以下、本発明の実施の形態および参考形態に係る基板処理装置について図面を参照しながら説明する。
以下の説明において、基板とは、半導体ウェハ、液晶表示装置用ガラス基板、PDP(プラズマディスプレイパネル)用ガラス基板、フォトマスク用ガラス基板、光ディスク用基板等をいう。
また、以下の説明では、回路パターン等の各種パターンが形成される基板の面を表面と称し、その反対側の面を裏面と称する。また、下方に向けられた基板の面を下面と称し、上方に向けられた基板の面を上面と称する。
(1)第1の参考形態
(1−1)基板処理装置の構成
図1〜図3は、第1の参考形態に係る基板処理装置の構成を示す模式図である。図1は基板処理装置の平面図であり、図2は図1の基板処理装置を矢印Bの方向から見た側面図である。また、図3は、図1のA1−A1線断面図である。
図1に示すように、基板処理装置100は、互いに並列に設けられたインデクサブロック10、第1の処理ブロック11および第2の処理ブロック12からなる。インデクサブロック10には、複数のキャリア載置台40、インデクサロボットIRおよび制御部4が設けられている。各キャリア載置台40上には、複数枚の基板Wを多段に収納するキャリアCが載置される。
インデクサロボットIRは、矢印Uの方向に移動可能で鉛直軸の周りで回転可能かつ上下方向に昇降可能に構成されている。インデクサロボットIRには、基板Wを受け渡すためのハンドIRH1,IRH2が上下に設けられている。ハンドIRH1,IRH2は、基板Wの下面の周縁部および外周端部を保持する。制御部4は、CPU(中央演算処理装置)を含むコンピュータ等からなり、基板処理装置100内の各構成部を制御する。
図1および図2に示すように、第1の処理ブロック11には、複数の裏面洗浄ユニットSSR(図2では4つ)および第1のメインロボットMR1が設けられている。複数の裏面洗浄ユニットSSRは、第1の処理ブロック11の一方の側面側に上下に積層配置されている(図2参照)。第1のメインロボットMR1は、処理ブロック11の略中央部に設けられており、鉛直軸の周りで回転可能でかつ上下方向に昇降可能に構成されている。
第1のメインロボットMR1には、基板Wを受け渡すためのハンドMRH1,MRH2が上下に設けられている。ハンドMRH1,MRH2は基板Wの下面の周縁部および外周端部を保持する。
第2の処理ブロック12には、複数の表面洗浄ユニットSS(図2では4つ)、複数の端面洗浄ユニットSSB(図2では4つ)および第2のメインロボットMR2が設けられている。複数の表面洗浄ユニットSSは第2の処理ブロック12の一方の側面側に上下に積層配置され、複数の端面洗浄ユニットSSBは第2の処理ブロック12の他方の側面側に上下に積層配置されている(図2参照)。第2のメインロボットMR2は、第2の処理ブロック12の略中央部に設けられており、鉛直軸の周りで回転可能でかつ上下方向に昇降可能に構成されている。
図3に示すように、インデクサブロック10と第1の処理ブロック11との間には、基板Wを反転させるための反転ユニットRT1、およびインデクサロボットIRと第1のメインロボットMR1との間で基板Wの受け渡しを行うための基板載置部PASS1が上下に設けられている。第1の処理ブロック11と第2の処理ブロック12との間には、基板Wを反転させるための反転ユニットRT2、および第1のメインロボットMR1と第2のメインロボットMR2との間で基板の受け渡しを行うための基板載置部PASS2が上下に設けられている。反転ユニットRT1,RT2の詳細については後述する。
基板載置部PASS1,PASS2には、基板Wの有無を検出する光学式のセンサ(図示せず)が設けられている。それにより、基板載置部PASS1,PASS2において基板Wが載置されているか否かの判定を行うことが可能となる。また、基板載置部PASS1,PASS2には、基板Wの下面を支持する複数本の支持ピン51が設けられている。インデクサロボットIRと第1のメインロボットMR1との間および第1のメインロボットMR1と第2のメインロボットMR2との間で基板Wの受け渡しが行われる際には、基板Wが一時的に基板載置部PASS1,PASS2の支持ピン51上に載置される。
(1−2)基板処理装置の動作の概要
次に、基板処理装置100の動作の概要について図1〜図3を参照しながら説明する。なお、以下に説明する基板処理装置100の各構成要素の動作は、図1の制御部4により制御される。
最初に、インデクサブロック10においてインデクサロボットIRがキャリア載置台40上に載置されたキャリアCの1つから未処理の基板Wを取り出す。インデクサロボットIRは矢印Uの方向に移動しつつ鉛直軸の周りで回動し、その基板Wを基板載置部PASS1に載置する。基板載置部PASS1に載置された基板Wは、第1の処理ブロック11の第1のメインロボットMR1により受け取られ、続いて基板載置部PASS2に載置される。基板載置部PASS2に載置された基板Wは、第2の処理ブロック12の第2のメインロボットMR2により受け取られ、続いて端面洗浄ユニットSSBに搬入される。
端面洗浄ユニットSSBにおいては、基板Wの端面に洗浄処理が行われる。以下、基板Wの端面の洗浄処理を端面洗浄処理と呼ぶ。なお、端面洗浄ユニットSSBによる端面洗浄処理の詳細については後述する。
端面洗浄処理後の基板Wは、第2のメインロボットMR2により端面洗浄ユニットSSBから搬出され、続いて表面洗浄ユニットSSに搬入される。表面洗浄ユニットSSにおいては、基板Wの表面に洗浄処理が行われる。以下、基板Wの表面の洗浄処理を表面洗浄処理と呼ぶ。表面洗浄ユニットSSによる表面洗浄処理の詳細については後述する。
表面洗浄処理後の基板Wは、第2のメインロボットMR2により表面洗浄ユニットSSから搬出され、続いて反転ユニットRT2に搬入される。反転ユニットRT2では、表面が上方に向けられた基板Wが、裏面が上方を向くように反転される。反転後の基板Wは、第1の処理ブロック11の第1のメインロボットMR1により反転ユニットRT2から搬出され、続いて裏面洗浄ユニットSSRに搬入される。
