JP2012076146A - リアルタイム溶接品質判定装置及び判定方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】溶接中に欠陥が発生すればリアルタイムで欠陥の発生を発見する等、溶接中にリアルタイムで品質を判定することが可能な技術を提供する。
【解決手段】抵抗溶接中に溶接箇所の溶接エネルギーに関係する物理量を測定し、この物理量を、所定の手順でリアルタイムにデジタル化されたサンプリングデータとし、このサンプリングデータを、当該溶接の条件に応じて、所定の手順でリアルタイムに1次元データとし、この1次元データとされたサンプリングデータを、リアルタイムに1次元のサンプリングベクトルとして表現し、この1次元のサンプリングベクトルと評価基準となるベクトルとの差の大きさを求め、前記評価基準となるベクトルの標準偏差に対する前記差の大きさの割合に基づき、当該溶接の品質を判定するリアルタイム溶接品質判定装置。
【選択図】図1

Description

本発明はリアルタイム溶接品質判定装置及び判定方法に関し、特に溶接中の溶接エネルギーの測定値にデジタル信号処理を施して基準値と比較するリアルタイム溶接品質判定装置及び判定方法に関する。
化学反応、焼結、蒸着等の化学反応や物理化学的な反応(含む、加工)においては、良質の製品を得るために圧力、温度、雰囲気、電流、電圧等の反応に関係する各種の条件を適切に制御することが重要である。このため、近年のマイクロプロセッサ、パソコン等の発達の下、前記各種の条件を、デジタル的に処理して適切に制御する試みが広くなされつつある。
溶接においても、例えばアーク溶接であれば、検出した電流や電圧についてのアナログ信号をA/D変換してデジタル化し、デジタルフィルター等による処理を行ってインバータ等を、ひいては電流や電圧を適切に制御することがなされている(特許文献1、非特許文献1)。
また、抵抗溶接において、溶接時間と強度の関係についてのデータを基に適切な溶接時間を設定し、さらに設定された溶接時間でなされた溶接に対する抜取り検査の結果を反映させることにより、溶接の強度をリアルタイムで判断する発明もなされている(特許文献2)。
特開平7−136776号公報 特開平7−136777号公報
上園敏郎著「デジタル制御アーク溶接機器の進展」、日本溶接協会溶接データシステム研究委員会主催 溶接データシステム研究委員会100回記念セミナー(平成17年1月14日)
しかしながら、近年の溶接の精度、効率、コストに対するユーザーの要求は益々厳しくなってきており、前記の技術ではユーザーの厳しい要求を充たすには必ずしも充分とは言えなくなりつつある。
前記の特許文献1と非特許文献1に開示されている技術は、測定された電圧や電流のデジタル化された値を処理し、処理結果を基にインバータ等を、ひいては電圧や電流等を制御する技術であるが、溶接品質の管理を直接の目的とする技術ではなく、リアルタイムに溶接品質を管理するために、短時間の溶接条件の変動が溶接品質に如何なる影響を与えているかについて評価するという視点からの記載はされていない。
また、溶接の良否に関係するパラメータには、溶接速度、シールドガスの組成、TIG溶接であれば陰極の先端角やアーク長、その他溶接対象の板材や溶接棒の場所による不均一等多数あり、単に電圧や電流のみを制御するだけでは、溶接の良否を判定するためには不充分である。
また、特許文献2に開示されている技術は、抵抗溶接を対象として、溶接時間だけで溶接の強度を管理している。しかし、このような溶接時間だけによる管理は、スポット溶接等には適用することが困難であり、また、電極チップの劣化による欠陥等、溶接時間以外の要因による品質の欠陥を探知することも困難である。
そこで、実際の溶接施工現場での溶接の品質管理は、例えばアーク溶接の場合には電流や電圧が予め定められた範囲内にあれば施工は問題が無いものと一応見做し、溶接が終了した後にサンプリングした箇所の非破壊検査や破壊検査を行っている。このため、溶接に何らかの欠陥が発生したことが判明するのは溶接が一応終了した後となる。そして、溶接の欠陥が発生していることが判明すれば、その時点で改めて当該欠陥箇所を手直したり、欠陥を有する製品を篩い分けして手直したり、電極チップを研磨したり交換したりする等の処理が必要となり、溶接の精度、作業効率、生産コスト等の面から難がある。
さらに、無人溶接ライン等の溶接のシステムや規模の如何によっては、一旦欠陥が発生した後もそのまま溶接を続ければ、それ以降の全溶接箇所や全製品の調査や手直し等までが必要となることがある。この場合には、溶接の精度の維持、作業効率、生産コスト等に大きな悪影響を及ぼすこととなる。
このため、リアルタイムによる欠陥の発生の発見等、溶接中にリアルタイムで品質を判定することが可能な技術の開発が望まれていた。
本発明者は、上記課題の解決につき、特願2009−60771号(特開2010−214380号)において、各処理単位における溶接中の電流と電圧等の溶接エネルギーに関係する物理量を測定し、測定した物理量をデジタル値とし、さらに当該溶接の品質の良否を的確に反映するように信号処理をし、得られた結果を基準値と比較して当該処理単位における溶接の品質をリアルタイムで判定する以下のリアルタイム溶接品質判定装置を提案した。
即ち、
溶接中に溶接箇所の溶接エネルギーに関係する物理量を測定する物理量測定部と、
前記物理量測定部が測定した物理量を、連続溶接であれば単位処理時間毎に、スポット溶接であればスポット毎に、リアルタイムかつ所定の手順で、複数種類かつ多数のデジタル化されたサンプリングデータとする物理量デジタル化部と、
前記デジタル化された各種類のサンプリングデータを、当該溶接の種類、条件に応じてリアルタイムかつ正規化を含む所定の手順で、1次元データとするサンプリングデータ1次元化部と、
前記サンプリングデータ1次元化部により1次元データとされた前記各種類のサンプリングデータからなる多次元のサンプリングデータを、リアルタイムかつ次元縮退を含む所定の手順で1次元のサンプリングベクトルとして表現するベクトル表現部と、
前記ベクトル表現部により表現された1次元のサンプリングベクトルを評価基準となるベクトルとリアルタイムかつ所定の手順で比較し、当該単位処理時間あるいは当該スポットの溶接の品質を判定する品質判定部と、
を有していることを特徴とするリアルタイム溶接品質判定装置を提案した。
