JP2007293349A - 曲面の接触面を有する液体レンズ - Google Patents

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Abstract

【課題】内部流体と対向する接触面が曲面から成る液体レンズが提供される。
【解決手段】本発明は、電気湿潤現象(Electro−Wetting)を用いて焦点距離調節を行うようになっている液体レンズにおいて、絶縁膜を形成して電極が連結されたベースと、上記ベース上の第1流体と、上記第1流体上の第2流体と、上記第1及び第2流体を密封し電極が連結され光透過性材料であるカバーと、を含み、上記ベースと第1及び第2流体との接触面は曲面を形成する液体レンズを提供する。本発明によると、液体レンズに電圧を印加する場合、流体の境界面の曲率変化が敏感に行われるか、または鈍感に行われるようにしてそのような特性に合う様々な電子機器に応用が可能で、厚さの薄い薄型の構造で製作可能であるという効果が得られる。
【選択図】図3

Description

本発明は、内部流体と対向する接触面が曲面に成っている液体レンズに関するものであって、より詳細には、内部の液体が接触する面を曲面で形成することにより、電圧変化に応じて敏感または鈍感に液体の接触角が変化するようにし、それによって様々な焦点距離の設計が可能で、薄い厚さの構造が得られるように成っている曲面の接触面を有する液体レンズに関する。
一般に、絶縁された電極に電気を通すと、液体の表面張力が変わって接触している物質を浸すことの出来る電気湿潤(electro−wetting)作用が起き、これを用いて焦点を変えることが出来る液体レンズが開示されている。
図1にはこのような電気湿潤(electro−wetting)を用いる従来の液体レンズ200が図示されている。このような液体レンズ200は、絶縁体210の上部に電解液220が配置され、上記絶縁体210の下部には電極230が形成された構造である。そして、上記電極230と電解液220に電流を流すと、絶縁体210上の電解液220の界面角(θ)、即ち接触角が変わることになる。
即ち、絶縁体210の表面中に電解液220の液滴がある場合、絶縁体210と電解液220、電解液220と気体225、絶縁体210と気体225との間の界面が形成され、このうち電解液220と絶縁体210との間の接触角(θ)はヤングの式(Young’s equation)によって決まる。
γSL−γSG=γLG・COSθ:Young’s equation
ここで、S:絶縁体、L:電解液、G:気体を表し、γは各材質による表面張力係数(Surface tension coefficient)を表す。
ここで、上記電解液220の材質を伝導性流体にし、接触する絶縁体210を絶縁膜(Insulator)にして構成した後、上記電解液220及び絶縁体210の後に形成された電極212、222に電圧をかけると表面張力係数が変わることになる。このような表面張力係数はリップマン数式(Lippmann’s equation)による。
γ=γ0−(1/2)cV2:Lippmann’s equation
上記のように印加電圧Vと絶縁膜の誘電率cによって表面張力係数が変化し、それによって電圧によりこのように変化された絶縁体210と電解液220との間の表面張力係数γSLが変化し、このような表面張力係数の変化により接触角(θ)のコサイン(Cosine)値が変わる。
従って、上記数式から分かるように、接触角(θ)のコサイン値は印加電圧Vの自乗に比例する。
このような基本原理を用いて構成した従来の液体レンズ300が図2に図示されている。
これは、透明な基板310a、310bの内部に、密度が大体同一の非伝導性流体330のオイルと伝導性流体350の電解液を充填し、上記基板310a、310bの外側に絶縁体310と電極332、352を形成して上記伝導性流体350に電圧をかけるよう構成されたものである。
従って、このような液体レンズ300は、透過性メタル電極を通じて伝導性流体350に供給される電圧を調節すると、図2において点線で図示された通り、絶縁体310と伝導性流体350の接触角(θ)が変化され、それによって伝導性流体350の電解液と非伝導性流体330のオイルとの間の界面形状が変わるようになり、これを通過する光の焦点距離が変化するようになったものである。
ところが、上記のような従来の液体レンズ300は、伝導性流体350と非伝導性流体330との境界面が接触する接触面である絶縁体310の形態が平面かつ傾斜した構造である。従って、このような従来の液体レンズ300は、電圧の変化に応じて接触角(θ)を変化させることは可能であるが、このような従来の接触角(θ)を変化させること以外の他の機能を有することが出来なかった。