裏面洗浄ユニットSSRにおいては、基板Wの裏面に洗浄処理が行われる。以下、基板Wの裏面の洗浄処理を裏面洗浄処理と呼ぶ。なお、裏面洗浄ユニットSSRによる裏面洗浄処理の詳細については後述する。裏面洗浄処理後の基板Wは、第1のメインロボットMR1により裏面洗浄ユニットSSRから搬出され、続いて反転ユニットRT1に搬入される。反転ユニットRT1では、裏面が上方に向けられた基板Wが、表面が上方を向くように反転される。
反転後の基板Wは、インデクサブロック10のインデクサロボットIRにより反転ユニットRT1から搬出され、キャリア載置台40上のキャリアC内に収納される。
(1−3)メインロボットの詳細
(1−3−1)第1のメインロボットおよび第2のメインロボットの構成
次いで、第1および第2のメインロボットMR1,MR2の詳細な構成について説明する。ここでは、第1のメインロボットMR1の詳細な構成について説明する。第2のメインロボットMR2の構成も以下に示す第1のメインロボットMR1の構成と同様である。図4(a)は第1のメインロボットMR1の側面図であり、図4(b)は第1のメインロボットMR1の平面図である。
図4(a)および図4(b)に示すように、第1のメインロボットMR1はベース部21を備え、ベース部21に対して昇降可能かつ回動可能に昇降回動部22が設けられている。昇降回動部22には、多関節型アームAM1を介してハンドMRH1が接続され、多関節型アームAM2を介してハンドMRH2が接続されている。
昇降回動部22は、ベース部21内に設けられた昇降駆動機構25により上下方向に昇降されるとともに、ベース部21内に設けられた回動駆動機構26により鉛直軸の周りで回動される。
多関節型アームAM1,AM2は、それぞれ図示しない駆動機構により独立に駆動され、ハンドMRH1,MRH2をそれぞれ一定姿勢に維持しつつ水平方向に進退させる。
ハンドMRH1,MRH2は、それぞれ昇降回動部22に対して一定の高さに設けられており、ハンドMRH1はハンドMRH2よりも上方に位置している。ハンドMRH1とハンドMRH2との高さの差M1(図4(a))は一定に維持される。
ハンドMRH1,MRH2は互いに同じ形状を有し、それぞれ略U字状に形成されている。ハンドMRH1はほぼ平行に延びる2本の爪部H11を有し、ハンドMRH2はほぼ平行に延びる2本の爪部H12を有する。
また、ハンドMRH1,MRH2上には、それぞれ複数の支持ピン23が取り付けられている。本参考形態では、ハンドMRH1,MRH2の上面に載置される基板Wの外周に沿ってほぼ均等にそれぞれ4個の支持ピン23が取り付けられている。この4個の支持ピン23により基板Wの下面の周縁部および外周端部が保持される。
(1−3−2)第1のメインロボットの動作例
次に、図1を参照しながら第1のメインロボットMR1の具体的な動作例を説明する。
第1のメインロボットMR1は、まず、ハンドMRH2により基板載置部PASS1から未処理の基板Wを受け取る。次に、第1のメインロボットMR1は、ハンドMRH1により反転ユニットRT2から裏面が上方に受けられた基板Wを搬出する。この基板Wは、端面洗浄処理および表面洗浄処理後の基板Wである。続いて、ハンドMRH2に保持する未処理の基板Wを基板載置部PASS2に載置する。
次に、第1のメインロボットMR1は、ハンドMRH2により裏面洗浄ユニットSSRのいずれかからから裏面洗浄処理後の基板Wを搬出し、その裏面洗浄ユニットSSRにハンドMRH1に保持する基板Wを搬入する。続いて、第1のメインロボットMR1は、ハンドMRH2に保持する裏面洗浄処理後の基板Wを反転ユニットRT1に搬入する。
第1のメインロボットMR1は、このような一連の動作を連続的に行う。なお、上記の動作例において、ハンドMRH1による動作とハンドMRH2による動作とは互いに逆であってもよい。
1枚の基板Wに関する第1のメインロボットMR1の搬送工程数は、基板載置部PASS1から基板載置部PASS2への搬送、反転ユニットRT2から裏面洗浄ユニットSSRへの搬送、および裏面洗浄ユニットSSRから反転ユニットRT1への搬送の3工程となる。
(1−3−3)第2のメインロボットの動作
次に、図1を参照しながら第2のメインロボットMR2の具体的な動作例を説明する。
第2のメインロボットMR2は、まず、ハンドMRH4により基板載置部PASS2から未処理の基板Wを受け取る。次に、第2のメインロボットMR2は、ハンドMRH3により端面洗浄ユニットSSBのいずれかから端面洗浄処理後の基板Wを搬出し、その端面洗浄ユニットSSBにハンドMRH4に保持する基板Wを搬入する。次に、第2のメインロボットMR2は、ハンドMRH4により表面洗浄ユニットSSのいずれかから表面洗浄処理後の基板Wを搬出し、その表面洗浄ユニットSSにハンドMRH3に保持する基板Wを搬入する。次いで、第2のメインロボットMR2は、ハンドMRH4に保持する基板Wを反転ユニットRT2に搬入する。
第2のメインロボットMR2は、このような一連の動作を連続的に行う。なお、上記の動作例において、ハンドMRH3による動作とハンドMRH4による動作とは互いに逆であってもよい。
1枚の基板Wに関する第2のメインロボットMR2の搬送工程数は、基板載置部PASS2から端面洗浄ユニットSSBへの搬送、端面洗浄ユニットSSBから表面洗浄ユニットSSへの搬送、および表面洗浄ユニットSSから反転ユニットRT2への搬送の3工程となる。このような第2のメインロボットMR2の動作は、上記のような第1のメインロボットMR1の動作と並行して行われる。
(1−4)反転ユニットの構成および動作
続いて、反転ユニットRT1,RT2の構成について説明する。なお、反転ユニットRT1,RT2は互いに同じ構成を有する。
図5は、図1の反転ユニットRT1,RT2の模式的構成図である。図5(a)は、反転ユニットRT1,RT2の側面図であり、図5(b)は、反転ユニットRT1,RT2の上面図である。また、図6は、反転ユニットRT1,RT2の主要部の外観を示す斜視図であり、図7は、反転ユニットRT1,RT2の一部の外観を示す斜視図である。
図5に示すように、反転ユニットRT1,RT2は、第1の支持部材41、第2の支持部材42、複数の基板支持ピン43a,43b、第1の可動部材44、第2の可動部材45、固定板46、リンク機構47および回転機構48を含む。
