JP2007326139A - シリーズスポット溶接装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】溶接不良をより確実に検出し得るシリーズスポット溶接装置を提供する。
【解決手段】シリーズスポット溶接装置1の溶接不良検出部11は、平均抵抗値算出手段12と、しきい値設定手段13と、判定手段14とを備える。まず、しきい値を設定するために行う溶接工程において、通電パターンの初期通電区間となる第一通電区間A1から所定の区間B1を設定し、区間B1における電気抵抗Rの平均値Raを平均抵抗値算出手段12により算出すると共に、平均抵抗値Raに基づき、しきい値設定手段13によりしきい値Th1、Th2を設定する。そして、実際に判定を行う溶接工程において、第一通電区間A1より後の区間B4で検出される電気抵抗R’を、判定手段14にて、しきい値設定手段13で設定されたしきい値Th1、Th2と比較することで、溶接不良の是非を判定する。
【選択図】図6

Description

本発明は、シリーズスポット溶接装置に関し、特に、溶接不良を検出可能なものに関する。
シリーズスポット溶接は、重ね合わせた複数枚の金属板など(溶接対象物)を、直列に配した一対の電極で一方の側から加圧通電することで点状の溶接部を得る手段である。このシリーズスポット溶接は、ダイレクトスポット溶接のように、一対の電極で溶接対象物を挟み込んで溶接を行うのではなく、直列に配した一対の電極で2点を同時に溶接するものであることから、自動車のボデーの溶接等、溶接の益々の高速化が求められる分野に好適に用いられる傾向にある。
一方で、この種のスポット溶接を採用する場合には、ダイレクトスポット溶接とは異なり、一方の電極の、溶接対象物を挟む位置に他方の電極がなく、あるいは溶接対象物(金属板)の形状的な理由から、当該挟持する位置に適当な受け部材を配置することができないことも多い。そのため、複数の金属板間に隙間がある場合でも十分な加圧力でこれらを挟持することができず、満足な溶接が行えない恐れがある。また、仮に溶接が行えたとしても、その接触面積(密着面積)は小さいため、十分な溶接強度を得ることは難しい。
例えば、溶接に供する電流値を大きくすれば密着面積が小さくても十分な溶接強度が得られる可能性はある。しかしながら、この場合には、通電量(電流量)が過大となることが多く、これにより、溶接部にスパッタや板切れ等の溶接不良が生じる恐れがある。
これら溶接時の不具合は、例えば通電時、電極間の抵抗値を検出し、これを評価することで検出することが可能である。上述のスパッタや板切れなどが生じた場合には、通常、電極間の抵抗値が増大するので、検出した抵抗値を予め求めておいたしきい値(基準値)と比較し、検出した抵抗値がしきい値を超えている場合に溶接不良と判定することができる。例えば、特開2005−161391号公報には、溶接する金属板の板厚あるいは板間の隙間に応じて最適な溶接強度が得られる値をしきい値とし、これに基づいて溶接不良の判定を行うものが開示されている。
特開2005−161391号公報
ところで、この種の不良検出手段においては、通常、全通電区間中の電気抵抗の平均値を求め、これをしきい値と比較するようにしている。そのため、板切れ等の発生に対応して電気抵抗に変化が生じたとしても、かかる変化分が抵抗の平均化により小さくなってしまう。これでは、抵抗の変化が相当大きなものでない限り溶接の良否を正確に判定することは難しい。特に、上記スパッタや板切れを極力避けるために、溶接時の電流値を小さくする場合には、その分通電時間を長く取ることになるため、より一層抵抗の変化を検出することが困難となる。
以上の事情に鑑み、本発明では、溶接不良をより確実に検出し得るシリーズスポット溶接装置を提供することを技術的課題とする。
