JP2008157182A - 圧縮機の駆動制御装置及びその方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】起動時における圧縮機の駆動を安定させることのできる圧縮機の駆動制御装置及びその方法を提供することを目的とする。
【解決手段】直流電力を3相交流電力に変換し、該3相交流電力を圧縮機のモータに供給する圧縮機の駆動制御装置であって、モータの運転制御モードとして、起動時に実施されるロータの回転数を安定させるための同期運転モードと、ロータ回転数が規定回転数に到達した後に実施される通常運転モードとを有し、同期運転モードにおいて、圧縮機の低圧側圧力または環境温度に応じて起動電流値を決定し、この起動電流値の電流がモータに流れるように電流制御を行う圧縮機の駆動制御装置を提供する。
【選択図】図2
【解決手段】直流電力を3相交流電力に変換し、該3相交流電力を圧縮機のモータに供給する圧縮機の駆動制御装置であって、モータの運転制御モードとして、起動時に実施されるロータの回転数を安定させるための同期運転モードと、ロータ回転数が規定回転数に到達した後に実施される通常運転モードとを有し、同期運転モードにおいて、圧縮機の低圧側圧力または環境温度に応じて起動電流値を決定し、この起動電流値の電流がモータに流れるように電流制御を行う圧縮機の駆動制御装置を提供する。
【選択図】図2
Description
本発明は、圧縮機の起動制御に係り、特に、空気調和機に用いられる圧縮機の起動時における電流制御を好適に行う圧縮機の駆動制御装置およびその方法に関するものである。
従来、空気調和機に用いられる圧縮機では、起動時において、同期運転制御並びにV/F制御を行っている。
例えば、特許文献1には、起動時における冷媒の温度を検出し、この温度条件に応じて圧縮機のモータに流すことのできる電流の最大値を決定し、この最大値以下の電流をモータに流すようにモータ電圧を制御することが開示されている。
特開平11−62943号公報
例えば、特許文献1には、起動時における冷媒の温度を検出し、この温度条件に応じて圧縮機のモータに流すことのできる電流の最大値を決定し、この最大値以下の電流をモータに流すようにモータ電圧を制御することが開示されている。
しかしながら、上記特許文献1の発明では、電圧を制御することにより、電流を間接的に制御していることから、電流制御の精度が低下し、起動時における圧縮機の駆動が不安定になるおそれがあった。
本発明は、上記問題を解決するためになされたもので、起動時における圧縮機の駆動を安定させることのできる圧縮機の駆動制御装置及びその方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は以下の手段を採用する。
本発明は、直流電力を3相交流電力に変換し、該3相交流電力を圧縮機のモータに供給する圧縮機の駆動制御装置であって、前記モータの運転制御モードとして、起動時に実施されるロータの回転数を安定させるための同期運転モードと、ロータ回転数が規定回転数に到達した後に実施される通常運転モードとを有し、前記同期運転モードにおいて、前記圧縮機の低圧側圧力または環境温度に応じて起動電流値を決定し、この起動電流値の電流が前記モータに流れるように電流制御を行う圧縮機の駆動制御装置を提供する。
本発明は、直流電力を3相交流電力に変換し、該3相交流電力を圧縮機のモータに供給する圧縮機の駆動制御装置であって、前記モータの運転制御モードとして、起動時に実施されるロータの回転数を安定させるための同期運転モードと、ロータ回転数が規定回転数に到達した後に実施される通常運転モードとを有し、前記同期運転モードにおいて、前記圧縮機の低圧側圧力または環境温度に応じて起動電流値を決定し、この起動電流値の電流が前記モータに流れるように電流制御を行う圧縮機の駆動制御装置を提供する。
このような構成によれば、起動時に実施される同期運転モードにおいて、負荷トルクを推定することが可能な要素である、圧縮機の低圧側圧力または環境温度に応じて起動電流値を決定するので、圧縮機の状態、例えば、負荷トルクに適した電流によって同期運転制御を行うことが可能となる。これにより、トルク不足や過電流を解消することが可能となる。更に、電流を直接的に制御するので、電流制御の精度低下を解消し、起動時における圧縮機の駆動を安定させることが可能となる。
