JP2012067692A - 往復動圧縮機 - Google Patents

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Abstract

【課題】ライダリングの長寿命化を図ることができる往復動圧縮機の提供。
【解決手段】シリンダ内を往復動するピストン32と、ピストン32の外周側かつ軸方向の一端側に設けられるピストンリング74と、ピストン32の外周側かつ軸方向の他端側に形成されるライダリング装着溝80と、ライダリング装着溝80に装着されるライダリング90と、を備え、ピストン32の他端側の、ライダリング90の端またはライダリング装着溝80の端に、ライダリング90の内周側と外周側とを連通する切欠部94が形成されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、往復動圧縮機に関する。
往復動圧縮機において、ピストンのライダリング装着溝にライダリングを装着したものがある(例えば、特許文献1参照)。
特開2008−88842号公報
ライダリング装着溝とライダリングとの間に圧縮流体が流入すると、その圧力でライダリングが拡径してシリンダへの接触面圧が高まり、摩耗が促進され、ライダリングの寿命が短くなってしまう可能性がある。
したがって、本発明は、ライダリングの長寿命化を図ることができる往復動圧縮機の提供を目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、シリンダ内を往復動するピストンと、該ピストンの外周側かつ軸方向の一端側に設けられるピストンリングと、前記ピストンの外周側かつ軸方向の前記ピストンリングより他端側に形成されるライダリング装着溝と、該ライダリング装着溝に装着されるライダリングと、を備え、前記ピストンの他端側の、前記ライダリングの端または前記ライダリング装着溝の端に、前記ライダリングの内周側と前記ピストンの前記ライダリングより他端の外周とを連通する切欠部が形成されている。
本発明によれば、ライダリングの長寿命化を図ることができる。
本発明の第1実施形態に係る往復動圧縮機の全体構成を示す断面図である。 本発明の第1実施形態に係る往復動圧縮機のピストン等を示す断面図である。 本発明の第1実施形態に係る往復動圧縮機のライダリングを示すもので、(a)は展開図、(b)は(a)のA−A断面図である。 本発明の第2実施形態に係る往復動圧縮機のピストン等を示す断面図である。 本発明の第2実施形態に係る往復動圧縮機のライダリングを示すもので、(a)は展開図、(b)は(a)のB−B断面図である。
本発明の第1実施形態に係る往復動圧縮機を図1〜図3を参照して以下に説明する。
第1実施形態の往復動圧縮機20は、例えば自動車等の車両に搭載されるエアサスペンションシステムに用いられてエアサスペンションに圧縮空気を供給する小型の空気圧縮機(ピストン直径が3センチ程度)もので、その下部においてモータケース21とクランクケース22とが連結されており、モータケース21内には出力軸23をクランクケース22側に突出させるようにモータ24が収納されている。
モータ24の出力軸23は、中間部がベアリング26を介してクランクケース22に回転可能に支持されており、クランクケース22内に突出するその先端部には軸直交方向に延出するクランク部材27が固定されている。このクランク部材27にはモータ24の出力軸23と平行にクランクピン28が支持されている。これにより、モータ24の出力軸23が回転するとクランク部材27を介してクランクピン28が出力軸23を中心に旋回することになる。その結果、これら出力軸23、クランク部材27およびクランクピン28がクランク軸29を構成することになり、このクランク軸29がクランクケース22に回転可能に設けられている。このように本実施の形態の空気圧縮機は、小型の圧縮機のため、モータ24の出力軸23の先端部にクランク部材27に接続するいわゆる直動の片持ちの構造が可能である。
クランクケース22には、シリンダ31が上側に搭載された状態で連結されており、シリンダ31の内側には、ピストン32が往復動可能に挿嵌されている。このピストン32にはピストンピン33を介して連接棒34の一端側が回転可能に連結されており、この連接棒34の他端側はベアリング35を介してクランク軸29のクランクピン28に回転可能に連結されている。これにより、モータ24の回転でクランクピン28が旋回すると連接棒34を介してピストン32がシリンダ31内で往復動する。つまり、ピストン32とクランク軸29との間に設けられた連接棒34は、クランク軸29の回転でピストン32を往復動させる。
