JP2012073543A - レンズユニット及び撮像ユニット - Google Patents

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Abstract

【課題】リフロー処理に起因するレンズや鏡筒の破損や変形を抑えることができ、リフロー処理の後で鏡筒に収容されるレンズの光軸の位置が変わることを防止できるレンズユニット及び撮像ユニットを提供する。
【解決手段】鏡筒と、鏡筒の内部に収容された少なくとも1つのレンズを備えたレンズユニットであって、鏡筒は筒状の筒部を有し、レンズは、筒部の中心軸と光軸が一致する光学部と、光学部の周囲に光軸に対して垂直な非光学面とを含み、非光学面と、該非光学面と対向する鏡筒における面とのうち、一方の面に複数のガイド部が一体に設けられ、他方の面に複数のガイド部に係合する複数の係合部が一体に設けられ、複数のガイド部それぞれが光軸を中心として放射状に延びた形状を有し、レンズが熱膨張した際に、複数のガイド部と複数の係合部との係合する位置が変化する。
【選択図】図2

Description

本発明は、レンズユニット及び撮像ユニットに関する。
携帯電話や監視カメラなどに用いられる撮像装置は、一般に、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサやCMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)イメージセンサなどの固体撮像素子と、固体撮像素子の受光面に結像するレンズユニットと一体化してなる撮像ユニットを含んで構成される。
従来、レンズユニットとしては、複数のレンズと、金属やプラスチックからなる筒状の鏡筒とを備え、複数のレンズが鏡筒に並べて収容されたものがある。鏡筒には開口部が形成され、この開口部から複数のレンズに光が照射される。複数のレンズはそれぞれ、光軸を有するレンズ面と、該レンズ面の周囲に鍔状のフランジ部とを有する。複数のレンズは、鏡筒の内部で、それぞれの光軸が一致する状態で位置決めされ、保持される(例えば、特許文献1参照)。
レンズユニットを備えた撮像ユニットは、一般に、モジュール化された後で回路基板に実装される。そして、実装プロセスの簡略化を図るべく、撮像ユニットの実装にリフロー方式の半田付けが採用されるようになっている。リフロー方式とは、回路基板板上で部品を実装する箇所に予め半田を配置し、そこに部品を配置して回路基板ごと加熱し、それによって半田を溶融させて部品を回路基板に半田付けする手法(以下、リフロー処理という。)をいう。
リフロー処理の際、撮像ユニットは200℃以上の高温に晒される。高温に晒されると、レンズの材料と鏡筒の材料との熱膨張率差に起因して、レンズと鏡筒とが当接する部位に強い圧力が生じる。すると、レンズや鏡筒に破損や変形が生じてしまうことがある。また、撮像ユニットを常温に戻しても、鏡筒におけるレンズに位置が元に戻らず、鏡筒の開口部の中心とレンズの光軸とがずれてしまうことがある。このため、撮像ユニットに用いるレンズユニットは、リフロー処理の際に高温に晒されても、不具合が生じないように十分な耐熱性が求められている。
特開2009−98614号公報
本発明は、リフロー処理に起因するレンズや鏡筒の破損や変形を抑えることができ、リフロー処理の後で鏡筒に収容されるレンズの光軸の位置が変わることを防止できるレンズユニット及び撮像ユニットを提供する。
鏡筒と、前記鏡筒の内部に収容された少なくとも1つのレンズを備えたレンズユニットであって、
前記鏡筒は筒状の筒部を有し、
前記レンズは、前記筒部の中心軸と光軸が一致する光学部と、前記光学部の周囲に前記光軸に対して垂直な非光学面とを含み、
前記非光学面と、該非光学面と対向する前記鏡筒における面とのうち、一方の面に複数のガイド部が一体に設けられ、他方の面に前記複数のガイド部に係合する複数の係合部が一体に設けられ、前記複数のガイド部それぞれが前記光軸を中心として放射状に延びた形状を有し、前記レンズが熱膨張した際に、前記複数のガイド部と前記複数の係合部との係合する位置が変化するレンズユニット。
