JP2012066648A - 車両用盗難監視装置、盗難車両監視システム - Google Patents

車両用盗難監視装置、盗難車両監視システム Download PDF

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Abstract

【課題】消費電力が過大にならないようにしつつ、盗難車両の監視に必要な情報を車外に通報すること。
【解決手段】車両の位置を検出する車両位置検出手段と、車外設備と通信を行う通信手段と、車両のエンジン停止時に車両位置検出手段を周期的に起動させて車両位置検出手段により検出された車両の位置を取得し、当該回に取得された車両の位置が前回に取得された車両の位置と比較して所定距離以上異なっている場合に、車外設備に所定の信号を送信するように通信手段を制御する制御手段と、を備え、制御手段は、当該車両用盗難監視装置に電力供給する蓄電手段が所定期間に放電した電流積算値を算出し、該所定期間における前記蓄電手段の電流積算値が大きくなる程所定距離が長くなるように所定距離を変更する車両用盗難監視装置。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両の駐車時に盗難が発生したか否かを監視し、盗難が発生したと判断した場合に車外に通報する車両用盗難監視装置、及びこれを一部に含む盗難車両監視システムに関する。
従来、車両が駐車された状態における位置の変化等を検出して、車両の盗難を監視する装置が知られている。この種の装置では、盗難を確実に検知できるように、また盗難が発生したと判断した際に確実に車外に通報できるように、十分な電力供給を確保する必要がある。従って、この種の装置では、無制限に電力を消費して監視動作や通報動作を行うのは好ましくない場合が多い。車両が駐車された状態では、バッテリ等の蓄電手段を充電する術がないからである。
特許文献1には、アクセサリー電源、イグニッション電源がオンされていない状態で車両の位置がずれていた場合に車両の盗難が発生したと判断し、ブザーやLED等による警告処理を実施したり、携帯電話無線機を用いて盗難されたことを示す信号を車外設備に送信する処理を行ったりする盗難防止装置について記載されている。
車両の位置は、GPS受信機や、INS(Inertial Navigation System)センサを構成するジャイロセンサやスピードパルス受信機(車輪速センサの受信機)等によって把握される。そして、この装置では、盗難検知手段としてのGPS受信機やジャイロセンサ、スピードパルス受信機には常時電源供給を行い、盗難警告手段・盗難通報手段としてのブザーやLED等・携帯電話無線機の少なくとも一方には盗難検知手段で盗難が検知されたときに電源供給を行うことにより、消費電力を低減している。
また、特許文献2には、盗難通報等に用いられる車載無線機の制御装置について記載されている。この装置では、エンジン停止中に車載無線機や車載無線機制御装置の消費電流積算値を計数する計数手段を備え、計数手段によって計数された消費電流積算値に応じて車載無線機の機能を段階的に制限するものとしている。
例えば、消費電流積算値が第一の値に達したときに車載無線機の第一の機能を作動停止させ、消費電流積算値が第一の値より大きい第二の値に達したときに第一の機能とは異なる車載無線機の第二の機能を作動停止させている。第一の機能や第二の機能の具体例として、第一の機能がユーザ利便性に関連する通信機能であり、第二の機能がセキュリティに関連する通信機能である場合や、第一の機能が車両遠隔操作のための情報送受信機能であり、第二の機能が盗難通報のための情報送信機能である場合等が例示されている。
また、特許文献3には、車のバッテリに接続されて駆動するカーナビケーションユニットについて記載されている。
このカーナビゲーションユニットでは、電源が遮断された時のカーナビゲーションユニットの位置と、電源の供給が開始した時のカーナビゲーションユニットの位置を比較し、電源が遮断された時のカーナビゲーションユニットの位置と電源の供給が開始された時のカーナビゲーションユニットの位置が所定の範囲以上離れている場合には、カーナビケーションユニットが他の車両に取り付けられた(すなわち、カーナビケーションユニットの盗難が発生した)と判断して、パスワード認証が行わなければ起動しないように制御している。