具体的には、まず、溶接中に溶接箇所の溶接エネルギーに関係する電流、電圧等の物理量を測定し、その後、この物理量を連続溶接であれば単位処理時間毎に、スポット溶接であればスポット毎に、複数種類、かつ多数のデジタル化されたサンプリングデータとする。次いで、デジタル化された各種類のサンプリングデータを、溶接の種類、条件に応じて正規化を含む手順で1次元データとし、さらに、各種類の1次元データからなる多次元のサンプリングデータを次元縮退を含む手順で1次元のサンプリングベクトルとする。その後、得られた1次元のサンプリングベクトルを評価基準となるベクトルと比較して、当該単位処理時間あるいは当該スポットの溶接の品質を判定する。
このように、上記に提案されたリアルタイム溶接品質判定装置は、リアルタイムに、溶接エネルギーに関係する物理量を測定してデジタル化し、変化やばらつきあるいは異常の発生を捉えやすくするために正規化を含む手順で1次元データとし、各物理量の1次元データからなる多次元のデータを次元縮退により1次元のベクトルとする処理を行っている。このため、多くの情報が、最終的に1次元のベクトルとされているため、予め作成されている評価基準のベクトルとの比較を極めて容易に行うことができる。
そして、上記の処理は、測定可能な物理量であれば、種類は限定されないため、多種多様な溶接に広く適用することができる。
従って、溶接中に欠陥が発生すればリアルタイムで容易に欠陥の発生を知ることができる等、溶接の種類を問わず、溶接中にリアルタイムで品質を高い精度で判定することが可能となる。そして、溶接の品質の管理が大きく改善され、溶接の精度、効率、コストが大きく向上する。
しかし、上記の提案においては、サンプリングデータからサンプリングベクトルを作成するに際して、正規化、多次元化、次元縮退等の複雑な処理を行っている。そこで、本発明者は、これらの複雑な処理を特別に行うことなく、より簡便に、リアルタイムで溶接の品質を判定することが可能な技術につき、さらに鋭意検討を行った結果、本発明を完成するに至った。以下、各請求項の発明を説明する。
請求項1に記載の発明は、
抵抗溶接中に溶接箇所の溶接エネルギーに関係する物理量を測定する物理量測定部と、
前記物理量測定部が測定した物理量を、所定の手順でリアルタイムにデジタル化されたサンプリングデータとする物理量デジタル化部と、
前記デジタル化されたサンプリングデータを、当該溶接の条件に応じて、所定の手順でリアルタイムに1次元データとするサンプリングデータ1次元化部と、
前記サンプリングデータ1次元化部により1次元データとされたサンプリングデータを、所定の手順でリアルタイムに1次元のサンプリングベクトルとして表現するベクトル表現部と、
前記ベクトル表現部により表現された1次元のサンプリングベクトルと評価基準となるベクトルとの差の大きさを求め、前記評価基準となるベクトルの標準偏差に対する前記差の大きさの割合に基づき、当該溶接の品質を判定する品質判定部と
を有していることを特徴とするリアルタイム溶接品質判定装置である。
本請求項の発明も、基本的には前記提案の発明と同様に、電流、電圧等の溶接に重大な影響を及ぼす物理量を測定し、測定値について溶接の品質を特徴付けて抽出する為のデジタル信号処理を行い、処理された信号を評価することにより溶接の品質の判定を行うものである。
具体的には、まず、スポット溶接、シーム溶接、突き合わせ溶接などの抵抗溶接中に溶接箇所の溶接エネルギーに関係する電流、電圧等の物理量を測定し、その後、この物理量を当該溶接毎、例えば、スポット溶接であればスポット毎に、リアルタイムにデジタル化されたサンプリングデータとする。次いで、デジタル化されたサンプリングデータを、当該溶接の条件に応じて、所定の手順でリアルタイムに1次元データとし、さらに、この1次元データとされたサンプリングデータを、所定の手順でリアルタイムに1次元のサンプリングベクトルとする。その後、得られた1次元のサンプリングベクトルと評価基準となるベクトルとの差の大きさを求め、評価基準となるベクトルの標準偏差に対する前記差の大きさの割合に基づき、当該溶接の品質を判定する。
このように、本請求項の発明に係るリアルタイム溶接品質判定装置は、リアルタイムに、溶接エネルギーに関係する物理量を測定してデジタル化し、所定の手順で1次元データとし、さらに1次元のベクトルとする処理を行っている。この1次元のベクトルには、溶接品質に関する多くの情報が含まれているため、予め作成されている評価基準となるベクトルとの間で求められた差の大きさの、評価基準となるベクトルの標準偏差に対する割合を求めることにより、極めて容易にリアルタイムで溶接の品質を判定することができる。この結果、溶接の品質の管理が大きく改善され、溶接の精度、効率、コスト管理が大きく向上する。
そして、本請求項の発明においては、品質判定に際して、前記1次元サンプリングベクトルと評価基準となるベクトルとの差の大きさ(絶対値)を求め、その差の大きさの評価基準となるベクトルの標準偏差に対する割合に基づいて品質の判定を行っているため、上記提案の発明のように、正規化、多次元化、次元縮退等の複雑な処理を行う必要がない。
即ち、この評価基準となるベクトルの標準偏差に対する1次元サンプリングベクトルと評価基準となるベクトルとの差の大きさの割合を求める処理は、当該溶接における溶接品質の評価基準からのズレを求める処理に他ならず、実質的に前記した正規化と同等の結果をもたらす処理である。このため、本請求項の発明においては、途中の処理段階で正規化処理を行わず、最終の品質判定処理段階で、簡便な方法を用いて実質的な正規化同様の処理を行うことにより、正確な品質判定を行うことができる。
同様に、多次元化、次元縮退等の複雑な処理ステップを特別に設ける必要もないため、全体の処理を簡略化することができ、より簡便に溶接品質の判定を行うことができる。
なお、詳細は後記の「発明を実施するための形態」において説明するが、本請求項に用いられている主要な用語について予め説明する。
まず、本請求項に言う「リアルタイム」には、実用上リアルタイムとされる場合も含まれ、計算機における他の処理の都合、例えば多数の溶接が同時並行でなされている場合における他の溶接箇所のチェック、単位処理時間の長さ等から定まる制限、その他工場や溶接設備全体における他の機械設備や工程の都合から定まる制約等から、装置の応答に2、3秒程度の遅れがある場合も含まれる。
次に、「溶接エネルギーに関係する物理量」および「1次元データ」としては、例えば、後述する電極間電圧および電流(物理量)と抵抗値(1次元データ)の組合せを挙げることができるが、これ以外に、電極加圧力の変化(物理量)と抵抗値(1次元データ)の組合せや、電流および電圧(物理量)と熱量(1次元データ)の組合せなども挙げることができる。また、電極変位(移動量)や抵抗の傾斜などを物理量として採用することもできる。
