JP2012068624A - 液体レンズ及びこれを用いた機器 - Google Patents

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Abstract

【課題】 低コストで製造可能で、低電圧による駆動で、大きな屈折力変化が得られる(印加電圧に対する敏感度が高い)液体レンズを提供する。
【解決手段】 液体を収容するための容器と、該容器内に収容された電解液及び非電解液と、前記電解液に電圧を印加するための電圧印加手段と、を有し、前記電圧の印加により前記電解液と非電解液とがなす界面の形状を変化させる液体レンズであって、前記界面の端部が接する前記容器の内壁は、該内壁の位置に応じて前記非電解液に対する親和性に差異を有し、該親和性が前記電解液の位置する側よりも前記非電解液の位置する側で相対的に低い液体レンズ。
【選択図】 図1

Description

本発明は、液体を用いて屈折力を変化し得る液体レンズ及びこれを用いた機器に関する。
近年、屈折力を変化させることが可能なレンズの一形態として液体レンズの研究・開発が進められてきている。
液体レンズはいくつかに分類されるが、その一つに電解液と電極との間に電圧を印加することで、電解液と非電解液の2液体がなす界面と、2液体が接触する固体部と、の角度(以下、「接触角」ともいう。)を変化させるエレクトロウェッティング(Electro Wetting:以下、単に「EW」ともいう。)現象を用いるものがある。
このEW現象を用いる液体レンズは、動作が迅速なことに加え、界面の面精度が高いこと、レンズ自体の小型化と部品点数削減による低コスト化が図り得ることから最も有望視され、現在、盛んに研究されている。
EWタイプのレンズでは、互いに異なる屈折率を有する電導性を有する電解液と非電導性の非電解液とが用いられ、両者は混和せずに界面を形成する。
2液は密閉されているため、電解液と、絶縁層を挟んで配置された電極層と、の間に電圧が印加されると、両液体の体積は変化せず維持されたまま、界面端部の接触角が変化する。
接触角に変化が生ずることで界面の球面曲率半径が接触角に対応して変化し、2液の屈折率差により光学的な屈折力(パワー)の変化を生む。ここで、2液に密度差があると、重力の影響により界面の球面形状が歪み、良好な光学性能が得られないことから、両液体の密度をそろえるのが一般的である。
こうしたなか、導電性液体への電圧印加により、絶縁性液体の液的が導電性液体中で変形してレンズの焦点距離を可変とする際、液滴が変形する間に液的の中心が本来の中心軸よりずれてしまうという不都合を抑制する発明が特許文献1に開示されている。
特許文献1は、導電性液体と、導電性液体中に配され絶縁性液体で構成された液滴と、が接する誘電体チャンバの内壁の「ぬれ性」を領域毎に変化させることを開示し、具体的には導電性液体に対する「ぬれ性」を中心軸Oに向かって半径方向に減少するようにチャンバ内壁面を処理した液体レンズを開示する。
一方、特許文献2は、液体が接触する接触面の形状を工夫することにより電圧印加に対する曲率の変化が鈍感あるいは敏感となる液体レンズを開示する。
具体的には、特許文献2では、電気伝導性材料からなるベース表面に絶縁膜をコーティングして構成される液体(導電性液体と非導電性液体)との接触面を凸面とすることでレンズの曲率変化を鈍感に、接触面を凹面とすることで敏感に、できるとしている。
特表2001−519539号公報 特開2007−293349号公報
特許文献1は、チャンバ内壁面の導電性液体に対する「ぬれ性」を中心軸Oに向かって半径方向に減少するようにすることで、絶縁性液体で構成される液滴の、中心軸Oに対する心合わせを図るものであるが、印加電圧を低くしても所定の屈折力を得るという観点の工夫はなされていない。
特許文献2は、液体との接触面の形状を工夫(一般的なリング電極の断面形状を直線的なテーパー型とするのではなく、曲面的な凹面とする)ことで、印加電圧に対するレンズの曲率変化を敏感にすることを開示する。
しかし実際に接触面が凹面の液体レンズを得ようとすると、円筒状の光軸を含み、光軸に平行な断面について、接触面をなすリング電極および絶縁膜が凹面化されていることが必要となり、加工自体が難しいことに加え、曲面の加工精度も高精度が要求される。これより製造コストは高いものなり、量産可能な液体レンズとしては採用し難いというのが実情である。
本発明は、低コストで製造可能で、低電圧による駆動で、大きな屈折力変化が得られる(印加電圧に対する敏感度が高い)液体レンズを提供することを目的とする。
本発明により提供される液体レンズは、液体を収容するための容器と、該容器内に収容された電解液及び非電解液と、前記電解液に電圧を印加するための電圧印加手段と、を有し、前記電圧の印加により前記電解液と非電解液とがなす界面の形状を変化させる液体レンズであって、前記界面の端部が接する前記容器の内壁は、該内壁の位置に応じて前記非電解液に対する親和性に差異を有し、該親和性が前記電解液の位置する側よりも前記非電解液の位置する側で相対的に低いことを特徴とする。
本発明の液体レンズでは、電解液と非電解液とを収容し、これらの液がなす界面の端部が接する容器の内壁に、内壁の位置に応じて非電解液に対する親和性(親油性)に差異をもたせ、該親和性を電解液側よりも非電解液側で低くしている。つまり、内壁のぬれ性を非電解質側でより疎油性としている。この構成により、印加電圧の少ない変化で接触角θを変化させることが可能となり、低電圧駆動、小電圧変化によりレンズの敏感な屈折力変化が得られる。
本発明の液体レンズの一例(円筒型電極)を示す模式図 本発明の液体レンズの一例(円筒型テーパー電極(平面形状))を示す模式図 本発明に適用可能な円筒電極(曲面形状)の模式図 (A)は本発明の実施例1(円筒電極)の液体レンズの模式図、(B)はV−θグラフ (A)は本発明の実施例2(円筒電極)の液体レンズの模式図、(B)はV−θグラフ (A)は本発明の実施例3(円筒電極)の液体レンズの模式図、(B)はV−θグラフ (A)は本発明の実施例4(円筒電極)の液体レンズの模式図、(B)はV−θグラフ (A)は本発明の実施例5(円筒電極)の液体レンズの模式図、(B)はV−θグラフ (A)は本発明の実施例6(円筒電極)の液体レンズの模式図、(B)はV−θグラフ (A)は本発明の実施例7(円筒電極)の液体レンズの模式図、(B)はV−θグラフ (A)は本発明の実施例8(円筒電極)の液体レンズの模式図、(B)はV−θグラフ (A)は本発明の実施例9(円筒電極)の液体レンズの模式図、(B)はV−θグラフ (A)は本発明の実施例10(円筒電極)の液体レンズの模式図、(B)はV−θグラフ (A)は本発明の実施例11(円筒電極)の液体レンズの模式図、(B)はV−θグラフ (A)は本発明の実施例12(円筒テーパー電極)の液体レンズの模式図、(B)はV−θグラフ (A)は本発明の実施例13(円筒テーパー電極)の液体レンズの模式図、(B)はV−θグラフ (A)は本発明の実施例14(円筒テーパー電極)の液体レンズの模式図、(B)はV−θグラフ 本発明の実施例におけるθ0変化膜特性と印加電圧減少との関係を示すグラフ 本発明の液体レンズと固体レンズ等をユニット化した光学部材を示す模式図 本発明の液体レンズを用いたカメラを示す模式図 本発明の液体レンズを用いたデジタルカメラの要部を示す模式図 本発明の液体レンズを用いた携帯電話の要部を示す模式図 (A)は本発明の液体レンズを用いたネットワークカメラの模式図、(B)はネットワークカメラシステムのブロック図 (A)は従来の液体レンズ(円筒電極)の模式図、(B)はV−θグラフ (A)は従来の液体レンズ(円筒テーパー電極)の模式図、(B)はV−θグラフ
図1は、液体を収容する容器として円筒型の容器を用いた本発明の液体レンズの一例を示す模式図であり、円筒容器の中心軸(光軸)を含む平面で切断した断面図である。
