JP2012067706A - 駆動制御装置 - Google Patents

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【課題】受電電圧に対して安定的な直流励磁式拘束通電出力を実現して冷媒寝込み現象を高効率に抑制するとともに、該安定的な直流励磁式拘束通電出力を実現することでコストアップしてしまうことを抑制することを目的としている。
【解決手段】インバーター制御装置7は、圧縮機表面温度検出手段10の検出結果及び電流検出手段9の検出結果と、に基づいて圧縮機駆動用モーター4の相抵抗値を決定し、該決定された相抵抗値及び直流母線電圧検出手段8の検出結果に基づいて拘束通電電圧を決定し、拘束通電電圧に基づいてインバーター主回路3を制御するものである。
【選択図】図1

Description

本発明は、駆動制御装置に関するものである。
低温状態で駆動を停止中において、圧縮機(空気調和機等の冷凍サイクル装置用の圧縮機)に、液冷媒が集まる冷媒寝込み現象が発生することがある。冷媒寝込み現象が発生すると、圧縮機の起動負荷が大きくなることで圧縮機の破損につながったり、圧縮機の起動の際に所定値より大きな電流がインバーターに流れてシステム異常と判断され、圧縮機の起動ができなかったりする不具合が発生してしまっていた。
この冷媒寝込み現象の対策として、インバーターを、圧縮機駆動用モーター(以下、単にモーターと称する)に直流電圧(電流)を通電するように制御して圧縮機を加熱し、液冷媒を気化させる直流励磁式拘束通電(以下、単に拘束通電と称することもある)というものが知られている。
直流励磁式拘束通電には、例えば、圧縮機の表面温度を検出し、該表面温度の検出結果に基づいてモーターに供給する電力及び時間を決定しインバーターを制御するものが知られている。
その他に、モーターの巻線抵抗値を検出し、該巻き線抵抗値の検出結果に基づいて圧縮機の表面温度を換算し、該換算結果に基づいて、直流励磁式拘束通電の電力及び時間を決定しインバーターを制御する技術も開示されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2004−28503号公報(例えば、1頁、図3参照)
従来の直流励磁式拘束通電においては、モーターの相抵抗値が小さいので、受電電圧(電源電圧)の変動に伴い、モーターで発生する熱(電力)が大きく変動してしまい、安定的な拘束通電出力を得ることができなかった。それにより、圧縮機を加熱する効率が低下してしまい、冷媒寝込み現象を高効率に抑制することができなかった。
また、特許文献1に記載の直流励磁式拘束通電においては、モーターの相抵抗値に基づいて拘束通電電圧を決定しているが、該相抵抗値を検出するためのハードウエア(抵抗センサー)が別途必要となっており、コストアップになってしまっていた。
本発明は、受電電圧に対して安定的な直流励磁式拘束通電出力を実現して冷媒寝込み現象を高効率に抑制するとともに、該安定的な直流励磁式拘束通電出力を実現することでコストアップしてしまうことを抑制することを目的としている。
本発明に係る駆動制御装置は、圧縮機のモーターを拘束通電して加熱し、冷媒寝込み現象を対策するための拘束通電制御を行う駆動制御装置において、交流電源電圧を直流電圧に変換し直流母線に供給する整流回路と、直流母線から供給された直流電圧を任意の周波数の交流電圧に変換するインバーター主回路と、インバーター主回路を駆動するインバーター制御装置と、圧縮機の表面温度を検出する圧縮機表面温度検出手段と、直流母線の電圧を検出する直流母線電圧検出手段と、圧縮機のモーターに流れる電流を検出する電流検出手段とを備え、インバーター制御装置は、圧縮機表面温度検出手段の検出結果及び電流検出手段の検出結果に基づいてモーターの相抵抗値を決定し、該決定された相抵抗値及び直流母線電圧検出手段の検出結果に基づいて拘束通電電圧を決定し、拘束通電電圧に基づいてインバーター主回路を制御するものである。
本発明に係る駆動制御装置によれば、圧縮機表面温度検出手段の検出結果及び電流検出手段の検出結果に基づいてモーターの相抵抗値を決定し、該決定された相抵抗値及び直流母線電圧検出手段の検出結果に基づいて拘束通電電圧を決定するので、安定的な拘束通電出力を実現して冷媒寝込み現象を高効率に抑制することができるとともに、該安定的な拘束通電出力を実現することでコストアップしてしまうことを抑制することができる。
