JP2012074520A - 半導体発電装置用反射保護シート及びその製造方法 - Google Patents

半導体発電装置用反射保護シート及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】光が入射する側と反対側の複数の太陽電池セルの裏面側に配線‐反射層を備えた半導体発電装置(裏面接合型の太陽電池)においてセルを配していない余白部分の光を効率よく反射することのできる半導体発電装置用反射保護シート及びその製造方法を低コストで提供する。
【解決手段】半導体発電装置用反射保護シート10は、半導体発電装置本体1の裏面側に設けられる。反射保護シート10は、複数の太陽電池セル4の裏面側に配線‐反射層19を備える。配線‐反射層19の一部分が複数の太陽電池セル4に接続される電気配線17を形成し、配線‐反射層19の他の部分の一部が充填層3及び太陽電池セル4を通過する光を反射するためのプリズム形状を有する反射膜18を形成する。配線‐反射層19は、内層16に対してプリズム形状を作成した後に、サブトラクティブ法又はセミアディティブ法によって作成される。
【選択図】図1

Description

本発明は、光の回折、散乱、拡散、屈折、あるいは反射作用によって特定方向に光を偏向することで、本来は損失してしまう光を再利用することが可能な半導体発電装置用反射保護シート及びその製造方法に関する。
近年、地球温暖化問題に対する関心が高まる中、二酸化炭素の排出抑制のために、種々の努力が続けられている。化石燃料の消費量の増大は、大気中の二酸化炭素の増加をもたらし、その温室効果により地球の気温が上昇して地球環境に重大な影響を及ぼす。化石燃料に代替するエネルギーとしては、種々の自然エネルギーの中でも、環境負担の少ない太陽光による発電に対する期待が高まっている。
太陽光による発電に使用される半導体発電装置は、光のエネルギーを直接電気に換える光電変換部としてpn接合を有する半導体を用いており、このpn接合を構成する半導体として一般的にはシリコンが最もよく用いられている。このような半導体発電装置に用いられる上述のシリコンには結晶系のものと非結晶のものに分けられるが、これらの内、結晶系の半導体発電装置の方が発電効率が良いため、主流となっている。
上記のような半導体からなる光電変換部上には、空気や不純物から光電変換部を保護する封止基材として、一般に透明な強化ガラス等のガラス基板が設けられている。
なお、以下では、上記光電変換部を含む少なくとも1つの太陽電池セルを封止材料によって封止してパッケージ化したものを半導体発電装置と称する。
この半導体発電装置は、小片サイズの複数の太陽電池セル(以下、単にセルという)が複数の電極(電気配線)に接続されることで構成されている。シリコン結晶系の半導体発電装置の場合、充填層内において複数のセルは間隔を空けて配置され隣り合うセル間にはある程度の間隙が形成されており、さらに、この半導体発電装置の端部には、雨水などの浸食を防ぐべく、セルを配していない余白部分が数ミリから数十ミリの範囲に設けてられている。これらの間隙及び余白部分はセルが存在しないため、これら領域に光が照射されても発電には寄与せず、光の損失に繋がってしまう。
そこで従来、上記のようなセルの間隙及び余白部分に注ぐ光の損失を改善するため、結晶系の半導体発電装置においては、裏面に配す反射保護シートを光反射材とし、光を再びセル側に戻し、前面板であるガラス板などにより全反射し、セルの受光面に再入射させ効率を上げる手法が採用されている。
また、この他、裏面に配す反射保護シート上に凹凸構造をつけ、凹凸構造上で反射した光を散乱し易くしセルの受光面に導く確率を向上させ、光利用効率を上げる構造が提案されている(例えば、特許文献1及び2参照)。
上記のように、表面に凹凸がある光反射機能を備えた反射保護シートの製造方法としては、例えば、光反射材を基材につける際に蒸着などによりランダムな凹凸を形成したり、微粒子を含む材料により微粒子をランダムに表面に突出させることで凹凸を形成する方法がある。また、その他、樹脂により基材上に凹凸を賦形し、それらの凹凸の上に光反射材を塗布したり、光反射材料に凹凸構造を型押しする方法がある。
一方、結晶型シリコン太陽電池の受光面である表面と裏面にそれぞれ異なる極性の電極、すなわちp 型電極(正極)とn 型電極(負極)が設けられているがその内、n 型の電極が太陽電池セルの受光面を覆ってしまう結果、発電効率が低下するという問題がある。
これに対して特許文献3、4 などのように、p 型電極とn 型電極がともに裏面に設けられた太陽電池セル、もしくは、セル上面で発生した電子をスルーホールを介して裏面に受け渡す裏面接合型の太陽電池セルが考案されている。これらの太陽電池セルは、通常の太陽電池セルより受光面側の電極面積を小さくすることができるために、受光面積が増加する。その結果、受光効率も向上するとともに外観も良好となる。
しかし、裏面接合型の太陽電池にもセルを配していない余白部分が数ミリから数十ミリの範囲に設けられるため、これら領域に光が照射されてもそれらの光は発電には寄与せず、損失に繋がってしまう。
これを防ぐためには、例えば裏面に配する反射保護シートを白色とすることで、反射保護シートで光を反射させ、その光をセルに再入射させることで効率を上げることが考えられるが、この場合には、内層に白い顔料などの材料を混合させなければならず、結果として配線-反射層と内層の密着が低下する可能性がある。
