JP2012073725A - 非接触通信媒体、冊子及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】冊子用見返し用紙1と該冊子用見返し用紙1の表側面に非接触通信部材2を含む中間層6とを貼り合わせてなる非接触通信媒体において、該冊子用見返し用紙1と中間層6を、反応型ホットメルト樹脂を主成分とする接着剤からなる接着層9により貼り合わせる。
【選択図】図1
Description
このような冊子体は通常、最初にインレイを製造し、次にインレイとカバー材を貼り合わせ、その後冊子の本体(本紙紙片)を取付ける。本紙紙片の取付けは、カバー材を貼り合せたインレイに見返し用紙を貼り合わせ見返し用紙と本紙紙片を糸綴じするか、本紙紙片と見返し用紙を糸綴じした後に見返し用紙とインレイを貼り合わせることで取付けする。
これらの水系接着剤は、比較的接着力が弱く、溶剤等で剥がしやすいため、ICチップに固有データが保存されているインレイと固有情報が印字されている本紙紙片を切り離し、不正な本紙紙片を再度貼り合わせるような改ざん行為をされる恐れがある。
図1は本発明の冊子の一例を示す断面説明図である。図1において、冊子用の見返し用紙1と非接触通信部材2を含む中間層6が反応型ホットメルト樹脂を主成分とする接着剤からなる接着層9により貼り合わされている。
見返し用紙1の表側(外側)には本紙紙片10が取付けられている。見返し用紙1と本紙紙片10は、2つのページ領域を有し、2つのページ領域の中心近傍に折り曲げ可能なヒンジ線を有する。本紙紙片10は、見返し用紙1と本紙紙片10のヒンジ線に沿って中綴方式により糸綴じすることで取付けられている。
見返し用紙1には、印刷により施し地紋、文字、絵柄等を形成してもよい。また、マイクロ文字加工、凹版潜像加工、エンボス加工、ホログラム加工、その他偽造防止加工を施してもよい。
非接触通信部材は、具体的には支持体上にアンテナ及びICモジュール(ICチップ)を形成したものを用いることができる。
中間層6は、見返し用紙1と本紙紙片10に対応して2つのページ領域を有するが、非接触通信部材は一方のページ領域に形成する。また、中間層6の厚みは300〜450μm程度である。
中間層6として例えば図1、図2に示すように、非接触通信部材としてアンテナ5を形成してなりアンテナと接続されたICモジュール(ICチップ)4を収容してなるアンテナシート基材2を用い、2つのページ領域を有する2枚の中間シート7、8の一方のページ領域の間に挟んで貼り合せたものを用いることができる。
アンテナ5は、アンテナシート基材2に設けたアルミや銅などの金属箔又は金属薄膜をエッチング法によりパターンエッチングしたエッチングアンテナものや、銅線などの金属線を用いて基材に埋設配置した巻き線アンテナ、銀などの導電材料を含む導電性インキを印刷した印刷アンテナを用いることができる。
また、ICチップ4として、ICチップにアンテナとの接続用のバンプを形成したいわゆるベアチップを用いてもよい。
また、先にICモジュール(ICチップ)を収容し、後からアンテナコイルを形成してICモジュール(ICチップ)とさせてもよい。
このようなものとして、熱可塑性を有する多孔質シート基材を用いることができる。具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリエステル、ABS(アクリロニトリルブタジエンスチレン共重体)等の樹脂を単体もしくは組み合わせからなる材料を用いて、シリカ等の多孔質粒子を混合する、樹脂の混練時に空気を加えて発泡させる、又は延伸後に穿孔加工する等の方法で得ることができる。
また、市販の、インクジェットやオフセット等に対する印刷適正を付与した樹脂シート又は合成紙等の紙シートを用いてもよい。
具体的には例えばPPG社製ポリオレフィン系合成紙「Teslin(登録商標)」やユポ・コーポレーション製ポリプロピレン系合成紙「YUPO(登録商標)」等が挙げられる。
中間シートの厚みは100〜200μm程度である。
具体的には例えば、前述のようなICモジュールを用い、アンテナシート基材の開口部に収容する場合、図1に示すようにカバー側の中間シート7にはICモジュールの樹脂モールド部の厚みを緩和する開口を形成し、見返し側の中間シート8にはICモジュールの接続板の厚みを緩和する開口を形成することができる。