次に、「物理量の測定」は、連続的かつアナログ的に行われるのが通常であり、物理量デジタル化部によりアナログ値がデジタル化される。可能であれば、直接デジタル値で物理量を取得しても良い。
次に、「デジタル化されたサンプリングデータ」とは、測定値を単にデジタル値としたデータだけでなく、交流電源の電圧の様にプラスマイナスがある測定値の絶対値を取ったり、特定のノイズを除去したりする処理が施されたデータも含まれる。
次に、「サンプリングデータ1次元化部により1次元データとされた」とは、物理量デジタル化部で作成された複数種類の物理量についての多数のデジタル化された各種類のサンプリングデータが、各種類の物理量について1次元化されていることを指す。
次に、「1次元のサンプリングベクトルとして表現する」とは、多次元のサンプリングデータで示されている各サンプリング点が、ベクトル表現部により溶接の品質の良否を表す1種類の数値として示される(表現される)ことを指す。
そして、「差の大きさ」とは、1次元のサンプリングベクトルと評価基準となるベクトルとの差についての絶対値を示す。
なお、本発明のリアルタイム溶接品質判定装置には、所定の判定基準の記録部、入力部等も備えられている。
請求項2に記載の発明は、
前記品質判定部は、
前記1次元サンプリングベクトルをRt、前記評価基準となるベクトルをRs、前記標準偏差をSpとしたとき、
前記Rt、Rs、Spの各々を、1からnまで時系列でn個に分け、
以下に示す式により得られるDの総和Dを、予め定められている許容基準値と比較することにより、当該溶接の品質を判定する
ことを特徴とする請求項1に記載のリアルタイム溶接品質判定装置である。
=|(Rt−Rs)|/Sp
(但し、Rt:1次元サンプリングベクトルRtのn番目のデータ
Rs:前記評価基準となるベクトルRsのn番目のデータ
Sp:標準偏差Spのn番目のデータ)
本請求項の発明は、前記した請求項1の発明に記載の品質判定部における処理を具体的に規定するものであって、時系列でn個に分けられた1次元サンプリングベクトルRt、評価基準となるベクトルRsおよびその標準偏差Spのそれぞれのn番目のデータに基づいて、評価基準からのズレの程度を示すDのn番目のデータDを求めている。
このため、DからDまでのn個のデータの総和Dは、当該溶接における評価基準からのズレの大きさの総和となり、このD(溶接品質距離)が大きいほど、溶接品質が悪いということができ、予め定められている許容基準値を超えた場合、不良と判定される。
なお、評価基準となるベクトルRsは、予め、模範となる打点を適宜サンプリングして、そのデータからベクトルを形成する。この模範となる打点は単打点である必要はなく、複数打点におけるデータから形成されたベクトルであってもよい。打点数が多くなるほど、判定の精度は上昇する。しかし、このとき、Rsは、各打点におけるn番目のデータを平均(単純平均)して作成され、またSpは、各打点におけるn番目のデータの標準偏差として作成されるため、処理に時間が掛かる。このため、実用上支障のない程度として、通常は、3〜4打点程度のデータから、評価基準となるベクトルRsが作成される。
「予め定められている許容基準値」としては、例えば、先行する実験、経験等により適宜設定することができる。
請求項3に記載の発明は、
前記品質判定部は、
前記1次元サンプリングベクトルRtのn番目のデータRtについて、溶接開始からの経過時間に応じた所定の分類を行い、
前記Dに対して前記分類に対応した重み付けの係数を掛けることにより得られる重み付けされたDの総和Dを、予め定められている許容基準値と比較することにより、当該溶接の品質を判定する
ことを特徴とする請求項2に記載のリアルタイム溶接品質判定装置である。
抵抗溶接を行う際、例えば、通電初期においては母材の表面の粗さにより大きな抵抗値(初期抵抗)が示され、ある程度溶接が進んだ時点からは、前記の表面粗さが解消されて安定した抵抗値が示される。また、溶接途中における電力供給の変動などによる抵抗値のばらつきもある。
このため、溶接の品質の判定に際しては、これらのばらつきを考慮して判定を行う必要がある。
本請求項の発明においては、作成された1次元サンプリングベクトルのそれぞれに、溶接開始からの経過時間に応じた重み付けを施した後に溶接品質の判定を行っているため、より正確に溶接の品質を判定することができる。
なお、具体的な重み付けについては、溶接開始からの時間経過を、異なる状況が特徴的に現れる部分、例えば、初期部分、中間期部分、後期部分に分け、各部分に対応して適宜重み付けをすることにより行われる。
また、本請求項における「予め定められている許容基準値」としては、前記Dに対して行った重み付けと同一の重み付けを行った許容基準値が採用される。
請求項4に記載の発明は、
抵抗溶接機の電極が新しく交換されたことを認知する新電極認知部と、
前記新電極認知部から電極が新しく交換された通知を受けると、前記物理量測定部、前記物理量デジタル化部、前記サンプリングデータ1次元化部および前記ベクトル表現部に合わせた処理を行って、通知を受けた後の所定回数の溶接の際の電流と電圧から当該所定回数の溶接ごとの1次元のサンプリングベクトルを作成し、さらに作成した各1次元のサンプリングベクトルを基に評価基準となるベクトルを作成する評価基準ベクトル作成部と
を有し、
前記品質判定部は、
前記所定回数以降の溶接の品質の判定に際して、前記評価基準ベクトル作成部が作成した評価基準となるベクトルを用いる
ことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のリアルタイム溶接品質判定装置である。
自動車製造工場等の大規模工場における抵抗溶接には、母材の板厚や種類および組合せ、溶接の仕様、電極や溶接機の仕様など、多種多様な条件が存在する。このため、これらの条件全てに対して評価基準となるベクトルを予め作成しておくことは、事実上困難である。
本請求項の発明においては、電極を交換した直後に行われた溶接から所定数の1次元のサンプリングベクトルを作成し、この1次元のサンプリングベクトルを基に評価基準となるベクトルを作成している。
これは、電極を交換した直後の溶接の品質は良好であることが分かっており、これらの1次元のサンプリングベクトルを評価基準作成用の模範として採用することに何ら問題がないことによる。
請求項5に記載の発明は、
前記物理量測定部は、電圧と電流を測定し、
前記物理量デジタル化部は、測定した電圧と電流を、溶接毎に、リアルタイムにデジタル化されたサンプリングデータとし、
前記サンプリングデータ1次元化部は、デジタル化された電圧と電流についての2種類のサンプリングデータを、所定の手順でリアルタイムに抵抗に関する1次元データとする
