JP2012071002A - 睡眠時無呼吸症候群治療具 - Google Patents

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Abstract

【課題】咬み合わせに悪影響を与えることなく、また、装着時の違和感がなく、簡単に着脱することが可能な睡眠時無呼吸症候群治療具を提供する。
【解決手段】睡眠時無呼吸症候群を治療すべく頭部Hに装着される睡眠時無呼吸症候群治療具1において、中間部11が頭部Hの中央を左右に横断し、左端部12が左耳YLの下方に位置し、右端部13が右耳YRの下方に位置する、弾性を有するヘッドバンド10と、ヘッドバンド10の左端部12の内面側、及び右端部13の内面側に取り付けられてヘッドバンド10の弾性に基づいて左耳YLの下方及び右耳YRの下方を押圧することで下顎骨JDの後端を前方に付勢するパッド20と、を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、睡眠時に発生する無呼吸症候群を治療するために頭部に装着する睡眠時無呼吸症候群治療具に関する。
睡眠時無呼吸症候群には、閉塞型睡眠時無呼吸症候群、中枢型睡眠時無呼吸症候群、これらが混合した混合型睡眠時無呼吸症候群があるが、そのほとんどが閉塞型睡眠時無呼吸症候群であるといわれている。そして、この閉塞型睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中の筋弛緩により舌根部や軟口蓋が下がって気道を閉塞することが主な原因であるといわれている。なお、いびきも略同様な原因である。
これら閉塞型睡眠時無呼吸症候群やいびきを治療するために、口腔内に装着する種々のマウスピースが提案され、また実践されている(例えば、特許文献1〜5参照)。これらは、口腔内に装着されて、主に上顎に対して下顎を前方に押し出すものである。
特開2006−95245号公報 特開2006−20986号公報 特開2005−312853号公報 特開2004−73473号公報 特許第4482302号
しかしながら、マウスピースは、上顎の歯列及び下顎の歯列の位置を規制するものであるため、長期的に使用すると、上顎や下顎と歯列との位置関係が変化して、上顎の歯列と下顎の歯列との咬み合わせが狂ったり、おかしくなったりするおそれがある。また、マウスピースは、口腔内に装着するものであるから、装着時に違和感があり、気軽に装着するというわけにはいかない。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、咬み合わせに悪影響を与えることなく、また、装着時の違和感がなく、簡単に着脱することが可能で、しかも顎関節症の治療にも役立つ、睡眠時無呼吸症候群治療具を提供することを目的とする。
請求項1に係る発明は、睡眠時無呼吸症候群を治療すべく頭部に装着される睡眠時無呼吸症候群治療具において、中間部が頭部の中央を左右に横断し、左端部が左耳の下方に位置し、右端部が右耳の下方に位置する、弾性を有するヘッドバンドと、前記ヘッドバンドの前記左端部の内面側、及び前記右端部の内面側に取り付けられて前記ヘッドバンドの弾性に基づいて前記左耳の下方及び前記右耳の下方を押圧することで下顎骨の後端を前方に付勢するパッドと、を備える、ことを特徴とする。
請求項2に係る発明は、請求項1に係る睡眠時無呼吸症候群治療具において、前記ヘッドバンドは、前記左端部及び前記右端部に長さ調整機構を有する、ことを特徴とする。
請求項3に係る発明は、請求項1又は2に係る睡眠時無呼吸症候群治療具において、一方の端部が前記ヘッドバンドの左半部に連結され、中間部が前頭部又は後頭部を経由し、他方の端部が前記ヘッドバンドの右半部に連結される補助バンドを有する、ことを特徴とする。