上記圧縮機の駆動装置において、前記同期運転モードでは、前記起動電流値のピーク値が一定となるように電流制御を行うこととしてもよい。
このように、同期運転モード時において起動電流のピーク値を一定とするように電流制御することで、圧縮機始動時のトルク変動による電流の急激な変動を防止することができる。更に、ピーク値を圧縮機始動時の状態から推定される必要出力トルクに応じて最適化することで、起動時の出力トルク不足によるインバータ推定位置とモータ位置とのずれ、つまり、脱調異常を回避することが可能となるとともに、過電流異常等を回避することが可能となる。
上記圧縮機の駆動制御装置において、前記同期運転モードに移行する前に、ロータの位置を初期位置に設定するための初期励磁モードによる運転を行うこととしてもよい。
また、前記初期励磁モードにおいては、上記初期位置設定とともに、欠相検出を行うこととしてもよい。
また、前記初期励磁モードにおいては、上記初期位置設定とともに、欠相検出を行うこととしてもよい。
このように、同期運転モードに先駆けて初期励磁モードによる運転を行い、更に、この実施期間において、ロータの初期位置設定に加えて、欠相検出を行うので、欠相検出のための期間を別途設ける必要がなくなり、起動に要する時間を短縮することが可能となる。
また、本発明の圧縮機の駆動制御装置は、例えば、空気調和機に用いられる圧縮機に利用されて好適なものである。この圧縮機の駆動制御装置を採用することにより、圧縮機の安定制御を実現することができる。
本発明は、直流電力を3相交流電力に変換し、該3相交流電力を圧縮機のモータに供給する圧縮機の駆動制御方法であって、前記モータの運転制御モードとして、起動時に実施されるロータの回転数を安定させるための同期運転モードと、ロータ回転数が規定回転数に到達した後に実施される通常運転モードとを有し、前記同期運転モードにおいて、前記圧縮機の低圧側圧力または環境温度に応じて起動電流値を決定し、この起動電流値の電流が前記モータに流れるように電流制御を行う圧縮機の駆動制御方法を提供する。
上記圧縮機の駆動制御方法において、前記同期運転モードでは、前記起動電流値のピーク値が一定となるように電流制御を行うこととしてもよい。
上記圧縮機の駆動制御方法において、前記同期運転モードに移行する前に、ロータの位置を初期位置に設定するための初期励磁モードによる運転を行うこととしてもよい。
また、前記初期励磁モードにおいては、上記初期位置設定と共に、欠相検出を行うこととしてもよい。
また、前記初期励磁モードにおいては、上記初期位置設定と共に、欠相検出を行うこととしてもよい。
本発明によれば、起動時における圧縮機の駆動を安定させることができるという効果を奏する。
更に、本発明を空気調和機(含むマルチタイプ)に適用した場合には、空気調和機起動時のスムーズな安定運転が可能となる。
また、同期運転モード時において、起動電流値を一定値に制御することで、圧縮機始動時のトルク変動による電流の急激な変動を防止することができる。さらに、一定値に制御している起動電流値を圧縮機始動時の状態から推定される必要出力トルクに応じて最適化することで、起動時の出力トルク不足によるインバータ推定位置とモータ位置のずれ、つまり脱調異常を回避することができるとともに、過電流異常等を回避することができるという効果を奏する。
また、圧縮機の吐出側圧力と吸入側圧力に差がある状態での起動では、差がない場合に比べて、必要出力トルクが大きくなる傾向にあるが、本発明の駆動制御方式を用いて最適化を行うことで、圧縮機の吐出側圧力と吸入側圧力に差がある状態での起動を可能にできる。
更に、本発明の圧縮機の駆動制御装置によれば、必要以上に大きな電流を流すことが無いので、インバータ駆動回路に使用しているパワートランジスタに必要以上の負担がかからず、パワートランジスタの経年劣化を防止できる。
更に、本発明を空気調和機(含むマルチタイプ)に適用した場合には、空気調和機起動時のスムーズな安定運転が可能となる。
また、同期運転モード時において、起動電流値を一定値に制御することで、圧縮機始動時のトルク変動による電流の急激な変動を防止することができる。さらに、一定値に制御している起動電流値を圧縮機始動時の状態から推定される必要出力トルクに応じて最適化することで、起動時の出力トルク不足によるインバータ推定位置とモータ位置のずれ、つまり脱調異常を回避することができるとともに、過電流異常等を回避することができるという効果を奏する。