本発明の実施の形態に係る駆動制御装置の回路ブロック例図である。 図1に示す駆動制御装置の拘束通電電圧を決定するために用いるソフトウエア内部のテーブルの一例を示したものである。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
実施の形態
図1は、本発明の実施の形態に係る圧縮機5の駆動制御装置100の回路ブロック例図である。図2は、図1に示す圧縮機5の駆動制御装置100の直流励磁式拘束通電電圧を決定するために用いるソフトウエア内部のテーブルの一例を示したものである。なお、図1を含め、以下の図面では各構成部材の大きさの関係が実際のものとは異なる場合がある。
本駆動制御装置100は、各種電流、電圧、温度を検出して、圧縮機駆動用モーター4の巻き線に対する直流励磁式拘束通電を行うことで圧縮機5を加熱し、圧縮機5の冷媒寝込み現象を抑制する機能を有するものである。
[駆動制御装置100について]
駆動制御装置100の構成について説明する。
図1に示すように、駆動制御装置100は、負荷を駆動するための電力を供給する交流電源1と、複数のダイオードで構成したブリッジ回路と電解コンデンサーとを並列接続した整流回路2と、複数スイッチング素子を接続して構成し、整流回路2にて整流され直流母線Lを介して供給される電圧を任意の周波数の交流電圧に変換するインバーター主回路3と、直流母線電圧検出手段8、電流検出手段9、圧縮機表面温度検出手段10、外気温検出手段11及び放熱器温度検出手段12にそれぞれ接続されそれらの検出結果に基づいてインバーター主回路3を制御するインバーター制御装置7と、後述して説明する電流、電圧及び温度検出手段(8〜12)と、から構成されている。
交流電源1は、圧縮機駆動用モーター4を駆動するための電力を供給するものである。駆動制御装置100においては、交流電源1が三相であるものとして説明するが、特に、限定されるものではない。
整流回路2は、交流電源1の電圧を直流電圧に整流するものである。整流回路2の回路構成は、特に限定されるものではないが、図1に示すように、例えば、直列に2つ接続したダイオードを3つ並列に接続してブリッジ回路を構成したものに、並列に電圧安定化のための電解コンデンサを接続して構成するとよい。
インバーター主回路3は、交流電源1から供給される交流電圧を任意の周波数に変換するものである。インバーター主回路3は、6個のスイッチング素子が、三相ブリッジ回路を構成している。この三相ブリッジ回路の負荷側は、図1に示すように、圧縮機駆動用モーター4のU相、V相及びW相に接続されている。
インバーター制御装置7は、圧縮機駆動用モーター4を回転駆動するための制御信号をインバーター主回路3に送信したり、直流励磁式拘束通電制御の制御信号をインバーター主回路3に送信したりするものである。このインバーター制御装置7は、インバーター主回路3に接続されている。インバーター制御装置7は、冷媒寝込み防止部13を有しており、この冷媒寝込み防止部13が、後述する電流、電圧、温度検出手段の検出結果に基づいて、直流励磁式拘束通電の制御信号を生成する。この直流励磁式拘束通電に関することについては、後述の[直流励磁式拘束通電の説明1]、[直流励磁式拘束通電の説明2]で説明するものとする。
[電流、電圧、温度検出手段(8〜12)について]
直流母線電圧検出手段8は、整流回路2とインバーター主回路3とを接続する直流母線Lの電圧を検出するものである。直流母線電圧検出手段8の電圧の検出方法及び設けられる位置は、特に、限定されるものではない。電流検出手段9は、インバーター制御装置7に接続(無線でもよいし、有線でもよい)されている。また、直流母線電圧検出手段8の出力(検出結果)は、冷媒寝込み防止部13で検出される。
電流検出手段9は、インバーター主回路3の各相に対応する配線U、配線V及び配線Wに流れる電流を検出するものである。電流検出手段9の電流の検出方法及び設けられる位置は、特に、限定されるものではない。この電流検出手段9は、インバーター制御装置7に接続(無線でもよいし、有線でもよい)されている。また、電流検出手段9の出力は、冷媒寝込み防止部13で検出される。