特開2003−072519号公報 特開2007−060142号公報 特開2002−168633号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載の技術では、盗難検知手段において盗難が検知されたときに携帯電話無線機に対する電源供給を行うものとしているが、携帯電話無線機によりどのような頻度で通報を行うのかについての考慮がなされていない。
また、上記特許文献2に記載の技術では、盗難通報に対して電力供給の優先順位を高く設定しているものの、特許文献1と同様、盗難通報をどのような頻度で行うのかについての考慮がなされていない。
従って、これらの技術では、消費電力が過大にならないように配慮してはいるが、前述の理由で十分な省電力化とはいえず、盗難車両の監視に必要な情報を車外に通報することができない場合がある。
本発明はこのような課題を解決するためのものであり、消費電力が過大にならないようにしつつ、盗難車両の監視に必要な情報を車外に通報することが可能な車両用盗難監視装置、及びこれを一部に含む盗難車両監視システムを提供することを、主たる目的とする。
上記目的を達成するための本発明の第1の態様は、
車両の盗難を検知して車外設備に通報する車両用盗難監視装置であって、
車両の位置を検出する車両位置検出手段と、
前記車外設備と通信を行う通信手段と、
車両のエンジン停止時に、前記車両位置検出手段を周期的に起動させて前記車両位置検出手段により検出された車両の位置を取得し、当該回に取得された車両の位置が前回に取得された車両の位置と比較して所定距離以上異なっている場合に、前記車外設備に所定の信号を送信するように前記通信手段を制御する制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、当該車両用盗難監視装置に電力供給する蓄電手段が所定期間に放電した電流積算値を算出し、該所定期間における前記蓄電手段の電流積算値が大きくなる程、前記所定距離が長くなるように、前記所定距離を変更することを特徴とする、
車両用盗難監視装置である。
この本発明の第1の態様によれば、車両用盗難監視装置に電力供給する蓄電手段が所定期間に放電した電流積算値を算出し、所定期間における蓄電手段の電流積算値が大きくなる程、車外設備に所定の信号を送信するか否かを決定する基準となる所定距離が長くなるように所定距離を変更するため、車両用盗難監視装置の消費電力が過大にならないようにしつつ、盗難車両の監視に必要な情報を車外に通報することができる。
本発明の第1の態様において、
前記制御手段は、当該回に取得された車両の位置が前回に取得された車両の位置と比較して所定距離以上異なっていると判定した以降、前記車両位置検出手段を起動させて車両の位置を取得する位置取得周期を短く変更することを特徴とするものとしてもよい。
こうすれば、盗難車両の位置を、より正確に追跡することができる。
また、本発明の第1の態様において、
前記制御手段は、前記車両位置検出手段を起動させて車両の位置を取得する周期を短く変更した後、前記所定期間における前記蓄電手段の電流積算値が大きくなる程、前記位置取得周期が長くなるように、前記位置取得周期を変更することを特徴とするものとしてもよい。
こうすれば、車両用盗難監視装置の電力消費を更に抑制することができる。
また、本発明の第1の態様において、
前記蓄電手段は、車載バッテリとは別体として取り付けられる、当該車両用盗難監視装置専用の蓄電手段であるものとしてもよい。
こうすれば、車両盗難に伴って車載バッテリが取り外された場合
でも、車両用盗難監視装置が機能することができる。上記特許文献3に記載されているように、車両盗難時には、パーツの盗難等が併せて発生する可能性が高いため、専用の蓄電手段を備える必要性は高いものである。
また、本発明の第1の態様において、
前記車外設備は、情報管理サーバ、及び/又はユーザにより携帯可能な携帯端末を含むものとしてもよい。
また、本発明の第1の態様において、
前記車両位置検出手段は、例えば、GPS受信機、車速センサ及びジャイロセンサからなるINS(Inertial Navigation System)センサ、路車間通信手段のいずれかを少なくとも含む。
本発明の第2の態様は、
ハイブリッド車両の盗難を検知して車外設備に通報する車両用盗難監視装置であって、
車両の位置を検出する車両位置検出手段と、
前記車外設備と通信を行う通信手段と、