また、別の方法として、裏面接合型の太陽電池セルの底面に存在する電気配線部と余白部分を別々の部材とし、余白部分を白色としたり、凹凸を設けることで、受光効率を上げることが考えられている。しかし、その場合には、反射保護シートに切断面が存在するため、水蒸気バリア性が低下する可能性がある。また、太陽電池セルの位置関係によって反射保護シートの構造が別となることから、工数も増加する。さらには形態の異なる反射保護シート同士の位置決めを伴う貼り合わせという問題も生じる。
実開昭62‐101247号公報 特開平10‐284747号公報 特開平2003−298078号公報 特開平5−299673号公報
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであって、光が入射する側と反対側の複数の太陽電池セルの裏面側に配線‐反射層を備えた半導体発電装置(裏面接合型の太陽電池)においてセルを配していない余白部分の光を効率よく反射することのできる半導体発電装置用反射保護シート及びその製造方法を低コストで提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明のうち請求項1に係る半導体発電装置用反射保護シートは、表面から光が入射される前面板と、該前面板の裏面側に設けられ、光電変換機能を有する複数の太陽電池セルを内部に埋設した充填層とを備えた半導体発電装置本体の裏面側に設けられる半導体発電装置用反射保護シートであって、前記複数の太陽電池セルと対向可能な位置に配線‐反射層を備え、該配線‐反射層の一部分が、前記複数の太陽電池セルに接続される電気配線を形成し、前記配線‐反射層の他の部分の一部が、前記充填層を通過する光を反射するためのプリズム形状を有する反射膜を形成することを特徴としている。
また、本発明のうち請求項2に係る半導体発電装置用反射保護シートは、請求項1記載の半導体発電装置用反射保護シートにおいて、前記電気配線の材料のうち少なくとも1つが前記反射膜の材料と同じ材質であることを特徴としている。
本発明のうち請求項3に係る半導体発電装置用反射保護シートは、請求項1記載の半導体発電装置用反射保護シートにおいて、前記反射膜が前記複数の太陽電池セルの隣接する太陽電池セル間に存在していることを特徴としている。
本発明のうち請求項4に係る半導体発電装置用反射保護シートは、請求項1記載の半導体発電装置用反射保護シートにおいて、前記反射膜の材料として、銅、ニッケル、金、銀、及びスズのうちのいずれかを含むことを特徴としている。
本発明のうち請求項5に係る半導体発電装置用反射保護シートは、請求項1記載の半導体発電装置用反射保護シートにおいて、前記反射膜の材料として、銅、ニッケル、金の順に積層されていることを特徴としている。
本発明のうち請求項6に係る半導体発電装置用反射保護シートは、請求項1記載の半導体発電装置用反射保護シートにおいて、前記反射膜のプリズム形状が、V字溝形状又は台形形状であることを特徴としている。
本発明のうち請求項7に係る半導体発電装置用反射保護シートは、請求項1記載の半導体発電装置用反射保護シートにおいて、前記反射膜の厚みが、前記電気配線の厚みと同じか又は前記電気配線の厚みよりも薄いことを特徴としている。
また、本発明のうち請求項8に係る半導体発電装置用反射保護シートの製造方法は、請求項1記載の半導体発電装置用反射保護シートを製造するための製造方法であって、前記配線‐反射層の作成に際し、内層のうち前記プリズム形状の反射膜を形成する部分にV字溝形状又は台形形状となる加工を施し、該加工を施した部分に対して無電解めっきを行うことでプリズムを作成することを特徴としている。
更に、本発明のうち請求項9に係る半導体発電装置用反射保護シートの製造方法は、請求項1記載の半導体発電装置用反射保護シートを製造するための製造方法であって、前記配線‐反射層の作成に際し、サブトラクティブ法又はセミアディティブ法を用いること特徴としている。
本発明に係る半導体発電装置用反射保護シート及びその製造方法によれば、光が入射する側と反対側の複数の太陽電池セルの裏面側に配線‐反射層を備えた半導体発電装置(裏面接合型の太陽電池)においてセルを配していない余白部分の光を効率よく反射することのできる半導体発電装置用反射保護シートを電極(電気配線)形成のプロセスと同時に形成することが可能となる。よって、低コストで半導体発電装置用反射保護シートを低コストで提供することが可能となる。
本発明に係る半導体発電装置用反射保護シートの実施形態を適用した半導体発電装置の概略構成を示す縦断面図である。 図1に示す半導体発電装置に適用される半導体発電装置用反射保護シートの実施形態の概略構成を示す縦断面図である。 プリズム形状の例について示した概略図である。 プリズム形状がV字溝形状、台形形状をなす場合の角度θを示す説明図である 実施例1のサブトラクティブ法により作成した半導体発電装置用反射保護シートの作成方法について示した断面図である。 実施例2のセミアディティブ法により作成した半導体発電装置用反射保護シートの作成方法について示した断面図である。
以下、本発明に係る半導体発電装置用反射保護シート及びその製造方法の実施形態について添付図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明に係る半導体発電装置用反射保護シートの実施形態を適用した半導体発電装置の概略構成を示す縦断面図である。
半導体発電装置100は、図1に示すように、半導体発電装置本体1と、この半導体発電装置本体1の裏面側(図1における下側)に設けられる半導体発電装置用反射保護シート(以下、単に反射保護シートという)10とを備えている。
