以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。尚、本発明の実施の形態は、下記の実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採りうる。
図1は、本実施例のパチンコ機の遊技盤8の正面図である。なお、このパチンコ機の全体的な構成は公知技術に従っているので図示及び説明は省略する。遊技盤8には公知のガイドレール25a、25bによって囲まれた略円形の遊技領域26が設けられ、多数の遊技釘27が植設されている。遊技領域26の略中央には、窓部28aを有する液晶枠飾り28が設けられており、演出図柄表示装置54b(図2参照)のLCD画面が遊技者から視認可能に構成され、図示しない公知のワープ入口、ワープ通路、ステージ等も設けられている。
また、窓部28aの上方左には、7セグメントLED等の発光部材により構成される普通図柄表示装置29、上方右には左と同一部材の特別図柄表示装置30と、中央には4個の発光部材で構成される特別図柄保留数表示装置30aが設けられており、窓部28a下には同様に4個の発光部材で構成される普通図柄保留数表示装置29aが設けられている。
液晶枠飾り28の下側には普通図柄始動口31(本願発明における第1始動口)と開放時のみ入賞可能となる普通電動役物40が特別図柄始動口32(本願発明における第2始動口)として設けられている。特別図柄始動口32の下方には、アタッカー式の大入賞口33aを備える大入賞口ユニット33が配置され、該大入賞口ユニット33の下方にはアウト口34が設けられている。また、大入賞口ユニット33の左右両側には、後述する一般入賞口スイッチ35b(図2参照)を備える一般入賞口35aが複数備えられる入賞口ユニット35が設けられている。
上記のように遊技盤8を構成することによって、普通図柄始動口31に遊技球が入球(普通図柄始動スイッチ31a(図2参照)が遊技球を検出)すると、普通図柄表示装置29で普通図柄が変動表示を開始し、所定時間後に停止した普通図柄の種類に応じて、後述する普通電役ソレノイド40b(図2参照)を駆動させる。普通電役ソレノイド40bを駆動させると、ほぼ同期して普通電動役物40の羽根部材が駆動して、特別図柄始動口32である普通電動役物40への入球(特別図柄始動スイッチ32a(図2参照)の遊技球検出)が可能となるように構成されている。
特別図柄始動口32である普通電動役物40に遊技球が入球(特別図柄始動スイッチ32a(図2参照)が遊技球を検出)すると、特別図柄表示装置30において特別図柄が変動表示を開始し、所定時間後に停止する。普通図柄及び特別図柄の変動中は、窓部28aに配置された演出図柄表示装置54bにおいて各々の図柄の変動に連動した演出態様を表示する。
停止した特別図柄の態様に応じて後述する大入賞口ソレノイド33c(図2参照)を駆動させる。大入賞口ソレノイド33cを駆動させると、ほぼ同期して大入賞口ユニット33の扉部材が駆動して、大入賞口33aへの入球(カウントスイッチ33b(図2参照)の遊技球検出)が可能となるように構成されている。
この様に本実施例のパチンコ機は、普通電動役物40が作動しなければ特別図柄始動口32への入球が不可能な構成になっており、且つ、特別図柄始動口32が唯一の特別図柄の始動口となっている。従って、1段階目の普通図柄遊技で当りを獲得しなければ、2段階目の特別図柄遊技を行って大当りを獲得できない構成となっている。
続いて、図2に本実施例におけるパチンコ機の電気配線を示すブロック図を示し説明する。図2には煩雑になる電源の供給系統に関する記載は行わないが、電源が必要な制御装置若しくはアクチュエータ類には、電源装置(図示せず)から直接的又は間接的に供給される構成となっている。尚、遊技盤8を装着するパチンコ機本体に関する部品は図示を省略している。
図2に示す通り、主制御装置50の入力端には、遊技盤中継端子板62を介して特別図柄始動口32である普通電動役物40に入球した遊技球を検出する特別図柄始動スイッチ32aと、普通図柄始動口31に入球した遊技球を検出する普通図柄始動スイッチ31aと、大入賞口33aに入球した遊技球を検出するカウントスイッチ33bと、一般入賞口35aに入球した遊技球を検出する一般入賞口スイッチ35bとが接続されており、裏配線中継端子板63を介して前面枠が閉鎖していることを検出する前面枠閉鎖スイッチ38と、意匠枠が閉鎖していることを検出する意匠枠閉鎖スイッチ39a、39bと、が接続されている。
主制御装置50の出力端には、遊技盤中継端子板62を介して大入賞口33aの扉部材を駆動する大入賞口ソレノイド33cと、普通電動役物40の羽根部材を駆動する普通電役ソレノイド40bとが接続されており、図柄表示装置中継端子板64を介して普通図柄を表示する普通図柄表示装置29と、普通図柄の保留数を表示する普通図柄保留数表示装置29aと、特別図柄を表示する特別図柄表示装置30と、特別図柄の保留数を表示する特別図柄保留数表示装置30aとが接続されており、裏配線中継端子板63及び外部接続端子板61を介して図示しないホールコンピュータ70と、が接続されている。
主制御装置50はCPU、ROM、RAM等の電気部品を備えており、搭載するROMに記憶されたプログラムに従ってCPUにて処理を実行し、入力される各種検出信号などに基づいて遊技の進行に関わる各種コマンド等を生成し、払出制御装置51及びサブ統合制御装置53に出力する。ここで、主制御装置50と払出制御装置51とは双方向通信回路として構成され、主制御装置50とサブ統合制御装置53とは間に演出中継端子板65を介した主制御装置50からサブ統合制御装置53への一方向通信回路として構成されている。
払出制御装置51の入力端には、裏配線中継端子板63を介して球タンク(図示せず)又はタンクレール(図示せず)内の遊技球が不足していることを検出する球切れスイッチ22a又は23aと、裏配線中継端子板63及び払出中継端子板66を介して払い出した遊技球を検出する払出スイッチ24bと、各種端子板を介することなく下皿への経路に遊技球が多数あることを検出する満杯スイッチ13aと、が接続されている。払出制御装置51の出力端には、裏配線中継端子板63及び払出中継端子板66を介して遊技球を上皿へと払い出す払出モータ24aが接続されている。
