムの作成時や更新時に、そのバージョンに対応するように、その都度算出され、調整データ記憶領域33に記憶される。第1記憶部31の検査値として得たい値が検査プログラムによって算出されるように、調整データ記憶領域33の記憶内容を適宜変更することで、調整データの調整が行われる。これにより、基本プログラム記憶領域32に対する検査では基本プログラムのバージョン次第で検査値が異なる状況であっても、第1記憶部31に対する検査では、基本プログラムのバージョンに関わらず、常に、同一の値を得ることができる。
例えば、図3に、市場に出荷されたセンサ制御装置1のマイクロコンピュータ2のフラッシュメモリ30に、プログラム等がインストールされた様子を模式的に示す。図3は、プログラムやデータの大きさや内容の違いを、黒四角の数の違いで模式的に示したものである。図3に示すように、フラッシュメモリ30の基本プログラム記憶領域32および空き領域34の全データの加算値に基づく検査値(図中「SUM」と示し、下位2桁の16進数で表記する。)は、例えば「4F」となる。また、調整データ記憶領域33の検査値は、例えば「31」である。したがって、第1記憶部31の検査値は、両者を合計した「80」となる。
この基本プログラムがバージョンアップされ、新たに市場に出荷されたセンサ制御装置1のマイクロコンピュータ2のフラッシュメモリ130を、図4に示す。フラッシュメモリ130の第1記憶部131の基本プログラム記憶領域132および空き領域134の検査値は、例えば「63」となる。第1記憶部31の検査値が、バージョンアップ前の検査値「80」となるように、この基本プログラムにあわせて調整データが調整される。すなわち、調整データ記憶領域133の検査値が、「80」から「63」を減算した「1D」となるように、調整データが調整される。このようにして、第1記憶部131の検査値は、基本プログラムのバージョンアップ前と同様に、「80」とされる。
また、図3、図4に示すように、基本プログラムのバージョンアップ前のフラッシュメモリ30の第2記憶部36と、フラッシュメモリ130のバージョンアップ後の第2記憶部36とには、同一の制御プログラムがインストールされている。よって、第2記憶部36を対象とする検査の検査値は、バージョンアップ前もバージョンアップ後も同じであり、例えば「5E」となる。したがって、検査プログラムによってフラッシュメモリ30またはフラッシュメモリ130に対して行われる検査では、いずれも、検査値として「DE」を得られることとなる。よって、検査プログラムにおいて比較される検査比較値をあらかじめ求めておき、それが「DE」であれば、CPU10は、フラッシュメモリ30(または130)の記憶内容に異常はないと判定することができ、制御プログラムに従って、ガスセンサ5の制御を行うことができる。
以上説明したように、検査プログラムによる第1記憶部31に対する検査は、基本プログラム記憶領域32に記憶される基本プログラムの内容(バージョン)が異なれば、異なる検査結果(検査値)が得られるが、調整データ記憶領域33に記憶される調整データを調整することによって、基本プログラムのバージョンに関わらず、検査値が、例えば同一となるように調整することができる。これにより、バージョンの異なる基本プログラムが第1記憶部31に格納されたマイクロコンピュータ2が複数種類あっても、基本プログラムのバージョンにあわせた複数バージョンの検査プログラム(基本プログラムのバージョンに対応する検査結果の比較データを含む検査プログラム)をそれぞれ用意する必要がない。よって、制御プログラムを開発する際に、検査プログラムが1種類で足りるため、制御プログラムも1種類で済む。このため、制御プログラムを第2記憶部36に記憶させる作業を行う際に、非対応の制御プログラムを誤って記憶させてしまう虞がない。したがって、基本プログラムのバージョンによらず、フラッシュメモリ30の記憶内容に対する検査を確実に行うことができるので、マイクロコンピュータ2の動作の信頼性を確保することができる。また、検査プログラムを作成する際に、基本プログラムのバージョンの違いを考慮する必要がないので、制御プログラムの開発工程を簡素化することができる。
なお、本発明は上記実施の形態に限られず、各種の変形が可能である。検査プログラムによる検査は、チェックサム方式に限らず、CRC方式やパリティチェック方式など、公知のさまざまな誤り検出方式を用いることができる。