半導体発電装置本体1は、表面から光が入射される前面板2と、前面板2の裏面側に設けられ、光電変換機能を有する複数の太陽電池セル(以下、単にセルという)4を内部に埋設した充填層3とを備えている。半導体発電装置本体1は、光線を受光することにより発電を行う。光線としては、光線としては、通常、太陽光や室内灯等の人工照明の光が採用される。
前面板2は、半導体発電装置本体1の最前面(最表面)に配置されて、表面に光線が直接的に入射するものである。この前面板2は、光線透過率が高い透明な材料が用いられ、具体的には強化ガラス、ポリエチレンナフタレート(PEN)などの樹脂シートが使用されている。
また、前面板2の厚みは、強化ガラスであれば約3mm、樹脂シートであれば数十〜数百μmに設定されている。
前面板2に入射した光は充填層3へと入射する。充填層3は、前面板2の裏面側に積層されており、セル4を封止する役割を有している。この充填層3は、前面板2から入射した光線を透過させるため光線透過率が高い材料が用いられ、例えば、難燃性をもつEVA(エチレン・ビニル・アセテート)から形成されている。
充填層3を透過した光はセル4へと入射する。このセル4は、充填層3内部に埋設されており、光電効果より受光部に入射した光を電力へと変換する機能を有している。このセル4としては、単結晶シリコン型、多結晶シリコン型が用いられる。なお、ここで用いられる裏面接合型の太陽電池の形式として、p型、n型の両方が受光面と反対側に配置されている太陽電池と、p型は受光面と反対側に存在し、n型は受光面側にあるものの、スルーホールを介して受光面と反対側に負極の取り出し電極がある太陽電池のことを指す。
充填層3及びセル4を透過した光は、半導体発電装置本体1の裏面側に配された反射保護シート10へ入射する。この反射保護シート10は、入射した光を半導体発電装置本体1へと反射する機能を有している。
反射保護シート10で反射された光は、半導体発電装置本体1における前面板2と大気との界面等でさらに反射され、セル4の受光面に到達することで、セル4の光電変換により電力へと変換される。これにより光利用効率の向上が図られている。
図2は図1に示す半導体発電装置に適用される半導体発電装置用反射保護シートの実施形態の概略構成を示す縦断面図である。
この反射保護シート10は、裏面側から外層11、第1の接着層12、バリア層13、基材14、第2の接着層15、内層16、及び配線-反射層19で構成されている。
外層11は、反射保護シート10における最裏面側に設けられ、配線-反射層19を裏面側から保護する役割を有している。
この外層11は屋外に設置されることを鑑み、耐水性、紫外線に対する耐久性等の耐候性を有しているものが望ましく、例えばポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)やポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、メタクリル系樹脂、ポリメチルペンテン系樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、アクリロニトリル−(ポリ)スチレン共重合体(AS樹脂)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)、ポリ塩化ビニル系樹脂、フッ素系樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリアリールフタレート系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリフェニレンスルフィド系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、リエチレンナフタレート系樹脂、ポリエーテルイミド系樹脂、エポキシン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、アセタール系樹脂、セルロース系樹脂等から形成されていることが好ましい。
上述の樹脂の中でも、高い耐熱性、強度、耐候性、耐久性、水蒸気等に対するガスバリア性等を有したものとして、ポリイミド系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素系樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂、ポリ乳酸系樹脂が好ましい。
上述のポリエステル系樹脂としては、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等が挙げられる。これらのポリエステル系樹脂の中でも、耐熱性、耐候性等の諸機能面及び価格面のバランスが良好なポリエチレンテレフタレートが特に好ましい。
上述のフッ素系樹脂としては、例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレンとペルフルオロアルキルビニルエーテルとの共重合体からなるペルフルオロアルコキシ樹脂(PFA)、テトラフルオロエチレンとヘキサフルオロプロピレンとのコポリマー(FEP)、テトラフルオロエチレンとペルフルオロアルキルビニルエーテルとヘキサフルオロプロピレンとのコポリマー(EPE)、テトラフルオロエチレンとエチレン又はプロピレンとのコポリマー(ETFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン樹脂(PCTFE)、エチレンとクロロトリフルオロエチレンとのコポリマー(ECTFE)、フッ化ビニリデン系樹脂(PVDF)、フッ化ビニル系樹脂(PVF)等が挙げられる。これらのフッ素系樹脂の中でも、強度、耐熱性、耐候性等に優れるポリフッ化ビニル系樹脂(PVF)やテトラフルオロエチレンとエチレン又はプロピレンとのコポリマー(ETFE)が特に好ましい。