具体的には中間層を構成する中間シートのヒンジ線に相当する部分に開口を設けるかまたは、2層の中間シートのうち1層の中間シートのヒンジ線に相当する部分に開口を設けることで開口部において全体の厚みを薄くする、または部分的に圧力をかけて圧縮するなどの方法をとることができる。
反応型ホットメルト樹脂としては主成分として、例えば、エチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA)系、ポリウレタン系を含むもの等が挙げられる。
反応型ホットメルト樹脂は、これらの樹脂を加熱溶融した状態で塗付し、貼り合わせて冷却固化した後は、空気中や被貼り合わせ材料に含まれる水分(湿気)と架橋反応することにより、柔軟性のあるシート状の層となり、従来の水系接着剤やホットメルト系接着剤に比べ、優れた耐熱性・耐久性・耐水性・耐湿性を有するものとなる。そのため、インレイと本紙の取付けられた見返し用紙を痕跡が残らないように分離することが困難となる。
特に、ICモジュールとアンテナ(またはアンテナに接続された導電部材)との接続部が腐食しやすいため、ICモジュールの接続板、ICチップのバンプが見返し用紙側に位置する場合に有利となる。
そのため、柔軟性、寸法安定性のある反応型ホットメルト接着剤を見返し用紙の糸綴じ部分を覆うように形成することで、冊子の開閉を繰り返しても糸の動きを抑えることができ、見返し用紙を始めとする用紙の糸を通している穴の広がりを防ぐことができる。そのため、補強板を省略することができ、材料費、生産効率の点で有利となる。
用紙の厚みは一般的に110〜130μmの範囲内である。また、通常パスポート用途であれば約32〜98ページである。
本紙紙片に用いる用紙としては、特に限定するものではないが、通常の紙材料を用いることができる。
本紙紙片は、2つのページ領域の間にあるヒンジ線に沿って見返し用紙と中綴方式により糸綴じすることで取付けられる。
カバー材としては、公知の材料を用いることができる。
例えば、コットン材料、紙材料、PVC材料を用いることができる。
カバー材の厚みは一般的に100〜1000μm程度である。
まず、非接触通信部としてアンテナ、ICモジュールを実装したアンテナシート基材と、中間シートを貼り合わせ、中間層を作成する。
アンテナシート基材と中間シートの貼り合わせはヒートシール系接着剤など公知の接着剤を用いて貼り合わせることができる。具体的には中間シートに接着剤を設け、必要に応じ開口部等を形成し、アンテナシート基材と位置合わせをして熱圧等により貼り合わせ、非接触通信媒体を得ることができる。
アンテナシートと中間シートの貼り合わせに用いる接着剤としては、特に限定するものではないが、EVA(エチレンビニルアセテート)系接着剤、EAA(エチレンアクリル酸共重合樹脂)系接着剤、ポリエステル系接着剤、ポリウレタン系接着剤、アクリル系接着剤、ポリオレフィン系接着剤、ナイロン系接着剤等の水溶性接着剤を用いることができる。
具体的には、見返し用紙に湿気硬化型
ホットメルト樹脂を主成分とする接着剤を塗布し、中間シートの位置を合わせて貼り合わせることができる。
塗布方法は公知のコーティング方法を用いることができる。例えばロールコーターを用いたコーティング方法を用いることができる。
なお、本紙紙片の1枚と見返し紙片を貼り合わせ、貼り合わせたものと他の複数の本紙紙片を中綴じ方式により糸綴じしてもよい。
カバー材の貼り付けは、ヒートシール系接着剤など公知の接着剤を用いて貼り合わせることができる。また、具体的にはカバー材に接着剤を設け、熱圧等により中間シートを貼り合わせることができる。
カバー材の貼り付けに用いる接着剤としては、EVA(エチレンビニルアセテート)系接着剤、ポリウレタン系接着剤などの反応型ホットメルト系接着剤や、EAA(エチレンアクリル酸共重合樹脂)系接着剤、ポリエステル系接着剤を用いることができる。
なお、カバー材は省略してもかまわない。
接着剤の塗布方法は公知のコーティング方法を用いることができる。例えばグラビアコーティング方法等を用いることができる。
まず、中間層として、アンテナ基材と、アンテナ基材の表裏に中間シートを貼り合わせたものを用意した。
アンテナ基材は、厚み40μmのPET基材を用い、中間シートは厚み170μmの多孔質ポリエチレンシートを用いた。貼り合わせは、酢酸ビニル樹脂を主成分とするエマルジョンタイプの水性接着剤からなるヒートシール剤を2枚の中間シートにマイクログラビアコーターにより厚み3μmで塗布し、アンテナ基材を挟んで貼り合わせた。