払出制御装置51はCPU、ROM、RAM等の電気部品を備えており、搭載するROMに記憶されたプログラムに従ってCPUにて処理を実行し、入力される各種検出信号ならびに主制御装置50から入力されるコマンドに基づいて遊技球の払い出しに関わる各種コマンド等を生成し、主制御装置50及び発射制御装置52に出力する。ここで、払出制御装置51と主制御装置50とは双方向通信回路として構成され、払出制御装置51と発射制御装置52とは払出制御装置51から発射制御装置52への一方向通信回路として構成されている。
また、払出制御装置51は、外部接続端子板61を介して賞球に関する情報などをホールコンピュータ70に送信するほか、発射制御装置52に対して発射停止信号を送信する。発射制御装置52は発射モータ36を制御して、遊技球を遊技領域26に遊技球を発射させる。なお、発射制御装置52には払出制御装置51以外に発射ハンドル18からの回動量信号、タッチスイッチ20aからのタッチ信号、発射停止スイッチ19aから発射停止スイッチ信号が入力される。
回動量信号は、遊技者が発射ハンドル18を操作することで出力され、タッチ信号は遊技者が発射ハンドル18を触ることで出力され、発射停止スイッチ信号は、遊技者が発射停止スイッチ19aを押すことで出力される。なお、タッチ信号が発射制御装置51に入力されていなければ、遊技球は発射できないほか、発射停止スイッチ信号が入力されているときには、遊技者が発射ハンドル18を触っていても遊技球は発射出来ないようになっている。
サブ統合制御装置53の入力端には、遊技者により操作可能な遊技スイッチ14aが接続されている。サブ統合制御装置53の出力端には、図示しない意匠枠及び遊技盤8に備えられる各種LED・ランプ37と、前面枠及びスピーカユニットに備えられるスピーカ10と、が接続されている。尚、サブ統合制御装置53と主制御装置50とは間に演出中継端子板65を介した主制御装置50からサブ統合制御装置53への一方向通信回路として構成され、サブ統合制御装置53と演出図柄制御装置54aとはサブ統合制御装置53から演出図柄制御装置54aへの一方向通信回路として構成されている。
サブ統合制御装置53はCPU、ROM、RAM等の電気部品を備えており、搭載するROMに記憶されたプログラムに従ってCPUにて処理を実行し、入力される遊技スイッチ14aの入力ならびに主制御装置50から入力されるコマンドに基づいて演出に関わる各種コマンド等を生成し、演出図柄ユニット54の演出図柄制御装置54aに出力する。
また、サブ統合制御装置53には、音量を調節する音量調節スイッチ10aが備えられ、音量調節スイッチ10aの状態(位置)を検出し、その検出結果とスピーカ10へ送信する内容とを判断し、スピーカ10から出力する音量をソフト的に制御するように構成されている。
演出図柄制御装置54aは、サブ統合制御装置53から受信したデータ及びコマンド(共に主制御装置50から送信されてきたものとサブ統合制御装置53が生成したものとがある)に基づいて演出図柄表示装置54bを制御して、疑似図柄等の演出画像を窓部28aに表示させる。
次に、主制御装置50が実行する普図始動入賞処理を図3のフローチャートを用いて説明する。尚、メインルーチンとして行われる各処理は従来技術と何ら変わりないため説明は割愛する。
普図始動入賞処理を開始すると、普図始動口31に遊技球が入球したか否か即ち普通図柄始動スイッチ31aが遊技球を検出したか否か判定する(S10)。否定判定なら(S10:no)リターンに抜け、肯定判定なら(S10:yes)、普通図柄の保留記憶数が最大値(本実施例においては4個)よりも少ないか否か判定する(S15)。否定判定なら(S15:no)リターンし、肯定判定なら(S15:yes)、普図の当り決定用乱数、当り図柄決定用乱数、普図変動パターン決定用乱数などの各種乱数値を抽出し、抽出した各種乱数値を保留記憶として普図保留記憶の数に応じた各記憶領域に記憶するとともに、普図保留記憶の数を示す普図保留記憶カウンタに1を加算する(S20)。次に、加算した普図保留記憶の数に該当する普図保留数指示コマンドをサブ統合制御装置53に送信して(S25)リターンに抜ける。
次に、実施例1において主制御装置50が実行する普図当否判定処理1を図4、5、6に示したフローチャートを用いて説明する。普図当否判定処理1は、本願発明における第1抽選手段と、普通図柄選択手段と、開放パターン選択手段とを含む処理となる。
普図当否判定処理1を開始すると、普通電動役物40が非作動か否か判定する(S50)。否定判定なら(S50:no)リターンし、肯定判定なら(S50:yes)、普通図柄が停止しているか否か(S55)、普通図柄が確定図柄の非表示期間か否か判定し(S60)、どちらも肯定判定なら(S55:yes、S60:yes)、普図保留記憶が有るか否か判定する(S65)。否定判定なら(S65:no)リターンし、肯定判定なら(S65:yes)、普図保留記憶のシフト処理を行う(S70)。これにより普図保留記憶の最も古い保留記憶を当否判定の対象とするとともに、普図保留記憶数を示す普図保留記憶カウンタから1を減算する。
続いて、普図当否判定の対象とした普図保留記憶の当り判定用乱数と予め設定された普図当否判定テーブルとを比較して、当り判定用乱数の値が普図当否判定テーブル内の判定値と一致するか比較する(S75)(本願発明における第1抽選手段に該当)。普図当否判定テーブルは、通常確率(低確率)用と高確率用の2種類のテーブルが設定してあり、当否判定時の遊技状態が通常遊技であれば通常確率用の当否判定テーブルを用いて比較し、高確率の遊技状態であれば高確率用の当否判定テーブルを用いて比較する。