上述の環状ポリオレフィン系樹脂としては、例えばa)シクロペンタジエン(及びその誘導体)、ジシクロペンタジエン(及びその誘導体)、シクロヘキサジエン(及びその誘導体)、ノルボルナジエン(及びその誘導体)等の環状ジエンを重合させてなるポリマー、b)当該環状ジエンとエチレン、プロピレン、4−メチル−1−ペンテン、スチレン、ブタジエン、イソプレン等のオレフィン系モノマーの1種又は2種以上とを共重合させてなるコポリマー等が挙げられる。これらの環状ポリオレフィン系樹脂の中でも、強度、耐熱性、耐候性等に優れるシクロペンタジエン(及びその誘導体)、ジシクロペンタジエン(及びその誘導体)又はノルボルナジエン(及びその誘導体)等の環状ジエンのポリマーが特に好ましい。
なお、外層11の形成材料としては、上述の合成樹脂を1種又は2種以上混合して使用することができる。また、外層11の形成材料中には、加工性、耐熱性、耐候性、機械的性質、寸法安定性等を改良、改質する目的で、種々の添加剤等を混合することができる。
この添加剤としては、例えば滑剤、架橋剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定化剤、充填剤、強化繊維、補強剤、帯電防止剤、難燃剤、耐炎剤、発泡剤、防カビ剤、顔料等が挙げられる。上述の外層11の成形方法としては、特に限定されず、例えば押出し法、キャスト成形法、Tダイ法、切削法、インフレーション法等の公知の方法が採用される。
外層11中に紫外線安定剤又は分子鎖に紫外線安定基が結合したポリマーを含有することも可能である。この紫外線安定剤又は紫外線安定基により、紫外線で発生するラジカル、活性酸素等が不活性化され、反射保護シート10の紫外線安定性、耐候性等を向上させることができる。この紫外線安定剤又は紫外線安定基としては、紫外線に対する安定性が高いヒンダードアミン系紫外線安定剤又はヒンダードアミン系紫外線安定基が好適に用いられる。
また、第1の接着層12は、これが接する外層11及びバリア層13との密着性が良好であることが望ましく、耐久性、クッション性などの諸特性を補うために用いられ、一例としてシリコーン系樹脂等が用いられる。この第1の接着層12を設けることで、その他の層では不足する性能を補うことができる。例えば、耐久性、クッション性などを高めるためにはシリコーン系樹脂を用いる。特に屋外使用の半導体発電装置の場合、日照時の半導体発電装置100の熱上昇は著しく、樹脂材料から作製した反射保護シート10に反りが発生し、半導体発電装置100の故障を招くおそれもあるため第1の接着層12を設ける必要がある。この第1の接着層12の厚みとしては、3μmよりも小さい場合には自然剥離は生じないものの、充分な密着力が得られない。また、10μmを超える場合、クラックが入りやすいという問題がある。また、第1の接着層12の厚さが厚いほど、面内の厚さが不均一になりやすいため、中間層12の厚さは3〜10μmであることが望ましい
また、バリア層13は、水蒸気バリア性に優れた材料であることが望ましい。具体的には、水蒸気透過度が0〜5g/mの範囲であることが望ましく、当該水蒸気透過度の範囲を満たす材料としてのアルミ箔、アルミナ、シリカ等から構成されている。
更に、基材14はバリア層13及び第2の接着層15との密着性が高い材質から形成されていることが望ましい。バリア層13としてシリカを用いる場合には材料の入手のし易さからポリエチレンテレフタレートが好適である。
第2の接着剤層15を形成する材料は基材14と内層16との密着性が高いことが望ましい。第2の接着剤層15に用いられる材料としては、ポリマー組成物が挙げられ、例えば、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリイミド系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、メタクリル系樹脂、ポリメチルペンテン系樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂、アクリロニトリル−(ポリ)スチレン共重合体(AS樹脂)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)等のポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリアリールフタレート系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリフェニレンスルフィド系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリエチレンナフタレート系樹脂、ポリエーテルイミド系樹脂、アセタール系樹脂、セルロース系樹脂等が挙げられ、これらのポリマーを1種又は2種以上混合して使用することができる。
上述のポリウレタン系樹脂の原料であるポリオールとしては、例えば水酸基含有不飽和単量体を含む単量体成分を重合して得られるポリオールや、水酸基過剰の条件で得られるポリエステルポリオールなどが挙げられ、これらを単体で又は2種以上混合して使用することができる。