ことを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のリアルタイム溶接品質判定装置である。
本請求項の発明においては、具体的な物理量として、電極間電圧Vおよび電流Iを採用し、得られたそれぞれの値に基づいて、R=V/Iの式により算出された抵抗Rについて1次元サンプリングベクトルを作成している。
これは、抵抗溶接における発熱原理が溶接時の電気抵抗で説明することができると共に、抵抗溶接において電気抵抗の役割が非常に大きく、溶接品質の不良の発生が、電気抵抗値に反映されるためである。
請求項6に記載の発明は、
スポット溶接中に溶接箇所の電極間電圧の時間的変化を物理量として測定する物理量測定部と、
前記物理量測定部が測定した前記電極間電圧の時間的変化を、所定の手順でリアルタイムにデジタル化されたサンプリングデータとする物理量デジタル化部と、
前記デジタル化されたサンプリングデータを用いて、所定の手順でリアルタイムにマハラノビス距離を計算するマハラノビス距離演算部と、
別途計算された評価基準となるスポット溶接におけるマハラノビス距離のデータから作成された下式に示す管理限界を閾値として、前記マハラノビス距離演算部により計算されたマハラノビス距離のデータを振り分け、前記閾値未満に含まれる前記マハラノビス距離のデータ量に基づき、当該溶接の品質を判定する品質判定部と
を有していることを特徴とするリアルタイム溶接品質判定装置である。
μ+3σ
μ:評価基準となるスポット溶接におけるマハラノビス距離のデータの平均値
σ:評価基準となるスポット溶接におけるマハラノビス距離のデータの標準偏差
相関がある特性値をパラメータとした統計処理において、マハラノビス距離を用いて評価する手法が知られている。このマハラノビス距離による評価は、2次元空間に配置した各点の距離を、相関を考慮した距離空間で求めて評価するものである。
具体的には、まず、請求項1と同様に、溶接中の1打点における物理量を測定単位時間毎に測定して、リアルタイムにデジタル化してサンプリングデータとし、その後、各サンプリングデータについてマハラノビス距離を計算する。別途、評価基準となる溶接についても、同様に、マハラノビス距離を計算し(参照データ)、平均値μおよび標準偏差σを求める。その後、各種の統計手法で妥当な管理限界とされている3σ限界、即ち、μ+3σを閾値にして(マハラノビス距離は0以上の値であるため、μ+3σのみを使用する)、上記で得られた各サンプリングデータのマハラノビス距離を振り分ける。
しかしながら、例えば、電圧と電流を物理量として測定し、マハラノビス距離を用いて品質判定を行ったところ、アーク溶接やTIG溶接の場合には、マハラノビス距離のサンプリングデータから溶接品質を適切に判定することができるものの、スポット溶接の場合には、求められたマハラノビス距離では電極消耗やナゲット形成状況を判定することができず、溶接品質を充分には判定することができないことが分かった。
そこで、本発明者は、スポット溶接においてマハラノビス距離を用いて適切に品質判定を行うことができる新たな物理量について検討を行った。その結果、電極間電圧の時間的変化が溶接品質とより直接的に関連しており、この電極間電圧の時間的変化を物理量として測定し、測定された電極間電圧の時間的変化に対してマハラノビス距離を用いて適切な処理を行うことにより、電極消耗やナゲット形成状況を判定することができ、溶接品質を適切に判定できることを見出した。
請求項7に記載の発明は、
前記品質判定部は、前記閾値未満に含まれる前記マハラノビス距離のデータ量Nu、および全データ量Naに基づき、下式により溶接品質を求めて品質判定を行う
ことを特徴とする請求項6に記載のリアルタイム溶接品質判定装置である。
溶接品質(%)=(Nu/Na)×100
前記した通り、閾値未満に含まれるマハラノビス距離のデータ量(個数)が多ければ、良質の溶接が行われていると判定することができるため、全データ量に対する比率を溶接品質と定義することにより、定量的に品質判定を行うことができる。
請求項8に記載の発明は、
前記物理量デジタル化部は、前記物理量測定部が測定した電極間電圧の時間的変化を、所定の手順でリアルタイムにデジタル化された電極間電圧と時間の2次元のサンプリングデータとし、
前記マハラノビス距離演算部は、前記物理量デジタル化部においてデジタル化された電極間電圧と時間との2次元のサンプリングデータに対して、時間軸に平行な直線を等間隔に引き、前記サンプリングデータと各直線との交点の個数を求めて微分データとすると共に、各直線以上の領域にある前記電極間電圧のデータ量の和を求めて積分データとし、前記微分データと前記積分データとから、リアルタイムにマハラノビス距離を計算する
ことを特徴とする請求項6または請求項7に記載のリアルタイム溶接品質判定装置である。
前記したように、電極間電圧の時間的変化は溶接品質とより直接的に関連しており、測定された電極間電圧の時間的変化に基づき作成された電極間電圧と時間との2次元データ(電極間電圧波形)から得られた上記の微分データや積分データには、溶接品質を左右する波形の周波数に関する情報と振幅に関する情報およびこれらの分布に関する情報が含まれているため、これらのデータを用いて計算されたマハラノビス距離のデータを評価基準となるマハラノビス距離のデータと比較することにより、電極消耗やナゲット形成状況を判定することができ、高速にリアルタイムで溶接の品質を適切に判定することができる。
即ち、前記した相関を考慮した微分−積分の2次空間に、溶接品質を左右する情報が含まれたデータを配置して、マハラノビス距離を計算し、その結果を、前記したように、μ+3σを閾値にして振り分けることにより、高速にリアルタイムで溶接の品質を適切に判定することができる。
なお、上記において、2次元データと各直線との交点の個数を微分データと表現しているのは、各直線との交点を時間軸との交点と解釈することができ、微分的特性を有するデータと見なすことができることによる。同様に、各直線以上の領域にある電極間電圧のデータ量の和を積分データと表現しているのは、電極間電圧のデータ量の和は面積と解釈することができ、時間に対する積分的特性を有するデータと見なすことができることによる。
そして、「時間軸に平行な直線」の本数は、一般的には500〜1500本程度が好ましい。
また、評価基準となるマハラノビス距離のデータは、予め、模範となる打点を適宜サンプリングして作成すればよいが、スポット溶接は足踏スイッチを押すだけで一連の溶接工程が自動的に行われる自動溶接であるため、打点数を増加しても溶接品質の判定結果には殆ど差異はない。