S75が肯定判定、即ち当りなら(S75:yes)、普図当否判定の対象とした保留記憶の当り図柄決定用乱数に基づいて、当り図柄を選択し設定する(S80)(本願発明における普通図柄選択手段に該当)。続いて普図当否判定の対象とした保留記憶の変動パターン決定用乱数に基づいて、普通図柄の変動パターンを選択し(S90)、当り設定処理として、通常遊技状態用のS80で設定した当り図柄の種類に応じた開放パターンと、時短状態用の通常遊技状態の開放パターンに比べ開放時間が延長された開放パターンとの2種類の開放パターンを設定する(S95)。これは、抽選時と普通電動役物40の作動開始時とでは遊技状態が異なる場合があることに備えての処理となる。なお、S95の処理は本願発明における開放パターン選択手段の一部に該当する。
S75が否定判定なら(S75:no)、ハズレ図柄の設定処理(ハズレ図柄は1種類)を行い(S85)、S90に進む。S95、又はS85からS90を実施した場合(普図当否判定がハズレの場合)に続いては、上記処理によって選択設定された図柄の種類と変動パターンの情報とを、普図変動開始コマンドとしてサブ統合制御装置53へ送信し(S100)リターンする。サブ統合制御装置53への変動指示信号送信とほぼ同時に主制御装置50は、普通図柄表示装置29を直接制御して普通図柄の変動を開始する。また、普図変動開始コマンドを受信したサブ統合制御装置53からの指示に基づいて演出図柄制御装置54aは演出図柄表示装置54bを制御し、普通図柄に対応した演出図柄の変動表示を開始する。
S55が否定判定、即ち普通図柄が変動中なら(S55:no)、図5に示すフローチャートに進み普通図柄の変動時間が経過したか否か判定する(S110)。否定判定なら(S110:no)リターンし、肯定判定なら(S110:yes)、普通図柄停止コマンドをサブ統合制御装置53に出力する普図停止コマンド送信処理を行い、普通図柄表示装置29を制御してS80又はS85にて決定した図柄の確定表示を行う(S115)。
普通図柄停止コマンドを受信したサブ統合制御装置53は、演出図柄制御装置54aに演出図柄を確定表示させる指示信号を出力し、演出図柄制御装置54aは、受信した指示信号に応じて演出図柄表示装置54bを制御して演出図柄を確定表示させる。これにより、主制御装置50が制御する普通図柄とサブ統合制御装置53(演出図柄制御装置54a)が制御する演出図柄の変動の開始と終了が同じタイミングとなる(同期する)。
S115に続いては、確定表示した普通図柄が当り図柄か否か判定する(S120)。肯定判定なら(S120:yes)、大当りフラグが1か否か、即ち普通電動役物40の作動開始時が大当り中か否か判定する(S125)。否定判定なら(S125:no)、特別図柄が変動中か否か判定し(S130)、肯定判定なら(S130:yes)、現在の遊技状態(時短中か否か)を参照する(S133)。S125の肯定判定(S125:yes)又はS133に続いては、S95で設定した開放パターンに拘わらず、作動を開始する普通電動役物40の開放パターンとして最も短い開放時間の開放パターン(具体的には、図7を用いて後述する開放パターン1)を決定する(S135)。
S130が否定判定なら(S130:no)、現在の遊技状態(時短中か否か)を参照し(S138)、作動を開始する普通電動役物40の開放パターンとしてS95で設定した開放パターンを決定する(S140)。このS135と、S140が本願発明における開放パターン選択手段の一部に該当する。
S135又はS140に続いては、確定図柄表示設定処理(確定図柄で表示させておく時間の設定)を行い(S145)、普通電動役物の作動処理を行い(S150)リターンする。S120が否定判定なら(S120:no)、確定図柄表示設定処理(確定図柄で表示させておく時間の設定)を行い(S155)リターンする。
図4に戻りS60が否定判定なら(S60:no)、図6に示すフローチャートに進み普通図柄の確定表示時間が経過したか否か判定し(S170)、否定判定なら(S170:no)リターンし、肯定判定なら(S170:yes)普通図柄表示装置29を制御して普通図柄の確定表示を終了させるとともに、サブ統合制御装置53に普通図柄表示終了コマンドを送信して(S175)リターンする。
以上が、実施例1における普図当否判定処理1となり、当否判定(S75)の結果が当りならば、S150の処理によって普通電動役物40(可変入賞装置)が作動を開始する。
次に、普通電動役物40の具体的な作動内容(開放パターン)を図7、8、9を用いて説明する。図7は、普通図柄の当り図柄の種類と、普通電動役物40の開放パターンの種類と、該開放パターンごとの作動内容の関係を示す図表であり、図8と図9は、各開放パターン毎の普通電動役物40の作動状態を示すタイミングチャートである。図7に示すように、普通図柄の当り図柄には、図柄1から図柄6の6種類を備えており、普図当否判定処理1のS75が肯定判定(当り)で、S95とS100が共に否定判定であった場合は、S80で設定した当り図柄の種類に応じて図に示す内容で開放パターンが設定される(S115)。
具体的には、S80で当り図柄として「図柄1」が設定された場合、S115では「開放パターン1」を選択設定する。「開放パターン1」が選択された場合の普通電動役物40の開放動作内容は、図8(1)のタイミングチャートに示すように、0.100秒の開放を1回のみ実施する。この開放パターン1は遊技球の入球がほとんど望めない作動内容となっている。また「開放パターン1」は、全ての開放パターンの中で最も遊技球の入球が困難な作動内容である。
S80で当り図柄として「図柄2」が設定された場合、S115では「開放パターン2」を選択設定する。「開放パターン2」が選択された場合の普通電動役物40の開放動作は、図8(2)のタイミングチャートに示すように、0.600秒の開放を3回実施する内容となっている。「開放パターン2」の開放動作内容は、全ての開放パターンの中で「開放パターン1」の次に遊技球の入球が困難な内容となるが、「開放パターン1」の開放動作内容に比べ、1回の開放時間が6倍となり、加えて開放回数も3倍であることから、遊技球の入球が望める内容となっている。