水酸基含有不飽和単量体としては、(a)例えばアクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシプロピル、アリルアルコール、ホモアリルアルコール、ケイヒアルコール、クロトニルアルコール等の水酸基含有不飽和単量体、(b)例えばエチレングリコール、エチレンオキサイド、プロピレングリコール、プロピレンオキサイド、ブチレングリコール、ブチレンオキサイド、1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、フェニルグリシジルエーテル、グリシジルデカノエート、プラクセルFM−1(ダイセル化学工業株式会社製)等の2価アルコール又はエポキシ化合物と、例えばアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、イタコン酸等の不飽和カルボン酸との反応で得られる水酸基含有不飽和単量体などが挙げられる。これらの水酸基含有不飽和単量体から選択される1種又は2種以上を重合してポリオールを製造することができる。
また上述のポリオールは、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸tert−ブチル、アクリル酸エチルヘキシル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸tert−ブチル、メタクリル酸エチルヘキシル、メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸シクロヘキシル、スチレン、ビニルトルエン、1−メチルスチレン、アクリル酸、メタクリル酸、アクリロニトリル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、酢酸アリル、アジピン酸ジアリル、イタコン酸ジアリル、マレイン酸ジエチル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−ブトキシメチルアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、エチレン、プロピレン、イソプレン等から選択される1種又は2種以上のエチレン性不飽和単量体と、上述の(a)及び(b)から選択される水酸基含有不飽和単量体とを重合することで製造することもできる。
水酸基含有不飽和単量体を含む単量体成分を重合して得られるポリオールの数平均分子量は1000以上500000以下であり、好ましくは5000以上100000以下である。また、その水酸基価は5以上300以下、好ましくは10以上200以下、さらに好ましくは20以上150以下である。
水酸基過剰の条件で得られるポリエステルポリオールは、(c)例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、ヘキサメチレングリコール、デカメチレングリコール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、トリメチロールプロパン、ヘキサントリオール、グリセリン、ペンタエリスリトール、シクロヘキサンジオール、水添ビスフェノルA、ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、ハイドロキノンビス(ヒドロキシエチルエーテル)、トリス(ヒドロキシエチル)イソシヌレート、キシリレングリコール等の多価アルコールと、(d)例えばマレイン酸、フマル酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、アゼライン酸、トリメット酸、テレフタル酸、フタル酸、イソフタル酸等の多塩基酸とを、プロパンジオール、ヘキサンジオール、ポリエチレングリコール、トリメチロールプロパン等の多価アルコール中の水酸基数が前記多塩基酸のカルボキシル基数よりも多い条件で反応させて製造することができる。
上述の水酸基過剰の条件で得られるポリエステルポリオールの数平均分子量は500以上300000以下であり、好ましくは2000以上100000以下である。また、その水酸基価は5以上300以下、好ましくは10以上200以下、さらに好ましくは20以上150以下である。
当該ポリマー組成物のポリマー材料として用いられるポリオールとしては、上述のポリエステルポリオール、及び、上述の水酸基含有不飽和単量体を含む単量体成分を重合して得られ、かつ、(メタ)アクリル単位等を有するアクリルポリオールが好ましい。かかるポリエステルポリオール又はアクリルポリオールをポリマー材料とすれば耐候性が高く、反射構造層15の黄変等を抑制することができる。なお、このポリエステルポリオールとアクリルポリオールのいずれか一方を使用してもよく、両方を使用してもよい。
なお、上述のポリエステルポリオール及びアクリルポリオール中の水酸基の個数は、1分子当たり2個以上であれば特に限定されないが、固形分中の水酸基価が10以下であると架橋点数が減少し、耐溶剤性、耐水性、耐熱性、表面硬度等の被膜物性が低下する傾向がある。
また、内層16としては、外層11と同様に屋外に設置されることを鑑み、耐水性、紫外線に対する耐久性等の耐候性を有しているものが望ましく、例えばポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)やポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、メタクリル系樹脂、ポリメチルペンテン系樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、アクリロニトリル−(ポリ)スチレン共重合体(AS樹脂)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)、ポリ塩化ビニル系樹脂、フッ素系樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリアリールフタレート系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリフェニレンスルフィド系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、リエチレンナフタレート系樹脂、ポリエーテルイミド系樹脂、エポキシン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、アセタール系樹脂、セルロース系樹脂等から形成されていることが好ましい。また、配線-反射層19が銅の場合は一般的なプリント配線板に用いられる材料、例えばFR−4やFR−5、ER−6といったガラスエポキシ、ビスマレイミドトリアジン樹脂(商標名BTレジン)、フェノール樹脂、セラミックなども用いることが可能である。