請求項4に係る発明は、請求項1ないし3のいずれか1項に係る睡眠時無呼吸症候群治療具において、前記ヘッドバンドは、前記中間部が前記頭部の頭頂部近傍に位置し、前記左端部が前記左耳の左側方を上方から下方に延びて前記左耳の下方に位置し、前記右端部が前記右耳の右側方を上方から下方に延びて前記右耳の下方に位置する、ことを特徴とする。
請求項5に係る発明は、請求項1ないし3のいずれか1項に係る睡眠時無呼吸症候群治療具において、前記ヘッドバンドは、前記中間部が前記頭部の頭頂部近傍に位置し、前記左端部が前記左耳の前方を上方から下方に延びて前記左耳の下方に位置し、前記右端部が前記右耳の前方を上方から下方に延びて前記右耳の下方に位置する、ことを特徴とする。
請求項6に係る発明は、請求項1ないし3のいずれか1項に係る睡眠時無呼吸症候群治療具において、前記ヘッドバンドは、前記中間部が前記頭部の前頭部に位置し、前記左端部が前記左耳の後方に掛かるようにして前記左耳の下方に位置し、前記右端部が前記右耳の後方に掛かるようにして前記右耳の下方に位置する、ことを特徴とする。
請求項1の発明によれば、睡眠時無呼吸症候群治療具は、頭部に装着してパッドによって耳の下を押圧することにより、下顎骨の後端を前方に付勢することができるので、舌根部や軟口蓋による気道の閉塞を防止することができる。また、睡眠時無呼吸症候群治療具は、口腔内に装着するものとは異なり、頭部に装着するので、簡単に違和感なく装着することができる。さらに、睡眠時に限らず昼間も装着することができ、しかも、装着したままでの飲食が可能である。しかも、顎関節症の治療にも役立つ。
請求項2の発明によれば、ヘッドバンドは、左端部及び右端部に長さ調整機構を有しているので、これを利用して長さを調整することにより、つまり、パッドの位置を調整することにより、マウスピースとは異なり、頭部のサイズの異なる複数の使用者が使用することができる。
請求項3の発明によれば、補助バンドにより、パッドの位置を確実に保持することができる。
請求項4の発明によれば、ヘッドバンドは、一般的なヘッドホンのように、簡素な形状とすることができる。また、ヘッドバンドが後頭部には無いので、例えば、上向けで睡眠する際の邪魔にならない。
請求項5の発明によれば、ヘッドバンドは、一般的なヘッドホンのように、簡素な形状とすることができ、また、左端部及び右端部が左耳及び右耳の前方に位置しているので、例えば、横向きで睡眠する際に邪魔になりにくい。さらに、ヘッドバンドが後頭部には無いので、例えば、上向けで睡眠する際の邪魔にならない。
請求項6の発明によれば、左端部及び右端部をそれぞれ左耳、右耳の後方に掛かるように構成することで、頭部に対するヘッドバンドのフィット感を高めて、パッドの位置を確実に保持することができる。また、ヘッドバンドが後頭部には無いので、例えば、上向けで睡眠する際の邪魔にならない。
(A)は、使用者の頭部Hに装着された状態の睡眠時無呼吸症候群治療具1の正面図であり、(B)は、同じく右側面図である。 (A)は、睡眠時無呼吸症候群治療具1が装着されない状態におけるパッド20の押圧位置P1と下顎骨JDとの位置関係を説明する図であり、(B)は、睡眠時無呼吸症候群治療具1が装着された状態におけるパッド20の押圧位置P1と下顎骨JDとの位置関係を説明する図である。 実施形態2の睡眠時無呼吸症候群治療具2を説明する斜視図である。 実施形態3の睡眠時無呼吸症候群治療具3を説明する斜視図である。
以下、本発明を適用した実施形態を、図面に基づいて詳述する。なお、各図面において、同じ符号を付した部材等は、同一又は類似の構成のものであり、これらについての重複説明は適宜省略するものとする。また、各図面においては、説明に不要な部材等は適宜、図示を省略している。
<実施形態1>
図1〜図2を参照して、本発明を適用した実施形態1に係る睡眠時無呼吸症候群治療具1について説明する。このうち、図1(A)は、使用者の頭部Hに装着された状態の睡眠時無呼吸症候群治療具1の正面図であり、図1(B)は、同じく右側面図である。図2(A)は、睡眠時無呼吸症候群治療具1が装着されない状態におけるパッド20の押圧位置P1と下顎骨JDとの位置関係を説明する図であり、図2(B)は、睡眠時無呼吸症候群治療具1が装着された状態におけるパッド20の押圧位置P1と下顎骨JDとの位置関係を説明する図である。