図1においては、円筒形状の電極104の内側に絶縁膜(絶縁層)103を配置して液体を収容するための容器が構成され、容器内に互いに混和しない電解液101と非電解液102とが収容されている。105は電解液101と非電解液102とがなす界面を示し、界面の端部は容器の内壁に接している。絶縁膜103の内側には容器の内壁をなすと共に内壁の位置に応じて非電解液に対する親和性に差異を有する膜(以下、「変化膜」ともいう)106が設けられている。ここで、変化膜106は、非電解液102に対する親和性が電解液101の位置する側よりも非電解液側で相対的に低くなっている。電解液は一般的に、電離可能な水溶液が使用され、非電界液には油性液体が使用される点を考慮すると、非電解液に対する親和性が相対的に低いということは、親油性が小さいと言い換えることができる。
つまり、変化膜106の電解液側と非電解液側の親油性を比較すると電解液101側で親油性が相対的に大きく、非電解液102側で小さい(疎油性が大きい)ということになる。
107は電源であり、電極104と共に電解液101に電圧を印加するための電圧印加手段を構成している。108と109はそれぞれ前側保護板と後側保護板であり、光を透過させる透明部材で構成されている。
本発明の液体レンズにおいては、電解液と非電解液と界面の端部が、液体を収容する容器の内壁と接触して角度、接触角θと、電解液への印加電圧Vとの間にヤングの式と呼ばれる以下の式(1)が成り立つ。
COSθ=COSθ0−(ε/d/γwo/2)*V 式(1)
ここで、
θ0:電圧が印加されていないV=0での接触角(初期接触角)
ε:絶縁層の誘電率(図1における絶縁層103の誘電率)
d:絶縁層の厚さ
γwo:電解液(W)と非電解液(O)の2液の界面エネルギー
である。
ここで2液が絶縁層に直接接する場合、つまり界面の端部が絶縁層上を移動する場合、式(1)によると、2つの液体材料と絶縁層が定まると、θ0、ε、d、γwoは定数となり、Vとθを変数とする関数となる。界面端部の接触角θが定まると液体レンズを収容する容器に依存するレンズ口径より、界面の球面曲率半径が定まる。そして曲率半径と2液の屈折率より焦点距離が定まることとなる(屈折力は焦点距離の逆数)。
本発明は、式(1)のCOSθ0成分に着目してなされている。
θ0は初期接触角(印加電圧V=0)であり、このθ0は、界面の端部が接触する絶縁層の表面の特性で決まり、一般的には一定の値となる。しかし界面端部の接触箇所が移動する絶縁層表面の位置に応じてこのθ0を変化させればV−θ特性を変化せしめることが可能となり、印加電圧に対する接触角の応答の敏感度を制御することが可能となる。
θ0を変化させる、つまり、絶縁層表面のぬれ特性を場所により変化させることが有用となる。本発明では絶縁層表面(容器内壁)ぬれ特性に位置に応じて差異を設け、具体的には、非電解液に対する親和性を電解液の位置する側よりも非電解液の位置する側で相対的に低くすることでV−θ特性の敏感度を向上させる。
本発明では、絶縁層表面のぬれ特性を直接変化させるだけでなく、均一な特性の絶縁層上にぬれ特性が変化する薄い変化膜を配置した構成をも包含する。
本発明において非電解液に対する親和性を電解液の位置する側よりも非電解液の位置する側で相対的に低くするとは、界面の端部が接触する絶縁層表面(容器内壁)に位置に応じて相対的な親水性に差を持たせること、疎水性に差を持たせること、親油性に差を持たせること、あるいは疎油性に差を持たせることを包含する。
図1に示した液体レンズでは、電解液101と電極104との間に電圧が印加されると、容器の内壁を構成する変化膜106と、液体の界面105の端部と、の接触角θ(非電解液側)が大きくなるように変化し、界面105の端部はAからCに移動する。
この電圧印加により、実線の曲率半径(界面105の端部A)から、点線の曲率半径(界面105の端部C)に変化して、屈折力が変化する。
ここで、変化膜106のぬれ特性は、電解液101側(図1のAポイント)から非電解液102側(図1のCポイント)側に、非電解液2との親和性(親油性)が低くなるよう変化(疎油性増大)させている。
このように構成することで、図1における接触角θ70度(A)から110度(C)までの変化を、ぬれ性に変化のない均一膜に比べて低電圧駆動、小電圧変化で生じさせることが可能となる(具体的な説明は実施例及び比較例で後述する)。
尚、電解液のd線(波長587.6nm)に対する屈折率は1.4、非電解液のd線に対する屈折率は1.6としている。
以下の説明では異なる図であっても同一の部材には原則、同一の符号を付すことでなるべく重複した説明は行わないこととする。
図2に示した液体レンズは、図1の液体レンズが円筒電極タイプであるのに対し、テーパー付き円筒電極(断面がテーパー形状)を採用した例である。図2は、円筒容器の中心軸(光軸)を含む平面で切断した断面図を示し、液体の界面の端部が接する容器内壁(絶縁層)106が断面図において平面形状をなす例である。
図2の液体レンズは、テーパー付き円筒電極を採用した以外、図1の液体レンズと大差はない。唯、前側保護板108と後側保護板109とを不図示としている。本例の液体レンズにおいても、変化膜106のぬれ特性を、電解液101側(図Aポイント)から非電解液102側(Cポイント)に、相対的に非電解液102との親和性が低くなるよう変化(疎油性増大)させている。
本発明の液体レンズでは、電解液101、非電解液102、及び変化膜106の3種の材料特性によって、界面エネルギーが影響を受け、液体レンズとして使用する接触角の範囲が異なる場合がある。
例えば、接触角の使用範囲を40度から80度としたほうが好ましい場合には、図2に示したテーパー付き円筒電極タイプの液体レンズが好適である。
図1の円筒電極タイプの液体レンズと同様の曲率半径の変化(同様の焦点距離変化)を得るために、図2の液体レンズでは、固体部(絶縁膜(絶縁層)103、電極104、変化膜106含む)に不図示の光軸に対して30度傾けたテーパー角αを設けている。
このテーパー角30度は、接触角40度から80度の使用範囲を30度底上げして、実質上70度から110度の接触角変化が得られることとなり、図1の液体レンズと同様の動作が可能となる。
図3に示した液体レンズは、凹面形状付きの円筒電極を採用した例である。図3の液体レンズは、凹面形状付きの円筒電極を採用した以外、図1の液体レンズと同様の構成である。図3の液体レンズでは、図1に示した液体レンズと同様の曲率半径Rの変化でも、低電圧の駆動により接触角θ変化をさらに減らすことができる(接触角θ:80から100度)。
以下、本発明の構成要素等の詳細について説明する。
<液体を収容する容器>
互いに混和しない電解液及び非電解液を収容する容器は、種々の容器が採用可能であるが、正から負への屈折力変化または負から正への屈折力変化が可能な円筒状の容器が好適である。
具体的な容器の例としては、円筒状の金属材料(アルミニウム、銅、鉄やこれらを含有する合金等)の内面に絶縁膜と、変化膜とをコーティングしたものや、円筒状のガラスやプラスチック材料の内面に導電性の膜と、絶縁膜、変化膜とをコーティングしたものを挙げることができる。
<電解液及び非電解液>
電解液としては塩を含有する水等を用いることができ、塩としては塩素化合物、臭素化合物等を挙げることができる。
非電解液としては、シリコーンオイル等の油性溶媒、各種有機溶媒を採用し得る。電解液と非電解液の組合せは、屈折率が互いに異なると共に、非混和なものから適宜選択し得るが、レンズとしての性能を考慮すると密度が等しいか同等の液体を選択することが望ましい。
<非電解液に対する親和性に差異を有する容器の内壁表面>
非電解液に対する親和性に差異を有する容器の内壁の表面は、例えば、以下の形態から選択し得る。(i)容器内壁の表面に絶縁層をコーティングし、絶縁層表面に表面処理を施して位置に応じて親和性に差異を持たせたもの。(ii)容器内壁に絶縁層、更に薄膜をコーティングし、該薄膜に表面処理を施して親和性に差異を持たせたもの。(iii)容器自体を絶縁体で構成し、容器の内壁に表面処理を施し位置に応じて親和性に差異を持たせたもの(容器の外側には電極を構成する金属材料をコーティング)。
