JP6007461B2 - 空気調和機、及びコンプレッサ制御装置 - Google Patents

空気調和機、及びコンプレッサ制御装置 Download PDF

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Description

本発明は、空気調和機、及びこの空気調和機に用いるコンプレッサ制御装置に関し、特に、モータにより駆動されて圧縮気体を生成するコンプレッサを制御する空気調和機、及びコンプレッサ制御装置に関する。
従来の空気調和機は、コンプレッサ(圧縮機)を起動する場合に、起動時の環境状態や負荷状態(例えば、外気温度、熱交換器温度、吐出空気温度、及びコンプレッサの再起動時間間隔など)を考慮して、モータの起動電流、最大回転速度、及び回転速度加速レートなどの設定を行っていた。このような空気調和機は、低温環境で使用する場合の粘性の高くなった潤滑油や長期間未使用で放置された後に使用する場合の一部液化した冷媒等がトルク増大の原因となり得る。その結果、前記空気調和機は、特に起動時のトルク増大により安定した起動が困難となり、コンプレッサの保護機能により停止することが考えられる。
この点、従来の空気調和機は、基本的には、どのような環境状態や負荷状態でもコンプレッサが安定的に起動できるように、モータの起動電流や最大回転速度を高めに設定していた。しかし、従来の空気調和機は、あらかじめ設定した起動電流が多かったり、最大回転速度が高すぎたりすると、コンプレッサの起動時に音や振動が発生してしまう。したがって、従来の空気調和機は、ある程度過酷な環境状態や負荷状態でも起動でき、かつ、コンプレッサの起動時の音や振動も抑えられるように、モータの起動電流、最大回転速度、及び回転速度加速レートを試験上から決定していた。
また、関連技術として、コンプレッサ運転中の負荷状態に関わらずトルクリップルを吸収して、コンプレッサの動作時に生じる音や振動を抑制する技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。この技術は、低負荷時と高負荷時とでそれぞれ個別に設定されたトルク制御パターンに基づいてトルク制御を行うように構成されており、トルクリップルを効果的に吸収してコンプレッサの動作時の音や振動を減少させている。
特開2009−44881号公報
しかしながら、特許文献1の技術は、コンプレッサの運転中に生じる音や振動を減少させることはできるが、コンプレッサの起動時に発生する音や振動を抑制することは考慮されていない。また、特許文献1の技術は、前記したように、予め、試験上から、過酷な環境状態や負荷状態でも起動ができて、かつ音や振動も抑えられるように、モータの起動電流、最大回転速度、及び回転速度加速レートの起動制御量が設定されていたとしても、市場での使用条件は想定外の環境状態や負荷状態となることもある。すなわち、起動制御量を設定した空気調和機は、市場(実際のフィールド)での使用条件下では、必ずしも試験上で想定した冷媒温度や再起動時間の範囲内にあるとは限らない。そのため、実際のフィールドでの使用状態においては、想定した使用条件の範囲外の環境状態や負荷状態が発生して、コンプレッサが起動できなかったり、起動できたとしても起動時の音や振動を抑制できないなどの不具合が発生したりすることがある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、より適切な起動制御量を設定することにより、円滑に起動させることができ、かつ起動時の音や振動を抑制することができる空気調和機、及びコンプレッサ制御装置を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明は、モータがコンプレッサを回転させる空気調和機であって、前記コンプレッサの冷媒温度と前記コンプレッサの再起動時間間隔との少なくとも一つの情報に基づいて起動制御量を決定し、決定された起動制御量を用いて前記モータを起動制御するものであり、前記起動制御量は、前記モータを起動するときの起動電流、前記モータの起動時における前記コンプレッサの最大回転速度、前記モータの起動時における前記コンプレッサの回転速度加速レート、及び前記モータの起動時における前記コンプレッサの最大回転速度保持時間であり、モータ回転速度が前記コンプレッサの最大回転速度に到達するまで前記回転速度加速レートで増加させた駆動周波数で、前記起動電流を維持しつつ前記モータをV/f制御し、さらに、前記コンプレッサの最大回転速度保持時間が到達するまで、前記最大回転速度の駆動周波数で前記モータをV/f制御することを特徴とする。
ここで、前記起動制御量は、前記モータを起動するときの起動電流、前記モータの起動時における前記コンプレッサの最大回転速度、前記モータの起動時における前記コンプレッサの回転速度加速レート、及び前記モータの起動時における前記コンプレッサの最大回転速度保持時間、のうちの少なくとも一つであることが好ましい。
なお、冷媒温度は、前記モータに巻回された巻線の巻線抵抗値に基づいて前記コンプレッサの冷媒温度を推定することが望ましい。
本発明の空気調和機、及びコンプレッサ制御装置によれば、より最適な起動電流や回転速度によってモータを滑らかに起動させることができる。その結果、コンプレッサの起動時の音や振動を低減させることができる。