睡眠時無呼吸症候群治療具1は、図1(A),(B)に示すように、ヘッドバンド10と、左右のパッド20,20とを備えて構成されており、図示例ではさらに、補助バンド31,32を有している。
ヘッドバンド10は、例えば、薄板状の部材を、正面視形状(正面から見た形状)が、頭部の外形に倣った略馬蹄形となるように湾曲させて形成されている。
ヘッドバンド10は、使用者の頭部Hに装着された状態において、中間部11が頭頂部HT近傍に配置され、左端部12が左耳YLの左側方を上方から下方に延びて左耳YLの下方に位置し、右端部13が右耳YRの右側方を上方から下方に延びて右耳YRの下方に位置している。これら左端部12,右端部13は、それぞれ左耳YL,右耳YRに接触しないように構成すれば、頭部Hへの装着時に、違和感やうっとうしさを低減することができる。ヘッドバンド10は、例えば、合成樹脂板を上述のように馬蹄形に湾曲させて成形することにより、弾性(可撓性)を有するように構成されている。合成樹脂板の外には、例えば、金属板を使用することも可能であり、この場合には、金属板における頭部Hとの接触部分をウレタン等の緩衝材で被覆するとよい。
左端部12,右端部13は、中間部11とは別体に形成されていて、環状部(長さ調整機構)14により、長さ調整が可能となっている。左端部12,右端部13は、略短冊状に形成されていて、長手方向の位置が異なる2箇所に、それぞれ環状部14,14が設けてある。左端部12,右端部13は、これら環状部14,14に、中間部11の左端,右端が挿入されることにより、中間部11によって支持されている。これにより、左端部12,右端部13は、中間部11の左端,右端に対してスライド移動させることにより、長さ調整が可能となっている。
左右のパッド20,20は、ヘッドバンド10の左端部12,右端部13の先端部(下端部)の内面に、内側に向けて取り付けられている。図示例では、パッド20,20は、涙型に形成されていて、尖った部位を内側に向けた姿勢で、左端部12,右端部13の先端部の内面に固定されている。パッド20,20は、左耳YL,右耳YRの下方を、上述のヘッドバンド10の弾性(可撓性)により、効率よく押圧できる部材、例えば、低反発性のクッション材や、軟質のゴム等を好適に使用することができる。なお、パッド20の形状としては、上述の涙型の外に、円錐形状,角錐形状,半球状等があげられる。左右のパッド20,20は、上述のヘッドバンド10の左端部12,右端部13の長さを調整することで、左耳YLの下方,右耳YRの下方の、押圧するのに好適な所定の押圧位置P1(図2参照)に配置することが可能である。
上側の補助バンド31は、帯状の2本の面ファスナ33,34によって構成されている。面ファスナ33,34は、それぞれの基端部(後端部)がヘッドバンド10の中間部11に連結され、それぞれの先端部(前端部)を前頭部(額)HFで重ね合わせて係合させることで、ヘッドバンド10が好適な位置に配置されるようにするとともに、ヘッドバンド10の頭部Hに対する装着後の不要な動きを抑制している。
下側の補助バンド32は、帯状の2本の面ファスナ35,36によって構成されている。面ファスナ35,36は、それぞれの基端部(前端部)がヘッドバンド10の中間部11における上述の上側の補助バンド31よりも下方に連結され、それぞれの先端部(後端部)を後頭部HRで重ね合わせて係合させることで、ヘッドバンド10が好適な位置に配置されるようにするとともに、ヘッドバンド10の頭部Hに対する装着後の不要な動きを抑制している。
上述のように、補助バンド31,32は、面ファスナ33〜36によって構成されているので、係脱(着脱)が容易である。