コーティングする薄膜の材料としては、親油性材料としてエポキシ系材料、シラン系カップリング材料、パリレン系材料等を挙げることができる。
これらの材料に対し、UV照射、電子線照射、コロナ放電、オゾン照射を施すと、材料表面にOHイオンが生じやすくなり、薄膜表面が親油性から親水性に変化する。
本発明でいう変化膜は、電解液から非電解液方向に、向かって相対的に疎油性(親水性)が高くしてある。従って、上記薄膜に電解液側から非電解液側に向かって、上記エネルギー線の照射量を多くすることで、疎油性(親水性)を高くすることができる。
尚、場所により親和性に差異を持たせることは、位置により初期接触角θ0に差異を持たせることを意味する。つまり、位置によるθ0変化は、位置に応じてエネルギー照射量を制御することで可変とすることができる。例えばθ0が急激に大きくなる所では、エネルギー照射量も急激に増やして疎油化の敏感度をあげることで対応できる。この他に、θ0変化膜として親水性材料を用いて、非電解液側から電解液側に向かって、疎油性(親水性)の特性を弱めてもよい。
円筒状の容器として金属材料を用いこの金属材料に電極としての機能を持たせ、金属材料の内面に絶縁膜と変化膜を配して容器の内壁を構成する場合には、以下の形態を取り得る。即ち、絶縁膜上に薄膜を成膜した上で、該薄膜の表面を遮蔽物で遮蔽し、エネルギー線の照射時間に応じて遮蔽物を移動させることで親和性に差異を有する変化膜の内壁を得ることができる。
円筒状の容器として非導電性のプラスチックやガラスを用いる場合には、電極材料(アルミニウム、ITO、銀等)をコーティングした後、絶縁膜、変化膜を設ける。
膜のコーティング方法としては、蒸着やスパッタ等を挙げることができる。
<その他の説明>
本発明を構成する容器の内壁は、液体レンズの光軸方向に親和性の差異を有するように構成することができる。こうすることにより、円筒テーパー電極型、円筒電極型でも、低電圧駆動小電圧変化での屈折力変化の敏感度を高めることが可能となる。このとき円筒の中心軸と光軸とを一致させることが好適である。この軸がずれていると、界面が完全な球面形状にならず、良好な光学性能が得られない。
本発明の液体レンズと、一般的なガラスレンズやプラスチックレンズ等とを組み合わせてズームレンズを構成し、液体レンズの屈折力可変をフォーカスまたはズームに用いることも可能である。このような構成では、本発明は低電圧駆動なので、高電圧にするための昇圧回路も必要なく、カメラの中での電源を直接用いることができる。
また、EW液体レンズは、印加電圧のコンデンサー効果で界面を動かすため、電流がほとんど流れないため低消費電力である。この他にフォーカスのためのメカ機構が全く必要ないため、高速で音が全くしない(無音)オートフォーカスが実現できる。もちろん液体レンズの屈折力可変をズーム変倍として使ってもよい。この場合にも同様にズームメカ機構が不要か簡略化できるため、フォーカスと同様、高速で無音のズームが実現できる。
本発明の液体レンズによる低電圧駆動、小電圧変化での屈折力変化の敏感度増大は、液体レンズの応答速度増大にも貢献する。
本発明の液体レンズは、直流電圧駆動も可能であるが、交流電圧駆動が好適である。交流は駆動電圧が低い程、電磁波ノイズが少なく好ましい。特にデジタルカメラに搭載されている撮像素子は電磁波ノイズの影響を受けやすいので、本発明による低電圧化は、ノイズ低減効果にもつながる。
以下、具体的な実施例と比較例を挙げて本発明を詳細に説明する。
(実施例1及び比較例1)
図4に実施例1(円筒電極タイプ)の液体レンズの構成図(A)、V−θ特性グラフ(B)を示した。表1には、V−θ特性表を示した。
θ0変化膜106の特性について説明する。
θ0変化膜106上での界面105の端部がもっとも電解液101側にあるところでの、ぬれ特性(V=0での初期接触角θ0=θ00)は70度である。
θ0変化膜106上での界面105の端部がもっとも非電解液102側にあるところでの、ぬれ特性(V=0での初期接触角θ0=θ0max)は87度まで大きく(疎油性が強くなる)している。なおθ0変化膜6のぬれ性変化は、(B)のθ0曲線のように70度から87度まで線形で変化させた。またθ0変化膜106の下の絶縁膜103の厚さはd=1E−3mm、絶縁膜103の誘電率はε=2.6E−11F/m、2液の界面エネルギーはγwo=8.78e−6kN/mである。
この特性のθ0変化膜106を使用して、印加電圧が0Vから17Vの変化で、実際の接触角θは70度(θ=θ00)から112.1度(θ=θmax)まで変化した(グラフ(B)のθ曲線参照)。ここで、グラフ(B)におけるθ0の曲線に着目すると、ぬれ性を制御した変化膜106を設けることで、界面105の端部がもっとも非電解液102側に位置するところの接触角を予め17度(87−70)底上げし、底上げした状態で電圧印加により接触角を更に変化させることで、印加電圧の低減が図られていることが理解される。
ここで比較のための比較例1を示す。
図24は、θ0が一様で均一の膜(θ0均一膜)を用いた従来の液体レンズの構成図(A)、V−θ特性グラフ(B)である。この比較例1のV−θ特性表は、表2に示した。
駆動電圧を0Vから22Vまでかけ、θが界面105の端部がもっとも電解液101側にあるところでのV=0での接触角θ=70度(θ0も70度)から、界面105の端部がもっとも非電解液102側に行ったθ=112度まで変化する。
図24のグラブ(B)には70度から112までのθ曲線を示し、θ0曲線はθ0が変化していないことを示している。絶縁膜103の厚さ、誘電率、2液の界面エネルギーは実施例1と同じ値である。
上記データより、θ0変化膜106を設けることによって、同じ接触角θ変化:70度から112度(同じ曲率半径R変化)でも小電圧変化(ΔV=22V⇒17V)で達成されていること理解される。なお、表1の下には、Δθ0/Δθ=0.404を示した。
ここで、
Δθ=θmax−θ00
Δθ0=θ0max−θ00
である。
界面105の可動範囲内で、接触角が一番大きな値をθmax(非電解液102側)、その場所での膜(θ0変化膜106)のぬれ特性を示す印加電圧なしでの初期接触角をθ0maxとしている。また電圧をかけていないV=0で、界面105が最も電解液101側にある状態での初期接触角θ(非電解液102側)をθ00としている(θ=θ00、初期接触角)。
(実施例2)
図5に実施例2(円筒電極タイプ)の液体レンズの構成図(A)、V−θ特性グラフ(B)、を示した。V−θ特性表は表3に示した。
θ0変化膜106の特性について説明する。
θ0変化膜106上での界面105の端部がもっとも電解液101側にあるところでの、ぬれ特性(V=0での初期接触角θ0=θ00)は70度である。
θ0変化膜106上での界面105の端部がもっとも非電解液102側にあるところでの、ぬれ特性(V=0での接触角θ0=θ0max)は107.5度まで大きく(疎油性が強くなる)している。なおθ0変化膜106のぬれ性変化は、(B)のθ0曲線のように70度から107.5度まで線形で変化させた。またθ0変化膜106の下の絶縁膜103の厚さ、絶縁膜3の誘電率、2液の界面エネルギーγwoは実施例1と共通である。
この特性のθ0変化膜106では、印加電圧が0Vから7.5Vの変化で、実際の接触角θは70度(θ=θ00)から112.6(θ=θmax)度まで変化した(グラフ(B)のθ曲線参照)。
従来のθ0が一様で均一の場合(θ0均一膜)の例は、図24の通りである。
実施例2においては、θ0変化膜106によって、同じ接触角θ変化:70度から112度(同じ曲率半径R変化)でも小電圧変化(ΔV=22V⇒7.5V)で達成されていることが理解される。なお表3の下には、Δθ0/Δθ=0.881を示した。
実施例1よりもθ0変化膜106でのΔθ0の変化(ぬれ性変化)が大きいため、電圧変化量も少なくなっており、従来のθ0均一膜を用いた場合の半分以下の7.5V電圧駆動を可能としている。