図6に示すように、第1の支持部材41は、放射状に延びた6本の棒状部材から構成される。6本の棒状部材の各先端部には、それぞれ基板支持ピン43aが設けられている。同様に、図7に示すように、第2の支持部材42も、放射状に延びた6本の棒状部材から構成される。その6本の棒状部材の各先端部には、それぞれ基板支持ピン43bが設けられている。
なお、本参考形態において、第1および第2の支持部材41,42が6本の棒状部材からなるが、これに限定されず、第1および第2の支持部材41,42が他の任意の数の棒状部材または他の任意の形状部材、たとえば、複数の基板支持ピン43a,43bに沿う外周を有する円板または多角形等の形状により構成されてもよい。
図6の第1の可動部材44はコ字状からなり、一端部および他端部は鉛直方向に延び、その中間部は矢印Uの方向に延びている。第1の支持部材41は、第1の可動部材44の一端に固定されている。第1の可動部材44の他端は、リンク機構47に接続されている。同様に、図7の第2の可動部材45はコ字状からなる。第2の支持部材42は、第2の可動部材45の一端に固定されている。第2の可動部材45の他端は、リンク機構47に接続されている。リンク機構47は回転機構48の回転軸に取り付けられている。このリンク機構47および回転機構48は、固定板46に取り付けられている。
図6のリンク機構47には、エアシリンダ等が内蔵されており、第1の可動部材44および第2の可動部材45を相対的に離間させた状態と近接させた状態とに選択的に移行させることができる。また、回転機構48には、モータ等が内蔵されており、リンク機構47を介して第1の可動部材44および第2の可動部材45を、水平方向の軸の周りで例えば180度回転させることができる。
ここで、反転ユニットRT1,RT2の動作について図面を参照しながら説明する。最初に、第1または第2のメインロボットMR1,MR2(図1)により基板Wが反転ユニットRT1,RT2に搬入される。基板Wは、第1の可動部材44および第2の可動部材45が垂直方向に離間した状態で第1または第2のメインロボットMR1,MR2により第2の支持部材42の複数の基板支持ピン43b上に移載される。
次に、図5(a)に示すように、リンク機構47の働きにより第1の可動部材44および第2の可動部材45が垂直方向に近接した状態に移行される。これにより、基板Wの両面が複数の基板支持ピン43a,43bによりそれぞれ支持される。
続いて、第1の可動部材44および第2の可動部材45が回転機構48の働きにより矢印Uの方向に平行な軸の周りに180度回転する。これにより、基板Wは、第1の可動部材44および第2の可動部材45とともに、第1の支持部材41および第2の支持部材42に設けられた複数の基板支持ピン43a,43bに保持されつつ180度回転する。それにより、基板Wが反転される。
次いで、リンク機構47の働きにより第1の可動部材44および第2の可動部材45が垂直方向に離間した状態に移行される。この状態で、インデクサロボットIRまたは第1のメインロボットMR1により反転ユニットRT1,RT2から基板Wが搬出される。
(1−5) 端面洗浄ユニットの詳細
図8は端面洗浄ユニットSSBの構成を説明するための図である。図8に示すように、端面洗浄ユニットSSBは、基板Wを水平に保持するとともに基板Wの中心を通る鉛直な回転軸の周りで基板Wを回転させるためのスピンチャック201を備える。
スピンチャック201は、チャック回転駆動機構204によって回転される回転軸203の上端に固定されている。また、スピンチャック201には吸気路(図示せず)が形成されており、スピンチャック201上に基板Wを載置した状態で吸気路内を排気することにより、基板Wの裏面をスピンチャック201に真空吸着し、基板Wを水平姿勢で保持することができる。
スピンチャック201の側方でかつ端面洗浄ユニットSSB内の上部には、端面洗浄装置移動機構230が設けられている。端面洗浄装置移動機構230には、下方に延びる棒状の支持部材220が取り付けられている。支持部材220は、端面洗浄装置移動機構230により水平方向(図8矢印M参照)に移動する。
支持部材220の下端部には、略円筒形状を有する端面洗浄装置210が水平方向に延びるように取り付けられている。これにより、端面洗浄装置210は、端面洗浄装置移動機構230により支持部材220とともに移動する。
端面洗浄装置210は、スピンチャック201に吸着保持された基板Wとほぼ同じ高さに位置する。これにより、端面洗浄装置210の一端が基板Wの端面Rと対向する。以下の説明においては、基板Wの端面Rと対向する端面洗浄装置210の一端を正面とする。
基板Wの端面洗浄処理開始時において、端面洗浄装置210は、端面洗浄装置移動機構230により基板Wの端面位置に移動する。また、基板Wの端面洗浄処理終了時において、端面洗浄装置210は、端面洗浄装置移動機構230により基板Wの端面Rから離れるように移動する。
端面洗浄装置210には、洗浄液供給管241および排気管244が接続されている。洗浄液供給管241を通して端面洗浄装置210の内部空間(後述の洗浄室211)に洗浄液が供給される。また、排気管244は、排気部245に接続されている。排気部245は、端面洗浄装置210の内部空間の雰囲気を吸引し、排気管244を通じて排気する。
端面洗浄装置210の詳細を説明する。図9は、図8の端面洗浄ユニットSSBの端面洗浄装置210の構造を説明するための図である。図9(a)に端面洗浄装置210の縦断面図が示され、図9(b)に端面洗浄装置210の正面図が示されている。
図9(a)に示すように、端面洗浄装置210の略円筒形状のハウジング210aの内部には、洗浄室211が形成されている。また、図9(a)および図9(b)に示すように、ハウジング210aの正面側には、洗浄室211と外部とを連通させる開口212が形成されている。開口212は、中央部から両側方にかけて上下幅が漸次拡大するように、円弧状の上面および下面を有する。基板Wの端面洗浄処理時には、開口212にスピンチャック201に吸着保持された基板Wの端面Rが挿入される。
洗浄室211内には、略円筒形状を有するブラシ213が鉛直方向に延びるように配置されている。ブラシ213の外周面には、V字状の溝部213aが周方向にわたって形成されている。ブラシ213は鉛直方向に延びる回転軸214に取り付けられている。回転軸214の上端および下端は、洗浄室211の上部および下部に形成された回転軸受に回転可能に取り付けられている。これにより、ブラシ213は、洗浄室211および回転軸214により回転可能に支持されている。