シリンダ31には、シリンダヘッド37が上側に搭載された状態で連結されており、このシリンダヘッド37はシリンダ31とピストン32とで圧縮室38を画成する。シリンダヘッド37には、一端側が機外に臨む外気取入口40とされ他端側が圧縮室38に開口してこの圧縮室38に空気を吸い込む吸込口41とされた吸込通路42と、一端側が空気から水分を取り除くエアドライヤ43に接続される接続口44とされ、他端側が圧縮室38に開口してこの圧縮室38から空気を吐出させる吐出口45とされた吐出通路46とが形成されている。
シリンダヘッド37の圧縮室38側には、吸込口41を開閉する板状の吸込弁48が設けられており、吸込弁48は外気取入口40側から吸込口41側への空気の流れのみを許容するように開閉する。この吸込弁48は、圧縮室38の圧力が外気圧より所定量低くなると弾性変形して吸込口41を開く。
吐出通路46には、吐出口45を開閉させる吐出弁52が設けられており、吐出弁52は吐出口45側から接続口44側への空気の流れのみを許容するように開閉する。この吐出弁52は、吐出口45を開閉させる弁体53と、弁体53を吐出口45を閉塞する方向に付勢するスプリング54とを有しており、圧縮室38の圧力が接続口44側の圧力よりもスプリング54の付勢力分を越えて高くなると弁体53が移動して吐出口45を開く。
エアドライヤ43は、上記した接続口44に接続される通気口56と圧縮空気の供給先へ通じる通気口57とを有するドライヤケース58を備えており、ドライヤケース58には、通気口56側に通気性のある仕切板60が、通気口57側にも通気性のある仕切板61がそれぞれ嵌装されており、これら仕切板60と仕切板61とによって画成される吸着室62内に、球状のシリカゲル(水分吸着剤)63が多数充填されている。また、仕切板61とドライヤケース58との間には仕切板61を仕切板60の方向に押圧するスプリング64が介装されており、仕切板61が押圧されることで、仕切板60と仕切板61との間の吸着室62内は常にシリカゲル63が密に充填された状態となる。
図2に示すように、ピストン32は、略円筒状の筒状部70と、筒状部70の軸方向一端を閉塞する蓋部71とを有する有蓋筒状をなしており、その軸方向の一端側である蓋部71の外周側に、他の部分より小径の段差部72が形成されている。
ピストン32には、この段差部72にシリンダ31とピストン32との隙間をシールするピストンリング74が取り付けられている。このピストンリング74は、軸線方向に沿う円筒状の摺接シール部75と、摺接シール部75の一端側から径方向内側に突出する取付部76とを有しており、取付部76において段差部72に嵌合してピストン32に取り付けられ、摺接シール部75においてシリンダ31の内周面に摺接する。摺接シール部75の内側位置の段差部72には、ピストンリング74をピストン32に取り付けるリング部材77が嵌合されている。
また、ピストン32には、軸方向の他端側である筒状部70の外周側に、その軸方向両側よりも小径のライダリング装着溝80が全周にわたって形成されている。ライダリング装着溝80は、ピストン32の軸方向に沿う円筒状の溝底面81と、溝底面81の軸方向の蓋部71側からピストン32の軸直交方向に沿って径方向外側に延出する溝壁面82と、溝底面81の軸方向の蓋部71とは反対側からピストン32の軸直交方向に沿って径方向外側に延出する溝壁面83とからなっている。なお、上記したピストンピン33を挿通させるピストンピン穴85が、溝底面81の軸方向中間位置を径方向に貫通するように形成されている。
ピストン32には、このライダリング装着溝80に略円筒状のライダリング90が装着されている。このライダリング90は、図3(a)に展開図を示すように、円周方向に一カ所分断されており、円周方向の一端部が先細の凸部91とされ、円周方向の他端部が奥細の凹部92とされている。ライダリング90は、弾性変形により拡径されてライダリング装着溝80に装着されることになり、ライダリング装着溝80への装着状態では、円筒状に戻って凸部91が凹部92に当接する。また、ライダリング90は、この装着状態で、ライダリング装着溝80の両溝壁面82,83に軸方向の両端部が接触する。
そして、第1実施形態において、ライダリング90には、そのピストン32の蓋部71とは反対側(ピストンリング74が設けられる軸方向の一端側とは反対の他端側)の端縁部に、ライダリング90の内周側と外周側とを連通する切欠部94が形成されている。切欠部94は、ライダリング90の蓋部71とは反対側に抜け、ライダリング90を径方向に貫通しており、このような切欠部94が、ライダリング90に、周方向に複数等間隔で配されている。