例えば、電圧の変化に応じて流体の界面での曲率形成が速やかにまたは鈍感に行われ、接触角(θ)が異なるよう変化される場合に対して効果的に対応出来なかった。
もし、このように流体の曲率形成が速く行われたり、または鈍感に行われたりして接触角(θ)が異なるよう変化すると、焦点距離をより多様に設けることができ、液体レンズの高さをさらに低くする薄型の液体レンズの具現も可能である。しかし、従来にはこのような技術が開発されたことがない。
本発明は、上記のような従来の問題点を解消するためのものであって、その目的は、電圧を印加する場合、流体の境界面の曲率変化が敏感に行われるか、または鈍感に行われるようにしてそのような特性に合う様々な電子機器に応用可能であるよう改善された曲面の接触面を有する液体レンズを提供することにある。
そして本発明は、他の目的として、接触面の形状によって厚さの薄い薄型の構造で製作可能なため、電子機器の製品の小型化にさらに適するよう改善された曲面の接触面を有する液体レンズを提供することにある。
また本発明は、さらに他の目的として、液体レンズ内の流体に対して量的変化を与える場合にも、これに効果的に対応して所望の焦点距離を容易に得られるようにすることにより、より多様に製品設計を行うことが出来るよう改善された曲面の接触面を有する液体レンズを提供することにある。
上記のような目的を達成すべく、本発明は、電気湿潤現象(Electro−Wetting)を用いて焦点距離調節を行うようになっている液体レンズにおいて、
絶縁膜を形成して電極が連結されたベースと、
上記ベース上の第1流体と、
上記第1流体上の第2流体と、
上記第1及び第2流体を密封し電極が連結され光透過性材料であるカバーと、を含み、上記ベースと第1及び第2流体との接触面は曲面を形成することを特徴とする曲面の接触面を有する液体レンズを提供する。
また好ましくは、上記接触面は、凸面を形成することを特徴とする曲面の接触面を有する液体レンズを提供する。
そして好ましくは、上記接触面は、凹面を形成することを特徴とする曲面の接触面を有する液体レンズを提供する。
また好ましくは、上記接触面は、凸面と凹面を両方とも形成することを特徴とする曲面の接触面を有する液体レンズを提供する。
そして好ましくは、上記接触面は、曲面と直線面を両方とも形成することを特徴とする曲面の接触面を有する液体レンズを提供する。
本発明によると、液体レンズに電圧を印加する場合、流体の境界面の曲率変化が敏感に行われるか、または鈍感に行われるようにしてそのような特性に合う様々な電子機器に応用出来るよう改善された効果が得られる。
そして本発明は、接触面の形状によって厚さの薄い薄型の構造に製作可能なため電子機器の製品の小型化にさらに適するよう改善された効果が得られる。
さらに本発明は、液体レンズ内の流体に対して量的変化を与える場合にも、これに効果的に対応して所望の焦点距離を容易に得るようにすることにより、さらに多様に製品設計を行うことが出来る。
以下、本発明の好ましい実施例を図面を参照してより詳細に説明する。
本発明による曲面の接触面を有する液体レンズ1は、図3に図示された通り、絶縁膜22を形成して電極25aが連結されたベース10を有する。
上記ベース10は電気伝導性材料から成り、凹んだ上部空間を形成し、上記凹んだ上部空間には絶縁膜22がコーティングされて形成されている。
上記絶縁膜22は、その上部側に配置される第1流体30及び第2流体40をベース10に連結された電極25aの電源から確実に絶縁させるべきで、光透過性の材料から成るものである。
また、上記ベース10上において下部側に位置した第1流体30は、非伝導性流体か伝導性流体であることが出来る。上記第1流体30が非伝導性流体の場合、その上に配置される第2流体40は伝導性流体で、上記第1流体30が伝導性流体の場合、第2流体40は非伝導性流体である。
上記第1流体30と第2流体40はほぼ同一の密度を有する。
そして好ましく、上記第1流体30と第2流体40は、光透過性材質で、相違な屈折率を有して相互混合されないものである。
また本発明は、上記伝導性流体に電源を供給するための電極25bを含む。
図3では第2流体40が伝導性流体で、第1流体30は非伝導性流体の場合であり、伝導性流体の第2流体40に電源を供給するためカバー50に電極25bが形成される。
このような電極25a、25bは相違な極性の直流または交流電源が連結される。
このような伝導性流体に印加される電源は、上記絶縁膜22によってベース10に印加される電源とは確実に遮断される。上記絶縁膜22は、第1及び第2流体30、40が対向する接触面22aを形成する。