基板Wの端面洗浄処理時には、ブラシ213に形成された溝部213aが、回転する基板Wの端面Rに接触する。これにより、基板Wの端面Rがブラシ213により洗浄される。
端面洗浄装置210の上部には、上述の洗浄液供給管241および排気管244が接続されている。洗浄液供給管241は、ハウジング210a内に形成された洗浄液供給路241a,241bに接続されている。図9(a)に示すように、洗浄液供給路241aは、ハウジング210aの外部から洗浄室211の上部内面まで延びている。また、洗浄液供給路241bは、ハウジング210aの外部から洗浄室211の下部内面まで延びている。図9(a)には、洗浄液供給管241bの一部のみが示されている。
これにより、基板Wの端面洗浄処理時には、端面洗浄装置210に供給される洗浄液が、洗浄室211内でブラシ213と接触する基板Wの端面Rに向かって上下方向から噴射される。それにより、基板Wの端面Rが効率よく洗浄される。
排気管244は、ハウジング210aの上部に設けられた孔部を通じて洗浄室211内に挿入されている。これにより、上述のように、洗浄室211内の雰囲気が図8の排気部245により吸引され、排気管244を通じて排気される。このように、洗浄室211においては、その内部雰囲気が排気部245により排気されるので、揮発した洗浄液および洗浄液のミストが効率よく排気される。
(1−6)表面洗浄ユニットおよび裏面洗浄ユニットの詳細
次いで、図1の表面洗浄ユニットSSおよび裏面洗浄ユニットSSRの各構成について説明する。
図10は、表面洗浄ユニットSSの構成を示す模式図であり、図11は、裏面洗浄ユニットSSRの構成を示す模式図である。図10に示す表面洗浄ユニットSSおよび図11に示す裏面洗浄ユニットSSRでは、ブラシを用いた基板Wの洗浄処理(以下、スクラブ洗浄処理と呼ぶ)がそれぞれ行われる。
図10に示すように、表面洗浄ユニットSSは、基板Wを水平に保持するとともに基板Wの中心を通る鉛直軸の周りで基板Wを回転させるためのスピンチャック61を備える。スピンチャック61は、チャック回転駆動機構62によって回転される回転軸63の上端に固定されている。また、スピンチャック61は、上記端面洗浄ユニットSSBのスピンチャック201と同様に、基板Wの下面を真空吸着することにより基板Wを保持する。なお、吸着式のスピンチャック61の代わりに、基板Wの外周端部を保持するメカ式のスピンチャック(後述の図11参照)を表面洗浄ユニットSSに用いてもよい。
上記のように、表面洗浄ユニットSSには表面が上方に向けられた状態の基板Wが搬入される。スクラブ洗浄処理およびリンス処理を行う場合には、スピンチャック61により基板Wの裏面が吸着保持される。
スピンチャック61の外方には、モータ64が設けられている。モータ64には、回動軸65が接続されている。回動軸65には、アーム66が水平方向に延びるように連結され、アーム66の先端に略円筒形状のブラシ洗浄具70が設けられている。
また、スピンチャック61の上方には、スピンチャック61により保持された基板Wの表面に向けて洗浄液またはリンス液(純水)を供給するための液吐出ノズル71が設けられている。液吐出ノズル71には供給管72が接続されており、この供給管72を通して液吐出ノズル71に洗浄液およびリンス液が選択的に供給される。
スクラブ洗浄処理時には、モータ64が回動軸65を回転させる。これにより、アーム66が水平面内で回動し、ブラシ洗浄具70が回動軸65を中心として基板Wの外方位置と基板Wの中心の上方位置との間で移動する。モータ64には、図示しない昇降機構が設けられている。昇降機構は、回動軸65を上昇および下降させることにより、基板Wの外方位置、および基板Wの中心の上方位置でブラシ洗浄具70を下降および上昇させる。
スクラブ洗浄処理の開始時には、表面が上方に向けられた状態の基板Wがスピンチャック61により回転される。また、供給管72を通して液吐出ノズル71に洗浄液またはリンス液が供給される。これにより、回転する基板Wの表面に洗浄液またはリンス液が供給される。この状態で、ブラシ洗浄具70が回動軸65およびアーム66により揺動および昇降動作される。それにより、基板Wの表面に対してスクラブ洗浄処理が行われる。なお、表面洗浄ユニットSSにおいては吸着式のスピンチャック61を用いているため、基板Wの周縁部および外周端部も同時に洗浄することができる。
次に、図11を用いて、裏面洗浄ユニットSSRが図10の表面洗浄ユニットSSと異なる点を説明する。図9に示すように、裏面洗浄ユニットSSRは、基板Wの下面を真空吸着により保持する吸着式のスピンチャック61の代わりに、基板Wの外周端部を保持するメカ式のスピンチャック81を備える。スクラブ洗浄処理およびリンス処理を行う場合に、基板Wはスピンチャック61上の回転式保持ピン82によりその下面の周縁部および外周端部が保持された状態で水平姿勢を維持しつつ回転される。
裏面洗浄ユニットSSRには、裏面が上方に向けられた状態の基板Wが搬入される。そのため、基板Wは裏面が上方に向けられた状態でスピンチャック81により保持される。そして、基板Wの裏面に対して、上記同様のスクラブ洗浄処理が行われる。
ところで、上記の端面洗浄ユニットSSBおよび表面洗浄ユニットSSBにおいては、吸着式のスピンチャック201,61により基板Wの裏面が吸着される。この場合、基板Wの裏面に吸着痕が形成されることがある。裏面洗浄ユニットSSRにおいては、基板Wの裏面を洗浄することにより、端面洗浄処理時および表面洗浄処理時に形成された吸着痕を取り除くことができる。
(1−7)第1の参考形態における効果
本参考形態では、第1の処理ブロック11に第1のメインロボットMR1が設けられ、第2の処理ブロック12に第2のメインロボットMR2が設けられる。この場合、第1の処理ブロック11における基板Wの搬送と第2の処理ブロック12における基板Wの搬送とを並行して行うことができる。これにより、基板Wの搬送時間を短縮することができるので、基板処理装置100におけるスループットを向上させることができる。