前記課題を解決するため、本発明は、加圧通電に供する一対の電極間に、相対的に電流値の高い領域と低い領域とが隣り合って交互に現れるパターンで電流を流すことにより溶接を行うもので、溶接時、一対の電極間の電気抵抗を、予め設定しておいたしきい値と比較することで溶接不良の是非を判定する溶接不良検出部を備えたシリーズスポット溶接装置であって、溶接不良検出部が、通電パターンの初期通電区間中から所定区間を設定し、所定区間における電気抵抗の平均値を算出する平均抵抗値算出手段と、平均抵抗値に基づいてしきい値を設定するしきい値設定手段と、初期通電区間より後の電気抵抗をしきい値と比較して、溶接不良の是非を判定する判定手段とを有するシリーズスポット溶接装置を提供する。
このように、本発明は、相対的に電流値の高い領域と低い領域とが隣り合って交互に現れる通電パターン、いわゆる多段階通電パターンをシリーズスポット溶接に採用した点、かつその場合に、初期通電区間内の所定区間における電気抵抗の平均値を求め、これに基づきしきい値を設定する点、および初期通電区間より後の電気抵抗で溶接不良の是非を判定する点を特徴とするものである。
すなわち、本発明では、いわゆる多段階通電パターンを採用することにより、通電区間の前半部分における電流値を後半部分のそれに比べて小さくすることができる。このことにより、はじめて全通電区間のうち、上記不具合が抵抗の変化として現れにくい初期通電区間を含む前半部分を、しきい値を設定するための基準値(平均抵抗値)を得るのに利用できるようになる。また、上記不具合が抵抗の変化として現れやすい後半部分(初期通電区間より後の区間)を良否判定のための抵抗検出区間として利用できるようになる。このように、上記不具合が抵抗の変化として現れにくい区間で算出した電気抵抗の平均値に基づきしきい値を設定することで、しきい値の信頼性(確からしさ)を向上させることができる。また、上記不具合が抵抗の変化として現れやすい区間に絞って検出した電気抵抗で溶接良否の判定を行うことにより、従来のように抵抗が平均化されることなく、当該抵抗の変化を容易に検出することができるようになる。従って、溶接不良の検出可能性を高めることができる。
ところで、この種のスポット溶接においては、溶接の多様化に対応するため、一対の電極間の距離(ピッチ)を可変とすることがあるが、この場合には、電極間の抵抗が前記ピッチに応じて変動する。また、電極間の抵抗は、電圧検出器を使用して当該電極間の電圧を検出することで算出可能であり、通常、この種の電圧検出器は、各電極に電圧検出線を介して接続される。しかし、当該検出線が繰り返し使用する間に劣化することは避けられないものであるから、当該検出器の継続使用に伴い検出される電圧ひいては抵抗も変化してしまう。上述の不良検出においては、通電中に検出される抵抗値が、所定の大きさのしきい値を上回る(あるいは下回る)か否かで不良を判定するものであるから、抵抗値そのものが溶接条件によりあるいは検出線等の経時劣化により変動した場合には正確な判定を下すことは難しい。これでは、その都度、しきい値を設定し直す必要が生じる。
かかる観点から、本発明では、しきい値設定手段を、初期通電区間より後の電気抵抗を平均抵抗値で除して無次元化したものに基づいてしきい値を設定するものとした。また、判定手段を、初期通電区間より後の電気抵抗を平均抵抗値で除して無次元化したものをしきい値と比較して、溶接不良の是非を判定するものとした。