S80で当り図柄として「図柄3」が設定された場合、S115では「開放パターン3」を選択設定する。「開放パターン3」が選択された場合の普通電動役物40の開放動作は、図8(3)のタイミングチャートに示すように、「開放パターン2」と同一の開放動作(0.600秒の開放を3回実施)を行った後に、2.000秒の開放を1回実施する内容となっている。従って、「開放パターン3」の作動内容は、「開放パターン2」の実施時よりも2.000秒の開放分多くの遊技球の入球が望める内容となっている。
S80で当り図柄として「図柄4」が設定された場合、S115では「開放パターン4」を選択設定する。「開放パターン4」が選択された場合の普通電動役物40の開放動作は、図9(4)のタイミングチャートに示すように、0.600秒の開放を9回実施する内容となっている。この開放動作内容は「開放パターン2」の開放動作を続けて3回実施する内容となり、開放時間のトータルは、「開放パターン3」よりも長くなるため、「開放パターン3」よりも多くの遊技球の入球が望める内容となっている。
S80で当り図柄として「図柄5」が設定された場合、S115では「開放パターン5」を選択設定する。「開放パターン5」が選択された場合の普通電動役物40の開放動作は、図9(5)のタイミングチャートに示すように、「開放パターン3」と同一の開放動作を行った後に2.000秒の開放を1回実施する内容となっている。従って、「開放パターン5」の作動内容は、「開放パターン3」の実施時よりも2.000秒の開放分多くの遊技球の入球が望める内容となっている。
S80で当り図柄として「図柄6」が設定された場合、S115では「開放パターン6」を選択設定する。「開放パターン6」が選択された場合の普通電動役物40の開放動作は、図9(6)のタイミングチャートに示すように、2.000秒の開放を3回実施する内容となっている。この開放動作によって、開放時間のトータルが全ての開放パターン中で最も長くなるため、普通図柄が当り時に最も多くの遊技球の入球が望める内容となっている。
以上がS80の処理で設定した当り図柄(1から6)の種類に応じて選択される開放パターン1から開放パターン6の内容となるが、S75が肯定判定(当り)で、S95とS100が共に肯定判定であった場合には、S80で設定した当り図柄の種類に拘わらず普通電動役物40の開放パターンとして最も短い開放動作を実施する開放パターン1を設定する(S105)。これは、本願発明における、「開放パターン選択手段は、特別遊技が実行中であれば、普通図柄の種類に拘わらず共通開放パターンを選択する」という構成(S95の肯定判定)と「開放パターン選択手段は、第2変動表示が実行中であれば、普通図柄の種類に拘わらず共通開放パターンを選択する」という構成(S100の肯定判定)とに該当する処理となる。この共通開放パターンを備えたことにより、特別遊技、第2変動表示実行中以外では、開放パターン2〜6を用いて多様な開放タイミング、開放回数、開放時間で普通電動役物40を動作させるため、遊技者は狙うタイミングを掴めず、入賞できるか否か毎回緊張度の高い遊技を行うことができるようになる。
次に、主制御装置50が実行する特図始動入賞処理を図10のフローチャートを用いて説明する。普図始動入賞処理を開始すると、特図始動口32に遊技球が入球したか否か即ち特別図柄始動スイッチ32aが遊技球を検出したか否か判定する(S190)。否定判定なら(S190:no)リターンに抜け、肯定判定なら(S190:yes)、特別図柄の保留記憶数が最大値(本実施例においては4個)よりも少ないか否か判定する(S195)。否定判定なら(S195:no)リターンし、肯定判定なら(S195:yes)、特図の大当り決定用乱数、大当り図柄決定用乱数、特図変動パターン決定用乱数などの各種乱数値を抽出し、抽出した各種乱数値を保留記憶として特図保留記憶の数に応じた各記憶領域に記憶するとともに、特図保留記憶の数を示す特図保留記憶カウンタに1を加算する(S200)。次に、加算した特図保留記憶の数に該当する特図保留数指示コマンドをサブ統合制御装置53に送信して(S205)リターンに抜ける。
次に、実施例1において主制御装置50が実行する特図当否判定処理1を図11に示したフローチャートを用いて説明する。特図当否判定処理1は、本願発明における第2抽選手段を含む処理となる。
特図当否判定処理1を開始すると、大当りフラグが0か否か判定する(S210)。否定判定、即ち大当り遊技中なら(S210:no)リターンし、肯定判定なら(S210:yes)、特別図柄が停止しているか否か(S215)、特別図柄が確定図柄の非表示期間か否か判定し(S220)、どちらも肯定判定なら(S215:yes、S220:yes)、特図保留記憶が有るか否か判定する(S225)。否定判定なら(S225:no)リターンし、肯定判定なら(S225:yes)、時短フラグが成立していないか否か判定する(S230)。
大当りフラグは主制御装置50が遊技状態を判断するための値であり、大当りフラグが「1」なら大当り遊技中と判断し、大当りフラグが「0」なら非大当り遊技中と判断する。時短フラグも同様に主制御装置50が遊技状態を判断するための値であり、時短フラグが「1」なら、普通電動役物40が長時間作動する開放延長機能を作動させるとともに、各図柄の変動時間を短縮して実施する時短状態であると判断し、時短フラグが「0」なら非時短状態と判断する。
S230が否定判定なら(S230:no)時短状態中の処理を行うが、従来技術と何ら変わりないため説明は割愛する。肯定判定なら(S230:yes)、保留記憶のシフト処理を行う(S235)。これにより特図保留記憶の最も古い保留記憶を当否判定の対象とするとともに、特図保留記憶数を示す特図保留記憶カウンタから1を減算する。
続いて、特図当否判定の対象とした特図保留記憶の大当り判定用乱数と予め設定された特図当否判定テーブルとを比較して、大当り判定用乱数の値が特図当否判定テーブル内の判定値と一致するか判定する(S245)(本願発明における第2抽選手段に該当)。特図当否判定テーブルは、通常確率(低確率)用と高確率用の2種類のテーブルが設定してあり、当否判定時の遊技状態が通常遊技であれば通常確率用の当否判定テーブルを用いて比較し、高確率の遊技状態であれば高確率用の当否判定テーブルを用いて比較する。