(実施例3)
図6に実施例3(円筒電極タイプ)の液体レンズの構成図(A)、V−θ特性グラフ(B)を示す。V−θ特性表は表4に示した。
θ0変化膜106の特性について説明する。
θ0変化膜106上での界面105の端部がもっとも電解液101側にあるところでの、ぬれ特性(V=0での初期接触角θ0=θ00)は70度である。θ0変化膜106上での界面105の端部がもっとも非電解液102側にあるところでの、ぬれ特性(V=0での初期接触角θ0=θ0max)は115度まで大きく(疎油性が強くなる)している。なおθ0変化膜106のぬれ性変化は、(B)のθ0曲線のように70度から115度まで線形で変化させた。またθ0変化膜106の下の絶縁膜103の厚さ、絶縁膜103の誘電率、2液の界面エネルギーγwoは実施例1と共通である。
この特性のθ0変化膜106では、印加電圧が0Vから1.5Vの変化で、実際の接触角θは70度(θ=θ00)から115.2度(θ=θmax)まで変化した(グラフ(B)のθ曲線参照)。
従来のθ0が一様で均一の場合(θ0均一膜)の例は、上述した図24の通りである。
実施例3においては、θ0変化膜106によって、同じ接触角θ変化:70度から112度(同じ曲率半径R変化)でも小電圧変化(ΔV=22V⇒1.5V以下)で達成されていることが理解される。なお表4の下には、Δθ0/Δθ=0.995を示した。
θ0変化膜106でのΔθ0の変化(ぬれ性変化)が、実施例1及び2よりも大きいため、各位置におけるθ0と印加時の実際の接触角θが近い値であり、ほとんど電圧変化を必要としない。従って、1.5V電圧駆動と非常に小さな電圧でパワー可変(θ:70度から115度)を達成できることが理解される。
(実施例4)
図7に実施例4(円筒電極タイプ)の液体レンズの構成図(A)、V−θ特性グラフ(B)を示す。V−θ特性表は表5に示した。
θ0変化膜106の特性について説明する。
θ0変化膜106上での界面105の端部がもっとも電解液101側にあるところでの、ぬれ特性(V=0での初期接触角θ0=θ00)は70度である。θ0変化膜106上での界面105の端部がもっとも非電解液102側にあるところでの、ぬれ特性(V=0での初期接触角θ0=θ0max)は88.5度まで大きく(疎油性が強くなる)している。なおθ0変化膜106のぬれ性変化は、(B)のθ0曲線のように70度から88.5度まで微分値単調増加で変化させた。またθ0変化膜106の下の絶縁膜103の厚さ、絶縁膜103の誘電率、2液の界面エネルギーγwoは実施例1と共通である。
この特性のθ0変化膜106では、印加電圧が0Vから17Vの変化で、実際の接触角θは70度(θ=θ00)から113.7度(θ=θmax)まで変化した(グラフ(B)のθ曲線参照)。
従来のθ0が一様で均一の場合(θ0均一膜)の例は、上述した図24の通りである。
実施例4においては、θ0変化膜106によって、同じ接触角θ変化:70度から112度(同じ曲率半径R変化)でも小電圧変化(ΔV=22V⇒17V以下)で達成されていることが理解される。なお表5の下には、Δθ0/Δθ=0.423を示した。
ぬれ性線形変化タイプでΔθ0/Δθが近い実施例1と比較すると、θ0変化膜106の特性変化が高電圧側(非電解液側)で高くしたため、電圧の低いところでのV−θ敏感度は緩慢になっている。
(実施例5)
図8に実施例5(円筒電極タイプ)の液体レンズの構成図(A)、V−θ特性グラフ(B)を示す。V−θ特性表は表6を示した。
θ0変化膜106の特性について説明する。
θ0変化膜106上での界面105の端部がもっとも電解液101側にあるところでの、ぬれ特性(V=0での初期接触角θ0=θ00)は70度である。θ0変化膜106上での界面105の端部がもっとも非電解液102側にあるところでの、ぬれ特性(V=0での初期接触角θ0=θ0max)は107度まで大きく(疎油性が強くなる)している。なおθ0変化膜106のぬれ性変化は、(B)のθ0曲線のように70度から107度まで微分値単調増加で変化させた。またθ0変化膜106の下の絶縁膜103の厚さ、絶縁膜103の誘電率、2液の界面エネルギーγwoは実施例1と共通である。
この特性のθ0変化膜106では、印加電圧が0Vから8.5Vの変化で、実際の接触角θは70度(θ=θ00)から113.5度(θ=θmax)まで変化した(グラフ(B)のθ曲線参照)。
従来のθ0が一様で均一の場合(θ0均一膜)の例は、上述した図24の通りである。
実施例5においては、θ0変化膜106によって、同じ接触角θ変化:70度から112度(同じ曲率半径R変化)でも小電圧変化(ΔV=22V⇒8.5V以下)で達成されていることが理解される。なお(C)の表6の下には、Δθ0/Δθ=0.850を示した。
ぬれ特性が同じ単調増加タイプの実施例4よりもθ0変化膜6でのΔθ0の変化(ぬれ性変化)が大きいため、電圧変化量も少なくなっている。またぬれ性が線形変化タイプでΔθ0/Δθが近い実施例2にくらべると、全般的にややV−θ敏感度が緩慢になっている。
(実施例6)
図9に実施例6(円筒電極タイプ)の液体レンズの構成図(A)、V−θ特性グラフ(B)を示す。V−θ特性表を表7に示した。
θ0変化膜106の特性について説明する。
θ0変化膜106上での界面105の端部がもっとも電解液101側にあるところでの、ぬれ特性(V=0での初期接触角θ0=θ00)は70度である。θ0変化膜106上での界面105の端部がもっとも非電解液102側にあるところでの、ぬれ特性(V=0での初期接触角θ0=θ0max)は113.6度まで大きく(疎油性が強くなる)している。なおθ0変化膜6のぬれ性変化は、(B)のθ0曲線のように70度から113.6度まで微分値単調増加で変化させた。またθ0変化膜106の下の絶縁膜103の厚さ、絶縁膜103の誘電率、2液の界面エネルギーγwoは実施例1と共通である。
この特性のθ0変化膜106では、印加電圧が0Vから2Vの変化で、実際の接触角θは70度(θ=θ00)から114度(θ=θmax)まで変化した(グラフ(B)のθ曲線参照)。
従来のθ0が一様で均一の場合(θ0均一膜)の例は、上述の図24の通りである。
実施例6においては、θ0変化膜106によって、同じ接触角θ変化:70度から112度(同じ曲率半径R変化)でも小電圧変化(ΔV=22V⇒2V以下)で達成されていることが理解される。なおの表7の下には、Δθ0/Δθ=0.992を示した。θ0変化膜106でのΔθ0の変化(ぬれ性変化)が、ぬれ特性が同じ単調増加タイプの実施例4、5よりも非常に大きいため、各位置におけるθ0と印加時の実際の接触角θが近い値であり、ほとんど電圧変化を必要としない。従って、2V電圧駆動と非常に小さな電圧でパワー可変(θ:70度から114度)を達成できる。ただし同様にΔθ0/Δθが高く、ぬれ性が線形変化タイプの実施例3に比べると、全般的にややV−θ敏感度は緩慢である。
(実施例1乃至3と実施例4乃至6についての考察)
実施例4乃至6は、実施例1乃至3のθ0変化膜106のぬれ性変化特性を、線形変化から微分値単調増加に変更したものである。全般的に線形変化のほうが、駆動電圧範囲約8割内でV−θ敏感度が高くなり好適である。
(実施例7)
図10に実施例7(円筒電極タイプ)の液体レンズの構成図(A)、V−θ特性グラフ(B)を示す。V−θ特性表を表8に示した。
θ0変化膜106の特性について説明する。
θ0変化膜106上での界面105の端部がもっとも電解液101側にあるところでの、ぬれ特性(V=0での初期接触角θ0=θ00)は70度である。θ0変化膜6上での界面105の端部がもっとも非電解液102側にあるところでの、ぬれ特性(V=0での初期接触角θ0=θ0max)は87.5度まで大きく(疎油性が強くなる)している。なおθ0変化膜106のぬれ性変化は、(B)のθ0曲線のように70度から87.5度まで微分値単調減少で変化させた。またθ0変化膜106の下の絶縁膜3の厚さ、絶縁膜103の誘電率、2液の界面エネルギーγwoは実施例1と共通である。