このように、しきい値を、電気抵抗の絶対値ではなく、初期通電区間中の所定区間における平均抵抗値で無次元化した抵抗値に基づいて設定すると共に、判定時の比較対象となる、初期通電区間より後の電気抵抗を無次元化することにより、当該電気抵抗としきい値とを共に相対化した抵抗値で評価することができる。従って、電極間のピッチ変動や、電圧検出線の劣化等により上記検出される電気抵抗が変動する場合であっても、抵抗値の無次元化により当該変動の影響を最小限に留めて、正確に溶接不良を判定することができる。この場合、具体的には、しきい値を設定するための溶接時(初回溶接時)、前記平均抵抗値算出手段により同溶接時の平均抵抗値(第一平均値)を算出すると共に、前記しきい値設定手段により無次元化したしきい値を設定する。そして、実際に判定を行うための溶接時(次回以降の溶接時)、前記平均抵抗値算出手段により同溶接時における平均抵抗値(第二平均値)を算出すると共に、前記判定手段において、第二平均値により無次元化された電気抵抗を前記しきい値を比較することで、溶接不良の是非を判定するのがよい。
また、しきい値設定手段を、平均抵抗値に所定量あるいは所定割合を加えた値をしきい値として設定するものとし、判定手段を、初期通電区間以降の電気抵抗が、しきい値を上回る場合に溶接不良と判定するものとすることもできる。上述のしきい値設定手段および判定手段は、特に溶け落ちや板切れ等の検出に対して好適に使用可能である。
また、しきい値設定手段を、平均抵抗値から所定量あるいは所定割合を減じた値をしきい値として設定するものとし、判定手段を、初期通電区間以降の電気抵抗が、しきい値を下回る場合に溶接不良と判定するものとすることもできる。この場合のしきい値設定手段および判定手段は、特に、溶接される2以上の金属板間に生じる隙間(いわゆる『板隙』)の検出に対して好適に使用可能である。
また、上述のように、判定手段にて比較されるしきい値と電気抵抗とを何れも無次元化したもので評価する場合には、例えば初期通電区間より後の区間で検出される電気抵抗の最大値を平均抵抗値で除して無次元化したものを上限側のしきい値とし、あるいは同区間で検出される電気抵抗の最小値を平均抵抗値で除しで無次元化したものを下限側のしきい値とすることができる。この場合、溶接時、初期通電区間より後の区間で検出された電気抵抗を、同溶接時の平均抵抗値で除して無次元化したものが、無次元化された上限側のしきい値を上回る場合に、あるいは無次元化された下限側のしきい値を下回る場合に溶接不良と判定することができる。
このように、本発明によれば、溶接不良をより確実に検出し得るシリーズスポット溶接装置を提供することができる。また、判定手段にて比較されるしきい値と電気抵抗とを共に無次元化した状態で判定することで、溶接不良の是非をより高精度に判定することが可能となる。
以下、本発明に係るシリーズスポット溶接装置の一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るシリーズスポット溶接装置1の一構成例を示している。この溶接装置1は、溶接対象物となる複数の金属板2、3を加圧通電するための一対の電極5、6と、各電極5、6に溶接トランス7を介して接続される電流制御装置8と、電源9とを主に備える。この実施形態では、溶接不良検出部11は、例えばタイマコンタクタ10と共に電流制御装置8に組込まれている。
一対の電極5、6は、所定のピッチを介して、金属板2の一方の面4の側に配設されており、図示しない適当な加圧制御手段によって一方の面4を加圧しながら金属板2、3を通電するようになっている。当該一対の電極5、6は、溶接対象物の形状、あるいは溶接すべき箇所に合わせて複数組設置することができる。
電流制御装置8に組込まれるタイマコンタクタ10は、例えば詳細は省略するが、整流器やトランジスタインバータ等からなり、電源9から供給される電流を、溶接トランス7を介して、電極5、6に対して所望の電流波形、および所望の通電パターンで流すことができるように構成されている。
以下、タイマコンタクタ10により制御可能な通電パターンの一例について説明する。