S245が肯定判定、即ち大当りなら(S245yes)、特図当否判定の対象とした保留記憶の大当り図柄決定用乱数に基づいて、大当り図柄を選択し設定する(S250)。続いて特図当否判定の対象とした保留記憶の変動パターン決定用乱数に基づいて、特別図柄の変動パターンを選択し(S255)、S250で設定した大当り図柄の種類に応じて大入賞口33の開放パターンを設定する(S260)。
S245が否定判定なら(S245:no)、大当り判定用乱数の値が特図当否判定テーブル内の小当り値と一致するか判定する(S265)。肯定判定なら(S265:yes)、小当り図柄設定処理を行い(S270)S255、S260に進む。S265が否定判定なら(S265:no)、ハズレ図柄設定処理を行い(S275)、S255に進む。S260又はハズレ判定に応じたS255に続いては、上記処理によって選択設定された図柄の種類と変動パターンの情報とを、特図変動開始コマンドとしてサブ統合制御装置53へ送信し(S280)リターンする。サブ統合制御装置53への変動指示信号送信とほぼ同時に主制御装置50は、特別図柄表示装置30を直接制御して特別図柄の変動を開始する。また、特図変動開始コマンドを受信したサブ統合制御装置53からの指示に基づいて演出図柄制御装置54aは演出図柄表示装置54bを制御し、演出図柄の変動表示を開始する。
S215が否定判定、即ち特別図柄が変動中なら(S215:no)、図12に示すフローチャートに進み特別図柄の変動時間が経過したか否か判定する(S300)。否定判定なら(S300:no)リターンし、肯定判定なら(S300:yes)、特別図柄停止コマンドをサブ統合制御装置53に出力する特図確定コマンド送信処理を行い、特別図柄表示装置30を制御してS250、S270又はS275にて決定した図柄の確定表示を行う(S305)。
特図確定コマンドを受信したサブ統合制御装置53は、演出図柄制御装置54aに演出図柄を確定表示させる指示信号を出力し、演出図柄制御装置54aは、受信した指示信号に応じて演出図柄表示装置54bを制御して演出図柄を確定表示させる。これにより、主制御装置50が制御する特別図柄とサブ統合制御装置53が制御する演出図柄の変動の開始と終了が同じタイミングとなる(同期する)。
S305に続いては、確定表示した特別図柄が大当り図柄か否か判定する(S310)。肯定判定なら(S310:yes)、大当りフラグに1を設定し(S315)、確定図柄表示設定処理(確定図柄で表示させておく時間の設定)を行い(S317)リターンする。S310が否定判定なら(S310:no)、確定表示した特別図柄が小当り図柄か否か判定する(S320)。肯定判定なら(S320:yes)、小当りフラグに1を設定し(S325)、確定図柄表示設定処理(確定図柄で表示させておく時間の設定)を行い(S327)リターンする。S320が否定判定なら(S320:no)、確定図柄表示設定処理(確定図柄で表示させておく時間の設定)を行い(S328)リターンする。
図11に戻りS220が否定判定なら(S220:no)、図13に示すフローチャートに進み特別図柄の確定表示時間が経過したか否か判定し(S330)、否定判定なら(S330:no)リターンし、肯定判定なら(S330:yes)特別図柄表示装置30を制御して特別図柄の確定表示を終了させるとともに、サブ統合制御装置53に特別図柄表示終了コマンドを送信して(S335)リターンする。
以上が実施例1の内容となるが、図4の普図当否判定処理1を示すフローチャートからも分かるように、当否判定対象となる普図保留記憶がある場合は、普通電動役物40が作動中、普通図柄が変動中、又は普通図柄が確定表示を実施中以外において普図の当否判定(第1抽選手段)を実行する構成であり、大当りの実行中(大当りフラグが成立)及び特別図柄の変動中又は確定表示中に拘わらず、普図当否判定と該当否判定に応じた普通図柄の変動表示、確定表示、普通電動役物40の作動は実施される。
但し、大当り遊技の実行中(大当りフラグ=1)又は特別図柄の変動中に普図当否判定が当りとなった場合は、普通電動役物40が備える複数の開放パターンの中から、最も遊技球の入球が困難な開放パターン1が選択されるため、1段階目の遊技を新たに開始することを極力抑えている。
開放パターン1は、大当り遊技の実行中(大当りフラグ=1)又は特別図柄の変動中でない場合においても、当り図柄の種類に応じて選択(S115)される構成となっているが、図柄の種類によって選択される開放パターンは2から6の5種類とし、開放パターン1は、大当り遊技の実行中(大当りフラグが成立)又は特別図柄の変動中である場合に限り選択される構成としてもよい。
次に実施例2について説明する。本実施例に於いて遊技機を構成する部品とその電気的接続は実施例1と共通である。従って、重複する部分は実施例1を援用して説明を進める。
本実施例は、主制御装置50からサブ統合制御装置53に特別図柄の変動開始指示情報(変動開始コマンド)を送信する場合、該情報に普通電動役物40の開放パターンの種類を含み、該開放パターンの種類は、当該変動開始指示信号送信時の直近で開始された開放パターンとした構成である。即ち、変動開始指示情報(第2変動パターン信号)に含まれる開放パターンの種類は、当該変動の開始を可能とした開放パターンとなり、どの開放パターンの実施によって受信した変動表示が行われるのかが判別可能となっている。
実施例1で説明した図1から図3までと、図5から図10までと、図12、13は共通内容であるため説明は援用とし、実施例1の図4を改良した図14から実施例2を説明する。図14は、主制御装置50が実行する普図当否判定処理2の一部(実施例1の図5に対応)を示すフローチャートである。尚、普図当否判定処理2は、本願発明における開放パターン選択手段の一部と開放パターン記憶手段を含む処理となる。
本実施例における普図当否判定処理2の構成は、実施例1の図4を共通処理とし、図5の内容を図14の内容に変更している。図5と図14のフローチャートを比較して分かるように、ほぼ同一構成であるが、S145に対応したS405の直前に1個の処理(普電開放パターン記憶処理)が追加されている。