本発明によれば、リフロー処理に起因するレンズや鏡筒の破損や変形を抑えることができ、リフロー処理の後で鏡筒に収容されるレンズの光軸の位置が変わることを防止できるレンズユニット及び撮像ユニットを提供できる。
撮像ユニットの構成を示す断面図である。 図1の第1レンズを示す斜視図である。 図1のX−X線を矢印方向にみた断面図である。 図3に示す撮像ユニットの変形例を示す断面図である。 レンズユニットの他の変形例を示す図である。 レンズユニットの他の変形例を示す図である。 レンズユニットの他の変形例を示す図である。
図1は、撮像ユニットの一例を示す。
撮像ユニット1を構成するレンズユニット10は、光学系を構成する複数のレンズと、複数のレンズを収容する鏡筒11とを備えている。複数のレンズは、光の入射側から順に第1レンズ21と、第2レンズ31とで構成されている。複数のレンズは、1枚でもよく、3枚以上であってもよい。
第1レンズ21は、表裏に光学面を有する光学部22と、光学部22の周囲に鍔状に広がるフランジ部23とで構成されている。同様に、第2レンズ31も、表裏に光学面を有する光学部32と、光学部32の周囲に鍔状に広がるフランジ部33とで構成されている。
第1レンズ21のフランジ部23の径と、第2レンズ31のフランジ部33の径は、ともに等しい。第1レンズ21と第2レンズ31は、光学部22,32の光軸Aを一致させた状態で鏡筒11により保持される。
鏡筒11は、円筒形状の筒部11aを含む。筒部11aの中心軸の軸方向における光の入射側の一方の端部12には、筒部11の中心軸を中心として、軸方向にみた状態で円形の開口部13が形成されている。一方で、筒部11における端部12とは反対側は開口端である。
第1レンズ21のフランジ部23において筒部11aの端部12側に面し、光軸に対して垂直な非光学面が、端部12の内側の対向面と当接している。第1レンズ21のフランジ部23の非光学面に対して反対側の面には、フランジ部23の外周縁に沿って、光軸を中心として円環状の凹部である嵌合部28が形成されている。第2レンズ31のフランジ部33における第1レンズ21側の面には、フランジ部33の外周縁に沿って、光軸を中心として円環状の凸部である嵌合部38が形成されている。第1レンズ21の嵌合部28と第2レンズ31の嵌合部38とを嵌め合わせることで、第1レンズ21と第2レンズ31とが光軸を一致させた状態で重ね合わされている。第1レンズ21と第2レンズ31とを重ね合わせた状態で、第1レンズ21の光学部22と第2レンズ31の光学部32との間には空隙が形成されている。
また、鏡筒11の筒部11aには、筒部11aの内径に等しい外径を有する円環状の部材で押さえ部材15が設けられている。
第1レンズ21及び第2レンズ32は、光軸を筒部11aの中心軸に一致させた状態で筒部11a内に配置され、鏡筒11の端部12と押さえ部材15によって挟まれ、鏡筒11に保持されている。鏡筒11内に第1レンズ21及び第2レンズ32を保持した状態で、第1レンズ21及び第2レンズ31の各フランジ部23,33の外周面と鏡筒11の筒部11aの内周面との間には隙間が形成される。
鏡筒10は、遮光性の材料で形成され、例えば黒色の液晶ポリマーなどの樹脂で形成される。
レンズユニット10は、鏡筒11の筒部11aの他方の開口端をセンサ40の基板41に接合し、センサ40と一体とされる。
鏡筒11の端部12の開口部13から、第1レンズ21の光学部22の一方の光学面が露呈し、この開口部13を通して、第1レンズ21及び第2レンズ31に光が入射する。鏡筒11の入射側の開口部13から第1レンズ21及び第2レンズ31に入射した光は、センサ40の固体撮像素子42の受光面に結像する。
このようにして構成された撮像ユニット1は、リフロー処理によって、電子機器の回路基板に実装される。具体的には、回路基板には、撮像ユニット1が実装される位置に予めペースト状の半田が印刷され、そこに撮像ユニット1が載せられる。そして、撮像ユニット1を含む回路基板に約200℃の高温で加熱処理が施され、半田を溶かして撮像ユニット1は回路基板に実装される。