車両システムのシャットダウン時に、前記車両位置検出手段を周期的に起動させて前記車両位置検出手段により検出された車両の位置を取得し、当該回に取得された車両の位置が前回に取得された車両の位置と比較して所定距離以上異なっている場合に、前記車外設備に所定の信号を送信するように前記通信手段を制御する制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、当該車両用盗難監視装置に電力供給する蓄電手段が所定期間に放電した電流積算値を算出し、該所定期間における前記蓄電手段の電流積算値が大きくなる程、前記所定距離が長くなるように、前記所定距離を変更することを特徴とする、
車両用盗難監視装置である。
この本発明の第2の態様によれば、車両用盗難監視装置に電力供給する蓄電手段が所定期間に放電した電流積算値を算出し、所定期間における蓄電手段の電流積算値が大きくなる程、車外設備に所定の信号を送信するか否かを決定する基準となる所定距離が長くなるように所定距離を変更するため、車両用盗難監視装置の消費電力が過大にならないようにしつつ、盗難車両の監視に必要な情報を車外に通報することができる。
本発明の第3の態様は、
本発明の第1又は第2の態様の車両用盗難監視装置と、
前記車外設備である情報サーバと、
該情報サーバから車両盗難に関する情報を受信する、ユーザにより携帯可能な携帯端末と、
を備える盗難車両監視システムである。
この本発明の第3の態様によれば、車両用盗難監視装置に電力供給する蓄電手段が所定期間に放電した電流積算値を監視し、所定期間における蓄電手段の電流積算値が大きくなる程、車外設備に所定の信号を送信するか否かを決定する基準となる所定距離が長くなるように所定距離を変更するため、車両用盗難監視装置の消費電力が過大にならないようにしつつ、盗難車両の監視に必要な情報を車外に通報することができる。
本発明によれば、消費電力が過大にならないようにしつつ、盗難車両の監視に必要な情報を車外に通報することが可能な車両用盗難監視装置、及びこれを一部に含む盗難車両監視システムを提供することができる。
本発明の一実施例に係る盗難車両監視システム1のシステム構成例である。 消費電力管理部42により算出される補助電池55の電流積算値ΔIと、所定距離Kの関係を示す表である。 車両用盗難監視装置10が有する情報処理装置30により実行される特徴的な処理の流れを示すフローチャートである。
以下、本発明を実施するための形態について、添付図面を参照しながら実施例を挙げて説明する。
以下、図面を参照し、本発明の一実施例に係る盗難車両監視システム1、及びその一部を構成する車両用盗難監視装置10について説明する。
[構成]
図1は、本発明の一実施例に係る盗難車両監視システム1のシステム構成例である。盗難車両監視システム1は、主要な構成として、車両用盗難監視装置10と、情報サーバ100と、携帯端末200と、を備える。
車両用盗難監視装置10は、GPSアンテナ20と、携帯電話用アンテナ25と、情報処理装置30と、を備える。情報処理装置30には、イグニッションスイッチ60等の車両内センサ、スイッチが接続されている。
情報処理装置30は、例えばCPU(Central Processing Unit)やRAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等の記憶手段、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)等の不揮発性メモリ32、タイマー、I/Oポート等を備えるマイクロコンピュータであり、CPUが上記ROM等のプログラムメモリに格納されたプログラムを実行することにより機能する機能ブロックとして、GPS受信処理部34と、携帯電話送受信処理部36と、位置情報管理部38と、電源管理部40と、消費電力管理部42と、を備える。なお、これに限らず、上記各機能ブロックは、それぞれ独立したハードウエアとして構成されても構わない。例えば、消費電力管理部42は、マイクロコンピュータの一機能ではなく、アナログ積分器やコンパレータを含む構成であっても構わない。
GPSアンテナ20は、車両の上空に存在するGPS衛星が送信する電波を受信し、これを復調して当該電波に含まれる航法メッセージ(衛星信号)をGPS受信処理部34に出力する。航法メッセージは、衛星軌道に関する情報や衛星時計の補正値、電離層の補正係数、衛星自身の動作状態を示すヘルスメッセージ等を含む。