このような構成の往復動圧縮機20のモータ24を起動すると、モータ24の出力軸23が回転し、クランク部材27を介してクランクピン28が旋回する。すると、連接棒34を介してピストン32がシリンダ31内で往復動して圧縮室38の容積を増減させることになり、圧縮室38の容積を増大させる際に吸込弁48を開いて吸込通路42を介して外気を圧縮室38に導入し、圧縮室38の容積を減少させる際に空気を圧縮しその圧力で吐出弁52を開いて吐出口45から吐出通路46を介して圧縮空気を吐出させる。
ここで、圧縮室38の圧力増大時に圧力室38の圧縮空気がピストンリング74から漏れ、ライダリング90とライダリング装着溝80との間に入り込んでしまうことがある。このとき、ライダリング90の凸部91と凹部92が密着してしまうと、この圧縮空気の圧力は、従来のライダリングの場合にはこれを拡径する方向に作用しライダリングを拡径させてしまうことがある。
これに対し、第1実施形態のライダリング90は、その内周側と外周側とを連通する切欠部94が圧力室38とは反対側に形成されているため、ライダリング90の内周部とライダリング装着溝80の溝底面81との間に入り込んだ圧縮空気がこれらの切欠部94を介して圧力室38とは反対のピストン32の外側に流れ、ライダリング90を拡径させてシリンダ31への接触面圧を高めてしまうことを防止または低減する。したがって、ライダリング90の摩耗を抑制でき、ライダリング90の長寿命化を図ることができる。
また、切欠部94が、ライダリング90の周方向に複数配されているため、ライダリング90の内周部とライダリング装着溝80の溝底面81との間に入り込んだ圧縮空気を確実に外側に流すことができる。したがって、ライダリング90の摩耗を一層抑制でき、ライダリング90の一層の長寿命化を図ることができる。
次に、第2実施形態に係る往復動圧縮機を主に図4および図5に基づいて第1実施形態との相違部分を中心に説明する。なお、第1実施形態と共通する部位については、同一称呼、同一の符号で表す。
第2実施形態においては、図4および図5に示すように、ライダリング90には、第1実施形態の切欠部94は形成されていない。これにかえて、図4に示すように、ピストン32のライダリング装着溝80の蓋部71とは反対側(ピストンリング74が設けられる軸方向の一端側とは反対の他端側)の端の溝壁面83に、溝壁面83から蓋部71とは反対側に凹んで、ライダリング90の内周側と外周側とを連通する切欠部100が形成されている。切欠部100は、ライダリング装着溝80の溝底面81と同じ深さであり、溝底面81の位置からピストン32の径方向の外方に抜けている。このような切欠部100が、ライダリング装着溝80に、周方向に複数等間隔で配されている。
このような構成の第2実施形態では、ライダリング装着溝80に、ライダリング90の内周側と外周側とを連通する切欠部100が圧力室38とは反対側に形成されているため、ライダリング90の内周部とライダリング装着溝80の溝底面81との間に入り込んだ圧縮空気がこれらの切欠部100を介して圧力室38とは反対のピストン32の外側に流れ、ライダリング90を拡径させてシリンダ31への接触面圧を高めてしまうことを防止または低減する。したがって、第1実施形態と同様、ライダリング90の摩耗を抑制でき、ライダリング90の長寿命化を図ることができる。
また、切欠部100が、ライダリング装着溝80の周方向に複数配されているため、ライダリング90の摩耗を一層抑制でき、ライダリング90の一層の長寿命化を図ることができる。
第1,第2実施形態においては、圧縮対象の流体を圧縮空気としたが、他の気体、水・油などの液体、その他の流体であってもよい。
31 シリンダ
32 ピストン
74 ピストンリング
80 ライダリング装着溝
90 ライダリング
94,100 切欠部

Claims (2)

  1. シリンダ内を往復動するピストンと、
    該ピストンの外周側かつ軸方向の一端側に設けられるピストンリングと、
    前記ピストンの外周側かつ軸方向の前記ピストンリングより他端側に形成されるライダリング装着溝と、
    該ライダリング装着溝に装着されるライダリングと、を備え、
    前記ピストンの他端側の、前記ライダリングの端または前記ライダリング装着溝の端に、前記ライダリングの内周側と前記ピストンの前記ライダリングより他端の外周とを連通する切欠部が形成されていることを特徴とする往復動圧縮機。
  2. 前記切欠部が、周方向に複数配されていることを特徴とする請求項1に記載の往復動圧縮機。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN104074706A (zh) * 2013-03-29 2014-10-01 日立汽车系统株式会社 往复运动压缩机
JP2017082676A (ja) * 2015-10-28 2017-05-18 株式会社タツノ 圧縮機

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