レンズユニット10は、第1レンズ21のフランジ部23における非光学面に突状レール24が設けられている。また、第1レンズ21の非光学面に対向する鏡筒11の端部12の内側面に、溝14が設けられている。レンズユニット10は、第1レンズ21の突状レール24と鏡筒11側の溝14とが係合するように構成されている。
図2は、図1に示すレンズユニット10の第1レンズ21を示している。図2に示すように、第1レンズ21のフランジ部23の非光学面(図2の上面)には、光学部22の光軸を中心として、放射状に延びた形状である突状レール24が配されている。突状レール24は、第1レンズ21のフランジ部23に一体に形成されている。突状レール24は、フランジ部23の非光学面から突出する突部である。突状レール24は、3つの突部であって、各突部は、光学部22近傍からフランジ部23の周縁まで直線状に設けられている。この例では、突状レール24を構成する3つの突部は、第1レンズ21の平面視において、光軸を中心として周方向に均等に配されている。
図3は、図1のX−X線を矢印方向にみた断面を示している。図3に示すように、レンズユニット10は、鏡筒11の端部12に、第1レンズ21の突状レール24である複数の突部それぞれに係合する溝14が形成されている。この例では、突状レール24は、断面視で略四角形の突部である。また、溝14は、断面視において略四角形の凹部を有する溝である。即ち、鏡筒10の端部12には、第1レンズ21の係合部24の配置に対応して、筒部11aの中心軸に対して3つの溝14が放射状に形成されている。
上記構成のレンズユニット10及び該レンズユニット10を備えた撮像ユニット1は、突条レール24がガイド部として機能し、溝14が該突条レール24に係合する係合部として機能し、第1レンズ21が熱膨張した際に、ガイド部と係合部との係合する位置が変化する。つまり、リフロー処理の際に高温に晒されて、第1レンズ21が熱膨張した際に、第1レンズ21に一体に形成された突状レール24が該第1レンズ21と同様に光軸に対して放射状に拡がる。鏡筒11の端部12の溝14は筒部11aの中心軸に対して放射状に形成されている。そして、第1レンズ21は、熱膨張によってその寸法や位置が変わる場合、突状レール24が溝14に沿って変位する。このため、リフロー処理に起因して熱膨張した第1レンズ21,31に起因して、第1レンズ21及び第2レンズ31や鏡筒11に破損や変形が生じることを抑えることができる。また、リフロー処理後に、常温に戻した場合には、第1レンズ21が収縮しても、突条レール24が熱膨張時とは反対向きに位置が変化しても該突条レール24が溝14に案内される。このため、リフロー処理の後で、鏡筒11に対する第1レンズ21及び第2レンズ31の光軸の位置が変わることを防止できる。
第2レンズ31は、第1レンズ21に嵌合部28,38同士で嵌合しているとため、第1レンズ21に対して位置が変わることが抑えられる。このため、第1レンズ21が熱膨張で鏡筒11に対して位置が変わる場合には、第2レンズ31も第1レンズ21とともに位置が変わる。
次に、第1レンズ21及び第2レンズ31を形成する樹脂の材料について説明する。
リフロー処理では、撮像ユニット1全体が高温に晒されるため、第1レンズ21,第2レンズ31を形成する樹脂は、硬化後には高温に晒されても熱変形しない程度の耐熱性を有する。そのような樹脂としては、エネルギー硬化性の樹脂を用いることができ、例えばシリコーン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、等の熱により硬化する熱硬化性の樹脂、あるいはエポキシ樹脂、アクリル樹脂、等の紫外線の照射により硬化する光硬化性の樹脂を用いることができる。