また、本参考形態に係る基板処理装置100においては、基板Wに端面洗浄処理および表面洗浄処理が行われた後に、裏面洗浄ユニットSSRにより基板Wに裏面洗浄処理が行われる。この場合、端面洗浄ユニットSSBまたは表面洗浄ユニットSSにおいて、吸着式のスピンチャック201,61により基板Wの裏面に吸着痕が形成されても、その後の裏面洗浄処理により基板Wの裏面の吸着痕を取り除くことができる。それにより、基板Wを十分に清浄にすることができる。
また、本参考形態では、反転ユニットRT1がインデクサロボットIRと第1のメインロボットMR1との間の位置に設けられるとともに、反転ユニットRT2が第1のメインロボットMR1と第2のメインロボットMR2との間の位置に設けられる。この場合、基板Wを反転させつつ第2のメインロボットMR2から第1のメインロボットMR1に基板Wを渡すことができる。同様に、基板Wを反転させつつ第1のメインロボットMR1からインデクサロボットIRに基板Wを渡すことができる。それにより、第1および第2のメインロボットMR1,MR2の搬送工程を削減することができ、基板処理装置100におけるスループットをより向上させることができる。
また、本参考形態では、第1のメインロボットMR1による基板Wの搬送工程数と、第2のメインロボットMR2による基板Wの搬送工程数とが互いに等しい。この場合、第1および第2のメインロボットMR1,MR2のうちの一方を、他方の動作に合わせて待機させることがほとんどない。それにより、効率良く基板Wを搬送することができ、基板処理装置100におけるスループットをより向上させることができる。
また、本参考形態に係る基板処理装置100では、第1の処理ブロック11の一方の側面側に複数の裏面洗浄ユニットSSRが多段に配置され、第2の処理ブロック12の一方の側面側および他方の側面側に複数の表面洗浄ユニットSSおよび端面洗浄ユニットSSBがそれぞれ多段に配置される。それにより、複数の洗浄ユニットが平面的に配置された場合に比べて、基板処理装置100の大幅な小型化および省スペース化が可能となる。
また、本参考形態では、裏面洗浄処理前の基板Wと裏面洗浄処理後の基板Wとが互いに異なる反転ユニットRT1,RT2により反転される。この場合、裏面洗浄処理前の基板Wの裏面が汚染されていても、汚染物が裏面洗浄処理後の基板Wに転移しない。それにより、裏面洗浄処理後の基板Wの裏面を清浄な状態で維持することができる。
また、本参考形態では、複数の表面洗浄ユニットSSおよび複数の裏面洗浄ユニットSSRを多段に高さ方向に積載して設けることによって、基板処理装置100の構成(いわゆるプラットホームの構成)を小型化できるとともに、表面洗浄ユニットSS、裏面洗浄ユニットSSRおよび端面洗浄ユニットSSBを上記高さ方向へ配設することにより、必要数の表面洗浄ユニットSS、必要数の裏面洗浄ユニットSSRおよび必要数の端面洗浄ユニットSSBを容易に設けることが可能となる。
(2)実施の形態
以下、本発明の実施の形態に係る基板処理装置について、上記第1の参考形態と異なる点を説明する。
図12は、実施の形態に係る基板処理装置の模式的断面図である。図12に示すように、実施の形態に係る基板処理装置100aは、反転ユニットRT1,RT2の代わりに、以下に示す反転ユニットRT1a,RT2aを備える。また、基板載置部PASS1,PASS2がそれぞれ2つずつ設けられる。
(2−1)反転ユニット
図13(a)は反転ユニットRT1a,RT2aの側面図であり、図13(b)は反転ユニットRT1a,RT2aの斜視図である。なお、反転ユニットRT1a,RT2aは互いに同じ構成を有する。
図13(a)に示すように、反転ユニットRT1a,RT2aは、支持板31、固定板32、1対のリニアガイド33a,33b、1対の支持部材35a,35b、1対のシリンダ37a,37b、第1可動板36a、第2可動板36bおよびロータリアクチュエータ38を含む。
支持板31は上下方向に延びるように設けられており、支持板31の一面の中央部から水平方向に延びるように固定板32が取り付けられている。固定板32の一面側における支持板31の領域には、固定板32に垂直な方向に延びるリニアガイド33aが設けられている。また、固定板32の他面側における支持板31の領域には、固定板32に垂直な方向に延びるリニアガイド33bが設けられている。リニアガイド33a,33bは、固定板32に関して互いに対称に設けられている。
固定板32の一面側において、固定板32に平行な方向に延びるように支持部材35aが設けられている。支持部材35aは連結部材34aを介してリニアガイド33aに摺動可能に取り付けられている。支持部材35aにはシリンダ37aが接続されており、このシリンダ37aにより支持部材35aがリニアガイド33aに沿って昇降される。この場合、支持部材35aは一定姿勢を維持しつつ固定板32に垂直な方向に移動する。また、支持部材35aには、固定板32の一面に対向するように第1可動板36aが取り付けられている。
固定板32の他面側において、固定板32に平行な方向に延びるように支持部材35bが設けられている。支持部材35bは連結部材34bを介してリニアガイド33bに摺動可能に取り付けられている。支持部材35bにはシリンダ37bが接続されており、このシリンダ37bにより支持部材35bがリニアガイド33bに沿って昇降される。この場合、支持部材35bは一定姿勢を維持しつつ固定板32に垂直な方向に移動する。また、支持部材35bには、固定板32の他面に対向するように第2可動板36bが取り付けられている。
本実施の形態では、第1可動板36aおよび第2可動板36bが固定板32に対して最も離れた状態で、第1可動板36aと固定板32との間の距離M2および第2可動板36bと固定板32との間の距離M3は、図4に示した第1のメインロボットMR1のハンドMRH1とハンドMRH2との高さの差(第2のメインロボットMR2のハンドMRH3とハンドMRH4との高さの差)M1とほぼ等しく設定されている。
ロータリアクチュエータ38は、支持板31を、矢印U(図1)の方向に平行な水平軸HAの周りで回転させる。それにより、支持板31に連結されている第1可動板36a、第2可動板36bおよび固定板32が水平軸HAの周りで(θ方向に)回転する。