GPS受信処理部34は、複数のGPS衛星からの航法メッセージを解析し、車両の位置(緯度、経度、及び高度をいう)を特定する。具体的には、航法メッセージに含まれる衛星軌道の情報等から各GPS衛星のワールド座標系(例えばWGS84)における位置P(Xs,Ys,Zs)を算出し、電波の到達時間(到達時刻−発信時刻)に光速を乗じて各GPS衛星と車両との間の擬似距離を算出し、複数のGPS衛星について算出される擬似距離及び位置を用いて、三角測量の原理により車両の位置Pを算出する。
なお、車両の位置Pは、車輪速センサの出力を利用した車速センサやジャイロセンサを含むINS(Inertial Navigation System)センサの出力を用いた慣性航法演算、ビーコン受信機及びFM多重受信機を介して受信される各種情報等に基づいて補正、或いは代替されてもよい。また、GPSを利用する場合であっても、上記のような単独測位に限らず、干渉測位、搬送波位相による測位等を採用してもよい。
携帯電話用アンテナ25は、例えば携帯電話網を利用して無線基地局80に接続し、更にインターネット等のネットワーク90を介して、情報サーバ100との間で情報送受信を行う。なお、係る通信態様は一例であり、PHS(Personal Handy‐phone System)網、無線LAN、WiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)、衛星電話、ビーコン等を利用した無線通信が行われてもよい。
情報サーバ100は、例えば自動車メーカーの情報サービス施設(サービスプロバイダ)や公的機関の施設内に設置され、車両との間の送受信により得られた情報を処理して、車両や携帯端末200等に情報提供する。
携帯電話送受信処理部36は、上記情報送信のための信号を生成し、これを符号化等して携帯電話用アンテナ25に送信させる。また、情報サーバ100等から受信した信号を復号等して車両内の機器に提供する。
車両位置監視部38は、イグニッションスイッチ60により出力されるイグニッション信号がイグニッションオン信号であるか、イグニッションオフ信号であるかに基づいて、エンジン62が運転中であるか、停止中であるかを判別する。そして、それぞれの場合に、異なる周期等をもって車両の位置Pの変化を監視する。詳しくは、後述する。なお、イグニッション信号がイグニッションオフ信号からイグニッションオン信号に切り替わると、図示しないスタータモータが駆動され、エンジン62の運転が開始される。
電源管理部40は、車載バッテリ50から補助電池55への切り替えを制御する。車両用盗難監視装置10には、空調装置等の車載機器に電力供給する通常の車載バッテリ50の他、車両用盗難監視装置10専用の補助電池55が接続されている。
車載バッテリ50は、例えば鉛蓄電池等の二次電池であり、車両のエンジン62に連結されたオルタネータ64が発電した電力によって充電され、上記のように空調装置等の車載機器に電力供給する。
補助電池55は、車載バッテリ50と同様の二次電池であり、例えばエンジンが運転されている間、車載バッテリ50の供給する電力によって充電される。補助電池55は、例えば車載バッテリ50が過放電の状態となったり、車両盗難に伴って強制的に取り外されたりした場合でも車両用盗難監視装置10が機能できるようにするためのものであり、車両用盗難監視装置10以外の機器には電力供給せず、好ましくは、車両用盗難監視装置10全体を収容する筐体内に格納される。
電源管理部40は、車載バッテリ50の端子間電圧を監視しており、車載バッテリ50の端子間電圧が所定電圧以下となると、車両用盗難監視装置10が補助電池55からの電力供給を受けるように、図示しないスイッチ等を制御する。
なお、後述するように、車両盗難に伴って車載バッテリ50が強制的に取り外された場合には、電源管理部40は車載バッテリ50の端子間電圧を検知できなくなるため、係る場合にも、車両用盗難監視装置10が補助電池55からの電力供給を受けるように制御される。
消費電力管理部42は、補助電池55の充電が停止されるエンジン62の停止時を開始時点とし、その時点までの補助電池55の放電電流を積算した電流積算値ΔIを算出する。補助電池55の電流積算値ΔIは、エンジン62の運転開始時にリセットされてもよいし、電流充放電収支がゼロになった時点やエンジン62の停止時にリセットされてもよい。エンジン62の停止時と運転開始時は、前述のようにイグニッションスイッチ60により出力されるイグニッション信号によって判断される。エンジン62の状態把握はこれに限らず、エンジン62を制御する制御装置から状態信号を受信してもよい。
[車両盗難の監視]