上述構成の睡眠時無呼吸症候群治療具1は、以下のようにして、頭部Hに装着する。補助バンド31,32の面ファスナ33,34及び面ファスナ35,36を外した状態で、ヘッドバンド10を、左端部12及び右端部13近傍を左右の手でそれぞれ持って広げ、頭部Hを通し、ヘッドバンド10の中間部11を頭頂部HT近傍に掛け、左端部12が左耳YLの側方を通過して左のパッド20が左耳YLの下方に位置し、また、右端部13が右耳YRの側方を通過して右のパッド20が右耳YRの下方に位置するようにする。そして、中間部11に対して、左端部12,右端部13をスライド移動させて、パッド20,20の位置を調整して、押圧位置P1,P1に配置する。このパッド20,20の位置調整が終了したら、補助バンド31,32の面ファスナ33,34、面ファスナ35,36を係合させて、ヘッドバンド10を固定する。これにより、左右のパッド20,20が、左耳YL及び右耳YRの下方の押圧位置P1,P1を押圧する。このときの押圧力は、150〜400g程度が好適である。
このときの左のパッド20による押圧位置P1は、図2(A)中の楕円で示す部位であり、右のパッド20による押圧位置P1は不図示であるが、頭部Hの中心を基準として、この左の押圧位置P1と対象となる位置である。つまり、左右のパッド20,20によって、頭部Hの外側(表面側)から頭蓋骨HAと下顎骨JDの後端縁JD1との間の間隙Gにパッド20,20を押しこむようにして、間隙Gを広げて下顎骨JDの後端縁JD1を前方に付勢し、これにより、図2(B)に示すように、下顎骨JD全体を前方に移動させることができる。これに伴い、下顎骨JDに支持されている舌T(図3参照)も前方に移動することになり、舌根によって閉鎖されていた気道を開放して呼吸を可能にし、無呼吸症候群を治療するとともに、いびきを防止することができる。以上のように、パッド20,20は、頭部Hの外側から、間隙Gに押し込まれるようにして間隙Gを広げつつ下顎骨JDを前方に押し出すので、上述のようにパッド20,20の先端側(内側に位置する部位)を尖らせておくことが有効である。
また、睡眠時無呼吸症候群治療具1は、パッド20,20による、左耳YL,右耳YRの下方のストレッチ効果もあり、この付随効果として、下顎骨JDが左右均等に前方に移動するようになる。
さらに、睡眠時無呼吸症候群治療具1は、従来のマウスピースとは異なり、頭部Hの外側に装着するものであり、しかも、着脱が容易であるため、気軽に簡単に睡眠時無呼吸症候群の治療に供することができる。しかも、パッド20,20の位置を調整するための環状部(長さ調整機構)14を設けているので、環状部14を利用してパッド20,20の位置を調整することにより、頭部Hの大きさや形状の異なる複数の使用者が同一の睡眠時無呼吸症候群治療具1を使用することが可能である。
さらに加え、睡眠時無呼吸症候群治療具1は、顎関節症の治療にも役立つ。
なお、本実施形態においては、ヘッドバンド10を、その左端部12,右端部13が、左耳YL,右耳YRに接触しないように構成すれば、ヘッドバンド10の装着時の違和感やうっとうしさを低減することができる。
本実施形態においては、ヘッドバンド10は、例えば、使用者が後頭部HRに枕(不図示)を当てて仰向けの姿勢で睡眠をとった際に、後頭部HRと枕との間に挟まることが無いので、ヘッドバンド10が睡眠の妨げとなるようなことはない。
<実施形態2>
図3を参照して、本発明を適用した実施形態2に係る睡眠時無呼吸症候群治療具2について説明する。なお、同図では人体の一部を破断して人体内部を示している。
睡眠時無呼吸症候群治療具2は、図3に示すように、上述の実施形態1の睡眠時無呼吸症候群治療具1とは、頭部Hに対するヘッドバンド40の装着位置が異なる。すなわち、ヘッドバンド40は、その中間部41が頭頂部HT近傍に配置され、左端部42が左耳YLの前方を通って左耳YLの下方まで延び、また、右端部43が右耳YRの前方を通って右耳YRの下方まで延びるように構成されている。また、前側の補助バンド37と後側の補助バンド38とは、それぞれの基端部が、ヘッドバンド40における略同じ位置に連結されるとともに、前者の前側の補助バンド37は、中間部が前頭部HFに掛けられ、後者の後側の補助バンド38は、中間部が後頭部HRに掛けられている。