図2は、電極5、6間に通電する通電パターンの一例を示したものである。この通電パターンは、相対的に電流値の高い領域と低い領域とが隣り合って交互に現れるようになっている。具体的には、通電開始時から一定の割合で電流値を上昇させる領域(0〜1サイクル)、上昇させた電流値(ここでは4.8kA)で一定時間維持される第一通電区間A1(1〜11サイクル)、第一通電区間A1より電流値を下げた状態(ここでは4kA)で一定時間維持される第二通電区間A2(11〜13サイクル)、第二通電区間A2より電流値を上げた状態(5.7kA)で一定時間維持される第三通電区間A3(13〜15サイクル)、第三通電区間A3より電流値を下げた状態(4kA)で一定時間維持される第四通電区間A4(15〜17サイクル)、第四通電区間A4より電流値を上げた状態(6.8kA)で一定時間維持される第五通電区間A5(17〜19サイクル)、第五通電区間A5より電流値を下げた状態(4kA)で一定時間維持される第六通電区間A6(19〜21サイクル)、および第六通電区間A6より電流値を上げた状態(7.5kA)で一定時間維持される第七通電区間A7(21〜24サイクル)とで全通電パターンが構成される。なお、この実施形態では、周波数60Hzの交流電流を使用しており、この場合、通電時間の設定単位となる1サイクルは、1/60secである。また、使用する電流の波形としては、電流値が0近くになる時間が極力少なくなる波形(矩形状のパルス波形など)が好ましく使用される。
このような通電パターンで通電することにより、急激な溶接部(ナゲットなど)の成長を抑制して、スパッタ等の発生を可及的に回避することが可能となる。特に、本実施形態のように、通電初期から電流値の上下動を繰り返しつつ当該電流値を徐々に高めていくことで、スパッタや板切れ等の発生を極力抑えつつも、溶接部の安定的な成長を促し、これにより、確実かつ強固な溶接部を確実に形成することができる。
溶接不良検出部11は、この実施形態では電流制御装置8に組込まれており、例えば図3に示すように、平均抵抗値算出手段12と、しきい値設定手段13と、判定手段14とを備える。このうち、平均抵抗値算出手段12は、電極5、6間の電圧を検出するための電圧検出手段15と抵抗演算手段16、および平均抵抗値演算手段17とを有する。抵抗演算手段16は、電圧検出手段15により検出された電圧値、および電流制御装置8(タイマコンタクタ10)で設定供給される電流値とから電極5、6間の電気抵抗を算出するようになっている。また、平均抵抗値演算手段17は、抵抗演算手段16により算出された電気抵抗を一定量蓄積すると共に、蓄積された電気抵抗の平均値を算出するようになっている。
次に、溶接不良検出部11により溶接時の不具合(溶接不良)を検出する一連の検出プロセスについて説明する。
溶接不良を検出するための処理は、例えばしきい値を設定するために行う溶接工程と、同工程にて設定されたしきい値を使用して、溶接の良否を判定する溶接工程とにわたって行われる。
しきい値を設定するために行う溶接工程(初回溶接工程)においては、まず、前記通電パターンの初期通電区間中から所定区間を設定し、当該所定区間における電気抵抗の平均値を平均抵抗値算出手段12により算出すると共に、平均抵抗値算出手段12で算出された平均抵抗値に基づき、しきい値設定手段13によりしきい値を設定する。そして、実際に判定を行う溶接工程(次回以降の溶接工程)において、初期通電区間より後の区間で検出される電気抵抗を、判定手段14にて、しきい値設定手段13で設定されたしきい値と比較することで、溶接不良の是非が判定される。以下、検出に係る処理工程を図3〜図6に基づき詳細に説明する。なお、この実施形態では、初期通電区間を、図2に示す通電パターン中の第一通電区間A1(1〜11サイクル)とし、かつ所定区間を図3中の区間B1(3〜11サイクル)として検出を行うものとする。