この特性のθ0変化膜106では、印加電圧が0Vから17Vの変化で、実際の接触角θは70度(θ=θ00)から112.6度(θ=θmax)まで変化した(グラフ(B)のθ曲線参照)。
従来のθ0が一様で均一の場合(θ0均一膜)の例は、図24に示した通りである。
実施例7においては、θ0変化膜106によって、同じ接触角θ変化:70度から112度(同じ曲率半径R変化)でも小電圧変化(ΔV=22V⇒17V)で達成されることが理解される。なお表8の下には、Δθ0/Δθ=0.410を示した。ぬれ特性が線形変化タイプでΔθ0/Δθが近い実施例1に比べると、全般的にV−θ敏感度が高い。
(実施例8)
図11に実施例8(円筒電極タイプ)の液体レンズの構成図(A)、V−θ特性グラフ(B)を示す。V−θ特性表を表9に示した。
θ0変化膜106の特性について説明する。
θ0変化膜106上での界面105の端部がもっとも電解液101側にあるところでの、ぬれ特性(V=0での初期接触角θ0=θ00)は70度である。θ0変化膜106上での界面105の端部がもっとも非電解液102側にあるところでの、ぬれ特性(V=0での初期接触角θ0=θ0max)は107.1度まで大きく(疎油性が強くなる)している。なおθ0変化膜6のぬれ性変化は、(B)のθ0曲線のように70度から107.1度まで微分値単調減少で変化させた。またθ0変化膜106の下の絶縁膜103の厚さ、絶縁膜103の誘電率、2液の界面エネルギーγwoは実施例1と共通である。
この特性のθ0変化膜106では、印加電圧が0Vから6Vの変化で、実際の接触角θは70度(θ=θ00)から110.3度(θ=θmax)まで変化した(グラフ(B)のθ曲線参照)。
従来のθ0が一様で均一の場合(θ0均一膜)の例は、上述した図24の通りである。
実施例8においては、θ0変化膜106によって、同じ接触角θ変化:70度から112度(同じ曲率半径R変化)でも小電圧変化(ΔV=22V⇒6V前後)で達成されることが理解される。表9の下には、Δθ0/Δθ=0.920を示した。
ぬれ特性が同じ単調減少タイプの実施例7よりもθ0変化膜6でのΔθ0の変化(ぬれ性変化)が大きいため、電圧変化量も少なくなっている。またぬれ性が線形変化タイプでΔθ0/Δθが近い実施例2にくらべると、全般的にややV−θ敏感度が高い。
(実施例9)
図12に本発明の実施例9(円筒電極タイプ)の構成図(A)、V−θ特性グラフ(B)を示す。V−θ特性表は表10に示した。
θ0変化膜106の特性について説明する。
θ0変化膜106上での界面105の端部がもっとも電解液101側にあるところでの、ぬれ特性(V=0での初期接触角θ0=θ00)は70度である。θ0変化膜106上での界面105の端部がもっとも非電解液2側にあるところでの、ぬれ特性(V=0での初期接触角θ0=θ0max)は110.2度まで大きく(疎油性が強くなる)している。
なおθ0変化膜6のぬれ性変化は、(B)のθ0曲線のように70度から110.3度まで微分値単調減少で変化させた。またθ0変化膜106の下の絶縁膜103の厚さ、絶縁膜103の誘電率、2液の界面エネルギーγwoは実施例1と共通である。
この特性のθ0変化膜106では、印加電圧が0Vから0.75Vの変化で、実際の接触角θは70度(θ=θ00)から110.3度(θ=θmax)まで変化した(グラフ(B)のθ曲線参照)。
従来のθ0が一様で均一の場合(θ0均一膜)の例は、上述した図24の通りである。
実施例9においては、θ0変化膜106によって、同じ接触角θ変化:70度から112度(同じ曲率半径R変化)でも小電圧変化(ΔV=22V⇒0.75V前後)で達成されていることがわかる。なお表10の下には、Δθ0/Δθ=0.999を示した。
θ0変化膜106でのΔθ0の変化(ぬれ性変化)が、ぬれ特性が同じ単調減少タイプの実施例7、8よりも非常に大きいため、各位置におけるθ0と印加時の実際の接触角θが近い値であり、ほとんど電圧変化を必要としない。従って、0.75V電圧駆動と非常に小さな電圧でパワー可変(θ:70度から110.3度)を達成できる。また同様にΔθ0/Δθが高く、ぬれ特性が線形変化タイプの実施例3に比べても、さらにV−θ敏感度が高い。
(実施例1乃至3と実施例4乃至6と実施例7乃至9についての考察)
実施例7乃至9は、実施例1乃至3のθ0変化膜6のぬれ性変化特性を、線形変化から微分値単調減少に変更したものである。線形変化タイプに比べ、3つともV−θ敏感度が高い。
線形変化、微分値単調増加、微分値単調減少の3つを、V−θ敏感度順に並べると、微分値単調減少、線形変化、微分値単調増加の順となり、微分値単調減少タイプが最も好適である。
(実施例10)
図13に実施例10(円筒電極タイプ)の液体レンズの構成図(A)、V−θ特性グラフを示す。V−θ特性表は表11に示した。
θ0変化膜106の特性について説明する。
θ0変化膜106上での界面105の端部がもっとも電解液101側にあるところでの、ぬれ特性(V=0での初期接触角θ0=θ00)は70度である。θ0変化膜106上での界面105の端部がもっとも非電解液102側にあるところでの、ぬれ特性(V=0での初期接触角θ0=θ0max)は106.7度まで大きく(疎油性が強くなる)している。なおθ0変化膜6のぬれ性変化は、(B)のθ0曲線のように70度から106.7度の範囲で、低電圧と高電圧領域ではθ0変化膜のぬれ性変化敏感度が緩やかで、中電圧領域では高くなるような曲線にした。
θ0変化膜106の下の絶縁膜103の厚さはd=1.300E−03mm、絶縁膜103の誘電率はε=3.9E−11F/m、2液の界面エネルギーはγwo=1.141e−5kN/mである。この特性のθ0変化膜106では、印加電圧が0Vから6.5Vの変化で、実際の接触角θは70度(θ=θ00)から110.1度(θ=θmax)まで変化した(グラフ(B)のθ曲線参照)。
従来のθ0が一様で均一の場合(θ0均一膜)の例は、不図示であるが、電圧Vが0Vから23Vまで変化して、接触角θが70度から110.7度まで変化する(θ0は常に70度)。従って、θ0変化膜106によって、同じ接触角θ変化:70度から110度(同じ曲率半径R変化)でも小電圧変化(ΔV=23V⇒6.5V)で達成されることが理解される。なお表11の下には、Δθ0/Δθ=0.916を示した。
液体レンズと一般レンズ(固体レンズ)を組み合わせて複数枚のレンズ系ユニットを製作し、液体レンズをフォーカスまたはズームとして使う場合、液体レンズの状態が屈折力“0”付近では、誤差で多少V−θがずれたとしても、全体レンズ系ユニットの光学性能にはほとんど影響を与えない。
しかし液体レンズの屈折力が正または負の強い領域では、誤差でV−θ対応が少しでもずれれば、全体レンズ系ユニットの光学性能を大きく劣化させてしまう。
実施例10では、接触角θ=70度で液体レンズの負パワーがもっとも強くなり(界面は実線)、接触角θ=90度のときは液体レンズの屈折力は“0”、接触角θ=110度では液体レンズの正パワーがもっとも強くなる(界面は点線)。
そこで、接触角θ=90度のときの屈折力=“0”となる近傍(接触角θ±7度以内)では前記電圧印加手段より印加される電圧Vの微小変化をdV、前記電圧を印加しない状態で前記界面が前記内壁と接触することで得られる非電解液側の接触角をθ0としたときの該θ0の微小変化をdθ0として、dθ0/dV(微分絶対値)が最大値となり、V−θ敏感度を上げて大きく動かして高速化する。
屈折力が強くなる接触角θ=70度、110度近傍(接触角θ±7度以内)では前記電圧印加手段より印加される電圧Vの微小変化をdV、前記電圧を印加しない状態で前記界面が前記内壁と接触することで得られる非電解液側の接触角をθ0としたときの該θ0の微小変化をdθ0として、dθ0/dV(微分絶対値)が最小となり、V−θ敏感度を下げて細かく動かし、V−θ対応を高精度に制御すればレンズ品質を上げることができる。