圧縮機表面温度検出手段10は、圧縮機5の表面温度を検出するものである。また、圧縮機表面温度検出手段10は、圧縮機5の表面温度を検出し、該表面温度が、圧縮機5に異常を及ぼすとインバーター制御装置7が判断した場合には、インバーター制御装置7が、圧縮機5を停止する信号を送信し保護するようになっている。圧縮機表面温度検出手段10の温度の検出方法は、例えばサーミスタ、赤外線、熱電対等を用いればよく、特に、限定されるものではない。また、圧縮機表面温度検出手段10が設けられる位置は、検出方法に応じて決定すればよい。この圧縮機表面温度検出手段10は、インバーター制御装置7に接続(無線でもよいし、有線でもよい)されている。また、圧縮機表面温度検出手段10の出力は、冷媒寝込み防止部13に送信されるようになっている。
外気温検出手段11は、外気温を検出するものである。外気温検出手段11の温度の検出方法は、例えばサーミスタ、赤外線、熱電対等を用いればよく、特に、限定されるものではない。また、外気温検出手段11が設けられる位置は、検出方法に応じて決定すればよい。外気温検出手段11は、インバーター制御装置7に接続(無線でもよいし、有線でもよい)されている。また、外気温検出手段11の出力は、冷媒寝込み防止部13で検出される。
放熱器温度検出手段12は、放熱器6の温度を検出するものである。放熱器温度検出手段12の温度の検出方法は、例えばサーミスタ、赤外線、熱電対等を用いればよく、特に、限定されるものではない。また、放熱器温度検出手段12が設けられる位置は、検出方法に応じて決定すればよい。放熱器温度検出手段12は、インバーター制御装置7に接続(無線でもよいし、有線でもよい)されている。放熱器温度検出手段12の出力は、冷媒寝込み防止部13で検出される。
[圧縮機5、放熱器6について]
圧縮機5は、例えば空気調和機においては、蒸発器から流れてきた低圧冷媒を高温・高圧冷媒にして放熱器に送り込むものである。ここで、圧縮機5は、空気調和機に設けられているものとして説明したが、空気調和機以外の冷凍サイクル装置の圧縮機でもよい。圧縮機5は、圧縮機駆動用モーター4が設けられている。この圧縮機駆動用モーター4には、交流電源1の電圧が、図1に示す整流回路2、直流母線L、インバーター主回路3及び配線U〜Wを介して供給されるようになっている。
放熱器6は、整流回路2、直流母線L及びインバーター主回路3といった、高周波電流が流れることで生じた熱を放熱するものである。
[直流励磁式拘束通電の説明1]
図2に基づいて、駆動制御装置100の直流励磁式拘束通電制御について説明する。
(1)圧縮機5停止中に冷媒寝込み防止部13に送信された、外気温検出手段11の検出値及び放熱器温度検出手段12の検出値とに基づいて、冷媒寝込み防止部13が、直流励磁式拘束通電を実施するかを判断し、実施する場合には、両検出値に基づいて直流励磁式拘束通電時間を決定する。
(2)圧縮機5停止中に冷媒寝込み防止部13に送信された、電流検出手段9の検出値及び圧縮機表面温度検出手段10の検出値とに基づいて、冷媒寝込み防止部13のソフトウエア内部に用意されている相抵抗テーブルにより、圧縮機駆動用モーター4の相抵抗値(巻き線抵抗値)を一意的に決定(演算)する(図2の相抵抗値テーブル参照)。
(3)圧縮機5停止中に冷媒寝込み防止部13に送信された直流母線電圧検出手段8の検出値と、上記(2)の相抵抗値の決定(演算)結果に基づいて、冷媒寝込み防止部13のソフトウエア内部に用意されている直流励磁式拘束通電電圧テーブルにより、直流励磁式拘束通電時の電圧値を一意的に決定する(図2の直流励磁式拘束通電電圧テーブル参照)。
[直流励磁式拘束通電の説明2]
直流励磁式拘束通電を実施するにあたりインバーター主回路3の素子の動作例について簡単に説明する。
インバーター主回路3のスイッチング素子3A及びスイッチング素子3D(組Xと称する)と、スイッチング素子3B及びスイッチング素子3C(組Yと称する)をそれぞれ組として、「組Xをオン、組Yをオフ」と「組Xをオフ、組Yをオン」交互に繰り返し、単相交流電圧を圧縮機駆動用モーター4に供給して発熱させている。このように、組X及び組Yを動作させることによって、圧縮機駆動用モーター4は回転磁界が得られず停止状態となり、供給された電圧(電力)の多くは、冷媒寝込み現象を抑制するための熱となる。
この動作例は、あくまで一例であり、本駆動制御装置100は、上記[直流励磁式拘束通の説明1]で説明した拘束通電の時間及び電圧値に基づいて、インバーター主回路3を制御するようになっている。
[駆動制御装置100の有する効果]