初回溶接工程の区間B1における処理の流れを図3に示す。第一通電区間A1中の区間B1の開始時(ここでは3.5サイクル時)、電圧検出手段15により、電極5、6間の電圧値を検出する。検出した電圧値の情報は、タイマコンタクタ10からの電流値情報と共に抵抗演算手段16に送られ、これら電圧値情報と電流値情報とに基づき電極5、6間の電気抵抗Rを算出する。このようにして、単位時間ごと(例えば1/2サイクルごと)に算出された電気抵抗Rの情報は、平均抵抗値演算手段17へと順次送られる。区間B1終了時(ここでは11サイクル時)の電気抵抗Rが得られた時点で、これらを平均抵抗値演算手段17により平均化し、区間B1における平均抵抗値Ra(第一平均値)を得る。
図4は、初回溶接工程の区間B2における処理の流れを示したものである。ここで、区間B2は、初期通電区間より後の区間、ここでは第二通電区間A2以降の区間(図2を参照)である。この区間B2では、上述のようにして得られた平均抵抗値Raに基づき、しきい値設定手段13において、溶接良否の判定基準となるしきい値を設定する。具体的には、例えば先に得られた平均抵抗値Raに所定量あるいは所定割合を加えることで、上限側のしきい値Th1を設定すると共に、平均抵抗値Raから所定量あるいは所定割合を減じることで、下限側のしきい値Th2を設定する。
この実施形態では、例えば図7に示すように、第二通電区間A2以降の区間B2における電気抵抗Rの最大値(ここではRmaxとする)を、平均抵抗値Raで除して無次元化したものを上限側のしきい値Th1とする。また、区間B2における電気抵抗Rの最小値(ここではRminとする)を、平均抵抗値Raで除して無次元化したものを下限側のしきい値Th2とする。
具体的には、図4において、区間B2の開始時(ここでは11.5サイクル時)、電圧検出手段15および抵抗演算手段16により電極5、6間の電気抵抗Rを算出する。このようにして、単位時間ごと(例えば1/2サイクルごと)に算出された電気抵抗Rの情報は、しきい値設定手段13へと順次送られる。そして、しきい値設定手段13にて、区間B2の開始時から終了時(ここでは24サイクル時)までに得られた電気抵抗Rのうち、最大となる値Rmaxを、先の平均抵抗値算出手段12で算出した平均抵抗値Raで除して無次元化し、これを上限側のしきい値Th1(=Rmax/Ra)として設定する。同様に、区間B2の開始時から終了時までに得られた電気抵抗Rのうち、最小となる値Rminを平均抵抗値Raで除して無次元化し、これを下限側のしきい値Th2(=Rmin/Ra)として設定する。
このようにして溶接不良判定の基準となるしきい値Th1、Th2を求めた後、実際の溶接工程(次回以降の溶接工程)において溶接の良否を判定する。なお、当該溶接工程における通電パターンは、先の溶接工程の場合と同じ(図2に示す通電パターン)である。
図5は、次回以降の溶接工程時、第一通電区間A1中の所定区間(ここでは区間B3)における処理の流れを示したものである。区間B3の開始時(ここでは3.5サイクル時)、図3と同様に電圧検出手段15および抵抗演算手段16により、電極5、6間の電気抵抗R’を算出する。このようにして算出された電気抵抗R’の情報は、平均抵抗値演算手段17へと順次送られる。区間B3終了時(ここでは11サイクル時)の電気抵抗R’が得られた時点で、これらを平均抵抗値演算手段17により平均化し、同区間B3における平均抵抗値Ra’(第二平均値)を得る。
次に、図6に示す処理の流れに沿って、溶接不良の是非の判定を行う。なお、後述する区間B4は、区間B2と同様、初期通電区間より後の区間、ここでは第二通電区間A2以降の区間である。まず、区間B4の開始時から終了時までの間(ここでは11.5〜24サイクル時)、電圧検出手段15および抵抗演算手段16により電極5、6間の電気抵抗R’を算出する。このようにして、単位時間ごと(例えば1/2サイクルごと)に算出された電気抵抗R’の情報は、判定手段14へと順次送られる。そして、区間B4の開始時から終了時(ここでは24サイクル時)までに得られた電気抵抗R’のうち最大となる値Rmax’を、判定手段14にて、先の平均抵抗値算出手段12で算出した平均抵抗値Ra’(第二平均値)で除して無次元化する。同様に、区間B4開始時から終了時までに得られた電気抵抗R’のうち、最小となる値Rmin’を平均抵抗値Ra’で除して無次元化する。