また、圧縮機の吐出側圧力と吸入側圧力に差がある状態での起動では、差がない場合に比べて、必要出力トルクが大きくなる傾向にあるが、本発明の駆動制御方式を用いて最適化を行うことで、圧縮機の吐出側圧力と吸入側圧力に差がある状態での起動を可能にできる。
更に、本発明の圧縮機の駆動制御装置によれば、必要以上に大きな電流を流すことが無いので、インバータ駆動回路に使用しているパワートランジスタに必要以上の負担がかからず、パワートランジスタの経年劣化を防止できる。
以下に、本発明に係る圧縮機の駆動制御装置及びその方法の一実施形態について、図面を参照して説明する。なお、本実施形態に係る駆動制御装置及びその方法は、例えば、空気調和機が備える圧縮機の駆動制御に利用されて好適なものである。
図1は、本実施形態に係る圧縮機の駆動制御装置の概略構成を示したブロック図である。
図1に示すように、三相交流電源1から出力された3相交流電力は、整流回路2により直流電力に変換された後、インバータ3に入力される。インバータ3では、直流電力が3相交流電力に変換され、U相、V相、W相からなる3相の交流電力が圧縮機のモータ4に供給される。整流回路2とインバータ3との間には、平滑化用のコンデンサ5が並列に接続されている。
図1は、本実施形態に係る圧縮機の駆動制御装置の概略構成を示したブロック図である。
図1に示すように、三相交流電源1から出力された3相交流電力は、整流回路2により直流電力に変換された後、インバータ3に入力される。インバータ3では、直流電力が3相交流電力に変換され、U相、V相、W相からなる3相の交流電力が圧縮機のモータ4に供給される。整流回路2とインバータ3との間には、平滑化用のコンデンサ5が並列に接続されている。
上記インバータ3は、例えば、複数のスイッチング素子からなる3相ブリッジ回路を備えている(図3参照)。インバータ3とモータ4とを結ぶ3相の電力線のうち、2つの電力線には、電流センサ6,7が設けられている。本実施形態においては、U相の電力線に電流センサ6が、W相の電力線に電流センサ7が設けられている。これら電流センサ6,7の検出値はマイコン8に与えられる。
マイコン8は、電流センサ6,7からの検出値に基づいて、インバータ3が備える各種スイッチング素子のオンオフ駆動等を制御するとともに、モータの起動時において、後述する同期運転モードによる運転制御を行う。
具体的には、マイコン8は、図2に示すように、モータ4の起動時において、同期運転モードによる運転制御を行い、その後、通常運転モード(例えば、V/F制御、ベクトル制御等)を実施する。
同期運転モードでは、マイコン8は、空気調和機の冷媒回路において、圧縮機の低圧側に設けられた圧力センサ(図示略)からの検出値を入力情報として取得し、この入力値に基づいて同期運転モードにおける起動電流値を決定し、決定した値の電流がモータの各相に流れるように電流制御を行う。
具体的には、マイコン8は、図2に示すように、モータ4の起動時において、同期運転モードによる運転制御を行い、その後、通常運転モード(例えば、V/F制御、ベクトル制御等)を実施する。
同期運転モードでは、マイコン8は、空気調和機の冷媒回路において、圧縮機の低圧側に設けられた圧力センサ(図示略)からの検出値を入力情報として取得し、この入力値に基づいて同期運転モードにおける起動電流値を決定し、決定した値の電流がモータの各相に流れるように電流制御を行う。
図4に、圧縮機の低圧側圧力と起動電流値との関係を示す。図4において、横軸は圧縮機の低圧側圧力、縦軸は起動電流値を示している。また、関数F(x)は必要なトルクから決まる特性であり、これよりも下方の領域は起動不良領域となる。従って、このF(x)は、起動電流値の最小値の特性に相当する。また、値αは、過電流保護(カレントカット)から決まる値であり、これよりも上方の領域は起動不良領域となる。従って、この値αは、起動電流値の最大値に相当する。
以上のことから、マイコン8は、F(x)<起動電流値<αの関係を満たすように、起動電流値を決定する。
以上のことから、マイコン8は、F(x)<起動電流値<αの関係を満たすように、起動電流値を決定する。
なお、図4において、G(x)は、以下の(1)式に示すように、F(x)とαとにより求められる特性である。