具体的には、普図当否判定処理2の開始から普電最短開放パターン設定(S380)及び普電選択開放パターン設定(S390)までは、実施例1で説明した普図当否判定処理1(図5)の普電最短開放パターン設定(S135)及び普電選択開放パターン設定(S140)までと同一内容のため援用とし、S380、又はS390に続いては、普電開放パターン記憶領域に記憶された内容をクリアした後に、S380又はS390のいずれかで設定した普通電動役物40の開放パターンの種類を該記憶領域に記憶する普電開放パターン記憶処理を行う(S400)。S400を実施後、確定図柄表示設定処理(S405)(図5におけるS145と同一内容)に進み、続く処理は図5と同一であるため援用とする。なお、この普電開放パターン記憶処理(S400)は、本願発明における開放パターン記憶手段に該当する処理となる。
本実施例では、普電開放パターン記憶処理で記憶した内容は、次回の普電開放パターン記憶処理が行われるまで記憶する構成としているが、S380又はS390によって設定された開放パターンが実施された時点、詳しくは開放パターン動作が終了して所定時間(例えば1.0秒)経過した時点で、普電開放パターン記憶領域の記憶内容を消去する構成としてもよい。
上記した普電開放パターン記憶処理を実施することによって、主制御装置50は、直近で実施した普通電動役物40の普通図柄当り動作となる開放パターンの種類を、次回の開放パターンを設定するまで判断可能な構成となっている。
次に、本実施例で主制御装置50が実行する特図当否判定処理2を図15に示したフローチャートを用いて説明する。この特図当否判定処理2は、本願発明における第2変動パターン選択手段と、第2変動パターン信号送信手段を含む処理となる。
本実施例における特図当否判定処理2の構成は、図11と図15のフローチャートを比較して分かるように、実施例1の特図当否判定処理1に、1個の処理(普電開放パターン記憶内容参照)を追加した構成となっている。
具体的には、特図当否判定処理2の開始からS490、S515、S520の各図柄設定処理までは、実施例1で説明した特図当否判定処理1(図11)のS250、S270、S275までと同一内容であるため援用とし、S490、S515、S520に続いては、普電開放パターン記憶領域に記憶されている記憶内容を参照する(S495)。続いて、普電開放パターン記憶内容参照結果を基にして変動パターン選択処理を行う(S500)。以降の処理(S505、S525)は、実施例1のS260、S280と同一内容となるため援用とする。なお、S500の変動パターン選択処理は、本願発明における第2変動パターン選択手段に該当し、S525は第2変動パターン信号送信手段に該当する処理となる。
本実施例における変動パターン選択処理(S500)では、図14のS400で普電開放パターン記憶領域に記憶された開放パターンの種類を参照して(S495)特別図柄の変動パターンを決定する構成となっているが、その内容を図16に示した図表を用いて説明する。
S500の変動パターン選択処理では、図16に示す変動パターン1から変動パターン6の6種類の中からいずれかを選択するが、S495で参照した開放パターンの種類が1(開放パターン1)であれば変動パターン1を選択し、参照した開放パターンの種類が2であれば変動パターン2を選択し、同様に開放パターン3なら変動パターン3、開放パターン4なら変動パターン4、開放パターン5なら変動パターン5、開放パターン6なら変動パターン6を選択する構成となっている。
S525の特図変動開始コマンド送信処理では、S500で決定した変動パターンの種類を示す信号をサブ統合制御装置53に送信するが、変動パターンの種類自体が普通電動役物の開放パターンを示す構成となっているため、サブ統合制御装置53が特図変動開始コマンドを受信すると、受信した変動パターンはどの開放パターンの実施により実現したかが判断可能となる。
次に、実施例2においてサブ統合制御装置53が実行する特図変動開始コマンド受信処理1について図17に示したフローチャートを用いて説明する。特図変動開始コマンド受信処理1を開始すると、特図変動開始コマンドを受信したか否か判定し(S550)否定判定なら(S550:no)リターンし、肯定判定なら(S550:yes)、振分乱数の抽出を行い(S555)、受信した変動コマンドと抽出した振分乱数の値に応じてサブ統合制御装置53が記憶する複数種類の変動態様(演出図柄)の中から演出図柄表示装置54bに表示する演出表示態様の種類を選択し(S560)、上記処理によって選択された演出表示態様を演出図柄表示装置54bに表示する指示信号を演出図柄制御装置54aに送信し(S565)、リターンに抜ける。
図18に示す図は、S560で特図変動開始コマンドの内容に応じて選択され演出図柄表示装置54bに表示される演出表示例である。(a)は、受信した特図変動開始コマンドが開放パターン1を示す場合に実施される演出表示例であり、最も遊技球の入球が困難な開放パターンにおいて遊技球を入球させたことを賞賛する演出内容となっている。
具体的な表示は、画面の下半分に変動する特別図柄に対応した演出図柄を表示し、画面左上に「すごいぞ!!」を表示し、画面右上にキャラクターAを表示する。開放パターン1(最も入球困難な開放パターン)に応じた演出で表示するキャラクターAは、他の開放パターンに応じた演出で表示するキャラクターとは異なる種類のキャラクターとなっている。
(b)は、受信した特図変動開始コマンドが開放パターン2、3、4を示す場合に実施される演出表示例であり、難易度が高くない開放パターンにおいて遊技球が入球した場合の演出内容となっている。
具体的な表示は、画面の下半分に変動する特別図柄に対応した演出図柄を表示し、画面左上に「よし!」を表示し、画面右上にキャラクターB(C、D)を表示する。開放パターン1に応じた演出以外で表示するキャラクターは熊の達吉となり、開放パターンの違いにより表情及び周囲の装飾が変化する。
(c)は、受信した特図変動開始コマンドが開放パターン5、6を示す場合に実施される演出表示例であり、入球が容易な開放パターンにおいて遊技球が入球した場合の演出内容となっている。