本発明の第1実施形態に係る空気調和機であって、モータに相電流検出センサを備え、起動時にV/f制御を行う場合の回路構成図である。 本発明の第1実施形態に係る空気調和機のコンプレッサ制御装置の構成図である。 モータの巻線抵抗値を推定するためのブロック図である。 コンプレッサ制御装置におけるモータの起動からフィードバック制御に至るまでの相電流波形である。 コンプレッサ制御装置におけるモータの各種状態ごとの起動制御量の設定内容(起動設定内容)を示すテーブルであり、(a)は起動設定内容、(b)は各種状態を示す。 起動時にV/f制御を行う一般的なコンプレッサ制御装置における、モータの起動からフィードバック制御に至るまでの起動処理シーケンスを示すフローチャートである。 起動時にV/f制御を行う本発明の実施形態に係るコンプレッサ制御装置における、モータの起動からフィードバック制御に至るまでの起動処理シーケンスを示すフローチャートである。 コンプレッサ状態の判定処理(ステップS0)の詳細な流れを示すフローチャートである。 本発明の第2実施形態に係る空気調和機であって、入力電流検出センサを備え、起動時にV/f制御を行う場合の回路構成図である。 本発明の第2実施形態に係る空気調和機のコンプレッサ制御装置の構成図である。
《概要》
本発明に係る空気調和機は、コンプレッサ制御装置(制御部)と、インバータ(三相インバータ)と、モータとを備え、コンプレッサ制御装置が起動時のモータの位置決めの後に、V/f制御を行い、さらにベクトル制御を行うように構成されている。また、空気調和機は、室外機のコンプレッサを起動、又は再起動する場合に、コンプレッサの各種状態(冷媒温度及び再起動時間間隔)から該コンプレッサの負荷状態を推定する。そして、コンプレッサ制御装置は、推定したコンプレッサの負荷状態に応じて最適な起動制御量(起動電流、最大回転速度、回転速度加速レート、及び最大回転速度保持時間の何れか一つ又はこれらの複数)を設定してコンプレッサの制御を行う。
具体的には、コンプレッサ制御装置は、コンプレッサの各種状態として、コンプレッサを回転駆動させるモータの巻線抵抗から冷媒温度を予測したり、計時手段(タイマ)にてコンプレッサの再起動時間間隔をカウントして再起動するまでの時間間隔を判断したりして(つまり、再起動時間間隔の長い状態、いわゆる寝込み状態であるか否かを判断して)、コンプレッサの負荷状態(起動トルク)を推定し、負荷状態の推定結果から起動に最適な起動制御量としてモータの起動電流、起動時におけるV/f制御の最大回転速度、起動時におけるV/f制御の回転速度加速レート、及び起動時におけるV/f制御の最大回転速度保持時間を設定してコンプレッサの起動制御を行う。
このようにして、コンプレッサ制御装置は、コンプレッサの起動時の負荷状態を推定して、最適な起動制御量(起動電流や回転速度)を設定することにより、滑らかな起動動作を行うことができる。したがって、空気調和機は、モータの起動電流や回転速度の不足に起因するコンプレッサの起動不良を回避することもできる。さらには、モータの起動電流や回転速度の過多によるコンプレッサの起動時の音や振動を回避することができる。また、コンプレッサの起動不良や起動時の音や振動を回避することによって、市場における空気調和機のクレーム要因を削減することもできる。
以下、本発明に係る空気調和機、及びコンプレッサ制御装置の実施形態の幾つかについて図面を参照しながら詳細に説明する。なお、各実施形態を説明するための全図において、同一の要素は原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
《第1実施形態》
〈第1実施形態に係る空気調和機の構成〉
図1は、本発明の第1実施形態に係る空気調和機の回路構成図であり、相電流検出センサを備え、起動時にV/f制御を行う場合を示している。
図1に示すように、空気調和機1aは、DC電源装置3、IPM(Intelligent Power Module:高機能パワーモジュール)5、モータ7、シャント抵抗13a、CTセンサ15v、15w、誘起電圧検出部16、及びコンプレッサ制御装置(制御部)としてのマイコン17を備え、モータ7がコンプレッサ9を駆動させるように構成されている。なお、モータ7とコンプレッサ9とは、モータ7の冷却のため構造的に一体化されていることが多い。
DC電源装置3は、図示しない商用電源から直流電圧を生成し、生成された直流電圧をIPM5に印加する装置であり、IPM5に直流電力を供給する。
IPM5は、PWM(Pulse Width Modulation)駆動を行う三相インバータ(図示せず)を備えて構成されている。また、シャント抵抗13aは、過電流検出用の相電流検出信号をIPM5の過電流検出回路(図示せず)に送信する。さらに、CTセンサ15v、15wは、モータ7に流れるV相、W相の相電流を検出する相電流検出センサである。なお、相電流の和はゼロであるので、U相の相電流は演算可能である。また、誘起電圧検出部16は、モータ7の回転子の回転位置を検出する回転子位置検出部として機能し、所定の位相角で相間の誘起電圧を検出する。
図2は、本発明の第1実施形態に係る空気調和機のコンプレッサ制御装置の構成図である。