図13(b)に示すように、第1可動板36a、固定板32および第2可動板36bは、それぞれ平板状に形成されている。
また、図13(a)に示すように、第1可動板36aと対向する固定板32の一面には複数の支持ピン39aが設けられ、その他面には複数の支持ピン39bが設けられている。また、固定板32と対向する第1可動板36aの一面には複数の支持ピン39cが設けられ、固定板32と対向する第2可動板36bの一面には複数の支持ピン39dが設けられている。
本実施の形態においては、支持ピン39a,39b,39c,39dがそれぞれ6本設けられている。これらの支持ピン39a,39b,39c,39dは、反転ユニットRT1,RT2に搬入される基板Wの外周に沿うように配置されている。また、支持ピン39a,39b,39c,39dは互いに同じ長さを有する。そのため、第1可動板36aおよび第2可動板36bが固定板32から最も離れた状態での支持ピン39aの先端と支持ピン39dの先端との間の距離および支持ピン39bの先端と支持ピン39cの先端との間の距離は、図4に示した第1のメインロボットMR1のハンドMRH1とハンドMRH2との高さの差(第2のメインロボットMR2のハンドMRH3とハンドMRH4との高さの差)M1とほぼ等しい。
なお、第1可動板36aと固定板32との間の距離M2および第2可動板36bと固定板32との間の距離M3は適宜変更してもよい。ただし、第1可動板36aおよび第2可動板36bが固定板32から最も離れた状態での支持ピン39cの先端と支持ピン39dの先端との間の距離は、ハンドMRH1とハンドMRH2との高さの差(ハンドMRH3とハンドMRH4との高さの差)M1よりも大きくなるように設定される。
(2−2)基板処理装置の動作の概要
次に、図1および図12を参照しながら基板処理装置100aの動作の概要を説明する。
最初に、インデクサブロック10においてインデクサロボットIRがキャリア載置台40上に載置されたキャリアCの1つからハンドIRH1,IRH2により2枚の未処理の基板Wを取り出す。続いて、インデクサロボットIRがハンドIRH1,IRH2に保持した2枚の基板Wを2つの基板載置部PASS1に順に渡す。
次に、第1の処理ブロック11の第1のメインロボットMR1が、ハンドMRH1,MRH2により2つの基板載置部PASS1から2枚の基板を順に受け取り、その2枚の基板Wを2つの基板載置部PASS2に順に載置する。続いて、第2の処理ブロック12の第2のメインロボットMR2が、ハンドMRH3,MRH4により2つの基板載置部PASS2から2枚の基板Wを順に受け取り、その2枚の基板Wを2つの端面洗浄ユニットSSBに順に搬入する。
次に、第2のメインロボットMR2が、ハンドMRH3,MRH4により2つの端面洗浄ユニットSSBから端面洗浄処理後の2枚の基板Wを順に搬出し、その2枚の基板Wを2つの表面洗浄ユニットSSに順に搬入する。次に、第2のメインロボットMR2が、ハンドMRH3,MRH4により2つの表面洗浄ユニットSSから表面洗浄処理後の2枚の基板Wを順に搬出し、その2枚の基板Wを反転ユニットRT2aに同時に搬入する。
反転ユニットRT2aでは、表面が上方に向けられた2枚の未処理の基板Wが、裏面が上方を向くように反転される。反転ユニットRT2aの動作については後述する。
次に、第1の処理ブロック11の第1のメインロボットMR1が、ハンドMRH1,MRH2により反転ユニットRT2aから裏面が上方に向けられた2枚の基板Wを同時に搬出し、その2枚の基板Wを2つの裏面洗浄ユニットSSRに順に搬入する。次に、第1のメインロボットMR1が、2つの裏面洗浄ユニットSSRから裏面洗浄処理後の2枚の基板Wを順に搬出し、その2枚の基板Wを反転ユニットRT1aに同時に搬入する。
反転ユニットRT1aでは、裏面が上方に向けられた2枚の基板Wが、表面が上方を向くように反転される。反転ユニットRT1aの動作については後述する。次に、インデクサブロック10のインデクサロボットIRがハンドIRH1,IRH2により反転ユニットRT1aから反転後の2枚の基板Wを順に搬出し、その2枚の基板Wをキャリア載置台40上のキャリアC内に収納する。これにより、実施の形態に係る基板処理装置100aの一連の動作が完了する。
なお、インデクサロボットIRのハンドIRH1とハンドIRH2との高さの差をハンドMRH1とハンドMRH2との高さの差(ハンドMRH3とハンドMRH4との高さの差)M1とほぼ等しく設定することにより、インデクサロボットIRが反転ユニットRT1aから2枚の基板Wを同時に搬出することが可能となる。
また、2つの基板載置部PASS1の間隔および2つの基板載置部PASS2の間隔を、図4に示したハンドMRH1とハンドMRH2との高さの差(ハンドMRH3とハンドMRH4との高さの差)M1とほぼ等しく設定することにより、第1のメインロボットMR1が2つの基板載置部PASS1から2枚の基板Wを同時に受け取ることが可能となる。また、第1のメインロボットMR1が2つの基板載置部PASS2に2枚の基板Wを同時に載置することが可能となる。さらに、第2のメインロボットMR2が2つの基板載置部PASS2から2枚の基板Wを同時に受け取ることが可能となる。また、インデクサロボットIRのハンドIRH1とハンドIRH2との高さの差がハンドMRH1とハンドMRH2との高さの差(ハンドMRH3とハンドMRH4との高さの差)M1とほぼ等しく設定されている場合は、インデクサロボットIRが2つの基板載置部PASS1に2枚の基板Wを同時に載置することが可能となる。
(2−3)反転ユニットの動作
次に、反転ユニットRT1a,RT2aの動作について説明する。図14および図15は、反転ユニットRT1a,RT2aの動作について説明するための図である。なお、反転ユニットRT1,RT2の各工程の動作は同じであるので、図14および図15では、反転ユニットRT2aの動作を一例として説明する。
図14(a)に示すように、第1可動板36aと固定板32との間および第2可動板36bと固定板32との間に、基板Wを保持した第2のメインロボットMR2のハンドMRH3,MRH4が同時に前進する。なお、第2のメインロボットMR2のハンドMRH3,MRH4の進退方向は上記矢印U(図13)の方向と直交する。また、反転ユニットRT1a,RT2aの各支持ピン39a,39b,39c,39dは、基板Wの搬出入の際にハンドIRH1,IRH2、ハンドMRH1,MRH2およびハンドMRH3,4がそれぞれ接触しない位置に設けられる。