また、調整データは、検査値として、基本プログラムのバージョンに関わらず同じ値が得られるようにしたが、検査結果が正しいと導ける検査値を得られれば足り、例えば所定の規則に従った、同一とみなせる検査値が得られるように、調整できればよい。例えば、検査値が素数となれば、フラッシュメモリ30の記憶内容が正しいと判定できるのであれば、そのような検査値を得られるように調整データを調整すればよいし、検査値が、所定値より大きければ、あるいは所定範囲内の値をとれば正常であるならば、そのような結果を得られるように、調整データを調整すればよい。
また、本実施の形態では、フラッシュメモリ30の記憶領域を、書き込み内容が保護される領域と、書き換え可能な領域とに管理し、それぞれを、第1記憶部31、第2記憶部36とした。これに限らず、マイクロコンピュータ2にROMとして機能する記憶装置を2種類内蔵してもよい。例えば、第1記憶部31として、OTPROM(OneTimePROM)を使用し、第2記憶部36としてフラッシュメモリやEEPROMを使用してもよい。また、フラッシュメモリ30の代わりに、EEPROMやUV−EPROMなどのEPROMを用いて、本実施の形態と同様に、一部を書き込み保護された領域として使用してもよい。
また、センサ制御装置1は、本実施の形態ではECU6と離れた位置に設けられる独立した装置として提供されたが、ECU6に組み込まれる形態として提供されてもよい。
なお、本実施の形態においては、基本プログラムが「第1のプログラム」に相当し、制御プログラムが「第2のプログラム」に相当し、検査プログラムが「第3のプログラム」に相当する。第1記憶部31が「第1の記憶部」に相当し、第2記憶部36が「第2の記憶部」に相当する。ガスセンサ5が「電装部品」に相当し、センサ制御装置1が「制御装置」に相当する。基本プログラム記憶領域32が「第1記憶領域」に相当し、調整データ記憶領域33が「第2記憶領域」に相当する。
1 センサ制御装置
2 マイクロコンピュータ
5 ガスセンサ
10 CPU
30 フラッシュメモリ
31 第1記憶部
32 基本プログラム記憶領域
33 調整データ記憶領域
36 第2記憶部

Claims (2)

  1. CPUと、
    前記CPU自身の制御を行うための第1のプログラムを格納し、前記第1のプログラムが記憶された後には記憶内容が保護されて書き換えることができない第1の記憶部と、
    車両に搭載される電装部品の制御を行うための第2のプログラムを格納し、前記第2のプログラムが記憶された後でも記憶内容を書き換えることが可能な第2の記憶部と、
    を含むマイクロコンピュータを備え、前記電装部品を制御するための各種処理を行う車両用電装部品の制御装置であって、
    前記第2のプログラムは、前記第1の記憶部の記憶内容と前記第2の記憶部の記憶内容とが正常か否かを検査するための第3のプログラムを含むものであり、
    前記第1の記憶部は、
    前記第1のプログラムが記憶される第1記憶領域と、
    前記第3のプログラムによる前記第1の記憶部に対する検査の結果を調整するデータが記憶される第2記憶領域と、
    を有することを特徴とする車両用電装部品の制御装置。
  2. CPUと、前記CPU自身の制御を行うための第1のプログラムを格納し、前記第1のプログラムが記憶された後には記憶内容が保護されて書き換えることができない第1の記憶部と、車両に搭載される電装部品の制御を行うための第2のプログラムを格納し、前記第2のプログラムが記憶された後でも記憶内容を書き換えることが可能な第2の記憶部と、を含むマイクロコンピュータを備える制御装置において実行され、前記電装部品を制御するための各種処理を行う車両用電装部品の制御方法であって、
    前記第2のプログラムは、前記第1の記憶部の記憶内容と前記第2の記憶部の記憶内容とが正常か否かを検査するための第3のプログラムを含むものであり、
    前記第1の記憶部には、前記第1のプログラムが記憶される第1記憶領域と、前記第3のプログラムによる前記第1の記憶部に対する検査の結果を調整するデータが記憶される第2記憶領域と、が含まれ、
    前記第1記憶領域に記憶される前記第1のプログラムに変更があった場合には、前記第3のプログラムによる前記第1の記憶部に対する検査の結果として、変更前と同一の結果が得られるように、前記第2記憶領域に記憶されるデータが調整されることを特徴とする車両用電装部品の制御方法。
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