なお、睡眠時無呼吸症候群治療具2は、左端部42,右端部43の長さ調整をするための構成や、パッド20,20の構成については、上述の睡眠時無呼吸症候群治療具1と同様であるため、環状部(長さ調整機構)等の図示は省略している。
本実施形態の睡眠時無呼吸症候群治療具2は、上述の実施形態1に係る睡眠時無呼吸症候群治療具1の作用・効果に加え、さらに、ヘッドバンド40の左端部42,右端部43が、左耳YL,右耳YRの前方を通っているので、例えば、横向きで睡眠する際に、左端部42が左耳YLに、または、右端部43が右耳YRに当たって邪魔になることを防止できる。
<実施形態3>
図4を参照して、本発明を適用した実施形態3に係る睡眠時無呼吸症候群治療具3について説明する。なお、同図では人体の一部を破断して人体内部を示している。
睡眠時無呼吸症候群治療具3は、図4に示すように、上述の実施形態1の睡眠時無呼吸症候群治療具1とは、頭部Hに対するヘッドバンド50の装着位置が異なる。すなわち、ヘッドバンド50は、その中間部51が前頭部HF近傍に掛けられ、左端部52が左耳YLの後方に掛かるようにして湾曲して左耳YLの下方まで延び、また、右端部53が右耳YRの後方に掛かるようにして湾曲して右耳YRの下方まで延びるように構成されている。つまり、左端部52,右端部53は、一般的な眼鏡のフレームを掛けるようにして、左耳YL,右耳YRに掛けられている。また、前側の補助バンド39は、基端部が、ヘッドバンド50に連結されるとともに、中間部が、前頭部HFにおけるヘッドバンド50の中間部51よりも下方に掛けられている。また、後側の補助バンド61は、基端部が、ヘッドバンド50の中間部51の先端近傍に連結されるとともに、中間部が、後頭部HRと首Nとの境界近傍に掛けられている。
なお、睡眠時無呼吸症候群治療具3は、左端部52,右端部53の長さを調整をするための構成や、パッド20,20の構成については、上述の睡眠時無呼吸症候群治療具1と同様であるため、長さ調整機構等の図示は省略している。
本実施形態の睡眠時無呼吸症候群治療具3は、上述の実施形態1に係る睡眠時無呼吸症候群治療具1の作用・効果に加え、さらに、ヘッドバンド50の左端部52,右端部53が、左耳YL,右耳YRの後方に掛かるように構成されているので、頭部Hに対するヘッドバンド50のフィット感を高めて、パッド20,20の位置を確実に保持することができる。また、ヘッドバンド50が後頭部HRには無いので、例えば、上向けで睡眠する際の邪魔にならない。
なお、以上では、左耳YL,右耳YRに掛かる部位は、ヘッドバンド50のうちの、左端部52,右端部53であるものとして説明したが、これに代えて、ヘッドバンド50のうちの中間部51の一部であってもよい。
以上の実施形態では、補助バンド31,32,37,38,39,61が、面ファスナで構成されている場合を例に説明したが、これに代えて、ゴムバンドで構成することも可能であり、この場合には構成を簡略化することができる。ただし、ゴムバンドを使用する場合には、その長さ調整を行う場合には、別途、調整機構を設ける必要がある。
なお、上述の実施形態では、ヘッドバンド10,40,50の形状が、帯状部材を湾曲させたような形状のものである場合について説明したが、ヘッドバンド10,40,50の形状については、これに限定されるものではない。例えば、ヘッドバンドの左端部及び右端部に略下方に延びる棒状のステイを固定し、このステイの下端に、パッド20を固定するようにしてもよい。この場合、ステイも含めて、ヘッドバンドを構成していると考えることもできる。このように、ヘッドバンドの形状は、パッド20を上述の所定の位置に有効に配置することができる限り、任意の形状とすることが可能である。