第1レンズ21,第2レンズ31を形成する樹脂の耐熱性は、硬化物のガラス転移温度が200℃以上であることが好ましく、250℃以上であることがより好ましく、300℃以上であることが特に好ましい。樹脂にこのような高い耐熱性を付与するためには、分子レベルで運動性を束縛することが必要であり、有効な手段としては、(1)単位体積あたりの架橋密度を上げる手段、(2)剛直な環構造を有する樹脂を利用する手段(例えばシクロヘキサン、ノルボルナン、テトラシクロドデカン等の脂環構造、ベンゼン、ナフタレン等の芳香環構造、9,9’−ビフェニルフルオレン等のカルド構造、スピロビインダン等のスピロ構造を有する樹脂、具体的には例えば、特開平9−137043号公報、同10−67970号公報、特開2003−55316号公報、同2007−334018号公報、同2007−238883号公報等に記載の樹脂)、(3)無機微粒子など高Tgの物質を均一に分散させる手段(例えば特開平5−209027号公報、同10−298265号公報等に記載)等が挙げられる。これらの手段は複数併用してもよく、流動性、収縮率、屈折率特性など他の特性を損なわない範囲で調整することが好ましい。
また、第1レンズ21,第2レンズ31を形成する樹脂は、成形型の形状転写適性等、成形性の観点から硬化前には適度な流動性を有していることが好ましい。具体的には常温で液体であり、粘度が1000〜50000mPa・s程度のものが好ましい。
また、第1レンズ21,第2レンズ31を形成する樹脂は、形状転写精度の観点からは硬化反応による体積収縮率が小さい樹脂が好ましい。樹脂の硬化収縮率としては10%以下であることが好ましく、5%以下であることがより好ましく、3%以下であることが特に好ましい。硬化収縮率の低い樹脂としては、例えば(1)高分子量の硬化剤(プレポリマ−など)を含む樹脂(例えば特開2001−19740号公報、同2004−302293号公報、同2007−211247号公報等に記載、高分子量硬化剤の数平均分子量は200〜100,000の範囲であることが好ましく、より好ましくは500〜50,000の範囲であり、特に好ましくは1,000〜20,000の場合である。また該硬化剤の数平均分子量/硬化反応性基の数で計算される値が、50〜10,000の範囲にあることが好ましく、100〜5,000の範囲にあることがより好ましく、200〜3,000の範囲にあることが特に好ましい。)、(2)非反応性物質(有機/無機微粒子,非反応性樹脂等)を含む樹脂(例えば特開平6−298883号公報、同2001−247793号公報、同2006−225434号公報等に記載)、(3)低収縮架橋反応性基を含む樹脂(例えば、開環重合性基(例えばエポキシ基(例えば、特開2004−210932号公報等に記載)、オキセタニル基(例えば、特開平8−134405号公報等に記載)、エピスルフィド基(例えば、特開2002−105110号公報等に記載)、環状カーボネート基(例えば、特開平7−62065号公報等に記載)等)、エン/チオール硬化基(例えば、特開2003−20334号公報等に記載)、ヒドロシリル化硬化基(例えば、特開2005−15666号公報等に記載)等)、(4)剛直骨格樹脂(フルオレン、アダマンタン、イソホロン等)を含む樹脂(例えば、特開平9−137043号公報等に記載)、(5)重合性基の異なる2種類のモノマーを含み相互貫入網目構造(いわゆるIPN構造)が形成される樹脂(例えば、特開2006−131868号公報等に記載)、(6)膨張性物質を含む樹脂(例えば、特開2004−2719号公報、特開2008−238417号公報等に記載)等を挙げることができ、本発明において好適に利用することができる。また上記した複数の硬化収縮低減手段を併用すること(例えば、開環重合性基を含有するプレポリマーと微粒子を含む樹脂など)が物性最適化の観点からは好ましい。