G(x)=(F(x)+α)/2 (1)
G(x)=(F(x)+α)/2 (1)
以下、同期運転モードにおける起動電流値の決定手順について図5を参照して説明する。
まず、マイコン8は、圧縮機の低圧側圧力xが入力されると(ステップSA1)、この圧力xが予め設定されている閾値R未満であるか否かを判断する(ステップSA2)。この結果、圧力xが閾値R未満の場合には、起動電流値として予め設定されている値Iaを設定し(ステップSA3)、この起動電流値Iaにより同期運転モードを実施する(ステップSA5)。一方、ステップSA2において、圧力xが閾値R以上であった場合には、起動電流値として予め設定されている値Ibを設定し(ステップSA4)、この起動電流値Ibにより同期運転モードを実施する(ステップSA5)。
上記起動電流値Iaは、閾値R以下の領域において、F(x)により決まる最小起動電流Iminの特性よりも上方に位置し、且つ、G(x)よりも下方に位置する値に設定されている。また、上記起動電流値Ibは、閾値R以上の領域において、G(x)の特性よりも上方に位置し、且つ、カレントカットにより決まる最大起動電流Imax=αよりも下方に位置する値に設定されている。
まず、マイコン8は、圧縮機の低圧側圧力xが入力されると(ステップSA1)、この圧力xが予め設定されている閾値R未満であるか否かを判断する(ステップSA2)。この結果、圧力xが閾値R未満の場合には、起動電流値として予め設定されている値Iaを設定し(ステップSA3)、この起動電流値Iaにより同期運転モードを実施する(ステップSA5)。一方、ステップSA2において、圧力xが閾値R以上であった場合には、起動電流値として予め設定されている値Ibを設定し(ステップSA4)、この起動電流値Ibにより同期運転モードを実施する(ステップSA5)。
上記起動電流値Iaは、閾値R以下の領域において、F(x)により決まる最小起動電流Iminの特性よりも上方に位置し、且つ、G(x)よりも下方に位置する値に設定されている。また、上記起動電流値Ibは、閾値R以上の領域において、G(x)の特性よりも上方に位置し、且つ、カレントカットにより決まる最大起動電流Imax=αよりも下方に位置する値に設定されている。
そして、上述した起動電流値による同期運転モードを実施し、モータ4のロータの回転数が規定回転数に到達すると、マイコン8は、同期運転モードを終了し、通常運転モードに移行する。通常運転モードでは、例えば、V/F制御や、ベクトル制御等が行われる。
以上説明してきたように、本実施形態に係る圧縮機の駆動制御装置及びその方法によれば、圧縮機の低圧側圧力に応じて起動電流値を決定するので、圧縮機の運転状態に適した電流値により同期運転制御を行うことが可能となる。これにより、トルク不足や過電流を解消することが可能となる。更に、電流を直接的に制御するので、電流制御の精度低下を解消し、起動時における圧縮機の駆動を安定させることが可能となる。
なお、本実施形態においては、閾値を1つ設定していたが、閾値は複数設定されていてもよい。このとき、圧力xに対応して求められる起動電流値がG(x)の特性と同一或いはなるべく近傍に位置するように設定することが好ましい。このように、値を設定することにより、トルク不足と過電流とを確実に防止することが可能となる。
〔第2の実施形態〕
次に、本発明の第2の実施形態について、図6および図7を用いて説明する。
本実施形態の圧縮機の駆動制御装置及びその方法が第1の実施形態と異なる点は、閾値Rによって起動電流値を決めるのではなく、演算式により起動電流値を決定する点である。
以下、本実施形態の圧縮機の駆動制御装置について、第1の実施形態と共通する点については説明を省略し、主に、異なる点について説明する。
次に、本発明の第2の実施形態について、図6および図7を用いて説明する。
本実施形態の圧縮機の駆動制御装置及びその方法が第1の実施形態と異なる点は、閾値Rによって起動電流値を決めるのではなく、演算式により起動電流値を決定する点である。
以下、本実施形態の圧縮機の駆動制御装置について、第1の実施形態と共通する点については説明を省略し、主に、異なる点について説明する。