ここで、上述の実施形態1〜3で例示した本発明に係る睡眠時無呼吸症候群治療具は、顎関節症の治療装置としても有効である。顎関節は、蝶番運動ではなく、側頭骨関節窩を下顎骨関節突起の下顎頭が滑走するメカニズムである。開口時には、関節窩を逸脱するまで頭が前方へ滑走しながら開口していくのが正常な開口運動である。また、咀嚼時においては、右側咀嚼では特に左下顎頭が、左側咀嚼では特に右下顎頭が前方へと大きく滑走することになる。
しかし、顎関節症の多くは、この下顎頭の前方へのスムーズな滑走が制限されることにより、開口障害や咀嚼障害が生じることになる。
そこで、本発明に係る睡眠時無呼吸症候群治療具では、下顎枝を前方へ押しやることが基本構造となっているので、顎関節の滑走障害の改善効果が期待できるため、無呼吸症候群の改善のみならず、顎関節症の治療装置としても有効である。
実際、発明者の経営する歯科医院に於いて、顎関節症患者に使用したところ、その有効性を確認することができた。
1 実施形態1の睡眠時無呼吸症候群治療具
2 実施形態2の睡眠時無呼吸症候群治療具
3 実施形態3の睡眠時無呼吸症候群治療具
10,40,50 ヘッドバンド
11,41,51 中間部
12,42,52 左端部
13,43,53 右端部
14 環状部(長さ調整機構)
20 パッド
31,32,37,38,39,61 補助バンド
H 頭部
HF 前頭部
HR 後頭部
YL 左耳
YR 右耳

Claims (6)

  1. 睡眠時無呼吸症候群を治療すべく頭部に装着される睡眠時無呼吸症候群治療具において、
    中間部が頭部の中央を左右に横断し、左端部が左耳の下方に位置し、右端部が右耳の下方に位置する、弾性を有するヘッドバンドと、
    前記ヘッドバンドの前記左端部の内面側、及び前記右端部の内面側に取り付けられて前記ヘッドバンドの弾性に基づいて前記左耳の下方及び前記右耳の下方を押圧することで下顎骨の後端を前方に付勢するパッドと、を備える、
    ことを特徴とする睡眠時無呼吸症候群治療具。
  2. 前記ヘッドバンドは、前記左端部及び前記右端部に長さ調整機構を有する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の睡眠時無呼吸症候群治療具。
  3. 一方の端部が前記ヘッドバンドの左半部に連結され、中間部が前頭部又は後頭部を経由し、他方の端部が前記ヘッドバンドの右半部に連結される補助バンドを有する、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の睡眠時無呼吸症候群治療具。
  4. 前記ヘッドバンドは、前記中間部が前記頭部の頭頂部近傍に位置し、前記左端部が前記左耳の左側方を上方から下方に延びて前記左耳の下方に位置し、前記右端部が前記右耳の右側方を上方から下方に延びて前記右耳の下方に位置する、
    ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の睡眠時無呼吸症候群治療具。
  5. 前記ヘッドバンドは、前記中間部が前記頭部の頭頂部近傍に位置し、前記左端部が前記左耳の前方を上方から下方に延びて前記左耳の下方に位置し、前記右端部が前記右耳の前方を上方から下方に延びて前記右耳の下方に位置する、
    ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の睡眠時無呼吸症候群治療具。
  6. 前記ヘッドバンドは、前記中間部が前記頭部の前頭部に位置し、前記左端部が前記左耳の後方に掛かるようにして前記左耳の下方に位置し、前記右端部が前記右耳の後方に掛かるようにして前記右耳の下方に位置する、
    ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の睡眠時無呼吸症候群治療具。
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