(実施例11)
図14に実施例11(円筒電極タイプ)の液体レンズの構成図(A)、V−θ特性グラフ(B)を示す。V−θ特性表(C)は表12に示した。
θ0変化膜106の特性について説明する。
θ0変化膜106上での界面105の端部がもっとも電解液101側にあるところでの、ぬれ特性(V=0での初期接触角θ0=θ00)は70度である。θ0変化膜106上での界面105の端部がもっとも非電解液102側にあるところでの、ぬれ特性(V=0での初期接触角θ0=θ0max)は107.4度まで大きく(疎油性が強くなる)している。
なおθ0変化膜106のぬれ性変化は、70度から107.4度の範囲で、グラフ(B)のθ0折れ線のように、低電圧領域と高電圧領域ではぬれ性変化敏感度が緩やかで、中電圧領域では高くなるような折れ線にした。
θ0変化膜106の下の絶縁膜103の厚さはd=7.00E−04mm、絶縁膜103の誘電率はε=1.82E−11F/m、2液の界面エネルギーはγwo=6.1461e−6kN/mである。この特性のθ0変化膜6では、印加電圧が0Vから5.5Vの変化で、実際の接触角θは70度(θ=θ00)から111.3度(θ=θmax)まで変化した(グラフ(B)のθ折れ線参照)。
従来のθ0が一様で均一の場合(θ0均一膜)の例は、不図示であるが、電圧Vが0Vから18Vまで変化して、接触角θが70度から110.1度まで変化する(θ0は常に70度)。
従って、θ0変化膜106によって、同じ接触角θ変化:70度から110度(同じ曲率半径R変化)でも小電圧変化(ΔV=18V⇒5.5V)で達成されていることがわかる。なお表12の下には、Δθ0/Δθ=0.906を示した。
実施例11は実施例10と同様に、接触角θ=70度で液体レンズの負パワーがもっとも強くなり(界面は実線)、接触角θ=90度のときは液体レンズの屈折力は“0”、接触角θ=110度では液体レンズの正パワーがもっとも強くなる(界面は点線)。
接触角θ=90度のときの屈折力=“0”近傍(接触角θ±7度以内)では、ぬれ性変化敏感度が線形変化で高い値になるよう(疎油性変化率が高い)θ0変化膜特性を持たせて、前記電圧印加手段より印加される電圧Vの微小変化をdV、前記電圧を印加しない状態で前記界面が前記内壁と接触することで得られる非電解液側の接触角をθ0としたときの該θ0の微小変化をdθ0として、dθ0/dV(微分絶対値)が最大値となり、V−θ敏感度を上げて大きく動かして高速化する。
パワーが強くなる接触角θ=70度、110度近傍(接触角θ±7度以内)では、ぬれ性変化敏感度が線形変化で低い値になるよう(疎油性変化率が低い)θ0変化膜特性を持たせた。そして前記電圧印加手段より印加される電圧Vの微小変化をdV、前記電圧を印加しない状態で前記界面が前記内壁と接触することで得られる非電解液側の接触角をθ0としたときの該θ0の微小変化をdθ0として、dθ0/dV(微分絶対値)が最小となり、V−θ敏感度を下げて細かく動かし、V−θを高精度に制御してレンズ品質を上げている。
(B)のθ0折れ線は、線形変化を3領域変化(傾きは3種で、屈折力“0”近傍で傾き大、その以外は傾き小)としたので、実際θ0変化膜の製作は、実施例10のような連続曲線タイプよりも容易となる。
(実施例12及び比較例2)
図15に実施例12(円筒テーパー電極タイプ)の液体レンズの構成図(A)、V−θ特性グラフ(B)を示す。V−θ特性表は、表13に示した。テーパー角度はα=30度である。
θ0変化膜106の特性について説明する。
θ0変化膜106上での界面105の端部がもっとも電解液101側にあるところでの、ぬれ特性(V=0での初期接触角θ0=θ00)は40度である。θ0変化膜106上での界面105の端部がもっとも非電解液102側にあるところでの、ぬれ特性(V=0での初期接触角θ0=θ0max)は72度まで大きく(疎油性が強くなる)している。
なおθ0変化膜106のぬれ性変化は、(B)のθ0曲線のように40度から72度まで線形で変化させた(グラフ(B)のθ0曲線参照)。θ0変化膜106の下の絶縁膜3の厚さはd=1.20E−03mm、絶縁膜3の誘電率はε=2.5E−11F/m、2液の界面エネルギーはγwo=1.756e−5kN/mである。この特性のθ0変化膜106では、印加電圧が0Vから16Vの変化で、実際の接触角θは40度(θ=θ00)から81.0度(θ=θmax)まで変化した(グラフ(B)のθ曲線参照)。
円筒テーパー電極型の比較として、θ0変化膜106でなく、従来のθ0が一様で均一のθ0均一膜を採用した比較例2の液体レンズを図25に示す。図25において、構成図(A)、V−θ特性グラフ(B)である。比較例2のV−θ特性表を表14に示した。
駆動電圧0Vから32Vまでかけ、θが界面105の端部がもっとも電解液101側にあるところでのV=0での接触角θ=40度(θ0も40度)から、界面105の端部がもっとも非電解液2側に行ったθ=80.9度まで変化する。グラフ(B)には40度から80.9度までのθ曲線を示し、θ0曲線はθ0が変化していないことを示している。
またテーパー角、絶縁膜103の厚さ、誘電率、2液の界面エネルギーも本発明の実施例12と同じ値である。
実施例12においてはθ0変化膜106によって、同じ接触角θ変化:40度から81度(同じ曲率半径R変化)でも小電圧変化(ΔV=32V⇒16V)で達成されていることがわかる。表13の下には、Δθ0/Δθ=0.781を示した。
(実施例13)
図16に実施例13(円筒テーパー電極タイプ)の液体レンズの構成図(A)、V−θ特性グラフ(B)を示す。V−θ特性表(C)は表15に示した。
テーパー角度は実施例12と同じα=30度である。
θ0変化膜106の特性について説明する。
θ0変化膜106上での界面5の端部がもっとも電解液101側にあるところでの、ぬれ特性(V=0での初期接触角θ0=θ00)は40度である。
θ0変化膜106上での界面105の端部がもっとも非電解液102側にあるところでの、ぬれ特性(V=0での初期接触角θ0=θ0max)は81度まで大きく(疎油性が強くなる)している。なおθ0変化膜6のぬれ性変化は、(B)のθ0曲線のように40度から81度の範囲で、グラフ(B)のθ0折れ線のように、低電圧領域と高電圧領域ではぬれ性変化敏感度が緩やかで、中電圧では高くなるような折れ線にした。
θ0変化膜106の下の絶縁膜103の厚さ、絶縁膜103の誘電率、2液の界面エネルギーは実施例12と同じである。この特性のθ0変化膜106では、印加電圧が0Vから5.5Vの変化で、実際の接触角θは40度(θ=θ00)から82度(θ=θmax)まで変化した(グラフ(B)のθ折れ線参照)。
従来の円筒テーパー電極型のθ0が一様で均一の場合(θ0均一膜)の例は、図25に示した通りである。
実施例13においては、θ0変化膜106によって、同じ接触角θ変化:40度から81度(同じ曲率半径R変化)でも小電圧変化(ΔV=32V⇒5.5V以下)で達成されていることがわかる。なお表15の下には、Δθ0/Δθ=0.975を示した。
実施例13は実施例11と同様にぬれ性変化特性を折れ線(グラフ(B))としている。
接触角θ=40度で液体レンズの負パワーがもっとも強くなり(界面は実線)、接触角θ=60度のときは液体レンズの屈折力は“0”、接触角θ=82度では液体レンズの正パワーがもっとも強くなる(界面は点線)。
接触角θ=60度のときのパワー=“0”近傍(接触角θ±7度以内)では、ぬれ性変化敏感度が線形変化で高い値になるよう(疎油性変化率が高い)θ0変化膜特性を持たせて、前記電圧印加手段より印加される電圧Vの微小変化をdV、前記電圧を印加しない状態で前記界面が前記内壁と接触することで得られる非電解液側の接触角をθ0としたときの該θ0の微小変化をdθ0として、dθ0/dV(微分絶対値)が最大値となり、V−θ敏感度を上げて大きく動かして高速化する。
パワーが強くなる接触角θ=40度、82度近傍(接触角θ±7度以内)ではぬれ性変化敏感度が線形変化で低い値になるよう(疎油性変化率が低い)θ0変化膜特性を持たせた。