具体的な表示は、画面の下半分に変動する特別図柄に対応した演出図柄を表示し、画面左上に「楽勝!」を表示し、画面右上にキャラクターE(F)を表示する。この場合に表示するキャラクターも熊の達吉となる。
以上が実施例2の説明となる。本実施例では、変動パターン選択処理(S500)(第2変動パターン選択手段)において、普電開放パターン記憶領域に記憶されている開放パターンの種類を参照して変動パターンを選択する構成とし、選択可能な変動パターの数を開放パターンの種類に合わせて6としたが、当然この数に限るわけではなく、開放パターン毎に選択可能な複数の変動パターンを備え変動パターン数を更に数多く備える構成としてもよい。
例えば、各開放パターンの種類ごとに選択可能な変動パターンを複数備え、変動パターン決定用乱数値の値に応じて選択可能な複数の変動パターンの中から実施する変動パターンを選択する構成としてもよい。この場合、サブ統合制御装置53は、受信した特図変動開始コマンドがどの開放パターンを示すのかを判断するためのテーブルを備えてもよいし、主制御装置50が送信する変動開始コマンド自体に開放パターンの種類を示す情報を含めてもよい。
次に実施例3について説明する。本実施例に於いて遊技機を構成する部品とその電気的接続は実施例1と共通である。従って、重複する部分は実施例1を援用して説明を進める。
実施例2は、主制御装置50が普通電動役物40の開放パターン情報を含んだ変動開始コマンドを送信することにより、その信号を受信したサブ統合制御装置53が、開放パターンの種類に応じて該開放パターンによって変動表示を開始した特別図柄変動に対応する演出表示の内容を変化させる構成としたが、本実施例は、更に当該開放パターン実施時の遊技球の入球状況に応じて演出表示を変化させる構成となる。
具体的には、開放パターン1以外の開放パターンの実施時では、複数回の開放動作が実施されるため各開放に応じて遊技球が順次入球する可能性があり、最初の入球に応じた変動表示開始後に保留記憶が徐々に増加する状況が多分に発生する。この様な状況を演出表示に反映させる構成である。
本実施例は、実施例2の構成をそのまま用いた上で、図19に示すサブ統合制御装置53が実行する特図保留数指示コマンド受信処理を追加した構成となる。
図19に示すサブ統合制御装置53が実行する特図保留記憶数指示コマンド受信処理を開始すると、特図保留数指示コマンド(図10、S205により送信)を受信したか否か判定し(S580)否定判定なら(S580:no)リターンする。肯定判定なら(S580:yes)、サブ統合制御装置53が記憶する特図保留カウンタの値に1を加算し(S585)、加算後の保留数に応じた表示態様を指定する信号を演出図柄制御装置54aに送信する(S590)。
S590に続いては、特別図柄の変動に対応した演出図柄変動を実行中か否か判定する(S595)。否定判定なら(S595:no)、リターンし、肯定判定なら(S595:yes)、実行中の特別図柄の変動に対応した演出図柄変動を変化させるための(具体的な変化内容は後述)チャンス演出回数指示信号送信処理を行い(S600)リターンする。
次に、普通電動役物40が開放動作を行った場合の普通電動役物40(特図始動口32)への遊技球入球状況と、該状況に応じて変化する演出表示の変化タイミングの例を、図20のタイミングチャートを用いて説明する。なお、図20のタイミングチャートの普通電動役物40の開放動作には、遊技球の入球状況が分かりやすい開放パターン4(0.600秒の開放を9回実施)を用いている。
特別図柄が変動中ではなく保留記憶もない状態で普通図柄が当り、普通電動役物40が開放パターン4の動作を開始した場合、1回目の普通電動役物40の開放で1個の遊技球が入球すると、特図始動スイッチ32aが遊技球を検出し、該検出に応じてサブ統合制御装置53に特図保留数指示コマンドと特図変動開始コマンドを送信する(A)。
上記した(A)の状況を受けてのサブ統合制御装置53は、特図変動開始コマンドの受信に応じて特別図柄の変動開始に対応した演出図柄の変動を開始する(a)。また、特図保留数指示コマンドの受信に応じて増加した特図保留カウンタの値は、演出図柄変動の開始によってデクリメントされ、特図保留記憶数表示は実施されない(保留記憶数表示0個)。
開放パターン4の3回目の普通電動役物40の開放でも1個の遊技球が入球すると、特図始動スイッチ32aが遊技球を検出し、該検出に応じてサブ統合制御装置53に特図保留数指示コマンドを送信する(B)。この時点の特図保留記憶数は1個。
(B)の状況を受けてのサブ統合制御装置53は、特図保留数指示コマンドの受信に応じて特図保留カウンタに1を加算し、加算後の保留数である1に応じた表示態様を指定する信号を演出図柄制御装置54aに送信する(b)。更に、特別図柄の変動に対応した演出図柄が変動しているため(S595:yes)、チャンス演出回数指示信号送信を演出図柄制御装置54aに送信し(S600)、演出図柄表示装置54b上の演出表示を変化させる。
具体的な演出表示の変化内容は、(a)の変動表示開始時から(b)までは、図18(b)に示す表示態様を表示しているが、図20の(b)の時点では図21(1)に示す内容に変化する。具体的には、1個の特図保留記憶数を表示すると同時に、キャラクターD(熊の達吉)の吹き出し演出として「チャンスはあと1回!」を表示する。
開放パターン4の5回目の普通電動役物40の開放でも1個の遊技球が入球すると、特図始動スイッチ32aが遊技球を検出し、該検出に応じてサブ統合制御装置53に特図保留数指示コマンドを送信する(C)。この時点の特図保留記憶数は2個。
(C)の状況を受けてのサブ統合制御装置53も、特図保留数指示コマンドの受信に応じて特図保留カウンタに1を加算し、加算後の保留数である2に応じた表示態様を指定する信号を演出図柄制御装置54aに送信する(c)。更に、特別図柄の変動に対応した演出図柄が変動しているため(S595:yes)、チャンス演出回数指示信号送信を演出図柄制御装置54aに送信し(S600)、演出図柄表示装置54b上の演出表示を変化させる。