マイコン17は、CTセンサ15v、15wが検出したモータ7のV相、W相の相電流情報を入力する電流検出部17a1と、モータ7の起動電流指令と電流検出部17a1からのV相、W相の相電流情報とを入力する電流制御部17bと、最大回転速度指令とV/f制御の回転速度加速レート指令とを入力し、電流制御部17bからの電流制御情報に基づいて電圧指令演算を行う電圧指令演算部17cと、電圧指令演算部17cからの電圧指令に基づいて生成されたPWM信号によってIPM5の三相インバータをPWM制御するPWM制御部17dと、起動制御量演算部18と、負荷状態判定部10と、冷媒温度推定部12と、タイマ11とを備えて構成されている。電圧指令演算部17cは、位置決め後の起動時にモータ7の回転子の位置決めを行う位置決め制御部19aと、起動時にV/f制御を行うV/f制御部19bと、通常時のモータ7の回転速度が目標回転速度の設定値になるように帰還制御するベクトル制御部19cとを備える。
なお、モータ7のV/f制御とは、モータ7に印加する電圧Vと駆動周波数fとの比を一定にする制御(回転速度や回転位置を帰還させないオープンループ制御)であり、V/fを一定にすることによって励磁電流が一定になり、磁気飽和を防ぐことができる。なお、V/f制御は、励磁電流が一定であるので、トルクがほぼ一定になる。なお、回転速度ωは、駆動周波数fと極数pとで決まる。
また、誘起電圧検出部16は、モータ7に発生する誘起電圧に基づいて回転子位置(位相)を正確に検出する。さらに、PWM制御部17dは、誘起電圧検出部16が誘起電圧によってモータ7の回転子位置を検出するので、モータ回転速度が演算され、位置センサレスでモータ7をベクトル制御することができる。
〈第1実施形態に係る空気調和機の動作〉
本実施形態に係る空気調和機1aは、CTセンサ15v、15wが検出したV相、W相の相電流、及び誘起電圧検出部16が検出した回転子位置に基づいて、IPM5に内蔵された三相インバータをPWM制御してモータ7を駆動制御するように構成されている。このとき、起動制御量演算部18は、起動直前のコンプレッサ9の各種状態(冷媒温度、再起動時間間隔)から空気調和機10の室外機に配設されているコンプレッサ9の負荷状態を推定する。そして、電圧指令演算部17cは、推定した負荷状態からコンプレッサ9を起動するのに最適な起動制御量を求めてモータ7の制御に反映させる。このとき、起動直前のコンプレッサ9の各種状態である冷媒温度及び再起動時間間隔は、以下に示すような条件から判断する。
(冷媒温度の推定)
コンプレッサ9の冷媒温度は、コンプレッサ9の内部に配設されているモータ7の巻線に直流電圧を印加し、冷媒温度推定部12がその巻線に流れる直流電流の値からモータ7の巻線抵抗値を算出することにより求められる。そして、冷媒温度推定部12は、算出された巻線抵抗値を用いて、巻線線材の温度係数から巻線温度(つまり、巻線周囲の冷媒温度)を推定する。
図3は、図1に示すモータ7の巻線抵抗値を推定するためのブロック図である。図3に示すように、冷媒温度推定部12は、モータ7に印加するd軸電圧設定値(Vd)と、d軸電流測定値(Id)とモータ7の巻線抵抗値(R)の積(R・Id)とが略一致するようにフィードバック制御を行う。そして、冷媒温度推定部12は、フィードバック制御された出力値を積分器(I)で積分すると共に一定の係数Kを掛けた値(巻線抵抗値(R))を出力する。なお、図3のフィードバック制御における積分時定数は、算出される巻線抵抗値(R)を安定化させるためにできるだけ長くすることが望ましい。
次に、コンプレッサ9を駆動するためのモータ7の巻線線材は銅であるので、冷媒温度推定部12は、銅の温度係数から温度による巻線抵抗値(R)の変化を利用して、次の式(1)に示す温度推定式によりモータ7の巻線周囲温度(つまり、冷媒温度)Taを推定する。
Ta=〔(Ra−Rb)/Rb〕×(234.5+Tb)+Tb (1)
但し、Taは求める冷媒温度(℃)であり、Tbは基準冷媒温度(℃)であり、Raは求める冷媒温度における巻線抵抗値(Ω)であり、Rbは基準冷媒温度における巻線抵抗値(Ω)であり、
1/(234.5+Tb)は基準冷媒温度Tb(℃)における銅の温度係数(Ω/℃)である。
ここで、負荷状態判定部10は、前記した式(1)に基づいて推定された冷媒温度Taから、次のような3種類の負荷状態の何れかを判断する。なお、Taは冷媒温度、α、βは所定の温度であってα<βとする。
(1)負荷状態判定部10は、冷媒温度が低温状態(Ta<α)のときは、例えば、真冬における長時間停止後の空気調和機1aの再起動時のように、冷媒は低温状態にあると推定されてコンプレッサ9の起動時の負荷は重いと判断する。
(2)負荷状態判定部10は、冷媒温度が通常状態(α≦T≦β)のときは、空気調和機1aを停止した後の再起動、あるいは真冬以外の季節の温度環境下における再起動であって、コンプレッサ9の起動時の負荷は比較的軽いと判断する。
(3)負荷状態判定部10は、冷媒温度が高温状態(β<T)のときは、高温環境下における再起動のような高負荷状態であって、コンプレッサ9の起動時の負荷は重いと判断する。
(再起動時間間隔の測定)
タイマ11は、コンプレッサ9の再起動時間間隔を測定するものであり、図2示すタイマ11が、コンプレッサ9の停止から次の起動(再起動)までの時間をカウントする。この再起動時間間隔は、次の2種類の負荷状態を想定することができる。なお、tは再起動時間間隔であり、γは所定の時間とする。