なお、内層16が強度、耐光性などの諸特性を満たす場合であるならば、内層16の裏面に直接バリア層13を配置することが可能となる。この場合には基材14と第2の接着剤15が不要となり更なる構成の簡略化を図ることが可能となる。また、バリア層13がアルミ箔の場合には、バリア層13と内層16の間に接着剤を設けて積層する(図示せず)。
配線‐反射層19は、複数のセル4と対向可能な位置に配置されている。配線‐反射層19の一部分は、複数のセル4に接続される電気配線17を形成する。また、配線‐反射層19の他の部分の一部が充填層3及びセル4を通過する光を反射するためのプリズム形状を有する反射膜18を形成する。
この配線-反射層19の作成については、サブトラクティブ法又はセミアディティブ法で行われる加工、即ち、エッチングもしくはめっきが可能である金属材料であればよく、銅、銀、ニッケル、アルミニウムなどを用いることができる。特に、プリント電極及び配線板で一般的に用いられており、電気伝導率が高く、加工のし易さから銅が好適である。なお、配線-反射層19はこれらの材料が単独もしくは複数の材料から成ってもよい。電気伝導度が高く、加工が容易であることから配線-反射層19の電気配線17又は反射膜18の大部分を銅とし、その上に電気配線(電極)17とセル4の接続のためのはんだ接続用の表面処理と、反射膜18の光の反射率向上、また電気配線17と反射膜18の両者の防錆用の表面処理を全て兼ねるという点で、銅上にニッケル、金を施したものが好適である。
なお、プリズムについては銅による配線-反射層パターンを先に作成した場合には反射膜18が孤立パターンとなるため、ニッケル、金めっきについては無電解めっきを用いることが好適である。
本実施形態においては、配線-反射層19には反射膜18が形成されている。この反射膜18は、入射してきた光を特定の方向へと反射するための構造であり、V字溝形状、台形形状等をなすプリズムが複数配列されている。
なお、プリズム形状を有する反射膜18は、隣接するセル4間の余白に対応する箇所全体に形成されていても良いし、その一部でも良い。またパターンの制約などによる加工の都合上のためにその一部がセル4の下部に形成されていても良い。
図3(a)、(b)にプリズム形状の一例を示す。反射膜18は配線-反射層19に含まれ、反射保護シート10に入射する光線を調光する機能がある。半導体発電装置100の種類及び設置場所にもよるが、図3(a)に示すようなV字溝形状、図3(b)に示す台形形状等が効果的な形状の例として挙げられる。
また、主に半導体発電装置100の光源となる太陽光は半導体発電装置100から無限遠に位置する光源に近似されるので、太陽光は、半導体発電装置100が設置されるような屋上、屋根などでは平行光として半導体発電装置100へ入射することになる。なお、全てが平行光ということではなく、周辺物に当たり反射する散乱光も存在するが、大部分が平行光として入射する。このような平行光の調光には、平面をもつプリズム形状が有効である。
図4は、プリズム形状がV字溝形状(図4(a))、台形形状(図4(b))をなす場合の頂角の半角θを示す側面図である。このプリズムの頂角の半角θは、図4に示すように配線-反射層の面に対して垂直な法線L1とプリズムにより傾斜がつけられたL2に挟まれる角度を指す。このようなプリズムをなす場合においては、上記頂角の半角θが55°から69°の範囲、好ましくは60°から68°の範囲に設定されている。
以上のような構成の反射保護シート10を有する半導体発電装置100においては半導体発電装置本体1の充填層3及びセル4の余白部を透過した光は、半導体発電装置本体1の裏面に配された反射保護シート10へ入射する。そして、反射保護シート10に入射した光は、プリズム形状を有する反射膜18によって、前面板2側へ反射される。反射された光は前面板2により全反射し、セル4の受光面に再入射される。これにより、発電に寄与し、光の利用効率の向上が図られる。
更に、内層16と外層11との間には、水蒸気透過度が0〜5g/m・dayのバリア層13が設けられている。このバリア層13により、反射保護シート10が裏面側に配設される半導体発電装置本体1の内部への水蒸気の透過を防止する。結果として、配線-反射層19や半導体発電装置本体1に用いられているセル4の電極の腐食や、充填層3の劣化を防ぐことが可能となる。なお、水蒸気透過度が5g/m・dayを超えてしまうと、これら配線-反射層19や電極の腐食や、封止樹脂の劣化が発生する場合がある為、望ましくない。この点、水蒸気透過密度を上記範囲に設定することで、電極の腐食及び封止樹脂の劣化を確実に回避することができる。