まず、同期運転モードにおいて、マイコン8は、圧縮機の低圧側圧力xを入力情報として取得すると(図6のステップSB1)、所定の演算式を用いて、この圧力xに対応する起動電流値Icを求める(ステップSB2)。具体的には、図7に示すように、まず、圧縮機の低圧側圧力xに対応する起動電流値の最小値Iminを特性F(x)から求め、この最小値Iminとカレントカットから決められる起動電流値の最大値Imax=αとを加算し、加算後の値を2で割ることにより、最終的な電流値Icを得る。なお、このときの電流値Icは、上述したG(x)(図4参照)の値である。
そして、マイコン8は、この電流値Icを起動電流値に設定し(図6のステップSB3)、この起動電流値により同期運転モードを実施する(ステップSB4)。
そして、上述した起動電流値Icによる同期運転モードを実施し、モータ4のロータの回転数が規定回転数に到達すると、マイコン8は、同期運転モードを終了し、通常運転モードに移行する。通常運転モードでは、例えば、V/F制御や、ベクトル制御等が行われる。
以上説明してきたように、本実施形態に係る圧縮機の駆動制御装置及びその方法によれば、細やかな起動電流値の設定が可能となるので、起動電流値として更に適切な値を設定することが可能となる。これにより、脱調や過電流等の不具合を確実に防止することが可能となる。
なお、本実施形態では、演算式により起動電流値Icを求めていたが、図8に示すように、起動電流値Icと圧縮機の低圧力側圧力xとを対応付けたテーブルを保有しており、このテーブルを用いて、圧縮機の低圧側圧力に対する起動電流値Icを直接的に求めることとしてもよい。
また、上述した演算式、つまりG(x)の関数式は一例であり、図4に示したF(x)とαとの間の範囲内となるような適切な関数式を採用することが可能である。
また、上述した演算式、つまりG(x)の関数式は一例であり、図4に示したF(x)とαとの間の範囲内となるような適切な関数式を採用することが可能である。
また、上述した各実施形態においては、圧縮機の低圧側圧力xに基づいて起動電流値Icを求めることとしたが、これに代えて、圧縮機の周辺温度、空気調和機の室外機周辺温度、空気調和機の環境温度等のいずれかに基づいて起動電流値Icを求めることとしてもよい。このように、圧縮機の低圧側圧力に限られず、起動電流値Icは、圧縮機の負荷トルクを推定することのできる要素に基づいて決めることが可能である。
〔第3の実施形態〕
次の本発明の第3の実施形態について、図9および図3を用いて説明する。
図9に示すように、本実施形態に係る圧縮機の駆動制御装置は、モータ4の起動時において、初期励磁モードによる運転制御を行った後に、上述した同期運転モードによる運転制御を行い、その後、通常運転モード(例えば、V/F制御、ベクトル制御等)を実施する。
上記初期励磁モードにおいては、直流電流を各相に流すことにより、モータ4のロータを初期位置に設定するとともに、このときの各相の電流を検出し、この電流に基づいて欠相を検出する。
例えば、初期励磁モードにおいては、図3に示すように、V相の電流IvおよびW相の電流IwがU相に流れ込むように、インバータ3内のスイッチング素子のオンオフを制御する。このとき、U相に流れる電流Iu,V相に流れる電流Iv,W相に流れる電流Iwの間には、以下の(2)式が成り立つ。
Iu=Iv+Iw (2)
次の本発明の第3の実施形態について、図9および図3を用いて説明する。
図9に示すように、本実施形態に係る圧縮機の駆動制御装置は、モータ4の起動時において、初期励磁モードによる運転制御を行った後に、上述した同期運転モードによる運転制御を行い、その後、通常運転モード(例えば、V/F制御、ベクトル制御等)を実施する。
上記初期励磁モードにおいては、直流電流を各相に流すことにより、モータ4のロータを初期位置に設定するとともに、このときの各相の電流を検出し、この電流に基づいて欠相を検出する。
例えば、初期励磁モードにおいては、図3に示すように、V相の電流IvおよびW相の電流IwがU相に流れ込むように、インバータ3内のスイッチング素子のオンオフを制御する。このとき、U相に流れる電流Iu,V相に流れる電流Iv,W相に流れる電流Iwの間には、以下の(2)式が成り立つ。
Iu=Iv+Iw (2)
上記(2)式が成立することにより、2つの相に流れる電流値を検出することにより、他の一つの相に流れる電流を演算により求めることができる。