(1)負荷状態判定部10は、コンプレッサ9の再起動時間間隔が通常状態(t≦γ)のときは、コンプレッサ9の再起動時間間隔が一定時間以下の場合であって、単なる通常の再起動で負荷は比較的軽いと判断する。
(2)負荷状態判定部10は、コンプレッサ9の再起動時間間隔が長い寝込み状態(t>γ)のときは、コンプレッサ9の再起動時間間隔が一定時間以上であって、通常より起動時の負荷が重いと判断する。
ここで、コンプレッサ9の起動直前の各種状態の判断は、冷媒温度Taの推定値のみ、又は、再起動時間間隔の測定値のみで行うこともできるが、冷媒温度の推定値と再起動時間間隔の測定値を複合した状態で行うこともできる。
(起動設定内容の決定)
次に、起動制御量演算部18は、前記した負荷状態判定部10によるコンプレッサ9の負荷状態の判断結果を用いて、コンプレッサ9の起動設定内容(すなわち、起動制御量の設定内容)を決定する。このとき、コンプレッサ9の負荷状態の判断結果から可変させる起動設定内容(起動制御量の設定内容)は次の4種類とする。すなわち、起動設定内容は、
(1)起動電流、(2)V/f制御の最大回転速度、(3)V/f制御の回転速度加速レート、(4)V/f制御の最大回転速度保持時間、
の4種類である。
なお、(1)の起動電流はコンプレッサ9の回転トルクに影響する。(2)のV/f制御の最大回転速度は制御の切り替え時に影響する。(3)のV/f制御の回転速度加速レートはV/f制御時におけるモータ7の追従性に影響する。(4)のV/f制御の最大回転速度保持時間はV/f制御時の安定性及び制御の切り替え時に影響する。したがって、起動制御量演算部18は、コンプレッサ9の負荷状態(冷媒温度、又は再起動時間間隔)の判断結果から、それぞれ次のような内容の起動制御量の設定を行う。
(1)冷媒温度のみの判断で起動制御量の設定を行う場合、
a.起動制御量演算部18は、冷媒温度が通常状態(α≦T≦β)のとき、通常の起動制御量の設定を行う。
b.起動制御量演算部18は、冷媒温度が低温状態(T<α)、又は高温状態(β<T)のとき、次のような4つの起動制御量の設定を行う。すなわち、起動制御量演算部18は、
1.モータ7の起動電流を増加させる。
2.V/f制御の最大回転速度を増加させる。
3.V/f制御の回転速度加速レートを減少させる。
4.V/f制御の最大回転速度保持時間を増加させる。
なお、これらの4つの起動制御量の設定内容は1つ以上が設定される。また、上記の4つの起動制御量を設定するときの条件は、モータ7の特性や負荷の状況によって適宜決定される。さらに、上記4つの起動制御量の設定内容の各設定値は、冷媒温度が低温状態(T<α)のときと高温状態(β<T)のときとで別々の値にしてもよい。
(2)再起動時間間隔のみの判断で起動制御量の設定を行う場合
a.起動制御量演算部18は、再起動時間間隔が通常状態(t≦γ)のとき、通常の起動制御量を設定する。
b.起動制御量演算部18は、再起動時間間隔が長い寝込み状態(t>γ)のとき、次のような4つの起動制御量を設定する。すなわち、起動制御量演算部18は、
1.モータ7の起動電流を増加させる。
2.V/f制御の最大回転速度を増加させる。
3.V/f制御の回転速度加速レートを減少させる。
4.V/f制御の最大回転速度保持時間を増加させる。
なお、起動制御量演算部18は、これらの4つの起動制御量の1つ以上を設定する。また、上記の4つの起動制御量を設定するときの条件は、モータ7の特性や負荷の状況によって適宜決定する。
(3)冷媒温度と再起動時間間隔との複合によって起動制御量の設定を行う場合、
a.起動制御量演算部18は、冷媒温度が通常状態(α≦T≦β)であって、かつ再起動時間間隔が通常状態(t≦γ)のとき、通常の起動制御量を設定する。
b.起動制御量演算部18は、冷媒温度が低温状態(T<α)又は高温状態(β<T)のとき、あるいは再起動時間間隔が寝込み状態(t>γ)のとき、すなわち、冷媒温度か再起動時間間隔の何れかが通常状態でないときは、次のような4つの起動制御量を設定する。
1.モータ7の起動電流を増加させる。
2.V/f制御の最大回転速度を増加させる。
3.V/f制御の回転速度加速レートを減少させる。
4.V/f制御の最大回転速度保持時間を増加させる。
なお、これらの4つの設定内容は1つ以上が実施される。また、上記の4つの起動制御量の変更条件は、モータ7の特性や負荷の状況によって適宜決定される。さらに、上記4つの起動制御量の各設定値は、冷媒温度と再起動時間間隔とのそれぞれの判定結果の状態により、別々の値にしてもよい。
すなわち、起動制御量演算部18は、冷媒温度推定部12が推定したコンプレッサ9の冷媒温度の判定結果、タイマ11がカウントしたコンプレッサ9の再起動時間間隔の判定結果、及び冷媒温度と再起動時間間隔とを複合した判定結果の何れか一つの判定結果に基づいて、モータ7を起動するときの起動制御量を設定する。そして、マイコン17は、モータ7(すなわち、コンプレッサ9)の起動制御を最適に行う。
具体的には、何れかの前記判定結果から得られたV/f制御の最大回転速度指令、及びV/f制御の回転速度加速レート指令が、マイコン17の電圧指令演算部17cに入力される。