また、反射保護シート10において、プリズムの頂角の半角の角度θが55°から69°の範囲に設定されており、かつ、半導体発電装置1に用いられる前面板2の屈折率を約1.5とした場合には、前面板と空気との界面において全反射させることが可能であり、また該反射光が近接するプリズムへの再反射を抑えることができる為好ましい。一方、頂角の半角θが69°を超える場合、前面板と空気との界面において、全反射が発生し難くなるため再集光効率が落ちる可能性が高くなり好ましくない。また、頂角の半角θが55°を下回る場合、プリズム形状を有する反射膜18で反射した光の一部が近接するプリズム内で再反射する可能性が高くなり、再集光効率が落ちる可能性が高くなり好ましくない。
さらに、反射膜18のプリズム形状における頂角の半角の角度θが、60°から68°の範囲に設定されている場合には、安定してガラスと空気との界面において全反射する範囲の角度に形成することができるとともに、反射構造で反射した光の一部がプリズム内で衝突することがないため、反射率が落ちることがなく、再集光効率を高く維持することができる。
なお、反射保護シート10の製造方法については、配線−反射層19の作成に際し、プリント配線板に用いられる公知技術の内、サブトラクティブ工法、及びセミアディティブ工法を用いることが可能である。フルアディティブ工法の場合においては、内層16に対して電気配線17及び反射膜18を形成する時のめっきが無電解となるため、電気配線17の厚みを稼ぐことができないこと、また、内層16との密着強度を得ることができないために不適である。
配線−反射層19における電気配線17及び反射膜18の厚みとしては、電気配線17の厚みは通常の銅箔付基板の厚みである10から100μm厚みであれば良い。反射膜18の厚みとしては、サブトラクティブ工法、もしくはセミアディティブ工法を用いるために、電気配線17の厚みと同じかもしくは薄くなる。反射膜18の厚みが電気配線17より厚くなることで、反射の機能という点では問題はないが、反射膜18は薄くても、効果を発揮するため、反射膜18の厚みは電気配線17と同じかもしくは薄い方が良好である。
実施例を以下順に説明する。
図5に実施例1として、配線−反射層19の形成においてサブトラクティブ法を用いた反射保護シート10の製造方法について説明する。
先ず、図5(a)に示すように、内層16に銅箔(電気配線)17が施されているBTレジンからなる基板(1mm厚)を用いた。
そして、図5(b)に示すように、内層16に対して、内層16の水平面とブレードの間の角度θが30°となるダイシングブレードを用いて500μmピッチでプリズム形状のざぐり加工を行った。なおプリズム形状はV字溝形状とした。
次いで、図5(c)に示すように、ざぐり加工を行ったプリズム形状を有する反射膜18となる部分に対して、後述する電解銅めっきが可能となるように、無電解めっきを行った。無電解めっきはEDTAタイプの高速無電解めっきプロセス(ロームアンドハース製 C 4000プロセス)を用い、浴温40℃、処理時間5分で約0.5μmの厚みで銅(反射膜)18を析出させた。
次いで、図5(d)に示すように、ドライフィルムレジスト(日立化成製 フォテックH7045)20で露光量70mJ/cmとなるようにして、露光を行った後、1wt%NaCO水溶液、30℃、現像時間1分として現像を行った。
ここではドライフィルムレジスト20としたが、電極の配線ピッチは数百μm〜数mmピッチとなるため、ドライフィルムレジスト20の他、液体レジスト、ポジ型、ネガ型など一般的に用いられているレジストを用いることが可能である。
次に、図5(e)に示すように、銅箔17に対してエッチングを行った。エッチング条件は比重1.38とした塩化第二鉄液を用いて、40℃1分でエッチングを行った。その後、ドライフィルムレジスト20を3%NaOH水溶液にて剥離することで、図5(f)に示すように、内層16上に配線-反射層19を得た。
その後、無電解ニッケルめっき(メルテックス社製 メルプレートNI−6509MF)、を用い、浴温85℃20分で処理を行うことで約3μmの厚みのニッケル層を銅上にめっきさせ、その後続いて無電解置換金めっき(メルテックス社製 メルプレートAU6601M)で70℃5分処理を行い、0.07μmの厚みの金層を施すことで、プリズム形状を有する反射膜18上に防食性を有する配線-反射層(ニッケル層、金層は図示せず)19を得た。
その後、図5(g)に示すように、第2の接着層15を用い、別に作成した外層11、第1の接着層12、バリア層13、及び基材14からなるものを、第2の接着層15で貼り合わせることで反射保護シート10を得た。
図6に実施例2として、配線−反射層19の作成に際しセミアディティブ法を用いた反射保護シート10の製造方法について説明する。
先ず、図6(a)に示すように、内層16にスパッタ銅(電気配線)17が施されているBTレジンからなる基板(1mm厚)を用いた。
そして、図6(b)に示すように、内層16に対して、内層16の水平面とブレードの間の角度θが30°となるダイシングブレードを用いて500μmピッチでプリズム形状のざぐり加工を行った。なおプリズム形状はV字溝形状とした。
次いで、図6(c)に示すように、ざぐり加工を行ったプリズム形状を有する反射膜18となる部分に対して、後述する電解銅めっきが可能となるように、無電解めっきを行った。無電解めっきはEDTAタイプの高速無電解めっきプロセス(ロームアンドハース製 C 4000プロセス)を用い、浴温40℃、処理時間5分で約0.5μmの厚みで銅(反射膜)18を析出させた。
次いで、図6(d)に示すように、ドライフィルムレジスト(デュポンMRCドライフィルム(株)製 リストンJSF125)20で露光量130mJ/cmとなるようにして、露光を行った後、1wt%NaCO水溶液、30℃、現像時間40秒として現像を行った。