そして、判定手段14により、共に無次元化した最大値Rmax’/Ra’、最小値Rmin’/Ra’を、それぞれしきい値Th1、Th2と比較する。ここで、抵抗の最大値Rmax’/Ra’が上限側のしきい値Th1(=Rmax/Ra)以下の場合であって、かつ、抵抗の最小値Rmin’ /Ra’が下限側のしきい値Th2(=Rmin/Ra)以上の場合、溶接が正常に行われたものと判定される。また、最大値Rmax’/Ra’が、下限側のしきい値Th1を上回る場合、あるいは、最小値Rmin’/Ra’が下限側のしきい値Th2を下回る場合に、溶接不良と判定され、その結果が出力される。図8は、最大値Rmax’/Ra’が、下限側のしきい値Th1を上回る場合の、電気抵抗R’/Ra’としきい値Th1との関係を例示したものである。
このように、相対的に電流値の高い領域(各通電区間A1、A3、A5、A7)と低い領域(各通電区間A2、A4、A6)とが隣り合って交互に現れ、かつ高電流側の領域が徐々に高まる通電パターンを採用することにより、全通電区間のうち、溶接時の不具合が電気抵抗の変化として現れにくい初期通電区間中の所定区間(区間B1)を、しきい値Th1、Th2を設定するための基準値(平均抵抗値Ra)を得るのに利用できる。また、上記不具合が電気抵抗の変化として現れやすい初期通電区間より後の区間(区間B2、B4)を良否判定のための抵抗検出区間として利用できるようになる。従って、平均抵抗値算出手段12により、区間B1における平均抵抗値Raを求めると共に、しきい値設定手段13にて、平均抵抗値Raに基づきしきい値Th1、Th2を設定することで、しきい値Th1、Th2の信頼性(確からしさ)を向上させることができる。また、溶接の良否を判定する溶接工程において、第二通電区間A2以降の区間B4に絞って電気抵抗R’の検出し、これを判定手段14にて先に求めておいたしきい値Th1、Th2と比較することで、溶接不良を示す電気抵抗R’の変化を容易に検出することができる。
また、この実施形態では、しきい値Th1、Th2を、電気抵抗Rの絶対値ではなく、電気抵抗Rを、第一通電区間A1中の区間B1における平均抵抗値Raで無次元化したものに基づいて設定した。また、溶接良否の判定を行う溶接工程において、判定時の比較対象となる、第二通電区間A2以降の区間B2における電気抵抗R’を、同溶接工程で区間B3中の電気抵抗R’より算出した平均抵抗値Ra’で無次元化した。これによれば、異なる溶接工程でそれぞれ求めたしきい値Th1、Th2と、電気抵抗R’とを相対的に比較、評価することができる。従って、電極5、6間のピッチ変動や、電圧検出線の劣化等により上記検出される電気抵抗R、R’が変動する場合であっても、抵抗値の無次元化により当該変動の影響を最小限に抑えて、正確に溶接不良を判定することができる。また、ピッチ変更等、溶接条件を変更するたびにしきい値を調整し直す手間も省くことができる。
また、この場合、しきい値の有効性を考慮すれば、区間B2で得られた電気抵抗Rのうち、最大となる値Rmaxを、平均抵抗値Raで除して無次元化し、これを上限側のしきい値Th1とするのがよい。下限側のしきい値Th2についても同様である。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上記形態に限らず、他形態をなすシリーズスポット溶接装置に対しても適用可能である。