続いて、図14(b)に示すように、ハンドMRH3,MRH4が同時に下降するとともに後退する。それにより、支持ピン39a,39d上に基板Wが載置される。この場合、反転ユニットRT2aでは表面が上方に向けられた基板Wが支持ピン39a,39d上に載置される。
続いて、図14(c)に示すように、支持部材35aがシリンダ37a(図13(a))により下降されるとともに、支持部材35bがシリンダ37b(図13(a))により上昇される。それにより、一方の基板Wが第1可動板36aの支持ピン39cと固定板32の支持ピン39aとにより保持され、他方の基板Wが第2可動板36bの支持ピン39dと固定板32の支持ピン39bとにより保持される。
その状態で、図14(d)に示すように、第1可動板36a、固定板32および第2可動板36bがロータリアクチュエータ38により一体的にθ方向(水平軸HAの周り)に180度回転される。それにより、支持ピン39a,39cにより保持された基板Wおよび支持ピン39b,39dにより保持された基板Wが反転される。この場合、反転ユニットRT2aでは基板Wの裏面が上方に向けられる。
続いて、図15(e)に示すように、支持部材35aがシリンダ37aにより下降されるとともに、支持部材35bがシリンダ37bにより上昇される。それにより、第1可動板36aが下降するとともに第2可動板36bが上昇する。そのため、一方の基板Wは第1可動板36aの支持ピン39cに支持された状態となり、他方の基板Wは固定板32の支持ピン39bに支持された状態となる。
その状態で、図15(f)に示すように、第1のメインロボットMR1(図10)のハンドMRH1,MRH2が支持ピン39bに支持された基板Wの下方および支持ピン39cに支持された基板Wの下方に前進するとともに上昇する。それにより、支持ピン39bに支持された基板WがハンドMRH1により受け取られ、支持ピン39cに支持された基板WがハンドMRH2により受け取られる。なお、第1のメインロボットMR1のハンドMRH1,MRH2の進退方向は上記矢印U(図1)の方向と直交する。
その後、図15(g)に示すように、ハンドMRH1,MRH2が同時に後退することにより、2枚の基板Wが反転ユニットRT2aから搬出される。
(2−4)実施の形態における効果
本実施の形態では、第1および第2のメインロボットMR1,MR2が、反転ユニットRT1a,RT2aに対して2枚の基板Wの搬出入を同時に行う。さらに、反転ユニットRT1a,RT2aはその2枚の基板Wを同時に反転させる。これにより、複数の基板Wを効率よく反転させることができる。その結果、基板処理装置100aにおけるスループットを向上させることができる。
また、インデクサロボットIR、第1のメインロボットMR1および第2のメインロボットMR2が2枚の基板Wを並行して搬送することにより、基板処理装置100aにおけるスループットをより向上させることができる。
また、上記第1の参考形態と同様に、基板Wの端面洗浄処理および表面洗浄処理後に、基板Wの裏面洗浄処理を行うことにより、吸着式のスピンチャック201,61による吸着痕が基板Wの裏面に形成されても、裏面洗浄処理によりその吸着痕を取り除くことができる。それにより、基板Wを十分に清浄にすることができる。
(3)第2の参考形態
以下、本発明の第2の参考形態に係る基板処理装置について、上記第1の参考形態と異なる点を説明する。
(3−1)基板処理装置の構成
図16および図17は、第2の参考形態に係る基板処理装置の構成を示す模式図である。図16は基板処理装置の平面図であり、図17は図16のA2−A2線断面図である。
図16に示すように、第2の参考形態に係る基板処理装置100bにおいては、第1の処理ブロック11の一方の側面側に複数(例えば4つ)の表面洗浄ユニットSSが設けられている。また、第2の処理ブロック12の一方の側面側に複数(例えば4つ)の裏面洗浄ユニットSSRが設けられ、第2の処理ブロック12の他方の側面側に複数(例えば4つ)の端面洗浄ユニットSSBが設けられている。また、図17に示すように、インデクサブロック10と第1の処理ブロック11との間に基板載置部PASS1,PASS2が上下に設けられ、第1の処理ブロック11と第2の処理ブロック12との間に、反転ユニットRT1,RT2および基板載置部PASS3が上下に設けられている。
また、基板処理装置100bの表面洗浄ユニットSSにおいては、基板Wの外周端部を保持するメカ式のスピンチャック(図11参照)が用いられる。
(3−2)基板処理装置の動作の概要
次に、図16および図17を参照しながら基板処理装置100bの動作の概要を説明する。
最初に、インデクサブロック10においてインデクサロボットIRがキャリア載置台40上に載置されたキャリアCの1つから未処理の基板Wを取り出す。インデクサロボットIRは矢印Uの方向に移動しつつ鉛直軸の周りで回動し、その基板Wを基板載置部PASS1に載置する。
基板載置部PASS1に載置された基板Wは、第1の処理ブロック11の第1のメインロボットMR1により受け取られ、続いて基板載置部PASS2に載置される。基板載置部PASS2に載置された基板Wは、第2の処理ブロック12の第2のメインロボットMR2により受け取られ、続いて、端面洗浄ユニットSBに搬入される。そして、端面洗浄処理後の基板Wは、第2のメインロボットMR2により端面洗浄ユニットSSBから搬出され、続いて反転ユニットRT1に搬入される。
反転ユニットRT1では、表面が上方に向けられた基板Wが、裏面が上方を向くように反転される。反転後の基板Wは、第2のメインロボットMR2により反転ユニットRT1から搬出され、続いて裏面洗浄ユニットSSRに搬入される。そして、裏面洗浄処理後の基板Wは、第2のメインロボットMR2により裏面洗浄ユニットSSRから搬出され、続いて反転ユニットRT2に搬入される。