アンテナ基材は、アルミニウムからなるエッチングアンテナ(表面:厚み30μmのアンテナパターン、裏面:厚み30μmのジャンパーパターン)を有し、基材に形成されている開口部にアンテナに接続されたICチップを収容してなるものを用いた。また、アンテナ基材の表裏に設けた中間シートはアンテナ基材に収容したICチップの厚みを緩和するための開口が設けられているものを用いた。
次に見返し用紙と本紙紙片9枚を用意し、見返し紙片と本紙紙片の1枚を貼り合わせ、貼り合わせたものと本紙紙片8枚を中綴じ方式により糸綴じした。
次に糸綴じした見返し紙片と本紙紙片の見返し紙片側と中間層を、接着層により貼り合わせた。接着層に用いる接着剤は、湿気硬化型の反応型ホットメルト樹脂としてパーフェクトロック(日本エヌエスシー社製)を用い、接着層は見返し紙片全面にロールコーターにより厚み40μmで形成した。
さらに中間層の外側にカバー材を接着剤により貼り合わせて冊子体を得た。カバー材は厚み350μmの布クロスを用い、接着剤は湿気硬化型の反応型ホットメルト樹脂としてパーフェクトロック(日本エヌエスシー社製)を用いてカバー材全面にロールコーターにより厚み40μmで形成した。
糸綴じした見返し紙片と本紙紙片の見返し紙片側と中間層の貼り合わせに用いた接着層を酢酸ビニル樹脂を主成分とするエマルジョンタイプの水性接着剤にし、厚みを40μmとしてマイクログラビアコーターで塗布した以外は実施例と同様にして冊子体を得た。
(開閉試験)
実施例、比較例で作成した冊子体を5000回開閉し、開閉前と開閉後で孔の大きさをそれぞれ5点ずつ測定した。結果を表1に示す。
2・・・・非接触通信部材
3・・・・アンテナシート基材
4・・・・ICモジュール
5・・・・アンテナ
6・・・・中間層
7・・・・中間シート
8・・・・中間シート
9・・・・反応型ホットメルト樹脂を主成分とする接着剤
10・・・本紙紙片
11・・・糸綴じ部
12・・・カバー層
13・・・ページ領域
14・・・ヒンジ線
15・・・補強部
Claims (11)
- 冊子用見返し用紙と該見返し用紙の表側面に非接触通信部材を含む中間層とを貼り合わせてなる非接触通信媒体であって、
該冊子用見返し用紙と中間層が反応型ホットメルト樹脂を主成分とする接着剤からなる接着層により貼り合わされてなることを特徴とする非接触通信媒体。 - 前記接着層の厚みが10〜100μmであることを特徴とする請求項1に記載の非接触通信媒体。
- 冊子用見返し用紙と該見返し用紙の表側面に非接触通信部材を含む中間層とを貼り合わせてなり、該見返し用紙の内側面に本紙紙片が、見返し用紙及び本紙紙片のヒンジ線に沿って糸綴じにより取付けられている冊子であって、
該冊子用見返し用紙と中間層が反応型ホットメルト樹脂を主成分とする接着剤からなる接着層により貼り合わされてなることを特徴とする冊子。 - 前記接着層の厚みが10〜100μmであることを特徴とする請求項3に記載の冊子。
- 前記中間層は、見返し用紙の糸綴じ部以外と貼り合わされていることを特徴とする請求項3または4に記載の冊子。
- 前記接着層は見返し用紙の糸綴じ部を覆っていることを特徴とする請求項3〜5のいずれかに記載の冊子
- さらに中間層の表側にカバー材が貼り付けられていることを特徴とする請求項3〜6のいずれかに記載の冊子。
- 冊子用見返し用紙と該見返し用紙の表側面に非接触通信部材を含む中間層とを貼り合わせてなり、該見返し用紙の内側面に本紙紙片が、見返し用紙及び本紙紙片の中心線に沿って糸綴じにより取付けられている冊子の製法であって、
反応型ホットメルト樹脂を主成分とする接着剤からなる接着層により冊子用見返し用紙の内側面と中間層とを貼り合わせる工程、
見返し用紙の内側面に本紙紙片を、見返し用紙及び本紙紙片の中心線に沿って糸綴じにより取付けられる工程、
とを有する冊子の製造方法。 - 前記冊子用見返し用紙の内側面と非接触通信部材とを貼り合わせる工程が、非接触通信部材を見返し用紙の糸綴じ部以外に貼り合わせることを特徴とする請求項8に記載の冊子の製造方法。
- 前記接着層は見返し用紙の糸綴じ部を覆っていることを特徴とする請求項9に記載の冊子の製造方法
- さらに非接触通信部材の表側にカバー材が貼り付ける工程を有することを特徴とする請求項8〜10のいずれかに記載の冊子の製造方法。
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