請求項9に記載の発明は、
請求項1ないし請求項8のいずれかに記載のリアルタイム溶接品質判定装置を用いてリアルタイムに溶接の品質を判定することを特徴とするリアルタイム溶接品質判定方法である。
本請求項の発明は、装置の発明である請求項1ないし請求項8のいずれかに記載の発明を、方法の発明として捉えたものである。
本発明においては、溶接中に欠陥が発生すればリアルタイムで欠陥の発生を発見する等、溶接中にリアルタイムで、簡便に品質を判定することが可能な技術を提供することができるため、溶接の品質の管理が大きく改善され、溶接の精度、作業効率、生産コスト等が大きく向上する。
本発明の第1の実施の形態における処理の概略を示す図である。 本発明の第1の実施の形態において、評価基準となるベクトルRsを準備する過程を示す図である。 本発明の第1の実施の形態において、溶接品質距離を求める過程を示す図である。 本発明の第1の実施の形態において、溶接箇所の破断検査結果と対応する溶接品質距離との関係を示す図である。 スポット溶接時の電気の流れの推移を模式的に示す図である。 スポット溶接において、ナゲットが形成される様子を示す図である。 スポット溶接における抵抗値の時間的変化と、変化そのものがケースにより相違することを示す図である。 本発明の第3の実施の形態における溶接箇所の破断検査結果と対応する溶接品質距離との関係を示す図である。 本発明の第4の実施の形態で用いたスポット溶接機とその品質判定装置の構成を概念的に示す図である。 本発明の第4の実施の形態における平均電圧の測定結果と捻り破断試験における結果を示す図である。 本発明の第4の実施の形態において電圧と電流をパラメータとして溶接品質を求めた結果を示す図である。 本発明の第4の実施の形態において電圧と電流をパラメータとしてマハラノビス距離の分布を求めた結果を示す図である。 軟鋼材のスポット溶接における電極間電圧の時間的な変化を概念的に示す図である。 本発明の第4の実施の形態において、51打点目と451打点目における電極間電圧の時間的な変化を概念的に示す図である。 本発明の第4の実施の形態において、電極間電圧の時間的な変化をパラメータとする溶接品質の判定方法を説明する図である。 本発明の第4の実施の形態において、電極間電圧の時間的な変化をパラメータとして、51打点目と451打点目におけるマハラノビス距離の分布を求めた結果を示す図である。 本発明の第4の実施の形態において、電極間電圧の時間的変化を用いたマハラノビス距離に基づき溶接品質を求めた結果を示す図である。
以下、本発明を実施の形態に基づいて説明する。なお、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではない。本発明と同一および均等の範囲内において、以下の実施の形態に対して種々の変更を加えることが可能である。
以下に示す第1〜第3の実施の形態は、自動車の製造ライン等で行なわれている抵抗溶接を用いたスポット溶接において、複数の物理量として電流と電圧の2種を測定し、測定した2種の物理量のデータをリアルタイムで処理して1次元のサンプリングベクトル(抵抗)を作成し、作成したベクトルと評価基準となるベクトルを、評価基準となるベクトルの標準偏差を用いた演算を含む所定の手順で比較し、リアルタイムの品質判定を行うものである。
(第1の実施の形態)
図1に、本第1の実施の形態における処理の概略を示す。図1において、10は物理量測定部であり、20は物理量デジタル化部であり、30はサンプリングデータ1次元化部およびベクトル表現部であり、40は品質判定部である。
1.1次元サンプリングベクトルの作成
最初に、物理量測定部10において、スポット溶接中の1打点について所定の時系列間隔で、電流と電圧をアナログデータとして測定し、その後、物理量デジタル化部20において、物理量測定部10が測定した電流Aと電圧Vの連続したデータをデジタル化する。
次に、サンプリングデータ1次元化部およびベクトル表現部30において、デジタル化された電流Aと電圧Vを用いて抵抗Rを、R=V/Aの式により算出して、各時系列の1次元サンプリングデータとした後、スポット溶接中の1打点における抵抗について1次元のサンプリングベクトルRtを作成する。
2.溶接品質の判定
次に、品質判定部40において、作成された1次元のサンプリングベクトルRtと、予め作成された評価基準となるベクトルRs(標準偏差Sp)との差(Rt−Rs)の大きさ|(Rt−Rs)|のSpに対する比率D(溶接品質距離)を求め、その大きさを予め定められた許容値と比較して、溶接品質の判定を行う。
図2は、評価基準となるベクトルRsを準備する過程を示す図である。図2においては、模範となる打点として4つの打点を選択し、各打点に対応するベクトルRs(1)〜Rs(4)を得ている。そして、各ベクトルは、時系列で、1、2、・・・、n、・・、10と10個のデータに分けられている。
そして、標準偏差Spは、Rs(1)〜Rs(4)各々のn番目のデータから得られた標準偏差Sp、即ちSp=Spで示すことができる。また、Rsは、Rs(1)〜Rs(4)各々のn番目のデータを単純平均したRs、即ちRs=Rsで示すことができる。
以上により準備されたRsおよびSpと、同様に1からnまで時系列でn個に分けられたRtとを用いて(図3参照)、以下の手順により、溶接品質の判定が行われる。
まず、Rt、Rs、Sp各々のn番目のデータに基づいて、溶接品質距離Dのn番目のデータの大きさDを以下の式を用いて求める。
=|(Rt−Rs)|/Sp
得られたDの総和が溶接品質距離Dであり(D=ΣD)、予め定められている許容基準値と比較することにより、溶接の品質が判定される。
上記の処理は、前記したように、実質的に正規化と同等の結果をもたらす処理であるため、本実施の形態においては、途中の処理段階で正規化処理を行う必要がない。また、多次元化、次元縮退等の複雑な処理も不要であるため、より簡便でありながら、溶接品質についての正確な判定を行うことができる。
図4に、多数のスポット溶接を行った後、当該溶接箇所の破断検査を行い、対応する溶接品質距離Dとの関係を調べた結果を示す。なお、このときの溶接条件は、ドーム型φ6R40の電極を使用し、電流8.5kAの直流電源で1分当たり5秒の通電、即ち、1/12秒の溶接時間で行った。また、母材としては、JAC270Dの鋼板(厚さ0.7mm)を用いた。