また、図9に示すように、初期励磁期間において、各相に流れる電流の値は、電流ピーク値以下の範囲においてゼロから徐々に大きくなる。ここで、電流ピーク値とは、電動機4の通常運転時において、各相に流すことのできる最大電流値である。
そして、マイコン8は、初期励磁モードによる運転期間において、各相に流れる電流をモニタすることで、欠相検出を行うこととしている。例えば、センサ6,7により検出されるU相およびW相の電流値およびこれらセンサ検出値と上記(2)とから算出されるV相の電流値が基準値Ir(例えば、電流ピーク値に係数β(0<β<1)を乗じた値)以上であるか否かを検出し、この結果、いずれかの電流値が基準値Ir以下であると判定された時間が所定期間維持された場合に、欠相が生じていると判断する。
また、図9に示すように、初期励磁期間において、各相に流れる電流の値は、電流ピーク値以下の範囲においてゼロから徐々に大きくなる。ここで、電流ピーク値とは、電動機4の通常運転時において、各相に流すことのできる最大電流値である。
そして、マイコン8は、初期励磁モードによる運転期間において、各相に流れる電流をモニタすることで、欠相検出を行うこととしている。例えば、センサ6,7により検出されるU相およびW相の電流値およびこれらセンサ検出値と上記(2)とから算出されるV相の電流値が基準値Ir(例えば、電流ピーク値に係数β(0<β<1)を乗じた値)以上であるか否かを検出し、この結果、いずれかの電流値が基準値Ir以下であると判定された時間が所定期間維持された場合に、欠相が生じていると判断する。
以上説明してきたように、本実施形態に係る圧縮機の駆動制御装置によれば、初期励磁モードの実施期間において、ロータの初期位置設定に加えて、欠相検出についても行うので、欠相検出のための期間を別途設ける必要がなくなり、起動に要する時間を短縮することが可能となる。
また、早期に欠相検出を行うことができるため、空気調和機においては、インバータへの過電流異常による周辺機器の損傷等も防ぐことが可能となる。
また、早期に欠相検出を行うことができるため、空気調和機においては、インバータへの過電流異常による周辺機器の損傷等も防ぐことが可能となる。
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
1 三相交流電源
2 整流回路
3 インバータ
4 モータ
5 コンデンサ
6,7 電流センサ
8 マイコン
2 整流回路
3 インバータ
4 モータ
5 コンデンサ
6,7 電流センサ
8 マイコン
Claims (5)
- 直流電力を3相交流電力に変換し、該3相交流電力を圧縮機のモータに供給する圧縮機の駆動制御装置であって、
前記モータの運転制御モードとして、起動時に実施されるロータの回転数を安定させるための同期運転モードと、ロータ回転数が規定回転数に到達した後に実施される通常運転モードとを有し、
前記同期運転モードにおいて、前記圧縮機の低圧側圧力または環境温度に応じて起動電流値を決定し、この起動電流値の電流が前記モータに流れるように電流制御を行う圧縮機の駆動制御装置。 - 前記同期運転モードでは、前記起動電流値のピーク値が一定となるように電流制御を行う請求項1に記載の圧縮機の駆動制御装置。
- 請求項1または請求項2に記載の圧縮機の駆動制御装置を備える空気調和機。
- 直流電力を3相交流電力に変換し、該3相交流電力を圧縮機のモータに供給する圧縮機の駆動制御方法であって、
前記モータの運転制御モードとして、起動時に実施されるロータの回転数を安定させるための同期運転モードと、ロータ回転数が規定回転数に到達した後に実施される通常運転モードとを有し、
前記同期運転モードにおいて、前記圧縮機の低圧側圧力または環境温度に応じて起動電流値を決定し、この起動電流値の電流が前記モータに流れるように電流制御を行う圧縮機の駆動制御方法。 - 前記同期運転モードでは、前記起動電流値のピーク値が一定となるように電流制御を行う請求項4に記載の圧縮機の駆動制御方法。
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2006
- 2006-12-26 JP JP2006349605A patent/JP2008157182A/ja not_active Withdrawn
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