これによって、V/f制御部19bは、電流制御部17bに入力された起動電流指令及び電流検出部17a1からの相電流情報と、電圧指令演算部17cに入力された最大回転速度指令、及び回転速度加速レート指令とに基づいて、V/f制御された電圧指令値を生成する。PWM制御部17dは、電圧指令演算部17c(V/f制御部19b)が生成した電圧指令値に基づいて、PWM信号を生成し、モータ7の起動時においてIPM5の三相インバータをPWM制御する。その結果、コンプレッサ9の起動時において、最適な起動制御量によりモータ7の起動電流を滑らかにして起動動作を行うことができる。
図4は、図1に示す空気調和機1aにおけるモータ7の起動からベクトル制御に至るまでの相電流波形である。図4の横軸は、時間(3sec/div)を示し、縦軸は電流(5A/div)を示している。すなわち、空気調和機1aは、時刻t0で起動してから起動電流が所定のレベルまで到達する時刻t1までの間にモータ7の回転子の位置決めを行う。そして、空気調和機1aは、時刻t1以降にオープンループによるV/f制御を行う。ここで、時刻t1から時刻t2までの期間は、モータ7の回転速度が加速する加速期間であり、時刻t2から時刻t3までは最大回転速度による一定速度期間である。次に、空気調和機1aは、時刻t3以降に通常のベクトル制御を行う。
ここで、本実施形態の空気調和機1aは、時刻t0の起動時から時刻t3のV/f制御終了までの期間において、前記したコンプレッサ9の各種状態(冷媒温度及び再起動時間間隔)から起動制御量(起動電流、V/f制御の最大回転速度、V/f制御の回転速度加速レート、及びV/f制御の最大回転速度保持時間)を設定して最適な起動制御を行っている。
起動制御量演算部18は、モータ7の起動電流の起動制御量が、冷媒温度Tが通常状態(α≦T≦β)であって、かつ再起動時間間隔tが通常状態(t≦γ)のときに、通常電流(例えば、4A)により起動制御量の設定を行う。しかし、冷媒温度Tが通常状態(α≦T≦β)であっても再起動時間間隔tが寝込み状態(t>γ)のとき、及び再起動時間間隔tが通常状態(t≦γ)であるか寝込み状態(t>γ)であるかに関わらず冷媒温度Tが低温状態(T<α)又は高温状態(β<T)のときは、起動電流を高め(例えば、8A)にするように起動制御量を設定する。
起動制御量演算部18は、V/f制御の最大回転速度の起動制御量が、冷媒温度Tが通常状態(α≦T≦β)であって、かつ再起動時間間隔tが通常状態(t≦γ)のときは、通常の最大回転速度(例えば、7rps)を設定する。また、最大回転速度(起動制御量)は、冷媒温度Tが通常状態(α≦T≦β)であっても再起動時間間隔tが寝込み状態(t>γ)のとき、及び冷媒温度Tが低温状態(T<α)又は高温状態(β<T)のときは、通常の最大回転速度より高め(例えば、7rps超)に設定する。
起動制御量演算部18は、V/f制御の回転速度加速レートの起動制御量が、冷媒温度Tが通常状態(α≦T≦β)であって、かつ再起動時間間隔tが通常状態(t≦γ)のときは、通常の加速レート(例えば、1.5rps/sec)を設定する。また、回転速度加速レート(起動制御量)は、冷媒温度Tが通常状態(α≦T≦β)であっても再起動時間間隔tが寝込み状態(t>γ)のとき、及び冷媒温度Tが低温状態(T<α)又は高温状態(β<T)のときは、通常の加速レートより低め(例えば、1.5rps/sec以下)に設定する。
起動制御量演算部18は、V/f制御の最大回転速度保持時間の起動制御量が、冷媒温度が通常状態(α≦T≦β)であって、かつ再起動時間間隔が通常状態(t≦γ)のときは、通常の最大回転速度保持時間(例えば、1.0sec)を設定する。また、最大回転速度保持時間(起動制御量)は、冷媒温度が通常状態(α≦T≦β)であっても再起動時間間隔tが寝込み状態(t>γ)のとき、及び冷媒温度が低温状態(T<α)又は高温状態(β<T)のときは、通常の最大回転速度保持時間より長め(例えば、1.0sec以上)に設定する。
図5は、コンプレッサ制御装置(マイコン17)におけるモータ7の各種状態ごとの起動制御量の設定内容を示すテーブルである。図5(a)は、起動制御量の設定内容(起動設定内容)を示し、図5(b)は各種状態を示す。すなわち、図5(b)に示す各種状態は設定条件の設定内容を示し、条件1として冷媒温度T(℃)が低温(T<α)、通常(α≦T≦β)、及び高温(β<T)のときの設定内容を示している。また、条件2としてコンプレッサの再起動時間間隔が通常(t≦γ)又は寝込み(t>γ)のときの設定内容を示している。
また、図5(a)に示す起動制御量の設定内容(起動設定内容)は、同図(b)に示す条件1と条件2との設定条件ごとの起動設定内容(起動電流、V/f制御の最大回転速度、V/f制御の回転速度加速レート、及びV/f制御の最大回転速度保持時間)を示している。すなわち、冷媒温度T(℃)が通常(α≦T≦β)であり(条件1)、且つ再起動時間間隔tが通常(t≦γ)のとき(条件2)は、全ての起動設定内容は設定Aとしている。また、冷媒温度T(℃)が通常(α≦T≦β)であり(条件1)、且つ再起動時間間隔tが寝込み(t>γ)のとき(条件2)は、全ての起動設定内容は設定Bとしている。
冷媒温度T(℃)が低温(T<α)であり(条件1)、且つ再起動時間間隔tが通常(t≦γ)のときは、全ての起動設定内容は設定Cとしている。冷媒温度T(℃)が低温(T<α)であり(条件1)、且つ再起動時間間隔tが寝込み(t>γ)のとき(条件2)は、全ての起動設定内容は設定Dとしている。冷媒温度T(℃)が高温(β<T)であり(条件1)、且つ再起動時間間隔tが通常(t≦γ)のとき(条件2)は、全ての起動設定内容は設定Eとしている。冷媒温度T(℃)が高温(β<T)であり(条件1)、且つ再起動時間間隔tが寝込み(t>γ)のとき(条件2)は、全ての起動設定内容は設定Fとしている。なお、図5に示すテーブルの具体的な用途は、後記するフローチャートで詳細に説明する。