図4において、左の縦軸は破断径(mm)であり、右の縦軸は溶接品質距離Dであり、横軸は打点数(時系列で並べたスポット溶接箇所の順番)である。上部に示す□、●、■からなる線は破断径を示す。この内、□は溶接箇所の母材(ベースメタル)が破断したこと(B破断)を示している。そして、●は溶接箇所がせん断破壊したこと(S破断)を示し、■はリングナゲット(ナゲットの中心部は溶け込んでいない)であることを示している。
また、下部に示す線は溶接品質距離を示す。
図4より、この場合には、打点数が7000を少し超えた辺りから、溶接品質距離が大きくばらついて乱れが生じていることが分かり、この時点で溶接作業を停止して、電極を取り換えるなどの対応をする必要があることが分かる。
このように、リアルタイムに適切な基準で、溶接品質を正確にチェックすることができるため、従来のように、タガネによる打音で電極交換のタイミングを図るという個人のスキルに頼ることなく、リアルタイムに、簡便かつ確実に電極交換のタイミングを図ることができる。
なお、本発明のリアルタイム溶接品質判定装置を用いた溶接のリアルタイムでの品質の判定を行う最中に得られたデータや、あるいは実際の使用において新たに得られたデータをデータベースとして蓄積し、それ以降の溶接のリアルタイムでの品質の判定に利用するようにしても良い。
(第2の実施の形態)
本第2の実施の形態は、溶接品質の評価に際して、溶接開始からの時間について重み付けを行う点が、前記第1の実施の形態と異なる。
図5〜7を参照しつつ、本第2の実施の形態における着目点を説明する。
図5は、スポット溶接時の電気の流れの推移を模式的に示す図であり、上段はスポット溶接の構成の概略を示す図であり、80は電極、90は母材を示しており、98はスポット溶接部を示している。そして、図5の下段はスポット溶接部98を拡大して、スポット溶接時における電気の流れを示す図であり、左図はスポット溶接を開始した時、右図は定常状態となった時の状態を示しており、99は母材90表面の粗さを示す空洞である。
図5の下段左図に示すように、スポット溶接を開始した時点では、上下の母材90表面には粗さが残っており、空洞99があるため、相互の接触が不均一となり、電気の流れが大きく乱れて大きな抵抗値を示す。一方、定常状態になれば、下段右図に示すように、相互の接触が均一となるため、電気の流れが安定し小さな抵抗値を示す。
このとき、母材90は、図6に示すように、上下の電極80に挟まれた箇所95から96、97と、順に外周側に溶けていき、当該箇所の通電終了と共に固化してナゲットが形成される。
図7は、スポット溶接における抵抗値の時間的変化と、変化そのものがケースにより相違することを示す図である。図7において、縦軸は抵抗を示し、横軸は経過時間を示す。図7より、スポット溶接開始時の抵抗は極めて大きく、またケースによるばらつきも比較的大きく、定常状態に入った後では略一定となることが分かる。また、定常状態に入った後でも、場合によっては例えば終了近くに変化があることが分かる。
このため、スポット溶接の良否を判定するに際しては、当該溶接全体にわたって均等に採取したデータをそのままに評価に用いるのではなく、例えば、溶接開始直後のグループ、その後の定常時の前半のグループ、同じく後半のグループに3分割するなど、溶接全体をその経過時間に応じてグループ分けを行い、さらに各グループのデータに重み付けを行うことにより、より正確な判定を得ることができる。
(第3の実施の形態)
本第3の実施の形態は、評価基準となるベクトルをリアルタイム溶接品質判定装置自らが作り出す形態に関する。
スポット溶接における品質不良の原因の多くは、電極の消耗であるため、電極交換直後の溶接が不良となる確率は少ない。
また、電極交換直後の溶接開始時には、作業者は、交換が適切になされたか否かを確認すると共に、交換後の溶接機全体の作動をも監視して、異常を認めれば即座に溶接装置を停止して、必要な整備を行うことが通常行われており、この面からも、電極交換直後の溶接が不良となる確率は少ない。
そこで、本第3の実施の形態では、最初の3箇所のスポット溶接の品質は良好なものとし、その3箇所についてのベクトル表現部により表現された1次元のサンプリングベクトルを算術平均して評価基準となるベクトルとし、その後のスポット溶接の品質の評価に用いる。
本第3の実施の形態のリアルタイム溶接品質判定装置においては、新たに、電極の交換を認知する新電極認知部と、最初の3箇所のスポット溶接における1次元のサンプリングベクトルを基に評価基準となるベクトルを作成する評価基準ベクトル作成部とを有している。
新電極認知部が電極の交換を認知すると、評価基準ベクトル作成部が、最初の3箇所のスポット溶接について、物理量測定部、物理量デジタル化部、サンプリングデータ1次元化部およびベクトル表現部に合わせた処理を行って、新たな評価基準ベクトルを作成する。
新たな評価基準ベクトルを作成した後は、この評価基準ベクトルに従って溶接品質の判定を行う。
図8に、多数のスポット溶接を行った後、本第3の実施の形態に基づき、当該溶接箇所の破断検査を行い、対応する溶接品質距離との関係を調べた結果を示す。このときの溶接条件は、ドーム型φ6R40の電極を使用し、電流6.2kAの交流電源で13cycle@60Hzの通電時間、150kgfの加圧で行った。
図8より、本実施例の場合、打点数が200以下では溶接品質距離が小さく、打点数が1600を超えた辺りから溶接品質距離が急激に上昇していることが分かる。
(第4の実施の形態)
本第4の実施の形態は、マハラノビス距離を用いてスポット溶接の品質を判定することに関する。なお、以下においては、スポット溶接の具体的な実験例として、GA材の2枚重ね溶接を挙げて説明する。
最初に、電圧と電流を物理量としてマハラノビス距離を用いて品質判定を行った場合、溶接品質を充分には判定することができないことについて説明する。
図9に、本実験に用いたスポット溶接機とその品質判定装置の構成を概念的に示す。図9において、1は電源の加圧方式がサーボ式の直流定置型スポット溶接機、2はトロイダルコイル、3は電極間電圧および溶接電流を測定するウエルドモニター(ミヤチテクノス製、MG3)、4はウエルドモニター3において測定された電極間電圧および溶接電流に基づき処理を行うPC(パーソナルコンピュータ)である。なお、ウエルドモニター3による電極間電圧の測定は被溶接材を挟む両電極チップを用いて、また、溶接電流の測定はトロイダルコイル2を用いて、サンプリング間隔0.38msで行った。
そして、GA材としては厚さ0.7mmのJAC270D材2枚を用い、2.5kNの押圧力でスポット溶接を行った。このとき、電極チップ先端の形状はDR形(6mmφ、40R)、各スポットの通電時間は25サイクル、通電電流は10.0kAとした。また、サンプリング頻度は50打点毎に2打点とした。