また、第1レンズ21,第2レンズ31を形成する樹脂は、高−低2種類以上のアッベ数の異なる樹脂の混合物が望まれる。高アッベ数側の樹脂は、アッベ数(νd)が50以上であることが好ましく、より好ましくは55以上であり特に好ましくは60以上である。屈折率(nd)は1.52以上であることが好ましく、より好ましくは1.55以上であり、特に好ましくは1.57以上である。このような樹脂としては、脂肪族の樹脂が好ましく、特に脂環構造を有する樹脂(例えば、シクロヘキサン、ノルボルナン、アダマンタン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン等の環構造を有する樹脂、具体的には例えば、特開平10−152551号公報、特開2002−212500号公報、同2003−20334号公報、同2004−210932号公報、同2006−199790号公報、同2007−2144号公報、同2007−284650号公報、同2008−105999号公報等に記載の樹脂)が好ましい。低アッベ数側の樹脂は、アッベ数(νd)が30以下であることが好ましく、より好ましくは25以下であり特に好ましくは20以下である。屈折率(nd)は1.60以上であることが好ましく、より好ましくは1.63以上であり、特に好ましくは1.65以上である。このような樹脂としては芳香族構造を有する樹脂が好ましく、例えば9,9’−ジアリールフルオレン、ナフタレン、ベンゾチアゾール、ベンゾトリアゾール等の構造を含む樹脂(具体的には例えば、特開昭60−38411号公報、特開平10−67977号公報、特開2002−47335号公報、同2003−238884号公報、同2004−83855号公報、同2005−325331号公報、同2007−238883号公報、国際公開第2006/095610号パンフレット、特許第2537540号公報等に記載の樹脂等)が好ましい。
また、第1レンズ21,第2レンズ31を形成する樹脂には、屈折率を高めたり、アッベ数を調整したりするために、無機微粒子をマトリックス中に分散させることが好ましい。無機微粒子としては、例えば、酸化物微粒子、硫化物微粒子、セレン化物微粒子、テルル化物微粒子が挙げられる。より具体的には、例えば、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化ニオブ、酸化セリウム、酸化アルミニウム、酸化ランタン、酸化イットリウム、硫化亜鉛等の微粒子を挙げることができる。特に上記高アッベ数の樹脂に対しては、酸化ランタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム等の微粒子を分散させることが好ましく、低アッベ数の樹脂に対しては、酸化チタン、酸化スズ、酸化ジルコニウム等の微粒子を分散させることが好ましい。無機微粒子は、単独で用いても2種以上を併用してもよい。また、複数の成分による複合物であってもよい。また、無機微粒子には光触媒活性低減、吸水率低減などの種々の目的から、異種金属をドープしたり、表面層をシリカ、アルミナ等異種金属酸化物で被覆したり、シランカップリング剤、チタネートカップリング剤、有機酸(カルボン酸類、スルホン酸類、リン酸類、ホスホン酸類等)又は有機酸基を持つ分散剤などで表面修飾してもよい。無機微粒子の数平均粒子サイズは通常1nm〜1000nm程度とすればよいが、小さすぎると物質の特性が変化する場合があり、大きすぎるとレイリー散乱の影響が顕著となるため、1nm〜15nmが好ましく、2nm〜10nmが更に好ましく、3nm〜7nmが特に好ましい。また、無機微粒子の粒子サイズ分布は狭いほど望ましい。このような単分散粒子の定義の仕方はさまざまであるが、例えば、特開2006−160992号に記載されるような数値規定範囲が好ましい粒径分布範囲に当てはまる。ここで上述の数平均1次粒子サイズとは、例えばX線回折(XRD)装置あるいは透過型電子顕微鏡(TEM)などで測定することができる。無機微粒子の屈折率としては、22℃、589nmの波長において、1.90〜3.00であることが好ましく、1.90〜2.70であることが更に好ましく、2.00〜2.70であることが特に好ましい。無機微粒子の樹脂に対する含有量は、透明性と高屈折率化の観点から、5質量%以上であることが好ましく、10〜70質量%が更に好ましく、30〜60質量%が特に好ましい。