図6は、起動時にV/f制御を行う一般的な空気調和機における、モータ7の起動からフィードバック制御(ベクトル制御)に至るまでの起動処理シーケンスを示すフローチャートである。以下、図4に示す相電流波形を参照しながら図6のフローチャートの流れを説明する。
図6において、位置決め制御部19aは、モータ7の位置決め処理を開始する(ステップS1)。そして、起動制御量演算部18は、モータ7の起動電流が規定電流に到達したか否かの判定を行う(ステップS2)。ここで、モータ7の起動電流が未だ規定電流に到達していなければ(ステップS2でFalse)、起動制御量演算部18は、モータ7の起動電流を増加(up)させる(ステップS3)。
やがて、モータの起動電流が規定電流まで到達したら(ステップS2でTrue)、V/f制御部19bは、V/f制御の処理を開始する(ステップS4)。これによって、モータ7の回転が加速するので、電圧指令演算部17cは、モータ7が規定の回転速度(回転数)(V/f制御の最大回転速度)に到達したか否かの判定を行う(ステップS5)。未だ、モータ7の回転速度が規定の回転速度(V/f制御の最大回転速度)に到達していなければ(ステップS5でFalse)、V/f制御部19bは、モータ7の回転速度を上昇(up)させる(ステップS6)。
やがて、モータ7の回転速度が規定の回転速度(V/f制御の最大回転速度)に到達したら(ステップS5でTrue)、V/f制御部19bは、V/f制御の最大回転速度が規定時間(一定期間)経過したか否かの判定を行う(ステップS7)。ここで、V/f制御の最大回転速度が規定時間経過していなければ(ステップS7でFalse)、V/f制御部19bは、規定の時間が経過するまで待つが、V/f制御の最大回転速度が規定時間経過すれば(ステップS7でTrue )、ベクトル制御部19cは、ベクトル制御(フィードバック制御)に移行して(ステップS8)、処理を終了する。
なお、これらの処理において、規定電流(起動電流)、規定回転速度(V/f制御の最大回転速度)、及び回転速度の上昇率(V/f制御の回転速度加速レート)は、それぞれ、あらかじめ試験上で決めた固定値である。
図7は、起動時にV/f制御を行う本発明の実施形態に係る空気調和機1aにおける、モータ7の起動からフィードバック制御に至るまでの起動処理シーケンスを示すフローチャートである。図7に示すフローチャートは、図6に示すフローチャートに対して、前記した各種状態(冷媒温度及び再起動時間間隔)からコンプレッサ9の起動制御量の設定を行うためのコンプレッサ起動状態の判定処理(コンプ状態判定処理)(ステップS0)を追加したものである。したがって、図6のフローチャートと同じ処理であるステップS1からステップS8までの処理の説明は重複を避けるために省略する。
図7のフローチャートにおいては、規定電流(起動電流)、規定回転速度(V/f制御の最大回転速度)、及び回転速度の上昇率(V/f制御の回転速度加速レート)は、それぞれ、起動時におけるコンプレッサ9の負荷状態の判定処理(ステップS0)によって決定されたものである。なお、起動時におけるコンプレッサ9の負荷状態の判定処理を行うステップS0については、図8のフローチャートで詳細に説明する。
図8は、図7に示すコンプレッサ9の負荷状態の判定処理(ステップS0)の詳細な流れを示すフローチャートである。図8において、負荷状態判定部10がコンプレッサ状態の判定処理を開始すると(ステップS0)、冷媒温度推定部12は、モータ巻線に判定用通電を行い(ステップS11)、冷媒温度推定部12は、図3に示すブロック図を用いてモータ7の巻線抵抗値の推定処理を行う(ステップS12)。冷媒温度推定部12は、モータ7の巻線抵抗値から前記した式(1)を用いて冷媒温度を算出する(ステップS13)。
そして、負荷状態判定部10は、算出された冷媒温度Tが低い方の設定温度である規定温度1(α)以上であるか否かを判定する(ステップS14)。ここで、冷媒温度Tが規定温度1(α)以上でなければ(ステップS14でFalse)、負荷状態判定部10は、再起動時間間隔tが規定時間(γ)を経過したか否かを判定する(ステップS15)。そして、再起動時間間隔tが規定時間(γ)を経過していなければ(ステップS15でFalse)、図5(a)のテーブルに基づいて、冷媒温度T(℃)が低温(T<α)であり(条件1)、且つ再起動時間間隔tが通常(t≦γ)であるので(条件2)、負荷状態判定部10は、全ての起動設定内容(起動電流、V/f制御の最大回転速度、V/f制御の回転速度加速レート、及びV/f制御の最大回転速度保持時間)を設定Cにする(ステップS16)。
一方、ステップS15で再起動時間間隔tが規定時間(γ)を経過していれば(ステップS15でTrue)、条件1の冷媒温度T(℃)が低温(T<α)で条件2の再起動時間間隔tが寝込み(t>γ)であるので、負荷状態判定部10は、全ての起動設定内容(起動電流、V/f制御の最大回転速度、V/f制御の回転速度加速レート、及びV/f制御の最大回転速度保持時間)を設定Dにする(ステップS17)。