一方、本発明は、上記のような第1流体30と第2流体40を密封で囲むようカバー50を装着するが、上記カバー50は光透過性材料から成り、その下部には陽極電極25bが形成されて外部電源に電気的に連結され、上記カバー50に接する伝導性流体の第2流体40に電源を供給する。
もし、上記第2流体40が非伝導性流体の場合は、第1流体30に電源を供給するよう上記電極25bはその位置が他に変更され、そのような電極の位置変更は、当業者であれば容易に構造変更ができるためこれに係わるより詳細な説明は省略する。
また上記カバー50は、ベース10の上部空間に密封接合され、その内部で上記第1流体30と第2流体40を密封で囲むものである。
また本発明は、上記ベース10と第1及び第2流体30、40との接触面22aは曲面を形成する。図3において上記接触面22aは凸面を形成しており、図4において上記接触面22aは凹面を形成している。
上記構造において接触面22aは絶縁膜22の一部を構成する。
そして好ましくは、上記接触面22aは凸面と凹面を両方とも形成したり、上記接触面22aは曲面と直線面を両方とも形成する構造から成ることが出来る。
未説明符号90は、陰極電極25aと陽極電極25bに印加される電源の電圧大きさと形状を調節するための電圧調節手段である。
上記のように構成された本発明による曲面の接触面を有する液体レンズ1は、ベース10に形成された電極25aとカバー50に形成された電極25bを通じて電源が供給されると、上記電極25a、25bに外部から印加される電圧の大きさに応じて伝導性流体である第2流体40と絶縁膜22との間の接触角(θ)が決定され、この接触角(θ)を維持しつつ表面エネルギーを最小化する形状で第1流体30と第2流体40との間の界面Pが形成される。
このように印加される電圧の大きさに応じて形成される第1流体30と第2流体40との間の界面Pの形状は、電圧の大きさによって異なる曲率を形成し、それによって本発明の液体レンズ1は異なる焦点距離を有することになる。
図3に図示された構造では、上記ベース10と、第1及び第2流体30、40が対向する接触面22aが凸面を形成している。このような構造では、電極25a、25bに電圧が印加されると、第1流体30と第2流体40との間の界面Pは、上記接触面22aが直線面である構造に比べてその曲率が小さく形成される。
このような場合、上記電極25a、25bに電圧が印加される前の第1流体30と第2流体40との間の界面Pの形状(点線参照)から電圧が印加された後の第1流体30と第2流体40との間の界面Pの形状(実線参照)に変化する過程において、上記接触面22aに沿って移動する第1流体30と第2流体40との間の界面Pは、単位時間内に相対的に少なく移動(変化)するので、このような構造は電圧によって界面Pの移動速度が遅く、界面Pの形状が鈍感に変化する構造である。
一方、図4に図示された構造では、上記ベース10と、第1及び第2流体30、40が対向する接触面22aが凹面を形成している。このような構造では、電極25a、25bに電圧が印加されると、第1流体30と第2流体40との間の界面Pは、上記接触面22aが直線面の構造に比べてその曲率が大きく形成される。
このような場合、上記電極25a、25bに電圧が印加される前の第1流体30と第2流体40との間の界面Pの形状(点線参照)から、電圧が印加された後の第1流体30と第2流体40との間の界面Pの形状(実線参照)に変化する過程において、上記接触面22aに沿って移動する第1流体30と第2流体40との間の界面Pは、単位時間内に相対的に多く移動(変化)するため、このような構造は電圧によって界面Pの移動速度が速く、界面Pの形状が敏感に変化する構造である。
従って、本発明では上記のように接触面22aの形状を調節することにより、電圧に対して界面Pの曲率の変化が鈍感あるいは敏感な液体レンズ1を製作することが出来る。
図5には、これに関して従来の液体レンズの構造と本発明の液体レンズの構造が比較して図示されている。
図5(a)に図示された従来の構造では、第1流体30と第2流体40が入った空間の高さHが0.75の大きさを有し、接触面22aは直線面を有する。このような状態で電極(未図示)に電圧が印加されると、第1流体30と第2流体40との間の界面Pの形状は、左側図から右側図に変化される。このように変化されると接触角(θ)は70.7°を形成し、第1流体30の曲率半径はR1.2である。
このような構造から、図5(b)に図示された通り、液体レンズの高さHを低くすると、即ち接触面22aを直線面に維持しつつ高さHを0.65と低くすると、第1流体30と第2流体40が位置するための空間が必要なため、ベース側の直径Dが大きくなる。