別途、溶接部材の捻り破断試験を行い、破断径(mm)を測定すると共に、破断状況を確認した。なお、破断径の測定は溶接部に対して短径と長径の2箇所で測定を行い、その平均値を破断径とした。
図10に、スポット溶接における平均電圧の測定結果と捻り破断試験における結果を示す。図10において、横軸は打点(最初のスポット溶接から数えた打点数)であり、○印と●印は破断径(mm)、■印は平均電圧(V)を示している。また、破断状況は、○印が母材の破断を、●印が溶接箇所の破断を示している。
図10より、400〜900打点付近においては、充分なナゲットが形成されず、破断径が低下すると共に、破断状況が母材の破断から溶接箇所の破断に変化していることが分かる。これは、400打点付近で電極先端の一部が軟化、変質して電極先端が円状からリング状に変形しているためと考えられる。
また、900打点以降においては、ナゲットの形成が回復して、破断径が上昇すると共に、破断状況も母材の破断となり、良好な溶接が得られていることが分かる。このように900打点以降において良好な溶接が得られたのは、溶接を繰返すことにより電極先端の形状が再形成されて電極の状態がやや回復して、ナゲットが形成されやすくなったためと考えられる。
次に、第1の実施の形態と同様に測定された物理量(電圧と電流)をパラメータとしてマハラノビス距離を求め、評価基準となる参照データの平均値μと標準偏差σとから作成された閾値μ+3σとの比較から当該溶接における溶接品質を算出した。結果を図11に示す。図11に示すように、電圧と電流をパラメータとした場合、300打点付近でやや低下しているものの、その他の打点では98%前後で推移しており、図10に示す破断径の変化とは対応していない。この結果より、パラメータが電圧と電流の場合には、マハラノビス距離を用いてナゲット形成の差異を判定することができず、溶接箇所の溶接の品質を充分には判定できていないことが分かる。
これは、ナゲットの形成状況が明らかに異なる、例えば、良好な破断径が得られた51打点目(図10左側の矢印)と、電極消耗による破断径の減少が生じた451打点目(図10右側の矢印)におけるマハラノビス距離を見た場合、図12に示すように、上段(1)の51打点目と下段(2)の451打点目で殆ど差異がないためである。
次に、電極間電圧の時間的変化を物理量としてマハラノビス距離を用いて品質判定を行った場合、溶接品質を適切に判定できることについて説明する。
本発明者は、前記したように、電圧と電流に替わる物理量として、溶接品質とより直接的に関連している電極間電圧の時間的変化に着目した。図13は、前記したJAC270Dなどの軟鋼板のスポット溶接において測定された電極間電圧の時間的変化を概念的に示す図であり、縦軸は電極間電圧(V)であり、横軸は時間(ms)である。
図13において、AB間は接触抵抗発熱によって接触抵抗が増大したことを示している。そして、BC間は接触面の微小凸部が接触抵抗発熱により溶融して接触抵抗が消滅したことを示している。また、CD間は通電部分の抵抗発熱による温度上昇で抵抗が増大しているが、ナゲットが形成され始めていることを示している。ナゲットが形成され始めると、電流通路が広くなる一方、溶接部の温度上昇は飽和するため、D点からは抵抗が減少し始め、電極間電圧が低下し始める。ナゲットはDE間で急速に拡大し、FG間でナゲットの成長が飽和する。そして、G点以降はコロナボンドの面積拡大により、電流密度が低下し、通電中にも拘わらず溶接部の温度はむしろ下降気味になることを示している。
そして、上記電極間電圧の時間的な変化(電極間電圧波形)は、例えば、図14に示すように、51打点目(前記したように、良好な破断径が得られ溶接品質は良)と451打点目(前記したように、破断径の減少が生じ溶接品質は不良)とにおける電極間電圧波形に明らかに差異が認められるため、電極間電圧の時間的な変化を物理量として測定することにより、溶接箇所の溶接の品質を適切に判定できることが分かる。
次に、上記で測定された電極間電圧の時間的な変化に基づき、マハラノビス距離を用いて溶接品質を判定する具体的な方法につき、図15を用いて説明する。なお、図15は、ある打点における電極間電圧の時間的な変化を示す電極間電圧波形である。
まず、この電極間電圧波形に対して、時間軸に平行なp本の直線を等間隔に引く。次に、各直線が電極間電圧波形と交わる交点の個数を求め、微分データとする。また、各直線以上の領域にある電極間電圧のデータ量の和を求めて積分データとする。
次に、得られた微分データおよび積分データに基づき、当該溶接におけるマハラノビス距離を求める。そして、予め溶接品質が良と判定された打点(例えば、51打点)におけるマハラノビス距離との関係から溶接品質を算出する。具体的には、51打点におけるマハラノビス距離の全データから平均値μおよび標準偏差σを求め、μ+3σを閾値にして上記で得られた各マハラノビス距離を振り分ける。そして、下式に示すように、閾値未満に含まれるマハラノビス距離のデータ量(個数)Nuの51打点におけるマハラノビス距離の全データ量(個数)Naに対する比率を求めて溶接品質とする。
溶接品質(%)=(Nu/Na)×100
図16に、図12と同様に、51打点(溶接品質:良)および451打点目(溶接品質:不良)において得られたマハラノビス距離を示す。なお、図16においては、各打点における電極間電圧波形に対して1000本の直線を引いてマハラノビス距離を求めた。図16に示すように、電極間電圧の時間的変化を用いた場合には、図12と異なり、上段(1)の51打点目と下段の(2)451打点目とでは大きな差異が認められる。そして、この結果から、電極間電圧の時間的変化に基づくマハラノビス距離を用いることにより、溶接品質の良、不良を適切に判定できることが分かる。
各打点における溶接品質を、電極間電圧の時間的変化を用いたマハラノビス距離に基づき算出した結果を図17に示す。そして、図17と図10を対比させると、451打点目での破断径の減少に対し溶接品質が60%付近まで低下する一方、851打点目以降での破断径の増加に対して溶接品質が80〜90%程度まで増加しており、破断状況の変化と溶接品質の変化とが良く対応していることが分かる。また、ナゲットが形成されなかった1351、1551打点目においては、溶接品質が50%付近まで低下しており、判定結果がナゲット形成の差異を表していることが分かる。
以上のように、電極間電圧の時間的変化を用いてマハラノビス距離を求めることにより、スポット溶接であっても、電極消耗やナゲット形成状況を判定することができ、溶接品質を適切に判定することができる。