また、ステップS14で冷媒温度Tが低い方の設定温度である規定温度1(α)以上であれば(ステップS14でTrue)、負荷状態判定部10は、その冷媒温度Tが高い方の設定温度である規定温度2(β)以上であるか否かを判定する(ステップS18)。ここで、冷媒温度Tが規定温度2(β)以上でなければ(ステップS18でFalse)、負荷状態判定部10は、再起動時間間隔tが規定時間(γ)を経過したか否かを判定する(ステップS19)。
そして、再起動時間間隔tが規定時間(γ)を経過していなければ(ステップS19でFalse)、図5(a)のテーブルにしたがって、冷媒温度T(℃)が通常(α≦T≦β)であり(条件1)、且つ再起動時間間隔tが通常(t≦γ)であるので(条件2)、負荷状態判定部10は、全ての起動設定内容(起動電流、V/f制御の最大回転速度、V/f制御の回転速度加速レート、及びV/f制御の最大回転速度保持時間)を設定Aにする(ステップS20)。
一方、ステップS19で再起動時間間隔が規定時間(γ)を経過していれば(ステップS19でTrue)、図5(a)のテーブルにしたがえば、冷媒温度(℃)が通常(α≦T≦β)であり(条件1)、且つ再起動時間間隔tが寝込み(t>γ)であるので(条件2)、負荷状態判定部10は、全ての起動設定内容(起動電流、V/f制御の最大回転速度、V/f制御の回転速度加速レート、及びV/f制御の最大回転速度保持時間)を設定Bにする(ステップS21)。
また、ステップS18で冷媒温度Tが高い方の設定温度である規定温度2(β)以上であれば(ステップS18でTrue)、再起動時間間隔tが規定時間(γ)を経過したか否かが判定される(ステップS22)。ここで、再起動時間間隔tが規定時間(γ)を経過していなければ(ステップS22でFalse)、図5(a)のテーブルにしたがえば、冷媒温度(℃)が高温(β<T)であり(条件1)、且つ、再起動時間間隔が通常(t≦γ)であるので(条件2)、負荷状態判定部10は、全ての起動設定内容(起動電流、V/f制御の最大回転速度、V/f制御の回転速度加速レート、及びV/f制御の最大回転速度保持時間)を設定Eにする(S23)。
一方、ステップS22で再起動時間間隔が規定時間(γ)を経過していれば(ステップS22でTrue)、図5(a)のテーブルに基づいて、冷媒温度(℃)が高温(β<T)であり(条件1),且つ再起動時間間隔が寝込み(t>γ)であるので(条件2)、全ての起動設定内容(起動電流、V/f制御の最大回転速度、V/f制御の回転速度加速レート、及びV/f制御の最大回転速度保持時間)を設定Fにする(S24)。
このようにして、コンプレッサ9の各種状態(冷媒温度及び再起動時間間隔)を通常温度状態、低温状態、高温状態、通常時間間隔状態、及び寝込み状態に区分して、起動設定内容(起動電流、最大回転速度、回転速度加速レート、及び最大回転速度保持時間)をそれぞれ最適に設定している。具体的には、冷媒温度Tが通常温度状態であって、かつ再起動時間間隔tが通常時間間隔状態のときのみ、それぞれの起動設定内容を通常の起動制御量に設定している。それ以外の状態のときは、起動電流を増加、最大回転速度を増加、回転速度加速レートを減少、及び最大回転速度保持時間を長めに、それぞれ設定している。これらの起動制御量の設定は、全てを同時に行ってもよいし、モータ7の特性や負荷条件によって一つ以上を実施してもよい。
《第2実施形態》
前記した第1実施形態は、図1に示すように、相電流検出センサであるCTセンサ15v、15wの検出電流に基づいて相電流を検出して、IPM5の三相インバータをPMW制御してモータ7を駆動制御する構成である。第2実施形態では、CTセンサ15v、15wを用いないで、入力側のシャント抵抗が検出した直流電流の瞬時値を検出することによって相電流を推定する構成である。
具体的には、図10に示される電流検出部17a2は、電圧指令演算部17cが演算する電圧指令値とPWM制御部17dの内部で生成される三角波のキャリア信号とを比較することにより得られるPWMスイッチングパターンに基づいて、シャント抵抗が検出した直流バス電流の値が、何れの相に流れる電流値であるかを特定することにより、相電流を推定(復元)する。
このような構成においても、前記した第1実施形態と同様に、コンプレッサの各種状態(冷媒温度T、及び再起動時間間隔t)から該コンプレッサの負荷状態を推定し、その負荷状態に応じて最適な起動制御量(起動電流、最大回転速度、回転速度加速レート、及び最大回転速度保持時間)を設定してコンプレッサの起動制御を行うことができる。
図9は、本発明の第2実施形態に係るコンプレッサ制御装置であって、入力電流検出センサを備え、起動時にV/f制御を行い、定常時にベクトル制御を行う場合の回路構成図である。ここでは、図9に示すコンプレッサ制御装置1bが図1に示すコンプレッサ制御装置1aと異なる部分のみについて説明する。図9の空気調和機1bは、図1に示す空気調和機1aからCTセンサ15v、15wを削除し、代わりに、入力側のシャント抵抗13bが過電流検出と相電流検出とを兼用するように構成されている。これにより、マイコン17Bの電流検出部17a2が相電流の値を認識し、CTセンサ15v、15wを用いた場合と同様にIPM5の三相インバータをPMW制御してモータ7を駆動制御することができる。