次に、図6(e)に示すように、電解銅めっきを行った。銅めっきのめっき浴はハイスロー浴(奥野製薬製 トップルチナGT)を用い電解めっきの条件は2A/dmで銅(電気配線、反射膜)17、18の厚さが20μmになるようにしてめっきを行った。
次に、図6(f)に示すように、ドライフィルムレジスト20を3%NaOH水溶液にて剥離することで、内層16上に配線-反射層19を得た。
次に、図6(g)に示すように、銅17に対してエッチングを行った。エッチング条件は過水系のエッチング液(メック製 メックブライトCI−7200)を用い、銅からなる電気配線17及びプリズム形状を有する反射膜18を形成した。
その後、無電解ニッケルめっき(メルテックス社製 メルプレートNI−6509MF)、を用い、浴温85℃20分で処理を行うことで約3μmの厚みのニッケル層を銅上にめっきさせ、その後続いて無電解置換金めっき(メルテックス社製 メルプレートAU6601M)で70℃5分処理を行い、0.07μmの厚みの金層を施すことで、プリズム形状を有する反射膜18上に防食性を有する配線-反射層(ニッケル層、金層は図示せず)19を得た。
その後、図6(h)に示すように、第2の接着層15を用い、別に作成した外層11、第1の接着層12、バリア層13、及び基材14からなるものを、第2の接着層15で貼り合わせることで反射保護シート10を得た。
(試験及び結果)
実施例1,2のとおりに作成した反射保護シート10を用いて、再集光効率について測定を行った。なお、反射保護シート10の反射膜18のプリズム形状についてはざぐり加工の時点で最大凹凸高さを約150μm、プリズムのピッチが500μmのV字溝形状となるようにした。そして、これら反射保護シート10の電気配線17に対して各々セル4をはんだリフローにより電気的に接続させた後、EVA、強化ガラスからなる前面板2を用いて真空プレスにより半導体発電装置(太陽電池モジュール)100を作成した。
測定については、正午の太陽光を想定し、入射角度は約0度の平行光を測定光源として光源を設置した。
作製したサンプルに関して、前面板2側から光を入射させ、測定した結果を表1に示す。また、反射が無い場合を想定した黒紙を実施例1、実施例2に被せた場合をそれぞれ比較例1、比較例2として測定を行った。
実施例1、2と比較例1、2と比較すると、どちらの実施例においても、発電量が増加を示しており、再集光効率が向上する事が確認された。
Figure 2012074520
本発明を用いることにより、光が入射する側と反対側の複数の太陽電池セルの裏面側に配線‐反射層を備えた半導体発電装置(裏面接合型の太陽電池)においてセルを配していない余白部分の光を効率よく反射することのできる半導体発電装置用反射保護シートを電極(電気配線)形成のプロセスと同時に形成することが可能となる。よって、低コストで半導体発電装置用反射保護シートを低コストで提供することが可能となる。
1・・・半導体発電装置本体
2・・・前面板
3・・・充填層
4・・・太陽電池セル
10・・・反射保護シート
11・・・外層
12・・・第1の接着層
13・・・バリア層
14・・・基材
15・・・第2の接着層
16・・・内層
17・・・電気配線
18・・・反射膜
19・・・配線-反射層
20・・・フォトレジスト
100・・・半導体発電装置

Claims (9)

  1. 表面から光が入射される前面板と、該前面板の裏面側に設けられ、光電変換機能を有する複数の太陽電池セルを内部に埋設した充填層とを備えた半導体発電装置本体の裏面側に設けられる半導体発電装置用反射保護シートであって、
    前記複数の太陽電池セルと対向可能な位置に配線‐反射層を備え、
    該配線‐反射層の一部分が、前記複数の太陽電池セルに接続される電気配線を形成し、前記配線‐反射層の他の部分の一部が、前記充填層及び前記太陽電池セルを通過する光を反射するためのプリズム形状を有する反射膜を形成することを特徴とする半導体発電装置用反射保護シート。
  2. 前記電気配線の材料のうち少なくとも1つが前記反射膜の材料と同じ材質であることを特徴とする請求項1記載の半導体発電装置用反射保護シート。
  3. 前記反射膜が前記複数の太陽電池セルの隣接する太陽電池セル間に存在していることを特徴とする請求項1記載の半導体発電装置用反射保護シート。
  4. 前記反射膜の材料として、銅、ニッケル、金、銀、及びスズのうちのいずれかを含むことを特徴とする請求項1記載の半導体発電装置用反射保護シート。
  5. 前記反射膜の材料として、銅、ニッケル、金の順に積層されていることを特徴とする請求項1記載の半導体発電装置用反射保護シート。
  6. 前記反射膜のプリズム形状が、V字溝形状又は台形形状であることを特徴とする請求項1記載の半導体発電装置用反射保護シート。
  7. 前記反射膜の厚みが、前記電気配線の厚みと同じか又は前記電気配線の厚みよりも薄いことを特徴とする請求項1記載の半導体発電装置用反射保護シート。
  8. 請求項1記載の半導体発電装置用反射保護シートを製造するための製造方法であって、
    前記配線‐反射層の作成に際し、内層のうち前記プリズム形状の反射膜を形成する部分にV字溝形状又は台形形状となる加工を施し、該加工を施した部分に対して無電解めっきを行うことでプリズムを作成することを特徴とする半導体発電装置用反射保護シートの製造方法。
  9. 請求項1記載の半導体発電装置用反射保護シートを製造するための製造方法であって、
    前記配線‐反射層の作成に際し、サブトラクティブ法又はセミアディティブ法を用いること特徴とする半導体発電装置用反射保護シートの製造方法。
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