上記実施形態では、溶接不良検出部11はタイマコンタクタ10と共に電流制御装置8に組込まれて使用されたが、特にこの形態に限る必要はない。例えば、溶接不良検出部11の構成要素の一部(電圧検出手段15など)がタイマコンタクタ10(あるいは電流制御装置8)に含まれ、あるいは何れとも別体に設けられて両者に兼用されるものであってもよい。また、溶接不良検出部11における、各抵抗値R、R’の平均抵抗値Ra、Ra’による無次元化は、既述の処理手段(しきい値設定手段13や判定手段14)で必ずしも行う必要はなく、無次元化のための手段を、別途独立して設けるようにしても構わない。
また、上記実施形態では、しきい値Th1、Th2を設定するために行う溶接工程(初回溶接工程)を、同溶接工程にて設定されたしきい値Th1、Th2を使用して、溶接の良否を判定する溶接工程とは別に設けているが、この際、初回溶接工程で設定したしきい値Th1、Th2を次回以降の溶接工程に適正に使用できるよう、当該溶接工程終了後、溶接が滞りなく行われていることを確認するのがよい。
本発明に係るシリーズスポット溶接装置の一構成例を概念的に示す図である。 溶接工程における通電パターンの一例を示す図である。 溶接不良検出部における処理の流れを示す図である。 溶接不良検出部における処理の流れを示す図である。 溶接不良検出部における処理の流れを示す図である。 溶接不良検出部における処理の流れを示す図である。 電極間の電気抵抗と通電時間との関係を示す図である。 電極間の電気抵抗と通電時間との関係を示す図である。
符号の説明
1 シリーズスポット溶接装置
2、3 金属板
5、6 電極
8 電流制御装置
11 溶接不良検出部
12 平均抵抗値算出手段
13 しきい値設定手段
14 判定手段
A1 第一通電区間
B1、B3 所定区間
B2、B4 第二通電区間以降の区間
R、R’ 電気抵抗
Ra、Ra’ 平均抵抗値
Rmax、Rmax’ 最大値
Rmin、Rmin’ 最小値
Th1 しきい値(上限側)
Th2 しきい値(下限側)

Claims (4)

  1. 加圧通電に供する一対の電極間に、相対的に電流値の高い領域と低い領域とが隣り合って交互に現れるパターンで電流を流すことにより溶接を行うもので、溶接時、前記一対の電極間の電気抵抗を、予め設定しておいたしきい値と比較することで溶接不良の是非を判定する溶接不良検出部を備えたシリーズスポット溶接装置であって、
    前記溶接不良検出部が、前記通電パターンの初期通電区間中から所定区間を設定し、該所定区間における前記電気抵抗の平均値を算出する平均抵抗値算出手段と、前記平均抵抗値に基づいてしきい値を設定するしきい値設定手段と、前記初期通電区間より後の前記電気抵抗を前記しきい値と比較して、溶接不良の是非を判定する判定手段とを有するシリーズスポット溶接装置。
  2. 前記しきい値設定手段は、前記初期通電区間より後の前記電気抵抗を前記平均抵抗値で除して無次元化したものに基づいて前記しきい値を設定するものであり、
    前記判定手段は、前記初期通電区間より後の前記電気抵抗を前記平均抵抗値で除して無次元化したものと前記しきい値とを比較して、溶接不良の是非を判定するものである請求項1記載のシリーズスポット溶接装置。
  3. 前記しきい値設定手段は、前記平均抵抗値に所定量あるいは所定割合を加えた値をしきい値として設定するものであり、
    前記判定手段は、前記初期通電区間より後の前記電気抵抗が、前記しきい値を上回る場合に溶接不良と判定するものである請求項1記載のシリーズスポット溶接装置。
  4. 前記しきい値設定手段は、前記平均抵抗値から所定量あるいは所定割合を減じた値をしきい値として設定するものであり、
    前記判定手段は、前記初期通電区間より後の前記電気抵抗が、前記しきい値を下回る場合に溶接不良と判定するものである請求項1記載のシリーズスポット溶接装置。

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