この場合においても、空気調和機1bは、マイコン17B(図10)の電流制御部17b及び電圧指令演算部17cが、それぞれ、モータ7の起動電流指令値、及び最大回転速度指令値と回転速度加速レート指令値を入力することにより、PWM制御部17dがIPM5の三相インバータをPMW駆動してモータ7の起動制御を行うように構成されている。このような起動制御については前記した第1実施形態と同じであるので、重複する説明は省略する。
以上、本発明に係る空気調和機、及びコンプレッサ制御装置の実施形態について具体的に説明したが、本発明は前記した各実施形態の内容に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能であることは言うまでもない。また、本発明によれば、空気調和機、及びコンプレッサ制御装置の起動制御を最適に行うことができるので、ヒートポンプ、温水暖房装置などに有効に利用することができる。
1a、1b 空気調和機
3 DC電源装置
5 IPM(Intelligent Power Module)
7 モータ
9 コンプレッサ
10 負荷状態判定部
11 タイマ(計時手段)
12 冷媒温度推定部
13a、13b シャント抵抗
15v、15w CTセンサ
16 誘起電圧検出部(回転子位置検出部)
17、17B マイコン(コンプレッサ制御装置、制御部)
17a1、17a2 電流検出部
17b 電流制御部
17c 電圧指令演算部
17d PWM制御部
18 起動制御量演算部
19a 位置決め制御部
19b V/f制御部
19c ベクトル制御部

Claims (6)

  1. モータがコンプレッサを回転させる空気調和機であって、
    前記コンプレッサの冷媒温度と前記コンプレッサの再起動時間間隔との少なくとも一つの情報に基づいて起動制御量を決定し、決定された起動制御量を用いて前記モータを起動制御するコンプレッサ制御装置を備え、
    前記起動制御量は、前記モータを起動するときの起動電流、前記モータの起動時における前記コンプレッサの最大回転速度、前記モータの起動時における前記コンプレッサの回転速度加速レート、及び前記モータの起動時における前記コンプレッサの最大回転速度保持時間であり、
    前記コンプレッサ制御装置は、
    モータ回転速度が前記コンプレッサの最大回転速度に到達するまで前記回転速度加速レートで増加させた駆動周波数で、前記起動電流を維持しつつ前記モータをV/f制御し、さらに、前記コンプレッサの最大回転速度保持時間が到達するまで、前記最大回転速度の駆動周波数で前記モータをV/f制御する
    ことを特徴とする空気調和機。
  2. 前記モータに流れる相電流を検出する電流センサと前記モータを駆動するインバータとをさらに備え、
    前記コンプレッサ制御装置は、
    前記起動電流の値と前記最大回転速度の設定値と前記回転速度加速レートの設定値を用いて、前記V/f制御された電圧指令情報を出力する電圧指令演算部と、
    前記電圧指令情報に基づいてPWM信号を生成し、前記インバータをPWM制御するPWM制御部と
    を備えることを特徴とする請求項に記載の空気調和機。
  3. 前記冷媒温度が第1の温度閾値以上であって前記第1の温度閾値より高い第2の温度閾値以下である通常温度状態であり、かつ、前記再起動時間間隔が所定の時間間隔以下である通常時間間隔状態である場合は、前記起動電流、前記最大回転速度、前記回転速度加速レート、及び前記最大回転速度保持時間として、通常の起動制御量の値が前記電圧指令演算部に入力されることを特徴とする請求項に記載の空気調和機。
  4. 前記冷媒温度が第1の温度閾値より低い低温状態の場合、前記冷媒温度が第2の温度閾値より高い高温状態の場合、及び前記再起動時間間隔が所定の時間間隔を超過した寝込み状態の場合の何れか又はこれらが複合された場合は、前記起動電流の増加、前記最大回転速度の増加、前記回転速度加速レートの減少、及び前記最大回転速度保持時間の増加、の少なくとも一つが変更された起動制御量が前記電圧指令演算部に入力されることを特徴とする請求項に記載の空気調和機。
  5. 前記モータに巻回された巻線の抵抗値に基づいて前記コンプレッサの冷媒温度を推定する冷媒温度推定部をさらに備えたことを特徴とする請求項1乃至請求項の何れか1項に記載の空気調和機。
  6. モータを介してコンプレッサを制御するコンプレッサ制御装置であって、
    前記コンプレッサの冷媒温度と前記コンプレッサの再起動時間間隔との少なくとも一つの情報に基づいて起動制御量を決定し、決定された起動制御量を用いて前記モータを起動制御するものであり、
    前記起動制御量は、前記モータを起動するときの起動電流、前記モータの起動時における前記コンプレッサの最大回転速度、前記モータの起動時における前記コンプレッサの回転速度加速レート、及び前記モータの起動時における前記コンプレッサの最大回転速度保持時間であり、
    モータ回転速度が前記コンプレッサの最大回転速度に到達するまで前記回転速度加速レートで増加させた駆動周波数で、前記起動電流を維持しつつ前記モータをV/f制御し、さらに、前記コンプレッサの最大回転速度保持時間が到達するまで、前記最大回転速度の駆動周波数で前記モータをV/f制御する
    ことを特徴とするコンプレッサ制御装置。
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