そして前記電圧印加手段より印加される電圧Vの微小変化をdV、前記電圧を印加しない状態で前記界面が前記内壁と接触することで得られる非電解液側の接触角をθ0としたときの該θ0の微小変化をdθ0として、dθ0/dV(微分絶対値)が最小となり、V−θ敏感度を下げて細かく動かし、V−θを高精度に制御してレンズ品質を上げている。また(B)のθ0折れ線は、線形変化を3領域変化(傾きは3種で、屈折力“0”近傍で傾き大、その以外は傾き小)としたので、実際θ0変化膜の製作が、実施例10のような連続曲線タイプよりも容易となる。
(実施例14)
図17に本発明の実施例14(円筒テーパー電極タイプ)の液体レンズの構成図(A)、V−θ特性グラフ(B)を示す。V−θ特性表を表16に示した。
テーパー角度は実施例12と同じα=30度である。
θ0変化膜106の特性について説明する。
θ0変化膜106上での界面105の端部がもっとも電解液101側にあるところでの、ぬれ特性(V=0での初期接触角θ0=θ00)は40度である。θ0変化膜106上での界面105の端部がもっとも非電解液2側にあるところでの、ぬれ特性(V=0での初期接触角θ0=θ0max)は80度まで大きく(疎油性が強くなる)している。なおθ0変化膜6のぬれ性変化は、(B)のθ0曲線のように40度から80度の範囲で、グラフ(B)のθ0折れ線のようになっている。V=0〜1.5Vまではθ0均一膜(θ0=40°)、V=1.5〜3.5Vまではθ0変化膜(θ0=40°〜80°の線形変化)、V=3.5〜5Vまではθ0均一膜(θ0=40°)としている。
θ0変化膜106の下の絶縁膜103の厚さ、絶縁膜103の誘電率、2液の界面エネルギーは実施例12、13と同じである。この特性のθ0変化膜6では、印加電圧が0Vから5Vの変化で、実際の接触角θは40度(θ=θ00)から80.9度(θ=θmax)まで変化した(グラフ(B)のθ折れ線参照)。
従来の円筒テーパー電極型のθ0が一様で均一の場合(θ0均一膜)の例は、図25に示した通りである。
実施例14においては、θ0変化膜106によって、同じ接触角θ変化:40度から80.9度(同じ曲率半径R変化)でも小電圧変化(ΔV=32V⇒5V以下)で達成されていることがわかる。なお(C)の表の下には、Δθ0/Δθ=0.979を示した。
実施例14は実施例11、13と同様にぬれ性変化特性を折れ線(グラフ(B))としている。接触角θ=40度で液体レンズの負パワーがもっとも強くなり(界面は実線)、接触角θ=60度のときは液体レンズの屈折力は“0”、接触角θ=80.9度では液体レンズの正パワーがもっとも強くなる(界面は点線)。
接触角θ=60度のときのパワー=“0”近傍領域近傍(接触角θ±7度以内)では、ぬれ性変化敏感度が線形変化で高い値になるよう(疎油性変化率が高い)θ0変化膜特性を持たせて、前記電圧印加手段より印加される電圧Vの微小変化をdV、前記電圧を印加しない状態で前記界面が前記内壁と接触することで得られる非電解液側の接触角をθ0としたときの該θ0の微小変化をdθ0として、dθ0/dV(微分絶対値)が最大値となり、V−θ敏感度を上げて大きく動かして高速化する。
パワーが強くなる接触角θ=40度、80.9度近傍(接触角θ±7度以内)ではぬれ性変化敏感度がない従来のθ0均一膜を採用し、前記電圧印加手段より印加される電圧Vの微小変化をdV、前記電圧を印加しない状態で前記界面が前記内壁と接触することで得られる非電解液側の接触角をθ0としたときの該θ0の微小変化をdθ0として、dθ0/dV(微分絶対値)が最小となり、V−θ敏感度を極端に下げた。この付近での詳細なθ制御が必要な時に有効である。また3領域折れ線特性で、両脇がθ0均一膜のため、製作もさらに容易である。
(実施例1乃至14と比較例1及び2についての考察)
図18と表17に本発明の14の実施例と2つの比較例におけるΔθ0/Δθと駆動電圧減少比:Vh/Vkの関係を示した。
Δθ=θmax−θ00
Δθ0=θ0max−θ00
界面105の可動範囲内で、接触角(非電解液102側)が一番大きな値をθmax(接触角の最大値)、その場所での膜(θ0変化膜6)のぬれ特性を示す印加電圧なしでの接触角をθ0maxとしている。また電圧をかけていないV=0で、界面105が最も電解液101側にいる状態での接触角θ(非電解液2側)をθ0としている(θ=θ0、初期接触角)。
一般的に印加電圧を上げれば、接触角θは大きくなる。従ってθmaxは最高印加電圧での値であり、界面端部はもっとも非電解液側に移動している。
逆にθ00(θ=θ0)は印加電圧値V=0の値であり、界面端部はもっとも電解液側にいた時である。本発明では、θ0変化膜の特性を、電解液側から非電解液側方向に、疎油性が強くなるように、つまりぬれ特性(V=0での接触角θ0)が大きくなるようにしている。
Vh:θ0変化膜を使用し、接触角θがθmaxの時の駆動電圧値。
Vk: 従来のθ0均一膜で、接触角θがθmaxになる駆動電圧値
図18グラフから、下記の条件式の特性が理解される。
Δθ0/Δθ > 0.3
Δθ0の特性がこの条件式を満足する範囲内のθ0変化膜なら、従来θ0均一膜での駆動電圧を80%以下に減らすことができる。
Δθ0/Δθ > 0.7
Δθ0の特性がこの範囲内のθ0変化膜なら、従来θ0均一膜での駆動電圧を50%以下に減らすことができる。効果が大きい。このクラスになると10前後以下の駆動が可能なので、カメラや小型機器への搭載が好適である。
Δθ0/Δθ > 0.9
Δθ0の特性がこの範囲内のθ0変化膜なら、従来θ0均一膜での駆動電圧を30%以下に低減でき、更に効果が大きい。このクラスだと5V前後以下の駆動が可能なので、モバイル機器への搭載が好適である。
Δθ0/Δθ > 0.97
Δθ0の特性がこの範囲内のθ0変化膜なら、従来θ0均一膜での駆動電圧を十数%以下に低減でき、電圧をあまり印加しなくても作動する。このクラスだと2V前後以下の駆動が可能にあるので、モバイル機器、低電圧駆動機器への搭載が好適である。
(実施例15)
本発明の液体レンズを他の光学部材や半導体部材とユニット化して用いる例について説明する。
図19は、本発明の液体レンズ150と、ガラス等からなる固体レンズ160と、CMOSセンサやCCD素子等の撮像素子170と、を保持部材181、182、及び183を用いてユニット化した例である。
ここで、固体レンズ160は複数枚を用いることも可能であるし、液体レンズ150との位置を逆にすることや、液体レンズを固体レンズで挟む位置とすること等、変形が可能である。また、図19では液体レンズ150と、固体レンズ160、撮像素子170の3者を一体としてユニット化したが、液体レンズと固体レンズのみをユニットすることや、固体レンズを必要としない液体レンズと撮像素子とをユニット化することを可能である。また、液体レンズ150と保持部材181とでユニット化し、固体レンズと撮像素子からなるカメラユニットの前方に組み込むことも可能である。
また、液体レンズと複数の固体レンズとを組み合わせてズームレンズを構成することも可能である。
本発明の液体レンズは小型化が可能であり、他の機能を有する部材とユニット化することで複数の機能を有する部材をコンパクトに構成でき、デジタルカメラ、カメラ付き携帯電話、監視カメラをはじめとするネットワークカメラ、プロジェクター等の光学部材として適用することができる。
(実施例16)
本発明の液体レンズをデジタルカメラに適用した例について説明する。
図20は本発明の液体レンズを適用したデジタルカメラの外観を示す模式図であり、201は撮影レンズ、202はファインダ、203はフラッシュ発光部、204はシャッタースイッチである。
図21は、図20のデジタルカメラの主要部のブロック図である。図21のデジタルカメラでは、本発明の液体レンズ150を固体レンズ160と組合せて用いており、固体レンズ160、液体レンズ150を経た光は、絞り163、シャッター162を経て撮像素子170に像を結ぶ。