樹脂に微粒子を均一に分散させるためには、例えばマトリックスを形成する樹脂モノマーとの反応性を有する官能基を含む分散剤(例えば特開2007−238884号公報実施例等に記載)、疎水性セグメント及び親水性セグメントで構成されるブロック共重合体(例えば特開2007−211164号公報に記載)、あるいは高分子末端又は側鎖に無機微粒子と任意の化学結合を形成しうる官能基を有する樹脂(例えば特開2007−238929号公報、特開2007−238930号公報等に記載)等を適宜用いて微粒子を分散させることが望ましい。
また、第1レンズ21,第2レンズ31を形成する樹脂には、シリコーン系、フッ素系、長鎖アルキル基含有化合物等の公知の離型剤やヒンダードフェノール等の酸化防止剤等の添加剤が適宜配合されていてもよい。
また、第1レンズ21,第2レンズ31を形成する樹脂には、必要に応じて硬化触媒又は開始剤を配合することができる。具体的には、例えば特開2005−92099号公報(段落番号〔0063〕〜〔0070〕)等に記載の熱又は活性エネルギー線の作用により硬化反応(ラジカル重合あるいはイオン重合)を促進する化合物を挙げることができる。これらの硬化反応促進剤の添加量は、触媒や開始剤の種類、あるいは硬化反応性部位の違いなどによって異なり一概に規定することはできないが、一般的には硬化反応性樹脂の全固形分に対して0.1〜15質量%程度が好ましく、0.5〜5質量%程度がより好ましい。
第1レンズ21,第2レンズ31を形成する樹脂は、上記成分を適宜配合して製造することができる。この際、液状の低分子モノマー(反応性希釈剤)等に他の成分を溶解することができる場合には別途溶剤を添加する必要はないが、このケースに当てはまらない場合には溶剤を用いて各構成成分を溶解することにより硬化性樹脂を製造することができる。該硬化性樹脂に使用できる溶剤としては、組成物が沈殿することなく、均一に溶解又は分散されるものであれば特に制限はなく適宜選択することができ、具体的には、例えば、ケトン類(例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等)、エステル類(例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル等)、エーテル類(例えば、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等)アルコール類(例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、エチレングリコール等)、芳香族炭化水素類(例えば、トルエン、キシレン等)、水等を挙げることができる。硬化性樹脂が溶剤を含む場合には溶剤を乾燥させた後に成形を行うことが好ましい。
次に、上述した撮像ユニット及びレンズユニットの構成の変形例を説明する。
図4は、レンズユニットの変形例における、図3と同様に、図1のX−X線の矢印方向の断面を示している。
この例では、第1レンズ21のフランジ部23の非光学面に、光軸を中心として放射状に延びる形状の溝26が形成され、溝26がガイド部として機能する。また、鏡筒10の端部12の非光学面に対する対向面に、溝26に係合する突条レール16が形成されている。このレンズユニット10は、他の構成については図1の構成と同じである。このレンズユニット10及び該レンズユニット10を備えた撮像ユニット1によっても、リフロー処理に起因する第1レンズ21及び第2レンズ31や鏡筒11の破損や変形を抑えることができ、リフロー処理の後で鏡筒11に対する第1レンズ21及び第2レンズ31の光軸の位置が変わることを防止できる。
図5は、図3に示す構成の変形例を示している。
図5Aに示すように、第1レンズ21のフランジ部23の非光学面には、断面視において略三角形状の突条レール24が形成されている。また、鏡筒10の端部12の非光学面の対向面には、断面視において略V字状の溝14が形成され、突条レール24が溝14と係合している。
図5Bに示すように、第1レンズ21のフランジ部23の非光学面には、断面視において略半円状の突条レール24が形成されている。また、鏡筒10の端部12の非光学面の対向面には、断面視において略半円状の溝14が形成され、突条レール24が溝14と係合している。