反転ユニットRT2では、裏面が上方に向けられた基板Wが、表面が上方を向くように反転される。反転後の基板Wは、第1の処理ブロック11の第1のメインロボットMR1により反転ユニットRT2から搬出され、続いて表面洗浄ユニットSSに搬入される。表面洗浄処理後の基板Wは、第1のメインロボットMR1により表面洗浄ユニットSSから搬出され、続いて基板載置部PASS2に載置される。基板載置部PASS2に載置された基板Wは、インデクサブロック10のインデクサロボットIRにより受け取られ、キャリアC内に収納される。
基板処理装置100bにおいて、1枚の基板Wに関する第1のメインロボットMR1の搬送工程数は、基板載置部PASS1から基板載置部PASS3への搬送、反転ユニットRT2から表面洗浄ユニットSSへの搬送、および表面洗浄ユニットSSから基板載置部PASS2への搬送の3工程となる。
また、1枚の基板Wに関する第2のメインロボットMR2の搬送工程数は、基板載置部PASS3から端面洗浄ユニットSSBへの搬送、端面洗浄ユニットSSBから反転ユニットRT1への搬送、反転ユニットRT1から裏面洗浄ユニットSSRへの搬送、および裏面洗浄ユニットSSRから反転ユニットRT2への搬送の4工程となる。
この場合、第2のメインロボットMR2による基板Wの搬送工程数は第1のメインロボットMR1による基板Wの搬送工程数よりも多くなる。そのため、基板処理装置100b全体としてのスループットは、第2のメインロボットMR2による基板Wの搬送速度に依存する。
(3−3)第2の参考形態における効果
本参考形態では、上記第1の参考形態と同様に、第1の処理ブロック11における基板Wの搬送と第2の処理ブロック12における基板Wの搬送とを並行して行うことにより、基板Wの搬送時間を短縮することができる。それにより、基板処理装置100bにおけるスループットを向上させることができる。
また、本参考形態では、基板Wの端面洗浄処理後に基板Wの裏面洗浄処理を行うことにより、端面洗浄処理時に基板Wの裏面に吸着痕が形成されても、その後の裏面洗浄処理により取り除かれる。また、表面洗浄ユニットSSにはメカ式のスピンチャックが用いられるので、裏面洗浄処理後に表面洗浄処理を行っても、基板Wの裏面に再度吸着痕が形成されることはない。
(3−4)第2の参考形態の変形例
第2の参考形態に係る基板処理装置100bにおいて、反転ユニットRT1,RT2の代わりに、上記実施の形態に示した反転ユニットRT1a,RT2aを用いてもよい。この場合、複数の基板Wを効率よく反転させることができるので、基板処理装置100bにおけるスループットの向上を図ることができる。
また、基板載置部PASS1,PASS2,PASS3をそれぞれ2つずつ設け、上記実施の形態と同様に2枚の基板Wを並行して搬送することにより、基板処理装置100bにおけるスループットをより向上させることができる。
(5)他の例
上記第1の参考形態では、未処理の基板Wが、基板載置部PASS1,PASS2を介してインデクサブロック10から第2の処理ブロック12に搬送されるが、これに限定されるものではなく、反転ユニットRT1,RT2を介してインデクサブロック10から第2の処理ブロック12に搬送されてもよい。
また、上記第2の参考形態では、基板Wの端面洗浄処理および裏面洗浄処理後に基板Wの表面洗浄処理が行われるが、これに限定されるものではなく、基板Wの表面洗浄処理後に基板Wの端面洗浄処理および基板Wの裏面洗浄処理を行ってもよい。
また、上記第2の参考形態では、反転ユニットRT1により裏面洗浄処理前の基板Wを反転し、反転ユニットRT2により裏面洗浄処理後の基板Wを反転するが、これに限定されるものではなく、裏面洗浄処理前の基板Wおよび裏面洗浄処理後の基板Wを共通の反転ユニットにより反転してもよい。
また、上記実施の形態および参考形態では、インデクサロボットIRおよびメインロボットMR1,MR2として、関節を動かすことにより直線的にハンドの進退動作を行う多関節型搬送ロボットを用いているが、これに限定されるものではなく、基板Wに対してハンドを直線的にスライドさせて進退動作を行う直動型搬送ロボットを用いてもよい。
また、表面洗浄ユニットSS、裏面洗浄ユニットSSRおよび端面洗浄ユニットSSBの配置は、その処理速度等に応じて適宜変更してもよい。例えば、端面洗浄ユニットSSBを第1に処理ブロック11に設けてもよいし、または、表面洗浄ユニットSSおよび裏面洗浄ユニットSSを共通の処理ブロックに設けてもよい。
また、インデクサロボットIRおよびメインロボットMR1,MR2の動作順序は、反転ユニットRT1,RT2、表面洗浄ユニットSSおよび裏面洗浄ユニットSSRの処理速度に応じて適宜変更してもよい。
さらに、反転ユニットRT1,RT2,RT1a,RT2a、表面洗浄ユニットSSおよび裏面洗浄ユニットSSRの各個数は、その処理速度に応じて適宜変更してよい。
(6)請求項の各構成要素と実施の形態の各要素との対応
以下、請求項の各構成要素と実施の形態の各要素との対応の例について説明するが、本発明は下記の例に限定されない。
上記実施の形態では、第1の処理ブロック11および第2の処理ブロック12が処理領域の例であり、インデクサブロック10が搬入搬出領域の例であり、インデクサブロック10と第1の処理ブロック11との間の領域が受け渡し領域の例である。
また、表面洗浄ユニットSSが表面洗浄処理部の例であり、裏面洗浄ユニットSSRが裏面洗浄処理部の例であり、第1のメインロボットMR1が第1の搬送手段の例であり、インデクサロボットIRが第2の搬送手段の例であり、キャリアCが収納容器の例であり、キャリア載置台40が容器載置部の例である。
また、反転ユニットRT1a,RT1bが反転装置の例であり、基板載置部PASS1が基板載置部の例である。
また、固定板32、第1可動板36a、支持ピン39a,39c、およびシリンダ37aが第1の保持機構の例であり、固定板32、第2可動板36b、支持ピン39b,39d、およびシリンダ37bが第2の保持機構の例であり、支持板31が支持部材の例であり、ロータリアクチュエータ38が回転装置の例である。また、ハンドMRH1が第1の保持部の例であり、ハンドMRH2が第2の保持部の例であり、ハンドIRH1が第3の保持部の例であり、ハンドIRH2が第4の保持部の例である。
なお、請求項の各構成要素として、請求項に記載されている構成または機能を有する他の種々の要素を用いることも可能である。