車両位置監視部38は、GPS受信処理部34が算出する車両の位置Pを監視し、車両盗難の疑いがある場合に、車両の位置Pを含む情報を定期的に情報サーバ100に送信するように、携帯電話送受信処理部36に指示する。携帯電話送受信処理部36は、車両位置監視部38の指示に応じて携帯電話用アンテナ25を制御し、所定の信号を情報サーバ100に送信させる。ここで、所定の信号には、車両ID、車両の位置P、移動開始時刻等の情報が含まれ得る。
以下、車両位置監視部38によって実行される盗難監視のための制御について説明する。
(1)イグニッションスイッチ60によりイグニッションオン信号が出力されている場合、すなわち、エンジン62が運転中である場合は、オルタネータ64の発電によって車載バッテリ50及び補助電池55が十分に充電されていることが想定される。従って、車両位置監視部38は、定期的に(例えば、5[min]毎に)GPS受信処理部34が算出した車両の位置Pを含む情報を、情報サーバ100に送信するように携帯電話送受信処理部36に指示する。
これによって、車両の盗難者が当該車両を運転して移動している場合に、車両の位置Pを情報サーバ100において把握・追跡することができる。情報サーバ100は、警察への通報を、自動的に、或いはオペレータを介して行ったり、携帯端末200に情報を送信したりする。
なお、係るエンジン62の運転中の制御は、イモビライザーシステム等により車両の運転者が正規のオーナーであることが確認されている場合は、行わないものとしてもよい。こうすれば、車両のエネルギー消費を抑制することができる。
(2)イグニッションスイッチ60によりイグニッションオフ信号が出力されている場合、すなわち、エンジン62が停止中である場合は、オルタネータ64が発電を行わないため、バッテリ50及び補助電池55が充電されない。従って、以下のように電力消費を抑制しつつ車両盗難の監視を行う。なお、以下の制御において、車両が単に一時停止した場合と、駐車された場合を区別していないが、ドアロックの状態等に基づいてこれらを判別し、車両が駐車された場合にのみ以下の制御を行ってもよい。
車両位置監視部38は、GPS受信処理部34及びGPSアンテナ20を所定周期T(例えば12[h]程度)で周期的に起動させて車両の位置Pを取得する。車両の位置Pは、少なくとも次回に車両の位置を取得するまでの間、不揮発性メモリ32に記憶させておく。
そして、当該回に取得された車両の位置Pが、前回に取得された車両の位置Pn−1と比較して所定距離K以上異なっている場合に、GPS受信処理部34が算出した車両の位置を含む情報を、情報サーバ100に送信するように携帯電話送受信処理部36に指示する。
また、最初に車両の位置Pが前回位置Pk−1と比較して所定距離K以上異なっていると判断した時点(盗難が発生したと判断した時点)で、所定の盗難発生フラグを不揮発性メモリ32の所定アドレスに設定する。
これによって、例えば盗難された車両がレッカー車や車両運搬車によって運ばれている場合に、情報サーバ100において車両の位置を把握・追跡することができる。
車両位置監視部38は、一度、上記所定の盗難発生フラグが設定されると、以降、所定周期Tを短く(例えば、5[min]程度に)変更する。これによって、盗難車両の位置を、より正確に把握・追跡することができる。
また、車両位置監視部38は、消費電力管理部42により算出される補助電池55の電流積算値ΔIに基づいて、補助電池55の充電量が低下した場合に電力消費を抑制するための制御を行う。
具体的には、消費電力管理部42により算出される補助電池55の電流積算値ΔIが大きくなる程、上記情報サーバ100への情報送信を行うか否かの判定基準となる所定距離Kが長くなるように、所定距離Kを変更する。
図2は、消費電力管理部42により算出される補助電池55の電流積算値ΔIと、車両の位置変化(P−Pn−1)の関係を示す表である。図示するように、補助電池55の放電した電流の積算値が大きくなる程、所定距離Kが長くなるように、所定距離Kが変更される。例えば、電流積算値ΔIが500[mAh]以下である場合には所定距離Kは略ゼロに決定され、電流積算値ΔIが500〜1000[mAh]である場合には所定距離Kは300[m]に決定され、電流積算値ΔIが1000〜1500[mAh]である場合には所定距離Kは500[m]に決定される。