駆動制御装置100は、相抵抗を相電流値及び圧縮機表面温度から決定し、該決定結果と直流母線電圧に基づいて、直流励磁式拘束通電電圧を決定するように構成したものである。従って、相抵抗値が変化したり直流母線電圧が変動したりしても、安定的に圧縮機駆動用モーター4に拘束通電のための電力を供給することができる。つまり、安定的な直流励磁式拘束通電を実現して、冷媒寝込み現象を高効率に抑制することができる。
また、空気調和機の制御、保護に必要な既存の検出手段である外気温検出手段11及び放熱器温度検出手段12で直流励磁式拘束通電時間を決定し、電流検出手段9及び圧縮機表面温度検出手段10で一意的に決定された相抵抗値及び直流母線電圧検出手段8の電圧値に基づいて直流励磁式拘束通電電圧を一意的に決定することができる。つまり、駆動制御装置100は、インバーター制御装置7に冷媒寝込み防止部13の機能を追加(ソフトウエア変更)するだけでよく、相抵抗値を検出するためのハードウエア(検出器)の追加の必要はないので、その分コストを抑えることができる。
[その他]
また、圧縮機駆動用モーター4の巻き線の温度を検出する巻き線温度検出手段(図示省略)が設けられていてもよい。巻き線温度検出手段の温度の検出方法は、例えばサーミスタ、赤外線、熱電対等を用いればよく、特に、限定されるものではない。
圧縮機駆動用モーター4の巻き線の相抵抗値は、巻き線の温度及び巻き線を流れる電流によって変化することが知られている。従って、上記した圧縮機表面温度検出手段10の検出結果及び電流検出手段9の検出結果に加えて、さらに巻き線温度検出手段によって巻き線の温度を検出し、該検出結果及び電流検出手段9の検出結果と、に基づいて、圧縮機駆動用モーター4の相抵抗値を決定すれば、相抵抗値が変化しても、安定的に圧縮機駆動用モーター4に電力を供給することができる。
1 交流電源、2 整流回路、3 インバーター主回路、4 圧縮機駆動用モーター、5 圧縮機、6 放熱器、7 インバーター制御装置、8 直流母線電圧検出手段、9 電流検出手段、10 圧縮機表面温度検出手段、11 外気温検出手段、12 放熱器温度検出手段、13 冷媒寝込み防止部、L 直流母線、U 配線、V 配線、W 配線、100 駆動制御装置。

Claims (3)

  1. 圧縮機のモーターを拘束通電して加熱し、冷媒寝込み現象を対策するための拘束通電制御を行う駆動制御装置において、
    交流電源電圧を直流電圧に変換し直流母線に供給する整流回路と、
    前記直流母線から供給された直流電圧を任意の周波数の交流電圧に変換するインバーター主回路と、
    前記インバーター主回路を駆動するインバーター制御装置と、
    前記圧縮機の表面温度を検出する圧縮機表面温度検出手段と、
    前記直流母線の電圧を検出する直流母線電圧検出手段と、
    前記圧縮機のモーターに流れる電流を検出する電流検出手段とを備え、
    前記インバーター制御装置は、
    前記圧縮機表面温度検出手段の検出結果及び前記電流検出手段の検出結果に基づいて前記モーターの相抵抗値を決定し、該決定された相抵抗値及び前記直流母線電圧検出手段の検出結果に基づいて拘束通電電圧を決定し、前記拘束通電電圧に基づいて前記インバーター主回路を制御する
    ことを特徴とする駆動制御装置。
  2. 前記整流回路及び前記インバーター主回路の熱を放熱する放熱器と、
    前記圧縮機の外気温を検出する外気温検出手段と、
    前記放熱器の温度を検出する放熱器温度検出手段とをさらに備え、
    前記インバーター制御装置は、
    前記外気温検出手段の検出結果及び前記放熱器温度検出手段の検出結果と、に基づいて前記モーターに供給する拘束通電時間を決定する
    ことを特徴とする請求項1に記載の駆動制御装置。
  3. 前記モーターの巻き線温度を検出する巻き線温度検出手段をさらに備え、
    前記インバーター制御装置は、
    前記圧縮機表面温度検出手段の検出結果及び前記電流検出手段の検出結果に加えて、前記巻き線温度検出手段の検出結果及び前記電流検出手段の検出結果に基づいて、前記モーターの相抵抗値を決定する
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の駆動制御装置。
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