具体的な演出表示の変化内容は、図21の(1)から(2)に示す内容に変化する。具体的には、特図保留記憶数が1個増加し2個の特図保留記憶数を表示すると同時に、キャラクターD(熊の達吉)の吹き出し演出として「チャンスはあと2回!」を表示する。
開放パターン4の6、7、8回目の開放時にもそれぞれ1個の遊技球が入球した場合、6、7回目については上述した3、5回目と同内容の処理により演出図柄表示装置54b上の表示が図21の(3)(4)の内容に順次変化するが、8回目の開放時に遊技球が入球した場合は、既に特図保留記憶数が最大値に達しているため、特図始動スイッチ32aが遊技球を検出しても主制御装置50は特図保留数指示コマンドを送信しない(F)。この時点の特図保留記憶数は4個。
以上が実施例3の説明となり、実施例2と同様に、1段階目の遊技結果である普通電動役物40作動時の遊技球の不確定な入球状況を活かした演出表示を実施する構成となっている。
実施例2、3においては、サブ統合制御装置53が演出内容を選択又は変化させる条件を、変動開始コマンドによって判断する開放パターンの種類、及び特図保留数指示コマンドによって判断する1回の開放パターン実施中における遊技球の入球状況として説明したが、それに加え、一つの開放パターンの何回目の開放時に遊技球が入球したかを判断して演出表示を選択又は変化させる構成も考えられる。
この構成を実施する場合には、普通図柄の当り時に主制御装置50が実行する普電作動処理(図5、S150)において、開放パターン1以外の複数の開閉動作を実施する開放パターンの制御時は、開放処理と閉鎖処理を実施する毎に、開放実施コマンド及び閉鎖実施コマンドをサブ統合制御装置53に送信する構成とする。これによりサブ統合制御装置53は、受信する開放実施コマンド、閉鎖実施コマンド及び特図変動開始コマンド(又は特図保留数指示コマンド)によって、任意の開放パターンが開始されてから何回目の開放動作で遊技球が入球し特図の変動が開始されたかが判断可能となる。
また、上記した構成に加え、普通電動役物40の作動時(開放パターン実施時)の規定入賞数を1個と定め、開放パターンの実施中において1個の遊技球が入球した場合は、その時点で普通電動役物40の作動を終了する構成を実施することによって、図22に示した演出表示が可能となる。この演出は、普図の当りに応じた普通電動役物40の作動(例として開放パターン3)が開始されてから、その開放パターンの何回目の開放時に規定入賞数(1個)を満たしたか(遊技球が最初に入球したのか)によって演出内容を変化させる内容となっている。
上記構成において主制御装置50は、サブ統合制御装置53に普通電動役物40の開放パターン情報を普通図柄当選時、もしくは普通図柄変動開始時に送信し、普通電動役物40の開放動作の度に開放回数指定コマンドを送信し、普通電動役物40への入球を検出すると入球検出指定コマンドを送信する。これによりサブ統合制御装置53は開放パターンを把握した上で何回目の開放で遊技球が入球したかが把握できる。このように3つの情報の組み合わせにより、豊富な演出パターンを備えることができる。
図22(1)は、普通電動役物40が開放パターン3の動作を開始して1回目の開放ですぐに遊技球が入球した場合の特図変動に対応した演出表示の態様である。なお、普通電動役物40の規定入賞数は1個であるため、1回目の開放で遊技球の入球を検出した時点で普通電動役物40の作動は終了する。この演出表示では、画面の下半分に変動する特別図柄に対応した演出図柄を表示し、画面左上に「いきなり!」を表示し、画面右上に周りを星で装飾したキャラクター(熊の達吉)を表示する。
図22(2)は、普通電動役物40が開放パターン3の動作を開始して2回目又は3回目の開放で遊技球が入球した場合の特図変動に対応した演出表示の態様である。なお、普通電動役物40の規定入賞数は1個であるため、2回目又は3回目の開放で遊技球の入球を初めて検出した時点で普通電動役物40の作動は終了する。この演出表示では、画面の下半分に変動する特別図柄に対応した演出図柄を表示し、画面左上に「よし!」を表示し、画面右上に笑顔のキャラクター(熊の達吉)を表示する。
図22(3)は、普通電動役物40が開放パターン3の動作を開始して4回目(2.000秒間)の開放で遊技球が入球した場合の特図変動に対応した演出表示の態様である。なお、普通電動役物40の規定入賞数は1個であるため、4回目の開放で遊技球の入球を初めて検出した時点で普通電動役物40の作動は終了する。この演出表示では、画面の下半分に変動する特別図柄に対応した演出図柄を表示し、画面左上に「大サービス!」を表示し、画面右上に周りを星で装飾した笑顔のキャラクター(熊の達吉)を表示する。
図22に示した表示例では、1回目の開放、2回目3回目の開放、4回目の開放(2.000秒開放)の3種類に区分したが、例とした開放パターン3のように、入球が困難な開放時間(0.6000秒)と、入球が容易な開放時間(2.000秒)とで構成されている場合は、入球困難な開放で入球した場合と入球容易な開放で入球した場合とで演出内容を変化させる構成も考えられる。
以上が実施例の説明となる。実施例2、3では、特図変動開始コマンド自体(変動パターンの種類自体)が開放パターンの種類を示す構成としたが、開放パターンの種類を示す情報を特図変動開始コマンドとは別のコマンドとしてサブ統合制御装置53に送信する構成も考えられる。
開放パターンの種類を示すコマンドを特図変動開始コマンドとは別コマンドで送信する場合の送信タイミングは、図14のS400又はS405で開放パターンを設定した直後(S410の処理タイミング)としてもよい。このタイミングで送信する場合は、受信したサブ統合制御装置53がその内容を記憶し(次に開放パターンを示すコマンドを受信するまで)、特図変動開始コマンドを受信したときに記憶している開放パターンの種類を参照して演出内容を選択する構成となる。
また、図15のS525前後のタイミングで開放パターンの種類を示すコマンドをサブ統合制御装置53に送信する場合は、ほぼ同時に特図変動開始コマンドを受信するため一方のコマンドを受信した場合、他方のコマンドの受信を待機し各コマンド内容を参照して演出内容を選択する構成となる。