液体レンズ150、絞り163、シャッター162はカメラ制御部2102からの制御信号により制御される。本例のデジタルカメラは、液体レンズを低い電圧で駆動できることに加え、撮像素子170に及ぼすノイズの影響を低減できるので、優れた画像を記録することができる。
図21における他の部材はデジタルカメラにおける一般的なものであるが、以下簡単に説明する。
2104は信号処理部でアナログ信号処理を行い、A/D変換器2105でアナログ信号をデジタルに変換する。画像メモリ2106はデジタル信号を格納するメモリであり、画像処理部2107は信号変換、信号補正等を行う。メインCPU2108はデジタルカメラの全動作を制御する。CPU2108はROM2109に格納された制御プログラムの実行により画像処理部2107、カメラ制御部2102等の制御を行う。2110はプルグラム実行の作業領域を提供するRAMであり、2111は画素表示部2112に表示させる撮影画像を記憶する画像メモリである。圧縮/伸長処理部2117は画像メモリ2106内の画像情報を符号化し、符号化したデータはI/F2118を介してメモリカード2119に格納される。カメラ制御部2102は操作スイッチ2113からの操作信号に基づき各種動作を実行する。
シャッタースイッチ204が押下されることで、カメラ制御部2102は調光制御部2115に信号を送り、フラッシュ203を発光させる等の所定の動作がなされる。
(実施例17)
本発明の液体レンズをカメラ付き携帯電話の撮影レンズに適用した例について説明する。
図22は、本発明の液体レンズを用いた携帯電話の要部を示す模式図である。
図22に示したカメラ付き携帯電話では、カメラ2234の撮影レンズ部2210に本発明の液体レンズ150を採用し、CCD等の撮像素子170に像の焦点が合うように構成した点が特徴である。
本発明の液体レンズは、低電圧駆動が可能で且つコンパクトに形成できるので、小型軽量化を望まれる携帯電話の頻繁な充電の煩わしさを低減できるので都合が良い。
図22における他の部材はカメラ付き携帯電話における一般的なものであるが、以下簡単に説明する。2240は携帯電話の制御部であり、CPU2241とROM2242を含んで構成される。2231はアンテナ、2232は無線部でありこれらは制御部2240に接続されている。2233はマイク、2235はレシーバ、2236は画像記憶部であり、カメラ2234で撮影された画像は画像記憶部2236に記憶される。2237は操作キーであり、2238はLCD等の表示部、2239はカメラ撮影のシャッターキーである。
(実施例18)
本発明の液体レンズをネットワークカメラに適用した例について説明する。
図23(A)は、本発明の液体レンズを用いたネットワークカメラの外観を示す模式図であり、図23(B)は、ネットワークカメラシステムのブロック回路図である。
図23(A)において2301はレンズユニット部、2302は雲台ユニット部、2350はレンズユニット部を覆うカバーである。
図23(B)において、レンズユニット部2301を構成するレンズの一つとして本発明の液体レンズ150を組み込んだ点が本実施例の特徴である。図23(B)おいては、固体レンズ群160、液体レンズ150、撮像素子170が光軸に沿って並べられており、撮像素子の出力は増幅器2314を介して映像処理回路2315、フォーカス処理回路2316にそれぞれ接続されている。
雲台ユニット2302にはレンズユニット2301の駆動のためのパン方向駆動モータ2321、チルト方向駆動モータ2322が設けられている。映像処理回路2315の出力は雲台ユニット部内のネットワーク処理回路2323に接続され、フォーカス処理回路の出力はCPU2324に接続されている。CPU2324の出力はネットワーク処理回路2323を介して外部のLAN2331に接続され、LAN2331にはパーソナルコンピュータ2332が接続されている。
また、CPU2324の出力はパン駆動回路2325、チルト駆動回路2326を介して駆動モータ2321、2322に接続され駆動用の信号をこれらに供給する。さらに
CPU2324は液体レンズ駆動回路2317に接続されている。液体レンズ150は液体レンズ駆動回路2317により駆動され、焦点の調整を行う。
本発明の液体レンズは小型化が可能であるので、本実施例のネットワークカメラでは小型化が図れる。本実施例のネットワークカメラは、カメラ自体を目立たせることなく、遠隔映像の撮影が可能となり、監視カメラ、行楽地におけるライブ映像撮影等に用いることができる。
101 電解液
102 非電解液(オイル)
103 絶縁膜
104 電極
105 界面
106 θ0変化膜
107 電源

Claims (13)

  1. 液体を収容するための容器と、該容器内に収容された電解液及び非電解液と、前記電解液に電圧を印加するための電圧印加手段と、を有し、前記電圧の印加により前記電解液と非電解液とがなす界面の形状を変化させる液体レンズであって、前記界面の端部が接する前記容器の内壁は、該内壁の位置に応じて前記非電解液に対する親和性に差異を有し、該親和性が前記電解液の位置する側よりも前記非電解液の位置する側で相対的に低いことを特徴とする液体レンズ。
  2. 前記内壁は、前記液体レンズの光軸方向に前記親和性の差異を有することを特徴とする請求項1に記載の液体レンズ。
  3. 前記容器は円筒形状をなし、該円筒の中心軸と前記光軸とが一致することを特徴とする請求項2に記載の液体レンズ。
  4. 前記円筒の中心軸を含む平面で切断した前記円筒状の容器の断面が、テーパー形状をなすことを特徴とする請求項3に記載の液体レンズ。
  5. 前記界面が前記内壁と接触することで得られる前記非電解液側の接触角の最大値をθmax、該接触角の最大値が得られる位置における前記電圧を印加しない状態での前記接触角をθ0max、前記電圧を印加しない状態で且つ前記界面が最も前記電解液側に位置する状態における前記接触角θをθ00として、
    Δθ0/Δθ=(θ0max−θ00)/(θmax−θ00)>0.3
    を満足することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかにに記載の液体レンズ。
  6. 前記液体レンズは、該レンズの屈折力が0となる位置近傍における、前記電圧印加手段より印加される電圧Vの微小変化をdV、前記電圧を印加しない状態で前記界面が前記内壁と接触することで得られる非電解液側の接触角をθ0としたときの該θ0の微小変化をdθ0として、
    dθ0/dV
    が最大となることを特徴とする請求項5に記載の液体レンズ。
  7. 前記液体レンズは、該レンズの正の屈折力が最大、または負の屈折力が最小、となる位置近傍で、前記電圧印加手段より印加される電圧Vの微小変化をdV、前記電圧を印加しない状態で前記界面が前記内壁と接触することで得られる非電解液側の接触角をθ0としたときの該θ0の微小変化をdθ0として、
    dθ0/dV
    が最小となることを特徴とする請求項5に記載の液体レンズ。
  8. 前記内壁は、膜を形成してなることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の液体レンズ。
  9. 前記膜は、親油性材料からなる膜に照射するエネルギー線の照射量を位置に応じて変化させて構成されたことを特徴とする請求項8に記載の液体レンズ。
  10. 請求項1乃至9のいずれかに記載の液体レンズと、固体レンズとをユニット化したレンズ。
  11. 請求項1乃至9のいずれかに記載の液体レンズを備えたことを特徴とするカメラ。
  12. 前記カメラはネットワークカメラである請求項11に記載のカメラ。
  13. 請求項1乃至9のいずれかに記載の液体レンズを備えたことを特徴とするカメラ付き携帯電話。
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