これによって、補助電池55の充電率が低下するに連れて、車両の位置が大きく変化しなければ情報サーバ100への情報送信が行われなくなる。従って、補助電池55の電力供給可能な状態が長く維持されるため、情報サーバ100への情報送信が可能な状態を長く維持することができる。一方、盗難車両の追跡において、車両の位置が大きく変化した場合には、車両の位置が余り変化していない場合に比して、車両の位置を把握する重要性が高いものとなる。本実施例では、補助電池55の充電率が低下しつつある場合であっても、車両の位置が大きく変化した場合には情報サーバ100への情報送信が行われるため、消費電力の抑制と盗難車両の位置把握を丁度良いバランスで両立させることができる。
この結果、車両用盗難監視装置10の消費電力が過大にならないようにしつつ、盗難車両の監視に必要な情報を情報サーバ100に通報することができる。
また、車両位置監視部38は、上記所定の盗難発生フラグが設定されて、GPS受信処理部34及びGPSアンテナ20を起動させる周期を短く変更した後、消費電力管理部42により算出される補助電池55の電流積算値ΔIが大きくなる程、所定周期Tが長くなるように(例えば、15[min]程度に)所定周期Tを変更してもよい。
これによって、補助電池55の充電率が低下するのに連れて、車両の位置を取得する動作による電力消費を抑制することができる。この結果、車両用盗難監視装置10の消費電力を更に抑制し、盗難車両の監視に必要な情報を情報サーバ100に通報することができる。
以下、車両用盗難監視装置10が車両盗難の監視制御を行なう際の動作について説明する。図3は、車両用盗難監視装置10が有する情報処理装置30により実行される特徴的な処理の流れを示すフローチャートである。
まず、情報処理装置30は、イグニッションスイッチ60により出力されているイグニッションオン信号が、イグニッションオン信号であるか、イグニッションオフ信号であるかを判定する(S300)。
イグニッションスイッチ60により出力されているイグニッションオン信号が、イグニッションオン信号である場合は、イモビライザーシステムその他の認証装置の認証結果によって、車両の運転者が正規のオーナーであることが確認されているか否かを判定する(S302)。車両の運転者が正規のオーナーであることが確認されている場合は、本フローの1ルーチンを終了する。
車両の運転者が正規のオーナーであることが確認されていない場合は、第1の所定時間(例えば5[min]程度)経過するまで待機し(S304)、第1の所定時間経過すると、GPS受信処理部34が算出した車両の位置Pを含む情報を、情報サーバ100に送信するように携帯電話送受信処理部36に指示する(S306)。
一方、イグニッションスイッチ60により出力されているイグニッションオン信号が、イグニッションオフ信号である場合は、消費電力管理部42により算出される補助電池55の電流積算値ΔIを取得し(S308)、電流積算値ΔIに応じて所定距離K、及び第3の所定時間を決定する(S310)。所定距離Kは、例えば図2で示したような傾向で、電流積算値ΔIが大きくなる程、長くなるように変更・決定される。また、第3の所定時間は、例えば、初期値として5[min]程度が設定されており、電流積算値ΔIが大きくなる程、長くなるように決定される。
次に、情報処理装置30は、所定の盗難発生フラグが不揮発性メモリ32の所定アドレスに設定されているか否かを判定する(S312)。
所定の盗難発生フラグが不揮発性メモリ32の所定アドレスに設定されていないと判定した場合は、第2の所定時間(例えば12[h]程度)経過するまで待機する(S314)。第2の所定時間経過すると、GPS受信処理部34及びGPSアンテナ20を起動させて車両の位置Pを取得する(S316)。
今回取得された車両の位置Pは、次回のルーチンのために不揮発性メモリ32に記憶させておく(S318)。
そして、取得した車両の位置Pが、本フローにおける前回のルーチンで不揮発性メモリ32に記憶された車両の位置Pn−1と比較して、所定距離K以上変化しているか否かを判定する(S320)。
車両の位置Pが車両の位置Pn−1と比較して所定距離K以上変化していない場合は、本フローの1ルーチンを終了する。
車両の位置Pが車両の位置Pn−1と比較して所定距離K以上変化している場合は、所定の盗難発生フラグを不揮発性メモリ32の所定アドレスに設定し(S322)、GPS受信処理部34が算出した車両の位置を含む情報を、情報サーバ100に送信するように携帯電話送受信処理部36に指示する(S324)。