本発明は、溶接の品質管理を大きく改善し、これにより溶接の精度、効率、コストが大幅に改善されるため、極めて大きな産業上の利用可能性を有することとなる。
1 直流定置型スポット溶接機
2 トロイダルコイル
3 ウエルドモニター
4 PC
10 物理量測定部
20 物理量デジタル化部
30 サンプリングデータ1次元化部およびベクトル表現部
40 品質判定部
80 電極
90 母材
95、96、97 溶接により溶けていく箇所
98 スポット溶接部
99 空洞

Claims (9)

  1. 抵抗溶接中に溶接箇所の溶接エネルギーに関係する物理量を測定する物理量測定部と、
    前記物理量測定部が測定した物理量を、所定の手順でリアルタイムにデジタル化されたサンプリングデータとする物理量デジタル化部と、
    前記デジタル化されたサンプリングデータを、当該溶接の条件に応じて、所定の手順でリアルタイムに1次元データとするサンプリングデータ1次元化部と、
    前記サンプリングデータ1次元化部により1次元データとされたサンプリングデータを、所定の手順でリアルタイムに1次元のサンプリングベクトルとして表現するベクトル表現部と、
    前記ベクトル表現部により表現された1次元のサンプリングベクトルと評価基準となるベクトルとの差の大きさを求め、前記評価基準となるベクトルの標準偏差に対する前記差の大きさの割合に基づき、当該溶接の品質を判定する品質判定部と
    を有していることを特徴とするリアルタイム溶接品質判定装置。
  2. 前記品質判定部は、
    前記1次元サンプリングベクトルをRt、前記評価基準となるベクトルをRs、前記標準偏差をSpとしたとき、
    前記Rt、Rs、Spの各々を、1からnまで時系列でn個に分け、
    以下に示す式により得られるDの総和Dを、予め定められている許容基準値と比較することにより、当該溶接の品質を判定する
    ことを特徴とする請求項1に記載のリアルタイム溶接品質判定装置。
    =|(Rt−Rs)|/Sp
    (但し、Rt:1次元サンプリングベクトルRtのn番目のデータ
    Rs:前記評価基準となるベクトルRsのn番目のデータ
    Sp:標準偏差Spのn番目のデータ)
  3. 前記品質判定部は、
    前記1次元サンプリングベクトルRtのn番目のデータRtについて、溶接開始からの経過時間に応じた所定の分類を行い、
    前記Dに対して前記分類に対応した重み付けの係数を掛けることにより得られる重み付けされたDの総和Dを、予め定められている許容基準値と比較することにより、当該溶接の品質を判定する
    ことを特徴とする請求項2に記載のリアルタイム溶接品質判定装置。
  4. 抵抗溶接機の電極が新しく交換されたことを認知する新電極認知部と、
    前記新電極認知部から電極が新しく交換された通知を受けると、前記物理量測定部、前記物理量デジタル化部、前記サンプリングデータ1次元化部および前記ベクトル表現部に合わせた処理を行って、通知を受けた後の所定回数の溶接の際の電流と電圧から当該所定回数の溶接ごとの1次元のサンプリングベクトルを作成し、さらに作成した各1次元のサンプリングベクトルを基に評価基準となるベクトルを作成する評価基準ベクトル作成部と
    を有し、
    前記品質判定部は、
    前記所定回数以降の溶接の品質の判定に際して、前記評価基準ベクトル作成部が作成した評価基準となるベクトルを用いる
    ことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のリアルタイム溶接品質判定装置。
  5. 前記物理量測定部は、電圧と電流を測定し、
    前記物理量デジタル化部は、測定した電圧と電流を、溶接毎に、リアルタイムにデジタル化されたサンプリングデータとし、
    前記サンプリングデータ1次元化部は、デジタル化された電圧と電流についての2種類のサンプリングデータを、所定の手順でリアルタイムに抵抗に関する1次元データとする
    ことを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のリアルタイム溶接品質判定装置。
  6. スポット溶接中に溶接箇所の電極間電圧の時間的変化を物理量として測定する物理量測定部と、
    前記物理量測定部が測定した前記電極間電圧の時間的変化を、所定の手順でリアルタイムにデジタル化されたサンプリングデータとする物理量デジタル化部と、
    前記デジタル化されたサンプリングデータを用いて、所定の手順でリアルタイムにマハラノビス距離を計算するマハラノビス距離演算部と、
    別途計算された評価基準となるスポット溶接におけるマハラノビス距離のデータから作成された下式に示す管理限界を閾値として、前記マハラノビス距離演算部により計算されたマハラノビス距離のデータを振り分け、前記閾値未満に含まれる前記マハラノビス距離のデータ量に基づき、当該溶接の品質を判定する品質判定部と
    を有していることを特徴とするリアルタイム溶接品質判定装置。
    μ+3σ
    μ:評価基準となるスポット溶接におけるマハラノビス距離のデータの平均値
    σ:評価基準となるスポット溶接におけるマハラノビス距離のデータの標準偏差
  7. 前記品質判定部は、前記閾値未満に含まれる前記マハラノビス距離のデータ量Nu、および全データ量Naに基づき、下式により溶接品質を求めて品質判定を行う
    ことを特徴とする請求項6に記載のリアルタイム溶接品質判定装置。
    溶接品質(%)=(Nu/Na)×100
  8. 前記物理量デジタル化部は、前記物理量測定部が測定した電極間電圧の時間的変化を、所定の手順でリアルタイムにデジタル化された電極間電圧と時間の2次元のサンプリングデータとし、
    前記マハラノビス距離演算部は、前記物理量デジタル化部においてデジタル化された電極間電圧と時間との2次元のサンプリングデータに対して、時間軸に平行な直線を等間隔に引き、前記サンプリングデータと各直線との交点の個数を求めて微分データとすると共に、各直線以上の領域にある前記電極間電圧のデータ量の和を求めて積分データとし、前記微分データと前記積分データとから、リアルタイムにマハラノビス距離を計算する
    ことを特徴とする請求項6または請求項7に記載のリアルタイム溶接品質判定装置。
  9. 請求項1ないし請求項8のいずれかに記載のリアルタイム溶接品質判定装置を用いてリアルタイムに溶接の品質を判定することを特徴とするリアルタイム溶接品質判定方法。
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