図5Cに示すように、第1レンズ21のフランジ部23の非光学面には、断面視において略四角形状の突条レール24が形成されている。一方、鏡筒10の端部12の非光学面の対向面には、該対向面から突出する突出部15が形成され、断面視において該突出部15の中央に略四角形状の溝14が形成されている。突条レール24が、溝14に係合している。
図5Aから図5Cの構成においても、リフロー処理時に、第1レンズ21が熱膨張しても、突条レール24がガイド部として機能し、溝14と突条レール24との係合する位置が変化することで、第1レンズ21や鏡筒11の破損や変形を抑えることができる。また、レンズユニットは、リフロー処理の後で鏡筒11に収容される第1レンズ21の光軸の位置が変わることを防止できる。
なお、図5Aから図5Cの構成では、第1レンズ21のフランジ部23の非光学面に溝が形成され、鏡筒11の端部12における該非光学面との対向面に、該溝と係合する突条レールが形成されていてもよい。
図6Aは、第1レンズ21を光軸方向にみた平面図を示している。図6Bは、図6Aの矢印Yで示す部位を示している。この例では、レンズユニット10の第1レンズ21のフランジ部23の非光学面に放射状に延びる突条レール24が形成されている。また、図1に参照される鏡筒11の端部12の、非光学面に対向する面には、突条レール24に係合する円柱形状の突部18が複数形成されている。複数の突部18のうち2つが一対となり、対となる突部18同士の間で突条レール24が挟まれている。リフロー処理時、第1レンズ21が熱膨張すると、突条レール24はその放射方向に延びるとともに、対となる突部18の周面に摺接する。また、常温に戻したときに、第1レンズ21が収縮すると、突条レール24はその放射方向に縮むとともに、対となる突部18の周面に摺接する。この例では2つの突部18が突条レール24に係合する構成としたが、3つ以上の突部18が突条レール24に契合する構成としてもよい。
この構成によれば、リフロー処理時に、第1レンズ21が熱膨張しても、突条レール24がガイド部として機能し、突条レール24と対となる突部18との係合する位置が変化し、第1レンズ21や鏡筒11の破損や変形を抑えることができる。また、レンズユニット10は、リフロー処理の後で鏡筒11に収容される第1レンズ21の光軸の位置が変わることを防止できる。
図7Aは、第1レンズ21を光軸方向にみた平面図を示している。図7Bは、図7Aの矢印Zで示す部位を示している。この例では、レンズユニット10の第1レンズ21のフランジ部23の非光学面に放射状に延びる溝26が形成されている。また、図1に参照される鏡筒11の端部12の、非光学面に対向する面には、溝26に係合する円柱形状の突部19が複数形成されている。各突部19は鏡筒11の端部12に一体に形成され、その先端部が溝26に嵌め込まれている。リフロー処理時、第1レンズ21が熱膨張すると、溝26はその放射方向に延びるとともに、突部19に摺接する。また、常温に戻したときに、第1レンズ21が収縮するに伴って溝26もその放射方向に縮み際に、溝26の内側面と突部19の先端部とが摺接する。
この構成によれば、リフロー処理時に、第1レンズ21が熱膨張しても、溝26がガイド部として機能し、溝26と突部19との係合する位置が変化し、第1レンズ21や鏡筒11の破損や変形を抑えることができる。また、レンズユニット10は、リフロー処理の後で鏡筒11に収容される第1レンズ21の光軸の位置が変わることを防止できる。
なお、レンズユニット1は、第1レンズ21の非光学面と対向する鏡筒側の面に複数のガイド部を設け、第1レンズ21の非光学面にガイド部と係合する係合部を設けた構成としてもよい。
本明細書は、次の事項を開示する。
(1)鏡筒と、前記鏡筒の内部に収容された少なくとも1つのレンズを備えたレンズユニットであって、
前記鏡筒は筒状の筒部を有し、
前記レンズは、前記筒部の中心軸と光軸が一致する光学部と、前記光学部の周囲に前記光軸に対して垂直な非光学面とを含み、