S314において、所定の盗難発生フラグが不揮発性メモリ32の所定アドレスに設定されていると判定した場合は、第3の所定時間(例えば5〜15[min]程度に、電流積算値ΔIに応じて予め決定されている)経過するまで待機する(S326)。
第3の所定時間経過すると、GPS受信処理部34及びGPSアンテナ20を起動させて車両の位置Pを取得する(S328)。
今回取得された車両の位置Pは、次回のルーチンのために不揮発性メモリ32に記憶させておく(S330)。
そして、取得した車両の位置Pが、本フローにおける前回のルーチンで不揮発性メモリ32に記憶された車両の位置Pn−1と比較して、所定距離K以上変化しているか否かを判定する(S332)。
車両の位置Pが車両の位置Pn−1と比較して所定距離K以上変化していない場合は、本フローの1ルーチンを終了する。
車両の位置Pが車両の位置Pn−1と比較して所定距離K以上変化している場合は、GPS受信処理部34が算出した車両の位置を含む情報を、情報サーバ100に送信するように携帯電話送受信処理部36に指示する(S334)。
係る処理フローによって、上記説明した情報処理装置30の各機能ブロックの機能が実現される。
以上説明した本実施例の車両用盗難監視装置10、及び盗難車両監視システム1によれば、消費電力管理部42により算出される補助電池55の電流積算値ΔIが大きくなる程、上記情報サーバ100への情報送信を行うか否かの判定基準となる所定距離Kが長くなるように所定距離が変更されるため、補助電池55の充電率が低下するに連れて、車両の位置が大きく変化しなければ情報サーバ100への情報送信が行われなくなる。従って、補助電池55が電力供給可能な状態が長く維持されるため、情報サーバ100への情報送信が可能な状態を長く維持することができる。
また、補助電池55の充電率が低下しつつある場合であっても、車両の位置が大きく変化した場合には情報サーバ100への情報送信が行われるため、消費電力の抑制と盗難車両の位置把握を丁度良いバランスで両立させることができる。
この結果、車両用盗難監視装置10の消費電力が過大にならないようにしつつ、盗難車両の監視に必要な情報を情報サーバ100に通報することができる。
また、本実施例の車両用盗難監視装置10、及び盗難車両監視システム1によれば、エンジン62の停止時において、最初に盗難が発生したと判断した後は、より高頻度で車両の位置を取得し、情報サーバ100への情報送信を行っている。この結果、盗難車両の追跡を、より高精度に行うことができる。
また、本実施例の車両用盗難監視装置10、及び盗難車両監視システム1によれば、消費電力管理部42により算出される補助電池55の電流積算値ΔIが大きくなる程、最初に盗難が発生したと判断した後における車両の位置の取得頻度を低下させている。この結果、車両用盗難監視装置10の消費電力を更に抑制し、盗難車両の監視に必要な情報を情報サーバ100に通報することができる。
また、本実施例の車両用盗難監視装置10、及び盗難車両監視システム1によれば、空調装置等の車載機器に電力供給する通常の車載バッテリ50の他、車両用盗難監視装置10専用の補助電池55が車両用盗難監視装置10に接続されているため、車載バッテリ50が過放電の状態となったり、車両盗難に伴って強制的に取り外されたりした場合でも車両用盗難監視装置10が機能することができる。
[変形等]
以上、本発明を実施するための最良の形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形及び置換を加えることができる。
例えば、上記実施例では、盗難が発生したと判断された際、及びそれ以降に、情報サーバ100への情報送信のみ行うものとして説明したが、ブザーやサイレン、発光装置等による警告音出力等を併せて行ってもよい。
また、特許請求の範囲における「車両用盗難監視装置に電力供給する蓄電手段」が、補助電池55を指すものとして説明したが、車載バッテリ50と補助電池55の双方を指すものとしてもよい。この場合、消費電力管理部42は、車載バッテリ50と補助電池55の双方の電流積算値を算出する。
また、補助バッテリ55を備えず、特許請求の範囲における「車両用盗難監視装置に電力供給する蓄電手段」が、車載バッテリ50を指すものとしても構わない。この場合、消費電力管理部42は、車載バッテリ50の電流積算値を算出する。
また、ハイブリッド車両に搭載された場合、エンジンを停止して走行する場面が頻繁に発生するため、実施例における「エンジンの停止時」を、アクセサリオフ時、すなわち車両システムのシャットダウン時に置換すれば好適である。なお、ハイブリッド車両に搭載された場合であっても、上記実施例と同じ制御を行うと、モータ走行時において駐車時の制御が行われることになるため制御精度が若干低下するが、実用性を失う程ではない。