このような状態で電極に電圧が印加されると、第1流体30と第2流体40との間の界面Pの形状は、左側図から右側図に変化される。このように変化されると接触角(θ)は48.1°を形成し、第1流体30の曲率半径はR1.7である。
一方、本発明によると、図5(c)に図示された通り、液体レンズの高さHを0.65と低くし接触面22aを凹面に形成したものである。
このような状態で電極に電圧が印加されると、第1流体30と第2流体40との間の界面Pの形状は,左側図から右側図に変化される。このように変化されると接触角(θ)は70.9°を形成し、第1流体の曲率半径はR1.0である。
このような対比からも分かるように、本発明は従来の構造に比べて液体レンズの焦点距離を同一に維持させつつ、液体レンズの高さHを薄型にすることが出来るものである。このような薄型の構造は、より機器を小型化するに有利な長所を有するものである。
また本発明は、図6に図示された通り、液体レンズに注入される第1流体30と第2流体40の量を異なるようにする場合にも、接触面22aの曲率を変更させることにより、効果的に対応できるものである。
図6(a)には、液体レンズの接触面22aの形状が直線と曲線の組み合せの形態で構成されている。これは、電極に電圧が印加される前の第1流体30と第2流体40との間の界面PがR6.6の曲率半径を有するものである。
この状態から電圧を印加して界面Pの形状を変化させると、第1流体30と第2流体40との間の界面PがR1.2の曲率半径を有するようにしたものである。
このような構造について図6(b)には、液体レンズに注入される第1流体30と第2流体40の量が図6(a)に比べて大きく増加している。
このような場合、本発明では上記接触面22aの曲率をさらに凹むよう構成して同一の電圧に対して同一のR1.2の曲率半径を第1流体30と第2流体40との界面Pで有するようにすることが出来る。
従って、本発明では液体レンズ1に注入される流体の量が異なるよう変化させる場合にも、単純に接触面22aの曲率を変更させることにより、これに効果的に対応することが出来る。
上記の本発明は、特定の実施例に関して図示され説明されたが、これは単なる例示として本発明を説明するため記載されたもので、本発明をこのような特定構造で制限するのではない。当業界において通常の知識を有する者であれば、添付の特許請求の範囲に記載された本発明の思想及び領域を外れない範囲内で本発明を多様に修正及び変形できることが分かる。しかし、このような修正及び変形構造は、何れも本発明の権利範囲内に含まれることを明らかにする。
従来の技術による一般の電気湿潤の基本原理を示した説明図である。 従来の技術による一般の液体レンズを図示した断面図である。 本発明による曲面の接触面を有する液体レンズにおいて凸した曲面を有する構造を図示した断面図である。 本発明による曲面の接触面を有する液体レンズにおいて凹んだ曲面を有する構造を図示した断面図である。 (a)、(b)および(c)は、従来の技術による液体レンズと本発明による液体レンズから行われる界面変化を対比して図示した断面図である。 (a)および(b)は、本発明による液体レンズにおいて内部に注入される流体量に効果的に対応する構造を図示した断面図である。
符号の説明
1 本発明による液体レンズ
10 ベース
22 絶縁膜
22a 接触面
25a、25b 電極
30 第1流体
40 第2流体
50 カバー
90 電圧調節手段
200 従来の液体レンズ
210 絶縁体
212、222 電極
220 電解液
25 気体
230 電極
310a、310b 基板
330 非伝導性流体
332、352 電極
350 伝導性流体
P 界面
θ 接触角

Claims (5)

  1. 電気湿潤現象(Electro−Wetting)を用いて焦点距離調節を行うようになっている液体レンズにおいて、
    絶縁膜を形成して電極が連結されたベースと、
    前記ベース上の第1流体と、
    前記第1流体上の第2流体と、
    前記第1及び第2流体を密封し電極が連結され光透過性材料であるカバーと、
    を含み、前記ベースと第1及び第2流体との接触面は曲面を形成することを特徴とする曲面の接触面を有する液体レンズ。
  2. 前記接触面は、凸面を形成することを特徴とする請求項1に記載の曲面の接触面を有する液体レンズ。
  3. 前記接触面は、凹面を形成することを特徴とする請求項1に記載の曲面の接触面を有する液体レンズ。
  4. 前記接触面は、凸面と凹面を両方とも形成することを特徴とする請求項1に記載の曲面の接触面を有する液体レンズ。
  5. 前記接触面は、曲面と直線面を両方とも形成することを特徴とする請求項1に記載の曲面の接触面を有する液体レンズ。
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