前記非光学面と、該非光学面と対向する前記鏡筒における面とのうち、一方の面に複数のガイド部が一体に設けられ、他方の面に前記複数のガイド部に係合する複数の係合部が一体に設けられ、前記複数のガイド部それぞれが前記光軸を中心として放射状に延びた形状を有し、前記レンズが熱膨張した際に、前記複数のガイド部と前記複数の係合部との係合する位置が変化するレンズユニット。
(2)(1)に記載のレンズユニットであって、
前記複数のガイド部がそれぞれ突条レールであって、前記複数の係合部それぞれが前記突条レールに係合する溝であるレンズユニット。
(3)(1)に記載のレンズユニットであって、
前記複数のガイド部がそれぞれ直線状の溝であって、前記複数の係合部それぞれが前記溝に係合する突部であるレンズユニット。
(4)(1)に記載のレンズユニットであって、
前記複数のガイド部が突条レールであって、前記複数の係合部それぞれが突部であって、少なくとも2つの前記突部の間に前記突条レールが配される前記レンズユニット。
(5)(1)から(4)のいずれか1項に記載のレンズユニットであって、
前記複数のガイド部が3つであるレンズユニット。
(6)(1)から(5)のいずれか1項に記載のレンズユニットであって、
前記複数のガイド部が、前記光軸を中心とする周方向に均等に形成されているレンズユニット。
(7)(1)から(6)のいずれか1項に記載のレンズユニットであって、
前記レンズが前記光軸方向に複数重ね合わされ、前記非光学面には嵌合部が形成され、重ね合わされる前記レンズ同士は前記嵌合部によって前記光軸が一致するレンズユニット。
(8)(1)から(7)のいずれか1項に記載のレンズユニットを備えた撮像ユニット。
10 レンズユニット
11 鏡筒
14,26 溝
16 突条レール
18,19 突部
21 第1レンズ
24 突条レール
31 第2レンズ

Claims (8)

  1. 鏡筒と、前記鏡筒の内部に収容された少なくとも1つのレンズを備えたレンズユニットであって、
    前記鏡筒は筒状の筒部を有し、
    前記レンズは、前記筒部の中心軸と光軸が一致する光学部と、前記光学部の周囲に前記光軸に対して垂直な非光学面とを含み、
    前記非光学面と、該非光学面と対向する前記鏡筒における面とのうち、一方の面に複数のガイド部が一体に設けられ、他方の面に前記複数のガイド部に係合する複数の係合部が一体に設けられ、前記複数のガイド部それぞれが前記光軸を中心として放射状に延びた形状を有し、前記レンズが熱膨張した際に、前記複数のガイド部と前記複数の係合部との係合する位置が変化するレンズユニット。
  2. 請求項1に記載のレンズユニットであって、
    前記複数のガイド部がそれぞれ突条レールであって、前記複数の係合部それぞれが前記突条レールに係合する溝であるレンズユニット。
  3. 請求項1に記載のレンズユニットであって、
    前記複数のガイド部がそれぞれ直線状の溝であって、前記複数の係合部それぞれが前記溝に係合する突部であるレンズユニット。
  4. 請求項1に記載のレンズユニットであって、
    前記複数のガイド部が突条レールであって、前記複数の係合部それぞれが突部であって、少なくとも2つの前記突部の間に前記突条レールが配される前記レンズユニット。
  5. 請求項1から4のいずれか1項に記載のレンズユニットであって、
    前記複数のガイド部が3つであるレンズユニット。
  6. 請求項1から5のいずれか1項に記載のレンズユニットであって、
    前記複数のガイド部が、前記光軸を中心とする周方向に均等に形成されているレンズユニット。
  7. 請求項1から6のいずれか1項に記載のレンズユニットであって、
    前記レンズが前記光軸方向に複数重ね合わされ、前記非光学面には嵌合部が形成され、重ね合わされる前記レンズ同士は前記嵌合部によって前記光軸が一致するレンズユニット。
  8. 請求項1から7のいずれか1項に記載のレンズユニットを備えた撮像ユニット。
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