1 盗難車両監視システム
10 車両用盗難監視装置
20 GPSアンテナ
25 携帯電話用アンテナ
30 情報処理装置
32 不揮発性メモリ
34 GPS受信処理部
36 携帯電話送受信処理部
38 位置情報管理部
40 電源管理部
42 消費電力管理部
50 車載バッテリ
55 補助電池
60 イグニッションスイッチ
62 エンジン
64 オルタネータ
80 無線基地局
90 ネットワーク
100 情報サーバ
200 携帯端末

Claims (8)

  1. 車両の盗難を検知して車外設備に通報する車両用盗難監視装置であって、
    車両の位置を検出する車両位置検出手段と、
    前記車外設備と通信を行う通信手段と、
    車両のエンジン停止時に、前記車両位置検出手段を周期的に起動させて前記車両位置検出手段により検出された車両の位置を取得し、当該回に取得された車両の位置が前回に取得された車両の位置と比較して所定距離以上異なっている場合に、前記車外設備に所定の信号を送信するように前記通信手段を制御する制御手段と、
    を備え、
    前記制御手段は、当該車両用盗難監視装置に電力供給する蓄電手段が所定期間に放電した電流積算値を算出し、該所定期間における前記蓄電手段の電流積算値が大きくなる程、前記所定距離が長くなるように、前記所定距離を変更することを特徴とする、
    車両用盗難監視装置。
  2. 請求項1に記載の車両用盗難監視装置であって、
    前記制御手段は、当該回に取得された車両の位置が前回に取得された車両の位置と比較して所定距離以上異なっていると判定した以降、前記車両位置検出手段を起動させて車両の位置を取得する位置取得周期を短く変更することを特徴とする、
    車両用盗難監視装置。
  3. 請求項2に記載の車両用盗難監視装置であって、
    前記制御手段は、前記車両位置検出手段を起動させて車両の位置を取得する周期を短く変更した後、前記所定期間における前記蓄電手段の電流積算値が大きくなる程、前記位置取得周期が長くなるように、前記位置取得周期を変更することを特徴とする、
    車両用盗難監視装置。
  4. 請求項1ないし3のいずれか1項に記載の車両用盗難監視装置であって、
    前記蓄電手段は、車載バッテリとは別体として取り付けられる、当該車両用盗難監視装置専用の蓄電手段である、
    車両用盗難監視装置。
  5. 請求項1ないし4のいずれか1項に記載の車両用盗難監視装置であって、
    前記車外設備は、情報管理サーバ、及び/又はユーザにより携帯可能な携帯端末を含む、
    車両用盗難監視装置。
  6. 請求項1ないし5のいずれか1項に記載の車両用盗難監視装置であって、
    前記車両位置検出手段は、GPS受信機、車速センサ及びジャイロセンサからなるINS(Inertial Navigation System)センサ、路車間通信手段のいずれかを少なくとも含む、
    車両用盗難監視装置。
  7. ハイブリッド車両の盗難を検知して車外設備に通報する車両用盗難監視装置であって、
    車両の位置を検出する車両位置検出手段と、
    前記車外設備と通信を行う通信手段と、
    車両システムのシャットダウン時に、前記車両位置検出手段を周期的に起動させて前記車両位置検出手段により検出された車両の位置を取得し、当該回に取得された車両の位置が前回に取得された車両の位置と比較して所定距離以上異なっている場合に、前記車外設備に所定の信号を送信するように前記通信手段を制御する制御手段と、
    を備え、
    前記制御手段は、当該車両用盗難監視装置に電力供給する蓄電手段が所定期間に放電した電流積算値を算出し、該所定期間における前記蓄電手段の電流積算値が大きくなる程、前記所定距離が長くなるように、前記所定距離を変更することを特徴とする、
    車両用盗難監視装置。
  8. 請求項1ないし7のいずれか1項に記載の車両用盗難監視装置と、
    前記車外設備である情報サーバと、
    該情報サーバから車両盗難に関する情報を受信する、ユーザにより携帯可能な携帯端末と、
    を備える盗難車両監視システム。
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